食肉や内臓の生食は食中毒のリスクがあります

お知らせ

消費者の皆様へ

◆豚や猪、鹿などの野生鳥獣(ジビエ)の食肉やレバーなどの内臓は、十分に加熱して食べましょう。
◆飲食店では、生食用として提供しないでください。鶏や馬の食肉やレバーなどの内臓も生で食べると食中毒のリスクがあります。
 
  • 動物の腸管内には、動物の種類により異なりますが、 腸管出血性大腸菌 、 サルモネラ属菌 、 カンピロバクター・ジェジュニ/コリ などの微生物が生育しており、どんなに衛生的なと畜・解体処理をしても、肉に付着し、肉を汚染することを防ぐことができません。食肉・レバーなどの内臓からは、さまざまな微生物・ウイルスが検出されており、生食による食中毒が発生しているとともに、寄生虫の存在が知られています。 (食中毒菌や寄生虫についての詳しい資料については、「食肉等の生食に関する検討会」の資料をご参照ください。
  • 厚生労働省では、既に生食の規格基準のある牛肉、牛肝臓やガイドラインのある馬肉、馬肝臓以外の豚肉、鶏肉、馬肉、猪、鹿などの食肉ごとに、食中毒を引き起こす微生物、ウイルス、寄生虫(以下「病原微生物等」といいます)の種類や飲食店による提供状況があるか、微生物の数をある程度減らして危険を低減できる方法があるかについて検討しました。食肉の種類ごとに、検出される病原微生物等は異なり、食中毒になった場合の症状の大きさも異なります。特に生命に関わる重篤な症状を引き起こす危険性が高い病原微生物等は、牛の腸内にいる腸管出血性大腸菌と豚や猪の肝臓や筋肉などのE型肝炎ウイルスです。

リスク低減の考え方

  • 豚、イノシシ、シカなどの野生鳥獣(ジビエ)の肉やレバーなどの内臓を生で食べると、E型肝炎ウイルスに感染するリスクがあります。E型肝炎は、劇症化する可能性もあります。E型肝炎ウイルスは血液からも検出されており、加熱する以外のリスク低減策はありません。このほか、サルモネラ属菌などの細菌による食中毒のリスクがあります。 また、外国では、豚から有鉤条虫、トキソプラズマ、旋毛虫、アジア条虫等の寄生虫への感染も報告されています。
  • これらの病原微生物等は加熱により死滅します。このため、豚肉やレバーなどの内臓、イノシシ、シカなどの野生鳥獣(ジビエ)の肉やレバーなどの内臓は、中心部まで加熱して食べましょう。
  • 鶏にはサルモネラ属菌、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ等による食中毒のリスクがありますが、一部の自治体では、食鳥処理施設においてリスクの低減の対策を行っています。厚生労働省においても、現在、検討されているリスク低減策に関する研究結果等を踏まえ、具体的な対応策を検討する予定です。
  • どの食肉ついても、症状の大小はあれ、食中毒の危険性はあるので、動物の肉や内臓にはこのような危険があることを認識し、十分に加熱して食べるようにすることが大切です。特にお子さんやお年寄りなど抵抗力の弱い方は、特に注意が必要です

危害要因の性質等(細菌・ウイルス)

食肉等

主な食中毒原因微生物

飲食店等による

提供実態

食中毒発生を低減する方法

公衆衛生上の

リスクの大きさ

(食肉、内臓)

・E型肝炎ウイルス(★)

・サルモネラ属菌

ある

※内部が汚染

(肝臓以外の内臓)

・腸管出血性大腸菌(★)

・サルモネラ属菌

ある

一般的に湯引き処理等がされている

※食肉、肝臓は既に規制あり

※表面が汚染

羊・山羊、鹿、猪

その他野生鳥獣

・E型肝炎ウイルス(★)

・サルモネラ属菌  等

(汚染状況等のデータは少ないものの、食中毒原因となり得る病原体として考えられるもの)

少ない

生食のリスクは高いが流通量は少ない

(食肉、内臓)

・サルモネラ属菌

・カンピロバクター

多い

一部の自治体で対策を講じている

(肝臓以外の内臓)

・サルモネラ属菌

(汚染状況等のデータは少ないものの、食中毒原因となり得る病原体として考えられるもの)

多い

食肉、肝臓について衛生基準がある

 

 

詳しい情報

関係通知等

検討の経過

以下の審議会等で検討が行われてきました。

  • 平成23年6月28日 食品衛生分科会食中毒・乳肉水産食品合同部会 資料 議事録

    生食用食肉に係る安全性確保対策について、検討が始められました。
     

  • 平成23年7月6日 食品衛生分科会食中毒・乳肉水産食品合同部会 資料 議事録

    今後、食品衛生法による規制を含め検討することとされました。
    検討に当たって、レバー内部の汚染の可能性を調査研究するとともに、検討までの間、生食用牛レバーを提供しないよう飲食店等に周知することとされました。
     

  • 平成23年12月20日 食品衛生分科会乳肉水産食品部会 資料 議事録

    牛レバーにおける腸管出血性大腸菌等の汚染実態調査の結果が報告されたほか、関係業界団体の関係者から意見が発表され、意見交換が行われました。
     

  • 平成24年2月24日 食品衛生分科会乳肉水産食品部会 資料 議事録

    部会の委員のほか、専門家、関係業界団体の関係者を招いて、検討が行われました。
     

  • 平成24年3月30日 食品衛生分科会乳肉水産食品部会 資料 とりまとめ [151KB]  議事録

    部会の委員のほか、専門家、関係業界団体の関係者を招いて検討が行われ、腸管出血性大腸菌は牛の腸管内に存在し、2~9個の菌の摂取で食中毒が発生した事例が報告されていること、牛肝臓の汚染実態調査で、牛肝臓内部から腸管出血性大腸菌等が検出されたこと、牛肝臓を安全に生食するための有効な予防対策は見い出せていないことなどから、食品衛生法に基づいて牛肝臓の生食を規制すべきとの意見がとりまとめられました。
     

  • 平成24年4月12日 第427回食品安全委員会 資料・議事概要 評価書

    厚生労働省からの評価の依頼に基づいて、食品安全委員会で議論が行われました。牛肝臓の生食を規制する規格基準を設定し遵守されれば、生食用食肉の際に既に評価を行った評価結果から「人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度が明らかである」ことから、規制にあたって、改めて食品健康影響評価を行う必要はないとされました。
     

  • 平成24年4月19日~5月18日 パブリックコメントの実施 終了案件詳細 結果の概要 [236KB]

    牛肝臓の生食の規制について、国民の皆さまの意見を募集しました。

    平成24年6月12日 食品衛生分科会 資料 答申書 [221KB]  議事録

食品衛生分科会において、委員のほか、関係業界団体の関係者を招いて検討が行われました。これまでの乳肉水産食品部会での検討結果の報告、パブリックコメントの結果の報告、関係業界団体からの意見陳述等のあと、議論が行われました。最終的に、食品衛生法に基づいて規格基準を設定し、生食用の牛肝臓の販売・提供を規制すべきとの答申が行われました。