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自然毒のリスクプロファイル:高等植物:シャクナゲ類
高等植物:シャクナゲ類
シャクナゲ類
一般名 | シャクナゲ類(ツツジ属の一グループ) | ||||
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英名 | Rhododendron spp. | ||||
分類 | ツツジ目 Ericales 、ツツジ科 Ericaceae 、ツツジ 属 Rhododendron | ||||
学名 |
Rhododendron spp. |
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生育地 |
北海道~九州 |
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形態 |
高山帯にキバナシャクナゲ、亜高山帯にハクサンシャクナゲ、 山地帯にツクシシャクナゲ、細葉シャクナゲなどがあり、地域的な変異種が多い。欧米からの園芸種はセイヨウシャクナゲと呼ぶ。葉は全縁で革質、光沢があり、互生する。花はロート状で5~7裂し、枝先に総状につく。 |
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毒性成分 |
有毒成分グラヤノトキシン(ロドトキシン)類により中毒を引き起こすので注意。ハクサンシャクナゲの葉のお茶としての飲用による血圧低下の急性中毒例がある。セイヨウシャクナゲなどの園芸種も有毒なので注意。海外からのお土産の蜂蜜での中毒例がある。 |
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中毒症状 | 嘔吐、下痢、血圧低下、めまい、けいれん | ||||
発生事例 | ( 症例1 ) 2008年5月、北海道の一般家庭で知人から譲り受けたハクサンシャクナゲの葉を乾燥させて、自宅で煎じて冷却した煎液を 500mL 摂取、知人からは「血圧を下げる効果がある」との説明を受けていた。飲用30分後にクシャミ・鼻水等の症状が認められ、次第に手足が冷たくなって血圧が下がり、ショック症状を呈して入院した。 ( 症例2 ) 2015年5月、自宅で採取したレンゲツツジの生花にドレッシングをかけ喫食し、1時間後に視覚異常、おう吐の症状を呈し入院した。 ( 症例3 ) マレーシアから持ち帰った蜂蜜による視覚異常、呼吸困難、歩行困難などの症状で病院に搬送された例がある(2012年に専門誌に投稿された)。 |
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患者数 |
年 発生件数 患者総数 摂食者総数 2015年 1件 1人 1人 2008年 1件 1人 1人 (2021年12月31日現在) 直近10年間の有毒植物による食中毒発生状況は、こちら |
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中毒対策 | ツツジ科の植物には毒をもつものが多く、蜜にも毒性成分があることがあり、注意が必要。 | ||||
諸外国での状況
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春の蜂蜜による中毒例が各地である。海外では、マッドハニー中毒(mad honey poisoning)と呼ばれている。トルコ黒海沿岸やネパール高山地帯で採取されたツツジ属植物由来の蜂蜜によるものが報告されている。 |
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その他
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シャクナゲはツツジ科ツツジ属の一グループ。 他のツツジ類にも注意が必要。 特にレンゲツツジは同様にグラヤノトキシン(ロドトキシン)類を含み、欧米では花の蜜を吸った児童や馬、羊などの家畜の中毒が報告されている。 シャクナゲ(石楠花)の漢字については、中国で薬用植物とされるバラ科の Photinia serrulata (オオカナメモチ)の中国名(石楠または石南)を間違えて充てたという説がある。 |
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作成:朝比奈はるか(お茶の水女子大学 ) (厚生労働省 一部加筆)
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