令和6年度インフルエンザQ&A
令和6年11月7日版
インフルエンザ総論
インフルエンザの予防・治療について
- Q10 インフルエンザにかからないためにはどうすればよいですか?
- Q11 インフルエンザにかかったかもしれないのですが、どうすればよいのですか?
- Q12 インフルエンザの治療薬にはどのようなものがありますか?
- Q13 薬剤耐性インフルエンザウイルスとはどのようなものですか?
- Q14 抗インフルエンザウイルス薬に耐性化したウイルスは国内で流行していますか?
- Q15 抗インフルエンザウイルス薬の服用後に、転落死を含む異常行動が報告されていると聞きましたが、薬が原因なのでしょうか?
- Q16 異常行動による転落等の事故を予防するため、どのようなことに注意が必要でしょうか?
- Q17 抗菌薬はインフルエンザに効果がありますか?
- Q18 インフルエンザにかかったら、どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?
- Q19 インフルエンザにり患した従業員が復帰する際に、職場には治癒証明書や陰性証明書を提出させる必要がありますか?
- Q20 児童生徒等のインフルエンザが治ったら、学校には治癒証明書や陰性証明書を提出させる必要がありますか?
インフルエンザワクチンの接種について
- Q21 ワクチンは1回接種でよいでしょうか?
- Q22 ワクチンの効果、有効性について教えてください。
- Q23 昨年ワクチンの接種を受けましたが今年も受けた方がよいでしょうか?
- Q24 乳幼児におけるインフルエンザワクチンの有効性について教えて下さい。
- Q25 インフルエンザワクチンの有効性が、製造の過程で低下することはあるのでしょうか?
- Q26 「4価ワクチン」とはどのようなものですか?
- Q27 インフルエンザワクチンの接種はいつ頃受けるのがよいですか?
- Q28 ワクチンの供給量は確保されていますか?
- Q29 同一バイアルから複数回の使用が可能な製品は、いつまで使用できますか?
- Q30 インフルエンザワクチンを接種するにはいくらかかりますか?
定期接種について
副反応等について
インフルエンザ総論
Q1 インフルエンザと普通の風邪はどう違うのですか?
一方、インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻水、咳等の症状も見られます。お子様ではまれに急性脳症を、御高齢の方や免疫力の低下している方では細菌による肺炎を伴う等、重症になることがあります。
Q2 インフルエンザはいつ流行するのですか?
季節性インフルエンザは流行性があり、いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。日本では、例年12月~3月が流行シーズンです。
一方、諸外国においては、新型コロナウイルス感染症の流行以降、季節性インフルエンザの流行が過去と異なるタイミングで開始したという報告が見られています。日本においても、令和5年は、例年より早く本格的な流行が生じ、12月に流行シーズンのピークを迎えました。
Q3 現在国内で流行しているインフルエンザウイルスはどのような種類ですか?
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型及びD型に大きく分類されます。このうち大きな流行の原因となるのはA型とB型です。
現在国内で流行しているインフルエンザウイルスは、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型(香港型)とB型(ビクトリア系統)です。このうち、A(H1N1)亜型のウイルスとして、平成21(2009)年より前に季節性として流行していたもの(Aソ連型)は、平成21(2009)年のインフルエンザA(H1N1)pdm2009ウイルス発生後は世界的に検出されていません。また、B型ウイルスのうち、山形系統については、2020年3月以降世界的に検出されていません。
これらのインフルエンザウイルスについて、流行するウイルス型や亜型、系統の割合は、国や地域で、また、その年ごとにも異なっています。日本国内における流行状況の詳細は、国立感染症研究所感染症疫学センターのウェブページを御覧ください。
参考:国立感染症研究所 感染症疫学センター:インフルエンザとは
Q4 季節性インフルエンザと新型インフルエンザはどう違うのですか?
