重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

(第7版 令和6年8月2日作成)

ダニ媒介性の新しい感染症「重症熱性血小板減少症候群」が、日本国内でも発生しています。このQ&Aでは、重症熱性血小板減少症候群について、海外の情報やこれまでの国内調査の結果を踏まえ、現在までに分かっていることについて解説します。

対象疾病の概要については こちらのページ をご覧ください。

一般の方向け

問1 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome: SFTS)とはどのような病気ですか?

答 SFTSは、マダニにより媒介されるSFTSウイルスによる感染症で、主な初期症状は発熱、全身倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)で、重症化し、死亡することもあります。

問2 重症熱性血小板減少症候群は、世界のどこで発生していますか?

答 2011年に中国で初めて報告されました。以降、日本、中国、韓国、台湾、ベトナム、タイ及びミャンマーで患者発生が確認されており、東アジアや東南アジアでの流行が示唆されています。

問3 日本でSFTS患者はどのくらい発生していますか?

答 2013年1月、SFTSの患者(2012年秋に発症)が国内で初めて確認されて以降、2020年まで毎年60~100名程度の患者が報告されていました。海外渡航歴のない日本在住の患者から分離されたウイルスが、中国の流行地域で見つかっているウイルスのタイプと異なっていることから、以前から日本国内に存在していたと考えられます。2021年以降は、毎年100名を超える患者が報告されており、2023年は過去最高の133名の患者が報告されています。(問10参照)

問4 ヒトはどのようにしてSFTSウイルスに感染するのですか?

答 多くの場合、ウイルスを保有するマダニに刺されて感染すると考えられます。また、野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出された報告があり、 SFTSウイルスに感染したペットのネコやイヌとの接触により感染したと考えられる症例も報告されています。また、国外では患者血液や分泌物との直接接触が原因と考えられるヒトーヒト感染の事例報告が以前からあり、2024年3月に国内でも初めてのヒト-ヒト感染事例(患者→医療従事者)が報告されています。

問5 ネコやイヌからSFTSウイルスに感染する危険性があるということですか?

答 ネコやイヌがSFTSウイルスに感染すると、発熱や消化器症状などのヒトと同じような症状(問33参照)を示すことがあります。SFTSウイルスに感染し、発症している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染する可能性があります。実際に、ネコに咬まれたことが原因でSFTSウイルスに感染した事例が報告されています。ただし、健康なネコやイヌ、屋内のみで飼育されているネコやイヌからヒトがSFTSウイルスに感染した事例はこれまでに報告されていません。

問6 ネコなどの動物からSFTSウイルスに感染しないようにするためには、どのように予防すればよいですか?

答 動物由来感染症に対する予防の観点からも、動物に触ったら必ず手を洗いましょう。動物を飼育している場合、過剰な触れ合い(口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝たりすることなど)は控えてください。また、動物に付着したマダニは適切に駆除しましょう(問19 参照)。飼育している動物の健康状態の変化に注意し、動物が体調不良の際には、マスク、手袋などを着用し、咬まれたり舐められたりしないように注意したうえで、動物病院で診てもらって下さい。ペットがマダニに刺されないようダニ駆除剤も有効ですので獣医師に相談しましょう。
野生動物は、どのような病原体を保有しているか分かりません。野生動物との接触は避けてください。また、動物の死体等に接触することは控えましょう。体調に異変を感じたら、早めに医療機関を受診してください。受診する際は、ペットの飼育状況やペットの健康状態、また動物との接触状況についても医師に伝えてください。

問7 マダニは、屋内で普通に見られるダニとは違うのですか?

答 食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとマダニでは種類が異なります。また、植物の害虫であるハダニ類とも異なります。
 マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(種類にもよりますが、成ダニでは、吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mm程度)のダニで、主に森林や草地に生息していますが、郊外、市街地でも生息しています。

問8 どのような種類のマダニがSFTSウイルスを保有しているのですか?

答 日本には、命名されているものだけで47種のマダニが生息するとされていますが、これまでに実施された調査の結果、複数のマダニ種(フタトゲチマダニ、ヒゲナガチマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニ)からSFTSウイルスの遺伝子が検出されています。日本では少なくともフタトゲチマダニとキチマダニがヒトへの感染に関与しています。ちなみに、中国では、フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ類からSFTSウイルスが見つかっており、韓国でもフタトゲチマダニがSFTSウイルスを保有しているとの報告があります。

フタトゲチマダニ

 

キチマダニ

 

(国立感染症研究所昆虫医科学部提供)

問9 全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているのですか?

