新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

令和6年11月13日(更新中)

※新型コロナウイルス感染症が令和5年5月8日に5類感染症に位置づけられたことに伴い、Q&Aの内容についても随時更新しています。

   

1 風邪の症状がある方、感染が疑われる方、感染した方が職場復帰する場合への対応

問1 熱や咳がある方については、どうしたらよいのでしょうか。
問2 新型コロナウイルス感染症に感染した労働者が職場復帰する際にどのような点に留意すればよいでしょうか 。
問3 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状にはどんなものがありますか。
問4 罹患後症状に悩んでいる社員がいます。治療と仕事の両立を支援したいのですが、職場ではどのようなことに取り組んだらよいですか。
問5 治療と仕事の両立支援について、社内啓発に取り組もうと思います。参考になる情報はありますか。
問6 治療と仕事の両立支援の進め方についてどこに相談すればいいでしょうか。

2 感染防止に向けた柔軟な働き方(テレワーク、時差通勤、時差休憩)

問1 新型コロナウイルスの感染防止のため、自社の労働者にテレワークを導入したいと考えていますが、どこに相談したらよいのでしょうか。また、どのような点に留意が必要でしょうか。
問2 テレワークを導入する場合の費用負担はどのようにしたらよいでしょうか。
問3 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更されたことを理由として、使用者から一方的にテレワークを廃止し、出社を求めて良いですか。
問4 新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、なるべく人混みを避けての通勤を考えています。時差通勤を導入するにはどうしたらよいのでしょうか。
問5 新型コロナウイルス感染防止の観点から、ランチタイムの混雑を避けるため、部署ごとに昼休みの時間をずらして、時間差で昼休みを取得させることを考えていますが、どのような手続が必要でしょうか。

3 雇用調整助成金

問1 そもそも雇用調整助成金とはどのようなものでしょうか。
問2 雇用調整助成金は、外国人の方を雇用する事業主も対象になりますか。

4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)

問1 新型コロナウイルスに感染した、または発熱などの症状がある労働者を事業者の判断で休業させる場合、休業手当の支払いは必要ですか。
問2 労働者が新型コロナウイルスに感染した、または発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。
問3 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等にどのようなことに心がければよいのでしょうか。
問4 新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、休業手当の支払いが不要である場合について、労働者に対する賃金の支払いは不要でしょうか。
問5 新型コロナウイルスに感染している、またはその疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどのようになりますか。
問6 アルバイトやパートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者などの方についても、休業手当の支払いや年次有給休暇の付与等は必要でしょうか。
問7 新型コロナウイルスに関連して、労働者が安心して休めるよう、有給の特別休暇制度を設けたいと考えています。制度を設けるに当たっての具体的な手続はどのようになりますか。
問8 新型コロナウイルス感染症で小学校、特別支援学校等の臨時休業に際して、企業にお勤めの方が子どもの世話をするために休暇を取得する場合、どのような支援があるのでしょうか。
問9 新型コロナウイルス感染症への対応として、企業にお勤めの方が対象家族の介護をするために休暇を取得した場合、どのような支援があるのでしょうか。
問10 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、年次有給休暇など)は、外国人を雇用している場合でも適用されますか。
問11 問8の小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援は、外国人を雇用する事業主にも対象になりますか。
問12 自社に勤める労働者が新型コロナワクチンの接種を安心して受けられるよう、新型コロナワクチンの接種や接種後に発熱などの症状が出た場合のために、特別の休暇制度を設けたり、既存の病気休暇や失効年休積立制度を活用したりできるようにするほか、勤務時間中の中抜けを認め、その時間分終業時刻を後ろ倒しにすることや、ワクチン接種に要した時間も出勤したものとして取り扱うといった対応を考えています。どういった点に留意が必要でしょうか。
問13 5~11歳の子どもを対象とした新型コロナワクチンの接種が行われていますが、ワクチン接種の対象年齢の子どもを持つ、自社の労働者への対応については、どうしたらよいでしょうか。
 

5 労災補償

問1 労働者が新型コロナウイルスに感染した場合、労災保険給付の対象となりますか。
問2 医師、看護師などの医療従事者や介護従事者が、新型コロナウイルスに感染した場合 の取扱いはどのようになりますか。
問3 医療従事者や介護従事者以外の労働者が、新型コロナウイルスに感染した場合の取扱 いはどのようになりますか。
問4 感染経路が判明しない場合、どのように判断するのですか。
問5 「複数の感染者が確認された労働環境下」とは、具体的にどのようなケースを想定し ているのでしょうか。
問6 「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」として想定しているのは、どのような業務でしょうか。
問7 上記答4の(例1)、(例2)以外で示した業務以外の業務は、対象とならないのでしょうか。
問8 PCR検査や抗原検査で陽性でしたが、症状が軽く、自宅等において療養を行いました。当該療養期間について、医師からの証明がなくても休業補償給付の請求はできますか。
問9 労働者が新型コロナウイルスに感染したとして労災請求する場合、事業主として協力できることはありますか。
問10 労働者が新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けたことで健康被害が生じた場合、労災保険給付の対象となりますか。
問11 「医療従事者等」や「高齢者施設等の従事者」とは、具体的にどのような方を想定しているのでしょうか。
問12 予防接種健康被害救済制度による給付を受けていますが、労災保険からも給付を受けることはできますか。
問13 医療従事者が接種業務を行っている際、誤って注射の針を自分の手指等に刺してしまい(いわゆる針刺し事故)、それが原因で疾病を発症した場合、労災保険給付の対象となりますか。
問14 新型コロナウイルス感染症に関する労災保険給付があった場合、労災保険料に影響があるのでしょうか。

6 労働者派遣

問1 (派遣先の方)新型コロナウイルス感染症の影響により事業が立ちゆかないので、労働者派遣契約を解除したいのですが、労働者派遣法上問題がありますか。
問2 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約を中途解除せざるをえない場合、派遣先は、労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる必要はありますか。
問3 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約の内容の変更等を行う場合に、派遣先は派遣会社から派遣料金や金銭補償を求められることになりますか。
問4 (派遣会社の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受けて事業を休止した派遣先から、労働者派遣契約の中途解除を申し込まれていますが、派遣会社としてどのような対応を行うべきでしょうか。
問5 (派遣先の方)労働者派遣契約を中途解除した場合に、派遣会社が休業手当支払いを行い、雇用調整助成金の支給を受ける場合でも、派遣先は労働者派遣法第29条の2に基づき、派遣会社に対して休業手当等の費用負担を行わなければならないですか。
問6 (派遣会社の方)新型コロナウイルス感染症の感染防止等を踏まえ、派遣労働者についてもテレワークの実施を行うに当たり、労働者派遣法に関して留意すべきことはありますか
 

