健康・医療欧州等滞在歴及びヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴に係る献血制限の見直しについてのQ&A(令和8年2月)

欧州等滞在歴及びヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴に係る献血制限の見直しについて

 採血時の問診に当たっては、国内において変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の発生が確認されたことを受け、恒久的な措置として、昭和55年以降に特定の海外地域に一定期間滞在していた方及びプラセンタ注射剤の使用歴を有する方からの献血を御遠慮いただいて参りました。
 今般、令和7年度第2回薬事審議会血液事業部会安全技術調査会(令和8年1月14日開催)での審議結果を踏まえ、上記制限を撤廃する方針(※)となりましたので、お知らせいたします。
 なお、実際に制限を撤廃する時期については、国民の皆様をはじめ献血事業に関わる関係者の方々への周知期間等を考慮して、令和8年秋頃を予定しております。
 この撤廃に先立ち、以下にQ&Aを作成いたしました。国民の皆様の献血への御協力を改めてお願い申し上げます。
 
(※)海外で何らかの感染性疾患に罹患したまま帰国(入国)する可能性を考慮し、帰国後4週間の献血制限は継続します。

【現行の献血制限】
欧州等滞在歴を有する方(平成22年1月27日~)
    滞在国 通算滞在歴 滞在時期
英国 1か月以上
(1996年まで)
6か月以上
(1997年から)
1980年~
2004年
アイルランド、イタリア、オランダ、スペイン、ドイツ、フランス、ベルギー、ポルトガル、サウジアラビア 6か月以上
スイス 1980年~
オーストリア、ギリシャ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ルクセンブルグ 5年以上 1980年~
2004年
アイスランド、アルバニア、アンドラ、クロアチア、サンマリノ、スロバキア、スロベニア、セルビア、チェコ、バチカン、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ、北マケドニア、マルタ、モナコ、ノルウェー、モンテネグロ、リヒテンシュタイン、ルーマニア 1980年~
(注)Bに掲げる国の滞在歴を計算する際には、Aに掲げる国の滞在歴を加算するものとする。

▼ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴を有する方(平成18年10月10日~)
ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤を使用されたことのある方からの採血を、当分の間、見合わせること。
1の制限は、過去にヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤を使用された方全てを対象とすることとし、特に期間による定めを設けないものとすること。
(注)国内では2製剤(メルスモン(注射薬)(メルスモン製薬)、ラエンネック(注射薬)(日本生物製剤))が製造販売されている。

(参照)
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に関するQ&A|厚生労働省
薬事審議会血液事業部会令和7年度第2回安全技術調査会資料|厚生労働省
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)感染状況を踏まえた献血制限に係る関係通知の廃止について(令和8年1月15日付医薬局長通知)

ページの先頭へ戻る

Q&A

Q1 現行の献血制限はなぜ設定されていたのですか。

A 我が国における変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(以下、「vCJD」(※1))に係る献血制限は、昭和60年代以降に英国を中心として発生した牛海綿状脳症(BSE)の流行を受け、平成11年9月24日の血液事業部会安全技術調査会における議論を踏まえ、1980年~1996年の英国長期(6か月以上)滞在者を対象として開始され、その後も欧州におけるBSEの発生状況等を踏まえ、対象範囲が段階的に拡大されました。
 平成17年2月4日には国内初のvCJD症例※2が確認され、対象となる英国滞在期間の短縮やヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴の追加等の更なる強化が実施され、その後、国内外でのvCJDの発生の減少及び諸外国での献血制限状況等を加味した改正も経て、現行の制限に至っております。

(※1)変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)は、抑うつ、不安などの精神症状に始まり、発症から数年で死亡する難病です。原因は、牛海綿状脳症(BSE)に由来する感染性を有する異常プリオン蛋白と考えられており、感染経路としてBSE牛の経口摂取や潜伏期間にあるvCJD感染者血液の輸血等が考えられています。
(※2)英国に24日間程度、フランスに3日間程度滞在歴のある症例。以後、我が国において新たな発生は報告されておらず、英国においても輸血によるvCJD感染は平成18年、輸血以外のvCJD発症は平成28年を最後に確認されていません。 

Q2 なぜ、今回献血制限を見直すのですか。

A 厚生労働科学研究(※3)によって、英国においてBSE流行に伴うvCJD発生リスクが高かった 1980年から1996年までの17年間に、1か月以上英国に滞在した日本人の献血を起点としたvCJD感染リスクを推計し、現行の欧州等滞在 歴に基づく献血制限が国内のvCJD患者発生に与える影響についての検証が行われました。
 最大リスクを想定した条件下を含む複数のシナリオにおいて評価が行われた結果、時間の経過と共にvCJD感染リスクが低減していくことも併せて考えると、現行の英国滞在歴に基づく献血制限を撤廃した場合であっても、これによって vCJD患者が増加することはないと結論付けられました。
 令和7年度第2回薬事審議会血液事業部会安全技術調査会(令和8年1月14日開催)において、この上述の厚生労働科学研究における感染リスクの評価結果に加え、国内外におけるvCJDの発生状況、諸外国における献血制限の状況等を総合的に勘案した結果、制限を撤廃することとなりました。

(※3)令和5~6年度「安全な血液製剤の安定供給に資する適切な採血事業体制の構築のための研究」(代表 大隈和 関西医科大学教授)

Q3 現行の献血制限が撤廃されるのはいつになりますか。

A 令和8年秋頃を予定しています採血事業者(日本赤十字社)における運用に当たって、問診システムの改修等の体制整備や関係者への周知にかかる期間を考慮し、半年から1年程度を設けております。

ページの先頭へ戻る