令和4年度第25回医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

日時

令和5年2月21日(火) 14:00~16:00

場所

厚生労働省 仮設第四会議室
(オンライン会議場)

議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので「令和4年度第25回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開会いたします。
 本日御出席の委員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席をいただきまして、ありがとうございます。
 今回の会議の公開については、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からYouTubeによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解・御協力のほどお願いいたします。
議事録については、後日、厚生労働省のホームページに掲載いたします。
 議事に先立ちまして、本年1月26日に薬事・食品衛生審議会の委員の改選が行われておりますので、五十音順で本調査会の常任の委員の方々を紹介させていただきます。
 千葉大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長の石井伊都子先生です。
 武蔵野大学薬学部薬物動態学研究室教授の伊藤清美先生です。
 埼玉県立小児医療センター病院長で医薬品等安全対策部会の部会長の岡明先生です。
 独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター臨床研究部長の柿崎暁先生です。
 国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター薬理部第一室室長の佐藤薫先生です。
 亀田総合病院薬剤管理部長の舟越亮寛先生です。
 続きまして、調査会長を決めさせていただきたいと思います。
 事務局といたしましては、医薬品等安全対策部会の部会長をしていただいております岡先生にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
 どうもありがとうございます。
 なお、本日、岡先生は御欠席でございますが、岡先生には御了承いただける旨、事前に御連絡をいただいております。
 それでは、岡先生に本調査会長をお願いしたいと思います。
 続きまして、調査会長代理の選定をさせていただきます。調査会長代理につきましては、調査会長から御指名いただくことになっております。岡先生から、事前に石井委員にお願いしたい旨を御指名いただいておりますので、調査会長代理は石井委員にお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に進みたいと思います。今回もウェブ開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。議事の進行方法等について、事務局より説明させていただきます。
○事務局 事務局より御説明申し上げます。
 まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問をいただくときは、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。
 御発言のタイミングが重なったりした際は、調査会長から順に発言者を御指名いただきます。
 その他、システムの動作不良などがございましたら会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしております事務局の電話番号まで御連絡をお願いいたします。
 また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合には、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 御不便等おかけするかもしれませんが、何とぞ御理解、御協力のほどお願い申し上げます。
 事務局からは以上になります。
 それでは、ここからの議事進行につきましては、調査会長代理の石井委員にお願いいたします。
○石井調査会長代理 調査会長代理の石井でございます。本日の座長を務めさせていただきますので、委員の皆様には円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。
 今回もウェブ開催ということで、事務局から説明がありましたが、これまでの説明で御質問、御意見はございますでしょうか。
 それでは、議事に入る前に、委員の出欠状況について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 本日の委員の出欠状況について御報告します。
