新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

令和5年3月13日版

1.政府の方針

問1 新型コロナウイルス感染症に関して、どのような取り組みを行っているのですか。
問2 新型コロナウイルス感染防止を日常生活に取り入れた「新しい生活様式」とは何ですか。
問3 飲食の場での感染リスクにはどのように対応したらよいですか。
問4 普段会わない人と会うことで、感染はどう広がるのですか。
問5 発熱や咳などの症状がある場合には、どうしたら良いですか。
問6 換気について、一般家庭ではどのような工夫をしたらよいでしょうか。
問7 社会福祉施設や医療機関などでの面会はどうなっているのでしょうか
問8 コロナ感染者や医療従事者などのエッセンシャルワーカーへの差別に対してどのように対応すればよいですか。
問9 新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか?

2.新型コロナウイルスについて

問1 「新型コロナウイルス」とはどのようなウイルスですか。
問2 新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか。
問3 新型コロナウイルスに感染した人から、感染する可能性があるのはいつまでですか。
問4 感染者の糞便から感染することがありますか。
問5 食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染することはありますか。
問6 新型コロナウイルス感染症になった後、症状が長引くことはありますか。
問7 新型コロナウイルス感染症に感染し、治療・療養が終わりましたが、疲労感、息苦しさなどの症状が続いています。どうしたらよいでしょうか。

2-2.変異株について

問1 ウイルスの変異株について教えてください。
問2 国内で見つかっている変異株について教えてください。
問3 変異株への個人の感染予防策について教えてください。

3.新型コロナウイルス感染症の予防法

問1 感染を予防するために注意することはありますか。心配な場合には、どのように対応すればよいですか。
問2 家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、家庭でどんなことに注意すればよいでしょうか。
問3 濃厚接触者とはどのような人でしょうか。濃厚接触者となった場合は、どのようなことに注意すればよいでしょう。
問4 「咳エチケット」とは何ですか。

4.マスク・消毒液に関するもの

問1 マスクはどのような効果があるのでしょうか。
問2 マスク・消毒液の確保・供給に向けて、政府はどのような対策を講じていますか。
問3 新型コロナウイルス感染予防のための手洗いや身の回りのものの消毒・除菌はどのようにしたらよいですか。
問4 次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は異なるものですか。両方とも新型コロナウイルス感染症対策に有効なのでしょうか。
問5 人がいる空間での消毒剤の空間噴霧は行ってはいけないのですか。
問6 マスクを着用する場面はどのような場面でしょうか。

5.新型コロナウイルス感染症に対する医療について

問1 新型コロナウイルス感染症にかかっていないか調べてほしいのですが、どうしたらいいですか。
問2 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査にはどのようなものがありますか。
問3 自費でPCR検査を受ける場合に、注意すべき点はありますか。
問4 陽性になって入院や療養をした場合、どうなったら元の生活に戻れますか。
問5 新型コロナウイルスに感染すると抗体・免疫ができるのですか。抗体検査について注意すべき点はありますか。
問6 新型コロナウイルスは重症化しやすいのですか。
問7 自宅で療養を行う場合には、何に注意する必要があるのでしょうか。
問8 治療薬の実用化に向けた取り組みはどうなっていますか。
問9 新型コロナウイルスに感染したら、誰でも経口薬(ゲブリオカプセル、パキロビッドパック、ゾコーバ錠)の投与を受けられますか。
問10  モルヌピラビルは、臨床試験での有効性が低かったと聞きましたが、効果はないのでしょうか。
問11  モルヌピラビルは、発がん性があると聞きましたが、問題ないでしょうか。
問12  モルヌピラビルは、陽性になったら即(当日)内服を開始しないといけないのか。
問13  ゾコーバ錠(有効成分:エンシトレルビル フマル酸)は他の経口薬と比べて効果が低い、あるいは高いと聞きますが、実際はどちらでしょうか。重症化を抑制する効果はないと聞きました。
問14  ゾコーバ錠の臨床試験では、実施中に主要評価項目が変更されており、これは通常では考えられないことであると聞きましたが、問題はないのでしょうか。
問15 日本でのワクチン接種はどうなっていますか。
問16 電話やオンラインによる診断や処方を受けたいのですが、どうしたら受けられますか。
 

6.妊婦や小児に関すること

【妊婦ご本人について】
問1 妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいですか。
問2 夫の立ち会い分娩等面会の制限はどうなっているのですか。
問3 妊婦がマスクをすることは必須なのですか。
問4 新型コロナウイルスに感染した場合、分娩方法は帝王切開となるのでしょうか。
問5 職場で働くことが不安ですが、どうしたらよいでしょうか。

【胎児・新生児への影響について】
問6  妊娠中に母親が新型コロナウイルスに感染した場合、胎児にどのような影響がありますか。
問7 母親が新型コロナウイルスに感染した場合、母乳や授乳を介して乳児が新型コロナウイルスに感染することはありますか。

【乳児・小児への影響について】
問8 乳幼児は新型コロナウイルスに感染しやすいですか。また、感染した場合、重症化しやすいですか。
問9 小児は、どのような経路で新型コロナウイルスに感染するのですか。
問10 子どものマスク着用に関する考え方を教えてください。



(参考)文部科学省HP:学校における新型コロナウイルス感染症対策に関するQ&A
 

1.政府の方針

問1 新型コロナウイルス感染症に関して、どのような取り組みを行っているのですか。

 これまで、ワクチン接種、検査、治療薬等の普及による予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化するとともに、最悪の事態を想定した対応を進めてきました。
 オミクロン株については、若者の重症化リスクは低く、大部分の人は感染しても軽症で入院を要することはなく、一方で、高齢者のリスクは引き続き高いです。このようなことを踏まえ、新たな行動制限を行わず、重症化リスクのある高齢者等を守ることに重点を置いて、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る方針としました。
 また、保健医療体制の構築については、約5万の病床・ベッド数の全面的稼働、発熱外来の拡充(約4万か所)といった対応能力の大幅な拡充、入院対象者の適切な調整等に取り組むとともに、オミクロン株の特性を踏まえた療養環境を支援するための発熱外来自己検査体制の整備、高齢者施設の医療支援、治療薬の活用促進などの対応を行ってきました。
 ワクチンの接種についても、3回目・4回目接種を着実に進めてきました。これらの対応により、新型コロナウイルス感染症そのものの重症化は抑制することができました。

 新型コロナウイルスは今後も変異を繰り返し、収束までにはさらに大規模な感染拡大が生ずることも懸念されますが、
・ 6回の感染拡大を経る中で、日常生活や経済活動における感染防止の取組み、科学的知見の積み重ね、医療体制をはじめとする政府・自治体の取組みなど、我が国全体として対応力が強化されており、令和4年夏の感染拡大についても、新たな行動制限を行うことなく、感染者の減少傾向が確認できていること
・ 今後、オミクロン株対応の新たなワクチン接種も開始すること
・ 諸外国においては、社会・経済活動の正常化の動きが進んでいること
などを踏まえた適切な対応が求められました。

 このようなことから、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の措置について、高齢者・重症化リスクのある者への保健医療の重点化と患者の療養期間の見直しを行うなど、新型コロナウイルス対策の新たな段階に移行することとしました。
 これにより、今後、今回を上回る感染拡大が生じても、一般医療や救急医療等を含む我が国の保健医療システムを機能させながら、社会経済活動を維持できるようにします。
 その上で、今後の世界的な感染の動向を踏まえながら、ウイルス学的な見地やリスク評価も含めて、さらにWithコロナ(新型コロナウイルスとの併存)における感染対策のあり方について引き続き検討していきます。


【基本的対処方針に基づく対応】
https://corona.go.jp/emergency/

また、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策については、以下のリンクをご覧ください。
https://corona.go.jp/emergency/#omicron

【次の感染拡大に向けた安心確保のための取組の全体像】
(概要)
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_r_031112_1.pdf
(全文)
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_r_031112_2.pdf
 
【国民の仕事や生活の安定・安心を支える日常生活の回復】
https://corona.go.jp/package/

 

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問2 新型コロナウイルス感染防止を日常生活に取り入れた「新しい生活様式」とは何ですか。

 長期間にわたって感染拡大を防ぐために、飛沫感染や接触感染、さらには近距離での会話への対策を、これまで以上に日常生活に定着させ、持続させなければなりません。それを「新しい生活様式」と呼ぶこととし、具体的な実践例は以下にある通りです。
 なお、実践例については、令和2年5月4日に新型コロナウイルス感染症専門家会議から提言があった以降も、移動自粛の緩和や、夏場の熱中症対策との両立などの記載内容を更新しております。





 まず、1.身体的距離の確保(できるだけ2m)、2.マスクの着用、3.手洗い、の3つを、一人ひとりの方の基本的な感染防止策としています。
 また、日常生活では、上記に加えて、「3密」の回避や、換気、まめな体温・健康チェックが効果的です。(換気については、2方向の窓を開け、数分程度の換気を1時間に2回程度行うことが有効です。体温・健康チェックは、毎朝行うなど決まった時間に行ってください。)
 働き方については、テレワークや時差通勤を進め、オンラインで可能なことはオンラインで行って下さい。

【3つの密を避けるための手引き】
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622211.pdf

 新型コロナウイルス感染症対策にあたっては、全都道府県において、基本的な感染防止策の徹底等が必要であるとともに、感染の状況等を継続的にモニタリングし、その変化に応じて、迅速かつ適切に感染拡大防止の取組を行う必要があります。その土台となるのは、こうした新しい生活様式の定着ですので、ご協力をお願いします。

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問3 飲食の場での感染リスクにはどのように対応したらよいですか。



 飲食をする場面は、感染リスクの高い場として報告されており、地域の感染状況が高い場合には、集団感染に繋がる恐れもあります。
新型コロナワクチン接種の進展に加えて、各都道府県による第三者認証制度が普及しています。

 認証店は、①座席の間隔の確保(又はパーティションの設置)、②手指消毒の徹底、③換気の徹底 の認証基準を満たしています(※都道府県の判断により追加的な基準を設定している場合があります)。

認証店においては、飲食の感染リスクの低減が図られていることから、認証店のご利用も検討してください。

(参考)飲食店における「第三者認証制度」の概要 

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問4 普段会わない人と会うことで、感染はどう広がるのですか。

 家族など頻繁に会う人とは、同じ空間で飲食する等、普段から、共通の関係性(ネットワーク)を形成しています。

 仮に、その中に1人感染した方がいたとしても、ネットワークの外にいる人と会わなければ、そのネットワークの中で感染の拡大は完結し、感染が他のネットワークに広がることはありません。
 