A型のインフルエンザはその原因となるインフルエンザウイルスの抗原性が小さく変化しながら毎年世界中のヒトの間で流行しています。これが季節性インフルエンザです。
一方、新型インフルエンザは、時としてこの抗原性が大きく異なるインフルエンザウイルスが現れ、多くの国民が免疫を獲得していないことから、全国的に急速にまん延することによって起こります。新型インフルエンザは、いつどこで発生するのかは、予測することは困難です。しかし、ひとたび発生すれば、人々の生命及び健康、医療体制、生活や経済全体に大きな影響を与えかねません。
過去には新型インフルエンザは、大正7-8(1918-1919)年(スペインインフルエンザ)、昭和32-33(1957-1958)年(アジアインフルエンザ)、昭和43-44(1968-1969)年(香港インフルエンザ)、平成21-22(2009-2010)年(新型インフルエンザA(H1N1)pdm2009)に発生しました(pdm:パンデミック)。世界的な流行となり、多くの市民が新型インフルエンザに対して免疫を獲得すると、新型インフルエンザは、季節的な流行を繰り返す季節性のインフルエンザへと落ち着いていきます。新型インフルエンザA(H1N1)pdm2009についても、平成23(2011)年4月からは、季節性インフルエンザとして取り扱われることになりました。
Q5 平成21(2009)年に流行した、新型インフルエンザの状況を教えてください。
平成21(2009)年4月に新型インフルエンザA(H1N1)pdm2009ウイルスがメキシコで確認され、世界的大流行となり、我が国でも多くの人々が免疫を持っていなかったため、同年秋季を中心に大規模な流行となりました。
発生後、国内では一年余で約2千万人が患したと推計されましたが、入院患者数は約1.8万人、死亡者は203人であり、死亡率は0.16(人口10万対)と、諸外国と比較して低い水準にとどまりました。翌年には、新型インフルエンザA(H1N1)pdm2009ウイルスに加え、季節性のA(H3N2)やB型のインフルエンザウイルスも流行し、季節性インフルエンザとは異なる時期に大きな流行が発生する等の特別な状況は確認されませんでした。
このような状況を踏まえ、厚生労働省は、平成23(2011)年3月31日の時点において「新型インフルエンザ」と呼ばれていたインフルエンザA(H1N1)pdm2009ウイルスについて、季節性インフルエンザとして取り扱うこととし、対応も季節性インフルエンザの対策に移行しました。
Q6 世界でのインフルエンザの流行状況を教えてください。
季節性インフルエンザは、地域によって時期は異なりますが、世界中で流行が見られます。一般的には、温帯地方では冬季(南半球では6~9月)に流行が見られます。熱帯・亜熱帯地方では国や地域により様々で、年間を通じて低レベルの発生が見られる地域や、複数回流行する地域もあります。
流行するウイルスの種類は地域によって差はありますが、大きく違いません。また、諸外国から新型コロナウイルス感染症の流行以降、季節性インフルエンザの流行が過去と異なるタイミングで開始したという報告も見られており、今後の動向に注視が必要です。世界における流行状況は、WHOのウェブページ等で知ることができます。
参考: 世界保健機関(WHO):Influenza updates(インフルエンザ最新情報)
Q7 インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)の歴史について教えてください。
インフルエンザの流行は歴史的にも古くから記載されていますが、科学的に確認されているのは1900年頃からで、毎年の流行に加えて数回の世界的大流行が知られています。
中でも、大正7(1918)年から流行した「スペインインフルエンザ(原因ウイルス:A(H1N1)亜型)」による死亡者数は全世界で2,000万人とも4,000万人ともいわれ、日本でも約40万人の死亡者が出たと推定されています。
その後、昭和32(1957)年には「アジアインフルエンザ(A(H2N2)亜型)」が、昭和43(1968)年には「香港インフルエンザ(A(H3N2)亜型)」が、そして最近では平成21(2009)年に「インフルエンザA(H1N1)pdm2009」が世界的な大流行を起こしています。
Q8 鳥インフルエンザ(H5N1)の発生状況を教えてください。
鳥インフルエンザA(H5N1)は、1997年に香港で初めてヒトへの感染が確認され、2024年7月19日現在で計896例(うち死亡463例)が世界保健機関(WHO)へ報告されています。日本国内での患者の報告はありません。ヒトが感染した場合には、重篤な症状となることが多く、多くの患者が直接的又は間接的に家きん等との接触があったことが報告されています。
近年は哺乳類の感染も報告されており、令和6(2024)年の3月に米国の乳牛において感染が報告され、4月には罹患した乳牛との接触歴のあるヒトへの感染が報告されました。これまでに、複数の州にわたって多数の牛群での発生が報告されており、またヒトへの感染事例も複数発生しています。感染者の症状は、発熱、呼吸器症状に限らず、結膜炎の症状のみを呈した者も報告されました。
これまでに、ヒトからヒトへの効率的な感染は確認されておらず、鳥類や哺乳類からヒトが感染するリスクは低いとされていますが、感染した鳥類や哺乳類との接触を避け、それらの死骸や排泄物に不用意に近づかないよう注意することが大切です。
詳しい情報や最新のリスクアセスメントについては、国立感染症研究所ウェブページを御覧下さい。
Q9 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況を教えてください。
鳥インフルエンザA(H7N9)は、平成25(2013)年4月から夏にかけて、また11月から平成26(2014)年5月にかけて中国で多数の感染者が報告されました。それ以降、冬季に感染者が報告されていますが、平成29(2017)年から平成30(2018)年の感染者数は大幅に減少しており、直近では新規感染者は報告されていません。
なお、世界保健機関(WHO)は、令和6(2024)年9月までに、1,568人の感染者が確認されていると報告しています。内訳では、中国(香港及びマカオを含む)からの報告が1,560症例、台湾からの報告が5症例です。また、中国からの輸入症例として、マレーシアで1症例及びカナダで2症例の報告がありました。日本国内での患者の報告はありません。
感染症例の詳細と最新の情報については、WHOのウェブページで知ることができます。
参考: 世界保健機関(WHO): Surveillance - Avian influenza
現在まで、持続的なヒトからヒトへの感染は確認されていませんが、限定的なヒトからヒトへの感染が疑われたことは指摘されており、今後も引き続き注意が必要です。詳しい情報や最新のリスクアセスメントについては、国立感染症研究所ウェブページを御覧ください。
インフルエンザの予防・治療について
Q10 インフルエンザにかからないためにはどうすればよいですか?
