第133回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

日時

平成30年7月31日 10:30~12:00

場所

中央合同庁舎第5号館厚生労働省専用第22会議室(厚生労働省18階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

○阿部分科会長 ただいまから、第133回労働政策審議会職業安定分科会を開催いたします。議事に先立ちまして、当分科会に所属する委員の交代がありましたので御報告いたします。当分科会の使用者代表委員として、遠藤委員に代わりまして日本経済団体連合会労働政策本部長の正木委員が御就任されています。

○正木委員 どうぞよろしくお願いいたします。

○阿部分科会長 また、本日は御欠席ですが、深澤委員に代りまして清水建設株式会社代表取締役副社長の今木委員が御就任されています。
本日の委員の出欠状況です。公益代表の太田委員、鎌田委員、労働者代表の勝野委員、使用者代表の今木委員、河本委員、松井委員が御欠席です。なお、河本委員の代理として全日本空輸株式会社の秋田様が御出席されています。
さらに、事務局である職業安定局の幹部にも異動がありましたので御報告します。土屋職業安定局長、田畑職業安定担当審議官、岸本総務課長、飯田公共職業安定所運営企画室長、小野寺首席職業指導官、古館外国人雇用対策課長がそれぞれ就任されています。なお、外国人雇用対策課長は所用のため遅れて御参加の予定とお聞きしています。あらかじめ御承知おきください。ここで事務局から御挨拶があります。
 
○土屋職業安定局長 ただいま御紹介いただきました、本日付けで職業安定局長を拝命いたしました土屋と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。振り返りますと、私は職業安定行政に7年ぶりに戻ってきたというような状況でして、この間、行政を取り巻く環境は大きく変わり、人手不足対策というようなことが、今直面する課題だと認識しております。本日も私ども行政の政策あるいはハローワークの状況について御評価を頂きますが、委員の皆様方に御指導いただきながらしっかり取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
また、働き方改革の推進法につきましては、御案内のとおり、先の通常国会で成立させていただくことができました。これまでの御指導に感謝申し上げますとともに、この施行に向けた省令などの制定につきましては、これから準備をさせていただき、適宜速やかにお諮り申し上げたいと思っておりますので、この点についても是非よろしくお願い申し上げます。
 