7 その他(職場での嫌がらせ、採用内定取消し、解雇・雇止めなど)

問1 職場において、新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等が起きた場合には、どのように対応したらよいでしょうか。また、そのような事態を未然に防ぐために、どのようなことをすべきでしょうか。
問2 労働者の労働条件(労働契約の内容)を変更する場合はどのような対応が必要でしょうか。
問3 新卒内定者の内定を取り消したり、入社してすぐに休ませてもいいでしょうか。
問4 今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、労働者の雇用調整を検討していますが、どのようなことに注意すべきですか。
問5 やむを得ず労働者への退職勧奨や解雇を検討していますが、どのような問題がありますか。
問6 やむを得ず有期契約労働者の雇止めを検討していますが、どのような問題がありますか。
問7 家族の介護をしている労働者がいるのですが、どのようなことに気をつければよいでしょうか。
問8 新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか。
問9 新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した労働者を、解雇、雇止めすることはできますか。
問10 新型コロナウイルスワクチンを接種していない労働者を、人と接することのない業務に配置転換することはできますか。
問11 採用時に新型コロナウイルスワクチン接種を条件とすることはできますか。

1 風邪の症状がある方、感染が疑われる方、感染した方が職場復帰する場合への対応

<風邪の症状がある方等への対応>

問1 熱や咳がある方については、どうしたらよいのでしょうか。

体調に異変を感じたら、まずは抗原定性検査キットでセルフチェックし、陽性の場合は、一定期間は外出を控えることが推奨されます(外出を控えることが推奨される期間等は新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)2.新型コロナウイルスについて問4に記載していますので、参考にしていただき、外出を控えるかどうかを判断してください)。そのためには、従業員の方々が休みやすい環境整備が大切ですので、ご協力いただきますようお願いします。
(参考) 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)1.政府の方針 
問3 発熱や咳などの症状がある場合には、どうしたらよいですか。


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<感染者の職場復帰、罹患後症状(いわゆる後遺症)>
問2 新型コロナウイルス感染症に感染した労働者が職場復帰する際にどのような点に留意すればよいでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の回復経緯や心身の負担には個人差があることから、療養終了後に職場復帰する場合の対応に当たっては、業務によって症状を悪化させること等がないよう、勤務時間の短縮やテレワークの活用など、労働者の負担軽減に配慮した無理のないものとすることが望ましいです。

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問3 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状にはどんなものがありますか。

罹患後症状の例として、次のものがわかっています。症状の程度や経過には個人差があり、時間とともに改善する人もいますが、症状が悪化したり、改善までに時間がかかったりする人もいます。
疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下
 
(参考)新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について

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問4 罹患後症状に悩んでいる社員がいます。治療と仕事の両立を支援したいのですが、職場ではどのようなことに取り組んだらよいですか。

例として、以下のような休暇制度・勤務制度について、各事業場の実情に応じて検討・導入し、治療のための配慮を行うことが望まれます。
時間単位の年次有給休暇制度、傷病休暇・病気休暇、時差出勤制度、短時間勤務制度、テレワーク、試し出勤制度

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問5 治療と仕事の両立支援について、社内啓発に取り組もうと思います。参考になる情報はありますか。

治療しながら働く人を応援する情報ポータルサイト「治療と仕事の両立支援ナビ」をご利用ください。「治療と仕事の両立支援ナビ」では、事業者の方、支援を受ける方、医療機関・支援機関の方にとって役立つ、治療と仕事の両立支援に関する総合的な情報を発信しています。
 
「治療と仕事の両立支援ナビ」
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/

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問6 治療と仕事の両立支援の進め方についてどこに相談すればいいでしょうか。

都道府県産業保健総合支援センターにご相談ください。独立行政法人労働者健康安全機構では、全国47の都道府県に産業保健総合支援センター(さんぽセンター)を設置しています。産業医、産業看護職、衛生管理者等の産業保健関係者を支援するとともに、事業主等に対し職場の健康管理への啓発を行っています。
 
産業保健総合支援センター(さんぽセンター)一覧

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2 感染防止に向けた柔軟な働き方(テレワーク、時差通勤、時差休憩)

<テレワーク>
問1 新型コロナウイルスの感染防止のため、自社の労働者にテレワークを導入したいと考えていますが、どこに相談したらよいのでしょうか。また、どのような点に留意が必要でしょうか。

厚生労働省では、テレワークに関連する情報を一元化した『テレワーク総合ポータルサイト』を設け、テレワークに関する相談窓口、企業の導入事例紹介などテレワークの導入・活用に向けた各種情報を掲載していますので、参考にしてください。
 テレワーク総合ポータルサイト
 
テレワーク導入に当たってのご相談は、下記窓口で受け付けております。
(電話、来訪(事前予約)によるご相談については、いずれも9時~17時。土・日曜、国民の祝日を除く。)
 
<テレワーク相談センター(東京都所在以外企業等向け)>
 TEL:0120-260-090
 Mail:telework_sodan@lec.co.jp
 
<東京テレワーク推進センター内テレワーク相談コーナー(東京都所在企業向け)>
 TEL:0120-861-009(自動音声に従い、1を押してください。)
 Mail:suishin@japan-telework.or.jp
 
また、テレワーク時にも労働基準関係法令が適用されますが、労働者が通常の勤務と異なる環境で就業することになるため、労働時間管理などに留意いただく必要があります。厚生労働省で、留意点などについてまとめたガイドラインを作成していますのでご活用ください。
 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン

なお、中小企業を対象に、テレワークを導入する際の費用(機器等の導入や就業規則の変更の費用など)を助成する制度を設けていますので、ぜひご利用ください。詳細は下記URLからご確認いただけます。申請・お問い合わせ等につきましては、各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)にご連絡ください。

 人材確保等支援助成金(テレワークコース)

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問2 テレワークを導入する場合の費用負担はどのようにしたらよいでしょうか。

テレワークに要する通信費、情報通信機器等の費用負担等、テレワークを行うことによって生じる費用については、労使のどちらが負担するか、あらかじめ労使で十分に話し合いましょう。トラブルを避けるためには、就業規則等において定めておくことが望まれます。
特に、労働者に情報通信機器、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合には、当該事項について就業規則に規定する必要があります(労働基準法第89条第5号)。