 普段会わない人は、この基本的なネットワークの外にいる人です。そのため、普段会わない人と会うと、外のネットワークから感染を受ける、又は外のネットワークに感染を広める可能性があります。
 
 特に、感染者が増加しているときに、多くの普段会わない人と接すると、他のネットワークへ感染が広がる可能性は高まります。忘年会、帰省、新年会、成人式はそうした機会といえます。最近会っていなかった友人や知人、初めて会う人との接触はできるだけ減らすことが感染の拡大を抑えます。他のネットワークには、高齢者と同居したり、高齢者と接する仕事をしている人がいるかもしれません。知り合いだけでなく、知り合いの知り合いにまで広がることを考慮して、普段会わない人とどうしても会う時は、マスクを外す飲食などの場面により一層注意するなどいつも以上の感染防止対策をこころがけましょう。
 

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問5 発熱や咳などの症状がある場合には、どうしたらよいですか。

 (1) 症状が出たら医療機関を受診しましょう
 冬には、季節性インフルエンザ等、発熱や咳を起こす感染症が流行しやすくなります。こうした感染症と新型コロナウイルス感染症の症状は非常に似ています。「筋肉痛があるからコロナではない」等自己判断せず、まずはかかりつけ医等身近な医療機関に電話で相談してください。
 お近くで、発熱等を呈する患者の検査や相談を受けることができる医療機関や受診方法をご案内します。
 各都道府県における、相談・医療体制に関する情報や受診・相談センターの連絡先
 ※ 院内感染を防止するため、緊急の場合を除いて、事前の連絡なく医療機関を直接受診することは控えてください。かかりつけ医がいないなど相談先に迷った場合は「受診・相談センター」(地域により名称が異なることがあります)にご相談ください。

 なお、少なくとも以下の条件に当てはまる方は、すぐにご相談ください。
☆ 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
☆ 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
 ※高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)など)がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方
☆ 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
 (症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)

(2)仕事や学校を休み、会食は控えましょう。
 体調不良時には、仕事や学校を休んでいただき、会食は控えてください。解熱剤を飲んで熱が下がっても、感染を広げる可能性があります。ご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。厚生労働省と関係省庁は、従業員の方々が休みやすい環境整備が大切と考え、労使団体や企業にその整備にご協力いただくようお願いしています。

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問6 換気について、一般家庭ではどのような工夫をしたらよいでしょうか。

 季節を問わず、新型コロナウイルス対策には、こまめな換気が重要です。
 一般家庭でも、建物に組み込まれている常時換気設備※や台所・洗面所の換気扇により、室温を大きく変動させることなく換気を行うことができます。常時換気設備や換気扇を常時運転し、最小限の換気量を確保しましょう。
 ※2003年7月以降に着工された住宅には「常時換気設備(24時間換気システム)」が設置されています。常時換気設備が設置されている場合には常に稼働させましょう。また、定期的にフィルタの掃除を行い、強弱スイッチがある場合は強運転にして換気量を増やすようにしましょう。吸気口の位置にもご注意ください。家具等でふさぐと効果が落ちてしまいます。

 「常時換気設備」が設置されていない建物でも、台所や洗面所などの換気扇を常時運転することで最小限の換気量は確保できます。


<窓開けによる換気のコツ>
窓開けによる換気は、対角線上にあるドアや窓を2か所開放すると効果的な換気ができます。また、窓が1つしかない場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを窓の外に向けて設置しましょう。
 

【夏場における換気の留意点】
<熱中症予防にはエアコン等を使用しましょう>
 高温、多湿の夏場は、熱中症対策が重要です。最近では、毎年6万人を超える方が救急搬送をされ、亡くなる方が1,000人を超えています。熱中症の約4割は住居内で発生しています。夏場は家電などからの発熱や日射侵入によって、室内の温度は外気よりも高くなるため、室内での熱中症予防のためには、エアコン(※1)や扇風機を活用することが重要です。
一方、新型コロナウイルス対策として換気が必要ですが、エアコン使用中に窓を開けると、一時的に室温が高くなってしまいます。熱中症は短時間で重症化し、命に関わるため、予防が重要です。夏場は新型コロナウイルス対策より、熱中症対策を優先して、以下のような換気の工夫をお勧めします。
(※1)一般の家庭用エアコンは空気を循環させるだけで換気を行っていません。
 
<一般家庭でのエアコン使用中の換気>
一人暮らしの場合は、新型コロナウイルスの感染リスクは低いので、エアコンを優先しながら24時間換気システムや換気扇を活用して、最小限の換気を確保しましょう。
窓開けによる換気を組み合わせる場合も、夏場は外気温との兼ね合いです。外気温の低い朝や夕方以降などに、窓開けを行い、換気時間を多く取るなど、室温が上がらないよう工夫いただくことを推奨します。
また、室温が上がりすぎないようにすると窓を十分に開けられない場合には、換気不足を補うために、HEPAフィルタ(※)によるろ過式の空気清浄機を併用することが有効です。
 (※) HEPAフィルタは、「高性能エアフィルター」とも呼ばれることもあり、国内メーカーの多くの空気清浄機で使用されています。空気中に含まれる微粒子を取り除くことができます。
 ご家族の皆様が一つの部屋で過ごす場合も、これらの24時間換気システムや換気扇などの機械換気と窓開けによる換気の工夫を行いつつ、エアコン等を使用しましょう。
 

【冬場における換気の留意点】
・窓開けを行うと、一時的に室内温度が低くなってしまいます。暖房器具を使用しながら、換気を行ってください。
・暖房器具の近くの窓を開けると、入ってくる冷気が暖められるので、室温の低下を防ぐことができます。なお、暖房器具の種類や設置位置の決定に当たっては、カーテン等の燃えやすい物から距離をあけるなど、火災の予防に留意してください。
短時間に窓を全開にするよりも、一方向の窓を少しだけ開けて常時換気を確保する方が、室温変化を抑えられます。この場合でも、暖房によって室内・室外の温度差が維持できれば、十分な換気量を得られます。
人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空気を人のいる部屋に取り入れることも、室温を維持するために有効です。
・室温を18℃以上に維持しようとすると、窓を十分に開けられない場合には、換気不足を補うために、HEPAフィルタ(※)によるろ過式の空気清浄機を併用することが有効です。

参考イラスト:人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空気を人のいる部屋に取り入れる換気方法(2段階換気)の例


 

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問7 社会福祉施設や医療機関などでの面会はどうなっているのでしょうか。

 新型コロナウイルスについては、高齢者と基礎疾患がある方については重症化しやすいため、これらの施設においては、手指衛生、換気、マスクの着用などの感染予防策を徹底する必要があります。また、クラスターの早期探知のため、地域の感染状況に応じ、高齢者介護施設や医療機関等において、従事者、入院・入所者等に対し、より迅速・円滑に監査を行うこととしています。面会については、各施設が、地域における発生状況や都道府県等が示す対策の方針等、入院・入所者及び面会者のワクチン接種歴や検査結果等も考慮して、判断することとなっています。

 詳しくは、こちらをご参照ください。
11月24日付け事務連絡
医療施設等における感染拡大防止に留意した面会の事例について(別添
社会福祉施設等における面会等の実施にあたっての留意点について



   

問8 コロナ感染者や医療従事者などのエッセンシャルワーカーへの差別に対してどのように対応すればよいですか。

 医師や看護師、看護助手、臨床工学技士、臨床検査技師、保健所の方々などの医療従事者は、感染防御を十分にした上で、患者の検査や治療、新型コロナウイルス感染症のまん延を防止するなどといった、私たちの命を救うための仕事を行っています。また、介護施設、保育所、スーパー、薬局、トラック運送、清掃など、私たちの生活は、これらの様々な方々により支えられています。
 こうした方々や、感染者・濃厚接触者に対して、感染に関する誤解や偏見に基づく差別を行うことは許されません。
 一方で、これらの方々が、来店や施設の利用を断られる、更にはそのご家族にも同様のことが生じるなど、心ない事例もありました。誤解や正確でない情報により、こうした方々やその家族に対応することは慎むべきです。場合によっては人権侵害になることもあります。
 厚生労働省では、令和2年12月より、感染防止策の徹底と、医療従事者をはじめ、感染者やその周囲の方々に対する差別・偏見の解消を図ることを目的とした「#広がれありがとうの輪」プロジェクトを進めています。

 「#広がれありがとうの輪」プロジェクト
 https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/qa-jichitai-iryoukikan-fukushishisetsu.html#h2_6

 政府では、新型コロナウイルス感染症に関連する不当な偏見、差別、いじめ等の被害にあった方からの相談を受け付けています。
困った時は一人で悩まず、相談してください。
 
 法務省相談窓口 (http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00022.html
 厚生労働省総合労働相談コーナー (https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html) 

 いじめ等に悩む子どもやその保護者の方は、こちらに相談ください。
 24時間子供SOSダイヤル (https://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.htm
 ※電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関に接続されます。

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問9  新型コロナウイルスワクチン接種が、地域・職域で進んでいます。一方でワクチン接種を受けていない人に対する偏見・差別事例があるとも聞きます。 私たちは、どういった点に注意して行動すべきなのでしょうか?



