IDESコラム vol. 3 感染症エクスプレス@厚労省 2017年9月22日

高校時代の想いを今

IDES 3期生:高橋、西島、神代、市村

 こんにちは。IDESコラムも3回目になりました。当コラムはIDES養成プログ
ラム3期生が順番に担当しています。研修生は、それぞれ異なる経験と想いを
もってプログラムにに参加しておりますが、今回担当します私は、感染症の
病原体に関する基礎研究を行った後、感染症疫学を学び、ネパールやフィリ
ピンで感染症患者を診てきました。

 さて、先日テレビドラマ「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命
~THE THIRD SEASON」が最終回を迎えました。皆さんはご覧になりましたか?
かくいう私はドクターヘリで搬送されてきた患者さんのことを思い出し、登
場人物に感情移入しやすいようで、医療系ドラマを観るのを控えています。
医療従事者の方々には同じ想いの方も少なくないのではないでしょうか。
私の姉は欠かさず観ていたようで、先日「コード・ブルーでエボラが取り上
げられてたよ」と電話をくれました。「エボラ」と聞いて私が高校時代に感
染症に胸を熱くした頃を思い出しました。

 エボラ出血熱は、一類感染症に分類され、エボラウイルスに感染すること
で起こる重篤で平均で50%の方が亡くなる疾患です。エボラウイルスは感染
したヒトまたは動物の血液などの体液と直接接触した場合に感染するリスク
があります。名前からも、怖い感染症という印象があるのではないでしょうか?
 エボラ出血熱が最初に報告されたのは1976年です。高校生の私は、このこ
とを知って、国境を越えて自分たちにも届きうる「脅威」としての感染症を
知り、私は、感染症で苦しむ患者さんを少しでも減らしたいと心に決めまし
た。
 最近は2014年に西アフリカ諸国で発生したアウトブレイクで1万人以上が
亡くなり、注目を集めました。このアウトブレイクを受け、エボラ出血熱の
ような国際的に脅威となる感染症の危機管理対応で中心的な役割を担う専門
家を育成するためにIDES養成プログラムは開設されました。このプログラム
を知った私は、迷うことなく応募し、幸いにして、採用していただきました。
高校生時代の想いを今、果たすきっかけをいただいたと思っています。感染
症の分野で国際的に貢献できる専門家になれるよう精進して参ります。

 今後、感染症疫学の父であるJohn Snow氏、Louis Pasteur氏、野口英世氏
などの話題も交えながら感染症・公衆衛生についてコラムを書いて参ります。
お楽しみに。

 ちなみに、来週9月30日はIDES養成プログラム4期生への募集の最終日です
(当日消印有効)。感染症対策に情熱を持っている医師の方々は是非、応募
をご検討ください。お待ちしております。
  • 当コラムの見解は執筆者の個人的な意見であり、厚生労働省の見解を示すものではありません。
  • IDES(Infectious Disease Emergency Specialist)は、厚生労働省で平成27年度からはじまったプログラムの中で養成される「感染症危機管理専門家」のことをいいます。