(参考)
 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン

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問3 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更されたことを理由として、使用者から一方的にテレワークを廃止し、出社を求めて良いですか。


雇用契約や就業規則において、労働者が任意にテレワークを実施できることが規定され、労働条件となっているのであれば、その規定に従う必要があり、原則として使用者が一方的にテレワークを廃止し、出社させることはできません。
テレワークは、新型コロナウイルス感染症対策にとどまらず、通勤時間の短縮及びこれに伴う心身の負担の軽減、仕事に集中できる環境での業務の実施による業務効率化、時間外労働の削減、育児や介護と仕事の両立といった労働者にとって仕事と生活の調和を図ることが可能となるといったメリットがあります。
また、使用者にとっても、業務効率化による生産性の向上、育児や介護等を理由とした労働者の離職の防止、遠隔地の優秀な人材の確保、オフィスコストの削減等のメリットがあります。
このように、テレワークは、労働者と使用者の双方にとって様々なメリットのある制度であることから、その取り扱いについては使用者と労働者の間でよく話し合っていただくことが望ましいと考えられます。
なお、テレワークに関する各種情報は総合ポータルサイト(https://telework.mhlw.go.jp/)をご参照いただくとともに、労務管理やICT(情報通信技術)に関する相談はテレワーク相談センターにお寄せください。
 
<テレワーク相談センター>
https://telework.mhlw.go.jp/info/map/

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<時差通勤>
問4 新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、なるべく人混みを避けての通勤を考えています。時差通勤を導入するにはどうしたらよいのでしょうか。

労働者及び使用者は、その合意により、始業、終業の時刻を変更することができますので、時差通勤の内容について、労使で十分な協議をしていただきたいと思います。
また、始業、終業の時刻を労働者の決定に委ねる制度として、フレックスタイム制があります。この制度は、1日の労働時間帯を、必ず勤務すべき時間帯(コアタイム)と、その時間帯の中であればいつ出社または退社してもよい時間帯(フレキシブルタイム)とに分けるものです。なお、コアタイムは必ず設けなければならないものではありませんので、全部をフレキシブルタイムとすることもできます。フレックスタイム制の詳細や導入の手続きに際しては、以下のURLをご覧ください。
 フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き


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<昼休みの時差取得>
問5 新型コロナウイルス感染防止の観点から、ランチタイムの混雑を避けるため、部署ごとに昼休みの時間をずらして、時間差で昼休みを取得させることを考えていますが、どのような手続が必要でしょうか。

新型コロナウイルスの感染リスクとして、職場においては、特に「居場所の切り替わり」(休憩室、更衣室、喫煙室など)に注意が必要とされています。こうした観点から、昼休みの時間を分散させることにより、ランチタイムにエレベーターや食堂に人が集中することなどを抑制することは、新型コロナウイルスの感染防止対策として有効と考えられます。 労働基準法では、休憩時間は労働者に一斉に与えなければならないこととされており、昼休みを時差取得とする場合には、労使協定を締結して、①対象者の範囲、②新たな昼休みの時間の2点を、取り決めていただくこととなります。また、その際は、労働者の意向などもよく確認いただきながら、職場の実情に応じて取り決めていただくことが重要です。
※ 労使協定は、過半数労働組合又は過半数代表者と書面で締結する必要があります。
※ 以下の業種については、一斉休憩の規定は適用されていません。 ①運輸交通業 ②商業 ③金融・広告業 ④映画・演劇業 ⑤通信業 ⑥保健衛生業 ⑦接客娯楽業 ⑧官公署(現業部門を除く)
※ 常時10人以上の労働者を使用する事業場の場合、就業規則の変更手続も必要です。


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3 雇用調整助成金

<雇用調整助成金について>
問1 そもそも雇用調整助成金とはどのようなものでしょうか。

景気の後退等、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向(以下、「休業等」といいます。)を行い、労働者の雇用を維持した場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。
詳細は、こちらを参照してください。
※新型コロナウイルス感染症に係る特例措置については、令和5年3月31日をもって終了しています。

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<外国人を雇用する事業主について>
問2 雇用調整助成金は、外国人の方を雇用する事業主も対象になりますか。

支給要件を満たす事業主であれば、雇用保険被保険者である従業員の国籍は問いません。

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4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)

<休業させる場合の留意点>
問1 新型コロナウイルスに感染した、または発熱などの症状がある労働者を事業者の判断で休業させる場合、休業手当の支払いは必要ですか。

 労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中当該労働者に、休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
使用者の責に帰すべき事由とは、企業の経営者として不可抗力を主張し得ないすべての場合とされています。
ここでいう不可抗力とは、
①その原因が事業の外部より発生した事故であること、
②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること
の2つの要件をいずれも満たす必要があります。
 休業手当の支払義務の考え方については、上記のような考え方の下で個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案して判断されることとなります。
例えば発熱などの症状があることのみをもって一律に労働者に休んでいただく措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当たり、休業手当を支払う必要があります。

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<新型コロナウイルスに感染した方や発熱などがある方の自主休業>
問2 労働者が新型コロナウイルスに感染した、または発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。

新型コロナウイルスに感染した場合、一定期間は外出を控えることを推奨していますが、新型コロナウイルスに感染した、または発熱などの症状がある労働者が自主的に休まれる場合は、通常の病欠と同様に取り扱っていただき、病気休暇制度(事業場で任意に設ける休暇)を活用することなどが考えられます。
一方、例えば感染したことや発熱などの症状があることのみをもって一律に労働者に休んでいただく措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

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<事業の休止に伴う休業>
問3 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等にどのようなことに心がければよいのでしょうか。

今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止などを余儀なくされた場合において、労働者を休業させるときには、労使がよく話し合って労働者の不利益を回避するように努力することが大切です。
また、労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。休業手当の支払いについて、不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の支払義務はありません。
具体的には、例えば、海外の取引先が新型コロナウイルス感染症を受け事業を休止したことに伴う事業の休止である場合には、当該取引先への依存の程度、他の代替手段の可能性、事業休止からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、判断する必要があると考えられます。

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<休業手当の支払いが不要な場合の賃金>
問4 新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、休業手当の支払いが不要である場合について、労働者に対する賃金の支払いは不要でしょうか。