1.接種を受ける際の同意の必要性と接種の判断に資する正確な情報提供
 新型コロナワクチンの接種は、国民の皆さまに受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。国民の皆さまが接種を受けるかどうかの冷静な判断を行えるよう、国として正確な情報提供を行った上で、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。
予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています。受ける方の同意なく、接種が行われることはありません。
 
○今回のワクチン接種の「努力義務」とは何ですか。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0067.html
○新型コロナワクチンの接種を望まない場合、受けなくてもよいですか。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0053.html

 上記のとおり、国民の皆さまが自らの意思で接種を受けるかどうかの冷静な判断を行えるよう、国として正確な情報提供に努めるとともに、誤情報や非科学的な情報に対しても、これらをとりあげて注意喚起を行っています。
 
(参考)
○SNSやニュースでコロナワクチンが危険と取り上げられていて不安です。どの情報を信じたらいいのでしょうか。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0075.html
 
 
2.ワクチン接種を受けていない人に対する差別的扱いの防止
 新型コロナワクチンの接種は強制ではなく、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていないことを理由に、職場において解雇、退職勧奨、いじめなどの差別的な扱いをすることは許されるものではありません。
 特に、事業主・管理者の方におかれては、接種には本人の同意が必要であることや、医学的な事由により接種を受けられない人もいることを念頭に置いて、接種に際し細やかな配慮を行うようお願いいたします。
 
※労働契約法16条によると、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、解雇はその権利を濫用したものとして無効となります。
 また、労働契約法第17条第1項によると、期間の定めのある労働契約の場合は、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、解雇できないとされています。


 (相談窓口)
 政府では、人権相談窓口や総合労働相談コーナーにおいて、ワクチン接種を受けていない人に対する差別的な扱いや、感染者に対する偏見・差別など、新型コロナウイルス感染症に関連する不当な偏見、差別、いじめ等の被害にあった方からの相談を受け付けています。
 困った時は一人で悩まず、相談してください。
 法務省相談窓口http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00022.html
・職場における解雇や退職推奨、いじめ・嫌がらせになどに関する相談窓口
   厚生労働省総合労働相談コーナーhttps://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
 
 
 
新型コロナワクチンについて、その他詳しい情報はこちらをご覧ください。
(新型コロナワクチンQ&A)
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/
 

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2.新型コロナウイルスについて

問1 「新型コロナウイルス」とは、どのようなウイルスですか。

  「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」はコロナウイルスのひとつです。コロナウイルスには、一般の風邪の原因となるウイルスや、「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」ウイルスが含まれます。
 ウイルスにはいくつか種類があり、コロナウイルスは遺伝情報としてRNAをもつRNAウイルスの一種(一本鎖RNAウイルス)で、粒子の一番外側に「エンベロープ」という脂質からできた二重の膜を持っています。自分自身で増えることはできませんが、粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えることができます。
 ウイルスは粘膜に入り込むことはできますが、健康な皮膚には入り込むことができず表面に付着するだけと言われています。物の表面についたウイルスは時間がたてば壊れてしまいます。ただし、物の種類によっては24時間~72時間くらい感染する力をもつと言われています。
 手洗いは、たとえ流水だけであったとしても、ウイルスを流すことができるため有効ですし、石けんを使った手洗いはコロナウイルスの膜を壊すことができるので、更に有効です。手洗いの際は、指先、指の間、手首、手のしわ等に汚れが残りやすいといわれていますので、これらの部位は特に念入りに洗うことが重要です。また、流水と石けんでの手洗いができない時は、手指消毒用アルコールも同様に脂肪の膜を壊すことによって感染力を失わせることができます。

 

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問2 新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか。

 感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内の近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不十分であったり、混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。
 また、ウイルスが付いたものに触った後、手を洗わずに、目や鼻、口を触ることにより感染することもあります。WHOは、新型コロナウイルスは、プラスチックの表面では最大72時間、ボール紙では最大24時間生存するなどとしています。

【国立感染症研究所:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染経路について】
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/11053-covid19-78.html
【WHO:新型コロナウイルスの感染様式】
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/question-and-answers-hub/q-a-detail/coronavirus-disease-covid-19-how-is-it-transmitted
【新型コロナウイルス感染症と食品安全:食品事業者向けガイダンス】
https://apps.who.int/iris/rest/bitstreams/1274400/retrieve#:~:text=Recent%20research%20evaluated%20the%20survival,24%20hours%20on%20cardboard.

 

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問3 新型コロナウイルスに感染した人から、感染する可能性があるのはいつまでですか。

 一般的に、肺炎などを起こすウイルス感染症の場合は、症状が最も強く現れる時期に、他者へウイルスを感染させる可能性も最も高くなると考えられています。
 しかし、新型コロナウイルスでは、発症の2日前から発症後7~10日間程度他の人に感染させる可能性があるとされています。特に、発症の直前・直後でウイルス排出量が高くなるため、無症状病原体保有者(症状はないが検査が陽性だった者)からも、感染する可能性があります。
 SARS-CoV-2 オミクロン株感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査によると、オミクロン株症例の呼吸器検体における感染性ウイルス検出率は、有症状者の場合、発症後5日目からウイルス分離効率が低下し、発症後10日目から14日目までに採取された検体におけるウイルス分離効率は4.1%で、発症後15日目以降に採取された検体からはウイルスが分離されず、無症状者の場合、診断後8日目以降に採取された検体からはウイルスが分離されなかったと報告されています。
 新型コロナウイルスに感染した方が、他の人に感染させる事例は、全体の2割以下と考えられますが、マスク無しの会話や3密(密閉・密集・密接)が感染拡大リスクとなっています。
 体調が悪いときは不要・不急の外出を控えることや、人と接するときにはマスクを着用すること、普段会わない人とは会わないことなど、新型コロナウイルスに感染していた場合に多くの人に感染させることのないように行動することが大切です。
※ マスクの着用により、感染者と接する人のウイルス吸入量が減少することがわかっています。

(参考1)世界保健機関(WHO)ホームページ
https://www.who.int/news-room/q-a-detail/coronavirus-disease-covid-19-how-is-it-transmitted
(参考2)アメリカ疾病予防管理センター(CDC)ホームページ
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/science-briefs/sars-cov-2-transmission.html
(参考3)台湾における新型コロナウイルス感染症発症者の感染力の研究
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2765641?resultClick=1
(参考4)国立感染症研究所、国立国際医療研究センター国際感染症センター SARS-CoV-2 オミクロン株感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第6報):ウイルス学的・血清学的特徴
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/76/covid19-76.pdf
 

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問4 感染者の糞便から感染することがありますか。

 これまで通り通常の手洗いや手指消毒用アルコールでの消毒などを行ってください。 また、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者や新型コロナウイルス感染症の患者、濃厚接触者が使用した使用後のトイレは、急性の下痢症状などでトイレが汚れた場合には、次亜塩素酸ナトリウム(市販されている家庭用漂白剤等はこれにあたります、1,000ppm(1,000mg/L))、亜塩素酸水(遊離塩素濃度100ppm(100mg/L)以上) またはアルコール(70%)による清拭をすることを推奨します。
 

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問5 食品を介して新型コロナウイルス感染症に感染することはありますか。

 新型コロナウイルス感染症の感染経路は、飛沫感染、エアロゾル感染、接触感染であると考えられています。
なお、食品や食事の配膳等を行う場合は、不特定多数の人と接する可能性があるため、接触感染に注意する必要があります。食器についても同様で、清潔な取扱を含め十分お気をつけ下さい。
 コロナウイルスは熱(70度以上で一定時間)及びアルコール(60%以上(※)、市販の手指消毒用アルコールはこれにあたります)に弱いことがわかっています。製造、流通、調理、販売、配膳等の各段階で、食品取扱者の体調管理やこまめな手洗い、手指消毒用アルコール等による手指の消毒、咳エチケットなど、通常の食中毒予防のために行っている一般的な衛生管理が実施されていれば心配する必要はありません。WHOからの一般的な注意として「生あるいは加熱不十分な動物の肉・肉製品の消費を避けること、それらの取り扱い・調理の際には注意すること」とされています。
 
 (※) 60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えないです。
 

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問6 新型コロナウイルス感染症になった後、症状が長引くことはありますか。

 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について」をご確認ください。
 

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問7 新型コロナウイルス感染症に感染し、治療・療養が終わりましたが、疲労感、息苦しさなどの症状が続いています。どうしたらよいでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について」をご確認ください。
 

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2-2.変異株について

問1 ウイルスの変異株について教えてください。

 変異とは、生物やウイルスの遺伝子情報が変化することです。ウイルスが増殖する際、ウイルスの遺伝情報(新型コロナウイルスの場合はRNA) が書き換わることがあり、これをウイルスの変異といいます。
 一般的に、ウイルスは流行していく中で少しずつ変異をおこしていきます。この変異したウイルスが変異株です。ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報の変異が起こるとウイルスの性質が変化することがあります。感染の広がりやすさ(伝播性)や、引き起こされる病気の重さ(病毒性)が変わることもあれば、ワクチンや薬が効きにくくなる(免疫逃避や耐性獲得)こともあります。
 新型コロナウイルスについても、約2週間に1箇所程度の速度で変異していると考えられています。
 

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問2 国内で見つかっている変異株について教えてください。

  
 一般的にウイルスは増殖・流行を繰り返す中で少しずつ変異していくものであり、新型コロナウイルスも約2週間で一か所程度の速度で変異していると考えられています。
 厚生労働省及び国立感染症研究所では、ゲノムサーベイランスで変異株の発生動向を監視しています。国立感染症研究所では、変異株のリスク分析・評価を行い、その評価に応じて、変異株を「懸念される変異株(Variant of Concern:VOC)」、「注目すべき変異株(Variant of Interest:VOI)」、「監視下の変異株(Variants under Monitoring:VUM)」に分類しています。
 変異株の発生動向、リスク評価、及び分類については、国立感染症研究所から随時情報提供しております。詳細は、こちらからご確認下さい。(国立感染症研究所のホームページ)
また、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードにおいても、変異株について情報提供しております。こちらからご確認下さい。
 

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問3 変異株への個人の感染予防策について教えてください。

   従来通り、新型コロナウイルス感染症の基本的な感染予防策が有効です。具体的には、3密(密集・密接・密閉)の回避や換気に加えて、マスクの効果的な場面での着用、手洗いなどが有効です。国民の皆様には、引き続き感染予防策へのご協力をお願いいたします。
(参考)感染拡大防止に向けた取組(内閣官房HP)
https://corona.go.jp/proposal/
 

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3.新型コロナウイルス感染症の予防法

問1 感染を予防するために注意することはありますか。心配な場合には、どのように対応すればよいですか。

 感染を予防するためには、基本的な感染予防の実施や「3つの密」を避けること等が重要です。
 これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていない一方で、一定の条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。集団感染が生じた場の共通点を踏まえると、特に、1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、2.密集場所(多くの人が密集している)、3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)という3つの条件のある場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。

3つの密を避けるための手引き
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000622211.pdf

 なお、喫煙に関しては、
・2020年4月から、望まない受動喫煙を防止するための改正健康増進法が全面施行され、原則屋内禁煙となっています。事業者は、屋外喫煙所や屋内の喫煙専用室を設けることも可能ですが、これらの場所では距離が近づかざるを得ない場合があるため、会話や、携帯電話による通話を慎むようお願いします。
注)詳しくはこちら

・また、WHOのステートメントによれば、WHOが2020年4月29日に招集した専門家によるレビューにおいて、喫煙者は非喫煙者と比較して新型コロナウイルスへの感染で重症となる可能性が高いことが明らかになったことなどが報告されています(WHO statement: Tobacco use and COVID-19 (2020年5月11日公表))。
https://www.who.int/news-room/detail/11-05-2020-who-statement-tobacco-use-and-covid-19


 新型コロナウイルス感染症は、感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。
自己のみならず、他人への感染を回避するとともに、他人に感染させないように徹底することが必要です。

