新型コロナウイルス最前線


第17回
陽性だった場合の自宅療養、療養解除について

“まだ終息の見えない”新型コロナウイルス感染症。本連載では、その動向や対策などを紹介しており、今回は、1月号で掲載した「ワクチン追加(3回目)接種などのQ&A」に続き、「陽性だった場合の自宅療養、療養解除」についてQ&Aでお答えします。
 

<自宅療養について>

Q1:自宅療養になった場合の問い合わせ先を教えてください。

A1:各自治体で設置しているコールセンターや相談窓口にお問い合わせください。


Q2:自宅療養時に用意しておいたほうがよいものがあれば教えてください。

A2:自宅療養中は外出することができません。食料の配送を行っている自治体もありますが、療養開始後すぐに届かない可能性もあるため、災害対策と同様に事前に用意しておくと安心です。
以下の食品を参考に5~7日間分準備しておきましょう。
・うどんやシリアル等の主食
・レトルト食品(米含む)やインスタント食品
・缶詰(果物等)  ・菓子類
・経口補水液   ・スポーツ飲料  等
ネットスーパーや宅配(置き配)などを利用する方法もあります。
また、体温計は平時より電池残量も含め、確認しておきましょう。


Q3:市販の解熱剤は服用しても問題ないでしょうか。

A3:問題ありません。用法・用量等をよく確認の上、ご使用ください。
なお、下記のような場合には主治医や薬剤師にご相談ください。
・ほかのお薬を内服している場合や、妊娠中、授乳中、ご高齢、胃・十二指腸潰瘍や腎機能低下など病気療養中の場合(飲める薬が限られていることがあります)。
・薬などによりアレルギー症状やぜんそくを起こしたことがある場合
・激しい痛みや高熱など、症状が重い場合や、症状が長く続いている場合

 

<療養解除について>

Q4:療養解除について教えてください。

A4:症状の有無により異なります。

◎症状がある場合
発症日(症状が出現した日)から10日以上かつ症状が軽快して72時間経過後(または症状軽快後24時間以上空けて2回PCRなどの検査を行い陰性だった場合)に療養解除となります。

◎症状がない場合
検体採取日から7日経過後に療養解除となります。

◎無症状者に途中で症状が出た場合
当初無症状の人であっても、途中で症状が出現してしまったら、発症から10日間は感染性があるとされているため、発症日が起算日になります。療養解除については、保健所の指導に従ってください。

※療養解除の基準は変更される可能性があります。

 

Q5:家族はいつまで自宅待機をすればよいのでしょうか。

A5:同居家族は原則として濃厚接触者と判断されると考えます。濃厚接触者は、発端となる同居の感染している方が発症する等してから7日間の待機が必要となります。その期間、日常生活を送るうえで可能な範囲で、マスクを着用する、手洗いをする、物資等の共用を避ける、手で触れる共有部分を消毒する、適切にゴミを処理する等の対応をお願いします。
また、自宅待機の期間が終了した後も発端となる同居の感染している方の療養が終了するまでは、自身による健康状態の確認を行うことや会食を避ける等の感染対策をお願いいたします。

 

Q6:新型コロナウイルス感染症に感染した人のごみの捨て方について教えてください。

A6:新型コロナウイルス感染症に感染した人が使用したティッシュやマスクにはウイルスが付着しているため、ごみ箱にごみ袋を被せて入れるようにしてください。ごみがいっぱいになる前に出すようにし、ごみに触れないように注意しながらしっかり(気になる場合は二重に)縛りましょう。
ごみを出した後はしっかり手を洗いましょう。

 

Q7:一度陽性になった場合も、ワクチンは接種したほうがよいのでしょうか。

A7:一度陽性になった場合にも、通常どおりワクチン接種をします(昨年12月1日より3回目の接種が順次進められています)。
理由は、新型コロナウイルス感染症に再度感染する可能性があることと、ワクチンを接種することによって、より強固な免疫ができるという報告があるからです。感染歴がある人のほうが、ない人よりも高い抗体価が得られたという報告もありますが、今のところ通常どおり接種したほうが確実です。一方で、発熱といった全身性の副反応や、接種部位の痛みといった局所の副反応が、感染歴のない人と比べると高い割合で発現するといった報告もあります。
感染後や治療後に隔離が解除され、体調が回復して接種を希望する際には、その治療内容や感染からの期間にかかわらず接種することができます。
 

2022年2月17日時点

詳しい情報や最新の情報は厚生労働省HPや各自治体のHPをご参照ください。




<新型コロナウイルス感染拡大防止へのご協力をお願いします>

現在、「オミクロン株」によって全国的に新規感染者が増加しています。オミクロン株の感染対策や、ワクチンQ&Aへの追加になった内容について紹介します。
 

マスク着用や3密回避など
基本的な感染対策の徹底を


 オミクロン株は感染拡大の速度が非常に速いのが特徴です。オミクロン株に対しても基本的な感染対策が有効です。ワクチン未接種の方は接種についての検討をお願いします。ワクチンを接種していても感染するブレークスルー感染によって、誰かに感染させてしまうケースも発生しています。高齢者や基礎疾患のある方が感染すれば重症化するリスクも高まります。

