健康・医療エムポックスに関するQ&A
エムポックスに関するQ&A
(第3版 令和6年10月7日作成)
エムポックスについて、国立感染症研究所が作成した資料「複数国で報告されているエムポックス Q&A (第 2 版) 」に基づき、解説します。
- 1.病原体・感染経路などについて
- Q1_1. 「エムポックス」とは何ですか?
- Q1_2. エムポックスウイルスとは何ですか?
- Q1_3. エムポックスはどこの地域で発生していますか?
- Q1_4. 今回(2024年)の流行は、以前(2022年に)話題になった流行の続きですか?
- Q1_5. なぜこの感染症は「サル痘」と呼ばれていたのですか?
- Q1_6. 動物からヒトに感染しますか?
- Q1_7. ヒトからヒトへはどのように感染しますか?
- Q1_8. 子どもも感染しますか?
- 2.症状について
- Q2_1. どのような症状がありますか?
- Q2_2. 感染した場合、死亡する可能性はありますか?
- Q2_3. エムポックスを疑う症状があらわれたときは、どうしたらよいですか?
- 3.国内外の状況について
- Q3_1. 「渡航者の感染であるかどうか」がよく報道されるのはなぜですか?
- Q3_2. 日本国内の状況は、どうなっていますか?
- Q3_3. 国立感染症研究所はどのような取り組みを行っていますか?
- 4.予防について
- Q4_1. 何に気を付けたら良いですか?
- Q4_2. 同居する家族がエムポックスに感染してしまったら、家庭内で感染を広げないために、何に気を付けたら良いですか?
- Q4_3. エムポックスにワクチンはありますか?
- Q4_4. 天然痘ワクチンを打った世代であれば、エムポックスの感染は心配要りませんか?
- Q4_5. 動物を飼育していますが、何か注意することはありますか?
- Q4_6. 動物園や動物とのふれあいは避けなければいけませんか?
- 5.治療、検査、調査などについて
- Q5_1. 治療方法はありますか?
- Q5_2. 医療機関を受診して、エムポックスの感染が疑われる場合、どんな検査を受けることになりますか?
- Q5_3. エムポックスの疑いで医療機関を受診した場合や、入院した場合、費用が掛かりますか?
- Q5_4. エムポックスのグループ(クレード)の違いで、検査や治療の仕方は変わりますか?
-
1.病原体・感染経路などについて
Q1_1 エムポックスとは何ですか?
- ウイルスによる感染症です。発疹、発熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどが典型的な症状です。
感染から通常7~14日(短い場合5日、長い場合21日のこともある)の潜伏期間(感染してから症状があらわれるまでの期間)の後、多くは2~4週間ほど症状が続いた後自然に回復しますが、稀に重症化することがあります。
なお、エムポックスにはヒトと動物が感染しますが、ここではヒトのエムポックスについて説明しています。
2022年までは、主に中央アフリカと西アフリカ地域で、動物からヒト、またはヒトからヒトへの感染が報告されてきました。これらウイルスの常在地域以外では、輸入感染症例(常在地域からの渡航者や、常在地域から輸入された動物による感染)や、それらの接触者などでの感染の報告に限られていました。
2022年5月以降、常在地域以外での国際的な流行が2回起こっています。常在地域以外の、日本を含む国や地域から、主にヒトからヒトへの感染と考えられる症例が報告されています。 - 流行状況については、「Q1_3. エムポックスはどこの地域で発生していますか?」「Q3_2. 日本国内の状況は、どうなっていますか? 」をご参照ください。
Q1_2 エムポックスウイルスとは何ですか?
- エムポックスウイルスは、オルソポックスウイルス属に分類されるウイルスです。
オルソポックスウイルス属には天然痘(痘そう)ウイルスなども含まれますが、エムポックスウイルスと天然痘ウイルスは別のウイルスです。
動物とヒトの両方に感染します。主に中央アフリカや西アフリカ地域のげっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)がエムポックスウイルスを保有していると考えられています。 - エムポックスウイルスは、大きく2つのグループに分かれており、中央アフリカに常在するウイルスがクレードI、西アフリカに常在するウイルスがクレードIIと呼ばれています。
- 詳細は以下のページをご参照ください。
国立感染症研究所 「エムポックスとは」
Q1_3 エムポックスはどこの地域で発生していますか?