そもそも、事業主は、その雇用する労働者のうち、特に配慮を必要とする方について、その事情を考慮して対策を行う等して労働条件の改善に努めなければならないものであり、これは新型コロナウイルス感染症に関連して労働者に休んでいただく場合も同様です。
そのため、新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、労働基準法の休業手当の支払いが不要である場合についても、労使の話し合いのうえ、就業規則等により休業させたことに対する手当を支払うことを定めていただくことが望ましいものです。
なお、このような労使の話し合いによって、事業場で有給の特別休暇制度を設ける場合の手続については、問7「特別休暇の導入の手続」をご覧ください。

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<年次有給休暇と病気休暇の取り扱い>
問5 新型コロナウイルスに感染している、またはその疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどのようになりますか。

年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。事業場で任意に設けられた病気休暇により対応する場合は、事業場の就業規則などの規定に照らし適切に取り扱ってください。
なお、使用者は、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないことにご留意ください。

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<アルバイト・パートタイム労働者等への適用について>
問6 アルバイトやパートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者などの方についても、休業手当の支払いや年次有給休暇の付与等は必要でしょうか。

労働基準法上の労働者であれば、アルバイトやパートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者など、多様な働き方で働く方も含めて、休業手当の支払いや年次有給休暇付与が必要です。
労使で十分に話し合い、労働者が安心して休むことができる体制を整えていただくようお願いします。
なお、法定外の休暇制度や手当を設ける場合、非正規雇用であることのみを理由に、一律に対象から除外することは、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保を内容とするパートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の規定に違反する可能性があります。

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<特別休暇の導入の手続>
問7 新型コロナウイルスに関連して、労働者が安心して休めるよう、有給の特別休暇制度を設けたいと考えています。制度を設けるに当たっての具体的な手続はどのようになりますか。

労使の話し合いによって、事業場で特別休暇制度を設けることができます。 その場合には、労働者が安心して休めるよう、就業規則に定めるなどにより、労働者に周知していただくことが重要です。
就業規則の定め方など、導入に当たっての具体的なご相談は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)の「働き方・休み方改善コンサルタント」が受け付けております。
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)

リーフレット「就業規則を作成しましょう」

モデル就業規則

リーフレット「病気休暇制度 支えられる安心、支える安心」

事例集「特別休暇制度導入事例2022」

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<小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援>
問8 新型コロナウイルス感染症で小学校、特別支援学校等の臨時休業に際して、企業にお勤めの方が子どもの世話をするために休暇を取得する場合、どのような支援があるのでしょうか。

新型コロナウイルス感染症により小学校や特別支援学校、幼稚園、保育所、認定こども園などが臨時休業した場合等に、子どもの世話を行う必要がある労働者が利用できる有給休暇制度及び両立支援制度を整備し、休暇を取得した労働者が生じた事業主に対して助成する制度(両立支援等助成金(育児休業等支援コース 新型コロナウイルス感染症対応特例))があります。
詳細はこちら→ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20699.html

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<介護施設等の臨時休業等に伴う労働者の休暇取得支援>
問9 新型コロナウイルス感染症への対応として、企業にお勤めの方が対象家族の介護をするために休暇を取得した場合、どのような支援があるのでしょうか。

介護サービスを利用していた家族又は利用しようとしていた家族が新型コロナウイルス感染症の影響により介護サービスを利用できなくなったこと等への対応として、労働者が当該家族を介護するための有給休暇を設け、仕事と介護の両立支援制度の内容を含めて社内に周知し、当該休暇を合計5日(所定労働日ベース)以上労働者に取得させた中小企業事業主に対する助成制度(両立支援等助成金(介護離職防止支援コース 新型コロナウイルス感染症対応特例))があります。
詳細はこちら→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html

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<外国人の労働者に対する労働基準法の適用>
問10 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、年次有給休暇など)は、外国人を雇用している場合でも適用されますか。

労働基準法の適用があるか否かに、外国人であるかは関係ありません。外国人の方であっても、労働基準法の労働者に当たる場合は、一定の要件を満たす場合には、労働基準法における休業手当の支払いを行っていただくとともに、労働者が年次有給休暇を請求した場合においては、原則として、労働者が請求する時季に与えなければならないものです。
なお、使用者においては、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないことにご留意ください。

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<外国人労働者に対する適用>
問11 問8の小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援は、外国人を雇用する事業主にも対象になりますか。

両立支援等助成金(育児休業等支援コース 新型コロナウイルス感染症対応特例)については、雇用保険被保険者であれば外国人についても適用されます。

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<ワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱い>
問12 自社に勤める労働者が新型コロナワクチンの接種を安心して受けられるよう、新型コロナワクチンの接種や接種後に発熱などの症状が出た場合のために、特別の休暇制度を設けたり、既存の病気休暇や失効年休積立制度を活用したりできるようにするほか、勤務時間中の中抜けを認め、その時間分終業時刻を後ろ倒しにすることや、ワクチン接種に要した時間も出勤したものとして取り扱うといった対応を考えています。どういった点に留意が必要でしょうか。

職場における感染防止対策の観点からも、労働者の方が安心して新型コロナワクチンの接種を受けられるよう、ワクチンの接種や、接種後に労働者が体調を崩した場合などに活用できる休暇制度等を設けていただくなどの対応は望ましいものです。
また、①ワクチン接種や、接種後に副反応が発生した場合の療養などの場面に活用できる休暇制度を新設することや、既存の病気休暇や失効年休積立制度(失効した年次有給休暇を積み立てて、病気で療養する場合等に使えるようにする制度)等をこれらの場面にも活用できるよう見直すこと、②特段のペナルティなく労働者の中抜け(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認め、その分終業時刻の繰り下げを行うことなど)や出勤みなし(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認めた上で、その時間は通常どおり労働したものとして取り扱うこと)を認めることなどは、労働者が任意に利用できるものである限り、ワクチン接種を受けやすい環境の整備に適うものであり、一般的には、労働者にとって不利益なものではなく、合理的であると考えられることから、就業規則の変更を伴う場合であっても、変更後の就業規則を周知することで効力が発生するものと考えられます(※)。
こうした対応に当たっては、新型コロナワクチンの接種を希望する労働者にとって活用しやすいものになるよう、労働者の希望や意向も踏まえて御検討いただくことが重要です。
※ 常時10人以上の労働者を使用する事業場の場合、就業規則の変更手続も必要です。

