ホーム> その他> 第3回労働政策審議会雇用環境・均等分科会(2018年3月27日)




2018年3月27日 第3回労働政策審議会雇用環境・均等分科会

雇用環境・均等局総務課

○日時

平成30年3月27日(火)


○場所

厚生労働省共用第6会議室


○出席者

公益代表委員

奥宮委員、小畑委員、川田委員、権丈委員、武石委員

労働者代表委員

井上委員、榎原委員、齋藤委員、山中委員

使用者代表委員

飯島委員、中澤委員、中西委員、布山委員

厚生労働省

宮川雇用環境・均等局長、成田大臣官房審議官、岸本総務課長、堀井雇用機会均等課長、源河職業生活両立課長、松永有期・短時間労働課長、岡企画官

○議題

1 雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施 行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
2 2017年度の年度目標に係る中間評価について
3 その他

○配布資料

資料1 雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱
資料2 雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案概要(両立支援等助成金及びキャリアアップ助成金の見直し関係)
資料3 両立支援等助成金及びキャリアアップ助成金概要
資料4 雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案に関する意見募集(パブリックコメント)に寄せられたご意見について
資料5 2017年度中間評価シート(案)
参考資料1 雇用環境・均等分科会委員名簿(平成30年3月1日付)
参考資料2 2016年度評価シート

○議事

○奥宮会長 それでは、ただいまから第3回「労働政策審議会雇用環境・均等分科会」を開催いたします。

 初めに、委員の交代がありましたので、報告いたします。

 お手元に配付された参考資料1「労働政策審議会雇用環境・均等分科会 委員名簿」を御覧ください。3月1日付で委員の交代があり、松岡委員に替わって榎原委員が新たに雇用環境・均等分科会の委員に就任されましたので、御紹介いたします。


○榎原委員 航空連合から参りました榎原あやこと申します。航空連合の前会長の松岡から替わりまして、今回から出席させていただきます。

 どうぞよろしくお願いいたします。


○奥宮会長 本日は、中窪委員、山崎委員、塩島委員から御欠席の御連絡を頂いております。

 それでは、頭撮りはここまでで、カメラをお持ちの方は撮影を終了してください。

(頭撮り終了)

○奥宮会長 今回はペーパーレス会議ということですので、初めに事務局からタブレット操作等について説明をお願いいたします。


○岡企画官 先ほど事前に各委員の皆様方に個別に操作について御説明申し上げましたけれども、もう一度簡単に御説明申し上げたいと思います。

 画面の下のほうに赤い枠のPDFのファイルのタブがございます。ここを指かペンで押していただきますと資料の一覧が出ますので、資料1を御覧いただくときは資料1をタッチしていただくということで、資料1、資料2と御覧になることができますので、よろしくお願いいたします。

 なお、途中で動かなくなったとか、何か不都合がございましたら、おっしゃっていただければ修正いたしますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。


○奥宮会長 ありがとうございました。

 それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題は、

 1 雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を

  改正する省令案要綱について(諮問)

 2 2017年度中間評価シートについて

 3 その他

でございます。

 まず、1つ目の議題は、「雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱(諮問)について」でございます。これにつきましては、本日、厚生労働大臣から労働政策審議会会長に諮問が行われました。これを受けて、当分科会において審議を行いたいと思います。

 まず、資料について、事務局から御説明をお願いいたします。


○岡企画官 それでは、まず資料1を御覧いただきたいと思います。今、分科会長から御説明がありましたように、本日付で厚生労働大臣から労働政策審議会会長のほうに「雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」の要綱が諮問されたところでございます。これを受けまして、雇用環境・均等分科会、職業安定分科会、人材開発分科会で、それぞれ所管の見直しについて御審議いただくこととしてございます。

 それでは、具体的な内容につきましては、担当課から御説明いたします。


○源河職業生活両立課長 職業生活両立課長の源河です。

 資料2と資料3で、まず、両立支援等助成金を説明させていただきたいと思います。全体像としましては、資料3を御覧ください。両立支援等助成金、幾つかコースがございますが、今回、中身が変わりますので説明させていただきますのは、資料3の右側の一番上、出生時両立支援コース、2番目として、左側下、介護離職防止支援コース、3番目といたしまして、左側の上、育児休業等支援コースでございます。この3つの順番で説明させていただければと思いますので、資料2を御覧ください。

 まず、1点目、両立支援等助成金でございますが、1番目が出生時両立支援コースでございます。出生時両立支援コースと申しますのは、男性労働者が子どもの出生後8週間以内に開始する休業に関して、要件を満たしたときに支給されるものでございますが、今回、3点見直しをする予定です。

