健康・医療高齢者の肺炎球菌ワクチン

「予防接種情報」ウェブサイトに関するアンケートへのご協力のお願い

高齢者に対する肺炎球菌ワクチンによって、重症な肺炎などにかかることを予防できます。65歳の方と、60~64歳で一定の基礎疾患がある方は1回接種ができます。

疾病の性質

肺炎球菌感染症の概要

 肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。日本人の約3~5%の高齢者では鼻や喉の奥に菌が常在しているとされます。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。

ページの先頭へ戻る

ワクチンの効果

 肺炎球菌には90種類以上の血清型があり、定期接種で使用される「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は、そのうちの23種類の血清型に効果があります。この23種類の血清型は成人の侵襲性肺炎球菌感染症(※)の原因の約4-5割を占めるという研究結果があります。「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」はこの23種類の血清型の侵襲性肺炎球菌感染症を4割程度予防する効果があります。

※侵襲性感染症とは、本来は菌が存在しない血液、髄液、関節液などから菌が検出される感染症のことをいいます。

ページの先頭へ戻る

接種の対象者とスケジュール

 以下に該当する方に、1回の接種を行います。

  • 65歳の方
  • 60~64歳で対象となる方(※)
    ※心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

  ※過去に23価肺炎球菌ワクチンの接種を受けたことがある方は定期接種の対象となりません。

ページの先頭へ戻る

使用するワクチン

 23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを1回接種します。
 子どもに対する肺炎球菌ワクチンとは異なるので、注意してください。

ページの先頭へ戻る

ワクチンの安全性

 稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様反応、血小板減少、ギランバレー症候群、蜂巣炎様反応等が報告されています。その他、以下のような副反応の報告があります。

報告頻度 5%以上 1~5% 1%未満 頻度不明 注)
全身症状   倦怠感、違和感、悪寒、発熱 ほてり 無力症
筋・骨格系   筋肉痛   関節痛、関節炎CK(CPK)上昇
注射部位 疼痛、熱感、腫脹、発赤 硬結 掻痒感 可動性の低下
精神神経系   頭痛   感覚異常、熱性痙攣、浮動性めまい
呼吸器     咽頭炎、鼻炎  
消化器     悪心 嘔吐、食欲減退
血液       リンパ節症・リンパ節炎、白血球数増加
皮膚     皮疹 蕁麻疹、多形紅斑
その他   ALT(GPT)上昇 腋窩痛 血清病、CRP上昇

注)自発報告あるいは海外において認められている
※新製剤および旧製剤で認められた副反応を記載

ページの先頭へ戻る

接種を受けられない方

 以下の方は、接種を受けることができません。

  • この予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがある方
  • 高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの対象者にあっては、同じワクチンを受けたことのある方
  • その他、予防接種を行うことが不適当な状態にあると医師が判断する方

 また、以下のような場合は接種を受けることができませんので、治ってから受けるようにしてください。​

  • 発熱している。​
  • 重篤な急性疾患にかかっている。

ページの先頭へ戻る

接種に注意が必要な方

 以下の方は、接種にあたって注意が必要なので、あらかじめ医師に相談してください。

  • 心臓、腎臓、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者​
  • これまでに、予防接種を受けて2日以内に発熱や全身の発疹などのアレルギー症状があった方
  • けいれんを起こしたことがある方
  • 免疫不全と診断されている方や、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
  • 23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンの成分に対してアレルギーを起こすおそれのある方
  • 妊婦または妊娠している可能性のある方

ページの先頭へ戻る

Q&A

がついたタイトル部分を押下で回答が閲覧できます。

高齢者の肺炎球菌ワクチン

2024年9月30日版

感染症について

Q1 肺炎球菌感染症とはどんな病気ですか?

肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。日本人の約3~5%の高齢者では鼻や喉の奥に菌が常在しているとされます。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。

ワクチンについて

Q2 高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンにはどのような効果がありますか。

肺炎球菌には90種類以上の血清型があり、定期接種で使用される「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は、そのうちの23種類の血清型に効果があります。この23種類の血清型は成人の侵襲性肺炎球菌感染症(※)の原因の約4-5割を占めるという研究結果があります。「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」はこの23種類の血清型の侵襲性肺炎球菌感染症を4割程度予防する効果があります。
※侵襲性感染症とは、本来は菌が存在しない血液、髄液、関節液などから菌が検出される感染症のことをいいます。

Q3 「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種することにより、どのような副反応の発生が想定されますか?

稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様反応、血小板減少、ギランバレー症候群、蜂巣炎様反応等が報告されています。その他、以下のような副反応の報告があります。

報告頻度 5%以上 1~5% 1%未満 頻度不明 注)
全身症状   倦怠感、違和感、悪寒、発熱 ほてり 無力症
筋・骨格系   筋肉痛   関節痛、関節炎CK(CPK)上昇
注射部位 疼痛、熱感、腫脹、発赤 硬結 掻痒感 可動性の低下
精神神経系   頭痛   感覚異常、熱性痙攣、浮動性めまい
呼吸器     咽頭炎、鼻炎  
消化器     悪心 嘔吐、食欲減退
血液       リンパ節症・リンパ節炎、白血球数増加
皮膚     皮疹 蕁麻疹、多形紅斑
その他   ALT(GPT)上昇 腋窩痛 血清病、CRP上昇

注)自発報告あるいは海外において認められている
※新製剤および旧製剤で認められた副反応を記載

接種スケジュールや接種方法

Q4 高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種は何歳で受けられますか?

2024年4月以降は、以下の1、2、または3の方が定期接種の対象です。但し、すでに「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある方は、対象とはなりません。
1:65歳の方
2:60~64歳で、心臓や腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方
3:60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
※65歳を超える方を対象とした経過措置は2024(令和6)年3月31日に終了

Q5 既に「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがありますが、定期接種を受けられますか?

既に「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種したことがある方は、定期接種の対象とはなりません。

Q6 過去に肺炎になったり、肺炎球菌感染症にかかったりしたことがあるのですが、定期接種の対象者になりますか?

肺炎の原因は様々な原因でおこり、また肺炎球菌には多くの血清型がありますので、過去に肺炎や肺炎球菌感染症にかかっていても、定期接種の対象になります。

Q7 「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」の接種歴があるのに、誤って再接種してしまいました。健康被害が発生する可能性はありますか?

過去5年以内に、「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を接種されたことのある方が、再度接種された場合、注射部位の疼痛、紅斑、硬結等の副反応が、初回接種よりも頻度が高く、程度が強く発現するとの報告がありますので、接種歴を必ず確認して接種を受けてください。

Q8 沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)および沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)は、定期接種として使用することができますか?

高齢者の肺炎球菌感染症については、定期接種に位置づけているワクチンは「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」のみであり、その他のワクチンは定期接種としては使用できません。

Q9 過去に沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)および沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)を接種したことがありますが、定期接種を受けられますか?

過去に沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)および沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)を接種したことがある場合でも、「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を定期接種として受けることができます。

Q10 高齢者の肺炎球菌の定期接種はどこで受けられますか?

定期接種の実施主体は市町村になります。お住まいの市町村にお問い合わせください。

製剤情報やワクチン供給

Q11 高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種で使用できるワクチンは何ですか?

「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」を1回接種します。

長期療養特例

Q12 肺炎球菌ワクチンの接種対象年齢において、病気にかかって長く療養していたために、接種を受けられずに対象年齢が終わってしまった場合、どうすればいいですか?

接種対象年齢において、長期に渡り療養を必要とする病気にかかっていたために、定期接種を受けることができなかったと認められた場合、長期療養特例として定期接種を受けることができます(この場合、接種可能となった日から1年以内に接種を受ける必要があります)。特例に該当するか否かについては、医学的な判断が必要です。詳細についてはお住まいの市町村にお問い合わせください。

健康被害があった場合

Q13 もし肺炎球菌ワクチンの定期接種により、重い副反応が起きてしまった時はどうすればいいですか?

定期接種を受けたことにより、健康被害が発生した場合には、救済給付を行うための制度があります。詳細についてはお住まいの市町村にご相談ください。

ページの先頭へ戻る

リーフレット

 高齢者の肺炎球菌ワクチンについてのリーフレットを作成しておりますので、ご活用ください。



リーフレット[1.4MB]

ページの先頭へ戻る

その他の定期接種ワクチンを年齢別に見る

ページの先頭へ戻る

相談窓口

厚生労働省は、インフルエンザをはじめとした感染症の一般的予防方法、流行状況や予防接種の意義、有効性、副反応等に関する国民の皆様の疑問に的確に対応するため、「感染症・予防接種相談窓口」を開設しています。

【感染症・予防接種相談窓口】
電話番号:0120-469-283(午前9時~午後5時 ※土日祝日、年末年始を除く)

※行政に関する御意見・御質問は受け付けておりません。
※本相談窓口は、厚生労働省が業務委託している外部の民間会社により運営されています。

ページの先頭へ戻る

関連リンク

ページの先頭へ戻る