健康・医療興行場法の概要
厚生労働省 健康・生活衛生局 生活衛生課
興行場法(昭和23年7月法律第137号)
- 1定義
興行場は「映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸又は観せ物を、公衆に見せ、又は聞かせる施設」と定義されているが、これらの営業を行う場合には、興行場法に基づき都道府県知事の許可を得なければならない。 - 2適用
具体的に興行場法の適用を受ける興行場は、映画館、劇場、寄席、音楽堂、野球場、見世物小屋等の施設である。なお、業として映画等を上映しない場合は、興行場法の適用はない。業とは反復継続の意思をもって行われることで、社会性は必要であるが、営利性は必要ではない。したがって、家族・友人のみを対象にしたものは含まれないが、会社の福利厚生施設として映画鑑賞室を設けた場合のように無料であっても対象となるものがある。
なお、集会所等であってもおおむね月に5回以上映画の上映等を行う場合には興行場の許可が必要となる。
また、近年、遊園地等で様々なパビリオンが設けられているが、興行場の定義に該当するような施設については興行場法が適用となる。なお、船や可動式の椅子、車等に乗って室内に設けられた風景・人形等を観覧するものは興行場であるが、ジェットコースター等乗り物の臨場感・スピード感を高めるため風景等が設けられているにすぎないものは興行場ではない。
飲食店に設置されたテレビ等単なる客寄せの手段に過ぎないものは、興行場ではない。また、カラオケボックスのように本人が歌うことを目的とした施設も興行場ではない。 - 3 営業の許可
業として興行場を経営するものは、都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)の許可を受ける必要がある。
興行場の許可は、都道府県の条例で定める構造設備基準に従っていなければならない。
興行場の運営は、都道府県の条例で定める換気、照明、防湿、清潔等の衛生基準に従っていなければならない。 - 4 環境衛生監視員
興行場が衛生基準に従って運営されているかどうか、都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)は、立ち入り検査をすることができる。この業務は環境衛生監視員が行う。 - 5 許可取消又は停止
都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)は、都道府県の条例で定める構造設備基準又は都道府県の条例で定める衛生基準に反するときは、許可の取消又は営業の停止を命ずることができる。この場合、公開の聴聞を開かなくてはならない。