 これらの状況を踏まえ、「3つの密」の回避、マスクの効果的な場面での着用、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒の励行、家やオフィスなどの換気を十分にするなどお願いします。
 

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問2 家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、家庭でどんなことに注意すればよいでしょうか。

 ご本人は外出を避けてください。ご家族、同居されている方も熱を測るなど、健康観察をし、不要不急の外出を避け、特に咳や発熱などの症状があるときには、職場などには行かないようにしてください。
 ご家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合には、同居されているご家族は以下の8点にご注意ください(詳しくは、一般社団法人日本環境感染症学会とりまとめをご参照ください。)。

1.部屋を分けましょう
 個室にしましょう。食事や寝るときも別室としてください。
 子どもがいる方、部屋数が少ない場合など、部屋を分けられない場合には、少なくとも2mの距離を保つこと、仕切りやカーテンなどを設置することをお薦めします。寝るときは頭の位置を互い違いになるようにしましょう。

2.感染が疑われる家族のお世話はできるだけ限られた方で
 心臓、肺、腎臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下した方、妊婦の方などが、感染が疑われる家族のお世話をするのは避けてください。

3.マスクをつけましょう
 マスクを隙間なくフィットさせ、正しく着用しましょう。
 使用したマスクは他の部屋に持ち出さないでください。
 マスクの表面には触れないようにしてください。マスクを外す際には、ゴムやひもをつまんで外しましょう。マスクを外した後は必ず石鹸で手を洗ってください(アルコール手指消毒剤でも可)。 マスクが汚れたときは、新しい清潔な乾燥マスクと交換してください。マスクがないときなどに咳やくしゃみをする際は、ティッシュ等で口と鼻を覆いましょう。

4.こまめに手を洗いましょう こまめに石鹸で手を洗いましょう。アルコール消毒をしましょう。洗っていない手で目や鼻、口などを触らないようにしてください。

5.換気をしましょう
 風の流れができるよう、2方向の窓を、1回、数分間程度、全開にしましょう。換気回数は毎時2回以上確保しましょう。
 
6.手で触れる共有部分を消毒しましょう
 物に付着したウイルスはしばらく生存します。ドアの取っ手やノブ、ベッド柵など共有部分は、薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤(※)で拭いた後、水拭きしましょう。亜塩素酸水を用いる場合は、対象物を拭いた後、水気をふき取って乾燥させて下さい。
 ※家庭用塩素系漂白剤は、主成分が次亜塩素酸ナトリウムであることを確認し、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25㎖)になるように調整してください。 トイレや洗面所は、通常の家庭用洗剤ですすぎ、家庭用消毒剤でこまめに消毒しましょう。タオル、衣類、食器、箸・スプーンなどは、通常の洗濯や洗浄でかまいません。感染が疑われる家族の使用したものを分けて洗う必要はありません。 洗浄前のものを共有しないようにしてください。特にタオルは、トイレ、洗面所、キッチンなどで共有しないように注意してください。
 ※亜塩素酸水は、遊離塩素濃度25ppm (25mg/L)以上(製品の遊離塩素濃度が200ppm (200mg/L)以上ある場合、水1Lに液を150ml)になるように調整してください。

7.汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
 体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う際は、手袋とマスクをつけ、一般的な家庭用洗剤で洗濯し完全に乾かしてください。
 ※糞便からウイルスが検出されることがあります。
 
8.ゴミは密閉して捨てましょう
 鼻をかんだティッシュはすぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てください。その後は直ちに手を石鹸で洗いましょう。
 (参考)【一般社団法人日本環境感染学会ホームページ http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/dokyokazoku-chuijikou.pdf
 

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問3 濃厚接触者とはどのような人でしょうか。濃厚接触者となった場合は、どんなことに注意すればよいでしょう。

  濃厚接触者は、新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方を指します。
濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は上述のとおり、1.距離の近さと2.時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。
 新型コロナウイルス感染者から、ウイルスがうつる可能性がある期間(発症2日前から入院等をした日まで)に接触のあった方々について、関係性、接触の程度などについて、保健所が調査(積極的疫学調査)を行い、個別に濃厚接触者に該当するかどうか判断する場合があります。
 なお、15分間、感染者と至近距離にいたとしても、マスクの有無、会話や歌唱など発声を伴う行動や対面での接触の有無など、「3密」の状況などにより、感染の可能性は大きく異なります。そのため、最終的に濃厚接触者にあたるかどうかは、このような具体的な状況をお伺いして判断します。なお、濃厚接触者は、マスクを着用していないことのみをもって一律に特定されるものではなく、周辺の環境や接触の状況等個々の状況から、患者の感染性が総合的に判断されます。
  濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従ってください。濃厚接触者は、感染している可能性があることから、所定の期間は、健康状態に注意を払い(健康観察)、不要不急の外出は控えてください。
 なお、保健所が濃厚接触者の特定を行わなかった場合も、感染者と発症2日前以後に接触のあった方は、接触のあった最後の日から一定の期間(目安として7日間)は、ハイリスク者との接触やハイリスク施設への訪問、感染リスクの高い行動を控えていただくようお願いいたします。

 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、対面で人と人との距離が近い接触が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされる環境は感染を拡大させるリスクが高いとされています。 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の意見はこちらをご覧ください。

 なお、検査結果が陰性となった場合であっても、所定の期間は、不要不急の外出を控えるなど保健所の指示に従ってください。
 詳しくは、濃厚接触者と判断された際に、保健所から伝えられる内容を確認してください。
 

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問4 「咳エチケット」とは何ですか。

 咳エチケットとは、感染症を他者にうつさせないために、咳・くしゃみをする際、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえることです。
 対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離でおよそ2mとされています)が、一定時間以上、多くの人々との間で交わされる環境は、リスクが高いです。感染しやすい環境に行くことを避け、手洗い、咳エチケットを徹底しましょう。
 詳しくは、厚生労働省のホームページのこちらをご覧ください。( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
 

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4.マスク・消毒液に関するもの

問1 マスクはどのような効果があるのでしょうか。

  令和5年2月8日の第116回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードにおいて提出された資料において、以下の内容が示されています。
・マスク着用に関する研究を解析した結果では、マスクを着用している人の週あたり感染リスクが着用していない人の0.84倍に低下することが知られている。観察期間を2週にすると、マスクを着用している人の感染リスクはマスクを着用していない人の0.76倍に低下すると推定される。これはマスクを着用することによって自分が感染しないための効果に相当する。
・米国における研究では、マスクを着用している人が10%増加するにより、そうでない場合と比較して流行を3.53倍制御しやすくなる(マスク着用率が10%上昇することによって、実効再生産数が1未満に落ちて流行が制御下に置かれるという度合いが3.53倍だけ増す)と推定されており、流行対策の一部としてマスク着用が有効であることが示唆されている。
 
※本知見は、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードにおいて、専門家が示された知見に基づき記載しています。今後の研究の進展により更新される可能性があります。
 
(参考)新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第116回(令和5年2月8日)資料3-3-②)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001055263.pdf
 

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問2 マスク・消毒液の確保・供給に向けて、政府はどのような対策を講じていますか。

(マスクについて)
 医療機関・介護施設向け、各世帯向けなど、それぞれの配布先のニーズに応じたマスクの確保・配布に努めています。また、今後の更なる感染拡大に備えて、備蓄も進めていくこととしています。
 以下のとおり、医療用マスク等を優先して確保・配布を行っています。
 
 (※)令和2年3月15日以降、ドラッグストアなどから購入したマスクを、購入価格より高い価格で他人に売り渡すことが国民生活緊急安定措置法により禁止されており、違反した場合には、罰則の対象とされていたところ、令和2年8月29日0時をもって、転売規制は解除されました。転売規制については、根拠法である国民生活安定緊急措置法の規定上「事態克服に必要な限度を超えてはならない」とされているところ、マスク等については国内生産増や輸入拡大により、既に市場で入手できる状況になってきているため、解除されたものです。


【医療機関向けマスクの配布】
 医療機関向けの個人防護具(サージカルマスク、N95等マスク、アイソレーションガウン、フェイスシールド、非滅菌手袋)については、国が直接調達して必要な医療機関に無償で配布を行う等の取組を行っています。
 配布の方法は2通りあります。
  ・通常配布
   都道府県を通じた無償のプッシュ型配布です。N95等マスク、非滅菌手袋が対象です。
    なお、サージカルマスク、アイソレーションガウン及びフェイスシールドについては需給が回復してきている状況を踏まえ、通常配布を休止し、次の需給ひっ迫のケースに備えて必要な備蓄を計画的に確保していく対応に移行しています。
  ・緊急配布
   備蓄が少なくなり、購入の見込みがないまたは十分な量ではない医療機関等に対し、医療機関が要請する必要量の2~4週間分の個人防護具を、国から直送しています。
 
 医療機関等に対する医療用物資の配布状況については、厚生労働省ホームページにて定期的に発信しています。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001_old.html#vaccine_1
  
 今後も、医療機関のニーズを把握した上で、医療機関に対し、必要な物資を配布しつつ、国内で必要となる備蓄を計画的に進めてまいります。


【布製マスクの配布】
 医療機関向けマスクの供給を確保するために、一般向けのマスク需要を少しでも無理のない形で押さえる必要があったため、市民の方等向けに、布製マスクの確保・配布を行いました。仮に、洗濯をしながら平均20回ずつ使われたとすれば、布製マスク1億枚が使い捨てマスク20億枚分の消費を抑制できることになると考えられ、これは平時のマスク需要の4~5ヶ月分に相当します。
 また、介護施設等への布マスクの配布については、配布を希望する介護施設等に随時配布するとともに、今後に備えて、国で備蓄することとしています。配布希望の申出の方法など、詳細はこちらをご確認ください。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/mask_haifukibou.html
(参考)周知用リーフレット

布マスクの配布状況は、以下の表のとおりです。 
日付 種類 枚数 確保元 経由 宛先
令和2年3月12日~令和2年4月15日 布マスク 約2,000万枚 メーカー 国から直送 介護施設等
令和2年6月30日~令和2年8月14日 約4,000万枚
令和2年8月5日~令和3年5月13日(継続中) 約1,500万枚 介護施設等
(希望制)
令和2年4月11日~令和2年5月29日 約1,500万枚 小中学校等
令和2年6月17日~令和2年6月28日 約920万枚
令和2年4月17日~令和2年6月20日 約1.2億枚 全戸
令和2年5月20日~令和2年5月28日 約174万枚 妊婦
令和2年6月25日~令和2年7月6日 約160万枚
令和2年7月21日~令和2年7月31日 約260万枚

 

