薬物乱用防止対策について

はじめに

麻薬、覚醒剤、大麻、危険ドラッグ等の薬物乱用は、使った本人の健康を害するだけでなく、さまざまな犯罪を引き起こす原因にもなるなど、社会や人々の暮らしに大きな被害をもたらします。

令和6年の薬物事犯の検挙状況は、指定薬物事犯を除く検挙人員が14,040人と、前年より増加しています。
その中でも大麻は、検挙人員が過去最多を更新した令和5年より減少はしたものの6,000人を超え、引き続き高い数値となっています。
また、令和6年の検挙人員のうち、30歳未満の若年層の割合が72.5%を記録するなど、若年層の大麻の乱用が深刻な事態となっています。
(薬物事犯検挙人員の推移)
厚生労働省・警察庁・海上保安庁・財務省の統計による
(大麻事犯における検挙人員の推移(年齢別))
厚生労働省では、安全な社会を実現するため、薬物乱用を未然に防止する積極的な広報・啓発、薬物事犯の取り締まりを行っています。
 

薬物乱用を未然に防止するための広報・啓発

薬物乱用とは、「決められたルールを守らないで、薬物を使用すること」です。
薬物やその原材料の取り扱いは、麻薬及び向精神薬取締法などの法律によって厳しくルールが定められています。
1回でもルールを守らず使用すれば薬物乱用になります。

薬物乱用は、人間が生活していくために最も大切な「脳」に悪影響を与えます。脳は20歳頃まで成長すると言われ、特に小学生、中学生、高校生は、心身ともに急速に発達する時期です。
こうした大切な時期に薬物を乱用すると、「感情のコントロールが効かなくなる」、「意欲がなくなる」、「怒りっぽくなる」など、心身の発達が損なわれてしまい、家族や友達とのコミュニケーションもできなくなってしまうことがあります。「1回でも乱用してはいけない」という意識を常に持つことが大切です。

また、薬物乱用は身近に潜んでいます。例えば、薬物が密売される手段として使われているのがSNSです。大麻を意味する隠語や絵文字などが使われ、大麻の購入を促す内容が多く投稿されています。
そのような投稿を見つけても誘いに乗らないようにすることが重要です。
また、海外旅行先でお土産品として売られているチョコレートやクッキー、キャンディーなどの中に大麻が含まれていることもあります
知らずに持ち込んで検挙されたり、お土産としてもらった食品を口にして健康被害を受けたりしたケースもありますので注意が必要です。
こうした製品の多くは、パッケージなどに「Cannabis(英:大麻)」という文字や大麻の葉の絵が描かれているので、よく確かめる必要があります。

厚生労働省では、こうした薬物乱用の危険性・有害性を正しく認識していただけるように、薬物乱用の基礎知識、具体的な危険性・有害性、誘われたときの対応方法などを分かりやすく伝えています。  

薬物事犯の取り締まり

厚生労働省の地方支分部局である地方厚生(支)局に、日本で唯一の薬物専門の取締機関「麻薬取締部」があります。
麻薬取締部では、薬物事犯の取り締まりをはじめ、主に次のような業務を行っています。

1)捜査
麻薬及び向精神薬取締法などで規制された禁止事項に違反した「薬物事犯」について、情報収集、被疑者の内偵、家宅捜索(ガサ)、被疑者の逮捕、被疑者の取り調べといった一連の活動を行っています。捜査によって集めた証拠は、裁判で使用されます。

2)鑑定
最新の分析機器を駆使して捜査で集めた証拠品を分析し、どんな薬物であるか等を特定します。近年、さまざまな薬物が登場しており、正確に鑑定することは捜査を行う上で非常に重要です。鑑定なくして捜査はできない状況となっています。

3)正規麻薬等の不正流通防止
麻酔薬など医薬品として使用されている麻薬等が不正に流通しないように、免許・許可に関する業務を行うとともに、立入検査などを行い監督・指導を行っています。

4)国際協力
世界各国の取締機関と薬物の取り締まりに関する情報を交換したり、薬物に関する国際会議に参加するなど、薬物の取り締まりに関して積極的に国際的なアプローチを行っています。

5)再乱用防止・中毒者対策
保護観察の付かない執行猶予判決を受けた方等を対象に、関係機関等と連携しながら、再乱用防止プログラムを提供しています。

6)薬物乱用防止の啓発活動
関係機関、都道府県、地域ボランティア団体と連携しながら、薬物乱用の基礎知識、具体的な危険性・有害性等について専門的な知識を活かした啓発活動を行っています。
 


麻薬取締部は、昨年、海上保安庁、税関と連携して粘り強い捜査を行い、違法薬物の一度の押収量として過去最大量となる大麻約1トンを発見・摘発し、国内での拡散を阻止しました。今後も、関係機関と連携しながら、薬物事犯の取り締まりを徹底し、国民の皆さまの暮らしと健康を守ります。