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2018年3月27日 第4回「勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会」議事録

○日時

平成30年3月27日(火)16:00~17:40


○場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール4B


○議題

国内有識者からの説明
インターバル制度導入に当たり検討すべき項目について

○議事

○関労働条件確保改善対策室長 定刻となりましたので、ただいまより「第4回勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙のところお集まり頂き、誠にありがとうございます。
 本検討会の進行について座長にお任せをするまでの間、事務局にて議事進行を務めさせて頂きます。
 本日は、睡眠と健康の確保の観点から、有識者からの研究事例等についての御発表を予定しておりまして、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所から、高橋正也様にお越し頂いております。
 なお、今回から、日本食品関連産業労働組合総連合会事務局長の山本委員から佐藤委員に委員の交代を行っております。
 また、事務局につきましても、花咲から関に代わっております。申し遅れましたが、私、労働条件政策課の室長をしております、関と申します。改めまして、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、本日の委員の御出席について報告いたします。先ほど交代を申し上げました佐藤委員、本田技研工業株式会社人事・コーポレートガバナンス本部労政企画部長の影田委員及びユニ・チャーム株式会社執行役員グローバル人事総務本部長の志手委員におかれましては、所用により本日は御欠席でございます。
 また、事務局につきましては、局長の山越、審議官の土屋、総務課長の村山は他の公務により欠席、職業生活両立課長の源河は遅れての出席を予定しております。
 続きまして、お配りしましたお手元の資料の御確認をお願いいたします。
 まず議事次第、次いで座席表。そして、新しくなりました委員名簿。
資料1、高橋様の御説明資料。
 資料2、1枚紙ですが、インターバル制度導入にあたり検討すべき項目について。
 参考資料が4点、これまでの検討会での主な御意見が参考資料1。
 参考資料2としまして、制度導入企業の一覧。
 参考資料3としまして、EU主要国のインターバル制度について。
 参考資料4が、インターバル導入状況等の調査結果でございます。
過不足等ございましたら、事務局までお申しつけ下さいませ。よろしゅうございますか。
 カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせて頂きます。
 これ以降の進行は、今野座長にお願いいたします。
○今野座長 よろしくお願いします。
 それでは、お手元の議事次第に沿っていきたいと思います。最初は、国内有識者からの説明ということで、先ほど紹介がありました高橋さんから、睡眠と健康の観点から研究成果についてお話を頂きたいと思います。20分ほどお話を頂いて、あと質疑応答にしたいと思います。
 では、高橋さん、お願いいたします。
○高橋氏 ありがとうございます。初めまして、労働安全衛生総合研究所の高橋と申します。この検討会にお招き頂きまして、誠にありがとうございました。
 事務局から勤務間インターバルと疲労の回復や睡眠はどういう関係にあるのかを御紹介して頂きたいということなので、資料1にまとめてきました。その資料に従って御説明さしあげます。
 まず、1枚目をめくって頂きまして、本日の内容としては、勤務間インターバルに関して主に3つの視点から御説明したいと思います。1つが、背景とその意味になります。2つ目が、疲労回復と睡眠との関係。3つ目が、当研究所で勤務間インターバルに関する研究プロジェクトをちょうど進めているところですので、お示しできるデータを持参しました。最後に、まとめと課題という形になります。
 では、1つ目の背景と意味ですが、これは委員の皆様方御承知なのですが、労働生活の向上をいかに実現させるかというのが、我が国にとって喫緊の課題だと思います。その方法論はたくさんあるかと思うのですが、ここで切り口となるのは、労働時間の中でどういった対策を打つか、それから、労働時間を離れたオフの時間帯でどういった対策を打つか、大きく2つに分けられるのではないかと考えております。