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<ワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱い>
問13 5~11歳の子どもを対象とした新型コロナワクチンの接種が行われていますが、ワクチン接種の対象年齢の子どもを持つ、自社の労働者への対応については、どうしたらよいでしょうか。

 5~11歳の子どもを対象とした新型コロナワクチンの接種が行われていますが、ワクチン接種には原則として保護者の同伴が必要とされています。また、接種後の副反応等で子どもが体調を崩した場合の看病などで労働者が急に仕事を休まざるを得ない場合も生じ得ます。
こうした場合に、すでに、「ファミリーサポート休暇」(育児、介護など家族へのサポートが必要な労働者に休暇を与える制度)や、育児の場合に使える「失効年休積立制度」(失効した年次有給休暇を積み立てて、病気の療養や、育児、介護等の場合に使えるようにする制度)等の特別な休暇制度がある場合は、その利用促進を図っていただき、また、利用できる休暇制度がない場合は、新たな制度を設けたり、既存の休暇制度の要件を緩和することを検討してみてはいかがでしょうか。
 また、育児・介護休業法で規定されている子の看護休暇について周知するほか、会社の任意の取組として、休暇要件である子どもの対象年齢を引き上げる等、より多くの労働者が同休暇を取得できるよう制度の見直しを検討するといったことも考えられます。
 子どもへのワクチン接種を希望される労働者が安心してワクチン接種に臨めるよう、企業においても、労働者の希望や意向も踏まえて必要な取組を進めていただくことが望まれます。

※1 子の看護休暇:育児・介護休業法においては、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、年間5労働日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が2人以上の場合は年間10労働日)を限度として、病気・けがをした子の看護または子に予防接種・健康診断を受けさせるために、1日単位または時間単位で休暇を取得することができる(第16条の2)とされています。
また、事業主は、この休暇の申出を拒むことができない(第16条の3第1項)とされています。
※2 休暇や労働時間の取扱いについては、新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)4の問13(労働者本人のワクチン接種の場合)も参考にしてください。

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5 労災補償

問1 労働者が新型コロナウイルスに感染した場合、労災保険給付の対象となりますか。

業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
また、新型コロナウイルス感染症による症状が持続し(罹患後症状があり)、療養や休業が必要と認められる場合にも、労災保険給付の対象となります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更された後においても、この取扱いに変更はありません。
請求の手続等については、事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください。

(職場で新型コロナウイルスに感染した方へ(リーフレット))
(外国語リーフレット)
英語韓国語中国語スペイン語ポルトガル語タイ語ミャンマー語
タガログ語インドネシア語ペルシャ語ベトナム語ネパール語カンボジア語

(参考1)新型コロナウイルス感染症に関する労災請求件数等[272KB]

(参考2)新型コロナウイルス感染症に係る労災認定事例

(参考3)新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて(通達)[101KB]

(参考4)新型コロナウイルス感染症による罹患後症状の労災補償における取扱い等について(通達)[125KB]

 労働局・労働基準監督署一覧

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問2 医師、看護師などの医療従事者や介護従事者が、新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか。

患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更された後においても、この取扱いに変更はありません。

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問3 医療従事者や介護従事者以外の労働者が、新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか。

新型コロナウイルス感染症についても、他の疾病と同様、個別の事案ごとに業務の実情を調査の上、業務との関連性(業務起因性)が認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
感染経路が判明し、感染が業務によるものである場合については、労災保険給付の対象となります。 
感染経路が判明しない場合であっても、労働基準監督署において、個別の事案ごとに調査し、労災保険給付の対象となるか否かを判断することとなります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に変更された後においても、この取扱いに変更はありません。

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問4 感染経路が判明しない場合、どのように判断するのですか。

感染経路が判明しない場合であっても、感染リスクが高いと考えられる次のような業務に従事していた場合は、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。
(例1)複数の感染者が確認された労働環境下での業務
(例2)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

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問5 「複数の感染者が確認された労働環境下」とは、具体的にどのようなケースを想定しているのでしょうか。

請求人を含め、2人以上の感染が確認された場合をいい、請求人以外の他の労働者が感染している場合のほか、例えば、施設利用者が感染している場合等を想定しています。
なお、同一事業場内で、複数の労働者の感染があっても、お互いに近接や接触の機会がなく、業務での関係もないような場合は、これに当たらないと考えられます。

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問6 「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」として想定しているのは、どのような業務でしょうか。

小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等を想定しています。

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問7 上記答4の(例1)、(例2)以外で示した業務以外の業務は、対象とならないのでしょうか。

他の業務でも、感染リスクが高いと考えられる労働環境下の業務に従事していた場合には、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。

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問8 PCR検査や抗原検査で陽性でしたが、症状が軽く、自宅等において療養を行いました。当該療養期間について、医師からの証明がなくても休業補償給付の請求はできますか。

令和5年5月8日以降は新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類感染症に位置づけられたことで、医療提供体制が、原則としてインフルエンザなど他の疾病と同様になることから、同日以降に陽性が確認された方については、他の傷病による休業補償給付の請求と同様に、原則として診療担当者の証明が必要です。
令和5年5月7日以前に陽性が確認された方であって、医療機関を受診せず自宅療養を行った場合の休業補償給付支給請求書については、当該療養期間について、PCR検査や抗原検査の陽性結果を確認できる書類を自宅療養したことを客観的に推定できる書類として添付した上で請求してください。

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問9 労働者が新型コロナウイルスに感染したとして労災請求する場合、事業主として協力できることはありますか。

労災請求手続は、請求人に行っていただくものですが、請求人が保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合、請求人の症状を確認しつつ、適宜、請求書の作成等への助力をお願いします。
なお、事業主による助力については、労働者災害補償保険法施行規則第23条で規定されています。
※ 労働者災害補償保険法施行規則第23条(抄)
1 保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない。
(略)

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問10 労働者が新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を受けたことで健康被害が生じた場合、労災保険給付の対象となりますか。

