令和6年度 モニター報告に対する厚生労働省の考え方 その2

令和6年度の厚生労働行政モニターの皆様からご提出いただいた報告の中から、厚生労働省の考え方などを記載いたしました。

報告の概要

 技能実習制度の改革において、訪問介護が解禁されるとの新聞見出しを目にしました。これまで解禁されていなかったのかと逆に知ることとなりました。介護分野の人材確保策がいろいろあるかと思います。その中で、このような外国人材の活用も進んでいくことは良いことだと思います。

当省の考え方

  ご意見をいただきありがとうございます。
 先般、訪問介護員等の人材不足の状況などを踏まえ、「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会」を立ち上げ、関係団体等に参画いただき議論を行ったところ、令和6年6月に公表した同検討会の中間まとめでは、一定の条件の下で訪問系サービスへの従事を認めるべきとの結論がなされ、外国人介護人材においても訪問系サービスへの従事を認めることといたしました。
 引き続き、外国人介護人材が働きやすい環境の整備など、厚生労働省として取組を進めてまいります。

報告の概要

 福祉分野とくに障がいに関する施策については、当事者の意見が反映されるとよいと考えます。

当省の考え方

 ご意見いただきありがとうございます。
 障害者施策の検討に当たっては、当事者に政策決定過程に参画いただき、当事者のご意見を適切に反映させることが必要であると考えております。
 例えば、社会保障審議会障害者部会においては、随時、関係する障害者団体等のヒアリングを行うほか、障害者団体の推薦による委員の部会への参加を通じて、当事者のご意見をお伺いしてきたところです。
 引き続きこうした対応を行うことで、効果的・効率的な政策の実施・検討を図ってまいります。

報告の概要

 働き方改革により、リスキリングも注目されている。雇用の確保、定着、育成に有効であるが、更に、雇用安定を促すためにキャリアコンサルタントが、もっとリスキリングを企業などに普及させて有効な手段にしていく施策、助成金などの強化をして欲しい。

当省の考え方

  ご意見をいただきありがとうございます。
 厚生労働省においては、キャリアコンサルタントの活用をより促すため、従業員に対するキャリア研修やキャリアコンサルティング面談等の取組を企業内に導入するための支援を実施しているところです。令和7年度においては、こうした導入支援を行う拠点を増やすなど体制強化を予定しております。
 職業訓練等を実施する事業主等を支援する人材開発支援助成金において、社内で職業能力開発を推進するキーパーソンとして職業能力開発推進者を選任し、企業内のリスキリングを計画的に推進するための仕組みを設けることを助成金の支給要件としています。
 今回いただいたご意見や現場から吸い上げた声を踏まえ、引き続き、リスキリングの支援に取り組んでまいります。

報告の概要

 専門実践教育訓練給付金。2020年から2022年で、利用させてもらって、大学院でMBAを取得した。素晴らしい制度ではあるが、ハローワークでの手続きが全部紙処理だったので、マイナンバーカードと連携させてデジタル処理にしてもらえたら、社会人は嬉しいと思う。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 教育訓練給付金の支給申請等については、2024年2月1日以降、電子申請等による手続が可能となっています。引き続き、利用しやすい環境整備に取り組んでまいります。

報告の概要

 自分は学生で20歳になったときから年金を納めている。最初は年金の納め方が分からず、周りの友人に相談したが年金の仕組みを知らない人がほとんどだった。20歳になる前後において年金の仕組みの周知が必要ではないかと感じた。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 日本年金機構においては、ホームページによる年金制度の情報提供のほか、大学や高校等の学生・生徒を対象に、制度加入や保険料納付など年金制度に対する正しい知識と理解を深めていただくことを目的として、教育関係機関等と連携して年金セミナーを開催しております(令和5年度:3,156回開催、約16万4,000人参加)。
 引き続き、20歳到達前後の若年層への制度周知に取り組んでまいります。