(※) マスクの生産・輸入・販売の状況、一般家庭用マスクの自治体への配布状況は、経済産業省ホームページhttps://www.meti.go.jp/covid-19/mask.html)にて、逐次発信していますので、そちらもご覧ください。

 (消毒液について)
 国内主要メーカーは、各社それぞれができる限りの増産に取り組み、10月の国内生産量は708万Lまで増加しました。
 
【手指消毒用エタノールの国内生産状況】



 (※)国内メーカーから得られた結果を集計したものです。
 
 

 また、医療機関等は大量の手指消毒用エタノールを必要とするため、通常の商流では必要量の入手が困難となる場合があることから、希望する医療機関等に対して優先供給を行う仕組みを構築し、2020年3月より運用を開始し、2020年6月には、購入専用サイトを通じて購入できるような仕組みに変更しています(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000640973.pdf)。
 なお、各製品の価格については、発注時点でのメーカーの公式サイトでの販売価格等に沿ったものとなっています。

 

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問3 新型コロナウイルス感染予防のための手洗いや身の回りのものの消毒・除菌はどのようにしたらよいですか。

 飛沫に含まれる新型コロナウイルスや、手や身の回りのものに付着した新型コロナウイルスが、人の口や鼻、眼などから入って感染します。したがって、感染を予防するためには、手洗いや身の回りのものに付着したウイルスの数を減らすことが有効です。

(1)手洗い
 まず、ウイルスは水で洗い流すことでかなり数を減らすことができます。新しい生活様式で、帰宅後の手洗いやシャワーをお勧めしているのはそのためです。石けんと流水による手洗いを行うことが最も重要です。手指に付着しているウイルス量は、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんで10秒もみ洗いし流水で15秒すすぐと1/10,000に減らすことができます。
 手洗いがすぐに出来ない状況では、アルコール消毒液(濃度70%~95%のエタノール)(※)も有効です。一方で、次亜塩素酸ナトリウム(いわゆる塩素系漂白剤)は、危険ですので、手指には用いないでください。また、亜塩素酸水も、目に入ったり、皮膚についたりしないよう注意してください。
 
 (※) 60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えありません。

(2)身の回りのものの消毒・除菌
 熱水、次亜塩素酸ナトリウム(いわゆる塩素系漂白剤)、アルコール消毒液による消毒をおすすめします。
 これ以外で、家庭などで身近なものとしては、界面活性剤(いわゆる住宅用・台所用洗剤)でも、効果が期待できます。新型コロナウイルスに対して有効な界面活性剤としては、6月25日現在、9種類が新型コロナウイルスの量を減らせることが報告されています。
 また、一定濃度以上の「次亜塩素酸水」が新型コロナウイルスの量を減少させることが独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)にて確認されました。目に見える汚れをあらかじめ落とした上で、1.拭き掃除には、有効塩素濃度80ppm以上の次亜塩素酸水を使い、十分な量の次亜塩素酸水で濡らすことで、2.次亜塩素酸水の流水で掛け流す場合は、有効塩素濃度35ppm以上のもので20秒以上掛け流すことでウイルスの量が減らせるとされています。いずれの場合も、次亜塩素酸水が残らないよう、きれいな布やペーパーで拭き取ってください。
 また、「亜塩素酸水」は、1.清拭する場合、遊離塩素濃度5ppm(5mg/L)以上の亜塩素酸水をペーパータオル等に染み込ませてから対象物を清拭(拭いた後数分以上置くこと。)してください。その後、水気を拭き取って乾燥させて下さい。2.浸漬する場合、対象物を遊離塩素濃度5ppm(5mg/L)以上の亜塩素酸水に浸漬(数分以上浸すこと。)し、取り出した後に水気を拭き取って乾燥させてください。3.排泄物やおう吐物等の汚物がある場合、汚物をペーパータオル等で静かに拭き取った上で、汚物のあった場所にペーパータオル等を敷き、その上に遊離塩素濃度100ppm(100mg/L)以上の亜塩素酸水をまきます(数分以上置くこと。)。ペーパータオル等を回収後、残った亜塩素酸水を拭き取って乾燥させてください。
 界面活性剤の具体的な名称やその濃度、次亜塩素酸水を使う際の注意事項などについては、下記にお示しする各種ホームページで確認してください。また、具体的な用途や使用上の注意については、製品に記載された情報を確認の上、正しくお使いください。
 
 製剤製品によって、特徴や使用方法が異なるので、ウイルスの数を減らし、身の回りを清潔に保つため、うまく組み合わせて、活用しましょう。

(参考)
○新型コロナウイルス対策ポスター「身のまわりを清潔にしましょう。」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-2.pdf
 
○新型コロナウイルス対策ポスター「家庭内で注意していただきたいこと~8つのポイント~」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601721.pdf
 
○新型コロナウイルス対策ポスター「次亜塩素酸水を使ってモノのウイルス対策をする場合の注意事項」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf
 
○独立行政法人 製品評価技術基盤機構ホームページ
新型コロナウイルスに対して効果が確認された界面活性剤を含む洗剤について
https://www.nite.go.jp/information/osirasedetergentlist.html
 
○厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

 

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問4 次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は異なるものですか。両方とも新型コロナウイルス感染症対策に有効なのでしょうか。

 次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は、全く異なるものです。いずれも「次亜塩素酸」を有効成分としていますが、混同しないようにしてください。
 まず、次亜塩素酸ナトリウムは、アルカリ性で強い酸化作用を持ちます。市販されている家庭用漂白剤等が代表例です。
 消毒を目的として使用する際には、正しく水で0.05%までに薄めた上で使用してください。また、素手で取り扱ったり、吸入したり目に入ったりすると健康に害を及ぼす可能性がありますので、絶対に行わないでください。
 
 次に、次亜塩素酸水は、酸性で同じく強い酸化作用を持ちます。出荷される野菜の洗浄等に用いられています。
 一定濃度以上の「次亜塩素酸水」が新型コロナウイルスの量を減少させることが独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)にて確認されました。目に見える汚れをあらかじめ落とした上で、1.拭き掃除には、有効塩素濃度80ppm以上の次亜塩素酸水を使い、十分な量の次亜塩素酸水で濡らすことで、2.次亜塩素酸水の流水で掛け流す場合は、有効塩素濃度35ppm以上のもので20秒以上掛け流すことでウイルスの量が減らせるとされています。いずれの場合も、次亜塩素酸水が残らないよう、きれいな布やペーパーで拭き取ってください。
 詳しい内容は、下記ホームページで確認してください。
 
(参考)
○新型コロナウイルス対策ポスター「次亜塩素酸水を使ってモノのウイルス対策をする場合の注意事項」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf
 
○国民生活センター「除菌や消毒をうたった商品について正しく知っていますか?-新型コロナウイルスに関連して-」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200515_2.pdf
 
○NITE検討会報告書
https://www.nite.go.jp/information/koronataisaku20200522.html
 
○厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
 

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問5 人がいる空間での消毒剤の空間噴霧は行ってはいけないのですか。

 厚生労働省では、諸外国の知見も踏まえ、消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、これが人の眼に入ったり、皮膚に付着したり、吸入されたりするおそれのある人状況での空間噴霧をおすすめしていません。(空気や環境の表面の除染方法として有効かつ安全な噴霧が科学的に証明された事実は確認されておりません。)
 また、消毒剤をマスクに噴霧し、薬剤を吸引してしまうような状態でマスクを使用することも、おすすめしていません。

 諸外国の知見とは、以下の通りです。
-世界保健機関(WHO)が5月15日に新型コロナウイルスに対する消毒に関して発表した見解では、「室内空間で日常的に物品等の表面に対する消毒剤の噴霧や燻蒸することは推奨されない」とされており、また「路上や市場といった屋外においてもCOVID-19やその他の病原体を殺菌するために噴霧や燻蒸することは推奨せず」「屋外であっても、人の健康に有害となり得る」としています。また、「消毒剤を(トンネル内、小部屋、個室などで)人体に対して噴霧することはいかなる状況においても推奨されない」としております。
-米国疾病予防管理センター(CDC)による医療施設における消毒・滅菌に関するガイドラインでは、「消毒剤の噴霧は、空気や環境の表面の除染方法としては不十分であり、日常的な患者ケア区域における一般的な感染管理として推奨しない」としております。

 なお、「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(※)」の「5.(補論)空間噴霧について」の【参考情報3】において、「消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を吸い込むことは、推奨できません。」としておりますが、これは、消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を人の眼や皮膚に付着したり、吸い込んだりする恐れのある場所で空間噴霧することを推奨しない、という趣旨です。
個々の製品の使用に当たっては、その安全性情報や使用上の注意事項を守って適切に使用する必要があります。

※厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

 

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問6 マスクを着用する場面はどのような場面でしょうか。

 新型コロナウイルス感染症対策としてのマスク着用については、行政が一律にルールとして求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断に委ねられます。本人の意思の反して、マスクの着脱を強いることがないよう、配慮をお願いします。
 ただし、感染防止対策としてマスクの着用が効果的な場面等や症状がある場合等においては、マスクの着用を推奨しています。こうした場面では、重症化リスクの高い方を守るためにもご協力をお願いします。
 なお、新型コロナウイルス感染症の感染が大きく拡大しているような場合には、一時的に屋内においても原則としてマスクの着用をお願いする等、強い感染対策をお願いする場合があります。
 また、子どものマスク着用に関する考え方については、問6-10を参考にしてください。学校生活における取扱については、文部科学省のウェブサイトを参考にしてください。
 
<マスク着用が効果的な場面>
 高齢者等重症化リスクが高い方への感染を防ぐため、下記の場面では、マスクの着用が推奨されます。
 ・医療機関受診時
 ・高齢者等重症化リスクが高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等への訪問時
 ・通勤ラッシュ時等混雑した電車やバス(注)に乗車する時(当面の取扱いになります)  

 そのほか、新型コロナウイルス感染症の流行期に重症化リスクの高い者が混雑した場所に行く時は、感染から自身を守るための対策として、マスクの着用が効果的です。
(注)概ね全員の着席が可能であるもの(新幹線、通勤ライナー、高速バス、貸切バス等)を除きます。

<症状がある場合等の対応>
 下記の方は、周囲の方に感染を広げないため、外出を控え、通院等やむを得ず外出する時には、人混みは避け、マスクを着用してください。
 ・症状がある方
 ・新型コロナウイルス感染症の検査陽性の方
 ・同居家族に陽性者がいる方

※上記のほか、事業者において感染対策上又は事業上の理由等により、利用者又は従業員にマスク着用を求められることがあります。各業界や事業者の取扱いをご確認ください。高齢者等重症化リスクが高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等の従事者については、引き続き、勤務中のマスク着用が推奨されます。
 

