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みんなで知ろう! からだのこと
わたしたちの身近な病気や、からだの働きをわかりやすく届けます。
第5回 結核から糖尿病まで
8月に開始した本連載。これまでに循環器病や呼吸器感染症、糖尿病などを取り上げてきました。今号では、これら掲載してきた病気や今後注目すべき感染症についてポイントをピックアップして紹介します。
結核・呼吸器感染症
【9月号より 結核・呼吸器感染症の記事はこちら】
[ どんな病気? ]
結核・呼吸器感染症は、病気を引き起こす病原体(結核菌などの細菌やウイルス、寄生虫など)への感染により、のどや肺などの呼吸器に炎症を起こす病気です。今までに大流行した呼吸器感染症は結核、スペインかぜ、アジアかぜや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などがあります。
[ POINT ]基本的な感染予防対策が大事!
結核も呼吸器感染症も、予防対策の基本は「手洗い」や「マスクの着用を含む咳エチケット」、そして日常的な健康管理です。感染を拡げないために、咳やくしゃみをするときにはマスク、ティッシュ、ハンカチ、袖などで鼻と口を覆いましょう。
★結核の場合
免疫力が下がる病気にかかっている人、高齢者や乳幼児は発病しやすいので注意が必要です。早期に発見できれば重症化を防げるだけではなく、家族や友人などへの感染拡大を防ぐことができます。有症状時の早期受診や定期的な健康診断(胸部エックス線検査など)が重要です。
★呼吸器感染症の場合
呼吸器感染症には、ワクチンを接種することで発病や重症化を防ぐことが期待できるものがあります。
糖尿病
【11月号より 糖尿病の記事はこちら】
[ どんな病気? ]
血液中のブドウ糖(血糖)の濃度は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって一定の範囲に保たれています。糖尿病は、インスリンが十分に働かないために慢性的に血糖が増えてしまう病気で、1型糖尿病や2型糖尿病などがあります。
放置すると、将来的に心臓病や失明、腎不全、足の切断といった合併症につながります。症状からは気づきにくいため、定期的に健診を受診して、早期に治療を開始することが重要です。
[ POINT ]食事・運動・体重管理・禁煙など 生活習慣の改善がカギ!
2型糖尿病の予防には、生活習慣の改善が非常に重要です。以下の方法を実践することで、糖尿病のリスクを低下させることができます。
1. バランスの取れた食事
野菜、果物、全粒穀物、魚、豆類などを中心とした食事を心がけ、糖分や脂肪分の多い食品を控えめにします。
2. 適度な運動
週に150分以上の有酸素運動を目標に、少なくとも週3日、できれば毎日やりましょう。
3. 体重管理
健康的な体重を維持すること、特に腹部肥満を避けることが糖尿病予防につながります。
4. 禁煙
喫煙はインスリン抵抗性を高め、糖尿病リスクを増加させるため、禁煙をお勧めします。
なお、1型糖尿病が生活習慣と関係なく発症することや、2型糖尿病の発症に体質など生活習慣以外の要因が関与していることにも留意が必要です。
風しん
【風しんについて詳しくはこちら】
[ どんな病気? ]
風しんは、風しんウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。風しんへの免疫がない集団において、1人の風しん患者から5~7人に感染させる強い感染力を有します。
風しんウイルスは、ウイルスを含む飛沫を吸い込むことでヒトからヒトへ伝播します(飛沫感染)。症状は不顕性感染(症状を示さない)のこともありますが、特に成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛がひどくなったりするなど、小児より重症化することがあります。また、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療を要することもあるため、決して軽視はできない疾患です。
さらに重要なのは、風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、白内障、先天性心疾患、難聴などの先天異常をきたす先天性風しん症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなるということです。
[ POINT ]今すぐチェック!! 風しんの抗体検査と予防接種を
厚生労働省では、「風しんの追加的対策」として、1962(昭和37)年度~1978(昭和53)年度生まれの男性の方を対象に、風しんの抗体検査と予防接種を現在原則無料で実施しています。対象者の方は、ぜひお住まいの自治体から送られたクーポン券を使って、風しん抗体検査と予防接種を受けてください。
また、対象者以外の方々は、対象者の方々にクーポン券について周知していただくようお願いします。企業などでは職場の健診や人間ドックの機会などで、職場内の対象者へクーポン券の利用促進の動きも広がっています。
出典: 広報誌『厚生労働』2024年12月号 発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト) 編集協力 : 厚生労働省 |