高等植物:スノーフレーク

スノーフレーク

一般名

スノーフレーク、スズランズイセン、オオマツユキソウ

分類

ユリ目 Liliales 、ヒガンバナ科 Amaryllidaceae 、スノーフレーク属 Leucojum
(APG 分類体系ではキジカクシ目、ヒガンバナ科、 スノーフレーク 属 )

学名 Leucojum aestivum L.
生育地

ヨーロッパ中南部原産で、北米東部などでは野生化。耐寒性があって露地栽培が可能なため、日本でも花壇や鉢植えの園芸植物として広く栽培される。 

形態

春咲きの球根植物。鱗茎は直径2.5~4cmの卵形で、2月頃、鞘葉に包まれた4~5枚の葉を出し、幅1.5cm、長さ30~40cmのベルト形に伸長、5月下旬には枯れて休眠に入る。4月上旬、30~40cmの花茎の先に1~4個の花をつける。花は直径1.5cmの釣鐘状で、花被片は白色、先端に緑色の斑点がある。花がスズランに似て、草姿がスイセンに似るのでスズランズイセンという和名がついた。

 
スノーフレークの群生の写真
スノーフレークの群生
スノーフレークの花(花はスズランに似る)の写真
スノーフレークの花(花はスズランに似る)
市販のニラ(左3本)とスノーフレーク(右)の比較の写真
市販のニラ(左3本)とスノーフレーク(右)の比較

(写真提供:富山県中央植物園)
毒性成分 リコリン lycorine 、ガランタミン galanthamine 、タゼチン tazettine などのアルカロイド(スイセンと同様)

化学式
中毒症状 吐き気、嘔吐、頭痛など
発病時期 食後 30 分以内に発症。
発生事例 2014 年 4 月、愛知県日進市の家族 3 人が、自宅近くの空き地に生えていたスノーフレークを採って食べ、軽い嘔吐などの食中毒症状を発症したが、一日以内に回復した。 3 人は 70 代の夫婦と 40 代の息子で、「茎がニラに似ていた。焼きそばに混ぜて食べた。」と話したという。

患者数

発生件数 患者総数 摂食者総数
2014年 1件 3人 3人
(2014年12月31日現在)
スノーフレークによる食中毒は、2014年初めて報告された。

直近10年間の有毒植物による食中毒発生状況は、こちらのページ
中毒対策 葉がニラに似ているため、花が咲いていないと間違える例が多い。家庭菜園と花壇を区別し、家庭菜園にはスノーフレークやスイセンなどを植えないようにする。臭いでニラとの区別は容易。
毒性成分の分析法

リコリン類アルカロイドの分析は、スイセンに準ずる。

間違えやすい植物 葉の形状はニラによく似ているが、ニラよりも幅広い。ニラは強烈なニラ臭があるが、スノーフレークは青臭い不快臭があるので、臭いを嗅げば見分けることは容易。
  作成:中田政司( 富山県中央植物園 )