 資料2の(1)のマル1を御覧になっていただきますと、1点目が、文章の1行目の後ろの方にございます、過去3年以内に男性の育児休業取得者がいないことという要件をなくす。2点目が、3行目、助成をこれまで1年度に1人だったのを、1年度に10人までとする。3点目といたしまして、次の行の真ん中辺りから始まっておりますが、2人目以降の育児休業取得者については、育児休業期間に応じて支給額を増額するというものでございます。

 この助成額につきましては、真ん中のほうに表が載っておりますが、長い育休に対しては多目の助成をするということが改正内容でございます。

 おめくりいただきまして、次でございますが、この出生時両立支援コースの中に、拡充として、1つ助成を創設することにしております。これがこの資料2の2ページ目にございますマル2、育児目的休暇制度助成の創設でございます。どういう内容かと申しますと、点線書きの中の真ん中に助成対象事業主ということで、どういう事業主に助成するかを記載しております。

 まず、育児に関する目的のために利用することができる休暇制度の取得の推進に関する取組を行っていること。

 マル2といたしまして、育児に関する目的のために利用することができる休暇制度を新たに導入し、一定日数の利用実績があること。

 3点目といたしまして、一般事業主行動計画を策定した旨を届け出て、公表し、労働者に周知していることでございます。

  2点目のコースの改正内容が3ページ目、(2)介護離職防止支援コース助成金でございます。これは、純粋に要件となります日数を引き下げる、日数を減らすものでございまして、まずマル1、介護休業を一定数取得したことという要件に関しまして、現行、1カ月以上取得した場合に要件を満たしたとしております助成について、2週間以上(分割取得の場合は14日以上)に緩和するもの。

 マル2といたしまして、介護のための勤務時間の柔軟な制度を利用したこととする要件に関しまして、今、3カ月以上としておりますものを、6週間以上、複数回利用の場合は42日以上に緩和するものでございます。

 というものが2点目のコースです。

 3点目といたしまして、おめくりいただきまして4ページ目、これが(3)育児休業等支援コース助成金の見直しで、中身を拡充するものでございます。中身といたしましては、育休や産休から職場復帰した後に両立が大変なので、その期間に対する助成を行おうというものでございます。

 助成対象事業主としては、点線の中の助成対象事業主というところに記載しておりますが、次のマル1、マル2の制度のいずれかを就業規則に規定し、労働者が育休あるいは産休を1カ月以上取得した後、戻った後6カ月以内に利用実績がある場合に支給するものでございます。

 制度の中身は、マル1として、子の看護休暇制度。子の看護休暇制度というのは、育児・介護休業法上、事業主に義務づけられているものでございますが、これを法を上回る制度として時間単位の利用ができ、かつ有給の制度を導入して、20時間以上の利用実績がある場合。

 マル2といたしまして、保育サービスの費用補助、小学校就学前の子供に係る臨時・一時的な保育サービスの費用の一部を助成して、一定額以上の補助実績がある事業主に対して支給するというものでございます。

 両立支援等助成金の改正は以上です。


○松永有期・短時間労働課長 続きまして、有期・短時間労働課長の松永と申します。よろしくお願いいたします。

 私のほうからは、キャリアアップ助成金についての説明をさせていただきます。このキャリアアップ助成金につきましては、これまで職業安定局で所管しておりまして、審議会につきましては職業安定分科会で御審議いただいていたところですけれども、昨年夏の組織再編によりまして、当課、有期・短時間労働課で所管することになりまして、今後の御審議につきましては、この雇用環境・均等分科会のほうでお願いしたいということでございます。どうかよろしくお願いしたいと思います。

 まず、お配りしております資料3で助成金の全体像を説明させていただきたいと思います。資料3の2枚目のキャリアアップ助成金についてという資料です。

 こちらは、来年度の予算額は923億円でございますけれども、下のほうにコースがございます。主なものとしましては、一番上にあります正社員化支援ということで、非正規、有期労働者、短時間労働者、派遣労働者であった方を正規あるいは無期という形で正社員化したものについて助成するというものが一番大きなものでございます。

 それ以外に人材育成支援というものがありますけれども、これは来年度からはほかの能力開発の助成金に統合するということで、経過措置分だけ残るものでございます。

 その下で処遇改善支援というものがございまして、幾つかコースがございますけれども、賃金規定等改定コースというものは、基本給の賃金を2%以上増額したものについて助成したり、あと、健康診断制度コースということで、有期労働者等の方を対象に「法定外の健診制度」を設けた場合、あるいは賃金規定等共通化、諸手当制度共通化ということで、正社員と同じような規定、共通的な仕組みを設けた場合。あるいは、選択的適用拡大導入等処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コースというのは、社会保険適用を促進していくといった観点で、一定の取組をしたものに対する助成ということで実施しているものでございます。