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5.新型コロナウイルス感染症に対する医療について

問1 新型コロナウイルス感染症にかかっていないか調べてほしいのですが、どうしたらいいですか。

  冬には、季節性インフルエンザ等、発熱や咳を起こす感染症が流行しやすくなります。こうした感染症と新型コロナウイルス感染症の症状は非常に似ていますし、同時に二つ以上のウイルスに感染する場合もあります。「筋肉痛があるからコロナではない」等の自己判断はお控えください。各自治体においても、これらの感染症が増加した場合に備え、診療・検査体制の整備を行っています。発熱等の症状のある方は、まずは、かかりつけ医等の身近な医療機関に直接、電話相談し、医療機関を受診してください。診察をした医師によって、感染が疑われると判断された場合には、新型コロナウイルス感染症の検査を受けることができます。
 また、相談する医療機関に迷う場合には、「受診・相談センター」に電話相談してください。(※)
 (※)地域により、相談機関の名称や受付方法が異なりますので、お住いの自治体の情報をご確認ください。


【検査のフロー】



帰国者・接触者相談センターページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html

 

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問2 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査にはどのようなものがありますか。

 新型コロナウイルスは、主に、人ののどや鼻の細胞に侵入し、複製・増殖し、細胞外に出て他の正常な細胞に広がることで、私たちの体の中で広がっていきます。新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、PCR検査、抗原定量検査、抗原定性検査等があり、いずれも被検者の細胞内にウイルスが存在しているかどうかを調べるための検査です。

<抗原検査とPCR検査の違い>
検査種類 抗原検査(定性) 抗原検査(定量) PCR検査
〇調べるもの ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原) ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原) ウイルスを特徴づける遺伝子配列
〇精度 検出には、一定以上のウイルス量が必要 抗原検査(定性)より少ない量のウイルスを検出できる 抗原検査(定性)より少ない量のウイルスを検出できる
〇検査実施場所 検体採取場所で実施 検査機器等を要する 検査機器等を要する
〇判定時間 5~30分  30~40分 1時間~3時間

(参考)使用方法のガイドラインはこちら
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針 第5.1版

 新たな検査手法の開発により、検査の種類や症状に応じて、鼻咽頭からの検体だけでなく、唾液や鼻腔からの検体を使うことも可能になっています。
 なお、抗体検査は、過去に新型コロナウイルス感染症にかかったことがあるかを調べるものであるため、検査を受ける時点で感染しているかを調べる目的に使うことはできません。

<症状の有無と検査方法>


<検体採取の例>

※(9月時点)新型コロナウイルス感染症 の“いま についての 11 の知識より

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問3 自費でPCR検査を受ける場合に、注意すべき点はありますか。

 新型コロナウイルスの検査は、発熱や咳などの症状がある方や、感染者の濃厚接触者(新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方)であれば、保健所や医療機関において、自己負担なしで検査を受けることが可能です(行政検査)。
 一方で、例えば、仕事で海外に行く場合に相手国やお勤め先から検査証明を求められる場合や、帰省など社会経済活動を行うために希望により検査を受ける場合は、検査費用は自己負担となります(自費検査)。
 自費検査であっても、検査を実施する医療機関と衛生検査所の基準が設けられており、検査の精度を確保することが求められています。
 ただし、この自費検査には主に2種類の場合があります。一つは、医師による診察が行われ、診断がなされる場合です。もう一つは、検査を行い、その結果を通知するのみで、医師の診断を伴わない場合です。
 たとえ検査結果が陰性であっても、医師の診察が行われてない限りは、感染していないとは診断できない事にご注意ください。
 なお、医師による診察を伴わない検査で陽性であった場合も、検査を受ける者の同意に基づき、検査機関から提携医療機関に検査結果(陽性)が報告され、医師の診察につなげることができます。
 診察の結果、新型コロナウイルス感染症と診断されれば、保健所が治療療養場所の調整や濃厚接触者の特定などを行うことができます。医師の診断を受けなければ、その後のこのような対応につながらないことから、医療機関又は提携医療機関をもつ検査機関で、検査を受けていただくことを推奨いたします。
 (※)検査機関に提携医療機関がない場合には、自分で受診相談センターまたは身近な医療機関に相談する必要があります。(身近な医療機関を受診する場合、事前に電話で連絡をしてください。)
 
(参考)
社会経済活動の中で本人等の希望により全額自己負担で実施する検査(いわゆる自費検査)について

自費検査を提供する検査機関一覧
 
自費検査に関する事務連絡(令和2年11月24日付け)

 

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問4 陽性になって入院や療養をした場合、どうなったら元の生活に戻れますか。

 国内外の知見によると、発熱等の症状が出てから7日~10日程度経つと、新型コロナウイルス感染者の感染性は急激に低下し、PCRで検出される場合でも、感染性は極めて低いことがわかってきました。
 そのため、以下の通り、入院や療養生活が始まってから、こうした期間が経過したかどうかと、各種検査の結果を総合判断して、元の生活への復帰が判断されることになります。
 厚生労働省では、退院や療養生活を終了する際の判断基準を、以下のとおりまとめています。これまでの国内外の研究結果等を踏まえながら、随時最適な基準を定めてまいります。

●新型コロナウイルス感染症の患者に対する療養期間等の見直しについて
https://www.mhlw.go.jp/content/000989624.pdf
 ●感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/content/000891476.pdf

 (参考)
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)

https://www.mhlw.go.jp/content/000745527.pdf

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問5 新型コロナウイルスに感染すると抗体・免疫ができるのですか。抗体検査について注意すべき点はありますか。

 麻しん(はしか)等のウイルス感染症では、感染後に体内でそのウイルスに対して抗体という特殊なたんぱく質が作られ、その感染症に対する免疫が得られる(その感染症に再度かかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりするようになる)ことが知られています。

 新型コロナウイルスに感染した人の体内でも、新型コロナウイルスに対する抗体が作られることが知られていますが、どのくらいの割合の人で抗体が作られるのか、その抗体が感染後どのくらいの時期から作られ、その後どのくらい持続するのか、それにより新型コロナウイルスに対する免疫が獲得できるのかは、現時点では明らかになっていません。従って、一度新型コロナウイルスに感染した方であっても、再度感染する可能性は否定できませんので、引き続き適切な行動をとっていただくようお願いします。
 また、上記のことから、新型コロナウイルスへの抗体を持っていないことが分かっても、そこから現在新型コロナウイルスに感染していない、あるいは過去に感染したことがないと判断することはできません。

 なお、現在、イムノクロマト法と呼ばれる迅速簡易検出法をはじめとして、国内で様々な抗体検査キットが市場に流通していますが、期待されるような精度が発揮できない検査法による検査が行われている可能性もあり、注意が必要です。現在、日本国内で診断薬として薬事承認を得た抗体検査はなく、世界保健機関(WHO)は抗体検査について、診断を目的として単独で用いることは推奨せず、疫学調査等で活用できる可能性を示唆しています。

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問6 新型コロナウイルスは重症化しやすいのですか。

 新型コロナウイルスに感染した人は、軽症であった方、治癒する方も多いですが、重症化する方は、普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急速に悪化し、肺炎に至るようです。
新型コロナウイルスによる肺炎が重篤化した場合は、人工呼吸器など集中治療が必要となり、季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されています。高齢者や基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患など)を有する方では、重症化するリスクが高いと考えられています。なお、若年層の方であっても、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応を起こして重症化する事例も報告されています。

 重症化する割合や死亡する割合は以前と比べ低下 しており、オミクロン株が流行の主体である2022 年3月から4月に診断された人の中では、重症化した人の割合は50歳代以下で0.03%、60歳代以上で 1.50%、死亡した人の割合は50歳代以下で0.01%、60歳代以上で1.13%となっております。

第98回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000987078.pdf
 

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問7 自宅で療養を行う場合には、何に注意する必要があるのでしょうか。

 
 療養期間中は、人との接触を最小限として基本的な感染対策を実施し、自宅で過ごしていただく必要があります。自宅療養を行う際にはあらかじめ体調悪化時の相談窓口(自治体が設置するコールセンターやかかりつけ医等)の連絡先をご確認いただき、自宅療養中に体調が悪化した場合や、パルスオキシメーターを使用して健康観察を行う場合で血中酸素飽和度が93%以下の際には、我慢せずにご連絡ください。
 なお、保健所等から個別に連絡を行う場合もあります。
 政府としても、自宅や宿泊施設で療養されている方が症状悪化した場合に、速やかに入院できる体制を確保していきます。

(参考)療養解除の基準とよくある質問
https://www.mhlw.go.jp/content/000928216.pdf
 
(参考)家庭での感染予防について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q3-2
※こちらでは「家族に感染が疑われる場合」とありますが、自宅療養者がいる場合も注意事項は特段変わりません。

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問8 治療薬の実用化に向けた取組みはどうなっていますか。

 新型コロナウイルスは、1.ヒトの細胞表面のレセプターを通して、細胞内に侵入し、2.ウイルス自身の酵素(人体には存在しないRNAポリメラーゼ)を用いて複製し、3.タンパク質や酵素を作って増殖し、4.細胞外に出て他の正常な細胞に広がること を繰り返すことで、私たちの体の中で広がっていきます。また、重症化すると、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応を起こしたり、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)という重度の呼吸不全を起こしたりすることが知られています。
 抗ウイルス薬の多くは、このウイルスの1.侵入、2.複製、3.増殖、4.拡散の過程をターゲットとします。既存の治療薬で、それぞれの過程をターゲットとした薬や、新型コロナウイルス感染症の症状(サイトカインストーム等)への効果が期待できる薬を新型コロナウイルスの治療薬として実用化するため、その治療効果や安全性を検証するための治験や臨床研究が進んでおり、一部には承認されたものもあります。
 承認済の新型コロナウイルス治療薬及び現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬については、以下のページをご覧ください。
承認済の新型コロナウイルス治療薬及び現在開発中の主な新型コロナウイルス治療薬(令和4年9月28日現在)

 また、これらの他にも様々な治療薬の開発が進められています。詳しくは、以下のページから「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」をご覧ください。  

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問9 新型コロナウイルスに感染したら、誰でも経口薬(ゲブリオカプセル、パキロビッドパック、ゾコーバ錠)の投与を受けられますか。