○阿部分科会長 議事に入りたいと思います。最初の議題は、「2017年度の評価及び2018年度目標設定について」です。事務局より説明をお願いいたします。
 
○雇用政策課長 それでは、年度目標について御説明申し上げます。資料No.1-1が「職業安定分科会における年度目標の評価について(案)」となっていまして、その詳細版とも言えます「評価シート」を資料No.1-2として付けています。資料No.1-2を用いましてポイントを御説明差し上げます。
まず、1ページ、大きな柱の1、ハローワークにおける職業紹介・人材確保等についてです。この中にはマル1~マル7の目標が設定されています。真ん中の縦線の右側が2017年度の目標、右端が2017年度の実績となっています。マル1のハローワーク求職者の就職率につきましては、目標が31.3%に対しまして実績が31.5%。マル2の人材確保対策コーナー設置ハローワークにおける人材不足分野の充足数につきましては、2万6,800人に対しまして2万6,898人。マル3ハローワークにおける正社員就職件数につきましては、76万件に対しまして75万2,590件と、こちらは目標を下回った実績となっています。マル4マザーズハローワークにつきましては、89.3%に対しまして92.9%。マル5雇用保険受給者の早期再就職割合につきましては、36%の目標に対しまして38.3%。マル6求職者支援制度による職業訓練の就職率につきましては、基礎コースが55%に対しまして58.3%、実践コースが60%に対しまして65.1%。マル7の生活保護受給者等就労自立促進事業の支援対象者の就職率につきましては、65%の目標に対しまして67.0%ということで、マル3のハローワークにおける正社員就職件数についてのみ、目標を下回った実績となっています。
2ページは、2017年度の目標設定における考え方ですので、こちらについては説明を省略させていただきます。
2ページの下のほうから、実施状況が書いてあります。簡単に御紹介いたします。マル1の就職率につきましては、PDCA目標管理手法によりましてマッチング業務の質的向上を図ってきたところです。3ページを御覧ください。マル2の人材確保対策コーナーにつきましては、求人条件の見直しや事業所見学会・就職面接会等の開催等によりマッチング支援を実施してまいりました。マル3の正社員就職件数につきましては、求職者の希望や経験等を踏まえまして正社員求人への応募の働き掛け、担当者制による支援等を実施してまいりました。マル4のマザーズハローワーク事業につきましては、まずは子連れでも来所しやすい環境の整備を行うなど、また、担当者制による支援等を行ってまいりました。マル5の雇用保険受給者等の早期再就職割合につきましては、求職活動支援セミナー等の開催、また認定日の職業相談などを実施したところです。マル6の求職者支援制度による職業訓練の就職率につきましては、訓練開始前から訓練期間中、訓練終了後と一貫した早期の就職の支援を行ったところです。4ページです。マル7の生活保護受給者等の就職率につきましては、就労支援チームによるきめ細やかな支援を実施したところです。
次に、2017年度施策実施状況に係る分析です。基本的には、目標を達成したものにつきましては、先ほど御紹介しました取組を推進することにより目標を上回る実績となったということを記載しています。マル3の正社員就職件数につきましては、目標設定時の求職者数の減少見通しを2.5%減と見込んでいたところですが、求職者が想定以上に減少した結果、就職件数が伸び悩んだといった分析を行っています。
5ページを御覧ください。達成状況を踏まえた評価及び今後の方針です。こちらも主なところを御紹介します。就職率につきましては、一層取り組んでまいりますということを記載しています。人材確保対策コーナーにつきましては、平成29年度の12箇所から平成30年度は84箇所への拡充を図ることを予定しているところです。正社員の就職件数につきましては、ハローワークを利用していらっしゃらない潜在的求職者の来所勧奨や、また、引き続き担当者制や予約相談などによる、きめ細やかな相談支援を行うことを予定しています。マザーズハローワークにつきましても、箇所数の増加、194か所から199か所など充実を図ることを実施しています。また、マル5以下につきましても、引き続き施策を実施してまいりたいと考えています。
7ページを御覧ください。2番目の柱、失業なき労働移動の推進です。マル8の労働移動支援助成金による早期再就職割合ですが、これは目標の55%に対しまして55.1%の実績となっています。マル9の労働移動支援助成金の雇用形態がフルタイムの労働者につきましては、65.1%の目標に対しまして67.6%。マル10の産業雇用安定センターによる出向・移籍の成立率につきましては、61%の目標に対しまして69.5%になっています。
8ページは、施策の実施状況です。マル8とマル9を合わせて書いていますが、早期に再就職を実現するための休暇を与える事業主に対する助成の優遇措置などを新たに実施したところです。マル10の産業雇用安定センターによる出向・移籍の成立につきましては、出向等支援協力員の配置数の増員などにより訪問件数の増加を行いまして、出向の実現を図ってまいったところです。こちらにつきましては、実績が目標を上回っておりまして、こうした取組により目標を上回ったといった分析をしています。
9ページ、今後の方針についてです。今後とも労働移動支援助成金につきましては、適宜見直しを図りながら推進してまいりたいと考えており、産雇センターにつきましても引き続き一層円滑な出向・移籍の実現に取り組むこととしているところです。
11ページを御覧ください。若者の就労促進についてです。まず、マル11がハローワークの職業紹介により正社員就職に結び付いたフリーター等の数ですが、目標が29万2,000人に対しまして28万9,403人ということで、目標を下回った実績となっています。マル12の学卒ジョブサポーターによる支援による正社員就職者数につきましては、19万1,000人の目標に対しまして19万7,227人と、目標を上回っています。マル13外国人雇用サービスセンター等を経由しました留学生の就職件数につきましては、1,750人の目標に対しまして2,042人と、目標を上回った状況になっています。
12ページを御覧ください。マル11のフリーター等の数についての目標に対する取組については、「わかものハローワーク」等を通じた就職氷河期世代等正社員就職実現プランなどによりまして、集中的な支援を実施したところです。マル12の学卒ジョブサポーターによる支援につきましては、担当者制によるきめ細かな職業相談・職業紹介等を実施してまいりました。マル13の外国人雇用サービスセンター等を経由しました就職につきましては、来日して間もない留学生を含めた就職意識啓発セミナー等、また、企業に対しましてはコンサルティングなどを実施したところです。
次に、2017年度施策実施状況に係る分析です。マル11が目標を達成できていませんが、こちらにつきましても先ほどと同様の分析になります。45歳未満の新規求職者数が前年度比で7.7%減少したこと等によりまして紹介件数が減少し、実績が伸び悩んだという分析をしています。マル12、マル13につきましては、取組によりまして目標を達成することができたとしています。
13ページを御覧ください。今後の方針ですが、就職支援ナビゲーターの配置等、また、関係機関との連携によりまして、フリーター等の正社員就職に取り組んでまいりたいと考えています。また、マル12とマル13につきましても、引き続き支援体制の充実等により取組を進めてまいりたいと考えています。
 14ページを御覧ください。高齢者の就労促進についてです。マル14が生涯現役支援窓口のチーム支援による就職率です。55~64歳では目標が75.8%に対しまして69.4%、65歳以上につきましては62.9%に対しまして60.4%ということで、どちらも目標を下回った状況です。マル15のシルバー人材センターにおける会員の就業数につきましては、7,100万人日の目標に対しまして7,044万7,859人日ということで、こちらも目標を下回った状況です。
次に、施策の実施状況です。生涯現役支援窓口につきましては、15ページに書いていますが、支援チームによる支援を実施したといったところです。また、マル15のシルバー人材センターにつきましては、「高齢者活用・現役世代雇用サポート事業」などによりまして、就業機会の拡大に取り組んだところです。
2017年度の施策実施状況に係る分析です。生涯現役支援窓口につきましては、積極的な窓口への誘導の強化を図ったところです。これによりまして、支援対象者数が約2万3,000人から約3万7,000人に増加しました。就職者数につきましても、約1万6,000人から約2万4,000人に増加しましたが、裾野の広がりによりまして就職率の目標を達成することができなかったところです。シルバー人材センターにおける就業数につきましては、会員数が減少しています。これによりまして、就業できる会員とその事業者との仕事のミスマッチといったものがありまして、なかなか就業を実現することができなかったといったところです。参考の所に対応できなかった理由としまして、「希望する会員がいなかった」が44%挙げられています。
今後の方針を15ページの下に記載しています。まず、生涯現役支援窓口については、より就職が困難な方に対しましては、職場見学や職場体験の活用を実施してまいりたいと考えています。また、現在非常に雇用情勢が引き締まっている状況です。未充足求人を中心としました求人事業所に対しまして、マッチングの促進を図ってまいりたいと考えています。次の16ページの、シルバー人材センターにつきましては、まずは会員数の減少という問題があります。高齢者の方々にシルバー人材センターで働く魅力を広める活動を実施してまいりたいと考えています。引き続き、高齢者活用・現役世代雇用サポート事業を実施してまいるとともに、マッチング支援につきまして国庫補助の対象とするなどにより、積極的な支援を促進してまいりたいと考えています。
資料No.1-2の評価シートを受けまして、資料No.1-1の形で評価結果の概要をまとめさせていただいています。繰り返しになりますので、こちらにつきましてはポイントだけを簡単に触れさせていただきます。1番目の柱の、ハローワークにおける職業紹介・人材確保等につきましては、例えばマル1では、就職率につきましては目標を上回ったという状況を記載しておりまして、2017年度の取組を中心に、こうした取組により就職が促進されたというような記載をしています。マル3のハローワークにおける正社員の就職件数は目標を下回っておりますので、こういったものにつきましては、目標を下回った事実を書かせていただきまして、先ほど申し上げましたような、求職者数の減少による実績の伸び悩みということを記載しています。また、これに対する対応としまして、潜在的求職者層への来所勧奨等の取組を書かせていただいています。その他の取組についても同様な記載ぶりになっています。2ページに、1番のまとめとしまして、ハローワークにおける職業紹介・人材確保等につきましては、大半は目標を達成したものの、正社員就職件数については目標を下回る実績となったということで、目標を下回ったものについては明記しています。潜在的求職者層への来所勧奨等の働き掛けを強化すべきであるといったことを記載しています。
3ページの失業なき労働移動の推進につきましては、労働移動支援助成金の取組状況、目標を上回った状況について、その取組内容を記載しています。2番の柱につきましては、全て目標を上回っていますので、そういった取組状況を中心に書かせていただいています。3ページの下のほうからは、まとめとしまして、いずれも目標を達成し、引き続きその実現に取り組んでいくべきであるといったようなことを書かせていただいています。
3番目の若者の就労促進につきましては、まずマル11の正社員の就職に結び付いたフリーターの数については、求職者数の減少などにより目標を下回った事実について記載しておりまして、今後の取組としまして、就職支援ナビゲーターや個別支援、そういったことについて記載しています。また、学卒ジョブサポーター、外国人サービスセンターにつきましては、目標を上回った状況ですが、こちらにつきましては、引き続き個別支援など、そういったことに取り組むといったことを書かせていただいています。5ページに、まとめという形で、まずはフリーターの正社員就職件数が目標に至らなかった事実を記載しておりまして、こちらについての積極的な取組を記載しています。また、学卒ジョブサポーターについてのマッチングの強化、外国人雇用サービスセンター等における留学生への対応につきましても引き続き支援に努めるといったことを記載しています。
4番目の柱の高齢者の就労促進につきましては、生涯現役支援窓口での就職率は目標を下回った事実を記載しておりまして、この誘導強化による支援対象者数の増大等について記載しています。6ページまでそういったことを記載しています。今後、就職が困難な方に対する職場体験等についての取組を実施すべきであるといったことを記載しています。シルバー人材センターの会員の就業数につきましても、目標を下回った事実、また、会員数が減少した結果、ミスマッチが生じたといったことを分析として書かせていただいており、会員の拡充やマッチングの向上を図るべきであるということを記載しています。最後のまとめとしまして、生涯現役支援窓口でのチーム支援等について、目標を達成できなかった事実などについて記載しています。以上が、2017年度の安定分科会における年度目標の評価についての案としてまとめたものです。
続きまして、2018年度の目標についてです。資料が前後しますが、参考資料No.1-4を御覧ください。2017年度の目標の項目と2018年度の目標の項目の紙があります。「年度目標における変更点について」というタイトルです。2018年度の目標につきましては、まず、柱立ての項目としまして、「失業なき労働移動の推進」を「成長分野等への人材移動」という形で名称の変更をさせていただきたいと考えています。こちらの中身の労働移動支援助成金等につきましては変更せず、項目立ての名称を変えるということを予定しているところです。また、若者の就労促進につきましては、こちらの組織再編により、人材開発の部門におきまして若年者に関しては取組を実施していくということになっています。人材開発分科会でこちらの目標を設定しまして、取組状況について確認するということとしておりまして、2017年度ではマル11とマル12になりますが、こちらについては人材開発分科会のほうに移行したいと考えております。マル13の外国人雇用サービスセンター等を経由した留学生の就職件数につきましては、若者が人材開発分科会に移る関係で、高齢者のところに移行しまして、高齢者・外国人の就労促進という形で、こちらは内容を変更せずに一番最後に付けさせていただきたいと考えています。
資料No.1-3にお戻りください。2018年度の目標につきましてまとめさせていただいた案です。表の左端に項目があります。左側に記載してある数字が2017年度の年度目標で、真ん中が2017年度の実績です。右側が2018年度の年度の目標の案という形になっています。まず、マル1のハローワークにおける就職率ですが、こちらは平成29年度の就職率の実績31.5%を維持する形で31.5%という目標を設定させていただきたいと考えているところです。マル2の人材確保対策コーナー設置ハローワークにおける人材不足分野の充足数につきましては、2017年度に12か所で実施していたものを84か所まで拡充することを予定しているところです。こちらにつきましては、過去3年間の実績を84か所に当てはめた結果としまして、13万9,700人という目標値を設定させていただきたいと思います。マル3の正社員就職件数につきましては、2015~2017年度の実績を考慮しますと71万4,000件になるのですが、そちらに5,500件ほど上積みしまして、72万件という目標を設定させていただきたいと思います。マザーズハローワークの就職につきましては、こちらも箇所数が増加するという部分がありまして、2015~2017年度の実績と、また、新規に設置するハローワークにおける実績を勘案しまして、89.9%という目標を設定させていただきたいと思っています。
次に、マル5の雇用保険受給者の早期再就職割合につきましては、過去3年分の実績36.9%を踏まえまして、これを37.5%に上積みして提示させていただきたいと思います。マル6の職業訓練の就職率につきましては、長期的なスパンで検討すべきという御意見もありまして、55%又は60%という目標を維持しまして、引き続き55%、60%という目標を設定させていただきたいと思います。マル7の生活保護受給者等につきましては、3か年の平均が66.4%とありまして、これを67%に設定させていただきたいと思います。マル8労働移動支援助成金の早期再就職割合につきましては、2017年度の実績が55.1%と、目標が55%でしたが、僅かに上回ったところです。2017年度の実績を踏まえまして、2017年度の目標値と同じ55%と設定させていただきたいと思います。マル9の労働移動支援助成金につきましては、前年度の実績が67.6%で目標を上回っています。この実績をそのまま目標値という形で、67.6%と目標を置かせていただきたいと思います。産雇センターにつきましては、異業種間移動などによる等、移動の実績がかなりぶれる傾向がありまして、過去3年間の実績の平均値である64%を目標に置かせていただきたいと思います。
高齢者の部分は、マル11、マル12はいずれもその目標を達成できなかった、目標を下回っていますが、マル11とマル12につきましては目標を達成すべく、2017年度に掲げた目標と同じ目標を設置させていただきたいと思います。マル13の外国人につきましては、2017年度に大きく伸びたところではありますが、就職が困難な方も増加しているという状況もあり、また、当初は2017年度も2,000件まで引き上げるという目標を想定していまして、2018年度につきましては、2017年度に比べると増加している2,000件を目標に設定させていただきたいと考えています。説明は以上です。
 
