健康・医療サル痘に関するQ&A

サル痘に関するQ&A

(第1版 令和4年10月28日作成)

2022年5月以降、欧米を中心に患者の発生が報告されているサル痘について、国立感染症研究所が作成した資料等に基づき、解説します。

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一般の方向け

問1 サル痘とは何ですか?

  • サル痘ウイルスによる動物由来感染症で、ヒトと動物が感染します。
    感染から通常7~14日(短い場合5日、長い場合21日のこともある)の潜伏期間(感染してから症状があらわれるまでの期間)の後、典型的には発疹、発熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。多くは2~4週間ほど症状が続いた後自然に回復しますが、稀に重症化することがあります。

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問2 サル痘ウイルスとは何ですか?

  • サル痘ウイルスは、オルソポックスウイルス属に分類されるDNAウイルスです。オルソポックスウイルス属にはそのほかに天然痘(痘そう)ウイルスなどが含まれますが、サル痘ウイルスと天然痘ウイルスは別のウイルスです。

  • 動物とヒトの両方に感染します。主に中央アフリカや西アフリカ地域のげっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)がサル痘ウイルスを保有していると考えられています。
  • サル痘ウイルスは大きく分けてコンゴ盆地系統群と西アフリカ系統群の2種類の遺伝的系統群があり、西アフリカ系統群はコンゴ盆地系統群に比べて重症化しにくいと言われています。2022年5月以降のヨーロッパやアメリカ大陸などでの流行では、西アフリカ系統群が主に報告されています。

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問3 サル痘はどこの地域で発生していますか?

  • サル痘の常在地域(主に中央アフリカ、西アフリカ地域)での感染が以前から報告されています。サル痘の常在地域以外では、輸入感染症例(常在地域への渡航者の感染や、常在地域から輸入された動物の感染)の報告と、輸入感染症例に関連する報告に限られていました。しかし、2022年5月以降、サル痘の常在地域以外の地域(主にヨーロッパ、アメリカ大陸などの一部)でヒトからヒトへの感染が多数報告されています。世界保健機関(WHO)によると、2022年1月から2022年10月17日までに全世界で73,437例が報告され、そのうち64.3%(47,215例)がWHOアメリカ地域からの報告で、その次にWHOヨーロッパ地域(25,056例)などで報告されています。
    日本国内でも確定診断の報告があります。
    なお、最新のサル痘の発生状況は、WHO(世界保健機関) 2022 Monkeypox Outbreak:Global Trends
    (英語)https://worldhealthorg.shinyapps.io/mpx_global/で確認することができます。

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問4 なぜこの感染症はサル痘と呼ばれているのですか?

  • この感染症の原因ウイルスは、1958年に研究用に飼育されていたサルの集団で初めて確認されたため、サル痘ウイルスと呼ばれています。常在する地域では、げっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)がウイルスを保有していると考えられています。
    その後、1970年に初めてヒトでも感染が報告されました。 

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問5 どのようにしてサル痘に感染するのですか?

  • サル痘が常在している中央アフリカや西アフリカ地域のげっ歯類(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)がサル痘ウイルスを保有していると考えられています。これらの地域で感染している動物と接触したり、かまれたり、野生動物の肉を調理したり、加熱が不十分な肉を食べたりすることで動物からヒトへ感染する可能性があります。
  • 感染している方の発疹、カサブタ、体液や血液に触れること、性的な接触(口の中、肛門、性器との接触を含む)、近距離での対面で飛沫に長時間さらされること、感染している方の使用した寝具や器具などに触れることなどによって、ヒトからヒトへの感染が起こる可能性があります。

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問6 どのような症状がありますか?

  • 水ぶくれを伴う発疹に加え、多くの場合、発熱、寒気、倦怠感(だるさ)、リンパ節の腫れ、頭痛、筋肉痛などの全身の症状があらわれます。
    発疹は、最初は平坦ですが、内部に液体や膿がたまって膨れてくることがあります。膨れた発疹はカサブタができ、最終的にはカサブタの下で新しい皮膚ができた後、カサブタが剥がれ落ちます。
    多くの場合2~4週間ほど症状が続いた後自然に回復しますが、稀に重症化することがあります。
    潜伏期間(感染してから症状があらわれるまでの期間)は通常7~14日(短い場合5日、長い場合21日のこともある)とされています。
  • 中央アフリカや西アフリカなどのサル痘が常在する地域からは、発熱などの全身症状が見られ、その後に全身に発疹があらわれる症例が多く報告されています。一方で、2022年5月以降の流行では、「発疹が発熱などの全身症状よりも先に見られる」「発疹が性器や肛門周辺に限ってあらわれる」「発疹以外の症状を伴わない」など、これまでに知られていた症状とは異なる報告も見られます。何らかの理由で(例えば感染経路の違いなどで)症状に違いがある可能性が指摘されています。

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問7 サル痘の症状が現れたときどうすればよいですか?

  • ご自身にサル痘の疑いがある症状(問6を参照してください)があらわれた場合(特に、サル痘に感染している方との接触や、不特定多数との性的接触があった後など)には、医療機関に「サル痘の可能性がある」ことを伝えてご相談ください。
  • なお、医療機関を受診する際には、マスクの着用、発疹部位をガーゼなどでおおうなどの対策をしてください。
  • また、サル痘の発疹が完全に治まり、カサブタが落ちるまでの間は、他の方に感染させてしまう可能性があります。医療機関や保健所の助言に従い、他の人との接触を避けるようにしてください(どの程度の期間で他の方への感染が起こらなくなるかの詳細は、現時点で調査中です)。

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問8 何に気をつけたらよいですか?

  • サル痘は、感染している方の発疹、カサブタ、体液や血液に触れること、性的な接触(口の中、肛門、性器との接触を含む)、近距離での対面で飛沫に長時間さらされること、感染している方の使用した寝具や器具などに触れることなどによって、ヒトからヒトへの感染が起こる可能性があります。サル痘に感染している方や感染が疑われる方とは、上記の接触を避けるようにしてください。
  • サル痘が常在する国や地域(主に中央アフリカ、西アフリカ地域)に渡航する場合これらの国や地域は、動物がサル痘ウイルスを保有していることが知られています。現地では、野生動物、特にげっ歯類;;">(ネズミやリスなどが含まれる動物の分類群)との接触を避けてください。加熱が十分でない動物の肉を食べることも、避けてください。

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問9 治療方法はありますか?

  • 症状に応じた治療が行われます。多くの場合は、発症から2~4週間で回復します。
    小児、妊婦、免疫不全者などで重症化することがあります。
    なお、サル痘ウイルスに効果のある治療薬は日本国内で流通していませんが、臨床研究でサル痘の患者を対象に投与出来る体制が構築されています。

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問10 ワクチンはありますか?

  • 天然痘ワクチンにサル痘の予防効果があると考えられています。現時点の国内では、サル痘の予防を目的とした接種は一般的にはされていませんが、サル痘に感染している方との接触者を対象とした臨床研究での接種がされています。
  • なお、天然痘ワクチンは、天然痘が撲滅された現在では通常は接種されておらず、日本の1976年生まれよりも若い世代は、天然痘ワクチンの接種歴がありません。

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問11 医療機関を受診して、サル痘の感染が疑われる場合、どのような検査を受けることになりますか?

  • 医療機関で、発疹などの病変部位から検査検体を採取し、地方衛生研究所または国立感染症研究所でサル痘ウイルスの検査(PCR)を行います。

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