ワクチン接種については、通常、労働者の自由意思に基づくものであることから、一般には業務として行われるものとは認められません。
一方、医療従事者等に係るワクチン接種については、業務の特性として、新型コロナウイルスへのばく露の機会が極めて多く、医療従事者等の感染、発症及び重症化リスクの軽減は、医療提供体制の確保のために必要です。
したがって、医療従事者等に係るワクチン接種は、労働者の自由意思に基づくものではあるものの、医療機関等の事業主の事業目的の達成に資するものであり、労災保険における取扱いとしては、労働者の業務遂行のために必要な行為として、業務行為に該当するものと認められることから、労災保険給付の対象となります。
また、高齢者施設等の従事者に係るワクチン接種についても、同様の取扱いとなります。
なお、上記の医療従事者等・高齢者施設等の従事者以外の労働者に係るワクチン接種については、当該ワクチン接種を受けたことで健康被害が生じた場合、事業主からの業務命令によるものか否かなどを調査した上で、労災保険給付の対象となるか判断することとなります。

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問11 「医療従事者等」や「高齢者施設等の従事者」とは、具体的にどのような方を想定しているのでしょうか。

医療従事者等については、病院、診療所において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会のある医師その他の職員等を指します。
高齢者施設等の従事者については、介護保険施設等、高齢者及び基礎疾患を有する者が集団で居住する施設で従事する者等を指します。
具体的な範囲については、下記を参照してください。

医療従事者等の範囲[2.1MB]

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問12 予防接種健康被害救済制度による給付を受けていますが、労災保険からも給付を受けることはできますか。

予防接種健康被害救済制度における給付を受けていたとしても、労災保険給付を受けることは可能です。
問10に示した考え方等に基づき、労働基準監督署において、労災保険給付の対象となるかを調査し、判断することとなります。

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問13 医療従事者が接種業務を行っている際、誤って注射の針を自分の手指等に刺してしまい(いわゆる針刺し事故)、それが原因で疾病を発症した場合、労災保険給付の対象となりますか。

医療従事者が業務中の針刺し事故により疾病を発症した場合は、労災保険給付の対象となります。
なお、医療従事者が体育館等院外の会場に出張した上、接種業務を行った場合であっても、同様に対象となります。

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問14 新型コロナウイルス感染症に関する労災保険給付があった場合、労災保険料に影響があるのでしょうか。

労災保険制度においては、個々の事業ごとに、労災保険給付の多寡により、給付があった年度の翌々年度以降の労災保険料等を増減させるメリット制を設けています。
他方、法に基づき入院措置や外出自粛などが行われる感染症法上の「新型コロナウイルス感染症」に関連する給付は、全ての業種においてメリット制の対象外とし、労災保険料に影響を与えない特例を設けています。
このため、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に変更されるまでに労働者が発病した場合の労災保険給付については、メリット制による労災保険料への影響はありませんが、5類感染症に変更された後に労働者が発病した場合の労災保険給付については、メリット制による労災保険料への影響がありえます。

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6 労働者派遣

<労働者派遣契約の中途解除等について>
問1 (派遣先の方)新型コロナウイルス感染症の影響により事業が立ちゆかないので、労働者派遣契約を解除したいのですが、労働者派遣法上問題がありますか。
※ 緊急事態宣言中に、都道府県知事の要請・指示等を受けて事業を休止する場合については問2をご確認ください。

労働者派遣法第29条の2により、派遣先は、自らの都合により労働者派遣契約を解除する場合には、新たな就業機会の確保や休業手当等の支払に要する費用の負担等の措置(※)を講じなければなりません。
新型コロナウイルス感染症の影響により事業を縮小したこと等に伴う派遣契約の解除であっても、派遣先からの申出により契約の解除を行う場合には、原則として、この措置を講ずる義務があります。
また、労働者派遣契約の中途解除が派遣先の都合によらないものであっても、派遣先は、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の6の(3)に基づき、関連会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることが必要です。
今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止等を余儀なくされた場合においても、安易な労働者派遣契約の解除はお控えいただくようお願いします。

※ この措置の内容は、労働者派遣契約に定めることとなっていますが、契約に定めがない場合であっても、労働者派遣法に基づく措置は行う必要があります。

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問2 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約を中途解除せざるをえない場合、派遣先は、労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる必要はありますか。

労働者派遣法第29条の2により、派遣先は、自らの都合により労働者派遣契約を解除する場合には、新たな就業の機会の確保や休業手当等の支払に要する費用の負担等の措置を講じなければなりません。
派遣先の都合によるかどうかについては、個別の事例ごとに判断されるものであり、改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事から施設の使用制限や停止等の要請・指示等を受けて派遣先において事業を休止したことに伴い、労働者派遣契約を中途解除する場合であっても、一律に労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる義務がなくなるものではありません。
なお、労働者派遣契約の中途解除が派遣先の都合によらないものであっても、派遣先は、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の6の(3)に基づき、関連会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることが必要です。
今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止等を余儀なくされた場合においても、安易な労働者派遣契約の解除はお控えいただくようお願いします。

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問3 (派遣先の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受け、事業を休止したことを理由として、労働者派遣契約の内容の変更等を行う場合に、派遣先は派遣会社から派遣料金や金銭補償を求められることになりますか。

労働者派遣契約の履行を一時的に停止する場合や、労働時間や日数など労働者派遣契約の内容の一部を変更する場合には、それに伴う派遣料金等の取扱いについては、民事上の契約関係の話ですので、労働者派遣契約上の規定に基づき、派遣会社と派遣先でよく話し合い、対応してください。

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問4 (派遣会社の方)改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下で、都道府県知事からの要請・指示等を受けて事業を休止した派遣先から、労働者派遣契約の中途解除を申し込まれていますが、派遣会社としてどのような対応を行うべきでしょうか。

「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2の(3)及び(4)により、派遣会社は、ある派遣先との間で労働者派遣契約が中途解除された場合であっても、労働者派遣の終了のみを理由として派遣労働者を解雇してはなりません。
派遣先とも協力しながら派遣労働者の新たな就業機会の確保を図り、それができない場合はまずは休業等を行い雇用の維持を図るとともに、休業手当の支払等の労働基準法等に基づく責任を果たすことが必要です。
また、労働者派遣法第30条に基づき、派遣先の同一の組織単位での派遣就業見込みが一定期間以上である派遣労働者については、派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供などの雇用安定措置の義務(※)が生じます。
なお、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀無くされた派遣会社が、派遣労働者の雇用の維持のために休業等を実施し、休業手当を支払う場合、雇用調整助成金が利用できる場合がありますので、これを活用すること等により、派遣労働者の雇用の維持を図っていただくようお願いします。

※ 派遣就業見込みが3年以上の場合は義務、1年以上3年未満の場合は努力義務となります。

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問5 (派遣先の方)労働者派遣契約を中途解除した場合に、派遣会社が休業手当支払いを行い、雇用調整助成金の支給を受けるときも、派遣先は労働者派遣法第29条の2に基づき、派遣会社に対して休業手当等の費用負担を行わなければならないですか。