インフルエンザを予防する有効な方法としては、以下が挙げられます。
流水・石鹸による手洗いは手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず接触や飛沫感染などを感染経路とする感染症の対策の基本です。インフルエンザウイルスにはアルコール製剤による手指衛生も効果があります。
(3) 適度な湿度の保持
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。
インフルエンザが流行してきたら、特に御高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。
※ 不織布製マスクとは
不織布とは「織っていない布」という意味です。繊維あるいは糸等を織ったりせず、熱や化学的な作用によって接着させて布にしたもので、これを用いたマスクを不織布製マスクと言います。
季節を問わず、また、新型コロナウイルス対策としても、十分な換気が重要です。
一般家庭でも、建物に組み込まれている常時換気設備※や台所・洗面所の換気扇により、室温を大きく変動させることなく換気を行うことができます。常時換気設備や換気扇を常時運転し、最小限の換気量を確保しましょう。
※ 2003年7月以降に着工された住宅には「常時換気設備(24時間換気システム)」が設置されています。常時換気設備が設置されている場合には常に稼働させましょう。また、定期的にフィルタの掃除を行い、強弱スイッチがある場合は強運転にして換気量を増やすようにしましょう。吸気口の位置にもご注意ください。家具等でふさぐと効果が落ちてしまいます。
「常時換気設備」が設置されていない建物でも、台所や洗面所などの換気扇を常時運転することで最小限の換気量は確保できます。
<窓開けによる換気のコツ>
窓開けによる換気は、対角線上にあるドアや窓を2か所開放すると効果的な換気ができます。また、窓が1つしかない場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを窓の外に向けて設置しましょう。
<冬場における換気の留意点>
- 窓開けを行うと、一時的に室内温度が低くなってしまいます。暖房器具を使用しながら、換気を行ってください。
- 暖房器具の近くの窓を開けると、入ってくる冷気が暖められるので、室温の低下を防ぐことができます。なお、暖房器具の種類や設置位置の決定に当たっては、カーテン等の燃えやすい物から距離をあけるなど、火災の予防に留意してください。
- 短時間に窓を全開にするよりも、一方向の窓を少しだけ開けて常時換気を確保する方が、室温変化を抑えられます。この場合でも、暖房によって室内・室外の温度差が維持できれば、十分な換気量を得られます。
- 人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空気を人のいる部屋に取り入れることも、室温を維持するために有効です。
- 室温を18℃以上に維持しようとすると、窓を十分に開けられない場合には、換気不足を補うために、HEPAフィルタによるろ過式の空気清浄機を併用することが有効です。
Q11 インフルエンザにかかったかもしれないのですが、どうすればよいのですか?
インフルエンザの主な感染経路は咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染です。
たとえ感染者であっても、全く症状のない(不顕性感染)例や、感冒様症状のみでインフルエンザウイルスに感染していることを本人も周囲も気が付かない軽症の例も少なくありません。したがって、周囲の人にうつさないよう、インフルエンザの飛沫感染対策としては、
- 普段から皆が咳エチケットを心がけ、咳やくしゃみを他の人に向けて発しないこと
- 咳やくしゃみが出ているときはできるだけ不織布製マスクをすること。とっさの咳やくしゃみの際にマスクがない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を覆い、顔を他の人に向けないこと
- 鼻水・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗うこと
また、小児、未成年者では、インフルエンザの罹患により、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロと歩き回る等の異常行動を起こすことがあります。自宅で療養する場合、インフルエンザと診断され治療が開始された後、少なくとも2日間は、小児・未成年者が一人にならないなどの配慮が必要です(Q16を参照)。
Q12 インフルエンザの治療薬にはどのようなものがありますか?