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、本件について御質問、御意見がありましたら御発言ください。
 
○林委員 私からは、資料No.1-2の項目マル3のハローワークにおける正社員就職件数について、意見と質問をさせていただきたいと思います。正社員就職件数が目標未達だったという件に関しては、4ページの分析結果の中で、目標設定時の求職者数の減少見通しに対して、更に減少したというところが述べられておりますが、今後の方針の策定に当たっては、もう一歩踏み込んだ分析が必要なのではないかと考えています。
まず意見となりますが、求職者が減ったことの背景をもう少し深掘りする必要があるのではないか。例えば、経済状況が上向いてきて、職を求める人たちが正社員になってきたことで、求職者が減ってきたことも一因ではあると思います。
その一方で、ハローワークにおける若者の就労促進にも触れられていますが、やはりフリーターが正社員に結び付いた部分も未達であると。例えば、それ自体が悪いことではないと思いますが、若い方々が正社員という働き方を選択しなくなり、多様な働き方のほうに流れているのではないかということも、背景としてあるのではないかと思っておりますので、もし現時点でデータ上どちらの傾向が強いのかが分かれば、御説明いただきたいと思います。また、現時点でわからないのであれば、年齢別や若者と中高年という形に分けて、それぞれの傾向に即したもう少しきめ細かい対策を講じていただければと思います。
もう1つは質問ですが、対策という点で、資料No.1-1の2ページの一番下に、「潜在的求職者層への来所勧奨等の働きかけを強化すべき」とありまして、ほかにも3か所ほどこれが記載されています。なかなか難しい取組かと思っているのですが、具体的にはどのような方法で、また年齢層なども絞られるのかどうなのか、その辺の考えをお聞かせいただきたいのですが。
 
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、御質問がありましたのでお願いします。
 
○雇用政策課長 求職者の減少の関係の分析ですが、雇用情勢は引き締まり基調ということでして、求職者の方々については減少を続けているところです。ただ、こちらを委員が御指摘のような、例えば年齢別の前年比で新規求職者数を見ますと、64歳までは全て減少しているのですが、65歳以上でハローワークに来られる方は8.6%増加という状況になっており、若い方々に比べると短時間の就業を希望される方の割合も多いこともあり、正社員就職という形での実績で見ていきますと、なかなか難しいところであります。
また、様々な希望に沿った形での就職の実現を目指しているところですが、求職者の方々が減少していく中で、これは全体として言えることですが、就職に結び付けることがなかなか難しいような、いろいろ困難な事情を抱えていらっしゃる方も増えているといったこともあるところです。
先ほどの御質問でした求職者の掘り起こしですが、NPOとか業界団体等に委託を行い、例えば仕事の体験会を開催することにより、仕事自体に興味を持っていただくことで、少し働いてみようかとかいうようなことで、大きなショッピングモールといった所でイベント的なものを開催していただいたりということなどにより、掘り起こしを図っていく。また、正に若者向けのセミナーとかガイダンスとか、地元求人の展示説明会とかといった従来からやっていることを更に拡充するようなものですが、そういったことについても実施してまいりまして、働くことに興味を持っていただいたり、業界に興味を持っていただいたり、また、ハローワークを身近に感じていただくことについての取組を平成30年度から実施させていただいているところです。
 
○林委員 ありがとうございました。
 
○阿部分科会長 ありがとうございます。その他いかがですか。
 
○久松委員 私からは、14ページのマル15シルバー人材センターにおける会員の就業数について、1点意見を申し上げたいと思います。分析結果に会員数の減少とありますが、高年齢雇用安定法の改正や、また昨今、人手不足が進んでいる中で、企業における65歳までの雇用機会の確保が進んでいます。
一方で、ほかのデータによると、シルバー人材センターの会員数自体は、平成16年をピークに減少を続けているという実態もありますので、今後もそういった状況の中では会員数の減少が進むのではないかということが予想されると思います。加えて、シルバー人材センターの会員の平均年齢も72歳を超えている状況で、今後も会員が高齢化していくことが今後も予想されます。会員の高齢化については、15ページの分析の中の参考にもあるとおり、74%のセンターが何らかの理由により企業等からの発注に「対応できなかった」と回答しているとおり、企業とシルバー人材センターの求める仕事のミスマッチにも影響していると思います。
そもそも昨今、人手不足が深刻で、即戦力を求めている企業のニーズと、生きがいや地域社会の貢献を主眼に置くシルバー人材センターに登録する方のニーズは異っており、企業とシルバー人材センターの会員とのマッチングは難しいと考えます。会員各自の取組を否定するわけではありませんが、真に高齢者の就労促進を目指すのであれば、例えばシルバー人材センターでもハローワークの高齢者の求人情報を提供するなど、ミスマッチ解消のために、ハローワークとシルバー人材センターとの連携をどのようにしていくのかなども、検討していく必要があるのではないのかとも考えます。以上、意見とさせていただきます。
 
