健康・医療【令和6年度】今シーズンのインフルエンザ総合対策

今シーズンのインフルエンザの流行に備え、「今シーズンのインフルエンザ総合対策」を取りまとめ、国や地方自治体がインフルエンザ対策に取り組むとともに、広く国民の皆様にインフルエンザに関する情報を提供し、適切な対応を呼びかけることといたしました。 

現在国内で流行している季節性インフルエンザのウイルスは、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型とB型(ビクトリア系統)です。流行しやすい年齢層は、ウイルスの型によって多少異なりますが、今年も、全ての年齢の方がインフルエンザに注意する必要があります。 

国民の皆様におかれましては、以下を参考にして、家庭や職場などにおいて、適切に対応していただくようお願いいたします。 

感染防止について

基本的な感染対策

インフルエンザをはじめとする感染症の予防には、「手洗い」「マスクの着用を含む咳(せき)エチケット」などが有効です。
特に、高齢者や基礎疾患のある方が感染すると、重症化するリスクが高まります。高齢者と会ったり、通院や大人数で集まったりするときは、マスクの着用を含めた感染症対策へのご協力をお願いします。

<マスクの着用が効果的な場面>

  • 高齢者など重症化リスクの高い方への感染を防ぐため、医療機関を受診する時や、高齢者など重症化リスクの高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設などへ訪問する時等は、マスクの着用を推奨します。
  • そのほか、インフルエンザの流行期に重症化リスクの高い方が混雑した場所に行く時については、感染から自身を守るための対策としてマスクの着用が効果的です。

<医療機関や高齢者施設などの対応>

  • 高齢者など重症化リスクの高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設などの従事者の方は、勤務中のマスクの着用を推奨しています。 

[留意事項]

  • 子どものマスクの着用については、すこやかな発育・発達の妨げとならないよう配慮することが重要です。
  • なお、感染が大きく拡大している場合には、一時的に場面に応じた適切なマスクの着用を広く呼びかけるなど、より強い感染対策を求めることがあり得ます。ただし、そのような場合においても、子どものマスク着用については、健康面などへの影響も懸念されており、引き続き、保護者や周りの大人が個々の子どもの体調に十分注意をお願いします。
  • マスクの着用は個人の判断に委ねられるものではありますが、事業者が感染対策上又は事業上の理由等により、利用者又は従業員にマスクの着用を求めることは許容されます。ただし、障害特性等により、マスク等の着用が困難な場合には、個別の事情に鑑み、差別等が生じないよう十分配慮をお願いします。

<症状がある場合>
咳や痰などの症状がある場合は、他の人への感染を防ぐため、「マスクの着用を含む咳エチケット」を心がけることが重要です。

  •  咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう。マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
  • 鼻水・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、 手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗いましょう。
  • 咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。

※ 咳エチケット用のマスクは、薬局やコンビニエンスストア等で市販されている不織布(ふしょくふ)製マスクの使用が推奨されます。
※ マスクの装着は説明書をよく読んで、正しく着用しましょう。
※ 咳エチケットを心がけることは、周囲にウイルスをまき散らさない効果があるだけでなく、周りの人を不快にさせないためのマナーにもなります。

予防接種

インフルエンザワクチンには、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。

令和6年10月現在、インフルエンザワクチンについては、皮下投与の不活化ワクチン(インフルエンザHAワクチン)と経鼻投与の弱毒生ワクチン(経鼻弱毒生ワクチン)の2種類が国内で流通しています。インフルエンザHAワクチンは6ヶ月以上の者、経鼻弱毒生ワクチンは2歳以上19歳未満の者が対象となっています。