- これまで常在地域以外では、輸入感染症例(常在地域からの渡航者の感染や、常在地域から輸入された動物による感染)やこれに関連する報告に限られていました。
2022年5月以降、それ以前から感染が続いてきた常在地域(主に中央アフリカ、西アフリカ地域)に加え、それまで報告の無かった国や地域で感染が報告されています。
エムポックスウイルスは、大きく2つのグループに分かれており、中央アフリカに常在するウイルスがクレードI、西アフリカに常在するウイルスがクレードIIと呼ばれています。国や地域によって、感染が報告されているクレードに違いがあります。
〇クレードIIについて
2022年5月以降のヨーロッパやアメリカ大陸などを中心とした流行では、クレードIIに属するウイルス(クレードIIb)が主に報告されています。世界的な感染のピークは過ぎましたが、一部の国や地域では流行が続いており、日本でも散発的に報告があります。
なお、クレードIIは、クレードIに比べて重症化しにくいと言われています。
〇クレードIについて
2023年に、コンゴ民主共和国でクレードIによる過去最大の感染者数と死亡者数が報告されました。2024年7月以降、クレードIに属するウイルス(クレードIb)が、それまで感染の報告がなかった常在地域の東側の国々に広がり始めており、アフリカ大陸での人の往来によって、国境を越えた感染が広がることが危惧されています。
アフリカ以外の地域からは、スウェーデン、タイなどから、渡航歴のある方の感染報告がありますが、現時点(2024年9月26日)ではアフリカ大陸以外でヒトからヒトへの感染の連鎖は報告されていません。
日本では、クレードIの感染報告は現時点(2024年9月26日)ではありません。
※クレードIbに属さないクレードIは、クレードIaと表記されることがあります。 - 図:クレード別エムポックスウイルスが検出された国・地域(渡航歴のある方を含む)(2022年1月1日~2024年9月22日)
出典:2022-24 Mpox Outbreak: Global Trends. Geneva: World Health Organization, 2024. https://worldhealthorg.shinyapps.io/mpx_global/ (最終閲覧日:2024年9月26日). - 発生地域の最新の情報は以下のウェブサイトなどが参考になります。
米国疾病予防管理センター(CDC)
WHO
厚生労働省「エムポックスについて」
Q1_4 今回(2024年)の流行は、以前(2022年に)話題になった流行の続きですか?
- どちらもエムポックスですが、異なる常在地域で発生していたものによる流行です。
2022年以降のクレードIIの流行は、欧米を中心に、男性間の性的接触による感染の連鎖が多く報告されてきました。
一方で、2024年にアフリカ大陸を中心に拡大が懸念されているクレードIの流行は、性的接触などの濃厚接触による感染の報告も多くありますが、特定の性別や性的指向に偏った感染の報告は現時点ではされていません。また、家庭内感染も報告されています。現地で収集できる情報に限りがあり、実際のところまだわからないことが多い状況です。
なお、2022年に流行したクレードIIについても、流行のピークを過ぎて感染者数が減少しているものの、各国で感染が続いています。 - 詳細は、「Q1_3. エムポックスはどこの地域で発生していますか?」をご参照ください。
Q1_5 なぜこの感染症は「サル痘」と呼ばれていたのですか?
- この感染症の原因ウイルスは、1958年に研究用に飼育されていたサルの集団で初めて確認されたために「サル痘ウイルス」と呼ばれ、その感染症が「サル痘」と呼ばれていました。
常在する地域では、げっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)がウイルスを保有していると考えられています。その後、1970年に初めてヒトでも感染が報告されました。
WHOは感染症の名称について、差別的な表現などが見られたことを理由として、1年の移行期間を置いて”monkeypox”から”mpox”へと変更を行うことを2022年11月28日に発表しました。それを受け、日本でも2023年5月26日に「サル痘」から「エムポックス」へと名称が変更されました。ウイルスの名称は引き続き「モンキーポックスウイルス」が使用されていますが、ここでは通称として「エムポックスウイルス」と表記しています。
Q1_6 動物からヒトに感染しますか?