○阿部分科会長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。
 
○正木委員 ただいまの久松委員のご発言に関連して、資料No.1-2の15ページ、シルバー人材センターの就業数ということで、センターが何らかの理由で企業からの発注に74%の方が「対応できなかった」ということになっていまして、「希望する会員がいなかった」が44%という数字が紹介されています。
ちょうど週末に、私が住んでいる地元の品川区のシルバー人材センターから、会員募集のチラシが入っていました。だから、宣伝はしているんだなと思って、年会費を2,500円払うのですが、ハローワークだと要らないのでそこに違いはありますが、それほど高くない。ではWebサイトをのぞいてみようかといったら、確かにちょうど7月26日付けで更新された「お客様発注内容一覧表」というのが掲示されていたのです。
内容は、企業等からの発注が126件もあったので、結構件数もあるんだなと思ったわけです。内容を見てみると、クリーニングとか清掃とかという名前の付いているものが91件、要するに126件のうちの72%が清掃関係ということなのです。ただ、清掃分野は通常の求人でも人材不足です。私はこの6月まで経団連会館の管理などもやっていたので、清掃会社の幹部の人としょっちゅうお話をしていたのですが、今とにかく人手が足りないと。AI登載のロボットの掃除機とかを一生懸命活用して何とかやり繰りしているのだけれども、とにかく足りませんということで、では求人で清掃と入れてみようかとWebで見ると、山ほど求人があるわけです。週3日で日中の客室清掃のみの未経験でも時給1,050円、交通費別途支給とかいうことで、先週目安が出された最低賃金とはかけ離れた高水準の求人でも人手が集まらないと、そういう状態なわけです。
ということで見ますと、この対応策で16ページに「マッチング支援員を国庫補助の対象とする」とありますが、これはマッチング支援員の問題なのかと。清掃の業務は足りないので、それとマッチング、清掃やってくれる人はいませんかと探すのが、果たして効率的なのかということも考えられる気がします。
資料の15ページで、今年の対策として、介護、育児分野での仕事の開拓等を重点的に実施したということですが、先ほどの126件のリストの中でそれらしいのは、「児童安全誘導巡回」が1件と、「ベッドメイキング27床」、これが介護分野か分かりませんが、それが1件あっただけだったのです。むしろ引き続き仕事の開拓をしていったほうが、マッチングということになっていくのではないかという気がしましたので、ご意見を申し上げます。
 
○阿部分科会長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。
 
○髙松委員 参考資料No.1-4、年度目標の変更点の御説明を頂きましが、若者の就労促進が人材開発分科会に移行されるという以外には、特段の変更点がないという御説明だったと思います。
一方で、例えば雇用環境が改善して、今お話のありました求人全体における就職困難者の割合が増加している中で、どのように就職率を高めていくのか、あるいは、今回は障害者雇用に関する目標項目が設定されていませんが、障害者雇用率の達成には指導強化や定着支援が非常に必要であろうと思っていまして、どのように支援・指導していくのかが問題であることは、これまでにも言われているところだと思います。ハローワークを取り巻く環境は年々変化をしている中で、長期的なトレンドを見ていくことも大切だとは思いますが、目標項目を必要に応じて見直すことも必要ではないかと私は考えます。今回、目標項目を据え置いたという考え方について、お伺いしたいと思います。以上、質問です。
 
○阿部分科会長 目標項目を据え置いたというのが御質問で、その前段は御意見として承っておきます。
 
○髙松委員 分かりました。
 
○阿部分科会長 それでは御質問です。
 
○雇用政策課長 委員の御指摘のように、安定行政が求められる役割は、様々あるとは思っております。例えば就職された方の定着についても、しっかり取り組んでいく。我々は、生活保護等受給者についても、例えば定着支援ということも取り組ませていただきます。様々な取組がある中で、一定数の目標を設定させていただくという中で、特に今回については、我々としましては、現時点で主だったものという言い方になってしまうのですが、そういった主要な項目について目標設定をさせていただいているところです。必要に応じて、適宜見直しをしてまいりたいとは思っております。現時点においては、例えば雇用情勢が非常に引き締まり基調になっており、一方でまた、求人側から見ますと、人手不足ということもある。また、そうかといって、マザーズに来られる方々についても、きちんとフォローしていかなければならないということを勘案しまして、今年度の目標項目については維持させていただければと考えているところです。
 
○阿部分科会長 ありがとうございます。髙松委員から御指摘のあった障害者雇用に関しては、障害者雇用……で目標は設定されていると思います。ただ、髙松委員の意見はある程度ごもっともなところもあって、例えば正社員の就職件数は、多分若年者の就職件数も入ってくるわけですよね。だから、その部分が別の分科会で議論されることになることは、やや影響はあるかという懸念はあるのです。ただ、例えば若者の就労促進という部分の数字が、ここから全部消えていくというよりは、何か参考値とかで残しておいてもらって、正社員の就職件数を議論する際に中高齢者と若年者を全体として見て、政策目標について議論するというのはあるのではないかと個人的には思いましたので、御検討いただければと思います。
 
○雇用政策課長 かしこまりました。
 
○阿部分科会長 ほかにいかがですか。では、柴委員。
 
○柴委員 私からは、参考資料No.1-4「年度目標における変更点について」、個別項目ではありませんが、大項目の2「失業なき労働移動の推進」が2018年度から「成長分野等への人材移動」と名称変更されたことについてお伺いしたいと思います。これまであった「失業なき」という文言については、労働者の立場からすれば非常に重要な視点だと思っていまして、「成長分野等への人材移動」という文言になると、積極的に人材移動を行うというイメージに映ってしまうと思います。
成長分野と言えばIT分野などを想像しますが、成長分野に移動するかどうかは、労働者自身の意思によるもので、そもそも目標項目にある労働移動支援助成金の本来の目的は、規模の縮小等により離職を余儀なくされる労働者への再就職支援であって、必ずしも成長分野に限った内容ではないと思っています。特に括弧書きにもある「再就職支援コース」などは、送出企業側のものだと認識しています。そうした点を踏まえれば、「成長分野等への人材移動」という名称変更について、個別項目と大項目の整合性に違和感を覚えるのですが、名称変更をした考え方についてお伺いしたいと思います。
 
○阿部分科会長 では、御質問ですので、お願いします。
 
○雇用政策課長 こちらについては、働き方改革実行計画等を踏まえて、「成長分野等への人材移動」という文言が使われているところです。委員が御指摘のとおり、例えば、もちろん現在働いていらっしゃる企業からの移動を無理にするものではありませんし、移動を希望される方が円滑に移動していただくのは、「成長分野等への人材移動」という文言を使う場合においても、そういったことは大前提としてあることは御理解いただければと思います。
また、今そういった労働需給が非常に引き締まり基調にある中で、円滑に労働移動していただくときに、正に希望されていらっしゃる方が、一方で人を必要としていらっしゃる企業、これは制度的には別に成長分野ということに限っているわけではないのですが、その多くは成長分野であろうということで、成長分野等への人材移動という柱立てということでさせていただいています。
ただ、委員の御指摘のとおり、労働者の方々に早期にきちんと再就職していただくことは、我々としても重要と考えているところですので、こちらの項目の助成金の中身については、従来どおり維持させていただいているといったところです。
 