 本日は岡委員が御欠席でありまして、現時点で6名中5名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、定足数に達しており、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。
 続きまして、本日、参考人として参加いただく先生方を御紹介いたします。
 議題1「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」の関係で、公益社団法人日本産科婦人科学会理事 医療安全推進委員会委員長の亀井良政先生、東京大学大学院医学系研究科呼吸器内科学教授の長瀬隆英先生、国立感染症研究所ハンセン病研究センターセンター長・真菌部部長の宮﨑義継先生に御出席いただいております。
 また、東京女子医科大学呼吸器内科学講座教授・講座主任の多賀谷悦子先生から書面で御意見を提出いただいております。
 以上になります
○石井調査会長代理 続きまして、審議参加に関する遵守事項について、御説明をお願いいたします。
○事務局 本日御出席の委員及び参考人の方々につきまして、議題1の対象品目、競合品目の製造販売業者からの過去3年度における寄附金・契約金などの受取状況を報告いたします。
 対象品目・対象企業及び競合品目・競合企業について、事前にリストを各委員・参考人にお送りして御確認をいただいたところ、石井委員より、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取り。柿﨑委員より、塩野義製薬株式会社より50万を超えて500万円以下のお受け取り、ギリアド・サイエンシズ株式会社より50万円以下のお受け取り。舟越委員より、ファイザー株式会社より50万円以下のお受け取り。多賀谷参考人より、MSD株式会社より50万円以下のお受け取り。長瀬参考人より、塩野義製薬株式会社より50万を超えて500万円以下のお受け取り、MSD株式会社より50万円以下のお受け取り。宮﨑参考人より、MSD株式会社より50万円以下のお受け取りと御申告いただいております。
 柿﨑委員におかれましては、議題1の審議中、御意見を述べることはできますが、議決に加わることはできません。
 その他の委員におかれましては、意見陳述、議決のいずれにも加わっていただくことができます。また、参考人につきましても意見陳述が可能なことを確認しております。
 また、これらの御申告については、追ってホームページで公表させていただきます。
 続けて、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。
 薬事分科会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますことを報告させていただきます。
 報告は以上になります。
○石井調査会長代理 ありがとうございました。
 ただいまの事務局から説明に対し、御意見、御質問はございますか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。資料はあらかじめお送りさせていただいており、議題1に関して資料1-1から1-4及び参考資料1-1から1-3、議題2に関して資料2及び参考資料2がございます。このほか、議事次第・資料一覧、委員・参考人名簿及び競合品目・競合企業リストがございます。お手元に御用意のない委員がいらっしゃいましたら、お知らせください。
 なお、資料は厚生労働省ホームページにも掲載しておりますので、オンラインで傍聴されている方はそちらを御参照いただければと思います。
 以上になります。
○石井調査会長代理 よろしいでしょうか。お手元に資料はございますか。
 それでは、議題1「緊急承認された医薬品の市販後安全対策について」の審議を行いたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1「緊急承認された医薬品(ゾコーバ錠)に係る対応について」を御覧ください。
 新型コロナウイルス感染症治療薬であるゾコーバ錠が緊急承認されたことに伴い、参考資料1-1としてお示ししている医薬品等安全対策部会での審議を踏まえ、安全対策調査会において副作用等報告の状況を考慮し、追加の安全対策の要否の評価をお願いするものです。
 初めに、製造販売業者からの副作用報告の状況について御説明いたします。資料1-2を御覧ください。今回の調査会の集計対象期間が11月24日から2月5日であり、製造販売業者からの報告に基づく推定使用者数は2万8050人です。当該期間における製造販売業者からの報告頻度は2ページの別紙のとおりで、前回の調査会から3例の追加報告があります。
 3ページの別添1に症状別報告件数をお示ししています。前回の調査会から追加されたのは横紋筋融解症、意識消失、流産の計3例の報告です。