答 全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけではありません。中国の調査では、患者が発生している地域で生息しているフタトゲチマダニの数%からSFTSウイルスの遺伝子が見つかったと報告されています。日本国内では、これまでに複数のマダニ種からSFTSウイルスの遺伝子が検出されています。ウイルス保有率は地域や季節によりますが、0~数%です。

問10 マダニに刺されたことにより感染する病気は国内に他にありますか?

答 日本紅斑熱、ライム病など多くの感染症がマダニによって媒介されることが知られています。北海道ではマダニによって媒介されるダニ媒介脳炎の患者が報告されています。また、ダニの一種であるツツガムシによって媒介される、つつが虫病もあります。SFTS、日本紅斑熱、ライム病、つつが虫病及びダニ媒介脳炎の日本国内での年間報告数(2019年~2023年)は下表のようになっております。
  重症熱性血小板減少症候群* 日本紅斑熱 ライム病 つつが虫病 ダニ媒介脳炎
2019年 101 318 17 404 0
2020年 78 422 27 538 0
2021年 110 490 23 544 0
2022年 118 457 14 492 0
2023年 133 501 29 434 0
 
*重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)
  • 2023年については、速報値

問11 マダニからSFTSウイルスに感染しないようにするためには、どのように予防すればよいですか?

答 マダニに刺されないようにすることが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに刺される危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。DEET(ディート)やイカリジンという成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などがポイントです。マダニに吸血された場合には、無理に引き抜こうとせず、皮膚科などを受診してマダニを除去してもらって下さい(問13参照)。

問12 国内で患者が報告された地域以外でも注意が必要ですか?

答 これまでのところ、SFTSの患者は、西日本を中心に報告されていますが、徐々に患者発生が確認された地域が広がっています。これまでに患者が報告された地域以外でもSFTSウイルスを保有するマダニや感染した動物が見つかっていますので、SFTS患者の発生が確認されていない地域においても注意が必要です。

問13 マダニに刺されたら、どうすればよいですか?

答  マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、刺されたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させて病原体が体内に入りやすくしてしまう恐れがあるので、医療機関(皮膚科など)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに刺された後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が現れた場合はすみやかに医療機関で診察を受けて下さい。その際、マダニに刺されたことを医師に説明して下さい。

問14 ヒト以外の動物もマダニに刺されてSFTSにかかるのですか?

答 国内ではSFTSウイルスに感染し、発症したネコ、イヌ及びチーターが報告されています。現在のところ、西日本を中心に感染した動物が報告されてきており、ヒトでの患者が報告されている地域と重なります。一般的に動物がSFTSウイルスに感染した場合、多くは症状を示さない(不顕性感染)と考えられていますが,ネコでは発熱・元気消失・嘔吐・黄疸などの症状を示し、重症化して約6割が死亡しています。また、国内において、シカ、イノシシ等の野生動物や猟犬の血液を検査したところ、SFTSウイルスに対する抗体を持っている(=過去にSFTSウイルスを保有するマダニに吸血されて、SFTSウイルスに感染したことのある)動物がいることが分かっています。 

問15 SFTSウイルスに感染した動物を食べてもSFTSにかかったりしませんか?

答 動物由来食品(肉や乳など)を食べたことによって、ヒトがSFTSウイルスに感染したという事例の報告はありません。また、ある動物がSFTSウイルスに対する抗体を持っているということは、その動物が、過去にSFTSウイルスに感染し、SFTSウイルスを体内から排除する免疫を獲得していることを意味します。抗体自体に病原性はないので、SFTSウイルスに対する抗体を持っている動物を食べても問題ありません。ただし、一般的な注意事項として、野生動物を食用にする場合(ジビエなど)は、動物由来感染症や食中毒を防ぐ観点から、捕獲・処理・加工する際の衛生的な処理や十分な加熱調理等、適切な取扱いを行うことが重要です。

参考:食品安全委員会 「ジビエを介した人獣共通感染症
         厚生労働省「ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理

問16 SFTSにかかりやすい、または、重症化しやすい年齢はありますか?

答 日本でこれまでに確認されたSFTS患者の年齢層は、5歳~90歳代で、全患者の約90%が60歳以上となっています。亡くなった患者の多くは50歳以上なので、高齢者は重症化しやすいと考えられます。

問17 SFTSの致命率はどのくらいですか?