○柴委員 個別の項目が変わっていないので、特に大項目の2番については、いずれも目標達成がされているということで、引き続き取組の充実を図っていただきたいと思っています。ですから、来年度の目標設定時に、変更した大項目に合うように個別項目を変更するようなことがないようにしていただきたいと思います。
 
○雇用政策課長 今後とも個別項目の見直しにおいても、もちろんこちらの分科会にお諮りしてという形になりますので、そちらのほうで御確認いただきながら毎年度の目標設定については御検討いただければと思っています。
 
○阿部分科会長 玄田委員、どうぞ。
 
○玄田委員 私は多分誤解をしているので確認の質問です。参考資料No.1-2の1ページのマル2の「人材確保対策コーナー設置ハローワーク」うんぬんの所で、2015~2017年度の実績を考慮し、13万9,700人設定とされています。一方で資料No.1-2の1ページを見ますと、マル2について2015年度実績はなくて、多分この項目は2016年度から項目になっているので、「2015~2017年度の実績を考慮し」という表現は少し違和感があります。しかも、例えば2017年度目標が2万6,800人に対して13万9,700人というのは、余りにも数値が違うので、これは何か書き方に問題があるのか、それとも何か累積のようなことをイメージされているのか、ここは確認しておかないとなかなか了解とは言えないので、この書きぶりについて、どういう意味として出されているのかが1点目の質問です。
2点目は、マル3の「ハローワークにおける正社員就職件数」で、こちらは「2015~2017年度の実績を考慮し」と書いてあって、先ほどの資料No.1-2の1ページを見ると、これは2016、2016、2017年度の実績があるのですが、ざっと84万件、79万件、75万件という数字を考慮し、72万件に設定するというのは、今年度は目標を達成していなかったので、若干の下方修正をするという意味だったら分かるのですが、過去3年の実績に対して72万人というのは、下方修正としてはやや弱気過ぎるのではないかと。ですので、この計算を考慮するという意味を、もう一度確認させていただきますでしょうか。
 
○雇用政策課長 御説明が非常に不足しており申し訳ありません。マル2の人材確保対策コーナーについては、箇所数を84か所という形で増加させるなどしているところですが、こちらの目標設定に当たっては、設置するハローワークにおける過去の実績、これはコーナーに限らず、こちらの過去の実績を考慮して件数を出しているといったところでして、当該ハローワークにおける人手不足、いわゆる人材不足分野に対する充足の件数を考慮しまして、この目標値について設定させていただいているといったところです。
 
○玄田委員 そうなりますと、過去の比較はできないので、例えばこの数字自体はありとしても、設置ハローワーク単位当たりだとか、少し過去との連続性を考慮した指標も同時に出さないと、ここから断続してしまうので、13万9,700人の数字と並んで過去の連続した場合というのは、設置ハローワーク数に対するとか、少しそういう追加資料の検討はなされたほうがよろしいのではないかと思ったのが、1点目です。
 
○雇用政策課長 2点目も説明が不足しておりまして、申し訳ありません。正社員の就職については、各年度の就職件数は取っておりまして、こちらについては毎年のように減少傾向です。この減少傾向を加味しまして、こちらの平均値、過去3年間の前年度比の減少幅が平均で言いますと5.08%ですので、こちらを昨年度の実績であります75万2,590件に掛けます。そうすることにより71万4,509件という数字が出ているのですが、こちらが過去の実績を考慮したというのは、過去の実績の低下傾向、トレンドを伸ばしたという形で捉えていただければと思います。そうしますと、71万4,509件という状況でして、こちらはそのままですとトレンドのままということですが、それに若干の上積みをして72万件とさせていただいているところです。
 
○阿部分科会長 よろしいですか。ありがとうございます。別に事務局の肩を持つわけではないですが、玄田委員からの1点目は、多分これまで実績としている12か所は、ハローワークとしては若干規模が大きい所ではないかと思うのです。ただ、それが84か所に拡大されると、ハローワークの規模は小さい所が増えてくると思われますので、単純に1か所当たりの人数を計算したとしても、不連続であるかもしれません。その当たり、少しどういう指標を作っていくかというのは、事務局でもう一度御検討いただければと思います。
 
○玄田委員 ありがとうございました。既存の設置施設だけに絞った場合に、どうだっかかということで連続性があります。
 
○阿部分科会長 参考までに今の議論も御検討いただければと思います。ほかにいかがでしょうか。
 
○河本委員代理(秋田様) 資料No.1-2の11ページの3「若者の就労促進」の中での、マル13外国人雇用サービスセンター等を経由した留学生の就職件数の件で、意見を出させていただきます。外国人労働者に関しては、昨今、非常に話題になっているところであろうかと思います。今回の目標の設定に関しては、あくまでも外国人雇用サービスセンター等を経由した留学生ということで、数的にも目標は1,750件に対して実績は2,042件ということで、今は小さい取扱いになっていることかと思いますが、今後この外国人労働者が非常に増えてくること自体を歓迎していく形で、そこを目指していくような目標の立て方をしていくのか、あるいは、あくまでも日本人の雇用を前提に、それを補完していく位置付けの労働者として見ていくのかというところが、中長期的には非常に問われてくるのではないかと思います。今後、慎重な目標の立て方が必要になってくるのではないかと思いますので、意見として言わせていただきました。
 
○阿部分科会長 ありがとうございます。
 
○村上委員 同じところで、外国人雇用サービスセンターに関して、1点質問と1点意見です。質問につきましては、12ページのマル13でこれまでの政策について書かれておりますが、外国人雇用管理アドバイザーは、どのような属性の方なのか、また、どのような知識・経験をお持ちで何をする方なのか教えていただければと思います。特に、マッチングについて、留学生の方を企業に受け入れていただく際の注意点などのアドバイスに留まるのか、あるいは、雇われた後も雇用管理のアドバイスを行うことなども、業務内容に含まれている方なのかという点について教えていただければと思います。
次は意見で、先ほどの秋田さんの御意見にもつながるのですが、新たな在留資格の創設ということが打ち出されており、それに関して私どもとしての考え方は取りまとめておりますが、人手不足だからという理由だけで受入れを進めていくことは、いかがなものかというところがありますし、外国人労働者の問題であるので、もう少し労働行政が前に出ていただきたいという要望を持っております。
特に、本日は多くを申し上げませんが、外国人労働者の雇用管理の問題は、極めて労働行政の問題だと思っており、新たな枠組みだけではなくて、既に昨年時点で128万人を超える方々が外国人労働者として働いていらっしゃる中で、国籍にかかわらずどのような在留資格であっても、日本で働く労働者としての権利は十分に保障されなければならないと思います。それが十分できているかと言えば、様々な問題が散見されているわけで、それは外国人労働者を受け入れる、雇用する側の知識不足もあるのではないかと思っております。
そういうことからすると、現在、雇用対策法8条を踏まえた外国人雇用指針がありますが、なかなか知られていない部分もありますので、これを法律に格上げすることも必要ではないかと思っておりますので、是非そういった方向での御検討もしていただきたいと思っております。以上です。
 
○阿部分科会長 ありがとうございます。質問が1点ありましたので、お願いします。
 
○雇用政策課長 今回、センターにおける就職は、あくまでも現時点での制度における在留資格の変更で就労が認められる方についての就職をあっせんするものですので、その点を御理解いただければというところです。
アドバイザーの関係ですが、こちらは外国人を雇用するに当たって雇用管理上の留意点等がありますので、社労士とか中小企業診断士等、そういった方で、そういった知見を持っていらっしゃる方々にアドバイザーになっていただきまして、企業側に対してアドバイス業務を行っていただいているといったところです。
 
