長期療養者就職支援事業(がん患者等就職支援対策事業)
厚生労働省では、長期療養者へのきめ細かな就職支援を行っています。
本事業の支援内容
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専門相談員による職業相談・職業紹介
がん、肝炎、糖尿病等により、長期療養(経過観察・通院等)が必要な方の就職支援のため、専門の相談員をハローワークに配置しています。専門相談員の配置ハローワークについては下記一覧をご参照ください。
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がん診療連携拠点病院(※)等との連携
治療や療養生活に関する相談のエキスパートである「がん相談支援センター」等と、患者様同意の上、治療状況・経過・今後配慮すべき点の情報を共有することで、希望や状況に応じた職業相談・職業紹介を実施しています。
(※)専門的で質の高いがん医療を全国で提供できるよう、国が定める指定要件を踏まえて都道府県知事が推薦し、厚生労働大臣が適当と認め、推薦した病院を指します(詳細はがん診療連携拠点病院等<厚生労働省HP>をご覧ください。)
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院内への出張相談
がん診療連携拠点病院等でも職業相談・職業紹介に応じられるよう、院内への出張相談も実施しています。
支援の対象となる方
※在職中であっても、就労の継続や退職に係る相談等、安定所の助言・支援を希望する場合には対象となります。
▼就職事例
▼社会保障制度
▼事業主のみなさまへ
▼医療従事者のみなさまへ・就労支援に携わるみなさまへ
▼お役立ち情報(関連リンク)
全国には、今の自分たちと同じように不安な気持ちを抱えている方や、悩んでいる方がたくさんいます。
決して一人ではないということを感じてもらえたら幸いです。
就職事例1
前向きに考えられるようになり、自分の体調に合わせた就職ができた例(女性 60代 乳がん) |
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現状 |
治療のため退職。これを機に今までの経験職とは違う職種を検討。 パソコンスキルを求められる求人が多いことから、パソコン基礎訓練を受講することに。 |
準備 |
パソコンスキルの取得の遅れ等から自己肯定感が下がっており、気分の落ち込みから精神科受診も検討。 ハローワーク職員と一緒に、物事をプラスに捉える視点改善を行う。 また、ハローワークの心理士との相談の中で【考えのコントロールができる方】と言ってもらえ、段々と状況を前向きに捉えられるようになる。 |
採用 | 体力的・精神的な負荷を避け、軽作業から社会復帰を始めることに。 病気について開示を希望しないとのことから、ハローワークの職員からは面接時の伝え方や、働き方の交渉について助言。 本人から面接時に身体状況も開示して採用となる。 |
再出発 | 重量物運搬により、過去に治療した傷が悪化。勤務内容の変更等、事業所と共に取り組むも、状況改善せず退職。 過去の傷については、経過観察及び服薬のみで良好だったため、ハローワークには申告していなかったところ。今後は体力面だけでなく、過去に治療した傷への影響が少ない業務内容も重要事項として就職活動を再開。 |
就活 | 傷についても経過良好、主治医からの就労制限なし、がん検診も異常なしと言うことで、数社平行して見学等を行いたいと希望。ハローワークにおいて複数事業所見学をセッティング。 |
就職決定 | 見学した中から、前職の経験も活かせることをプラスに捉え、整骨院の医療事務及び施術補助へ応募。病気や通院状況の開示、身体負担もないことを本人が直接確認し、採用承諾。 |
就職事例2
ハローワーク職員による丁寧な聞き取り、本人の体調や希望を考慮した上での就職例(男性 40代 椎間板ヘルニア) |
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現状 |
興味のある製造職に応募するも、病気について開示すると不採用という状況が続いていた。 |
準備 | 担当のハローワーク職員との相談から、製造職以外の職種を検討しはじめる。 改めて担当職員から経歴や興味のあることを丁寧に聞き取ったところ、障害者の職業指導・支援を担うジョブコーチ等に興味があることが判明した。 体調を考慮しながら就労を続け、将来的にジョブコーチを目指すキャリア形成を担当職員から提案し、資格取得に向けた実務証明を受けることができる求人を検討することになった。 |
就活 | 担当職員が複数の事業所に事前にヒアリングを行い、実務経験証明を受けることができる事業所の求人をBさんに提案。応募に前向きであったため、事業所に手術歴等を開示した上で応募手続を行う。選考の結果、採用となった。 |
今後の抱負 | 今後は、障害者就労支援業務に携わり、ジョブコーチの資格取得を目指したい。 |
長期療養者の方が利用できる可能性のある社会保障制度についてまとめています。