派遣会社が雇用調整助成金の支給を受けた場合でも、派遣先において労働者派遣法第29条の2に基づく措置を講ずる必要がなくなるものではありません。そのような場合の派遣先としての休業手当分の費用負担額については、労働者派遣契約等に基づき、派遣会社との派遣先との間でよく話し合ってください。
今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止等を余儀なくされた場合においても、安易な労働者派遣契約の解除はお控えいただくようお願いします。

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<派遣労働者のテレワークについて>
問6 (派遣会社の方)新型コロナウイルス感染症の感染防止等を踏まえ、派遣労働者についてもテレワークの実施を行うに当たり、労働者派遣法に関して留意すべきことはありますか。

派遣労働者の実施するテレワークに関して留意すべき事については、以下をご確認ください。
留意すべき事については、「派遣労働者に係るテレワークに関するQ&A」をご確認ください。  


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7 その他(職場での嫌がらせ、採用内定取消し、解雇・雇止めなど)

<職場におけるいじめ・嫌がらせ等について>
問1 職場において、新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等が起きた場合には、どのように対応したらよいでしょうか。また、そのような事態を未然に防ぐために、どのようなことをすべきでしょうか。

新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等は、あってはならないものです。
例えば、過去に新型コロナウイルスに感染したことを理由として、一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし職場で孤立させること等は、職場におけるパワーハラスメントに該当する場合があります。
また、職場において、事業主や上司等が、優越的な関係を背景として、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、マスクを着用することやマスクを外すことを強要した場合には、パワーハラスメントに該当する場合があります。職場におけるパワーハラスメントに関しては、労働施策総合推進法により、その防止のために事業主において雇用管理上の措置を講じることが求められています。
具体的には、相談窓口をあらかじめ定め労働者に周知することや事実関係を迅速かつ正確に把握し、適正な措置を行うこと等が必要です。また、事業主に相談したこと等を理由とする不利益取扱いも禁止されていますので、ご留意ください。これらの措置義務に違反した場合には、都道府県労働局において行政指導(助言・指導・勧告等)を行うこととなります。
なお、事業主自らも、パワーハラスメント問題に対する関心と理解を深め、労働者(他の事業主が雇用する労働者及び求職者を含む。)に対する言動に必要な注意を払うよう努める必要があります。
新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等が行われることのないよう、労働者への周知・啓発を徹底し、適切な相談対応等を行っていただくことなどにより、職場環境の改善を行っていただきますようお願いします。


<パンフレット「職場におけるパワーハラスメント対策、セクシュアルハラスメント対策、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です!>

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<労働条件の変更について>
問2 労働者の労働条件(労働契約の内容)を変更する場合はどのような対応が必要でしょうか。

労働契約の内容である労働条件を変更するには、原則として労働者との合意が必要です(労働契約法第3条及び第8条)。
また、就業規則の見直しにより労働条件を変更する場合にも、労働者の合意を得ない限り、一方的に就業規則を変更して、労働者の不利益に労働条件を変更することはできません(労働契約法第9条)。
ただし、次の要件を満たせば、就業規則の変更によって労働条件(労働契約において、就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分を除く)を変更することができます(労働契約法第10条)。
①その変更が、以下の事情などに照らして合理的であること。
 ・労働者の受ける不利益の程度
 ・労働条件の変更の必要性
 ・変更後の就業規則の内容の相当性
 ・労働組合等との交渉の状況
②労働者に変更後の就業規則を周知させること。
加えて、就業規則の作成や変更に当たっては、事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません(労働基準法第90条)。

なお、労働基準法や労働契約法など、労働関係法令にかかる御質問や御相談については、最寄りの労働局・労働基準監督署のほか、「労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)」などもご利用いただけます。

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<新卒の内定者について>
問3 新卒内定者の内定を取り消したり、入社してすぐに休ませてもいいでしょうか。

新卒の採用内定者について労働契約が成立したと認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定の取消しは無効となります。事業主は、このことについて十分に留意した上で、採用内定の取消し等を防止するため、最大限の経営努力を行うとともに、あらゆる手段を講じていただき、取消しを行う前に、最寄りのハローワークにご連絡ください。
また、新入社員を自宅待機等休業させる場合には、当該休業が使用者の責めに帰すべき事由によるものであれば、使用者は、労働基準法第26条により、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。

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<労働者の解雇、雇止めについて>
問4 今般の新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、労働者の雇用調整を検討していますが、どのようなことに注意すべきですか。

雇用の維持は労使双方にとって、また社会的にも極めて重要であり、政府としては、需要の急減による経営不振等の場合であっても、事業主の雇用継続のための努力を全力で支える方針です。まずは休業などによる雇用の維持について検討をお願いします。
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合、事業者が労働者に支払う休業手当については、雇用調整助成金が利用できます(本Q&Aの「3 雇用調整助成金」をご参照ください。)。

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問5 やむを得ず労働者への退職勧奨や解雇を検討していますが、どのような問題がありますか。

今回の新型コロナウイルス感染症による影響への対応に当たっては、雇用調整助成金(本Q&Aの「3 雇用調整助成金」をご参照ください。)など、政府の支援策を活用いただき、できる限り労働者の雇用の維持に努めていただくようお願いします。。
なお、やむを得ず労働者への退職勧奨を検討する場合、退職勧奨に応ずるかどうかはあくまでも労働者の自由であり、労働者の自由な意思決定を妨げる退職勧奨は違法な権利侵害にあたる可能性があることに留意が必要です。
また、労働者の同意を前提としない使用者による一方的な労働契約の解約は解雇に該当するものですが、やむを得ず労働者の解雇を検討する場合でも、以下の点に留意が必要です。
① 業務上の傷病による休業期間及びその後30日間や、産前産後の女性の労働基準法第65条の規定による休業期間及びその後30日間は、解雇が禁止されていること(労働基準法第19条)。
② 上記①に該当しない場合でも、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とされること(労働契約法第16条)。 また、整理解雇(経営上の理由から余剰人員削減のためになされる解雇)については、裁判例において、解雇の有効性の判断に当たり、
 (1)人員整理を行う必要性
 (2)できる限り解雇を回避するための措置が尽くされているか
 (3)解雇対象者の選定基準が客観的・合理的であるか
 (4)労働組合との協議や労働者への説明が行われているか
という4つの事項が考慮されること。
③ 有期労働契約の場合、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間中に解雇をすることはできないこと。期間の定めのない労働契約を結んでいる場合の解雇よりも、解雇の有効性は厳しく判断されること(労働契約法第17条第1項)。
④ 使用者は労働者を解雇する場合には、30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないこと(労働基準法第20条)。
⑤ 事業主には、離職する労働者の再就職支援を援助するなど、労働者の職業の安定を図るよう努める必要があり、一定規模以上の労働者の離職を余儀なくされることが見込まれる場合には、最初の離職が発生する1か月前までに「再就職援助計画」をハローワークに提出し、認定を受ける必要があること(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第24条第1項及び第3項)。また、最後の離職が発生する1か月前までに、「大量雇用変動の届出」を提出する必要があること(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律第27条第1項)。
なお、労働基準法や労働契約法など、労働関係法令にかかる御質問や御相談については、最寄りの労働局・労働基準監督署のほか、「労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)」などもご利用いただけます。

