健康・医療水痘ワクチン
水痘ワクチンにより、感染力が強い、いわゆる「みずぼうそう」の予防ができます。1歳から接種を行います。
疾病の性質
水痘の概要
水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、その潜伏期間は感染から2週間程度と言われています。発疹の発現する前から発熱が認められ、典型的な症例では、発疹は紅斑(皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶたになること)して治癒するとされています。
水痘は主に小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めると言われています。小児における重症化は、熱性痙攣、肺炎、気管支炎等の合併症によるものです。成人での水痘も稀にみられますが、成人に水痘が発症した場合、水痘そのものが重症化するリスクが高いと言われています。
※より詳しい情報については下記リンクをご参照ください。
水痘とは(NIID)
ワクチンの効果
水痘ワクチンの1回の接種により重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水痘も含めてその発症を予防できると考えられています。
接種の対象者とスケジュール
<対象>
生後12か月から生後36か月に至るまでの間にある方(1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までの方)が対象です。
<スケジュール>
2回の接種を行うこととなっており、1回目の接種は標準的には生後12か月から生後15か月までの間に行います。2回目の接種は、1回目の接種から3か月以上経過してから行いますが、標準的には1回目接種後6か月から12か月まで経過した時期に行うこととなっています。
使用するワクチン
乾燥弱毒生水痘ワクチン(以下、水痘ワクチン)を使用します。
ワクチンの安全性
稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様症状、急性血小板減少性紫斑病等があります。
その他、一定の頻度でみられるとして報告されている副反応については下記のとおりです。
- 過敏症:接種直後から翌日に発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱等があらわれることがあります。
- 全身症状:発熱、発疹がみられることがあります。一過性で通常、数日中に消失するとされています。
- 局所症状:発赤、腫脹、硬結等があらわれることがあります。
接種を受けられない方
以下の方は、接種を受けることができません。
- 水痘ワクチンの成分でアナフィラキシーを起こしたことがある方
- 免疫機能に異常のある疾患のある方、免疫抑制の効果のある治療を受けている方
- 妊娠していることが明らかな方
- その他、予防接種を行うことが不適当な状態にあると医師が判断する方
また、以下のような場合は接種を受けることができませんので、治ってから受けるようにしてください。
- 発熱している。
- 重篤な急性疾患にかかっている。
接種に注意が必要な方
以下の方は、接種にあたって注意が必要なので、あらかじめ医師に相談してください。
- 心臓、腎臓、肝臓、血液の病気や発育障害がある方
- これまでに、予防接種を受けて2日以内に発熱や全身の発疹などのアレルギー症状があった方
- けいれんを起こしたことがある方
- 免疫不全と診断されている方や、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- 水痘ワクチンの成分でアレルギーを起こすおそれのある方
- 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する方や免疫抑制をきたす治療を受けている方
Q&A
※がついたタイトル部分を押下で回答が閲覧できます。
水痘
2024年9月30日版
感染症について
Q1 水痘とはどんな病気ですか?
水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、その潜伏期間は感染から2週間程度と言われています。発疹の発現する前から発熱が認められ、典型的な症例では、発疹は紅斑(皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶたになること)して治癒するとされています。
水痘は主に小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めると言われています。小児における重症化は、熱性痙攣、肺炎、気管支炎等の合併症によるものです。成人での水痘も稀にみられますが、成人に水痘が発症した場合、水痘そのものが重症化するリスクが高いと言われています。
ワクチンについて
Q2 水痘をワクチンで予防することは可能ですか?
水痘にはワクチンがあり、現在国内では乾燥弱毒生水痘ワクチン(以下、水痘ワクチン)が用いられています。水痘ワクチンの1回の接種により重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水痘も含めてその発症を予防できると考えられています。
Q3 水痘ワクチンを接種することにより、どのような副反応の発生が想定されますか?
稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様症状、急性血小板減少性紫斑病等があります。
その他、一定の頻度でみられるとして報告されている副反応については下記のとおりです。
- 過敏症:接種直後から翌日に発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱等があらわれることがあります。
- 全身症状:発熱、発疹がみられることがあります。一過性で通常、数日中に消失するとされています。
- 局所症状:発赤、腫脹、硬結等があらわれることがあります。
Q4 水痘ワクチンを必要な回数以上に間違って接種してしまいました。健康被害が発生する可能性はありますか?
水痘ワクチンの必要な回数以上の接種については、医学的知見が充実しているとは言えませんが、現時点では、特別な健康被害が発生するというような報告はありません。
ただし、通常のワクチン接種による副反応と同等のリスクはあると考えられます。
接種スケジュールや接種方法
Q5 水痘の定期接種は何歳でどのように受けるのですか?
水痘ワクチンの定期接種は、生後12か月から生後36か月に至るまでの間にある方(1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までの方)を対象としています。
2回の接種を行うこととなっており、1回目の接種は標準的には生後12か月から生後15か月までの間に行います。2回目の接種は、1回目の接種から3か月以上経過してから行いますが、標準的には1回目接種後6か月から12か月まで経過した時期に行うこととなっています。
また、2014年度に限り(2014年10月1日から2015年3月31日まで)、生後36か月に至った日の翌日から生後60か月に至るまでの間にある方(3歳の誕生日当日から5歳の誕生日の前日までの方)も定期接種の対象とすることとしています。この場合、1回(この1回には、生後36か月以前に接種したワクチンも含まれます)水痘ワクチンを接種することとしております。
なお、これまで任意で接種された回数も考慮して接種回数が決まります。また、水痘を発症したことがある方はすでに免疫を持っているので、接種する必要はありません(詳細はQ6をご覧ください)。
Q6 すでに水痘にかかったことのある人は、水痘ワクチンの定期接種を受ける必要がありますか?
水痘にかかったことのある方は、水痘に対する免疫を獲得していると考えられ、基本的には水痘の定期接種の対象外となります。
Q7 水痘ワクチンの接種対象年齢において、病気にかかって長く療養していたために、接種を受けられずに対象年齢が終わってしまった場合、どうすればいいですか?
接種対象年齢において、長期に渡り療養を必要とする病気にかかっていたために、定期接種を受けることができなかったと認められた場合、長期療養特例として定期接種を受けることができます(この場合、接種可能となった日から2年以内に接種を受ける必要があります)。特例に該当するか否かについては、医学的な判断が必要です。詳細についてはお住まいの市町村にお問い合わせください。
Q8 水痘ワクチンの定期接種はどこで受けられますか?
定期接種の実施主体は市町村となります。お住まいの市町村にお問い合わせください。
健康被害があった場合
Q9 もし水痘ワクチンの定期接種により、重い副反応が起きてしまった時はどうすればいいですか?
定期接種を受けたことにより、健康被害が発生した場合には、救済給付を行うための制度があります。詳細についてはお住まいの市町村にご相談ください。
その他の定期接種ワクチンを年齢別に見る
相談窓口
厚生労働省は、インフルエンザをはじめとした感染症の一般的予防方法、流行状況や予防接種の意義、有効性、副反応等に関する国民の皆様の疑問に的確に対応するため、「感染症・予防接種相談窓口」を開設しています。
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