○阿部分科会長 ありがとうございます。ほかにも皆様から御意見があると思うのですが、時間の都合もありますので、この議論はこの辺りで終わらせていただきたいと思います。ただ、まだ御質問や御意見等がある委員もいらっしゃると思いますので、本日、御指摘の点以外に、もし追加がありましたら、机上に配布されている意見記入用紙において、それ以外でも構わないと思うのですが、8月7日(火)までに事務局に御提出いただければと思います。その上で、当分科会としての2017年度の評価及び2018年度の目標設定については、私と事務局で相談して取りまとめを行いたいと思いますが、そういう流れでよろしいでしょうか。
 
(「異議なし」と声あり)
 
○阿部分科会長 では、そのようにさせていただきたいと思います。では、次の議題に移ります。次の議題は、「2017年度のハローワークのマッチング機能に関する業務の評価・改善の取組について」です。それでは、事務局より説明をお願いします。
 
○公共職業安定所運営企画室長 運営企画室長の飯田です。私のほうからは、お手元の資料2に基づきまして議題2を御説明いたします。お手元の資料をめくっていただきまして1ページ目を御覧ください。ハローワークのマッチング機能に関する業務の評価・改善の取組の概要となっております。こちらの取組ですが、平成27年度からハローワークの機能強化を図るために実施しておりまして、下のほうに3つほど枠がありますが、まず既存のPDCAサイクルによる目標管理・業務改善の拡充したということ。それによりまして、しっかりPDCAサイクルに基づいて、総合評価という形でハローワークのほうを評価をする。そして評価した結果を利用者の方へ公表いたしまして、透明性を高め、ハローワークの利用者の皆様のほうへ信頼性の向上を高めていく。当然PDCAですので、公表しただけでは済まなくて、きちんと評価結果に基づいて必要があれば重点的な指導を行ったり、あるいは好事例について全国展開を図るなどをして、ハローワークの全国的な業務改善につなげていく流れです。
簡単に御説明しますと、左枠のほうですが、まず従来の就職率等を指標にしたPDCAサイクルによる目標管理を拡充いたしまして、指標を追加しております。まず業務の質に関する指標、地域の雇用課題を踏まえ重点とする業務に関する指標を新たに追加しております。
下のほうですが、中長期的な就職支援の強化のため、職員の資質向上や継続的な業務改善の取組を推進するような評価の項目を、従前から加えて追加をしております。これらの項目を踏まえて、真ん中のほうですが、定期的に達成状況等を公表するとともに、年に1回ですが、全ての各ハローワークごとに、こちらの指標や評価項目に基づいて総合評価を実施する。その総合評価の実施した結果は、総合評価の結果ですとか、あるいはその中で具体的にどういう業務改善を行ったのか、あるいは今後どういった業務改善を行っていく必要があるのか、そういったことを含めて取りまとめをしまして公表をしています。また、公表後については、右側に移りますが、残念ながら評価が芳しくなかった所については、本省・労働局一体となってしっかり指導してまいるとともに、例えばその中で好事例のようなものがあれば、全国展開をする形でハローワークの機能強化を図るというものです。
ページをめくって、2ページを御覧ください。総合評価に当たってどのような指標・項目を使っているかの説明です。大きく指標・項目については2つに分けられまして、左側のほうが、全てのハローワークに共通する評価の指標です。例えば(1)番、主要指標による評価ですが、ハローワークのマッチング機能に関する業務のうちの中核的な業務の成果を測定する指標でして、先ほどの議題1にもありましたが、就職数や求人充足数、あるいは雇用保険受給者の早期再就職件数といったものが評価指標としてあります。その下の(2)ですが、こちらは従前から追加したものです。マッチング機能に関する業務の質を測定する指標ということで、求人者や求職者の方の満足度などのようなものを入れております。
こういった全所に共通する指標に加えまして、右側ですが、こちらはハローワークごとに地域に抱えている雇用の課題も異なりますので、そういった課題を踏まえながら、ハローワークのほうでいろいろ選んでいただくような項目となっております。右側の(1)で所重点指標となっていますが、こちらは地域の雇用に関する課題等を踏まえて、ハローワークごとに重点して取り組む業務に関する指標です。例えばですが、障害者の就職件数、正社員求人数、あるいは生活保護受給者等の就職件数などがあります。下の(2)ですが、こちらはハローワークの全体の底上げという形で、中長期的なマッチング機能の向上のために、職員の資質向上の取組や継続的な業務改善の取組をやっていただくような項目を設けてあります。こちらのほうの具体例としては、求職者担当制で実施することや職員による計画的なキャリアコンサルティング研修を受講していくという内容になっております。
3ページ目です。具体的に総合評価に当たっての方法をこちらに書いております。まず、総合評価は年度単位で、ハローワークごとにやっていくわけでして、年度合計の指標とか項目を数値化する形で評価を行っております。数値化の方法ですが、最初1番目ですが、重点項目を除く指標について点数化をいたします。図ですが、A指標の目標達成率×A指標のポイント化係数がA指標のポイントとなりますが、例えば正社員の就職件数で100%の目標達成して100点をもらえるといった場合に、目標達成率が95%であれば、100点×95%で95点になる。あるいは目標を達成して120%を超えてだと120点になるという意味です。
その下ですが、目標を100%以上達成すれば、それにボーナスという形でポイントを加点する。さらにマル3という形で、所重点項目の実施状況を基に更にポイントを加点して、最終的にマル1~マル3のポイントを合計をして、総合評価の点数となる仕組みになっています。
なお、下にもありますが、ハローワークは当然規模も違いますし、直面している労働市場の状況等も異なりますので、労働市場の状況や業務量が同程度のハローワークを11ほどのグループに分けて、その中で評価をしております。
続いて4ページです。最終的に総合評価をして点数付けをするわけでして、その際の評価の標語ですが、下の表にありますように、類型1~4の4パターン、「非常に良好な結果」から「成果向上のための計画的な取組が必要である」という形で4つに分けてあります。この4つの分け方ですが、点線枠を御覧いただければと思います。11グループごとに平均値を基準としまして、平均値以上を類型1、2とし、平均値未満を類型3、4に区分しております。目標達成率の100%を満点とみなしまして、満点以上を類型1とし、グループ平均値の80%未満を類型4としてあります。なお、規模の大きいハローワークについては、80%未満という数字を例えば90%未満あるいは85%未満というように、ハードルを高くしているようなこともあります。
続いて5ページです。縦書きの資料ですが、こちらの総合評価のポイントの結果を分布図にしたものです。11グループから更に多括り化して、5グループの形で分布図を取っております。横軸は全所必須指標と所重点指標の点数でして、縦軸は所重点項目の点数を取っておりまして、こちらの縦と横に点線が入っていると思いますが、これはそれぞれの平均の所で線を引いています。こちらがちょっと重なっていて分かりにくいのですが、例えば一番小さいグループの9~11グループは赤い丸でプロットをしておりますが、全般的に規模が小さくなるほど、こちらのばらつきが大きい、面積が大きいというようなことがありまして、下のハローワーク総合評価ポイントの規模別平均値と変動係数がありますが、こちらの変動係数を御覧いただきますと、規模が小さくなるほどばらつきが多くなっているという状況です。こちらの総合評価の目的は、あくまでハローワークの機能強化、底上げですので、私どもとしてはこの総合評価の結果を踏まえまして、なるべくこちらの上の分布図の、より右斜め上のほうにいくような形で、必要に応じて重点的な指導ですとか、良好な事例の全国展開を図っていきたいと考えております。
最後ですが、このあと4ページほどですが、類型1に該当した10のハローワークの中から4つのハローワークについて、好事例という形で御紹介をいたします。
6ページ目ですが、こちらは山形局長井所です。こちらは小規模な所ですが、こちらは雇用保険受給者の方に対して積極的な再就職促進を行うという形で、まず早期に再就職していただくということで、認定日までに1か月間の集中的な支援を行って、とにかく早期再就職の支援を途切らせないような形をしているということです。
2番目として、インフォメーションディスプレーを使用した効果的な情報提供とありますが、こちらは「ヤッピー劇場」という山形労働局のイメージキャラクターを使いまして、再就職を早くすると、再就職手当とかいろいろなものを頂けますよといったメリットをPRするようなものを視覚化するような形で使っているということです。また、労働市場がタイトになる中で、企業見学会とかもしっかりやらなければいけないわけですが、企業見学会の終了後に社内で個別の相談会を実施しまして、その日に疑問に思っていることを当日中に解消するというような取組を行っています。
7ページです。こちらは滋賀局草津所です。こちらは比較的大きい所ですが、こちらは求職者・求人者それぞれのニーズを踏まえたマッチングの強化の取組をしているということです。求職者のほうについては、求職者担当制を敷きまして、積極的に来所勧奨を行うとともに、相談の過程で求職者1人1人の方の特性を把握した上で、いろいろ応募書類の作成だとか、添削指導といった個別の指導を強化をしていることです。また、求人条件については、なるべく求職者の方からの応募が多くなるような求人内容にするために、いろいろな各種資料を活用して、ハローワークのほうから会社に求人内容を提案させていただいていることをさせていただいております。また、マッチングの企業面接会でも、ハローワーク草津の職員が直接企業のほうを訪問した際の感想をコメントで付けて、求職者の方に案内をして、広く参加を呼び掛けたといったような取組をしています。
8ページ、好事例3つ目です。愛知局新城所、こちらは規模はちょっと小さい所です。こちらはどちらかというと、今まで求職者の方にいろいろな支援をしたわけでして、就職の意欲は高い方が非常にうまくいったわけですが、なかなかそれ以外の方の参加が少なかったというような状況がありました。そのため、求職者の方向けのセミナーの内容を見直して、応募書類の作成やビデオ視聴を含んだ基礎的な内容に見直すことで、就労意欲が高い求職者以外の方の求職者の方の堀り起こしをするとともに、就労意欲が高い方については、下の黒ポツですが、引き続き就職支援対象として選定して、早期の応募に向けて積極的に働き掛けを行ったという内容です。
最後ですが、9ページ。好事例4つ目ですが、青森局五所川原所で、大変雇用情勢が厳しい所です。こちらについては、五所川原所のほうがいろいろな高校のほうに出向いて、五所川原所でこういった支援ができるんだというサービスメニューをよく周知をしていただきまして、その結果、各高校から要望のあった内容でオーダーメイド型の就職支援をするということで、管轄内の高校生の方の就職の支援をしている内容です。
すみません、ちょっと早足で恐縮ですが、私のほうからの説明は以上です。
 