インフルエンザに対する治療薬としては、下記の抗インフルエンザウイルス薬があります。
- オセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル等)
- ザナミビル水和物(商品名:リレンザ)
- ペラミビル水和物(商品名:ラピアクタ)
- ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(商品名:イナビル)
- アマンタジン塩酸塩(商品名:シンメトレル等)(A型にのみ有効)
- バロキサビル マルボキシル(商品名:ゾフルーザ)
ただし、その効果はインフルエンザの症状が出始めてからの時間や病状により異なり、また、抗インフルエンザ薬の投与は全ての患者に対しては必須ではないため、使用する・しないは医師の慎重な判断に基づきます。
抗インフルエンザウイルス薬の服用を適切な時期(発症から48時間以内)に開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、鼻やのどからのウイルス排出量も減少します。なお、症状が出てから2日(48時間)以降に服用を開始した場合、十分な効果は期待できません。使用する際には用法、用量、期間(服用する日数)を守ることが重要です。
A型にのみ有効なアマンタジン塩酸塩はほとんどのインフルエンザウイルスが耐性を獲得しており、使用の機会は少なくなっています。
バロキサビル マルボキシルについては、一般社団法人日本感染症学会と公益社団法人日本小児科学会が以下の趣旨の提言を出しています。
参考:一般社団法人日本感染症学会
参考:公益社団法人日本小児科学会
Q13 薬剤耐性インフルエンザウイルスとはどのようなものですか?
薬剤耐性インフルエンザウイルスとは、本来有効である抗インフルエンザウイルス薬が効かない、あるいは効きにくくなったウイルスのことです。この薬剤耐性ウイルスは、インフルエンザウイルスが増殖する過程において特定の遺伝子に変異が起こることにより生じると考えられています。
薬剤耐性インフルエンザウイルスは、本来有効である治療薬に対し抵抗性を示しますが、他のインフルエンザウイルスと比較して病原性や感染性が強いものは今のところ確認されていません。また、薬剤耐性ウイルスに対してワクチンが効きにくくなることもありません。
Q14 抗インフルエンザウイルス薬に耐性化したウイルスは国内で流行していますか?
毎年、日本では、国立感染症研究所と全国の地方衛生研究所が中心となってタミフルやリレンザなどの抗インフルエンザウイルス薬に耐性をもつウイルスの調査を行っています。詳しくは国立感染症研究所のウェブページを御覧下さい。
参考: 国立感染症研究所 抗インフルエンザ薬剤耐性株サーベイランス
抗インフルエンザウイルス薬に耐性化したウイルスが検出される割合は、アマンタジン塩酸塩を除いて、例年1~2%程度です。これらのウイルスの多くは、抗インフルエンザウイルス薬による治療を行った後、採取されたウイルスです。
現時点では、平成21(2009)年に大流行したインフルエンザA(H1N1)pdm2009でのタミフル耐性株の発生頻度は低く、また、分離されている耐性株のほとんどはリレンザやイナビルによる治療が有効であることが確認されています。インフルエンザBにおける薬剤耐性率は、他の型に比較して、いずれの薬剤に対しても低いことが報告されています。引き続き薬剤耐性株サーベイランスを行い、発生動向を注視することとしています。
Q15 抗インフルエンザウイルス薬の服用後に、転落死を含む異常行動が報告されていると聞きましたが、薬が原因なのでしょうか?
抗インフルエンザウイルス薬の服用後に異常行動(例:急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロするなど)が報告されています。また、これらの異常行動の結果、極めてまれですが、転落等による死亡事例も報告されています。
抗インフルエンザウイルス薬の服用と異常行動との因果関係は不明ですが、これまでの調査結果などからは、
- インフルエンザにかかった時には、抗インフルエンザウイルス薬を服用していない場合でも、同様の異常行動が現れること
- 服用した抗インフルエンザウイルス薬の種類に関係なく、異常行動が現れること
が報告されています。以上のことから、インフルエンザにかかった際は、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無や種類にかかわらず、異常行動の出現に対して注意が必要です(具体的注意はQ16を参照)。
Q16 異常行動による転落等の事故を予防するため、どのようなことに注意が必要でしょうか?
インフルエンザにかかった際は、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無や種類にかかわらず、異常行動が報告されています(Q15を参照)。
インフルエンザにかかり、自宅で療養する場合は、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無や種類によらず、少なくとも発熱から2日間は、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じて下さい。
なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いことが知られています。
<転落等の事故に対する防止対策の例>
- 玄関や全ての部屋の窓の施錠を確実に行う(内鍵、補助錠がある場合はその活用を含む)
- ベランダに面していない部屋で寝かせる
- 窓に格子のある部屋で寝かせる(窓に格子がある部屋がある場合)
- できる限り1階で寝かせる(一戸建てにお住まいの場合)
<異常行動の例>
- 突然立ち上がって部屋から出ようとする
- 興奮して窓を開けてベランダに出て、飛び降りようとする
- 自宅から出て外を歩いていて、話しかけても反応しない
- 人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す
- 変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る
Q17 抗菌薬はインフルエンザに効果がありますか?