 4ページの別添2に症例一覧を、5ページからの別添3に基礎疾患等及び症例経過をお示ししておりますが、流産の症例は患者のプライバシー、報告医の意向等を踏まえ、実年齢や症例経過は委員限りとしております。
 なお、今回の集計対象期間以降に血圧低下、低血糖及び脱水、間質性肺炎、不正出血、低体温の報告が各1件、計5例ありましたので、御一報させていただきます。
 詳細情報は、次回の調査会の資料にてお示しします。
 また、今回の資料に含まれています意識消失については、重篤症例としては取り下げの報告がありましたので、次回以降は非重篤症例として整理される予定です。
 次に医薬関係者からの副作用報告の状況について御説明いたします。資料1-3を御覧ください。
 集計対象期間における医薬関係者からの報告頻度は2ページの別紙のとおりで、前回の調査会から2例の追加報告がございます。症状別報告件数は3ページの別添1を御覧ください。前回の調査会から追加されたのは軟便、頭痛、浮動性めまいの3件です。これらはいずれも非重篤とされています。
 次に製造販売業者の公表資料である市販直後調査の中間報告を御説明いたします。資料1-4を御覧ください。
 集計対象期間における非重篤の副作用の報告頻度は2/9ページの別紙のとおりです。
 非重篤症例の副作用収集状況は6/9ページから7/9ページのとおりです。
 8/9ページを御覧ください。RMPの重要な潜在的リスクである催奇形性に係る情報が収集されています。2月5日時点で本剤投与後に妊娠が発覚した症例は2例報告されており、今回、その2例のうち1例において、流産されたことが確認されました。
 流産症例の本剤の影響について、報告医は「不明」、企業は自然流産の可能性もあるが「不明」と判断されています。
 また、前回の調査会において御説明したとおり、前回調査会終了後の同日中に、同意書等に前回の月経後に性交渉を行った場合は妊娠している可能性があります、現在、妊娠または妊娠している可能性がある場合には申し出てくださいという旨が追記され、企業により医療機関へ情報提供されています。
 最後に、9/9ページを御覧ください。RMPの重要な不足情報として、中等度以上の肝機能障害患者での安全性に係る情報が収集されております。中等度以上の肝機能障害患者への投与が7例収集されておりますが、副作用等の発現は見られていないとのことです。
 説明は以上となります。
 また、多賀谷悦子参考人から、本剤は妊婦禁忌の薬剤であるため、最終月経などの問診項目で妊娠している可能性があるかの確認が必要であり、事前チェックリスト等の活用をより周知することが必要であるとの御意見をいただいております。
 御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○石井調査会長代理 御説明をありがとうございました。今、多賀谷参考人の御意見を御紹介いただきました。
 続いて、亀井参考人より御意見をいただけますでしょうか。
○亀井参考人 埼玉医大の日本産婦人科学会の理事をしております亀井です。
 今回のことに関しては、自然流産の可能性も十分ありますので、薬剤との直接的な因果関係に関しては明らかではないと思います。
 先ほどお話のあったような注意喚起に関しては、もうこのままの形で特段これ以上の配慮をする、注意喚起をするという必要は必ずしもないとは思っております。
 我々産婦人科の専門医ですら妊娠の時期の判断に関しては随分迷うことがありますので、我々学会としては、一般的な注意喚起の文章だけで十分事足りるかと考えております。
 以上です。
○石井調査会長代理 ありがとうございました。
 続いて、長瀬参考人より御意見をいただけますでしょうか。
○長瀬参考人 副作用については胃腸障害のことを当初から指摘いたしていたところですけれども、1%からだんだん下がってきて、今は0.8%ぐらいですかね。数としては一番多いようですけれども、あまり重篤なものは報告されていないということで、引き続き観察する必要があろうかと思います。
 もう一つは、副作用として、薬剤性間質性肺炎については現在のところまでに明らかなものが報告されていませんけれども、注意深く経過を追っていく必要があろうかと思います。
 以上です。
○石井調査会長代理 ありがとうございました。
 続いて、宮﨑参考人より御意見をいただけますでしょうか。
○宮﨑参考人 ありがとうございます。
 先ほどから話題になっております妊娠などについては、既に発売後に注意喚起がなされているところですし、先ほどの産婦人科学会からの話のとおり、現場の先生方に十分周知されていて、処方をお考えいただくということで大丈夫だと思います。
 一方、今、長瀬先生からありました間質性肺炎についても、症例がどういう経過だったのかをたどる必要があると思いますけれども、恐らく基礎疾患、COVID感染症との鑑別という点でも難しいところがあるかと思いますので、今後の症例の蓄積と発生を見る必要があると思っています。