- エムポックスが常在している中央アフリカや西アフリカ地域では、げっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)などの動物からの感染が、主な感染経路として報告されてきました。
これらの地域で感染している動物と接触したり、かまれたり、野生動物の肉を調理したり、加熱が不十分な状態で食べたりすることで、動物からヒトへ感染する可能性があります。
なお、これまで日本国内ではエムポックスに感染した動物の報告はありません(2024年10月3日時点)。 - 動物に関する注意事項については、「Q4_5. 動物を飼育していますが、何か注意することはありますか?」「Q4_6. 動物園や動物とのふれあいは避けなければいけませんか?」も参照してください。
Q1_7 ヒトからヒトへはどのように感染しますか?
- 感染している方の発疹、カサブタ、体液や血液に触れること、性的な接触(口の中、肛門、性器との接触を含む)、近距離での対面で飛沫に長時間さらされること、感染している方の使用した寝具や器具などに触れることなどが、主な感染経路だと考えられています。
Q1_8 子どもも感染しますか?
- 子どもも感染します。また、子どもでは重症化しやすいことが知られています。
2022年以降に起こった欧米を中心とした流行では、子どもの感染の報告は限られており、2024年6月30日時点で、年齢の情報が得られた方92,844例のうち、0~17歳の子どもは1,161例(1.3%)でした。
2023年以降のアフリカ大陸を中心とした流行では、家庭内感染などによって、報告された感染者の過半数が子どもである国もあります。
2.症状について
Q2_1 どのような症状がありますか?
- 水ぶくれを伴う発疹に加え、多くの場合、発熱、寒気、倦怠感(だるさ)、リンパ節の腫れ、頭痛、筋肉痛などの全身の症状があらわれます。
発疹は、最初は平坦ですが、内部に液体や膿がたまって膨れてくることがあります。膨れた発疹はカサブタができ、最終的にはカサブタの下で新しい皮膚ができた後、カサブタが剥がれ落ちます。
多くの場合2~4週間ほど症状が続いた後自然に回復しますが、稀に重症化することがあります。
潜伏期間(感染してから症状があらわれるまでの期間)は通常7~14日(短い場合5日、長い場合21日のこともある)とされています。 - 中央アフリカや西アフリカなどのエムポックスが常在する地域からは、発熱などの全身症状が見られ、その後に全身に発疹があらわれる症例が多く報告されています。一方で、2022年5月以降の流行では、「発疹が発熱などの全身症状よりも先に見られる」「発疹が性器や肛門周辺に限ってあらわれる」「発疹以外の症状を伴わない」など、これまでに知られていた状況とは異なる症状も報告されています。
皮膚や粘膜の症状については、国立感染症研究所の以下のページをご参照ください。
国立感染症研究所 「エムポックスとは」
Q2_2 感染した場合、死亡する可能性はありますか?
- 多くの場合2~4週間で自然に回復します。ただし、小児、妊婦、免疫不全者などが感染すると重症化しやすい傾向があります。
エムポックスウイルスは、クレードIとクレードIIの2つのグループに分類されており、クレードIIの方が重症化しにくいとされています。
〇クレードIIについて
エムポックスが常在している地域以外での死亡例は限られていますが、日本でもHIV感染によって免疫が下がっていた方の死亡例が1例報告されています。
〇クレードIについて
2023年以降に大きな流行が起こっているコンゴ民主共和国では、2023年の致命率4.5%、2024年の致命率3.2%(8月16日時点)と報告されています。
なお、致命率などの数字については、日本国内でも同様の水準になるとは限らないことに注意が必要です。例えば、医療へのアクセスが整っていないなど、医療や検査を受けていない軽症の方が多くなる環境では、症状の重い方に偏って感染が把握されるため、致命率などの数字が実際よりも高く計算される可能性が高まります。
Q2_3 エムポックスを疑う症状があらわれたときは、どうしたらよいですか?
