高等植物:カロライナジャスミン
カロライナジャスミン
一般名 |
カロライナジャスミン |
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分類 |
リンドウ目 Gentianales、マチン科 Loganiaceae、ゲルセミウム属 Gelsemium |
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学名 | Gelsemium sempervirens (L.) Ait.f. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | Carolina jasmine, false jasmine, evening trumpet flower | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生育地 |
南米南東部~グァテマラ共和国に分布する。日本では園芸用で、鉢植えやフェンスに絡ませて栽培されている。耐寒性が強く、関東以西では庭木として植栽可能。 |
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形態 |
常緑蔓生灌木。蔓は 6 m、葉は対生で、光沢のある長披針形。暗緑色で長さ 5~10 cm、幅 2~3 cm で波状縁をもつ。寒くなると、葉は紅葉する。花は筒状、先端 5 裂平開で、径 1~3 cm、暗黄色をつけ芳香がある。4~5 月に開花。八重咲きのものもみられる。 ![]() カロライナジャスミンの花
(写真提供:磯田 進)
![]() カロライナジャスミンの葉表
左:通常、右:やや紅葉
![]() カロライナジャスミンの葉裏
左:通常、右:やや紅葉
(写真提供:杉村康司) |
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毒性成分 | ゲルセミン gelsemine、ゲルセミシン gelsemicine、センペルビリン sempervirineなどのインドールアルカロイド。
Gelsemium alkaloid の毒性は、中枢神経に作用し、特に呼吸中枢に対する直接作用であって、迷走神経には作用しない。また、心臓の機能に影響を与えることもない。末梢血管への作用も認められない。 |
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中毒症状 | 脈拍増加、呼吸麻痺、中枢神経刺激作用、血圧降下、心機能障害など | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
発生事例 | (症例1)2006年5月11日に群馬県前橋市で、家庭で観賞用に栽培していたカロライナジャスミンをジャスミン(モクセイ科ソケイ属 Jasminum )の仲間だと誤認し、花をお茶にして飲んだ2名が同一症状を呈した。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
患者数 (過去8年間) |
厚生労働省発表 直近10年間の有毒植物による食中毒発生状況は、こちらのページ |
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予防対策 | 有毒植物には、飲食される植物の名前をつけない配慮が必要。別名のゲルセミウムやトランペットフラワーの名前を使う | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その他の |
同じGelsemium 属植物である G. elegans (G.Gaedn. et Champ.) Benth.「冶葛」にはカロライナジャスミンと同様に Gelsemium alkaroid が含まれる. 医薬品情報21( http://www.drugsinfo.jp/2007/08 |
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間違えやすい植物 |
カロライナジャスミンの名前から,モクセイ科のジャスミンと間違える. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作成:中根孝久(昭和薬科大学天然物化学研究室) |