 3ページにありますように、労働時間の中においては、職場の中と言ってもいいのかもしれませんけれども、これまで我が国として長時間労働をいかに是正するかを長きにわたって、今現在も努力しているところです。それから、いろいろな機械化あるいは先進技術を入れて労働の負荷を緩和していく。それから、物理化学的な労働環境のみならず、人と人との付き合いなどに関する心理社会的な労働環境をいかに良くしていくかというのも、充実した労働生活につながるわけです。それから、4つ目に挙げましたけれども、勤務体制の見直し、変形労働時間制であれ、裁量労働制であれ、労働者が活気を持って生き生きと働きがいを持ちながら働き、なおかつ事業者にとっても生産性の向上につながっていくように勤務体制を見直していくのは、これまでも行われてきているところかと思います。
 4ページに進みまして、こうした労働時間の中での諸対策だけではなくて、私たちの視点はもう一つ労働時間の外側に持っていくことが必要になってくるのではないかと思っています。その最たる典型例として3つ、ワーク・ライフ・バランスと休日もくしは休暇の取得、勤務間インターバルを挙げました。
 5ページで、ワーク・ライフ・バランスというのは、まさに仕事と私生活あるいは家族生活の両方を充実させるというコンセプトですけれども、これがなぜ重要なのかというのはたくさんの証拠があります。6ページに取り上げたのは、特に睡眠とか健康の関係でもワーク・ライフ・バランスが非常に重要になってくると。その際に、これはどこの事業所でもそうかと思うのですが、ワーク・ライフ・バランスを我が社で実現したい、あるいは我が部署で実現したといったときに一番のキーパーソンは直属の上司だと思うのです。その上司のあり方が、その部署のワーク・ライフ・バランスの実現あるいはその事業所なりの実現に大きくかかわると言えると思います。
 これはアメリカで行われた調査ですけれども、実際には介護の職場における50名前後の上司が、ワーク・ライフ・バランスに対してどういう考え方を持っているかで、低・中・高と3つに分けました。「高」というのは非常にワーク・ライフ・バランスに理解があって、例えば、労働者の方がお子様のこと、あるいは家庭のことで困った場合、うまく仕事を配慮するとか非常に理解度が高い上司になります。一方、逆に「低」というのは、家庭を顧みず、仕事は完遂せよというかなりきつい上司の群です。この3群に分かれた上司のもとで働く従業員さん、約400名前後の方々の睡眠時間を6ページの左上にあります時計型の睡眠を測る機械で客観的に睡眠時間を測りますと、ワーク・ライフ・バランスに理解が高い群あるいはそこそこある上司群に比べて、低い群では睡眠が20分ぐらい短くなることが分かりました。
 右のグラフは、たばこを吸う、血圧が高い、いわゆる生活習慣病をもたらすようないろいろな要因をどのくらい持っているかという割合ですけれども、ワーク・ライフ・バランスに対して理解力が低いあるいはそこそこの群に比べて、高い群では生活習慣に余り望ましくない要因を持つ割合は低いという結果でした。まさに上司のあり方によってこれだけ差が出てくるということが言えます。
 次に、休日と休暇の取得の意義ですが、これも経験的には明らかなのですけれども、実証的にはどうかといいますと、8ページのグラフになります。これは、健康がいまいちよくないという1,700名ぐらいの労働者を、約9年に渡って調べた調査でして、最初の年に体調が悪くて年間で病欠を何日するかという日数で、全くとらなかった群0、14日間ぐらいとる群、かなりとる群と分けています。縦軸は、その後何らかの心臓病を起こす確率になります。そもそも健康がやや不良なので病欠を14日以上とるような方々は、そこそことる群に比べて少し長くなると。おもしろいのは一番左でして、全く病欠をとらなかった群というのは、本当は休みたいのだろうけれども無理やり出勤するような群で、そこそこ休む群に比べて、心臓病が約2倍起こりやすいということなので、もちろん病気の予防というだけではないのですけれども、健康確保という意味では非常に重要になってくると。
 9ページですが、3つ目の勤務間インターバルは労働時間の外、いわばインターバルという観点で言えば時間的にどう確保するかということですが、まさにこれがこの検討会あるいは我が国でも重要な課題になっているところです。
