健康・医療RSウイルスワクチン
RSウイルスワクチンを妊娠中に接種することで、乳幼児の肺炎・細気管支炎の主要な原因である、RSウイルスの感染を防ぐことができます。
※2026年度から、妊婦の方へのRSウイルスワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。
RSウイルスワクチンのご案内
RSウイルスワクチンのご案内(対象者向け)[3.1MB]
医療従事者向けのご案内については、ページ下部の情報提供資材よりご確認ください。
疾病の性質
病気の概要
RSウイルスは小児や高齢者に呼吸器症状を引き起こすウイルスで、生後1歳までに50%以上が、2歳までにほぼ100%の乳幼児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています。
感染すると、2~8日の潜伏期間ののち、発熱、鼻汁、咳などの症状が数日続き、一部では気管支炎や肺炎などの下気道症状が出現します。初めて感染した乳幼児の約7割は軽症で数日のうちに軽快しますが、約3割では咳が悪化し、喘鳴(ゼーゼーと呼吸しにくくなること)や呼吸困難、さらに細気管支炎の症状が出るなど重症化することがあります。2010年代には、年間12万人~18万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、3万人~5万人が入院を要したとされています。また、入院例の7%が何らかの人工換気を必要としたとする報告もあります。
定期接種の対象者とスケジュール
接種時点で、妊娠28週0日から36週6日までの妊婦の方
過去の妊娠時に組換えRSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)を接種したことのある方も対象になります。
接種スケジュール
妊娠28週0日から36週6日までの間に1回接種。
※接種後14日以内に出生した乳児における有効性は確立していないことから、妊娠38週6日までに出産を予定している場合は医師に相談してください。
定期接種に使用するワクチン(母子免疫ワクチン)
生まれたばかりの乳児は免疫の機能が未熟であり、自力で十分な量の抗体をつくることができないとされています。母子免疫ワクチンとは、妊婦が接種すると、母体内で作られた抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、生まれた乳児が出生時から病原体に対する予防効果を得ることができるワクチンです。
RSウイルス感染症に対する母子免疫ワクチンとして組換えRSウイルスワクチン(ファイザー社のアブリスボ®)があります。なお、組換えRSウイルスワクチンのうち、アレックスビー®(GSK社)は母子免疫ワクチンとして用いることはできません。
ワクチンの効果
妊婦の方が妊娠中に接種することにより、出生後の乳幼児のRSウイルス感染による下気道感染症(肺炎・気管支炎等)に対する予防効果が認められています。
| 有効性(※1) | ||
|---|---|---|
| 日齢0日~90日 | 日齢0日~180日 | |
| RSウイルス感染症による 医療受診を必要とした 下気道感染症の予防 |
6割程度の予防効果 | 5割程度の予防効果 |
| RSウイルス感染による 医療受診を必要とした 重症(※2)下気道感染症の予防 |
8割程度の予防効果 | 7割程度の予防効果 |
※1 妊娠24週~36週の妊婦を対象としています。
※2 医療機関への受診を要する気道感染症を有するRSウイルス検査陽性の乳児で、多呼吸、SpO2 93%未満、高流量鼻カニュラまたは人工呼吸器の装着、4 時間を超えるICU への収容または無反応・意識不明のいずれかに該当と定義しています。
ワクチンの安全性
ワクチンを接種後に副反応がみられることがあります。主な副反応には、接種部位の症状(疼痛、腫脹、紅斑)、頭痛、筋肉痛があります。
また、海外における一部の報告では、妊娠高血圧症候群の発症リスクが増加する可能性があるという報告もありますが、結果の解釈に注意が必要であるとされています。薬事承認において用いられた臨床試験では、妊娠高血圧症候群の発症リスクの増加は認めませんでした。
接種を受けられない方
以下の方は、接種を受けることができません。
- この予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがある方
- その他、予防接種を行うことが不適当な状態にあると医師が判断する方
また、以下のような場合は接種を受けることができませんので、治ってから受けるようにしてください。
- 発熱している。
- 重篤な急性疾患にかかっている。
接種に注意が必要な方
以下の方は、接種にあたって注意が必要なので、あらかじめ医師に相談してください。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する方
- これまでに、予防接種を受けて2日以内に発熱や全身の発疹などのアレルギー症状があった方
- けいれんを起こしたことがある方
- 免疫不全と診断されている方や、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- 組換えRSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)の成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方
- 妊娠高血圧症候群の発症リスクが高いと医師に判断された方や、今までに妊娠高血圧症候群と診断された方
- 血小板減少症や凝固障害を有する方、抗凝固療法を実施されている方
情報提供資材
Q&A
※がついたタイトル部分を押下で回答が閲覧できます。
RSウイルス感染症
感染症について
Q1 RSウイルス感染症はどのような病気ですか?
RSウイルスは小児や高齢者に呼吸器症状を引き起こすウイルスで、2歳までにほぼ全ての乳幼児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされています。
感染すると、発熱、鼻水、咳などの症状が出現し、初めて感染した乳幼児の約7割は軽症で数日のうちに軽快しますが、約3割では咳が悪化し、重症化することがあります。
2010年代には、年間12万人~18万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、3万人~5万人が入院を要したとされています。
Q2 現在のRSウイルス感染症の発生状況はどのような状況なのでしょうか。
国内のRSウイルス感染症の流行期は年により、また地域により様々です。
国立健康危機管理研究機構はRSウイルス感染症の報告数の推移を公表しており、近年の流行期は以前の冬期から夏期に変化した可能性が指摘されています。
現在の発生状況については、感染症発生動向調査をご覧下さい。
感染症発生動向調査(IDWR)|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト(外部サイト)
ワクチンについて
Q3 RSウイルスの定期接種で使用できるワクチンは何ですか?
