健康・医療水痘
平成26年10月1日から、水痘ワクチンが定期接種となりました。
Q&A
Q1.水痘とはどんな病気ですか?
A1.水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、その潜伏期間は感染から2週間程度と言われています。発疹の発現する前から発熱が認められ、典型的な症例では、発疹は紅斑(皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶたになること)して治癒するとされています。一部は重症化し、近年の統計によれば、我が国では水痘は年間100万人程度が発症し、4,000人程度が入院、20人程度が死亡していると推定されています。
水痘は主に小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めると言われています。小児における重症化は、熱性痙攣、肺炎、気管支炎等の合併症によるものです。成人での水痘も稀に見られますが、成人に水痘が発症した場合、水痘そのものが重症化するリスクが高いと言われています。
Q2.水痘をワクチンで予防することは可能ですか?
A2.水痘にはワクチンがあり、現在国内では乾燥弱毒生水痘ワクチン(以下、水痘ワクチン)が用いられています。水痘ワクチンの1回の接種により重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水痘も含めてその発症を予防できると考えられています。
Q3.水痘を対象とした定期接種はいつから開始されますか?
A3.平成26年10月1日から開始されます。
Q4.水痘の定期接種は何歳でどのように受けるのですか?
A4.水痘ワクチンの定期接種は、生後12月から生後36月に至までの間にある方(1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日までの方)を対象としています。
2回の接種を行うこととなっており、1回目の接種は標準的には生後12月から生後15月までの間に行います。2回目の接種は、1回目の接種から3月以上経過してから行いますが、標準的には1回目接種後6月から12月まで経過した時期に行うこととなっています。
また、平成26年度に限り(平成26年10月1日から平成27年3月31日まで)、生後36月に至った日の翌日から生後60月に至までの間にある方(3歳の誕生日当日から5歳の誕生日の前日までの方)も定期接種の対象とすることとしています。この場合、1回(この1回には、生後36月以前に接種したワクチンも含まれます。)水痘ワクチンを接種することとしております。
なお、これまで任意で接種された回数も考慮して接種回数が決まります(詳細はQ6.をご覧ください)。また、水痘を発症したことがある方はすでに免疫を持っているので、接種する必要はありません(詳細はQ7.をご覧ください)。
Q5.なぜ3歳、4歳の者(特例措置の対象者)は水痘ワクチンを一回しか受けなくていいのですか?
A5.今回、生後12月から生後36月に至るまでの間にある方への水痘の定期の予防接種を導入した場合、社会的に水痘の流行が減少することが期待されます。そうすると、水痘への自然暴露の機会が減少することにより、罹患歴がなく、かつ、ワクチンを接種していない方については、免疫を持たないまま成人へと成長するおそれがあります。成人は水痘の重症化リスクが比較的高いとされているため、このようなことは望ましくありません。
今回の特例措置は、罹患歴及び接種歴のない生後36月から生後60月に至るまでの間にある方(概ね3歳、4歳の方)について、このようなリスクを減らすために実施するものです。Q2.の答でも書いた通り、水痘ワクチンは1回の接種により重症の水痘はほぼ100%予防できると考えられるため、特例措置の対象者については、1回の接種をすることとしています。
Q6.すでに水痘ワクチンを接種したことがありますが、定期接種はどのように受ければよいですか?
A6.すでに任意接種として接種した水痘ワクチンについては、定期接種を受けたものとみなしてそれ以降の定期接種を受けていただくこととなります。
具体的には、
- 生後12月以降に3月以上の間隔をおいて2回接種を行っている方:
- すでに定期接種は終了しているものとみなされ、定期接種の対象とはなりません。
- 生後12月以降に1回の接種を行っている方:
- 1回の定期接種を行っているものとみなされます。生後12月から生後36月に至るまでの間にある(1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日まで)場合は、過去の接種から3月以上の間隔をおいて一回の接種を行います。生後36月に至った日の翌日から生後60月に至までの間にある(3歳の誕生日から5歳の誕生日の前日まで)場合は、定期接種を終了しているものとみなされ、定期接種の対象とはなりません。
- 生後12月以降に2回接種を行っているが、その間隔が3月未満である方:
- 1回の定期接種を行っているものとみなされます(3月以上の間隔をおいていないため、2回の定期接種を行っているものとはみなされません。)。生後12月から生後36月に至るまでの間にある(1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日まで)場合は、過去の1回目の接種から3月以上(2回目の接種から27日以上)の間隔をおいて1回の接種を行います。生後36月に至った日の翌日から生後60月に至までの間にある(3歳の誕生日から5歳の誕生日の前日まで)場合は、定期接種を終了しているものとみなされ、定期接種の対象とはなりません。
Q7.すでに水痘にかかったことのある者は、水痘ワクチンの定期接種を受ける必要がありますか。?
A7.水痘にかかったことのある方は、水痘に対する免疫を獲得していると考えられ、基本的には水痘の定期接種の対象外となります。
Q8.水痘ワクチンの接種対象年齢において、病気にかかって長く療養していたために、接種を受けられずに対象年齢が終わってしまった場合、どうすればいいですか。?
A8.接種対象年齢において、長期に渡り療養を必要とする病気にかかっていたために、定期接種を受けることができなかったと認められた場合、長期療養特例として定期接種を受けることができます(この場合、接種可能となった日から2年以内に接種を受ける必要があります。)。特例に該当するか否かについては、医学的な判断が必要です。詳細についてはお住まいの市町村にお問い合わせください。
Q9.水痘ワクチンを接種することにより、どのような副反応の発生が想定されますか?
A9.稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様症状、急性血小板減少性紫斑病等があります。
その他、一定の頻度で見られるとして報告されている副反応については下記のとおりです。
- 過敏症:接種直後から翌日に発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱等があらわれることがあります。
- 全身症状:発熱、発疹が見られることがあります。一過性で通常、数日中に消失するとされています。
- 局所症状:発赤、腫脹、硬結等があらわれることがあります。
Q10.水痘ワクチンを必要な回数以上に間違って接種してしまいました。健康被害が発生する可能性はありますか?
A10.水痘ワクチンの必要な回数以上の接種については、医学的知見が充実しているとは言えませんが、現時点では、特別な健康被害が発生するというような報告はありません。
ただし、通常のワクチン接種による副反応と同等のリスクはあると考えられます。
Q11.もし水痘ワクチンの定期接種により、重い副反応が起きてしまった時はどうすればいいですか?
A11.定期接種を受けたことにより、健康被害が発生した場合には、救済給付を行うための制度があります。詳細についてはお住まいの市町村にご相談ください。
Q12.平成26年10月1日からの定期接種はどこで受けられますか?
A12.定期接種の実施主体は市町村となります。お住まいの市町村にお問い合わせください。
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