 復習としては、10ページのEUの規制で勤務と勤務のインターバルを、あちらの規制では連続11時間空けなければいけないと。例えば、10ページの左の絵にあるように、水曜日の夜残業が入ってしまって、退勤が夜11時になったとした場合は、11時間空けなければいけませんので、次の出勤は10時以降という設計になっています。もちろんこれだけではなくて、一日の上限の時間ですとか、週の労働時間の上限ですとか、1週間当たりの休息の時間も設定されております。
 こういったヨーロッパの設計はあるわけですけれども、では、その実際の健康上の意味は何となくはわかりますが、数字やデータで示されたものは思いのほか少ないです。欧米でもこれから示しますように、いわゆる交代勤務者に関しては、シフトとシフトの間の短さと健康と安全というのは調べています。それに対して、いわゆる日勤の方に関する調査研究は非常に少ないというのが現状です。12ページでは、スウェーデンの交代勤務者約1,800名の方で、疲労が強くなるとか不眠が高まるというのに、どういう職業要因が関連しているかをいろいろ調べてみると、一番効くのが夜勤です。その次が、ミニマム11と書いていますけれども、勤務と勤務のシフトとシフトの間隔が11時間を下回ること。この要因が、ほぼ夜勤と同じくらいに疲労や睡眠問題を増やすということが示されています。
 同様に13ページでは、ノルウェーの病院の看護師さん1,200名ぐらいを調べたデータになります。ある年のミニマム11から次の年に短いインターバルが増えたか減ったか、あるいは変わらなかったかの3群に分けまして、変わらなかった群に対して増えた群がどうなったか、減った群がどうだったかというグラフなのですけれども、一番はっきりしているのは右側の過労症状が、そんなに変わらなかった群に比べて1年後は減少した、回数が減ったという群は、統計的には有意に過労の症状が減ったという結果が得られているそうです。
 左の強い眠気ですとか、交代勤務に伴った睡眠の問題も統計的にははっきりしませんけれども、同じような結果が出ているという形になります。
 3つ目、15ページですが、こういった現状を踏まえまして、働く人たちの健康を維持し、疲労回復を促進するためには何が必要かというところで、労働時間の対策も必要だけれども、オフの充実、オフの確保という観点から、私たちは平成26年度から勤務間インターバルに着目いたしまして、幾つかの研究を始めました。ちょうど今年度で終わるところで、本日は得られたデータを幾つか紹介します。
 16ページは、IT系の労働者約1,200名に関して調査を行ったもので、ある10日間のその方の勤務間インターバルを10時間未満から16時間以上まで分けました。左側がストレス反応、右側が起床時疲労感ですけれども、例えば、夕方6時に退勤して、翌日9時に出勤する、いわゆる一般的な働き方ですと、勤務間インターバルが15時間になります。この15時間の方のストレス反応の割合を0としますと、14、13、12、11、10と短くなるにつれて棒が高くなっていきまして、ストレス反応の出方が高くなる。このデータによれば11時間くらいからが増えてきているということが分かります。
 一方、右側の起床時疲労感というのは、普通我々はぐっすり眠れば、朝は非常にすっきりと起きて、今日一日頑張ろうとなるわけですが、疲れがたまってきますと、朝起きたときにもぐったりしていると。会社に行くのもおっくうだなという非常につらい症状が出るわけですけれども、これもインターバルが15時間の方が訴える割合が1としますと、インターバルが11とか10より短くなると、この訴えが1.5~2倍ぐらい増えるということが分かっております。
 続きまして、17ページですが、主観的な疲れたとかストレスがあるとかではなくて、できれば客観的な影響も調べたいということで血圧を調べてみました。これはIT系の労働者50名ぐらいに関して、ふだんどのくらいの勤務間インターバルがありますかとお尋ねして、12時間、13時間、14時間と大きく3群に分けまして、4週間の調査期間のうち1週目と3週目と4週目に血圧をはかりました。
 その結果、右は拡張期の血圧ですが、この白と黒はどう見るかというと、黒の群は14時間よりも長い、白の群はそれより短い群というふうに14時間の中で長い、短いと分けますと、14時間よりも長くインターバルを保たれている群は、そうでない群に比べて拡張期血圧が有意に下がっていると。同様に、13時間よりも長い、短いで分けますと、統計的にはそれほどはっきりしないのですが、13時間よりも長いほうが血圧は下がっているという結果が出ています。