 横紋筋融解症も出ていました。横紋筋融解症については薬剤性の可能性はあるのですけれども、この方は筋骨格系の基礎疾患があるという情報もいただきましたので、その関連でCKが上昇したことで横紋筋融解症になった可能性もありますから、薬剤との関連については今後の調査、蓄積が必要なのではないかと判断いたしました。
 以上のようなことで、全体としては、現時点で特段の追加の処置等は不要であると考えております。
 以上です。
○石井調査会長代理 ありがとうございました。
 本件につきまして御意見、御質問など、委員の皆様からございますか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 参考人の亀井先生に少しだけ御解説いただきたいのですが、塩野義の第5回の中間報告にも記載されていますけれども、改めて自然流産の発生率とか、そういったものは一般的にどの程度の頻度となるのでしょうか。
○亀井参考人 ありがとうございます。
 一般的には、妊娠の反応が出ました後に15%ぐらいです。
 この方の場合には、月経の周期にもよるとは思うのですけれども、ちょうど内服した時期が恐らく妊娠の確認ができるかできないかぐらいの時期だと思うのです。そうしますと、早い時期なので1割以上は自然に流産をされてしまいますので、これと薬剤との因果関係となると難しいと思います。
 我々自体も、いつ妊娠したかというのを実際にすぐに診断することはなかなか、排卵の時期とかの断定も難しいことも珍しくありませんので、一般的な注意喚起をする以外に方法がないかと学会は理解しております。
○舟越委員 大変勉強になりました。
 あとは妊娠初期過ぎると検査薬等も陰性になることとか、そういった情報も事前に確認させていただいたので、現場の専門医でも結構難しいということは理解できました。ありがとうございます。
 石井先生、併せて発言してよろしいでしょうか。
○石井調査会長代理 どうぞ。
○舟越委員 私も先ほどの参考人の先生方と同じですが、前回発言した内容と同様になりますけれども、承認カテゴリーが異なりますが、特例承認薬等でも、承認カテゴリーの治療薬でも、安全性監視活動として妊婦関係でのこういったことについては同様の情報が上がっております。
 緊急承認薬の本剤に限ったことではないですし、全例把握しているからこそ収集できた事例であって、適切に収集できていること自体はよいことだと思います。
 その上で、残念ながら妊婦への禁忌について、このような事例が起こることは仕方がない部分はありますが、前回RMP資材等も修正したため、チェックリストも適切に医療従事者側も患者側も十分確認しているかどうか、それをさらに、同じような事例が起きないかどうかを注視していく必要があります。
 あと、変わらず、その際生じた事例について安易な中絶等にならないように、現場でのリスクコミュニケーションが適切にできることが医療現場には求められていると思います。
 事務局に確認ですが、もう一例の妊婦への投与についての経過情報というものは事務局にあるのでしょうか。
○石井調査会長代理 事務局さん、お願いいたします。
○事務局 もう一例の事例については、企業が患者さんのプライバシー等を配慮して、可能な限りその情報を追っていくと聞いております。
○舟越委員 ありがとうございます。
 私からは以上になります。
○石井調査会長代理 ありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 先生方、よろしゅうございますか。
 うなずいてくださっておりますので、議決を採りたいと思います。
 柿崎委員におかれましては、利益相反に関する申し出に基づきまして議決への参加は御遠慮願います。
 現状の報告状況を踏まえて、現時点において特に追加の対策は行わないとしてよろしいでしょうか。ただし、皆さんの共通の御意見でございましたチェックリストを使っての遵守を徹底していただくということでよろしゅうございますか。
 皆さんうなずいてくださっていますので、良しということでよろしいでしょうか。
 それでは、このような形で、異議なしとさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 本議題に関する今後の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 いただいた御意見を踏まえ、チェックリスト活用の徹底に係る対応を検討させていただきます。また、引き続き、今後の集積を注視してまいります。
 本調査会での議論につきましては、安全対策部会に報告いたします。
○石井調査会長代理 ありがとうございました。
 それでは、本議題は終了といたします。亀井参考人、長瀬参考人、及び宮﨑参考人におかれましては、貴重な御意見をありがとうございました。これ以降は御意見を求める予定はございませんので、途中で御退室いただいて差し支えございません。ありがとうございました。
 続きまして、報告事項である議題2「メトホルミン製剤のRMP終了の報告」の報告を行います。
 事務局からの説明をお願いいたします。
○事務局 よろしくお願いいたします。