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問6 やむを得ず有期契約労働者の雇止めを検討していますが、どのような問題がありますか。

今回の新型コロナウイルス感染症による影響への対応に当たっては、雇用調整助成金(本Q&Aの「3 雇用調整助成金」をご参照ください。)など、政府の支援策を活用いただき、できる限り労働者の雇用の維持に努めていただくようお願いします。
なお、やむを得ず有期契約労働者の雇止めを検討する場合でも、以下の点に留意が必要です。
① 有期契約労働者から、労働契約の更新の申込みがあった場合、その方の雇止めについては、以下のいずれかに当たると認められる場合には、使用者が雇止めをすることが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、これまでと同一の労働条件で、その申込みを承諾したものとみなされること(労働契約法第19条)。
 a. 過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの 
 b. 労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの  
② 有期労働契約(有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者に限ります。なお、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除きます。)を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならないこと(有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準第2条)
(※)有期契約労働者の解雇について、使用者は、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間は、労働者を解雇することができないこととされています。(労働契約法第17条第1項)。 なお、労働基準法や労働契約法など、労働関係法令にかかるご質問やご相談については、最寄りの労働局・労働基準監督署のほか、「労働条件相談ほっとライン(0120-811-610)」などもご利用いただけます。

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問7 家族の介護をしている労働者がいるのですが、どのようなことに気をつければよいでしょうか。

労働者のおかれている状況をご理解いただき、個々の労働者の事情に応じて、仕事と介護を両立しやすい職場環境の整備にご協力をお願いします。具体的には、介護に直面している従業員の把握や、社内制度の周知などが考えられます。両立支援にどのように取り組めばよいかわからない場合は、仕事と介護の両立支援対応モデル などのツールもご活用ください。
中小企業事業主については、両立支援等助成金(介護離職防止支援コース) が利用できます。
なお、介護をしている労働者を含め、様々な事情を抱える労働者が安心して働き続けることができるよう、テレワークの活用など職場における感染防止にご協力をお願いします。

(参考)育児・介護休業法に基づく仕事と介護の両立支援制度
○介護休業:対象家族(※)1人につき通算93日の範囲内で合計3回まで取得可。左記の期間、回数内の休業は介護休業給付金が支給される。法令上は希望どおりの日から介護休業をするためには2週間前までに申し出ることとなっているが、労使の話し合いにより、2週間を切ってからの申出に対しても労働者の希望どおりの日から介護休業を認めるなど、法を上回る対応をすることは差し支えない。
○介護休暇:年5労働日(対象家族(※)が2人以上の場合は年10労働日)取得可。
○短時間勤務の措置等:3年の間で2回以上利用できる次のいずれかの措置を事業主に義務付け。
 ①短時間勤務制度、②フレックスタイム制、③始業・就業時刻の繰上げ・繰下げ、④介護費用の援助措置
○上記のほか、所定外労働、時間外労働、深夜業を制限する制度がある。
(※)対象家族の範囲:配偶者(事実婚含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母

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問8 新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか。

「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)1.政府の方針問7「新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか?」をご覧ください。

新型コロナワクチンについて、その他詳しい情報はこちらをご覧ください。
新型コロナワクチンQ&A

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問9 新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否した労働者を、解雇、雇止めすることはできますか。

新型コロナウイルスワクチンの接種を拒否したことのみを理由として解雇、雇止めを行うことは許されるものではありません。

(参考)労働契約法(平成19年法律第128号)
(解雇)
第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

(契約期間中の解雇等) 第17条 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
2 (略)

(有期労働契約の更新等)
第19条 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。
一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

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問10 新型コロナウイルスワクチンを接種していない労働者を、人と接することのない業務に配置転換することはできますか。

一般に、個別契約または就業規則等において業務上の都合により労働者に転勤や配置転換を命ずることのできる旨の定めがある場合には、企業は労働者の同意なく配置転換を命じることができますが、その場合でも配置転換は無制限に認められるわけではなく、不当な動機・目的がある場合や、配置転換の業務上の必要性とその命令がもたらす労働者の不利益とを比較衡量した結果として、配置転換命令が権利濫用に当たると判断される場合もあります。
新型コロナウイルスの感染防止のために配置転換を実施するにあたっては、その目的、業務上の必要性、労働者への不利益の程度に加え、配置転換以外の感染防止対策で代替可能か否かについて慎重な検討を行うとともに、配置転換について労働者の理解を深めることに努めてください。
なお、労働者の勤務地や職種を限定する合意がある場合に、その限定の範囲を超えて配置転換を行うにあたっては、労働者の自由な意思に基づく同意が必要であることにも留意してください。
また、優越的な関係を背景として、業務上必要かつ相当な範囲を超えた
配置転換の同意を強要等した場合、職場におけるパワーハラスメントに該当する可能性があります。事業主は、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置を講じることが義務付けられていますので、労働者から配置転換の同意を得る際は、パワーハラスメントが生じないよう留意する必要があります。

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問11 採用時に新型コロナウイルスワクチン接種を条件とすることはできますか。

「新型コロナウイルスワクチンの接種を受けていること」を採用条件とすることそのものを禁じる法令はありませんが、新型コロナウイルスワクチンの接種を採用条件とすることについては、その理由が合理的であるかどうかについて、求人者において十分に判断するとともに、その理由を応募者にあらかじめ示して募集を行うことが望ましいと考えます。

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