 大きくこういったコースがあるものでございますけれども、今回、改正を予定しているのは、一番上の正社員化コースの部分の要件の見直しと、処遇改善支援の上から3つ目と4つ目ですけれども、賃金規定等共通化コース、諸手当制度共通化コースの改正ということでございます。

 その改正の具体的な内容につきましては、資料2を使って説明させていただきたいと思います。

 まず、5ページのキャリアアップ助成金(人材育成コースを除く。)というところでございまして、1つ目の見直しは、正社員化コース助成金の見直しでございます。こちらにつきましては、有期労働者、パート労働者等であった方を正社員あるいは無期雇用にした場合に助成するというものですけれども、下のところで現行制度の概要を四角で括っておりますが、このような形で助成金を支給しているものでございます。

 この中でアとイの場合について、有期労働者から正規雇用あるいは無期雇用に転換した場合の助成の要件を見直すのですけれども、そこの(1)のマル1にございますように、転換又は直接雇用される前の雇用された期間が3年以下のものに限ることを支給要件に追加するものでございます。

 これは、ご案内のように、有期雇用につきましては、この4月から無期転換ルールの5年目を迎える方が出てくるということがございまして、各企業におきましても無期転換に向けたルールも整備されつつある状況でございます。そういった中で、より支援の重点化を図っていくということで、3年以下の期間で正社員等に転換する場合を助成対象にするということで、それを支給要件に追加するものでございます。

 それから、もう一つの見直し、マル2でございますけれども、今度はアとウということで、有期雇用から正規雇用、あるいは無期雇用から正規雇用に転換する場合の助成でございます。この場合につきまして、対象となる労働者について転換又は直接雇用した後の賃金が一定の割合、5%以上増額したものに限るということを支給要件に追加することを考えております。

 こちらは、正規雇用労働者に転換した場合に助成しておりまして、これまでは賃金の増額というものを要件にしていなかったわけですけれども、これまでの支給申請等の状況を見ますと、賃金を全く増額していないにもかかわらず、正社員に転換したということで助成を受けていたケースも含まれておりましたので、今回、5%以上増額したものということで要件を追加させていただきたいと考えております。

 それから、3つ目、マル3でございますけれども、こちらは対象となる措置を講じた労働者につきましては、現行制度におきましては、一事業所当たり15人までというものを要件にして助成対象にしておりましたけれども、その上限の人数を一事業所当たり20人以上に拡大するということで、そこは拡充していくという見直しをしているということでございます。

 それから、次のページを御覧いただければと思います。次は、賃金規定等共通化コース助成金の見直しということでございます。こちらは、下の四角の囲いの中に現行制度の概要を入れておりますけれども、これは有期雇用労働者と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合に助成するということでございまして、一事業所当たり、中小企業ですと57万円の助成が出るというものでございました。

 こちらについて、今回の見直し、その上のマル1でございますけれども、正規雇用労働者と共通の賃金規定等を適用した有期雇用労働者等の人数に応じた加算措置を設けるということでございまして、これまでは何人対象者がいらしても、例えば中小企業で一律の57万円という助成だったわけですけれども、今度の見直しで、2人以上、対象労働者がいらした場合は、2人目以降の対象労働者、1人当たり2万円という増額をするという見直しをするというものでございます。

 次、その下の(3)でございます。諸手当制度共通化コース助成金の見直しということでございまして、こちらは、諸手当につきまして、正規雇用と共通の諸手当制度を新たに規定・適用した場合に助成するということでございまして、一事業所当たり38万円というものでございます。

 こちらについても、先ほどの(2)賃金規定等共通化コースと同様でございますけれども、対象者の人数に応じた加算措置を設けようということでございまして、例えば、中小企業で2人目以降の対象労働者1人当たり1.5万円という加算を設けるということが1つ。

 あと、マル2でございますけれども、諸手当の中でも2つ以上の諸手当を同時に導入した場合には、2つ目以降の手当の数に応じた加算措置を設けるということで、例えば、中小企業で2つ目以降の手当1つにつき16万円という加算措置を設けるということでございます。