組換えRSウイルスワクチンであるアブリスボ®(ファイザー社)を母子免疫ワクチンとして使用します。
なお、組換えRSウイルスワクチンのうち、アレックスビー®(GSK社)は母子免疫ワクチンとして用いることはできません。
また、出生後の乳幼児に対してRSウイルスの予防目的で投与するモノクローナル抗体製剤は、現時点で定期接種の対象とはなっておりません。
Q4 母子免疫ワクチンとはどのようなものですか?
母子免疫ワクチンとは、妊婦が接種すると、母体内で作られた抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、生まれた乳児が出生時からRSウイルスに対する予防効果を得ることができるワクチンです。
RSウイルスの定期接種では、母子免疫ワクチンを使用します。
Q5 RSウイルスワクチンにはどのような効果がありますか?
妊婦の方が妊娠中に接種することにより、出生後の乳幼児のRSウイルス感染による下気道感染症(肺炎・気管支炎等)に対する予防効果が認められています。
| 有効性(※1) | ||
|---|---|---|
| 日齢0日~90日 | 日齢0日~180日 | |
| RSウイルス感染症による 医療受診を必要とした 下気道感染症の予防 |
6割程度の予防効果 | 5割程度の予防効果 |
| RSウイルス感染による 医療受診を必要とした 重症(※2)下気道感染症の予防 |
8割程度の予防効果 | 7割程度の予防効果 |
※1 妊娠24週~36週の妊婦を対象としています。
※2 医療機関への受診を要する気道感染症を有するRSウイルス検査陽性の乳児で、多呼吸、SpO2 93%未満、高流量鼻カニュラまたは人工呼吸器の装着、4 時間を超えるICU への収容または無反応・意識不明のいずれかに該当と定義しています。
Q6 RSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)を接種することにより、どのような副反応の発生が想定されますか?
ワクチンを接種後に副反応がみられることがあります。主な副反応には、接種部位の症状(疼痛、腫脹、紅斑)、頭痛、筋肉痛があります。
また、海外における一部の報告では、妊娠高血圧症候群の発症リスクが増加する可能性があるという報告もありますが、結果の解釈に注意が必要であるとされています。薬事承認において用いられた臨床試験では、妊娠高血圧症候群の発症リスクの増加は認めませんでした。
Q7 RSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)を接種することにより、生まれた子どもがRSウイルスに感染することはありますか?
RSウイルスワクチンの成分は胎児には移行しないとされています。
Q8 RSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)以外の予防方法はありますか。
出生後の乳幼児に対してRSウイルスの予防・発症抑制目的で投与するモノクローナル抗体製剤があり、重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児、乳児及び幼児に対しては医療保険の適用となっています。モノクローナル抗体製剤は、現時点で定期接種の対象とはなっておりません。
接種スケジュールや接種方法
Q9 接種できる時期・回数を教えてください。
妊娠28週0日から36週6日までの間に1回、筋肉内注射します。
接種後14日以内に出生した乳児における有効性は確立していないことから、妊娠38週6日までに出産を予定している場合は医師に相談してください。
Q10 前回までの妊娠時にRSウイルスワクチンを接種した場合にも接種することは可能でしょうか?
前回までの妊娠時にRSウイルスワクチンを接種したことがある場合でも、接種可能です。
Q11 他のワクチンとの同時接種は可能ですか?
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができます。
Q12 RSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)の定期接種はどこで受けられますか?また、いくらかかりますか?
地域の医療機関、かかりつけ医等でRSウイルスワクチンの接種を受けることができますが、自治体によって実施期間や費用は異なります。RSウイルスワクチンを接種可能な医療機関や地域での取組については、お住まいの市町村(保健所・保健センター)、医師会、医療機関、かかりつけ医等に問い合わせていただくようお願いします。
Q13 里帰り出産先での接種を検討していますが、このような場合にはどうすればよいですか?
里帰り出産により、お住まいの市町村外での接種を希望する場合の詳細については、お住まいの市町村にお問い合わせください。
Q14 RSウイルスワクチンの定期接種により重い副反応が起きてしまった場合は、健康被害救済を受けることができますか?
定期接種を受けたことにより健康被害が発生した場合は、救済給付を行うための制度があります。申請については、お住まいの自治体にご相談ください。
詳しくは、下記アドレスをご参照ください。
予防接種健康被害救済制度について|厚生労働省
Q15 副反応疑い報告制度について教えてください。
副反応疑い報告制度は、病院若しくは診療所の開設者又は医師(以下、医師等という)が、定期の予防接種等を受けた方が、それが原因と疑われる症状を呈していることを知ったときに、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に報告することを義務付ける制度です。副反応疑い報告としてPMDAに報告された症例については、厚生労働省の審議会において、報告頻度や予防接種との因果関係を評価する等、予防接種の安全性の評価に役立てています。
医師等の皆様におかれましては、予防接種後の副反応疑い事例を知ったときには、適切に副反応疑い報告を行っていただくようお願いいたします。
詳しくは、下記アドレスをご参照ください。
予防接種法に基づく医師等の報告のお願い|厚生労働省
その他の定期接種ワクチンを年齢別に見る
相談窓口
厚生労働省は、インフルエンザをはじめとした感染症の一般的予防方法、流行状況や予防接種の意義、有効性、副反応等に関する国民の皆様の疑問に的確に対応するため、「感染症・予防接種相談窓口」を開設しています。
【感染症・予防接種相談窓口】
電話番号:0120-995-956(午前9時~午後5時 ※土日祝日、年末年始を除く)
※2025年4月1日から電話番号が変わりました。
※行政に関する御意見・御質問は受け付けておりません。
※本相談窓口は、厚生労働省が業務委託している外部の民間会社により運営されています。