- ご自身にエムポックスの疑いがある症状があらわれた場合で(「Q2_1. どのような症状がありますか?」を参照してください)、特に以下に当てはまる場合には、医療機関に「エムポックスの可能性がある」ことを伝えてご相談ください。
・エムポックスに感染している方との接触があった
・不特定多数との性的接触があった
・流行国へ渡航し、性的接触があった
・流行国へ渡航し、病院や家庭などで患者や皮疹のある方との接触があった
なお、医療機関を受診する際には、事前に医療機関に連絡をし、マスクの着用、発疹部位をガーゼなどでおおうなどの対策をしてください。
また、エムポックスの発疹が完全に治まり、カサブタが落ちるまでの間は、他の方に感染させてしまう可能性があります。医療機関や保健所の助言に従い、他の人との接触を避けるようにしてください。
現時点では、ヒトから動物への感染が起こるかどうかは不明なので、哺乳類、特にげっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)との接触も避けるようにしてください。
3.国内外の状況について
Q3_1 「渡航者の感染であるかどうか」がよく報道されるのはなぜですか?
- 海外で感染した渡航者(やその接触者)がその国で探知されただけなのか、そうではない事例の報告があるのかで、その国での感染リスクが異なります。
海外で感染した方が、国内で探知されただけであれば(その方を起点として感染の連鎖が起こっていない場合や、接触のあった方が把握できている場合)、国内に病原体が広まっている可能性が大きく変わるわけではありません。
渡航者と関連のない感染が把握されたときには、国内で感染の連鎖が起こっている可能性が高いと考えられます。
Q3_2 日本国内の状況は、どうなっていますか?
- 国内の発生状況については、以下のページをご参照ください。
厚生労働省「エムポックスについて」
Q3_3 国立感染症研究所はどのような取り組みを行っていますか?
- 国内外の発生例の情報を収集し、症例から得られる知見の収集と分析を進めています。
国立感染症研究所では、以下にエムポックスの情報をまとめています。
国立感染症研究所 「エムポックス」
4.予防について
Q4_1 何に気を付けたら良いですか?
- 最新の正確な情報をご確認ください。
国内の発生状況や、エムポックスの詳細については、以下のページをご参照ください。
厚生労働省「エムポックスについて」
国立感染症研究所 「エムポックス」
エムポックスは、感染している方の発疹、カサブタ、体液や血液に触れること、性的な接触(口の中、肛門、性器との接触を含む)、近距離での対面で飛沫に長時間さらされること、感染している方の使用した寝具や器具などに触れることなどによって感染が起こる可能性があります。エムポックスに感染している方や感染が疑われる方とは、上記の接触を避けるようにしてください。
〇エムポックスが流行している国・地域に渡航する場合
上記に加えて、以下のウェブサイトなども参考に、最新の発生状況にご注意ください。
厚生労働省検疫所
外務省 海外安全ホームページ
米国疾病管理予防センター(CDC)
世界保健機関(WHO)
〇エムポックスが常在する国や地域(主に中央アフリカ、西アフリカ地域)に渡航する場合
現地では、野生動物、特にげっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群) との接触を避けてください。加熱が十分でない動物の肉を食べることも、避けてください。これらの国や地域は、動物がエムポックスウイルスを保有していることが知られています。
Q4_2 同居する家族がエムポックスに感染してしまったら、家庭内で感染を広げないために、何に気を付けたら良いですか?