収縮期血圧に関しても統計的には有意では必ずしもないのですが、似たような結果が得られています。
 インターバルと睡眠ですが、これは公表されたばかりのデータですけれども、ある調査会社に登録している日勤の労働者約3,800名に関しまして、ふだんのインターバルの時間と睡眠の長さと質を比べたものです。
 左側が睡眠時間になるわけですが、横軸が勤務間インターバルが10時間未満から16時間まで長くなっていくにつれて階段が上がるように睡眠時間が長くなっていることが分かります。最低の睡眠時間がどれだけ必要かというのは議論があるところですが、例えば、6時間としますと、最低でも勤務間は11時間ぐらい要るだろうと。それを下回ると6時間を切ってしまうということがデータから示されています。
 一方、右側の睡眠の質というのは、得点が低いほうが睡眠の質がいいという指標でして、これも勤務間インターバルが長くなるにつれて棒が右肩下がりになっていることがおわかりになると思いますが、縦軸は6点を下回るといい睡眠、逆に6点を上回ると睡眠の質に難ありというものなのですが、今回のデータですと、ちょうど14時間くらいからインターバルがあれば睡眠の質がいいということが言えるかと思います。
 19ページでは、いわゆる私たちが朝起きて仕事をして、おうちに帰って、お風呂に入ったり御飯を食べたりして、あるいは余暇を過ごして睡眠をとって、また出勤するという一日の絵を描いたものですけれども、一番上に帯は残業がなかったときの絵になります。例えば、退勤が夜6時ぐらいとしたならば、その後通勤して御飯を食べて、次の出勤が例えば9時としたならば、インターバルが15時間になります。これは過労死等、特に脳・心の基準ですと、そのときのいわゆる月100時間の時間外ですとか、2~6カ月にわたる80時間という基準を設定されたときの議論に基づくわけですけれども、残業と睡眠を足して10時間という考え方が当時から言われていまして、この10時間をどう2つに振り分けるかというのが鍵になってきます。
 例えば、真ん中の残業を2時間したとします。例えば、6時で帰るものを8時まで2時間残業したら、その分ほかのことはきちんとやらなければいけないので、睡眠としては8時間ぐらいになってしまうという絵になります。
 一方、一番下のグラフですが、残業を5時間した場合。というのは、一日残業5時間ですから、月当たりの仕事日が20日ですと100時間の残業なので、いわゆる月残業100時間になるわけですが、この場合は、足して10なので睡眠が5時間という形になってしまうという絵で、退勤から次の出勤までのインターバルの中で、そのものをどう確保し、その中で睡眠をどう確保するかというのが課題になってくるのかなと思います。
 最後に、まとめと課題に関してですが、21ページで、たくさんの議論がなされているかと思いますが、大きく政府当局、事業場、労働者と分けてみました。それぞれになすべき役割・責任があるかと思います。
 当局は、今回の検討会のような証拠に基づいてきちんとした制度設計をして、その後どう運用されているか、場合によってはどう改善していくかということが求められるかと思います。
 個々の事業場においては、勤務間インターバルは必ずしも法的なバックがあるわけではないということもあります。そもそも自分たちの職場は自分たちで良くしていくというのは基本原則ですから、労使参加できちんと合意に基づいて我が社はどうしていこうかと。それが必ずしもベストかどうかは、やってみなければわからない部分があるかと思うので、モニターしながら改善していくというのが望ましいと思います。
 労働者としては、例えば、当局あるいは事業場が一生懸命頑張って一定の勤務間インターバルを設けてくださったら、その中でいい余暇、いい睡眠をとることが重要と言えます。せっかくオフがとれたのに寝るのが2時、3時というのは、労働者としては失格になるでしょう。若い労働者ですと、こういうのは結構多かったりしまして、それが翌日の眠気や生産性に当然つながりますし、ひいては健康の悪化も考えられます。ですので、設けられたインターバルをどう最大限活用して、きちんと睡眠をとるかというのは、私たち労働者の責務なります。
 最後に、今後の課題として、既に過去3回の検討会で議論がなされているかと思いますが、どういったお仕事で、どういった働き方をしているにかよって、扱いが全然異なってくるのではないかと思います。例えば、物を扱う仕事、物を作ったり、物を運ぶという仕事と、医療など人に対するお仕事とは違うと思います。
