IDESコラム vol. 10 感染症エクスプレス@厚労省 2018年1月5日
「咳エチケットをご存じですか?」
IDES養成プログラム 3期生:市村 康典
明けましておめでとうございます。本年もIDESコラムをよろしくお願いいたします。
2018年がはじまり、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
年が明けて、感染症の点からは、インフルエンザ報告者数もピークを向かえる時期
でもあります。例年、年末年始から患者数が急に増えるのは、これから本番を迎える
寒さや、空気の乾燥の他にも、年末年始の間に人ごみなどで人が密集することも、流
行に影響しているかもしれません。
インフルエンザ以外にも風邪が流行する季節であり、電車の中でも街中でも、咳を
されている方を見ることが多くなります。皆様の周りではいかがでしょうか。
今回のコラムでは、「咳エチケット」を取り上げたいと思います。
「咳エチケット」という言葉を、聞いたことはありますか?
これは、咳やくしゃみが出たときに周りの人へ病気をうつさないためのマナーです。
インフルエンザなどに罹患したときに、マスクをせずに咳、くしゃみをすると、ウ
イルスを含んだつばなどの飛沫が、2~3mの範囲で放出され、その範囲内にいる方が
ウイルスを口や鼻から吸い込み感染を受ける可能性があると言われています。そのた
め、飛沫が飛び散る範囲を狭めることが、他人にうつすリスクを減らすことにつなが
ります。
そこで、厚生労働省では他の人への感染を防ぐため、症状のある人に対して、この
「咳エチケット」をキーワードとしたインフルエンザ感染予防のための注意点につい
て呼びかけています。具体的には、
・咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスク(薬局やコンビニエン
スストアなどで市販されている不織布製マスクの使用が推奨)を着用しましょう。
・マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の
人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
・鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、 手のひらで咳やくしゃみ
を受け止めた時はすぐに手を洗いましょう。
・咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。
となっています。是非、こちらのページもご覧ください。
<平成29年度 今冬のインフルエンザ総合対策について >
咳エチケットは、他人に感染症をうつすことを防ぐための、感染予防策の一つなのです。
マスクの着用の効用について、他人に感染症をうつすことを防ぐ以外に、鼻やのど
の保湿効果があるとされています。一方で、マスクを着用している人自身が、インフ
ルエンザや風邪に感染しないようにする目的としたマスクの着用には、効果があると
いう報告もありますが、明確な予防効果については議論があるようです。
私はこれまでに呼吸器専門医として診療を行ってきましたが、その中でマスクをす
る場面が多くありました。特に初期研修医の間などの慣れないうちは、息苦しく感じ
るせいか、ついつい無意識のうちにマスクから鼻を出したり、顎まで下したりしてし
まうことがありました。これらは、「鼻マスク」や「顎マスク」と呼ばれます。しかし、
これではせっかく着けているマスクの効果は弱まってしまいます。いずれにしても、
マスクの装着には、説明書をよく読み、正しく着用することが肝心です。
厚生労働省では、この咳エチケットの啓発のために、インフルエンザ予防啓発キャ
ラクターと各地のキャラクターとのコラボレーション・ポスターを2013年から作成し、
以下のページに掲載しています。
<各地キャラクターとのコラボ・ポスタ->
お時間があるときに、おなじみのキャラクターを探してみてください。
また、今回、学生や社会人など幅広い層に認知されている『進撃の巨人』とコラボ
レーションを企画し、咳エチケットの方法を紹介する啓発ツールを作成しました。
<咳エチケットの啓発に『進撃の巨人』を起用>
今回の企画用に
描き下ろしたイラストでは、咳エチケットの模範例として、主人公「エレン、ミカサ、
アルミン」を、悪い例として「巨人」を、指導役として、きれい好きなキャラクター
である「リヴァイ」を起用しています。インフルエンザに限らず、百日咳や風しんな
ど、咳・くしゃみの飛沫で感染する感染症の予防のために、今回の企画を通じ『進撃
の巨人』のファンを始め、多くの方々に、咳エチケットについて関心を持つとともに
実践して頂くことを期待しています。
「咳エチケット」以外にワクチンの接種、手洗い、うがいの励行、十分に休養をとり
体力や抵抗力を高め、日ごろからバランスよく栄養をとり規則的な生活をすることも
重要な感染予防対策です。入浴剤を用いた入浴や、葛湯やしょうが湯を飲むことなど、
身体を温める方法もあります。年が明けてなにかと忙しい時期になりますが、体調に
は気を付けてお過ごしください。
<咳エチケット>
2018年がはじまり、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
年が明けて、感染症の点からは、インフルエンザ報告者数もピークを向かえる時期
でもあります。例年、年末年始から患者数が急に増えるのは、これから本番を迎える
寒さや、空気の乾燥の他にも、年末年始の間に人ごみなどで人が密集することも、流
行に影響しているかもしれません。
インフルエンザ以外にも風邪が流行する季節であり、電車の中でも街中でも、咳を
されている方を見ることが多くなります。皆様の周りではいかがでしょうか。
今回のコラムでは、「咳エチケット」を取り上げたいと思います。
「咳エチケット」という言葉を、聞いたことはありますか?