インフルエンザウイルスに抗菌薬は効きませんが、特にご高齢の方や慢性疾患を持つ方、免疫機能が低下している方は、インフルエンザにかかることにより肺炎球菌などの細菌にも感染しやすくなっています。このため、細菌にもウイルスにも感染すること(混合感染)によって起こる気管支炎、肺炎等の合併症に対する治療として、抗菌薬等が使用されることはあります。
Q18 インフルエンザにかかったら、どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?
一般的に、インフルエンザ発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれています。このため、ウイルスを排出している間は、外出を控える必要があります。
排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出するといわれています。排出期間の長さには個人差がありますが、咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、不織布製マスクを着用する等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
現在、学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています(ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません)。
Q19 インフルエンザにり患した従業員が復帰する際に、職場には治癒証明書や陰性証明書を提出させる必要がありますか?
Q20 児童生徒等のインフルエンザが治ったら、学校には治癒証明書や陰性証明書を提出させる必要がありますか?
インフルエンザワクチンの接種について
Q21 ワクチンは1回接種でよいでしょうか?
令和6年10月現在、国内のインフルエンザワクチンについては、皮下投与の不活化ワクチンと経鼻投与の弱毒生ワクチン(注1)の2種類が流通しており、このうち不活化ワクチンは1回または2回の接種を行います。
- 6カ月以上3歳未満の方 1回0.25mL 2回接種(注5)
- 3歳以上13歳未満の方 1回0.5mL 2回接種
(3) 諸外国の状況について、世界保健機関(WHO)は、ワクチン(不活化ワクチンに限る。)の用法において、9歳以上の小児及び健康成人に対しては「1回注射」が適切である旨、見解を示しています。また、米国予防接種諮問委員会(ACIP)も、9歳以上(「月齢6ヶ月から8歳の小児」以外)の者は「1回注射」とする旨を示しています。
(注1)弱毒生ワクチンは「2歳以上19歳未満の者に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLを1噴霧)、鼻腔内に噴霧」します。
(注2)抗体価とは、抗原と反応できる抗体の量であり、ウイルス感染やワクチン接種により体内で産生された抗体の量を測定することで得られる値のことです。
(注3)13歳以上の基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方等は、医師の判断で2回接種となる場合があります。
(注4)インフルエンザワクチンの定期接種の対象者については、Q31をご参照下さい。
(注5)一部のワクチンは、「1歳以上3歳未満の方 1回0.25mL 2回接種」となります。
※1 平成23年度 厚生労働科学研究費補助金 新興インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業「予防接種に関するワクチンの有効性・安全性等についての分析疫学研究(研究代表者:廣田良夫(大阪市立大学))」
※2 平成28年度 厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「ワクチンの有効性・安全性評価とVPD(vaccine preventable diseases)対策への適用に関する分析疫学研究(研究代表者:廣田良夫(保健医療経営大学))」
Q22 ワクチンの効果、有効性について教えてください。
インフルエンザにかかる時は、インフルエンザウイルスが口や鼻あるいは眼の粘膜から体の中に入ってくることから始まります。体の中に入ったウイルスは次に細胞に侵入して増殖します。この状態を「感染」といいますが、現行のワクチンはこれを完全に抑える働きはありません。
ウイルスが増えると、数日の潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が出現します。この状態を「発病」といいます。インフルエンザワクチンには、この「発病」を抑える効果が一定程度認められていますが、麻しんや風しんワクチンで認められているような高い発病予防効果を期待することはできません。発病後、多くの方は1週間程度で回復しますが、中には肺炎や脳症等の重い合併症が現れ、入院治療を必要とする方や死亡される方もいます。これをインフルエンザの「重症化」といいます。特に基礎疾患のある方や高齢の方では重症化する可能性が高いと考えられています。インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、「重症化」を予防することです。
国内の研究によれば、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています※1。
「インフルエンザワクチンの有効性」は、ヒトを対象とした研究において、「ワクチンを接種しなかった人が病気にかかるリスクを基準とした場合、接種した人が病気にかかるリスクが、『相対的に』どれだけ減少したか」という指標で示されます。6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています※2。
「インフルエンザ発病防止に対するワクチン有効率が60%」とは、下記の状況が相当します。
- ワクチンを接種しなかった方100人のうち30人がインフルエンザを発病(発病率30%)
- ワクチンを接種した方200人のうち24人がインフルエンザを発病(発病率12%)
ワクチンを接種しなかった人の発病率(リスク)を基準とした場合、接種した人の発病率(リスク)が、「相対的に」60%減少しています。すなわち、ワクチンを接種せず発病した方のうち60%(上記の例では30人のうち18人)は、ワクチンを接種していれば発病を防ぐことができた、ということになります。
現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありません。しかし、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。
※1 平成11年度 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症研究事業「インフルエンザワクチンの効果に関する研究(主任研究者:神谷齊(国立療養所三重病院))」
※2 平成28年度 厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「ワクチンの有効性・安全性評価とVPD(vaccine preventable diseases)対策への適用に関する分析疫学研究(研究代表者:廣田良夫(保健医療経営大学))」
Q23 昨年ワクチンの接種を受けましたが今年も受けた方がよいでしょうか?