 それから、短いとは何かというので、11時間がいいのか、8時間がいいのかという議論があるかと思いますが、これもそれぞれ業種・業態の考慮が非常に重要になるかと思います。
 それから、インターバルとなりますと一日ベースで考える方が多いかと思いますが、忙しいときにもし11時間を下回ったら、すぐレッドカードになると非常に扱いにくい部分があるかと思いますので、どこかの資料の中でも既に運用されている事業所もあるかと思いますが、例えば、次に何回ぐらいまでならOKとか、あるいは週の中でという、フレキシブルな対応も必要になってくるかと思います。
 もう一つは、なかなか時間管理が難しい、外回りが多くて直行・直帰、あるいは午前中は事業所に来るけれども午後から営業に回ってしまうとか、こういう方々もふえているかと思いますので、こういう方々のインターバルをどうするかというのは、個別に議論していく必要があるかなと思います。
 以上です。どうもありがとうございました。
○今野座長 それでは、何か御質問ございましたら、どうぞ。
○柴田委員 ありがとうございました。労働側委員の情報労連の柴田と申します。
 21ページのまとめで御説明が少しあったかもしれませんが、事業場の労使参加の同意に基づくということの思いというか意味合いを、もう少し踏み込んで何かあればお聞かせ願いたいと思っております。
○高橋氏 ありがとうございます。これは、勤務間インターバルに限ったことではなくて、化学物質であれ、あるいは労働時間であれ、全般的に法規制に基づいて事業場を改善していくというのは当然かと思います。それにとどまらず、自分たちの職場として経営者は何をたてつけ、労働者としてはどういう努力をするのか。そこの合意というのが基本になるのではないかと思っております。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○輪島委員 どうもありがとうございました。結構ショックだなと思うのは、16ページ以降のインターバルのところですけれども、何となくインターバルの時間は11時間というのがあると思うのですが、16ページでいくと15時間を0とすると、11時間でも結構因子としては大きいし、17ページも、18ページも11時間でいいというわけでもないねというのがあって、では、何時間空ければいいのかという話ですけれども、15時間空ければそれはそれでいいと思うのですが、11時間でもセーフティーではないというのが疫学的には言えるということでしょうか。
○高橋氏 ありがとうございます。これは、あくまで私たちのデータで、ほかの研究者が確認しているわけではないので、そこまで確証的なことは言えないと思います。ただ、11の根拠というのは、御承知のようにEUからの数字でして、EUとしていい数字が我が国としていいかというのは議論があるところかと思います。
○今野座長 それに関連して、例えば16ページを例に挙げると、インターバルが短くなると結果がある意味では悪くなってくるわけですけれども、このデータは一時点のデータですよね。そうすると、次の日はちゃんとインターバルをやると全部回復するものなのですか。そこは回数との関係だと思うのですけれども、その辺はどうなのですか。
○高橋氏 日々の細かい変化まではなかなか追えないのですけれども、短いインターバルが繰り返されてしまうのは、慢性的な影響があるのではないかと。いわば、睡眠がとれないとか休息時間が上手くとれないことに伴い、借金がたまってしまうような形はあるかと思います。ですから、借金はできるだけためないようにするという制度設計が大事なのかなと思います。
○今野座長 そうすると、今度逆に言うと数回ならいいかと。
○高橋氏 その数回は月に何回がいいのかというのは、私どもはそこを調べているところなのですけれども、どの辺で1つの目安になるのかというのはこれからの課題なのかと思います。
○今野座長 もう一つだけ、データの読み方がわからないのですが、17ページですけれども、12、13、14というのはインターバル時間ですよね。○は14時間より短い人の平均、●は14時間より長い人の平均と見ればいいんですね。
○高橋氏 そうです。五十数名の労働者を事業時間より長いか短いで黒と白で分けて、それぞれの方の血圧をはかると、こういう結果になったということです。
○今野座長 何でここは11時間がないのだろうかと思ったのですが。