 メトホルミン製剤のRMP終了について報告します。資料2を御覧ください。2型糖尿病の効能または効果を有するメトホルミン塩酸塩の先発品であるメトグルコ錠は、平成22年に承認され、平成26年8月29日には小児用量に関する用法及び用量の一部変更承認がなされました。その際、メトグルコの医薬品リスク管理計画、いわゆるRMPが公表されております。
 平成27年には、メトグルコの再審査では添付文書における注意喚起が遵守されず、乳酸アシドーシスを発現している症例が散見されることから、禁忌を含めた適正使用に係る情報の周知が引き続き必要である等の指摘がなされましたので、再審査終了以降もメトグルコの後発医薬品を含めてRMPが継続されました。
 現在はRMPに基づく追加のリスク最小化活動として、医療関係者向け資材及び患者向け資材の提供を行った上で、乳酸アシドーシスの発現状況及びリスク因子等を年1回検討し、医薬品医療機器総合機構に報告することが実施されております。
 今般、近年のメトホルミン製剤の乳酸アシドーシスの発現状況等を踏まえて、メトグルコの製造販売業者よりRMPの終了が提案され、医薬品医療機器総合機構において、メトグルコ及びメトグルコの後発医薬品のRMPに基づく追加のリスク最小化活動を不要として差し支えないと考えるとの調査結果報告書が取りまとめられたため、本調査会で報告します。
 医薬品医療機器総合機構による調査結果については「2.調査結果」を御覧ください。再審査期間中に認められた懸念である「禁忌患者への投与による乳酸アシドーシスの報告」は現在も散見されるものの、再審査期間終了以降に、乳酸アシドーシスの報告数が増加している傾向や、禁忌患者への投与時の乳酸アシドーシスの報告数が大幅に増加している傾向は認められず、新たな安全性の懸念を認める状況とはなっておりません。
 メトホルミン塩酸塩については、2019年6月に中等度の腎機能障害患者の禁忌解除が行われ、少量により開始すること等の注意喚起を追加しておりますが、この添付文書改訂の影響を評価したMID-NET調査において、メトホルミン塩酸塩が新規処方された中等度の腎機能障害患者への初回投与量の遵守傾向が認められ、また、中等度の腎機能障害患者において乳酸アシドーシスの発現は認められなかったことから、現在ではメトホルミン製剤の適切な患者選択がなされていることが示唆されております。
 メトホルミン製剤による乳酸アシドーシスは、本邦の標準的な教科書にも記載されており、また、日本糖尿病学会から『メトホルミンの適正使用に関するRecommendation』が発刊される等、再審査期間終了以降、最新の知見を踏まえたメトホルミン製剤の安全性の周知がなされ、医療現場で認識されております。
 メトグルコ及びメトグルコの後発医薬品の乳酸アシドーシスに関する安全性の懸念は、これまでにも承認取得者による情報提供が実施されており、今後も承認取得者による情報提供が継続されることとなっております。
 メトホルミン塩酸塩を含む配合剤の一部製品には、承認時にRMPが承認条件として付与されており、再審査が終了し、承認条件が満たされたことから、2023年1月25日現在、RMPが公開されていないものもございます。
 以上を踏まえ、メトグルコ及びメトグルコの後発医薬品のRMPに基づく追加のリスク最小化活動を終了しても差し支えないと考えるとされております。
 事務局からの報告は以上になります。よろしくお願いいたします。
○石井調査会長代理 御説明ありがとうございました。
 それでは、本報告について御意見などございますでしょうか。
 柿崎先生、お願いいたします。
○柿崎委員 適正な情報提供がされているということで、RMPの終了に関して異論はないのですけれども、メトホルミンは最近合剤の発売も多いかと思います。合剤に関しても適切に情報提供がなされているという理解でよろしいでしょうか。
○事務局 御質問ありがとうございます。
 該当する配合剤だとイニシンク配合錠、エクメット配合錠というお薬がございますが、RMPに基づく活動は終了しておりますが、現在も企業の自主的活動として、資料配布を通じた情報提供活動を継続して行っているということを企業から確認しております。
 以上です。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○石井調査会長代理 ほか、御質問はございますでしょうか。特にございませんか。
 それでは、本議題については御確認いただいたものとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 予定していた議題は以上ですが、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 ありがとうございました。
 特にございません。次回開催につきましては、改めて御連絡いたします。
○石井調査会長代理 それでは、本日の調査会を閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
(了)