概要版
魚類:パリトキシン様毒
アオブダイ |
ハコフグ |
ソウシハギ |
ウミスズメ |
有毒種 | 日本で中毒原因となる有毒種は、ブダイ科アオブダイ属のアオブダイ、ハコフグ科ハコフグ属のハコフグである。その他、ブダイ科ブダイ属のブダイ、ハコフグ科コンゴウフグ属のウミスズメ、ハタ科マハタ属の魚類も中毒原因魚の疑いがある。 |
有毒部位 | 筋肉、肝臓、消化管、その他の内臓 |
中毒発生状況 | 1953年〜2012年に少なくとも39件発生し、患者総数は121名、うち7名が死亡している。 |
中毒症状 | 潜伏時間は概ね12〜24時間と長い。主症状は横紋筋融解症(激しい筋肉痛)やミオグロビン尿症で、呼吸困難、歩行困難、胸部の圧迫、麻痺、痙攣などを呈することもある。初期症状の発症から数日で血清クレアチンホスホキナーゼ(CPK)値の急激な上昇がみられ、重篤な場合には十数時間から数日で死に至る。回復には数日から数週間を要する。 |
毒成分 | パリトキシン様毒 |
備考 | 熱帯地域でイワシ類を原因として発生するパリトキシン中毒(クルペオトキシズム)とは中毒症状が若干異なる。クルペオトキシズムは不快な金属味を感じるのが特徴で、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、悪寒、筋肉痛、血圧低下などの症状を呈し、重篤の場合は顔面蒼白となり、早いと15分程度で虚脱死する。ヒトの中毒事例はないが、カワハギ科ウスバハギ属のソウシハギも消化管や内臓にパリトキシンをもち、これによる家畜の死亡例がある。 |