○高橋氏 11時間は、サンプルが少なかったもので、お示しできませんでした。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○大久保委員 非常に興味深い研究結果の御紹介ありがとうございました。連合本部の大久保と申します。
 最初の方のお話で、欧米でも特に日勤のインターバルに関する先行研究はまだ数が少ないとの御紹介でしたが、安衛研で実施された研究とその先行研究を比べて、日本とインターバル制度が先行している欧州諸国とで、明らかな違いが見られた点は何かありましたでしょうか。御紹介頂ければと存じます。
○高橋氏 それは日勤者ですか。欧米での日勤者における11時間未満のインターバルに関する報告というのは、ほとんどないんです。米はあるかもしれませんが、欧に関してはほとんどないです。いわば、それだけ長く働いていない地域の方々なので、私どもとの比較というのは現時点では難しいということになります。ただ、例えば北欧の方々と話をしますと、午後4時か5時にはもう帰るよというのが当たり前になっているので、ミニマムの11時間というのは守れない時間ではないということのようです。
○今野座長 要するに、そういうサンプルがないということですね。だから、調査がないのではないかと。
○高橋氏 参考資料3-1でも、一番下の勤務間インターバル制度の適用除外とか雇用者に占める割合等の把握としては、ドイツもフランスもイギリスもないということは、欧州では調べられているようにも思うのですけれども、そもそもメインにはなっていないことではないかと。逆に言えば、我が国よりも短く働いているというのが現状なのかなと思います。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○土肥委員 三井化学の土肥でございます。どうも貴重なデータありがとうございます。
 16ページ以降で出されているデータは、ほとんど断面研究だという理解でよろしいでしょうか。
○高橋氏 おっしゃるとおりです。
○土肥委員 そうしますと、長期的に見た研究というのは、今のところ日本ではほとんどないと。
○高橋氏 今ちょうど分析しているところで、まだ公表できる段階ではないのですけれども、印象としては、私ども3年ぐらい連続で追跡調査しているのですが、1年目も2年目も月当たりの11時間未満の回数が多い方は、疲労がたまるですとか、睡眠の質が下がるということがあるようです。ただ、これはまだきちんと検証しなければいけないことです。
○土肥委員 ということは、今の段階では継続的に勤務間インターバルが11時間以下になっていると、ここに示されているようなデータは毎年出てくると思えるのだなという理解でよろしいわけですね。
○高橋氏 これはきちんと検証していかなければいけませんが。
○土肥委員 環境に慣れていってそういう症状が減っていくということではなくて、勤務間インターバルが短いと、断面的な調査として症状が出やすいものであるという理解をしてよろしいですか。ありがとうございます。
○今野座長 どうぞ。
○輪島委員 6ページですけれども、上司の態度と部下との関係ないし勤続年数がぴったり合えば、こういう傾向も出るかなという気はするのですが、例えば、半年だったり、上司と一緒にいる時間が一様ではないはずなので、本当に有意性はあるのでしょうか。
○高橋氏 こういった研究も非常に珍しいというか少ない研究で、大体は従業員の方にワーク・ライフ・バランスと健康はどうですかということで、上司も調べ、部下も調べるというのは非常に珍しいものです。ですから、これがきちんと検証されることはまた必要かと思います。日本だけなのかもしれませんが、ワーク・ライフ・バランス、仕事と家庭生活を両立させるために、どこの首を縦に振ってもらえればいいのかといった場合、まずは直属の上司に相談することが多いのかなと。これはアメリカですけれども、そういう方が仕事もちゃんと管理するけれども、ワーク・ライフ・バランスあるいは場合によってはオフも管理するというところまで目配せしていけるようになると、働きやすさも少しアップしてくるのかなと。そのことによって睡眠がきちんととれるとか、健康がよくなれば、事業所にとってもプラスになるはずと理解しております。
○今野座長 ほかにございますか。どうぞ。
○小林委員 17ページの右の表の図の見方になるのですけれども、こちらは例えば14時間の部分ですけれども、優秀で早く帰ることができている人と、そうでなくて仕事がたまっている人の違いという、読み方もできないでしょうか。それとも純粋に勤務時間の影響を示している分析結果のデータになっていると考えてよろしいのでしょうか。