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは本件について、御質問、御意見がありましたら御発言ください。
 
○松原委員 私からは、このハローワークのサービスがより良いものになっていくことを是非お願いしたいという観点で、1つ意見を申し上げたいと思います。まず、資料4ページを御覧ください。こちらに総合評価の結果の総括が出ております。全国の437のハローワークについて評価をした結果で、その結果が4類型に分かれて出ております。この類型の4の所が3つしかないということで、類型の2、3という、いわゆる標準的な評価になった所が非常に多くある結果になっているということであります。そうするとこの結果、一番下にランクされた所は、結果自体が悪いというところで浮き彫りになってしまうのではないかということを非常に懸念しているところです。
この結果を導く点数の評価については、前の2ページの所に必須でやる評価と、それから各所が選んで取り組む評価を組み合わせているということもあり、変な見方をすれば各ハローワークごとに変な点数を取りたくないが故に、自分たちで選べる重点的な取組についてある意味得意なところを選んでしまえば、そんなに悪い評価にはならないことにもなるのかもしれません。そのようなことはないとは思いますが、たまたま結果的に類型の4が3つしかないというようなことになってしまうと、そのハローワーク所というのは、すごく結果が悪いということで浮き彫りになってしまい、そこで働いているスタッフの方、それからそのハローワークを利用している利用者の方が、どのようなイメージを持つかというと、やはり良いイメージを持てないことになるのではないかと思います。もともと、この評価の仕組というのは、やはり高い成果を出す所をきちんと評価する仕組だったはずであり、悪い所が浮き彫りになって、そこに悪影響が及ぼすようなことになるのは、余りよろしくないのではないかと思っております。
こうした仕組自体を、私自信は否定をするわけではありませんし、きちんとPDCAサイクルを回して取り組むことはいいのですが、逆に点数を上げたい、評価を上げたいがために、起こしいただく来所者1人1人に対するサービスがないがしろにならないようにしなければいけないのではないかと思っております。
例えば就職者数について言えば、どのような方が就職をされてもカウント1件ということになりますが、それぞれの求職者の特性に応じてサポートすべき内容や必要な時間は異なっているということであります。また、十分なカウンセリングや応募書類への決め細やかな指導が、企業と求職者とのミスマッチを防ぐことにもつながっていきますので、それが就職後の定着率を高めることにもつながるのだろうというふうに思います。そうした地道な努力の積み重ねが公共機関であるハローワークの強みだと認識しておりますので、そこで働く職員の方が高い意欲を持って、質の高いサービスが提供できるように、必要に応じて職場の環境整備などもお願いしたいと思いますし、これだけの成果・結果をもって評価が良い悪いと余り見られないようなことにもしていただきたいなと思います。以上です。
 
○阿部分科会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
 
○熊谷委員 最近ハローワークの書類を見ていると、転職されている方が非常に多いです。求職されている方が、就職されることはいいのですが、就職された方がどの程度の期間就労されているか、定着状況は把握されているのでしょうか。長く勤めていただくことが一番良いわけで、長く勤めていただいたら評価を与える、要するに質の良いマッチングという指標を設けても良いと思いますが、どのようにお考えになられていますか。
 
○阿部分科会長 では、御質問ですのでお願いいたします。
 
○首席職業指導官 私からお答えいたします。首席職業指導官室です。定着状況の把握については、委員が御指摘のとおり大変重要な観点だと思いますが、今のハローワークシステム上では、それを定期的にルーティンとして把握することができないことになっております。これについては、次期のハローワークシステムの更改に当たり、就職後、被保険者になっていただければ、その方たちだけについては継続して把握できることになりますので、定着率も把握できるようにはなってまいります。今現在では、データーとしては。
○熊谷委員 把握できないのでしょうか、しないでしょうのか。
 
○首席職業指導官 現在は、把握できないと。
 
○熊谷委員 できないというか、把握された方がいいのではないかと思います。
 
○首席職業指導官 それは、そのとおりでして、はい。
 
○熊谷委員 定着状況を把握することで、就職された方がうまくそこの企業とマッチングできているのか分かると思います。求人の段階で、求職されている方と企業のマッチング作業はあったのか。うまく定着できなかった場合の原因は、企業側にあったのか、求職側にあったのか、求職されていた方の能力と、企業が求めていた能力にミスマッチはなかったのか等、ハローワークでフォローしていくことが、より良いマッチングにつながっていくのではないかと思います。そのフォローをしっかりやられたハローワークに対する点数付けも必要ではないかと意見します。
 
○中窪委員 今の点の確認ですが、2ページの所の左下に、マッチングに関する質の測定ということで満足度が入っています。ここの満足度の中には、人がずっと定着してくれたとかいうものは余り入らなくて、そこの紹介の時のサービスが良かったとか、そういうものであると理解すべきなのでしょうか。
 
