人材育成事例093

 
 
 
 
    株式会社トパック
新入社員研修の見直し
 
 
 
 
情報掲載年度 2013年度
情報掲載日 2014/2/18
都道府県 大阪府
 
資本金 1000万円以上~5000万円未満
従業員数 100人以上~300人未満
産業分類 製造業
 
 

大手食品メーカーや医薬品・化学品メーカーの生産工場で使われる包装用機械の製造


株式会社トパック ウェブサイト
 
 

当社は企業理念に「豊かな人間企業の構築」と「優れた人材の育成」を掲げ、2009年に厚生労働省(財団法人21世紀職業財団)より「職場風土改革促進事業実施事業主」の指定を受け、いわゆるワークライフバランスに取り組むと共に、人材育成にも積極的に取り組んできたが、人材育成に関しては会社の成長に見合った体系的な教育が十分に行なわれているとはいえない状況であった。

そこで大阪府職業能力開発協会の支援を得て、研修計画の再構築を図ることとしたが、まず、最も基礎的な研修である「新入社員研修」を見直してみることとした。

当社のワークライフバランスの取り組みの1つは「女性の戦力化」であり、その一環として、新入社員研修の企画は若い女性社員が担当しているので、彼女たちの能力向上をも兼ねたものであった。

 
 

当社は毎年4月1日に入社式を行ない、その後2週間にわたって新入社員研修を行なっていた。しかし、内容的には社内の組織や規則・慣行などを淡々と説明するものが多く、研修の表題も「○○の説明」とするものが多かった。また、講師にもそれぞれの研修の目的などが十分に伝えられておらず、1時間の持ち時間を15分で終わってしまう講師もおり、必然的に研修の内容は面白くなかった。

 

そこで、まず、「新入社員研修の目的は何か」を改めて考え直すこととしたが、研修企画担当者の教育も併せて、系統図(別添資料1)によりその作業を実施した。方策展開型系統図によって「当社における新入社員研修のねらい」を検討したものが別添資料2である。その結果、ねらいは次の4つに絞られるということになった。

A)考え方の理解
B)知識の修得
C)行動(マナー)の体得
D)取り扱いの習熟
 

次に系統図の下にこれまでの新入社員研修における研修項目(45項目)を列記し、マトリックス図(別添資料1)によって、それぞれ4つのねらいのどれに該当するかをチェックした。関連の強いものは○印、弱いものは△印で表した。(別添資料3)

まず、これまでの内容はどうであったかをチェックした結果はA=7.3%、B=56.0%、C=21.1%、D=15.6%となり、内容が「B)知識の修得」に偏重していたことが確認された。

次いで個々の項目ごとにその内容が何を目的とすべきものであるかを検討し、あるべき姿でチェックした結果はA=23.6%、B=29.1%、C=23.6%、D=23.6%となり、4つのねらいが平準化された。

 

こうした作業を踏まえて、個別の研修ごとにその目的や進め方の詳細を注記し、研修の標題も「説明」という言葉をできるだけ使わないように見直した。(別添資料4)

 
 

前述の通り、当社では研修体系の見直しに取り組んでいるが、今回の新入社員研修の見直しを踏まえて、新入社員のフォローアップをいつ、どのような形で行なうか、さらにその後中堅社員研修、監督者研修、管理者研修へと発展させて、一貫性のある階層別研修を構築したいと考えている。同時に、エルダー制度、メンター制度といったコミュニケーシュン型の研修制度も併せて取り入れたいと考えている。

 
 
別添資料1  
別添資料2  
別添資料3  
別添資料4