 以上が改正の概要でございます。

 なお、この助成金につきましてはパブリックコメントを実施しておりまして、そこで出てきた意見というものがございます。それが資料4でございます。

 御紹介いたしますと、キャリアアップ助成金の、先ほど御説明しました正社員化コースにつきまして御意見をいただいておりまして、今回、5%の増額ということを要件に追加するということについて、中小企業・零細企業を排除するのではないかとか、この5%という数値をどういう根拠で設けているのかといった御意見をいただいたところでございます。

 この部分につきましては、先ほど御説明の中で触れましたけれども、今回のキャリアアップ助成金というのは、処遇改善に対して支援するというのがこの助成の趣旨でございまして、そういった中で一定程度の処遇改善が具体的にとられているということを要件にしていこうということで、今回、この要件を設けたということでございます。現行におきましても、有期雇用から無期雇用に転換した場合の助成金につきましては、5%の増額という要件を設けておるところでございまして、そういったものとのバランスをとりながら、正規雇用に転換した場合の助成についても5%という形での増額を要件にするということで設定しているということでございます。

 私からの説明は以上でございます。御審議よろしくお願いいたします。


○奥宮会長 ありがとうございました。

 ただいまの事務局の説明について御質問、御意見等がありましたら、お願いいたします。

 山中委員。


○山中委員 ありがとうございます。

 省令案の要綱について、意見を申し述べさせていただきたいと思います。今回、両立支援をサポートする各種のコースが拡充されること。特に、中小企業に手厚い内容の助成金について、さらなる充実が図られることについては、労働側としても評価し、取組が進むことを期待したいと思っています。

 特に、出生時両立支援コースについては、より長く育休を取得した男性労働者に対し助成額を増やすこととなっておりますが、男性の育児休業については、取得率の低迷もさることながら、取得期間も1日単位である場合がほとんどであり、ややもすれば企業の実績づくりに使われてしまうといった実態もありまして、女性と比べて極めて不均衡な状態にあると思っています。そのため、この不均衡を是正する政策意図は評価できると考えています。

2018春季生活闘争においても、男性の育児休業取得促進について取り組む組織が例年以上に増加しておりまして、課題解決に向けて職場の機運が徐々に高まっていると感じているところです。厚生労働省としても、このような助成金がより一層活用され、効果が上がるよう周知を行うとともに、助成金による状況の改善だけではなく、2020年までに男性の育児休業取得率13%の目標に向けて、近々まとめられる仕事と育児の両立支援に係る総合的研究会の報告等も踏まえながら、より抜本的な取組がなされることを期待したいと思います。

 私からは以上です。


○源河職業生活両立課長 山中委員、御指摘いただきまして、ありがとうございます。

 助成金は、本当に必要な方に行き渡るように周知に努めていきたいと思いますので、労使の皆様も今後ともご協力くださいますよう、どうぞよろしくお願いします。


○奥宮会長 他にございますでしょうか。

 布山委員。


○布山委員 ありがとうございます。

 要件のところで少し確認させていただきたいのですが、2ページ目の育児目的休暇制度助成の創設のところで、助成対象事業主のマル2の要件の「育児に関する目的のために利用することができる休暇制度を新たに導入し」となっているところです。まず、「育児に関する目的のために利用することができる休暇制度」、これは例えば失効年休を使った休暇制度を新たにつくってもいいのかどうかということが1点。

 もともと失効年休を使った制度はあるのだけれども、今回、新たに育児についての目的で使えるようになった場合も対象になるのか、この2点について教えてください。


○源河職業生活両立課長 布山委員、御指摘いただき、ありがとうございます。

 要件につきましては、支給要領等で細かく書きたいと思っていますが、あくまでも新たに導入したことが前提で、昨年度改正しました育児・介護休業法で努力義務として盛り込まれたような内容を想定しております。したがって、それに沿う形で新たに導入していただいたところを対象にしようと考えておりますが、詳細については支給要領等できちんと記載して、周知に努めたいと思います。


○奥宮会長 ほかにございますか。

 権丈委員。


○権丈委員 ありがとうございます。

 今までの経過等も見ながら、いろいろと工夫されて、よりよい助成金の制度をつくられていると理解しております。

 ただ、制度の利用状況とか予算の執行状況とともに、結果を測定し効果を検証するということも必要だと思うのですが、そうした数値については、どのように検討されたのかということも、今回、できれば少しお話しいただければと思います。

 それで、今、布山委員がお話しされた育児目的の休暇制度助成の新設ですが、これは例えば参考資料2に書かれている雇用均等基本調査のデータが該当するということになりますか。そうすると、1つの目標として、その数値を上げていくこととされているかどうか、お願いいたします。