13歳以上の者に係るインフルエンザHAワクチンについては、いずれの製造販売業者の製品においても、用法・用量は「13歳以上のものについては、0.5mLを皮下に、1回又はおよそ1~4週間の間隔をおいて2回注射する。」とされていますが、健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究から、インフルエンザHAワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。なお、世界保健機関では、季節性インフルエンザワクチン(不活化ワクチンに限る。)の用法について、9歳以上の小児及び健康成人に対しては「1回注射」が適切である旨の見解が示されており、季節性インフルエンザワクチンの定期の予防接種は1回接種としています。ただし、医学的な理由により、医師が2回接種を必要と判断した場合は、その限りではありません。

なお、定期の予防接種の対象となる方は以下の通りです。

  1. 65歳以上の方
  2. 60~64歳で心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

これらの方は、定期の予防接種として、1回のインフルエンザHAワクチン接種を受けることが可能です。
なお、インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同日に接種することが可能です。

▼ 予防接種・ワクチンについての詳細は、下記ページをご参照ください。
 インフルエンザワクチン(季節性)

高齢者の入所施設等における感染防止対策の推進 

高齢者等のインフルエンザに罹患した場合の重症化リスクの高い方が多く入所・入居している高齢者の入所施設等においては、まずは、施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすることが重要です。したがって、厚生労働省は日本医師会感染症危機管理対策室とともに、インフルエンザウイルスの高齢者の入所施設等への侵入の阻止と、侵入した場合のまん延防止を目的とした標準的な手引書「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」を各施設に普及しています。

なお、インフルエンザに対する重症化リスクの高い方が多く入所・入居している高齢者の入所施設等においてインフルエンザの流行が発生した場合には、都道府県等は、当該施設等の協力を得て調査を実施し、感染拡大の経路、感染拡大の原因の特定などを行うことにより、今後の施設内感染の再発防止に役立てることが重要であり、厚生労働省は、都道府県等から調査の実施に当たって協力要請があった場合には、積極的に対応します。

また、厚生労働省は、医療機関に対しても、以下の手引き等を参考に、インフルエンザについての院内感染防止に関する指導をいっそう徹底するよう努めることとします。

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情報提供について

流行状況

厚生労働省は、「今シーズンのインフルエンザ総合対策」ページにインフルエンザ発生状況等(発生動向情報、インフルエンザ様疾患発生報告情報など)を逐次掲載し、更新します。流行状況を踏まえた対策の実施にお役立てください。

1. 厚生労働省からの毎週の報道発表

以下の情報について、毎週、原則として金曜日に報道発表します。

○ インフルエンザ/COVID-19定点報告情報
各都道府県が選定した全国約5,000か所のインフルエンザ/COVID-19定点医療機関から報告されるインフルエンザの発生状況について、情報収集を行うとともに、集められた情報を分析し、提供・公開します。

○ インフルエンザ様疾患発生報告(学校休校情報)
全国の保育所、幼稚園、小学校、中学校、高等学校等においてインフルエンザ様疾患による学級・学年・学校閉鎖が実施された場合に、その施設数及びその時点においてインフルエンザ様疾患で休んでいる学童等の数を、各学校等及び各都道府県教育担当部局の協力に基づき収集し、提供・公開します。

○ インフルエンザ入院患者情報
各都道府県が選定した全国約500か所の基幹定点医療機関から報告されるインフルエンザの入院患者の状況について、情報収集を行うとともに、集められた情報を分析し、提供・公開します。

2. その他の関連情報提供 

○ インフルエンザ流行レベルマップ
インフルエンザ流行状況の注意報・警報を地図上に表示し、注意喚起を行います。

○ 流行状況の過去10年間との比較グラフ 
過去10年間と今年のインフルエンザの流行状況を比較してグラフに表示し公開します。


○ 感染症発生動向調査週報(IDWR)
感染症の発生状況の情報を、分析し、提供・公開します。
○ 各シーズンのインフルエンザに関するまとめ
シーズンの流行状況に関する迅速なまとめを各シーズン終了時期に公表しています。