 ワクチン接種後も「マスクの着用」や「手洗い」、「3密(密接・密集・密閉)回避」、「換気」など基本的な感染対策を徹底しましょう。また、体調不良時は外出や移動を控えるなど感染拡大防止にご協力をお願いします。一人ひとりの行動が、大切な人と私たちの日常を守ることにつながります。
 

ワクチン3回目接種へのご協力をお願いします

よくある新型コロナワクチンについての質問(Q&A)への追加回答が公表されました。


Q1
初回(1回目・2回目)接種がまだ受けられていません。追加(3回目)接種が開始されても、初回接種を受けることはできますか。

A1
接種が受けられる期間は、今年9月30日までです。この期間内であれば、初回接種も受けられます。

 

Q2
追加(3回目)接種はどのようにしたら受けられますか。

A2
 お住まいの市区町村から追加接種用の接種券などが送付されますので、自治体からのお知らせをご確認いただき、初回接種時と同様に接種を実施している医療機関や会場をお探しのうえ、予約をお願いします。
 接種時には、初回接種時と同様に送付された接種券等一式と本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証等)をお持ちになり、受付で提示してください。初回接種時の接種券は使用できませんので、まだお手元に残っている場合は間違えてお持ちにならないようご注意ください。
 なお、医療従事者等や高齢者の場合は2回目の接種完了から6カ月以上、それ以外の方の場合は2回目の接種完了から7カ月以上経過したにもかかわらず、ご自宅に接種券が届かない場合は、お住まいの市区町村へお問い合わせください。また、引っ越し等で住民票所在地が変更になった場合などは、接種券の発行申請が必要になります(一部の市区町村では、申請なしで接種券が送付される場合もあります)。

 

Q3
追加(3回目)接種ではどのような副反応がありますか。2回目より重いのでしょうか。

A3
 海外の臨床試験の結果では、ファイザー社のワクチンおよび武田╱モデルナ社のワクチンいずれの場合も、2回目の接種後と比較して有害事象の発現傾向は概ね同様であると確認されていますが、リンパ節の腫れなどについては、初回(1回目・2回目)接種時と比較して発現割合が高い傾向にありました。
 国内の調査結果(中間報告)でも、ファイザー社のワクチンにおける、追加接種から1週間後までの有害事象の状況は、2回目の接種後とほぼ類似していましたが、腋窩痛(わきの下の痛み)などについては、3回目の接種後のほうが発現頻度が高い傾向が見られました。

 

Q4
新型コロナワクチンの接種を望まない場合、受けなくてもよいですか。

A4
 新型コロナワクチンは、発症予防効果などワクチン接種のメリットが、副反応などのデメリットよりも大きいことを確認して、皆さまに接種をお勧めしています。
 しかしながら、接種は強制ではなく、あくまでご本人の意思に基づき受けていただくものです。
 接種を望まない方に接種を強制することはありません。また、受ける方の同意なく接種が行われることもありません。職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをしたりすることのないよう、皆さまにお願いしています。仮にお勤めの会社などで接種を求められても、ご本人が望まない場合には接種しないことを選択することができます。
 

ワクチンQ&A

リーフレット

職場におけるいじめ・嫌がらせなどに関する相談窓口

人権相談に関する窓口

 


<5歳以上のお子様もワクチン接種を受けることができます>

5~11歳の方も、新型コロナワクチンを受けられるようになりました。現在、国内の新型コロナ感染者全体に占める子どもの割合は増えています。ワクチンを受けるか、親子で一緒にご検討ください。

●使用するワクチン
 ファイザー社の5~11歳用のワクチンを使用します。子ども用のワクチンです※。
 通常、3週間の間隔をあけて、合計2回接種します。
 ※ファイザー社の12歳以上のものに比べ、有効成分が1/3になっています。

●接種の対象
 ・5歳から11歳の方
 ・特に、慢性呼吸器疾患、先天性心疾患など、重症化リスクの高い基礎疾患※を有するお子様には接種をおすすめしています。接種にあたっては、あらかじめかかりつけ医などとよく相談してください。
 ※日本小児科学会では、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高い疾患の一覧等を公表しています。

●新型コロナワクチンを受けるには
 ・お子様のワクチン接種には、保護者の同意と立ち合いが必要です。
 ・ワクチン接種当日は可能な限り母子健康手帳をご持参ください。
 ・ワクチンについての疑問や不安があるときはかかりつけ医などにご相談ください。


小児接種



2022年2月17日時点

 

出  典 : 広報誌『厚生労働』2022年3月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省