○源河職業生活両立課長 ここで想定しております育児目的休暇は、先ほども布山委員に申し上げたとおり、昨年度、育児・介護休業法を改正しまして、昨年10月1日から施行されている内容を想定しております。その範囲は、今までよりも若干広くて、配偶者出産休暇というものを産前でも構わないという形で規定しておりますし、未就学児の休暇として規定しておりますので、今までのデータがそのまま当てはまるわけではないのですが、御指摘の通り、ここで書いておりますいろいろな数値というものは参考になると思っております。

 数値としては、いろいろなシンクタンクの調査、私どもでやった雇用均等基本調査など、いろいろなところで似たようなものを調査しておりますが、伸びている傾向にあると考えております。


○権丈委員 ありがとうございます。

 もう一つ、データに関して、キャリアアップ助成についてです。有期から正規、有期から無期、無期から正規への転換に助成していくということですが、その中に職務限定とか勤務地限定の制度を新たに加えた場合には、追加の加算の対象とされるということがあるのですけれども、特にそれに加算するということについて、歴史的な経緯があるということだとは理解しておりますが、その根拠というのは何なのか、改めてお伺いできればと思います。そして、制度の実績というか、制度の導入状況ということがおわかりであればお願いいたします。


○松永有期・短時間労働課長 お答えいたします。

 まず、1つ目の職務限定、勤務地限定につきましては、今、御指摘いただいたように、これまでの助成措置の経緯というものがございまして、当初は短時間正社員というコースを設けた場合の助成ということでスタートしたところでありますけれども、その後、多様な正社員コースというものができて、今、それが正社員化コースという形で統合されて、その正社員化コースの中で勤務地限定と職務限定というところだけ加算措置が残っているということでございます。

 これは、我々当課で進めている施策の中で、多様な正社員という仕組みを普及させていこうというものを取組として推進しておりまして、そういった中で、職務限定とか勤務地限定というものをこういう制度として設けた場合に、この加算を設けているというのが、この加算しているところの考え方ということでございます。

 それから、この助成金の実績ということでありますけれども、さきほど御紹介した助成金の中で正社員化コースというものが予算の中では大部分でございまして、それ以外の処遇改善のところでいくと、残念ながら実績はそれほど多くないものもございます。これは、今、提出を予定しております改正法案もありまして、そういった改正法が成立して、法の施行に向けて準備していくときに、こういったものをきっかけにしながら取り組んでいただくことを狙いにしておりまして、今後、改正法が成立すれば、そういったものとあわせて周知して企業の取組を促していきたいと考えておるところでございます。


○権丈委員 ありがとうございました。


○奥宮会長 他にございますか。

 齋藤委員。


齋藤委員 ありがとうございます。

 キャリアアップ助成金についてですけれども、先ほど助成金の実績のところで正社員化コースが主要なところだというお話もあったかと思いますが、賃金規定と諸手当制度など、非正規雇用労働者の方々の処遇の核となる部分の改善を促すコースも用意されていると認識しております。コースによって周知がなかなか十分でないところ、あるいは企業に行き届いていないところもあるかと思いますので、さらなる効果的な周知をぜひともお願いしたいと思っております。

 また、今後、パートタイム労働法の改正等に伴って助成金の利用が増えていくことも期待されると思いますが、そもそも規定をつくる際に、職務評価などで、業務における労働者の負担といったことも考慮した上で適切に評価していく規定が整備されていくように、周知の際にあわせて働きかけをしていただきたいと思っております。

 また、実際の賃金規定の改定によって、万が一にも非正規雇用労働者の待遇が低くなってしまうということがないように、助成支給の際にもぜひとも入念なチェックをお願いしたいと思います。

 助成金予算について、今年度、平成30年度増額になっているかと思いますが、真に実効性を持って非正規雇用労働者の方々のキャリアアップ促進につながるよう、ぜひウオッチをしていただきたいと思っております。助成金の執行率というところもそうですし、また支給した職場において、その後、取組を進捗させているのかといった観点からも注視していただきまして、助成金のあり方が十分に社会的な効果をもたらしているのかどうなのかについても、絶えずチェックをしていただければと思っております。

 以上となります。


○松永有期・短時間労働課長 御指摘ありがとうございます。

 今、いただきました御指摘も踏まえて、周知ですとか、今後の政策効果を見ながら取り組んでいきたいと思います。


○奥宮会長 他にございますか。

 武石委員。


○武石委員 先ほどの権丈委員の最後の御質問で、私もちょっと疑問なのが、勤務地・職務限定正社員の加算の考え方です。多様な正社員を、厚労省として普及しているのでという御説明があって。こういう区分があることによって、転勤が嫌だから正社員になりたくないとか、そういう壁を下げて、非正規だったり、有期の人たちが正社員を目指す方向にはなると思うのですね。

