新型コロナウイルス感染症への対応について(在宅介護家族の皆さまへ)

在宅介護家庭の皆さま向けQ&A

1.家庭の生活に関する事項

問1 5月4日に専門家会議で提言された「新しい生活様式」とは何ですか?

  長期間にわたって感染拡大を防ぐために、飛沫感染や接触感染、さらには近距離での会話への対策を、これまで以上に日常生活に定着させ、持続させなければなりません。それを「新しい生活様式」と呼ぶこととし、具体的な実践例は以下にある通りです。


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2.感染拡大防止に関する事項

問1 感染を予防するために注意することはありますか。心配な場合には、どのように対応すればよいですか?

 感染を予防するためには、基本的な感染予防の実施や不要不急の外出の自粛、「3つの密」を避けること等が重要です。
 これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていない一方で、一定の条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。集団感染が生じた場の共通点を踏まえると、特に、1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、2.密集場所(多くの人が密集している)、3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や共同行為が行われる)という3つの条件のある場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。

3つの密を避けるための手引き
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html#c5

 また、これ以外の場であっても、人混みや近距離での会話、特に大きな声を出すことや歌うことにはリスクが存在すると考えられています。激しい呼気や大きな声を伴う運動についても感染リスクがある可能性が指摘されています。多くの場合、ライブハウス、スポーツジム、医療機関、さらに最近になって繁華街の接待を伴う飲食店等におけるクラスターでの感染拡大が指摘されています。

 なお、喫煙に関しては、
・本年4月から、望まない受動喫煙を防止するための改正健康増進法が全面施行され、原則屋内禁煙となっています。事業者は、屋外喫煙所や屋内の喫煙専用室を設けることも可能ですが、これらの場所では距離が近づかざるを得ない場合があるため、会話や、携帯電話による通話を慎むようお願いします。
注)詳しくはこちら

・また、WHOのステートメントによれば、WHOが2020年4月29日に招集した専門家によるレビューにおいて、喫煙者は非喫煙者と比較して新型コロナウイルスへの感染で重症となる可能性が高いことが明らかになったことなどが報告されています(WHO statement: Tobacco use and COVID-19 (2020年5月11日公表))。
https://www.who.int/news-room/detail/11-05-2020-who-statement-tobacco-use-and-covid-19


 新型コロナウイルス感染症は、一般的な状況における感染経路の中心は飛沫感染及び接触感染ですが、閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等の症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。また、無症状の者からの感染の可能性も指摘されており、油断は禁物です。
 人と人との距離をとること(Social distancing; 社会的距離)、外出時はマスクを着用する、家の中でも咳エチケットを心がける、さらに家やオフィスの換気を十分にする、十分な睡眠などで自己の健康管理をしっかりすることで、自己のみならず、他人への感染を回避するとともに、他人に感染させないように徹底することが必要です。

 これらの状況を踏まえ、「3つの密」の回避、マスクの着用、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒の励行などをお願いします。

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問2 家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、家庭でどんなことに注意すればよいでしょうか?

 ご本人は外出を避けてください。ご家族、同居されている方も熱を測るなど、健康観察をし、不要不急の外出を避け、特に咳や発熱などの症状があるときには、職場などには行かないようにしてください。
 ご家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合には、同居されているご家族は以下の8点にご注意ください(詳しくは、一般社団法人日本環境感染症学会とりまとめをご参照ください。)。

1.部屋を分けましょう
 個室にしましょう。食事や寝るときも別室としてください。
 子どもがいる方、部屋数が少ない場合など、部屋を分けられない場合には、少なくとも2mの距離を保つこと、仕切りやカーテンなどを設置することをお薦めします。寝るときは頭の位置を互い違いになるようにしましょう。

2.感染が疑われる家族のお世話はできるだけ限られた方で
 心臓、肺、腎臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下した方、妊婦の方などが、感染が疑われる家族のお世話をするのは避けてください。

3.マスクをつけましょう
 使用したマスクは他の部屋に持ち出さないでください。
 マスクの表面には触れないようにしてください。マスクを外す際には、ゴムやひもをつまんで外しましょう。マスクを外した後は必ず石鹸で手を洗ってください(アルコール手指消毒剤でも可)。 マスクが汚れたときは、新しい清潔な乾燥マスクと交換してください。マスクがないときなどに咳やくしゃみをする際は、ティッシュ等で口と鼻を覆いましょう。