報告の概要

 相方が今年から年金受給者になったが、手続きがややこしい。来年には私の加給年金が貰えると思うが、自分で調べないとよくよく分からない。対象年齢が近づいたら、わかりやすい年金受給の為の案内があると良いのにと思います。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 日本年金機構では、受給開始年齢に達し、老齢年金を受け取る権利が発生する方に対し、受給開始年齢に到達する3カ月前から、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所および年金加入記録をあらかじめ印字した「年金請求書(事前送付用)」および年金の請求手続きのご案内を本人あてにお送りしています。現在、老齢厚生年金の場合は、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢と、本来支給の老齢厚生年金の受給開始年齢(65歳)の2回のタイミングでこうしたご案内をお送りしているところです。
 御指摘の加給年金については、特別支給の老齢厚生年金請求時に生計を維持されている配偶者を申出いただくことにより、原則、65歳からの老齢厚生年金受給の時に加算されます。
 なお、日本年金機構のホームページでは、「年金請求書(事前送付用)」について、記入方法を動画でご案内しているほか、年金制度の内容や年金の請求手続などをご理解いただけるよう、各種リーフレット等を掲載しており、引き続き、年金制度や年金請求に関するわかりやすい周知に努めてまいります。

報告の概要

 今後の年金問題に関して、予測なども含めて積極的に発信し、若者の不安を軽減してほしい。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 公的年金制度は、将来にわたって制度を安定させるため、保険料負担に上限を設けて収入を固定し、その収入の範囲内で給付を行う仕組みが導入されており、持続可能な制度となっています。
 また、5年に一度、最新の人口や経済の状況を反映して将来の見通しを作成する財政検証を実施し、年金財政の健全性や将来的な給付水準を確認するとともに、検証結果を踏まえて必要な見直しを行っております。なお、財政検証の結果(※1)や財政検証を分かりやすく説明した漫画(※2)を厚生労働省HPで公表するなど情報発信に努めているところです。
 今後も、制度の安定性や将来的な見通しについて、国民の皆様にわかりやすく伝えることで、年金制度が信頼されるよう取り組んでまいります。

(※1)財政検証の結果
(※2)いっしょに検証!公的年金

報告の概要

 若い世代が年金の仕組みや将来の年金がどうなるかなど、当事者意識を持って知れる機会がもっと多ければ良いと思います

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 厚生労働省では、若い世代の方に年金制度を知っていただくことを目的として、大学や高校で「学生との年金対話集会」を開催しており、意見交換や質疑応答を通して、年金制度を学んでいただけるような機会を提供しています。またYouTuberとのコラボレーション動画(外部リンクに遷移します)や年金制度に関する1分間のショート動画(外部リンクに遷移します)等、若い世代にも興味を持っていただきやすい形式での情報発信にも取り組んでおります。
若い世代の方にも身近なものとして年金制度を理解していただけるよう、広報活動に取り組んでまいります。

参考:年金広報|厚生労働省(mhlw.go.jp)

報告の概要

 年寄りが安心して簡単に使用できる、マイナンバーカードによる保険制度の確立を望みます。医療現場で見ていても年寄りがマイナンバーカードをうまく利用できない場面をよく見かけます。新しい機器や制度に慣れている若い世代を対象にしないで、理解しづらい年代への気配りをしてほしい。

当省の考え方

 貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。
 マイナ保険証をご利用いただく際、何らかの事情で顔認証や暗証番号での本人確認の操作がうまくいかない方に対して、医療機関の職員による目視で簡単に受付が行えるよう、令和7年3月末に顔認証付きカードリーダーの改修を予定しています。
 また、マイナ保険証をお持ちでない方には、申請によらず資格確認書を発行することとしております。また、お持ちであったとしても、マイナ保険証での受診等が難しい方には、申請いただくことで資格確認書を発行することとしております。
ご高齢の方向けのリーフレットや支援者・ご家族の方向けのマニュアル等も作成し、周知しているところです。
 どなたであっても、これまでどおり医療が受けられることについてさらに周知を図り、引き続き丁寧に取り組んでまいります。

報告の概要

 マイナンバーカードは、医療や年金で使用しています。便利であり、公平に感じるカードですので、これからも利用拡大を希望します。

当省の考え方

 貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。
 厚生労働省のHPでは、マイナ保険証のメリットや医師等からのおすすめの声を掲載するなど、マイナ保険証の利用拡大に向けた周知広報を行っております。
 国民の皆様に利便性を感じていただけるように、今後も必要な取組を進めてまいります。

報告の概要

 2か月おきに薬をもらうためだけに通っている内科の薬剤師にリフィル処方箋について尋ねましたが、あいまいな説明でした。2022年4月にスタートしたリフィル処方箋ですが、国民に積極的に周知させてほしいです。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 令和6年度診療報酬改定において、生活習慣病管理料や、かかりつけ医機能の評価である地域包括診療料・地域包括診療加算を算定する際の要件の中に、「リフィル処方・長期処方が活用可能であることを院内掲示すること」を追加しました。
 この他、厚生労働省においても、政府広報なども活用し、リフィル処方等の国民向けの周知広報に努めているところです。 