 ただ、こういうことが、また正社員の中での新たな格差とか、そういうことになっていく可能性がないとは言えないので、そういうことが発生していないかどうかということについては、今後、きちんと見ていっていただいて、この加算の意味というものをしっかり把握していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


○松永有期・短時間労働課長 ありがとうございます。

 御指摘を踏まえて、今後、実施状況とかも注視していきたいと考えております。


○奥宮会長 他にございますか。

 それでは、ほかに御発言がないようでしたら、当分科会としては、「雇用保険法施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」について、おおむね妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告することにいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○奥宮会長 皆様の御異議がないようですので、この旨、報告を取りまとめることにしたいと思います。

 これについて事務局から案文が用意されておりますので、配付をお願いいたします。

(資料配付)

○奥宮会長 報告文について、ただいまお手元にお配りした案文のとおりでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○奥宮会長 それでは、御異議がないということで、この案文をもって、私から労働政策審議会会長に報告いたします。

 次に、議題2「2017年度年度目標に係る中間評価」について、事務局から資料について説明をお願いいたします。


○岡企画官 それでは、資料5を御覧いただきたいと思います。「2017年度中間評価シート」でございまして、2つ評価項目がございます。

 1つ目はマル1、常時雇用する労働者が300人以下の事業主の女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画届出の新規件数ということで、女性活躍推進法で努力義務になっております300人以下の事業主の届出の新規件数についての目標でございます。

 これは、2016年度に法施行ということで、初年度の目標を2,000社としていたところ、それを大幅に上回る2,788社の届出がございました。これは、義務ではないですけれども、非常に前向きで意欲的な中小企業の皆様が初年度に出していただいた結果ということでございます。

 それで、2017年度も同じく2,000社の目標を立ててございますけれども、12月を終わった段階で約半数であります1,078社の結果でございました。これは、先ほど申し上げましたように、前向きな企業さんが初年度に出していただいたということで、本年度はペースダウンしている状況にございます。

 それから、もう一つの項目でございますが、マル2次世代育成支援対策推進法に基づく認定、くるみんの認定企業数の累積数でございます。これにつきましては、2017年度の目標が2,800社に対しまして、12月を終えた段階で2,848社ということで、目標を達成してございます。

 1ページ目の真ん中あたりに2017年度の目標設定の考え方。先ほど申し上げたように、マル1の女性活躍のほうにつきましては、昨年度と同じ2,000社を目標としたものでございます。

 また、マル2のくるみんの認定件数につきましては、2020年までに3,000社にするという目標がございまして、これまでの進捗状況を踏まえて2,800社という目標を立てて、今年度は目標を達成したということでございます。

 また、下のほうに行きまして、その目標に対する施策の実施状況ということで、マル1につきましては、女性活躍推進法に基づく行動計画の策定、実施、認定の促進、それから、中小企業のための女性活躍推進事業の実施、両立支援等助成金の支給、その活用による推進、次のページに行きまして、経済団体の皆様への協力要請といったことで推進してきておるところでございます。

 また、マル2のくるみんの認定につきましては、制度の周知を中心に実施してきておるところでございます。

 その下に、分析といたしまして、先ほど申し上げましたように、マル1につきましては、初年度に積極的に出していただいた結果といたしまして、今年度につきましては、まず女性活躍推進自体について理解を深めて、取組を促すところから働きかける必要があったということで、今年度はペースダウンしたところでございます。

 一方、くるみんにつきましては、先ほど申し上げましたように、順調に増加しているところでございます。

 こういった状況を踏まえまして、その下の今後の方針でございます。

 マル1の女性活躍推進法の行動計画につきましては、引き続き経済団体の皆様への協力要請や各種説明会、相談会の実施、また、助成金の周知などを行いまして、さらに取組を進めていきたいと思っております。

 また、行動計画で定めた数値につきまして、企業のほうでは情報を公表することになってございますけれども、その公表するツールといたしまして、「女性の活躍推進企業データベース」というものがございます。これにつきましては、これまでパソコンでしか閲覧することができなかったものですけれども、昨年12月からスマートフォンでも見られるようにいたしまして、学生さんなどにも結構好評をいただいております。

 今、人手不足ということで、優秀な学生を確保したいという企業さんにとっては、この行動計画をつくって情報を開示することで、優秀な学生さん、あるいは求職者の皆さんに来ていただけるという効果が出てくれば、行動計画の策定にもつながるのではないかということで、こちらについても続けていきたいと考えてございます。