 現在、新型コロナウイルス感染症の治療薬のうち、軽症者向けの経口薬としては、ラゲブリオカプセル(有効成分:モルヌピラビル)、パキロビッドパック(有効成分:ニルマトレルビル/リトナビル)及びゾコーバ錠(有効成分:エンシトレルビル フマル酸)が承認されています。
ラゲブリオカプセル及びパキロビッドパックの投与対象者は、日本感染症学会のガイドライン「COVID-19 に対する薬物治療の考え方 第15版」(2022年11月22日)において、高齢者、肥満、基礎疾患のある方など、重症化リスク因子を有する方が対象とされています。
 また、ゾコーバ錠の投与対象者については、これらとは異なり、同ガイドラインにおいて、重症化リスク因子を有しない方が対象とされていますが、本剤についてCOVID-19 の5つの症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っぽさまたは発熱、倦怠感(疲労感))への効果が検討された臨床試験における成績等を踏まえ、高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処方を検討することとされています。
 加えて、ラゲブリオカプセル及びゾコーバ錠は、動物実験で催奇形性が認められており、妊婦又は妊娠している可能性のある女性は投与禁忌とされています。
 また、パキロビッドパック及びゾコーバ錠は、複数の薬剤が併用禁忌とされており、服薬中のすべての薬剤を確認する必要があります。
 さらに、ラゲブリオカプセル及びパキロビッドパックは発症から5日以内に、ゾコーバ錠は発症から3日以内に服用する必要があります。

 このため、新型コロナウイルスに感染したら、誰でも経口薬の投与を受けられるものではありませんが、投与の要否については、医師の診断に従ってください。
 

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問10  モルヌピラビルは、臨床試験での有効性が低かったと聞きましたが、効果はないのでしょうか。


 モルヌピラビルについては、日本を含む国際共同第Ⅲ相試験が実施されており、中間解析においては、入院又は死亡に至った被験者の割合は、プラセボ群が14.1%であったのに対し、モルヌピラビル群では7.3%でした。そのリスク差は-6.8%、リスク減少率は48%であり、統計学的に有意な差がありました。また、全被験者を対象とした補足的な解析においては、プラセボ群が9.7%であったのに対し、モルヌピラビル群では6.8%でした。そのリスク差は-3.0%、リスク減少率は30%でした※1。この結果を踏まえ、モルヌピラビルの有効性はあるものと判断しています。
 なお、現時点で軽症者を対象として承認されている治療薬としては、カシリビマブ・イムデビマブ(販売名:ロナプリーブ注射液セット)及びソトロビマブ(販売名:ゼビュディ点滴静注液)があります。これらの薬剤における臨床試験の結果※2は、カシリビマブ・イムデビマブでは、リスク減少率70.4%、ソトロビマブでは、リスク減少率85%(最終解析では79%)でしたが、これらの臨床試験におけるリスク減少率の数値を単純に比較して、医薬品の有効性の程度を判断することはできません。その理由は、臨床試験の実施された時期が異なること(全被験者を対象とした結果が公表されたのは、カシリビマブ・イムデビマブが令和3年3月23日、ソトロビマブが令和3年6月21日、モルヌピラビルが令和3年11月26日)や、それによる標準的な治療法の違い、流行する変異株の違い、被験者の平均的な重症度の違い等を考慮することができないためです。
 いずれにしても、医薬品の投与の要否や、どの医薬品の投与を受けるかについては、医師と相談してください。
 
 なお、臨床試験の結果を含む医薬品の承認審査の詳細については、以下のリンク先から「審査報告書」を参照してください。
 
モルヌピラビル(販売名:ラゲブリオカプセル)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/62500B6
カシリビマブ・イムデビマブ(販売名:ロナプリーブ注射液セット)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/62505A0
ソトロビマブ(販売名:ゼビュディ点滴静注液)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/62504A4
 
 
※1 中間解析結果と比べて本薬群とプラセボ群の群間差が小さくなった要因について、中間解析前後での被験者背景や試験環境の相違等の影響について検討が行われたものの明らかな要因は特定されなかった。中間解析の後、様々な要因が積み重なったことにより群間差が小さくなった可能性はあると考えられる。
※2 カシリビマブ・イムデビマブについては、海外第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相試験が実施されており、入院又は死亡に至った被験者の割合は、プラセボ群が3.2%であったのに対し、カシリビマブ・イムデビマブ群では1.0%だった。そのリスク減少率は70.4%であり、統計学的に有意な差があった。ソトロビマブについては、海外第Ⅱ/Ⅲ相試験が実施されており、中間解析においては、入院又は死亡に至った被験者の割合は、プラセボ群が7%であったのに対し、ソトロビマブ群では1%だった。そのリスク減少率は85%であり、統計学的に有意な差があった。また、最終解析においては、入院又は死亡に至った被験者の割合は、プラセボ群が6%であったのに対し、ソトロビマブ群では1%であり、そのリスク減少率は79%だった。
 

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問11 モルヌピラビルは、発がん性があると聞きましたが、問題ないでしょうか。

  モルヌピラビルについては、細菌を用いた変異原性試験の結果が陽性でした。しかし、げっ歯類を用いた2種の変異原性試験を実施した結果、変異原性は認められませんでした。また、in vitro小核試験及びラットを用いた小核試験の結果は陰性でした。
  この結果から、厚生労働省としては、現時点で発がん性は認められていないと考えています。


 

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問12 モルヌピラビルは、陽性になったら即(当日)内服を開始しないといけないのか。


  モルヌピラビルは、添付文書において「SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始すること。臨床試験において、症状発現から6日目以降に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。」とされています。
  必ずしも陽性になった当日に服用しなければならないものではありませんが、症状が発現したら速やかに投与を開始することとされていますので、服用時期については早めに医師と相談してください。
 

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問13 ゾコーバ錠(有効成分:エンシトレルビル フマル酸)は他の経口薬と比べて効果が低い、あるいは高いと聞きますが、実際はどちらでしょうか。重症化を抑制する効果はないと聞きました。

 ゾコーバ錠については、服用することによって症状が消失・改善するまでの期間が約1日短縮することが臨床試験において認められています。
新型コロナウイルス感染症に用いる他の経口薬としては、ラゲブリオカプセル(有効成分:モルヌピラビル)及びパキロビッドパック(有効成分:ニルマトレルビル/リトナビル)が承認されていますが、これらの医薬品は、服用することによって死亡や重症化する割合が減少することが、臨床試験において認められています。
 それぞれの医薬品において、評価している項目が異なるため、効果の高低について比較することはできません。なお、ゾコーバ錠について、重症化を抑制する効果があるかどうかについては、臨床試験において確認されていないため、現時点では知見が得られていないと考えています。

 なお、ゾコーバ錠において、重症化を抑制する効果を臨床試験において確認しなかった理由の一つとして、申請者である塩野義製薬株式会社は、「オミクロン株の感染者は重症化率が低く、さらにワクチン接種により重症化率が低下している状況において、入院率や死亡率で有効性を評価することは困難な状況にある」と説明しています。
 (参考)承認審査の対象となった主たる臨床試験での変異株、なお、ゾコーバ錠については、臨床試験が実施された時期・地域における流行株
  ゾコーバ錠:オミクロン株BA.1系統、BA.2系統、BA.5系統
  ラゲブリオカプセル:ミュー株、デルタ株、ガンマ株
  パキロビッドパック:デルタ株

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問14 ゾコーバ錠の臨床試験では、実施中に主要評価項目が変更されており、これは通常では考えられないことであると聞きましたが、問題はないのでしょうか。

 臨床試験の実施に当たっては、結果の信憑性を確保する観点から、試験計画は試験の実施前に策定することが原則です。
一方、試験の実施中に新たな知見が得られた場合などに、試験計画の変更が行われることはあります。その場合、少なくとも開鍵前(臨床試験において、被験薬又はプラセボ(偽薬)のいずれが投与されていたかを明らかにする前)に変更する必要があり、当該変更が結果の信憑性に及ぼす影響については慎重に検討する必要があります。
 ゾコーバ錠の国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(T1221 試験)の第Ⅲ相パートについては、
・最終的な試験計画の変更は開鍵前であったことに加え、
・変更内容についても、臨床的な観点から一定の合理性が認められています。
※ 第Ⅱb 相パートの結果や第Ⅲ相パートの実施中に流行していたOmicron 株の特徴を、国内の疫学情報なども交えて、医学専門家と検討し、評価に用いる症状として設定していた12 症状の中から5 症状を選定したこと。また、本薬は症状悪化前に投与を開始することで、得られる治療効果が最大となると考えられたことに加え、およそ6 割程度の患者で発症から症状悪化までの期間が3 日以内であったとの国内の疫学情報を踏まえ、有効性の主要な解析対象を症状発現が無作為化前72 時間未満の被験者とすることとしたこと
 
 加えて、SARS-CoV-2 による感染症については流行株の変化により患者の臨床像なども変化することから、治療薬の有効性の評価においてどのような主要評価項目が適切なのか試験開始前にあらかじめ設定することは、相当の困難さがあると考えています。
これらを踏まえ、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の審査においては、有効性の主要評価項目及び解析対象集団の変更は否定されるものではないとされています。
 なお、本剤以外でも、例えばロナプリーブの開発においても、海外第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相試験の第Ⅲ相パートの実施中に主要評価項目等の変更がなされています。新型コロナ治療薬に限らず、疾患の改善度合いをより適切に評価する観点から医学専門家等と相談のうえ、試験中に主要評価項目等を変更した事例はあります。
 

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問15 日本でのワクチン接種はどうなっていますか。

 日本での新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種は、2021年2月17日から初回接種、同年12月1日からは3回目接種を実施しています。さらに、2022年5月25日からは60歳以上の方や18歳以上で基礎疾患を有する方等を対象として4回目接種が開始され、同年7月22日からは重症化リスクの高い方が多く集まる医療機関・高齢者施設等の従事者を4回目接種の対象者に拡大して実施しています。
 また、日本では、ファイザー社のワクチン、モデルナ社のワクチン、アストラゼネカ社のワクチン及びノババックス社のワクチンの4種類のワクチンが薬事承認されており、それぞれのワクチンにおいて対象者や接種間隔等が定められた上で、予防接種法に基づく予防接種として接種することができます。
 
 なお、接種は、無料で受けることができます。
 新型コロナワクチンについては、特設ホームページを設けていますので、接種の対象者や接種間隔等の詳細は下記ページを御参照ください。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html

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問16 電話やオンラインによる診断や処方を受けたいのですが、どうしたら受けられますか。