答 国立感染症研究所の研究によると、日本のSFTS患者の致命率は27%です。一方、中国では10%とする報告もあります。(参考:致命率(case fatality rate)とは、ある特定の病気にかかったと診断され、報告された患者のうち、一定の期間内に死亡した患者の割合を示したものです。)

問18 マダニ以外の他の吸血昆虫を介してSFTSにかかることはないのですか?

答 ありません。
(参考:一般的に、蚊やマダニなどの節足動物が媒介する感染症は、その病原体ごとに媒介する節足動物がおおよそ決まっています(例えば、日本脳炎は蚊、日本紅斑熱はマダニ、発疹チフスはシラミが媒介します)。SFTSにおいては、マダニが人への感染に関わっています。)

問19 ペットにマダニが付いていたのですが、そのマダニを介してヒトがSFTSにかかることはありますか?

答 ペットに付いているマダニに触れたからといって感染することはありません。しかし、マダニに刺されれば、その危険性はあります。マダニ類はイヌやネコ等、動物に対する感染症の病原体を持っている場合もありますので、ペットの健康を守るためにも、ペットがマダニに刺されないようにしましょう。また,付いているマダニは適切に駆除しましょう。ペット用のダニ駆除剤等がありますので、かかりつけの獣医師に相談してください。散歩後にはペットの体表をチェックして下さい。目の細かい櫛をかけることも効果的です。マダニが咬着している(しっかり食い込んでいる)場合は、無理に取らず、獣医師に除去してもらうのがよいでしょう。

医療機関・検査機関の方向け

問20 SFTSウイルスはどのようなウイルスですか?

答 SFTSウイルスは、フェヌイウイルス科バンダウイルス属に分類される、三分節1本鎖RNAを有するウイルスです。SFTSウイルスは酸や熱に弱く、一般的な消毒剤(消毒用アルコールなど)や台所用洗剤、紫外線照射等で感染性がなくなります。

(国立感染症研究所提供)

問21 潜伏期間はどのくらいですか?

答 (マダニに刺されてから)6日~2週間程度とされています。ヒトからヒトへの感染事例(患者から医療従事者への感染)やネコに咬まれて感染する場合には潜伏期間は、より短い場合があります。

問22 SFTSにかかると、どのような症状が出ますか?

答 発熱、消化器症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全症状、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)が出現します。

問23 検査所見の特徴はどのようなものですか?

答 血小板減少(10万/mm3未満)、白血球減少、血清電解質異常(低Na血症、低Ca血症)、血清酵素異常(AST、ALT、LDH、CKの上昇)、尿検査異常(タンパク尿、血尿)などが見られます。骨髄検査が実施される場合が比較的多く、骨髄検査ではほぼ全例で血球貪食症候群の所見が認められます。

問24 どのようにして診断すればよいですか?

答  診断にはウイルス学的な検査が必須です。発熱、消化器症状、血小板減少、白血球減少、AST・ALT・LDHの上昇を認めた場合、本疾患を疑います。ただし、全ての症状や検査所見が認められる訳ではありません。また、患者がマダニに刺されたことに気がついていなかったり、刺し口が見つからなかったりする場合も多くあります。そのためマダニに刺されたことが確認されず、さらに上記すべての症状や検査結果が認められない場合であってもSFTSは否定できません。また、体調の悪い動物の体液と接触した数日後に発熱、全身倦怠感、消化器症状等の症状が出現した患者を診た場合には、SFTSも鑑別診断に挙げる必要があります。SFTSが疑われる場合には、最寄りの保健所に報告するとともに、検査を依頼して下さい。地方衛生研究所や国立感染症研究所においてウイルス学的検査が実施されます。

参考:「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き 2024年版」[4.7MB](令和6年度厚生労働行政推進調査事業費補助金新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業「一類感染症等の患者発生時に備えた臨床的対応及び行政との連携体制の構築のための研究」)

問25 鑑別を要する疾患は何ですか?

答  SFTSと同様の症状を呈し得る疾患は様々なものが考えられます。初期症状は急性胃腸炎、インフルエンザ様疾患の症状と類似し区別がつきません。具体的には、刺し口がある場合には、ダニ媒介疾患であるつつが虫病、日本紅斑熱、ライム病、エーリキア症及びアナプラズマ症が鑑別疾患として挙げられます。また、上気道炎、胃腸炎などの感染症も鑑別疾患として挙げられます。SFTSでは、骨髄検査が実施されることが多く,ほとんどの患者で血球貪食症候群の所見が認められます。そのため、SFTSウイルス以外のウイルスによる血球貪食症候群や敗血症、膠原病・血管炎として、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒素症候群(HUS)、全身性エリテマトーデス、悪性疾患として血液腫瘍疾患(白血病や悪性リンパ腫)なども鑑別疾患に挙げられます。

問26 SFTSが疑われる患者を診た場合、どう対応したらよいですか?