○高橋氏 これも3回はとっていますが、ある一時点でのインターバルの長さと血圧との関係なので、御指摘のような影響はないことはないと思います。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。
 先ほどおっしゃられた縦断型の調査の結果というのは、いつ出るのですか。
○高橋氏 できるだけ早く公表したいなと思っております。
○今野座長 早くって、あしたではないですよね。
○高橋氏 明日出せればいいのですけれども。努力します。
○今野座長 来年度いっぱいぐらいで頑張ろうという感じですか。
○高橋氏 そうですね。ちょうどこのプロジェクトがこの春で終わりますので、来年は研究の終了評価にも当たりますし、公表しなければいけないと思っています。
○今野座長 よろしいですか。高橋さん、ありがとうございました。大変参考になりました。
 それでは、次に移りたいと思います。次は、お手元の議事次第にありますように、「インターバル制度導入に当たり検討すべき項目について」ということです。これについては、前からヨーロッパの状況はどうなっているのかという宿題も出ておりましたので、それも含めて関さんからお願いします。
○関労働条件確保改善対策室長 議題2に先立ちまして、これまでの御指摘、宿題事項について、参考資料でまず御説明をさせて頂きたいと思います。
 参考資料1を御覧下さい。こちらは、これまで第1~3回までの検討会で様々な御意見を頂戴してまいりまして、その御意見を内容ごとに見出しをつけて整理させて頂いたものです。例えば「インターバル制度の導入について」、「休息時間が翌日の勤務時間に及ぶ場合の扱いについて」、「業務の特殊性に応じた休息時間の設定について」等々、内容ごとにとりまとめておりますが、基本的に議事録からこれまでの御発言を整理して、おまとめしたものでございます。
 続きまして、参考資料2を御覧下さい。こちらは「インターバル制度導入企業一覧表」としまして、これまでに検討会でインターバル制度を導入されている企業さん方が御発表されたり、もしくはインターバルの事例集に掲載されている企業さん方の内容をA社からH社まで、8事業所を左に置きまして、その内容を項目ごとに整理させて頂いたものになります。例えば、導入の目的、対象となる職種、インターバル時間数や適用除外、労働時間管理方法、休息時間が翌日の勤務時間に及ぶ場合、それらをどう規定しているかといったことを、それぞれ8事業所を内容ごとに整理したものでございます。会議御発表時点で一部試行期間中の企業もございましたけれども、基本的には項目ごとに整理させて頂きました。
 続きまして、参考資料3を御覧下さい。こちらは、第2回検討委員会において頂戴しました御質問を踏まえまして、EUの実態についてまとめたものでございます。EUの実態を調査するにあたっての調査方法としましては、外務省を通じてドイツ、フランス、イギリスの大使館にインターバル制度の実態についての調査を昨年依頼したところでございます。ちょうど昨日までに全ての国から回答を頂けましたので、まずは参考資料3-1として、質問項目と回答から順に御説明させて頂きます。
 まず、一番上の段になりますけれども、各国の休息時間の時間数を11時間と決定した背景について質問をしましたところ、ドイツにつきましては、11時間の休息時間の規定は1938年に制定された以前の労働時間法を基にしているもので、結果としてEUの労働時間指令の規定にも対応するとの回答でした。
フランスにつきましては、休息時間の規制は通常の労働時間規制、最大12時間までとなるのですが、それと併せて労働時間が6時間ごとに最低20分の休息を与えなければならない規定がございまして、その両者併せ持って11時間とするのが適切との回答がございました。
 イギリスは、11時間のEU指令を直接実施するためのものということでございました。
 2つ目の質問は、勤務間インターバル制度の原則の適用を受ける労働者について、労働者の前日の勤務終了後から翌日の始業時刻までの間に一定の時間の休息時間が確保できず、11時間未満となった場合の取り扱いについて質問しましたところ、ドイツは代替日に休息時間を繰り越す、フランスは同じく代替日に休息時間を繰り越すという回答でして、イギリスは、このような場合、労働者が取得することができなかった休憩の長さに相当する補償的休憩の期間を提供しなければならないと規定されているとのことでした。
