高校生向け社会保障教育指導者用マニュアル

高等学校新学習指導要領対応 人生100年時代の社会保障を考える「主体的・対話的で深い学び」実現のための高校生向け社会保障教育指導者用マニュアル

 社会保障とは何でしょうか。その本質をわかりやすい一言でいえば「支え合い」、もう少し詳しくいえば「個人や家族の力だけでは備えることに限界がある生活上のリスクに対して、何世代にもわたる社会全体で支え合って備える仕組み」です。この本質を理解することが、社会保障について考える出発点となります。
 さて、令和4年4月から高等学校の新学習指導要領が年次進行で実施されます。新学習指導要領では、公民科の新科目「公共」において、「少子高齢社会における社会保障の充実・安定化」を取り扱う旨が記載されています。もちろん、安心して安定した生活を送るためには、社会保障制度を活用するための知識が必要不可欠です。しかし、学習指導要領改訂のねらいの1つとされている、「生徒が未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成する」ためには、単なる制度についての知識を教えるだけではなく、社会保障の本質を理解したうえで、社会保障制度の課題と向き合い、その解決方法を主権者として皆で模索していく力を育成する必要があるのではないでしょうか。
 このような観点から、このたび、厚生労働省において社会保障教育モデル授業等に関する検討会を開催し、高等学校の教員の方々のご意見もうかがいながら、モデル授業の指導案・副教材・ワークシート等を作成しました。これらをご活用いただくことによって、公民科の「自立した主体としてよりよい社会の形成に参画する私たち」の授業等において、
・ 社会保険の仕組みや社会保障と財政などを含む社会保障総論と、
・ おおむね20歳から保険料を支払うこととなる公的年金保険や乳幼児期から高齢期まで一生涯の医療を支える公的医療保険という社会保障各論
の両方を題材とし、課題解決的な学習の過程を展開しながら、社会保障について教えていただくことができます。
 このマニュアルが、全国の高等学校における社会保障に関する教育の一助となれば幸いです。


 
 本マニュアルには、高校生が社会保障の意義や仕組みを理解し、必要な制度を活用できるようにするとともに、変化する社会における社会保障について当事者意識をもてるよう、学習の題材として主に「公的年金保険」又は「公的医療保険」を扱うモデル授業(50分×2コマ)をそれぞれ2種類、計4つ収録しています。

 なお、特に副教材、コラム集については、社会保障(特に公的年金保険・公的医療保険)の基本を学ぶ資料として、高校生に限らず広くご活用いただけます。

マニュアル全文

 各モデル授業の活用方法についてはこちらをご参照ください。

コラム集

 マニュアルに掲載している、社会保障教育の授業で使える公的年金保険や公的医療保険の豆知識を簡単にまとめたコラムを抜粋した資料です。

各モデル授業の指導案、ワークシート、副教材等

 マニュアルに掲載された指導案、ワークシート、副教材等について、編集可能な形式で個別にダウンロードしたい場合はこちらをご活用ください。

〇公的年金保険を題材としたモデル授業(2)【年金(2)】

 

映像資料補助資料

 モデル授業を活用しようとする高等学校等の教員を対象に、モデル授業(年金(1)・医療(1))を活用した授業の例をご紹介する映像資料の中で使用しているスライドです。年金(1)又は医療(1)の指導案等の参考資料としてお使いいただけます。