ワクチン・診断キット・治療薬等の確保の状況 

1. インフルエンザワクチン

今シーズンの供給予定量(令和6年9月現在)は、インフルエンザHAワクチンで約2,604万本(成人で約5,208万回分)、経鼻弱毒生ワクチンで約130万本と、近年の平均使用量を超える供給量となる見込みです。
ワクチンの効率的な使用と安定供給を推進するため、今後の対応として、必要量に見合う量のワクチンを購入すること等を徹底することとしています。

2. インフルエンザ抗原検出キット(迅速タイプ)

今シーズン(2024年9月~2025年3月)の医療用医薬品としての供給予定量(2024年9月上旬現在)は約5,285万回分です。昨シーズン(2023年9月~2024年3月)の供給量は約2,565万回分でした。

3. 抗インフルエンザウイルス薬

今シーズン(2024年10月~2025年3月)の供給予定量(2024年9月末日現在)は約2,433万人分で、それぞれについては以下のとおりです。
昨シーズン(2023年10月~2024年3月)の供給量は約1,449万人分でした。

  • タミフル(一般名:オセルタミビルリン酸塩 中外製薬): 約400万人分
  • リレンザ(一般名:ザナミビル水和物 グラクソ・スミスクライン): 約133万人分
  • ラピアクタ(一般名:ペラミビル水和物 塩野義製薬): 約23万人分
  • イナビル(一般名:ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 第一三共): 約999万人分
  • ゾフルーザ(一般名:バロキサビル マルボキシル 塩野義製薬): 約554万人分   
  • オセルタミビル「サワイ」(一般名:オセルタミビルリン酸塩 沢井製薬): 約260万人
  • オセルタミビル「トーワ」(一般名:オセルタミビルリン酸塩 東和薬品): 約64万人分

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予防・啓発の取組

専用ホームページ「今シーズンのインフルエンザ総合対策」を開設

厚生労働省のホームページに、インフルエンザに関する情報等を掲載した専用のページ「今シーズンのインフルエンザ総合対策」を開設します。
 インフルエンザ(総合ページ) 
 ※参考  国立感染症研究所 感染症疫学センター:インフルエンザとは

インフルエンザ予防の啓発ツールを作成し、電子媒体形式で提供

厚生労働省は、「今シーズンのインフルエンザ総合対策」ページにインフルエンザ予防のための啓発ツールを作成し、電子媒体形式(PDFファイル)で掲載・提供します。

啓発ポスターは、厚生労働省 公式版と、コラボレーション版を作成し、ホームページに掲載し、インフルエンザについて関心を持っていただき、正しい理解と啓発に努めます。
 
都道府県、医療機関、学校、職場等におかれましても、適宜ダウンロードしてご活用いただき、インフルエンザ予防啓発の呼びかけにご協力をお願いいたします。

※今年度は新規にポスター作成は行いません。平成29年度のポスターをご活用ください。
 インフルエンザ 啓発ツール

インフルエンザQ&Aの作成・公表等

厚生労働省と国立感染症研究所感染症疫学センター、日本医師会感染症危機管理対策室は、毎年インフルエンザの流行シーズンに寄せられる質問項目の中で、頻度の高いものを整理し、これらをQ&Aにまとめ、「今シーズンのインフルエンザ総合対策」ページで公表しています。

また、パンフレット等を活用し、インフルエンザ感染対策を推進していきます。
 インフルエンザQ&A(令和6年度)

相談窓口の設置 

厚生労働省は、インフルエンザをはじめとした感染症の一般的予防方法、流行状況や予防接種の意義、有効性、副反応等に関する国民の皆様の疑問に的確に対応するため、「感染症・予防接種相談窓口」を開設しています。具体的な対応は以下のとおりです。
 
感染症・予防接種相談窓口
電話番号:0120-469-283 (午前9時~午後5時 ※土・日曜、祝日、年末年始を除く)
※ 行政に関する御意見・御質問は受け付けておりません。
※ 本相談窓口は、厚生労働省が業務委託している外部の民間会社により運営されています。

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