人材育成事例236
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シオノギは、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針のもと、創薬型製薬企業として、世界中の患者さまやご家族の方々のQuality of Life(生活の質)向上を実現するために、一層満足度の高い医薬品をお届けすることをミッションとして、医療用医薬品を中心に、OTC医薬品(一般用医薬品)や診断薬の研究開発、製造、販売活動を行っています。 (塩野義製薬株式会社 ウェブサイト) |
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シオノギは、基本方針をグローバルに具現化するために、2014年4月にスタートした新中期経営計画Shionogi Growth Strategy2020(SGS2020)の中で、2020年のありたい姿として「創薬型製薬企業として成長する」というビジョンを示しました。このチャレンジングな目標を達成するために、「人が競争力の源泉」という人材育成理念のもと、「グローバルな競争に勝ち抜ける強い個人の育成と組織の構築」を目指しています。 社内外の環境が大きく変わってきているなかで、シオノギでは2020年のありたい姿に向けて、グローバル化を加速させており、個人が担う業務も大きく変化してきています。会社も個人も環境変化をいかにとらえ、それに適応すべく変わることができるか、すなわち「行動変容」が重要な鍵となります。そこで、従業員一人ひとりのやりがい、生きがいにつながる「自分らしさ」を大切にし、「行動変容」を通して個人と組織の成長を促し、激しい環境変化にもしなやかに適応できる自律型人材の育成を目指し、「キャリア発達プログラム」を展開しています。 なお、シオノギでは、キャリア発達を「自身の強みを活かしてシオノギにいかに貢献できるか、そのために必要な自己鍛錬は何かを考え、相対競争力も意識して、仕事を通して個人と組織の成長を結び付けていくこと、ひいては社会に貢献をしていくこと」と定義しています。 |
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シオノギでは、人材育成におけるキャリア発達の視点を明確にするために、2013年度から人事部内にキャリア支援を担うグループを設けて活動を開始しました。さらに2015年度には人事部から独立して8名で構成するキャリア支援室を新設しました。同支援室では社内業務を理解した上でのアドバイス・支援ができる体制を整備するため、社内キャリアアドバイザーを養成しました。現在、GCDF-Japanキャリアカウンセラー有資格者5名が、社員一人ひとりのキャリア自律のために、組織のニーズとの調整を図りながら、個人が自己理解を深め、より良いキャリアの選択と意思決定が行えるようにサポートをしています。 自律型人材が溢れる活き活きとしたシオノギを目指し、「従業員のやる気に火を点けたい!」との願いを込め、若年層(入社~30歳前後)、中堅層(30歳前後~50歳前後)、ベテラン層(50歳前後~)と3つのステージに分け、各階層の課題解決に向けてキャリア発達を軸にキャリア支援策や教育研修などを実施しています。また、全階層に向けて、キャリアデザインに役立つツールの提供やキャリアに関する社内での講演会を実施し、キャリア発達の理解・浸透に努めています。 キャリア発達プログラムでは、一人ひとりが当事者意識を持ち、自分らしさを発揮しながら一歩を踏み出して行動することが重要と考え、ストレッチした目標へのチャレンジによる成長実感を重視しています。従業員一人ひとりがキャリア目標を設定し、「自分らしさ」を発揮し、個人と会社がともにキャリア発達に取り組んでいけるよう、上司と思いを共有できるツールとしてキャリアデザインシート「私の未来予想図」を取り入れました。従業員一人ひとりは、この「私の未来予想図」を活用していきながら、上司に自らの意思を伝えることでチャンスをつかみにいくことができ、上司は部下の強みを活かすジョブアサインによって成長の場を作る工夫をすることができます。 具体的には、「私の未来予想図」を定期的に見直し自身のキャリアの棚卸をした上で、上司とキャリア面談を1年に1回以上行っています。本人はキャリアに関する目標を上司に伝え、上司は年4回行う目標管理面談とあわせて本人の思いや意思を把握した上で育成計画・目標設定を実施しています。 さらに主体的な行動を支援するために、手挙げ式の経営幹部候補育成研修や社内公募といった仕組みも導入してきました。自律型人材として一歩を踏み出した事例については、社内イントラネット上で掲載し紹介するとともに、採用パンフレットなどでも公開をしています。このように社内で異なる職種へ果敢に挑戦する組織風土に変わってきたことから、社内外の環境変化が激しいなか、「創薬型製薬企業として成長する」ために、「グローバルな競争に勝ち抜ける強い個人の育成と組織の構築」を目指している人材育成方針に大きく近づいていると考えています。 |
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キャリア発達プログラムとして、入社から退職まで一貫したキャリア支援を行う体制が整いつつありますが、現時点では、若年層の社会人としてのマインドセットと基礎能力のレベルアップ、中堅層の一部であるマネジャーや経営幹部候補のリーダーシップ育成、ベテラン層のキャリア自律に重点を置いています。 今後はキャリア支援室による直接の支援機会が少ない階層についても、支援を強化していきます。具体的には、これまで本部ごとに個々の専門能力の向上に注力してきた中堅層において、キャリア研修やキャリア自律を通した主体的な学び(グローバル対応力、ビジネススキル習得)の促進を計画しています。そのためにも、キャリアアドバイザーのレベルアップや増員によるキャリア支援室のさらなる強化、人材育成に関する全社各組織との連携強化を進めていきます。 |
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【会長奨励】 | |||||||||||||||
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