人材育成事例164

 
 
 
 
    N株式会社
CADS&CADIを使った人事評価基準の作成例
 
 
 
 
情報掲載年度 2012年度
情報掲載日 2013/3/18
都道府県 鹿児島県
 
資本金 3億円以上
従業員数 300人以上
産業分類 卸売業・小売業
 
 
総合商社
建設資材事業部  (生コンクリート、その他建築・土木資材の販売および工事)
機械設備事業部  (空調設備、上下水道、ソーラー発電システム、建設産業機械の販売リース、住宅リフォーム)
情報通信事業部  (携帯電話の販売、書籍の販売、ビデオ・CDの販売レンタルなど)
エネルギー事業部 (エネルギー関連商品の販売、車関連用品の販売など)
 

N株式会社は1945年設立以来、九州・鹿児島を拠点とする総合商社として子会社・関係会社併せて、30数社を擁し九州でも屈指の企業グループを形成しています。

九州各地でガソリンスタンドの展開を主軸とする「エネルギー事業部門」、携帯電話の販売代理店を展開する「情報通信事業部門」、建築・土木資材の設計・施工・販売の「建設資材事業部門」、生活・産業ライフラインの設計・施工・販売の「機械設備事業部門」の4事業部門からなっています。いずれも、常に時代の変化を促えて、攻めの展開で着実に成果を上げています。

69年という歴史を持つ中、社員平均年齢が35.4歳と若いですが、若手の意見が上に通りやすい社風をもっている会社です。

 
 
(1)経営理念:『豊かな街づくり、生活づくりに貢献』

『豊かな街づくり、生活づくりに貢献』の経営理念のもと、東京および九州全域に拠点を設け、各地域に密着した事業を展開する総合商社です。「時代の変化に柔軟に対応し、ニーズを先取りした商品・サービスを提供する」ことが社の努めと考えています。


(2)企業理念:「人こそ財産」。社員の「やる気」を大切にできる、魅力的な人材を育てる会社

企業理念として「人こそ財産」を掲げ、あらゆる情勢の変化に柔軟に対応できる人材を育成するための研修制度、社員の総合能力を明確に評価し処遇する職能資格制度を導入し、社員一人ひとりが高い意識で仕事ができる環境があります。

九州でもトップクラスの総合商社として、地域社会に密着した事業を展開しているため、企業としての力の源は、社員一人ひとりの「やる気」です。取引先からの社員の評価そのものが当社の評価とするならば、全ての社員が「明るく」「元気で」「魅力的」であってほしいと考えています。

 
 

「人こそ財産」の経営理念の下、一人ひとりの個性を尊重した能力開発に取り組んでいます。

変化対応企業として、新しいビジネス拠点・新しい街づくりを通じて、地域活性化のために貢献すべく、より一層の努力を重ねています。

商品・サービスの安定供給はもちろんのこと、商社という点で、競合他社の存在する状況の中、「他社との差別化」という点において、それは「人」しかないと考えています。「人を育て、人に育てられて成長を続ける企業に」をコンセプトとし、「人こそ財産」をモットーに、人材採用や人材育成にはこだわりを持ち続けています。

当社が求めている人材とは、自ら前向きに行動ができるような積極性、チャレンジ精神の旺盛な人です。総合商社の社員として仕事をしていくために、好感を持たれるような誠実な人であってほしいと望んでいます。ここでいう「好感」が持てる人とは、礼儀作法や挨拶など基本的なことが当たり前にできる人のことです。

社内のキャリア形成の具体的取り組みとして、独自の社員研修制度を設けています。特徴としては入社して退職するまでの間、毎年必ず1回はそれぞれ階層別の研修を受講してもらい、ヒューマンスキルの向上に取り組んでもらいます。

階層別研修の内容としては、入社が決まったらまずは通信教育で社会人としての基本的なマナーを学んでもらいます。その後、入社してすぐに実施される新入社員導入研修を経て、入社3ヶ月目のフォローアップ研修、職責に応じた階層別研修、社外研修、最後には引退前のリタイア研修まで盛りだくさんの企画があります。

また、当社におきましてはコンプライアンスを最重要課題として取り組んでいるところであり、研修の中には、必ずコンプライアンス研修を組み込んでいます。いくら会社の業績が良くても、万が一コンプライアンス違反があれば、会社の信頼は一瞬のうちに崩れさってしまうからです。(資料1 参照)

それらの研修の中で、若年層向けのキャリア形成について、人材育成コンサルタントの森山氏に支援をしていただきました。社内の、若年層はJランクとして位置付けています。(職能ランク一覧表 参照)

若年者層の従業員が社会人基礎力をしっかりと身につけ、将来にわたって職場や地域社会で活躍できるよう、中央職業能力開発協会のCADS&CADIを活用しキャリア形成支援を行ないました。特に、CADSの基本スキル発揮能力のチェック表を活用して、Jランクの評価基準を作成したことが、階層別教育の内容と人事評価の整合性をとることにつながっています。(人事評価表 参照)

 
 
(1)監督職S、Eランクの力を上げていく。

若年層の力を蓄えることで、上層部も力を上げていく必要性を感じてもらい、企業全体で大きな力が発揮できるようにすることです。


(2)実績・結果を出すに至ったプロセスを評価し、大事にする。

結果を出すに至った過程(プロセス)を評価・分析することで、様々な気づきや学びを得ることができます。そのプロセスを大切にし、パフォーマンスを充分に発揮できる人づくりを目指します。そのことが結果的に、地域社会からの評価につながり、ひいては、「鹿児島の街を大切に、人を大切に、やさしい未来を創造できる企業になる」という、当社の理念を実現することにつながると考えています。

 
 
資料1  
職能ランク一覧表  
人事評価表