自分が各種制度を利用できるのか確認してみましょう。
高額医療費制度(支払った医療費について、一定の金額を超えた分が後で払い戻される制度)をはじめとした各種制度が掲載されています。 詳細はお近くのがん相談支援センター(国立がん研究センターがん情報サービス)、病院の会計担当者、地域の社会福祉協議会等にご相談ください。 |
傷病手当金(病気休職中に公的医療保険(健康保険等)の被保険者に対して、事業主から十分な報酬(賃金等)を得られない場合に支給される制度)について説明があります。 詳細は各事業所の社会保険担当者、又は加入している健康保険組合等にご確認ください。 |
障害年金についての案内が掲載されています。 健康保険の傷病手当金を受けている方や病気・けがで療養中の方が、障害年金の等級に該当する場合は、国民年金・厚生年金保険の障害年金を受給できる場合があります。 詳しい手続きについては、お近くの年金事務所、街角の年金相談センターにご相談ください。 |
雇用保険被保険者であった方が離職し、一定の条件を満たした場合に支給される雇用保険(基本手当)について、説明があります。 疾病により、すぐに働くことができない場合については、延長の手続きが必要になることがあります。 詳細は最寄りのハローワークにお問い合わせください。 ※雇用保険制度に関するQ&A(ハローワークインターネットサービス) |
厚生労働省では、長期療養者の採用や定着に役立つヒントをノウハウ集としてまとめています。
これから長期療養者を雇用しようと思っている・従業員が長期療養者となったため配慮のポイント等を知りたい、
といった場合などに活用いただければ幸いです。
以下のような内容を盛り込んでおります。
・長期療養者の雇用に当たって配慮すべき点、
・雇用した企業事例のご紹介、
・面接から定着までのポイント、
・採用を進めるうえでのヒント等
2018年3月発行 「がん患者等の採用と定着のススメ-長期療養者の雇用に向けて- 」[4.4MB] |
2021年3月発行 「長期療養者の採用に向けたノウハウ ~がん・肝炎・糖尿病患者等の採用・定着のコツ~」[26.1MB] |
仕事と治療の両立ができる求人にご理解とご協力をお願いいたします!
2~3か月に1回程度の経過観察による通院をしている方です。
この様な方々に対し、以下のような仕事と通院の両立が可能な求人にご理解とご協力をお願いします。
- ・通院等による休日や休暇設定の配慮が可能な求人(通院に伴う平日休みが取得可能な求人)
- ・求職者の希望に応じて勤務時間等の労働条件について柔軟に対応できる求人
▶ 求人申込の際に、長期療養者の方も応募いただける(相談に応じる)旨お伝えください。
既存の会社規程でも対応出来ることもあります。 ぜひご検討ください! |
がん相談支援センターをはじめとした相談支援センターとハローワークとが連携し、協同した就職支援を行うことは患者さんの離職防止・円滑な再就職の観点からも非常に重要です。
厚生労働省作成の「ハローワークとの連携による就職支援導入マニュアル」を参考に、医療機関とハローワークの連携した支援の推進をお願いいたします。
「ハローワークとの連携による就職支援導入マニュアル ~療養の先にしごとが見える~ 」[10.5MB] 以下のような内容を盛り込んでおります。 ・ハローワークのサービス支援メニュー、 ・連携して支援を行うにあたってのQ&A、 ・社会保険労務士との違い等 ハローワークとの連携を検討している医療関係者の皆様にご参考いただければ幸いです。 |
厚生労働省では、長期療養者(特にがん患者)の就職支援に当たって
必要となる基本的なスキルや知識をまとめたガイドブックを作成しています。
長期療養者の支援をする際や、支援機関等との連携を考える際には、参考にしてみてください。
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「就職支援ガイドブック-長期療養者とともに就職をめざす-」[1.8MB] 以下のような内容を盛り込んでおります。 ・ハローワークの就職支援担当者や医療機関のがん専門相談員等の、 がん患者の就職支援経験が豊富な方々へのヒアリング結果 ・ヒアリングを踏まえた、各種支援におけるノウハウ・ポイント |
治療と仕事の両立支援に向けて |
▲治療と仕事の両立支援について、支援者が何に取り組み、どう支援を進めたら良いか、などをまとめたサイトです。 | ▲厚生労働省が行う、治療と仕事の両立支援のための取組を紹介しています。 | ||
がんと就労関係 |
▲周囲の方への伝え方や職場復帰についてのアドバイスが記載されています。 | ▲厚生労働省が行う、がん患者・経験者への両立支援のための事業を紹介しています。 | ||
▲ご自身の身体の状態や気持ちを整理するためのツールです。 | ▲就職活動を行うに当たっての疑問点が、Q&A形式でまとめられています。 | ||
糖尿病と就労関係 |
▲働く中で気をつけるべきこと・配慮すべき情報が掲載されています。 | |||
お問い合わせ先
厚生労働省 職業安定局 首席職業指導官室