答 地方衛生研究所及び国立感染症研究所で診断のための検査を実施することが可能です。最寄りの保健所にご相談ください。 

問27 治療方法はありますか?

答 対症療法が主体となりますが、国内では、抗ウイルス薬(ファビピラビル)が、2024年6月に承認されており、病状の進行が予期される場合には、使用することも検討されます。また、合併症の病態に応じて、免疫抑制薬・調整薬、抗菌薬が使用されることもあります。詳細な治療方法については、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き診療の手引き 2024年版」[4.7MB]を参照して下さい。

問28 患者に接する際の注意点は何ですか?

答  患者血液や分泌物との直接接触が原因と考えられるヒト-ヒト感染の事例も報告されています。SFTSは致命率が高い疾患であることを考慮すると、標準感染予防策に加えて接触感染予防策を実施し、医療提供者や家族等が感染しないように予防策を徹底することが重要です。

問29 患者検体(サンプル)を取り扱う場合の注意点は何ですか?

答  患者の血液や体液には感染性のあるウイルスが存在します。標準感染予防策を遵守して下さい。

問30 検査方法等、技術的な内容の相談窓口を教えてください。

答  国立感染症研究所(info@niid.go.jp)にお問い合わせください。

問31 検査でSFTSであることが確定した場合、どう対応したらよいですか?

答 SFTSは感染症法上の四類感染症に位置付けられていますので、患者をSFTSと診断した場合には、最寄りの保健所に届け出て下さい。

問32 ご遺体の取り扱いについて教えてください。

答 SFTSで亡くなられた患者の御遺体の体液には感染性のあるSFTSウイルスが含まれている可能性があるため慎重に取り扱う必要があります。また、御遺族、御遺体を取り扱う方々にもそのことを説明してください。「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き 2024年版」[4.7MB]を参照して下さい。

獣医療従事者等の専門家向け

問33 ネコやイヌでどのような来歴・症状などがあれば、SFTSウイルス感染を疑うのですか。また確定診断はどのように行うのですか

答  これまでの知見から、発熱(39℃以上)、食欲不振等の症状や白血球減少症(5000/mm3以下)、血小板減少症(10万/mm3以下)が認められ、さらに入院を要するほど重症(自力採餌困難等)の場合には、既存の細菌・原虫・ウイルス(パルボウイルスなど)による感染症に加えてSFTSであることも疑われます。多くのイヌはSFTSウイルスに感染しても、症状を呈することがない、いわゆる不顕性感染である場合が多いと考えられていますが、一部が発症する可能性があります。臨床症状や血液検査等だけではSFTSの確定診断はできません。そのためウイルス学的検査を実施することが必要です。急性期には、血清からウイルス遺伝子の検出を行い、回復期には抗体検査を行います。(国立感染症研究所info@niid.go.jpにお問い合わせください。)

問34 SFTSウイルスに感染し発症したネコやイヌを取扱う際の感染予防措置など注意点はありますか?獣医師が取るべき予防策は?

答  発症したネコやイヌの血液、唾液、便、尿を含めた体液には感染性のあるウイルスが検出されています。そのため体液や排泄物を処理する際には次亜塩素酸ナトリウム含有消毒剤による処理やオートクレーブなどの加熱滅菌処理を行うことが必要です。患畜の取扱にはPPEを必ず適切に着用してください。また、診察台等は消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウム含有消毒剤などで必ず消毒するようにして下さい。

獣医療関係者における動物由来感染症予防対策啓発ポスター[3.1MB]

問35 ネコやイヌの飼育者が注意すべきことは?

答 日常的な対策としては、ネコやイヌの飼育者に対するダニの駆除剤等の投与についての指導を徹底して下さい。飼育者には、ネコやイヌの健康状態の変化に注意し、体調不良の際には動物病院を受診することを勧奨して下さい。万一、飼育しているネコやイヌがSFTSと診断され、飼育者が発熱、消化器症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛等の症状(問22参照)がでたら、医療機関を迅速に受診し、かつ、飼育ネコやイヌがSFTSを発症したことを医師に説明するように指導して下さい。