 マル2のくるみんについては、順調に来てございますので、また引き続き、成果の周知を図っていきたいと思います。

 以上でございます。


○奥宮会長 ただいまの事務局の説明について御質問、御意見等がありましたら、お願いいたします。

 井上委員。


○井上委員 ありがとうございます。

 意見として3点申し述べたいと思います。

 まず、300人以下の一般事業主行動計画の策定の件ですけれども、今ほど事務局からもお話がありましたが、積極的な中小企業は既に届出を行っているということかと思います。ですので、今後は消極的な企業にいかに取り組んでもらうかということが重要になってくると思っております。その点では、厚労省のサイトで、中小企業のための女性活躍推進サポートサイトを拝見しておりますけれども、これを中小企業のほうにもう少ししっかりと周知をお願いしたいと思っております。

 また、就職活動中の学生とか求職者へのデータベースの周知ですけれども、私ども連合も大学のほうに寄附講座等も行っておりますし、あるいは組合員にも周知しているところでありますけれども、この女性活躍推進の取組が、特に就職活動中の学生や求職者にとっては、企業選択の際に重視されるものでありますので、その意味でも中小企業も含めた企業の取組が一層促進されることにつながるものとして、私どもも評価しているところでございます。これも先ほどのサポートサイト同様、しっかりと促進されるような周知。あるいは、えるぼしの積極的な周知もあわせてお願いしたいと思います。

 また、データベースに関連してですけれども、女性活躍推進法が施行されて2年がたとうとしております。えるぼしの認定企業も含めて、情報公表の更新がきちんと行われているかどうか。そちらの確認もお願いしたいと思っております。その際は、えるぼしがいわゆるブラック企業の隠れみのとならないような、基準の適合確認も含めて徹底していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○堀井雇用機会均等課長 井上委員からの御指摘ありがとうございます。
 300人以下の企業の届出数が、私ども2,000社新規という目標を設定したのですが、その設定よりもかなり下回っているということには非常に危惧しているところでございます。それで、今、この助成金とかデータベース、サポートサイトについての効果的な周知をという御指摘もいただきましたことの関連で、女性活躍推進法の中小企業の届出ですとか助成金、そしてデータベースのPRのために、昨年秋ぐらいから、私ども雇用環境・均等局の幹部を中心に経済団体に直接赴きまして要請活動を行ったところでございます。そこで、私どもの施策の周知に加えて、なぜ届出がなかなか進まないのかという意見交換をさせていただきました。
 その中でいろいろ貴重な御意見はいただいたのですけれども、女性活躍推進法のスキーム自体が、まず自社の女性の活躍に関する状況の把握と課題分析、そして取組内容を含めた計画の策定、数値目標ということなのですが、この分析と計画の策定が、特に中小にとっては端的に言いますと面倒くさい。それで、メリットが感じられないという御指摘がありまして、そのような指摘を踏まえて、例えばメリットというのは、今、お話がありましたように、まさに求職選択に資するという観点が、ひいては人材の採用・定着につながるといったことをより効果的にあわせて周知していく必要があるのかなと思ったところでございます。
いずれにしても、周知の仕方については、私どももいろいろな方々の協力をいただきながら進めているのですけれども、引き続きやっていく必要があるかなということを痛感しています。

 あわせて、今のお話に関連するか、以前も分科会の委員の皆様方から、分析してどのように進めていくかということの重要性を御指摘いただきました。中小企業の届出数を都道府県別に見てみますと、この女性活躍推進法自体、本社が届出をしますので、本社の数が多い県は、おのずから届出数自体が多くなってございます。一方で、県の企業数に比して、届出の数が多いかなという県を見てみますと、全てが全て、そうというわけではないのですが、多い県の中では、都道府県とか自治体とうまく連携して、それで女性活躍推進を進めているとも見てとれました。県の施策としても、このえるぼしとか女性活躍推進を応援していただいて、それにうまくリンクした形の制度をつくったりしておられます。

 そのような好事例もありましたので、私ども、都道府県労働局に対して、会議の場などで、こういう好事例もあったということを伝えて、都道府県労働局からアクセスして、効果的に中小企業の届出が進むように、私どものみならず、関係者と連携して進めるようにというお願いをさせていただいています。引き続き、そういった取組をいろいろ考えながらやっていきたいと思っています。