Q24 乳幼児におけるインフルエンザワクチンの有効性について教えて下さい。
現在国内で用いられている不活化のインフルエンザワクチンは、感染を完全に阻止する効果はありませんが、インフルエンザの発病を一定程度予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。
乳幼児のインフルエンザワクチンの有効性に関しては、報告によって多少幅がありますが、概ね20~60%の発病防止効果があったと報告されています※1・2。また、乳幼児の重症化予防に関する有効性を示唆する報告も散見されます。(参考:Katayose et al. Vaccine. 2011 Feb 17;29(9):1844-9)
しかし、乳幼児をインフルエンザウイルスの感染から守るためには、ワクチン接種に加え、御家族や周囲の大人たちが手洗いや咳エチケットを徹底することや、流行時期は人が多く集まる場所に行かないようにすることなどで、乳幼児がインフルエンザウイルスへ曝露される機会を出来るだけ減らす工夫も重要です。
※1 平成14年度 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症研究事業「乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果に関する研究(研究代表者:神谷 齊(国立病院機構三重病院)・加地正郎(久留米大学))」
※2 平成28年度 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「ワクチンの有効性・安全性評価とVPD (vaccine preventable diseases)対策への適用に関する分析疫学研究(研究代表者:廣田良夫(保健医療経営大学))
Q25 インフルエンザワクチンの有効性が、製造の過程で低下することはあるのでしょうか?
インフルエンザワクチンは発育鶏卵を用いて製造されますが、ウイルスを発育鶏卵の中で増えやすくするためには馴化(じゅんか)させなければなりません。馴化とは、ウイルスを発育鶏卵で複数回増やし、発育鶏卵での増殖に適応させることです。このような馴化の過程で、ウイルスの遺伝子に変異が起きる場合があります。
遺伝子に変異が起きた場合、実際に流行しているインフルエンザウイルス(流行株)と、ワクチンのもとになっているインフルエンザウイルス(ワクチン株)とで、免疫への作用の程度に違い(抗原性の乖離)が認められる場合があります。
しかしながら、そのような場合であっても、ヒトでは一定程度の有効性が保たれることが、疫学的な研究により明らかとなっています。この理由として、ヒトは、インフルエンザウイルスの抗原性の乖離の程度を調べるために用いられている実験動物とは異なり、毎年の流行に曝露されることで一定の交差反応性のある抗体を作る細胞を有しているためと考えられています。
Q26 「4価ワクチン」とはどのようなものですか?
Q27 インフルエンザワクチンの接種はいつ頃受けるのがよいですか?
Q28 ワクチンの供給量は確保されていますか?
今冬のインフルエンザシーズンのワクチンの製造予定量(注1)は、近年の平均使用量を超える供給量を確保できる見込みです。
なお、ワクチンの効率的な使用と安定供給を推進するため、今後の対応として、必要量に見合う量のワクチンを購入すること等を徹底する(必要以上に早期の、又は多量の納入を求める注文を行わない等)こととしています。
(注1)今シーズンの供給予定量(令和6年9月現在)は、不活化ワクチンで約2,604万本(成人で約5,208万回分)、弱毒生ワクチンで約130万本となります。
Q29 同一バイアルから複数回の使用が可能な製品は、いつまで使用できますか?
Q30 インフルエンザワクチンを接種するにはいくらかかりますか?
