健康・医療DTワクチン
ジフテリアと破傷風の混合ワクチン(DTワクチン)により、ジフテリアや破傷風のような重篤な疾患の予防ができます。11歳になったら追加の接種を行います。
疾病の性質
ジフテリアの概要
ジフテリアはジフテリア菌により発生する疾病です。その発生は最後に報告されたのが、1999年であり稀になりましたが、かつては年間8万人以上の患者が発生し、そのうち10%程度が亡くなっていた重要な病気です。
主に気道の分泌物によってうつり、喉などに感染して毒素を放出します。この毒素が心臓の筋肉や神経に作用することで、眼球や横隔膜(呼吸に必要な筋肉)などの麻痺、心不全等を来たして、重篤になる場合や亡くなってしまう場合があります。
※より詳しい情報については下記リンクをご参照ください。
ジフテリアとは(NIID)
ジフテリアにかかった場合、一般に10%程度の方が亡くなってしまうといわれています。また、特に5歳以下や40歳以上の年齢の場合は重くなりやすく、最大で20%の方が亡くなってしまうといわれています。
破傷風の概要
破傷風は、破傷風菌により発生し、かかった場合に亡くなる割合が非常に高い病気です。以前は新生児の発生もみられましたが、近年は30歳以上の成人を中心に患者が発生しています。
主に傷口に菌が入り込んで感染を起こし毒素を通して、さまざまな神経に作用します。口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせたり、息ができなくなったりし、亡くなることもあります。
※より詳しい情報については下記リンクをご参照ください。
破傷風とは(NIID)
ワクチンの効果
ワクチン接種により、ジフテリアの罹患(りかん)リスクを95%程度減らすことができ、破傷風に関しては100%近い方が十分な抗体を獲得すると報告されています。
接種の対象者とスケジュール
11~12歳までの期間を標準的な接種期間として1回接種します。
使用するワクチン
DTワクチン(※)を使用します。
※破傷風とジフテリアワクチンの混合ワクチン
ワクチンの安全性
稀に報告される重い副反応としては、ショック、アナフィラキシーがあります。
その他、一定の頻度でみられるとして報告されている副反応については下記のとおりです。
局所症状:発赤、腫脹、疼痛、硬結
全身症状:発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、下痢、めまい、関節痛
しかし、これらは一過性であり2~3日中に消失する(※)と言われています。
※ただし、硬結は1~2週間残存することがあります。また、2回以上の被接種者には、ときに著しい局所反応を呈することがありますが、通常数日中に消失します。
接種を受けられない方
以下に該当する方は、接種を受けられません。該当するかどうか不安な方は医師にご相談ください。
- 明らかな発熱のある方
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- この予防接種の成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある方
- 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する方および免疫抑制をきたす治療を受けている方
- その他、予防接種を行うことが不適当な状態にあると医師が判断する方
接種に注意が必要な方
以下の方は、接種にあたって注意が必要なので、あらかじめ医師に相談してください。
- 心臓、腎臓、肝臓、血液の病気や発育障害がある方
- これまでに、予防接種を受けて2日以内に発熱や全身の発疹などのアレルギー症状があった方
- けいれんを起こしたことがある方
- 免疫不全と診断されている方や、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
- DTワクチンの成分でアレルギーを起こすおそれのある方
その他の定期接種ワクチンを年齢別に見る
相談窓口
厚生労働省は、インフルエンザをはじめとした感染症の一般的予防方法、流行状況や予防接種の意義、有効性、副反応等に関する国民の皆様の疑問に的確に対応するため、「感染症・予防接種相談窓口」を開設しています。
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