○公共職業安定所運営企画室長 委員御指摘のとおりで、まず、マッチングの段階での満足度です。
 
○中窪委員 分かりました。そうならば熊谷委員と同じように、やはりそのようなところも見られるような指標ないし仕組になればいいなと私も思いました。
 
○阿部分科会長 先ほど御説明があったとおり、新しいシステムではそういった指標も使えるようになるということですので、新しいシステムが入ったらすぐに、そうした指標もこの中に入れて分析をしていただければと思います。ほかにいかがですか。よろしいですか。それでは、この議題はこの辺りにさせていただき、次の議題に移ります。
次の議題は「その他」としております。2つほど御審議をお願いしたいと思います。1つは「職業安定分科会運営規程(案)について」と、もう1つが「平成30年7月豪雨に係る対応について」です。はじめに、職業安定分科会運営規程の改正について、事務局から説明をお願いいたします。
 
○需給調整事業課長 需給調整事業課の牛島です。資料No.3-1を御覧ください。今回お諮りしたいのは運営規程の改定で、第7条にありますとおり、この規程の改廃は分科会の議決に基づいて行うというルールになっております。第5条の関係になってまいりますが、分科会に置く部会を列挙した上で第2項を御覧いただきますと、部会の所掌事務、専決事項等については、別表で規定する形になっております。2枚目をおめくりいただくと、別表が載っております。労働力需給制度部会の専決事項の欄に、「一般労働者派遣事業の許可に関する事項」という言葉が残っており、これは御案内のとおり平成27年改正労働者派遣法において、許可を必要とする一般労働者派遣事業と、届出でできる特定労働者派遣事業を許可制に一本化したことに伴い、「労働者派遣事業の許可に関する事項」という形にするべきところを、タイムラグが生じており、このような形になっております。本年9月29日に旧特定労働者派遣事業の経過措置も切れるタイミングが来ておりますので、このタイミングで本来あるべき形にするために「一般」という言葉を削り、「労働者派遣事業の許可に関する事項について」という形で文言の適正化を図りたいという内容です。
今、申し上げましたとおり、そういったタイミングですので、1枚戻っていただき、附則にありますとおり、この規程の改正については本年9月30日からの施行という形で整理させていただければと考えております。事務局からは以上です。
 
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは御質問、御意見はございますでしょうか。特段なければ、これでお認めいただきたいと思います。ありがとうございます。
もう1つの平成30年7月豪雨に係る対応について、事務局より説明をお願いいたします。
 
○雇用政策課長 雇用政策課長です。改めて、よろしくお願いいたします。豪雨への対応状況ですが、資料No.3-2を御覧ください。こちらに雇用労働対策についてという形でまとめておりますが、職業安定局関係部分をまとめておりますので、説明いたします。1ページは、豪雨に係る労働相談対応として、まず豪雨直後からハローワークに豪雨被害特別相談窓口を設置しております。また災害の際には、休業時の賃金などの取扱いについて関心を持たれますので、「労働基準法等に関するQ&A」を作成しております。その際に、先般持ち回り改正により御審議いただいた雇用調整助成金の特例につきましても、併せてPRしております。
次に、関係機関と連携した取組です。7月27日から昨日30日までの間に、日本経済団体連合会、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会に対して、豪雨に係る雇用、労働問題の配慮について要請させていただいたところです。御協力ありがとうございました。
続きまして、新卒者向けの対策です。岡山、広島及び愛媛の新卒応援ハローワークに、学生の特別相談窓口を設置しました。また雇用調整助成金につきまして、特に4月に入社された方への影響も予想されたために、要件のうち雇用保険の被保険者期間が6か月以上という要件は適用除外とし、4月に入社した方も休業すれば対象とできる措置を講じているところです。
2ページが、雇用保険の関係です。こちらにつきましては災害で休業したことにより、被保険者が一時離職する場合や事業再開後の再雇用が予定されている場合であっても、失業給付が受給できる特例を実施しております。さらに災害を受けて事業所が休止した場合におきましては、休業して賃金を受け取ることができない方について、実際に離職していなくても失業給付の受給をできる特例等を実施しております。また豪雨発生直後、道路が途絶えたり、あるいは避難されて本来の居住地の管轄のハローワークから遠くなってしまったことから認定に向かえないということで、必要認定日を変更する、また別のハローワークでの失業給付の受給手続、こういったことを可能とするような弾力的な措置を講じております。
3ページは、雇用調整助成金の関係です。雇用調整助成金につきましては、豪雨対応に係る特例案について雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱として、7月18日付けで厚生労働大臣より労働政策審議会に諮問があり、持ち回りにより、第132回職業安定分科会を開催いたしました。特例の内容は先般御説明のとおりですが、助成率を引き上げる措置、支給限度日数を1年間で100日から300日に延長するといったものです。加えて先ほど申し上げた新卒者につきまして、雇用保険の被保険者期間が6か月未満の場合でも助成対象とする。また、過去に雇用調整助成金を受給したことがある事業主でも受給できるようにするといった内容についてです。
以上の措置につきまして、24日付けで労働政策審議会より厚生労働省案は妥当であるとの答申を得て、25日に公布施行され、7月5日以降に開始された休業等に適用することとなったところです。
なお御審議いただく中で、様々な災害がある中、本件のような特例措置につきましては、公平な実施をお願いしたいといった御要望を頂いたことにつきまして、御報告いたします。委員の皆様におかれましては、御多用のところ急な御依頼にもかかわらず、お時間を頂き誠にありがとうございました。この場をお借りして、御礼申し上げます。
そのほかの措置につきましても下に掲載しておりますが、時間の都合がありますので、省略いたします。
4ページは、派遣労働者の関係です。派遣労働者の関係につきましては、主要経済団体や人材派遣関連団体に昨日付けで要請を行っております。また、派遣労働に関する労働者、派遣会社・派遣先からの相談につきまして、派遣会社や派遣先における新たな就業機会の確保や休業手当等に関する責務について取りまとめたQ&Aをホームページにて公表しているところです。
最後の5ページです。今回の豪雨につきましては、特定非常災害というものに指定されております。これに指定されますと、被害者の権利利益の確保・保全を図るために行政上の権利利益に係る満了日の延長及び期限内に履行されなかった義務に係る免責に関する措置が行われております。職業紹介、労働者派遣事業の有効期限の延長や、障害者雇用調整金の申請期限の延長などにつきましての措置が行われているところです。以上簡単ではありますが、御報告申し上げます。
 
○阿部分科会長 ありがとうございました。何か、御質問等ございますでしょうか。
 
○髙松委員 内容の件ではなくて、いわゆるスキームの質問ですが、先ほど課長からも話がありましたが、第132回の分科会で持ち回りで審議をしました。それぞれ審議をしたのですが、今の話では25日に施行されているということです。委員への結果報告等については、今回は第133回が直近にありましたからこれで結構ですが、通常は何かそのような決議がされた等はないのですか。
 
○雇用政策課長 基本は持ち回りの開催自体が開催という位置付けになっており、そういった状況で、またそのまま、次の開催という形にこれまではなっていたと伺っております。
 
○阿部分科会長 ちょっと事務局と相談して、髙松委員の意見は、また次回どう対応するかは検討させてください。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは予定されている議題は以上で終了いたしましたので、本日の分科会はこれで終了したいと思います。
本日の会議に関する議事録につきまして、労働政策審議会運営規程第6条により、分科会長のほか、お2人の委員に署名を頂くことになっております。つきましては労働者代表の髙松委員、使用者代表の正木委員にお願いしたいと思います。本日もお忙しい中、またお暑い中御参集いただき、ありがとうございました。以上で終了いたします。ありがとうございました。