 新型コロナウイルス感染症が拡大していることに鑑みた時限的・特例的な対応として、初診も含め、医師の判断で電話やオンラインにより診断や処方を受けられることとなりました。
 このため、電話やオンラインによる診断や処方を受けたい場合は、まずは、普段からかかっているかかりつけ医等にご相談ください。
 かかりつけ医等をお持ちでない方は、下記のホームページに電話やオンラインによる診療を行う医療機関のリストを掲載することとしているので、掲載されている最寄りの医療機関にご連絡ください。
  (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/rinsyo/index_00014.html
 ただし、電話やオンラインによる診療に適していない症状や状態の場合は、医師の判断で診断や処方は行わず、医療機関における対面の診療を勧めることがあります。
 

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6.妊婦や小児に関すること

【妊婦ご本人について】

問1 妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいですか。

 妊娠中に新型コロナウイルスに感染しても、基礎疾患を持たない場合、その経過は同年代の妊娠していない女性と変わらないとされています。しかし、妊娠後期に感染すると、早産率が高まり、患者本人も一部は重症化することが報告されております。
 高年齢での妊娠、肥満、高血圧、糖尿病などが新型コロナウイルス感染症の重症化のリスク因子であるという報告もあり、このような背景を持つ妊婦の方は、特に感染予防に注意してください。
 また、妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、ワクチンの接種勧奨の対象としており、時期を問わず接種をお勧めしています。
 
(参考)リーフレット「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策~妊婦の方々へ~」

 
(参考)新型コロナウイルス感染で自宅や宿泊療養(ホテルなど)となられた方へ(日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/COVID19_20210823.pdf
 
(参考)関係学会・団体のワクチンに関する情報
・女性のみなさまへ 新型コロナウイルスワクチン(mRNAワクチン)Q&A(日本産婦人科感染症学会)
http://jsidog.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20210721190701-57649255BD0A756A3E48F8FEB3D9AC5B55FDB9F89BB2D2EFC9C5AA308C98CC3D.pdf

・新型コロナウイルスワクチンの安全性に関する最新情報(日本産科婦人科学会)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20211025_COVID19.pdf

・妊婦への新型コロナウイルスワクチン接種の努力義務の適応について(日本産科婦人科学会)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20220221_COVID19_ippan.pdf
 

(参考)新型コロナワクチンQ&A
・私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか。

https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html
 

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問2 夫の立ち会い分娩等面会の制限はどうなっているのですか。

 面会や立ち会いについては、各分娩機関が、地域における発生状況や都道府県等が示す対策の方針等、入院患者及び面会者のワクチン接種歴や検査結果等も考慮して、判断しています。
 地域の感染状況等に応じ、面会や分娩立ち会いが制限されるなど、妊婦の方が不自由を強いられることがありえますので、各分娩機関にご確認ください。

(参考)新型コロナウイルス感染症の現状について(日本産婦人科学会、日本産婦人科医会)
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/20211117_COVID19.pdf

 

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問3 妊婦がマスクをすることは必須なのですか。

  マスクの着用は個人の判断に委ねられます。
 ただし、妊婦については、重症化リスクが高いとされています。重症化リスクの高い方が、新型コロナウイルス感染症流行期に混雑した場所に行く際には、感染から自身を守るための対策として、マスクの着用が効果的です。
また、医療機関受診や訪問時には、マスクの着用が推奨されます。

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問4 新型コロナウイルスに感染した場合、分娩方法は帝王切開となるのでしょうか。

 これまで、分娩方式を帝王切開にすることで、分娩時の児への感染を予防できるという報告はありません。したがって現時点でCOVID-19感染と診断されたからといって、「帝王切開を行わなければならない」ということはありません。
 しかし、妊婦の全身状態などを考慮し、分娩時間の短縮が必要と判断される場合は帝王切開となる場合もあります。 新生児への感染は、飛沫または接触感染によるものが多いですので、分娩後も、母親や家族は接触や飛沫感染に注意する必要があり、母児を一時的に分離することがあります。

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問5 職場で働くことが不安ですが、どうしたらよいでしょうか。


 働く妊婦の方は、職場の作業内容等によっては、感染について大きな不安やストレスを抱える場合があります。感染そのものだけでなく、これによる「不安やストレス」を妊婦の方が回避したいと思うのは当然のことです。
 そこで、新たに、事業主の新型コロナウイルス感染症に関する妊婦の方への対応を法的義務(※1)としました(令和2年5月7日~令和5年3月31日)。
 具体的には、こうした不安やストレスが、母体または胎児の健康に影響があると主治医や助産師から指導を受ける場合があります。働く妊婦の方が、その指導内容を事業主に申し出た場合、事業主は、この指導に基づいて必要な措置を講じなければなりません。例えば、「感染のおそれが低い作業に転換させる」、「在宅勤務や休業など、出勤について制限する」といった措置が考えられます。
 主治医等からの指導については、その指導事項を事業主に的確に伝えるため「母性健康管理指導事項連絡カード」(※2)があり、このカードを主治医等に書いてもらって事業主に申出をするのがいいでしょう。

 もともと、働く妊婦の方が、新型コロナウイルスとは関係なく、妊婦健診等において主治医等から指導を受け、事業主に申し出た場合、事業主は、その指導事項(妊娠中の通勤緩和、休憩回数や時間の増加、あるいは妊娠に伴う症状などに応じて作業の制限、勤務時間の短縮、休業等)を守ることができるように措置を講じる必要があります。
 また、妊婦の方も含めたすべての方が、テレワークや時差通勤など多様な働き方が可能となるよう、政府として要請を行っております。
これを機に、事業主の方は、妊婦の方の働き方をもう一度見直していただき、働く妊婦の方は母体と胎児の健康を守っていただければと思います。
 
(※1)男女雇用機会均等法第13条に基づく母性健康管理措置。
(※2)次のURLからダウンロードできます。
    https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000763976.pdf

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【胎児・新生児への影響について】

問6 妊娠中に母親が新型コロナウイルスに感染した場合、胎児にどのような影響がありますか。

 子宮内で胎児が感染したことを示唆する報告も少数ながら存在しますが、新型コロナウイルスに感染した妊婦から胎児への感染はまれだと考えられています。
 また、妊娠初期または中期に新型コロナウイルスに感染した場合に、ウイルスが原因で胎児に先天異常が引き起こされる可能性は低いとされています。
 我が国でも、新型コロナウイルス感染症の母子への影響を把握するため、新型コロナウイルス感染症に罹患した妊産婦の罹患状況などの調査研究を行っています。
最新の状況については、こちらをご参照ください。
http://jsidog.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=117621
 

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問7 母親が新型コロナウイルスに感染した場合、母乳や授乳を介して乳児が新型コロナウイルスに感染することはありますか。

 母乳を介して新型コロナウイルスが乳児に感染するリスクは低いと考えられています。しかし、母乳中に検出されたとする報告もあります。また、授乳時には、接触・飛まつ感染のリスクがあります。従って母乳栄養を希望される際は、母乳を介した感染や接触・飛沫感染のリスクについて、ご家族や医療機関の医師等と十分に相談の上、授乳方法や時期をご判断ください。
 授乳に関しては、以下の方法があります。
1. 直接母乳:授乳前の確実な手洗いと消毒、マスクを着用して直接授乳をする。
2. 搾乳  :確実な手洗い、消毒後に搾乳をし、感染していない介護者による授乳を行う。(1.より接触・飛まつ感染のリスクが低く、あとで直接母乳に戻りやすい利点がある)
3. 人工栄養:(母乳の利点と授乳のリスクを説明した上で)人工乳を授乳する。  

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【乳幼児・小児への影響について】

問8 乳幼児は新型コロナウイルスに感染しやすいですか。また、感染した場合、重症化しやすいですか。

 小児では、2歳未満(0~1歳)と基礎疾患の有無が重症化の危険因子で、2歳未満(0~1歳)の入院率(36.6%)は高く、無症状(20.2%)の割合は低かったとの報告があります。
 また、日本小児科学会によるレジストリ調査には、令和4年2月20日までに、2,112例の0~4歳の症例(外来軽症例を含む)が登録されていますが、うち14例がICU管理を要し、12例にレムデシビル、53例にステロイドの全身投与が実施されています。

(参考)
日本小児科学会「データベースを用いた国内発症小児Coronavirus Disease 2019 (COVID 19) 症例の臨床経過に関する検討」の中間報告
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=385

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問9 小児は、どのような経路で新型コロナウイルスに感染するのですか。

 日本小児科学会の小児症例レジストリ調査「データベースを用いた国内発症小児CoronavirusDisease 2019 (COVID-19) 症例の臨床経過に関する検討」で公開されているデータでは、20 歳未満症例7,089 例の中で、4,369 例 (62%) において家族が先行感染者であり、学校関係者および幼稚園・保育所関係者からの感染はそれぞれ10%,8% でした(2022 年5月27 日時点)。
 一方で、国内でオミクロン株の流行が顕在化した2022 年1 月以降に報告された2,753 例の小児に限定すると、家族内感染は1,322例 (48%) に留まっており、学校関係者および幼稚園・保育所関係者からの感染はそれぞれ17%,12% まで増加しました。
明確な感染源が不明な小児の割合は、オミクロン流行以前は10%程度に留まっていましたが、オミクロン流行後は19%まで増加していました。
 詳細はこちらをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000936655.pdf


 

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問10 子どものマスク着用に関する考え方を教えてください。

 子どもについても、マスクを着用するかどうかは個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断になります。ただし、マスク着用が効果的な場面においては、マスク着用が推奨されますので、重症化リスクの高い方を守るためにもご協力をお願いします。
 ※学校生活における取扱については、文部科学省のウェブサイトを参考にしてください。
 
・ただし、乳幼児(小学校に上がる前の年齢)のマスクの着用には注意が必要であり、特に2歳未満では推奨されません。
・子ども自身がマスクを着用するかどうか判断できるよう、保護者や周りの大人がその判断に資するような援助をお願いします。
・子どもがマスクを着用している場合には、保護者や周りの大人が子どもの体調に十分注意していただくとともに、子どもや保護者の意図に反してマスクの着用を実質的に無理強いすることならないようにしてください。特に夏場については、熱中症予防の観点から注意をお願いします。

 (参考)
1.WHOによる子どものマスク着用に関するQ&A(Coronavirus disease (COVID-19): Children and masks)
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/question-and-answers-hub/q-a-detail/q-a-children-and-masks-related-to-covid-19
2.日本小児科医会ホームページ「保護者の皆様へ~2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!」
https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/2saimiman_qanda20200609.pdf
3.日本小児科学会ホームページ「子どもおよび子どもにかかわる業務従事者のマスク着用の考え方」
http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=128
4.  子ども環境学会「基礎疾患のない幼児にマスクは不要」
https://www.children-env.org/blogs/blog_entries/view/54/4c44076e2d260dde61c7ff37d4aa086b?frame_id=63

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