 あとは、情報公表の更新についてのお尋ねもありました。これも、今、女性活躍に関する情報については、おおむね1年に1回以上更新する必要があるということでやっております。それで、データベースでは更新の時期が近い企業、1年以上更新されていない企業については、メールなどで更新の依頼をする仕組みをとっております。こういったことから、データについてはアップデートして、それで皆様方、御覧いただくものが新しい情報になるようにということは、引き続き進めていきたいと思います。

 私からは以上です。


○奥宮会長 他にございますか。

 中西委員。


○中西委員 ありがとうございます。

 私からは、2点、要望を申し上げさせていただきたいと思います。

 まず、常時雇用する労働者が300人以下の事業主の女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の新規届出件数を2,000社とされている目標についてでございます。今後、さらなる周知や相談・対応等の取組を進めていただきたいと思います。

 その上で要望の1点目でございますが、その周知を進められるに当たりまして、行動計画の策定を行うことの意義やメリットもあわせて企業に周知していただくことをご留意いただきたいと思います。先ほどご説明がありました中小企業のメリットということにつきましては、非常に重要なファクターではないかと考えます。女性が働きやすい企業であるということについて、就活中の学生や求職者にアピールできるということは、行動計画策定のメリットの一つでございますので、スマートフォン対応などの新しい取組は、企業による行動計画策定を後押しすることが大いに期待されます。この取組に私どもも大変期待いたしておるところでございます。

 また、行動計画の策定が形式だけのものにならないようにするためには、その観点のみならず、実態把握に基づく行動計画の策定が現場環境の見直しの契機となること、女性が活躍しやすい職場環境の構築は、高齢者・障害者、病気治療と仕事の両立を図る社員、さらには既存の男性社員にとっても働きやすい職場環境の構築につながるということなどにつきましても、一般事業主行動計画策定のメリットとして、広く周知していただきたいと思います。

 要望の2点目でございますが、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定している企業への、より適切な周知のお願いでございます。現在、次世代法と女性活躍推進法の2法の一般事業主行動計画を混同している企業や、両方の行動計画の届出を同時に行うことができることを知らない企業もあるのではないかと思われます。この点につきましてもご留意いただき、より一層周知をお願い申し上げたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 私からは以上でございます。


○堀井雇用機会均等課長 今、中西委員からいただいた御指摘の2点は、極めて重要な御指摘だと思います。女性の活躍推進を進めることが全ての人が働きやすい職場環境づくりにつながる。このようなことを認識して私どもとしてはPRしていきたい。

 また、次世代法の届出と一緒に届け出られるというのは、様式もそのためにそういった形のものをつくっておりますので、そういった意味ではまだまだ周知が行き届いていないという御示唆だと思いますので、心得て進めていきたいと思います。ありがとうございました。


○奥宮会長 他にございますか。

 権丈委員。


○権丈委員 ありがとうございます。

 女性活躍推進法のえるぼし認定取得や、中小企業の行動計画策定へのインセンティブ効果として、女性活躍推進法の第20条での公共調達における加点評価があると思います。そちらについて、ちょうど今日発表だと思いますが、私も参加して、内閣府が「調達におけるワーク・ライフ・バランス等推進企業評価の推進に関する調査研究報告書」をまとめております。報告書では、例えば、えるぼし認定を取得した企業や認定取得を予定している企業では、公共調達での優遇措置を結構意識しているという結果が出ています。

 こういった公共調達には全企業が関わるというわけではないのですけれども、国等は全ての機関で実施することになっており、地方公共団体でもある程度進んできておりますので、関連する企業にとっては一つのメリットになると思います。内閣府が主導されるのかとも思いますが、厚労省も協力して紹介するなどしていただければと思います。

 以上です。


○堀井雇用機会均等課長 ありがとうございました。

 確かに公共調達、補助金活用などは、全部具体的なメリットの中の一つです。今日の説明の中では省略してしまい、恐縮ですが、通常、女性活躍推進法についての一般的な講演とか、そういったときには、内閣府さんが作成された公共調達についての資料も入れさせていただいています。また、自治体の関係者に御説明するときも、国に準じた取組が努力義務とされていることもあって、一部の県や指定都市などで取組が進んでいます。そういったことも、その場合、場合に応じて説明させていただきます。また、引き続き、その点も心得てやりたいと思います。

 ありがとうございました。


○奥宮会長 ありがとうございました。

 それでは、他に御発言がないようですので、本日の分科会はこれで終了いたしたいと思います。

 最後に、本日の議事録の署名委員は、労働者代表は榎原委員、使用者代表は中西委員にお願いいたします。

 皆様、お忙しい中をありがとうございました。


(了)
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