インフルエンザワクチンの接種は病気に対する治療ではないため、健康保険が適用されません。原則的に全額自己負担となり、費用は医療機関によって異なります。
しかし、予防接種法(昭和23年法律第68号)に基づく定期接種の対象者等については、接種費用が市区町村によって公費負担されているところもありますので、お住まいの市区町村(保健所・保健センター)、医師会、医療機関、かかりつけ医等に問い合わせていただくようお願いします(定期接種の対象でない方であっても、市区町村によっては、独自の助成事業を行っている場合があります)。
定期接種について
Q31 予防接種法に基づく定期のインフルエンザ予防接種の対象はどのような人ですか?
(2) 60~64歳で、心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方(概ね、身体障害者障害程度等級1級に相当します)
(3) 60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方(概ね、身体障害者障害程度等級1級に相当します)
Q32 予防接種法に基づく定期のインフルエンザ予防接種は、どこでうけられますか?いくらかかりますか?
Q33 予防接種法に基づく定期のインフルエンザ予防接種は、対象者が希望すれば必ず受けられますか?
定期のインフルエンザ予防接種であっても、希望すれば必ず受けられるわけではありません。以下に該当する方は予防接種を受けることが適当でない又は予防接種を行うに際して注意を要するとされています。
予防接種を受けることが適当でない者(予防接種実施規則;昭和33年9月17日厚生省令第27号(最終改正:令和2年1月17日厚生労働省令第5号))
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- インフルエンザ予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- インフルエンザの定期接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- そのほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
予防接種の判断を行うに際して注意を要する者(定期接種実施要領;「予防接種法第5条第1項の規定による予防接種の実施について」の一部改正について(令和4年12月9日健発1209第9号厚生労働省健康局長通知)の別紙)
(イ) 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
(ウ) 過去にけいれんの既往のある
(エ) 過去に免疫不全の診断がされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
(オ) 接種しようとする接種液の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
(カ) バイアルのゴム栓に乾燥天然ゴム(ラテックス)が含まれている製剤を使用する際の、ラテックス過敏症のある者
(キ) 結核の予防接種にあっては、過去に結核患者との長期の接触がある者その他の結核感染の疑いのある者
(ク) ロタウイルス感染症の予防接種にあっては、活動性胃腸疾患や下痢等の胃腸障害のある者
副反応等について
Q34 インフルエンザワクチンの接種によって引き起こされる症状(副反応)には、どのようなものがありますか?
免疫をつけるためにワクチンを接種したとき、免疫がつく以外の反応がみられることがあります。これを副反応といいます。季節性インフルエンザワクチンで比較的多くみられる副反応には、接種した場所(局所)の赤み(発赤)、はれ(腫脹)、痛み(疼痛)等が挙げられます。接種を受けられた方の10~20%に起こりますが、通常2~3日で消失します。
全身性の反応としては、発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)などが見られます。接種を受けられた方の5~10%に起こり、こちらも通常2~3日で消失します。
また、まれではありますが、ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、じんましん、赤み(発赤)、掻痒感(かゆみ)、呼吸困難等)が見られることもあります。ショック、アナフィラキシー様症状は、ワクチンに対するアレルギー反応で接種後、比較的すぐに起こることが多いことから、接種後30分間は接種した医療機関内で安静にしてください。また、帰宅後に異常が認められた場合には、速やかに医師に連絡してください。
そのほか、重い副反応(注1)の報告がまれにあります。ただし、報告された副反応の原因がワクチン接種によるものかどうかは、必ずしも明らかではありません。インフルエンザワクチンの接種後に報告された副反応が疑われる症状等については、順次評価を行い、公表しています。
▼インフルエンザワクチン接種後の副反応疑い報告として医師に報告が義務付けられている症状と接種から症状発生までの期間
インフルエンザ | 1. アナフィラキシー 2. 急性散在性脳脊髄炎(ADEM) 3. 脳炎・脳症 4. けいれん 5. 脊髄炎 6. ギラン・バレ症候群 7. 視神経炎 8. 血小板減少性紫斑病 9. 血管炎 10. 肝機能障害 11. ネフローゼ症候群 12. 喘息発作 13. 間質性肺炎 14. 皮膚粘膜眼症候群 15. 急性汎発性発疹性膿疱症 16. その他の反応 |
4時間 28日 28日 7日 28日 28日 28日 28日 28日 28日 28日 24時間 28日 28日 28日 ― |
(注1)重い副反応として、ギラン・バレ症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、肝機能障害、喘息発作、血小板減少性紫斑病等が報告されています。
Q35 インフルエンザワクチンの接種後の死亡例はありますか?