4.こまめに手を洗いましょう こまめに石鹸で手を洗いましょう。アルコール消毒をしましょう。洗っていない手で目や鼻、口などを触らないようにしてください。

5.換気をしましょう
 風の流れができるよう、2方向の窓を、1回、数分間程度、全開にしましょう。換気回数は毎時2回以上確保しましょう。
 
6.手で触れる共有部分を消毒しましょう
 物に付着したウイルスはしばらく生存します。ドアの取っ手やノブ、ベッド柵など共有部分は、薄めた市販の家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、水拭きしましょう。亜塩素酸水を用いる場合は、対象物を拭いた後、水気をふき取って乾燥させて下さい。
 ※家庭用塩素系漂白剤は、主成分が次亜塩素酸ナトリウムであることを確認し、濃度が0.05%(製品の濃度が6%の場合、水3Lに液を25㎖)になるように調整してください。 トイレや洗面所は、通常の家庭用洗剤ですすぎ、家庭用消毒剤でこまめに消毒しましょう。タオル、衣類、食器、箸・スプーンなどは、通常の洗濯や洗浄でかまいません。感染が疑われる家族の使用したものを分けて洗う必要はありません。 洗浄前のものを共有しないようにしてください。特にタオルは、トイレ、洗面所、キッチンなどで共有しないように注意してください。
 ※亜塩素酸水は、1.清拭する場合、遊離塩素濃度5ppm(5mg/L)(※キッチン、バス、トイレなどには、遊離塩素濃度10ppm(10mg/L))以上の亜塩素酸水をペーパータオル等に染み込ませてから対象物を清拭(拭いた後数分以上置くこと。)してください。その後、水気を拭き取って乾燥させて下さい。2.浸漬する場合、対象物を遊離塩素濃度5ppm(5mg/L)(※キッチン、バス、トイレなどには、遊離塩素濃度10ppm(10mg/L))以上の亜塩素酸水に浸漬(数分以上浸すこと。)し、取り出した後に水気を拭き取って乾燥させてください。3.排泄物やおう吐物等の汚物がある場合、汚物をペーパータオル等で静かに拭き取った上で、汚物のあった場所にペーパータオル等を敷き、その上に遊離塩素濃度100ppm(100mg/L)以上の亜塩素酸水をまきます(数分以上置くこと。)。ペーパータオル等を回収後、残った亜塩素酸水を拭き取って乾燥させてください。


7.汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
 体液で汚れた衣服、リネンを取り扱う際は、手袋とマスクをつけ、一般的な家庭用洗剤で洗濯し完全に乾かしてください。
 ※糞便からウイルスが検出されることがあります。
 
8.ゴミは密閉して捨てましょう
 鼻をかんだティッシュはすぐにビニール袋に入れ、室外に出すときは密閉して捨てください。その後は直ちに手を石鹸で洗いましょう。

 (参考)消毒・殺菌を使う際の注意事項などについては、下記にお示しする各種ホームページで確認してください。また、具体的な用途や使用上の注意については、製品に記載された情報を確認の上、正しくお使いください。

○厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
 
○新型コロナウイルス対策ポスター「身のまわりを清潔にしましょう。」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-2.pdf
 
○新型コロナウイルス対策ポスター「次亜塩素酸水を使ってモノのウイルス対策をする場合の注意事項」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf
 
○【一般社団法人日本環境感染学会ホームページ】
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/dokyokazoku-chuijikou.pdf


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問3 訪問介護事業所等では、どのような感染対策を行っていますか?

社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)
(令和2年4月7日厚生労働省健康局結核感染症課ほか連名事務連絡)にて、具体的な留意点など平時から感染時までの取組について示しています。
 ※(参考)「社会福祉施設等における新型コロナウイルスへの対応に係る事務連絡等」の全体版についてはこちらをご覧ください。

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問4 訪問介護事業所等の感染対策の動画等はありますか?

動画「訪問介護職員のためのそうだったのか!感染対策」について(その2)
(令和2年5月7日厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室ほか連名事務連絡)にて、訪問介護事業所等の職員が居宅を訪問してサービスを提供する際に留意すべき感染防止策をお示ししています

https://www.youtube.com/playlist?list=PLMG33RKISnWj_HIGPFEBEiyWloHZGHxCc



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3.症状がある場合等の相談に関する事項

問1 熱や咳があります。どうしたらよいでしょうか?

 発熱などのかぜ症状がある場合は、仕事や学校を休んでいただき、外出は控えてください。休んでいただくことはご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。そのためには、企業、社会全体における理解が必要です。厚生労働省と関係省庁は、従業員の方々が休みやすい環境整備が大切と考え、労使団体や企業にその整備にご協力いただくようお願いしています。
 咳などの症状がある方は、咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他者に病気をうつす可能性がありますので、咳エチケットを行ってください。
 帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安として、少なくとも以下の条件に当てはまる方は、すぐにご相談ください。

☆ 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
☆ 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
※高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)など)がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方
☆ 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)
 
 ご相談は、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」(地域により名称が異なることがあります。)や、地域によっては、医師会や診療所等で相談を受け付けている場合もありますので、ご活用ください(問2参照)。

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問2 新型コロナウイルス感染症にかかっていないか調べてほしいのですが、どうしたらいいですか?

 帰国者・接触者相談センターやかかりつけ医、地域の相談窓口等にあらかじめ電話でご相談ください。その結果、感染が疑われると判断された場合には、帰国者・接触者外来等を紹介しますので、そこでコロナウイルスの検査を受けることになります。

【検査のフロー】



 なお、帰国者・接触者相談センターはすべての都道府県に設置され、24時間対応していますので、詳しくは、下記のホームページをご覧ください。

帰国者・接触者相談センターページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html


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問3 今回の新型コロナウイルスの影響下で不安を抱えながら自宅でご家族介護をされている方はどこにご相談したらよいでしょうか?

 今回の新型コロナウイルスの影響下で不安を抱えながら自宅でご家族介護をされている方、まずはお近くの地域包括支援センターへご相談ください。
 
■全国の地域包括支援センターの一覧(都道府県のホームページへリンク)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
また、緊急時に介護者の情報を関係者で共有するための様式「緊急引継ぎシート」(一般社団法人日本ケアラー連盟作成)の活用等により、関係者の協力のもと介護者の支援を継続することも考えられます。
 
■新型コロナウイルス感染拡大に伴うケアラーのための緊急情報サイト(一般社団法人日本ケアラー連盟ホームページ)
https://carersjapan.jimdofree.com/新型コロナウイルス関連/
緊急引継ぎシートの様式が掲載されています。ご活用ください。

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