- 同居する家族などがエムポックスと診断された場合には、以下の点に注意してください。
・直接の接触について
エムポックスに感染している方の顔や肌に直接触れないようにしてください。
・共有を避けた方が良いもの
エムポックスに感染している方との食器や寝具、タオルなどの共有、食べ物の口移しなどは避けてください。
・洗濯について
エムポックスに感染している方が使ったリネンや衣類などは、直接触らないように使い捨て手袋をして扱い、洗濯機に入れてください。扱う際や運ぶ際には、換気をし、払ったりはせずにそっとポリ袋などの容器に入れてください。石けんや洗剤を使った洗濯をすれば、リネンや衣類などは再利用可能です。リネンや衣類などを扱った後は、手袋をぬぎ、その後手指衛生(流水と石けんによる手洗い、又は擦式アルコール性手指消毒薬での消毒)を行ってください。
なお、世界保健機関(WHO)では、洗濯の際には60度以上の温かい水の使用が推奨されています。
・掃除について
ベッド、トイレ、エムポックスに感染している方が接触した場所(家具や床など)は、換気をし、使い捨て手袋をして掃除し、その後消毒薬で拭いてください。作業の後には、手袋をぬぎ、その後石けんを使ってよく手を洗ってください。
・食器などの洗浄について
エムポックスに感染している方が使用した食器類や調理器具類については、石けんや洗剤を使って洗浄したあと、再利用可能です。
Q4_3 エムポックスにワクチンはありますか?
- 天然痘ワクチンにはエムポックスの予防効果があると考えられています。
現時点では、国内でエムポックスの予防を目的とした接種は一般的には行われていませんが、エムポックスに感染している方との接触者を対象とした臨床研究での接種が実施されています。
なお、天然痘ワクチンは、天然痘が撲滅された現在では通常は接種されておらず、日本の1976年生まれよりも若い世代は、天然痘ワクチンの接種歴がありません。
Q4_4 天然痘ワクチンを打った世代であれば、エムポックスの感染は心配要りませんか?
- 欧州の調査で、幼少期に天然痘ワクチンを接種した方がある程度の免疫力を保有している可能性を示す結果がありますが、結果に個人差が大きく、十分な知見が集まってはいない段階です。
また、ワクチンには感染や発症のリスクを下げることが期待できますが、ワクチンの効果だけで100%の感染予防が期待できるものではないことにも注意が必要です。
Q4_5 動物を飼育していますが、何か注意することはありますか?
- エムポックスに限らず、動物からヒトに感染するその他の病気(動物由来感染症)の予防のため、動物との過度なふれあいを避けることや、手洗いの実施などの基本的な衛生対策を普段から心がけてください。
また、ご自身にエムポックスの疑いがある症状(「Q2_1. どのような症状がありますか?」を参照してください)が出ている場合は、飼育している哺乳類、特にげっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)との接触はできるだけ避けてください。
Q4_6 動物園や動物とのふれあいは避けなければいけませんか?
- エムポックスが常在する国や地域(主に中央アフリカ、西アフリカ地域)に渡航する際には、野生動物との接触を避けてください。
また、ご自身にエムポックスの疑いがある症状が出ている場合は、哺乳類、特にげっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)との接触はできるだけ避けてください。
5.治療、検査、調査などについて
Q5_1 治療方法はありますか?
- 症状に応じた治療が行われます。多くの場合は、発症から2~4週間で回復します。
小児、妊婦、免疫が低下している方などで重症化することがあります。
なお、欧州・米国等で承認されている治療薬は日本国内で流通していませんが、臨床研究でエムポックスの患者を対象に投与出来る体制が構築されています。
Q5_2 医療機関を受診して、エムポックスの感染が疑われる場合、どんな検査を受けることになりますか?
- 医療機関で、発疹などの病変部位から検査検体を採取し、地方衛生研究所や国立感染症研究所でエムポックスウイルスの検査(PCR)を行います。
Q5_3 エムポックスの疑いで医療機関を受診した場合や、入院した場合、費用が掛かりますか?
- 一般的な保険診療として、診察、検査、治療、入院などに関する費用が、自己負担の割合に応じて発生します。
Q5_4 エムポックスのグループ(クレード)の違いで、検査や治療の仕方は変わりますか?
- 国立感染症研究所が公開している診断法で、クレードの違いによらず検出できることが確認されています。
治療薬、ワクチンに関しては、2022年以降に世界的に流行したクレードIIでの知見から、クレードIにも効果が期待されていますが、現時点では情報の収集が求められている段階です。
- ウイルスによる感染症です。発疹、発熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどが典型的な症状です。