これは、咳やくしゃみが出たときに周りの人へ病気をうつさないためのマナーです。
インフルエンザなどに罹患したときに、マスクをせずに咳、くしゃみをすると、ウ
イルスを含んだつばなどの飛沫が、2~3mの範囲で放出され、その範囲内にいる方が
ウイルスを口や鼻から吸い込み感染を受ける可能性があると言われています。そのた
め、飛沫が飛び散る範囲を狭めることが、他人にうつすリスクを減らすことにつなが
ります。
そこで、厚生労働省では他の人への感染を防ぐため、症状のある人に対して、この
「咳エチケット」をキーワードとしたインフルエンザ感染予防のための注意点につい
て呼びかけています。具体的には、
・咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスク(薬局やコンビニエン
スストアなどで市販されている不織布製マスクの使用が推奨)を着用しましょう。
・マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の
人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
・鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、 手のひらで咳やくしゃみ
を受け止めた時はすぐに手を洗いましょう。
・咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。
となっています。是非、こちらのページもご覧ください。
<平成29年度 今冬のインフルエンザ総合対策について >
咳エチケットは、他人に感染症をうつすことを防ぐための、感染予防策の一つなのです。
マスクの着用の効用について、他人に感染症をうつすことを防ぐ以外に、鼻やのど
の保湿効果があるとされています。一方で、マスクを着用している人自身が、インフ
ルエンザや風邪に感染しないようにする目的としたマスクの着用には、効果があると
いう報告もありますが、明確な予防効果については議論があるようです。
私はこれまでに呼吸器専門医として診療を行ってきましたが、その中でマスクをす
る場面が多くありました。特に初期研修医の間などの慣れないうちは、息苦しく感じ
るせいか、ついつい無意識のうちにマスクから鼻を出したり、顎まで下したりしてし
まうことがありました。これらは、「鼻マスク」や「顎マスク」と呼ばれます。しかし、
これではせっかく着けているマスクの効果は弱まってしまいます。いずれにしても、
マスクの装着には、説明書をよく読み、正しく着用することが肝心です。
厚生労働省では、この咳エチケットの啓発のために、インフルエンザ予防啓発キャ
ラクターと各地のキャラクターとのコラボレーション・ポスターを2013年から作成し、
以下のページに掲載しています。
<各地キャラクターとのコラボ・ポスタ->
お時間があるときに、おなじみのキャラクターを探してみてください。
また、今回、学生や社会人など幅広い層に認知されている『進撃の巨人』とコラボ
レーションを企画し、咳エチケットの方法を紹介する啓発ツールを作成しました。
<咳エチケットの啓発に『進撃の巨人』を起用>
今回の企画用に
描き下ろしたイラストでは、咳エチケットの模範例として、主人公「エレン、ミカサ、
アルミン」を、悪い例として「巨人」を、指導役として、きれい好きなキャラクター
である「リヴァイ」を起用しています。インフルエンザに限らず、百日咳や風しんな
ど、咳・くしゃみの飛沫で感染する感染症の予防のために、今回の企画を通じ『進撃
の巨人』のファンを始め、多くの方々に、咳エチケットについて関心を持つとともに
実践して頂くことを期待しています。
「咳エチケット」以外にワクチンの接種、手洗い、うがいの励行、十分に休養をとり
体力や抵抗力を高め、日ごろからバランスよく栄養をとり規則的な生活をすることも
重要な感染予防対策です。入浴剤を用いた入浴や、葛湯やしょうが湯を飲むことなど、
身体を温める方法もあります。年が明けてなにかと忙しい時期になりますが、体調に
は気を付けてお過ごしください。
<咳エチケット>
- 当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
- IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。