報告の概要

 厚労省だけの領域ではないかもしれないが、マイナ保険証および読み取り機の普及はもっと推し進めてほしい。マイナ保険証を利用できない医療機関・クリニック・薬局が珍しくない。

当省の考え方

 貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。
 医療機関・薬局へのオンライン資格確認の導入を促進するため、システム整備の支援やリーフレット等広報物の作成等を行ってきております。
 令和7年1月26日時点で、稼働している医療機関・薬局が約22万施設ある中で、約21.2万施設への導入を進めております。
 引き続き、導入済みの施設が増えるよう必要な取組を進めてまいります。

報告の概要

 マイナ保険証について。(1)制度の価値が国民に十分理解されていない。不正利用者の排除もアピールすべき。(2)マイナ保険証の医療機関での受付端末のワークフローを改善いただきたい。カードをセットして暗証番号もしくは顔認証するまでは良いが、毎回許諾確認で何度も「はい」を押す作業は省けるのではないか。よりシンプルに使えてこそ利用が拡大する。

当省の考え方

 貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。
 マイナ保険証のメリットなどについて、より国民の皆様に理解していただけるよう、引き続き丁寧に取り組んでまいります。また、顔認証付きカードリーダーの操作につきましても、令和6年10月に、同意を求める画面が3画面から1画面で行えるよう改修を行ったところではございますが、今後も皆様の利便性向上を目的とし、必要な対応を進めてまいります。

報告の概要

 労働分野での「合理的配慮」(障害者雇用促進法)につき、とりわけ発達障害などの見えない障害の当事者において、これを求めての話し合いに困難がある、或いは拒否や不利益取扱いを受けたとの事例を散見している。普及啓発のみならず、紛争解決への具体的なサポートも含めた施策が行われるとよいのではないか。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 合理的配慮の提供について、会社側との話合いが困難で紛争となっている場合は都道府県労働局長により助言、指導、勧告が行えることとなっています。(障害者雇用促進法第74条の6第1項)、また、このような紛争について調停の申請があった場合は、必要に応じて紛争調整委員会で調停を行うこととしています。(障害者雇用促進法第74条の7第1項)

報告の概要

 産前産後休業の申請について、事業所に周知して欲しい。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 産前産後休業については、労働基準法に基づき、母性保護の観点から女性労働者を就業させてはならない期間を使用者に対して定めたものであり、パンフレット等で周知を行っています。女性労働者が安心して出産できるよう、母性保護の制度について引き続き、周知徹底を図ってまいります。

報告の概要

 女性の活躍推進企業(データベース)について、例えばあの企業はどんな働き方を掲げているのか、育児休暇は?残業は?などを簡単に確認・理解でき、活用できる対応を、更に世間に大いに拡散して欲しいです。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 女性の活躍推進企業データベースにおいては、個別企業の女性活躍に関する情報に加え、求職者・事業主の方が利用しやすいよう機能等を順次拡充してきたところです。今後もわかりやすいサイトとなるよう運営・広報してまいります。

報告の概要

 高齢者が増加し介護施設が不足してくるのではないかと心配です。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 介護提供体制については、都道府県と市町村が連携して、中長期的な地域の人口動態や介護ニーズの見込み等を適切に捉えた上で、施設・サービス種別の変更など既存施設・事業所のあり方も含め検討し、地域の実情に応じた介護サービス基盤の計画的な確保を進めることとされているところであり、引き続き、都道府県の計画に基づいて、地域医療介護総合確保基金において施設整備費用を支援してまいります。

報告の概要

 認知症施策に関しまして、発症リスクの高い高齢者が前向き(明るい気持ち)になれる環境作りをお願いできればと思います。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 昨年12月、認知症施策推進基本計画が閣議決定されました。基本計画では、認知症になったら何もできなくなるのではなく、認知症になってからも、一人一人が個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間等とつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができるという考え方である「新しい認知症観」を位置づけています。こうした考えに基づき、国、地方公共団体、地域の関係者の多様な主体がその実情に即して、それぞれの役割を担い、連携して認知症施策を推進してまいります。