インフルエンザワクチンの接種後の副反応疑い報告において、報告医師から予防接種を受けたことによるものと疑われるとして報告された死亡例は以下のとおりです。
種別 | 期間 | 症例 |
新型 | 平成21(2009)年10月~平成22(2010)年9月 | 3例 |
平成22(2010)年10月~平成23(2011)年3月 | 4例 | |
季節性 | 平成23(2011)年10月~平成24(2012)年5月21日 | 0例 |
平成24(2012)年10月~平成25(2013)年5月14日 | 1例 | |
平成25(2013)年10月~平成26(2014)年7月まで | 1例 | |
平成26(2014)年10月~平成27(2015)年6月まで | 3例 | |
平成27(2015)年10月~平成28(2016)年4月まで | 1例 | |
平成28(2016)年10月~平成29(2017)年4月まで | 2例 | |
平成29(2017)年10月~平成30(2018)年4月まで | 3例 | |
平成30(2018)年10月~平成31(2019)年4月まで | 0例 | |
令和元(2019)年10月~令和2(2020)年4月まで | 1例 | |
令和2(2020)年10月~令和3(2021)年3月まで | 0例 | |
令和3(2021)年10月~令和4(2022)年3月まで | 1例 | |
令和4(2022)年10月~令和5(2023)年3月まで | 1例 | |
令和5(2023)年10月~令和6(2024)年3月まで | 2例 |
これらの副反応疑い報告について、副反応検討部会において専門家による評価を行ったところ、死亡とワクチン接種の直接の明確な因果関係があるとされた症例は認められませんでした。また、死亡例のほとんどが、基礎疾患等がある御高齢の方でした。
資料は、厚生労働省のウェブページの下記アドレスに掲載しています。
平成22年度第2回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会(平成22年12月6日)
○平成22年10月~平成23年3月分報告事例
平成23年度第1回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会(平成23年7月13日)
○平成23年10月~平成24年3月分報告事例
平成24年度第1回インフルエンザ予防接種後副反応検討会(平成24年5月25日)
○平成24年10月~平成25年3月分報告事例
平成25年度第2回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(平成25年6月14日)
○平成25年10月~平成26年7月分報告事例
第11回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(平成26年10月29日)
○平成26年10月~平成27年6月分報告事例
第16回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(平成27年11月27日)
○平成27年10月~平成28年4月分報告事例
第20回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(平成28年7月8日)
○平成28年10月~平成29年4月分報告事例
第29回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(平成29年8月28日)
○平成29年10月~平成30年4月分報告事例
第36回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(平成30年7月23日)
○平成30年10月~平成31年4月分報告事例
第42回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(令和元年8月30日)
○令和元年10月~令和2年4月分報告事例
第48回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(令和2年7月17日)
○令和2年10月~令和3年3月分報告事例
第66回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(令和3年8月4日)
○令和3年10月~令和4年3月分報告事例
第81回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(令和4年7月8日)
○令和4年10月~令和5年3月分報告事例
第94回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(令和5年7月28日)
○令和5年10月~令和6年3月分報告事例
第102回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(令和6年7月29日)
基礎疾患がある方は、いろいろな外的要因により、病気の状態が悪化する可能性もありますので、必要に応じて、主治医及び専門性の高い医療機関の医師に対し、接種の適否について意見を求め、接種の適否を慎重に判断してください。
Q36 インフルエンザワクチンの接種によって、インフルエンザを発症することはありますか?
接種するワクチンの種類によって異なります。
弱毒生ワクチンは、病原性を弱めたインフルエンザウイルスからできており、まれにインフルエンザを発症したときと同様の発熱などを起こすことがあります。一方、不活化ワクチンは、インフルエンザウイルスから免疫をつくるのに必要な成分だけを取り出して作ったものです。したがって、ウイルスとしての働きはないので、ワクチン接種によってインフルエンザを発症することはありません。
Q37 インフルエンザワクチンの接種によって、著しい健康被害が発生した場合は、どのような対応がなされるのですか?
Q31の回答で示した対象者の方への接種については、予防接種法に基づく定期の予防接種を受けたことによる健康被害であると厚生労働大臣が認定した場合に、予防接種法に基づく健康被害救済制度の対象となります。
救済制度の内容については、下記アドレスを御参照ください。
参考: 予防接種健康被害救済制度
また、予防接種法の定期接種によらない任意の接種については、ワクチンを適正に使用したにもかかわらず発生した副反応により、健康被害が生じた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成14年法律第192号)による医薬品副作用被害救済制度又は生物由来製品感染等被害救済制度の対象となります。
救済制度の内容については、下記を参照するか、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(TEL:0120-149-931)に御照会ください。
参考: 医薬品副作用被害救済制度
【感染症・予防接種相談窓口】
電話番号:0120-469-283(午前9時~午後5時 ※土・日曜、祝日、年末年始を除く)
※行政に関する御意見・御質問は受け付けておりません。
※本相談窓口は、厚生労働省が業務委託している外部の民間会社により運営されています。