 3番目、勤務間インターバル制度の適用除外を受ける者の中に、管理者、取締役等が含まれているが、その者の具体的な定義について質問しましたところ、ドイツは、管理的職員は労働契約及び企業又は事業所での地位に応じて幾つかパターンがありますが、マル1事業所又は事業所の部局で雇用されている労働者の採用及び解雇を自身で行う権利を与えられているか、又はマル2全権又は代理権を有し、その代理権は使用者との関係でも重要であるか、又はマル3通常、企業又は事業所の存続又は発展にとって重要で、その達成のためには特別な経験及び知識が求められるその他の業務を行っており、その際には、基本的に指示命令を受けずに、その決定を行うか、又はそれらの決定に重要な影響を与える者という回答でございました。
 フランスの回答は、実は者というよりも11時間の休息時間の適用除外とすることが可能な活動ということで回答されてきておりますけれども、自宅と労働する場所又は複数の労働する場所間の距離が離れている業務、物品や人の保護の必要性から行う保管、監視、当直の業務、サービスや生産の連続性を保つ必要性のある業務、運輸業における荷物の運搬の業務、日において労働時間が分割されている業務ということでした。
 イギリスは、自律的労働者の特定の定義を作成していないということでございました。
 最後に4つ目の質問、勤務間インターバル制度の適用除外・特例の適用を受ける業種・職種の人数や全雇用者に占める割合等を把握した、いわゆる統計の有無については、各国いずれも持ち合わせていないという回答でございました。
 1枚おめくり頂きまして、参考資料3-2は、EU指令及びドイツ、フランス、イギリスのインターバル制度について、休息時間適用除外及び特例を表に一覧としておまとめしたものでございます。
 EU指令については、既に第2回検討会でお示ししました通り、内容の欄を御覧頂きますと、加盟国は、全ての労働者に24時間ごとに最低でも連続11時間の休息時間を確保するために必要な措置をとるものとすると規定されておりまして、適用除外の欄でいきますと、マル1軍隊・警察、船員、マル2業務の特殊性から労働時間の長さが測定できない、又は労働者自身が決定し得る場合、マル3以下の場合は適用除外ということで、沖合労働、保安・監視等かなり広範な例外を許容しております。
 ドイツにつきましては、まず労働者は、一日の労働時間の終了から次の日の開始までの間に連続した最低11時間以上の休息をとらなければならないと規定されております。そして、適用除外につきましては、マル1管理的職員及び医長、マル2公勤務の主任、その代理、並びに人事案件について独自の決定権を有する公勤務の労働者、マル3家政共同体において、その保護下にある者等が適用除外となっておりまして、さらに下を見て頂きますと、かなり特例がございます。
 マル1以下の場合は特例を設けることができると規定されておりまして、例えば、医療・介護、飲食・宿泊、交通機関、放送局、農業・畜産においては、1カ月又は4週間以内に他の日の休息時間を12時間以上に延長することによって調整される場合には、1時間分まで短縮と書いてあります。また、当事者の意思に関係なく生じる緊急時や非常時の一時的な労働に従事する場合。また、それを行わないと著しい損害を及ぼしかねない労働に一時的に従事する場合。スケジュール変更のできない研究・教育や医療・介護といった場合は特例を設けることができると規定されております。
 マル2労働協約又はこれに基づく事業所協定において、次の特例を設けることができるとなっており、1つ御紹介しますと、休息時間の短縮が必要な業務について、休息時間を2時間分まで短縮することが規定されております。
 続いて、フランスでございますが、まず、内容としましては、勤務終了後は少なくとも11時間就労することができないと規定されており、適用除外につきましては、マル1企業の役員、独立営業職員VRP(フリーで活動するセールスマン)、住宅管理人、家政婦、ベビーシッター。マル2農業、運輸業(トラック運転手)、港湾関係企業。マル3労働協約がない場合でも、労働監督官が許可した場合や、緊急時(業務上の事故処理など)といったことが適用除外とされております。
 また、フランスも特例が下に設けられておりまして、マル1業務の増大の場合、事業所委員会又は労働者代表の意見を付して労働監督官の距離を得ることにより、特例を設けることができる。マル2労働協約により、以下の場合は休息時間を9時間まで短縮することができるということで、幾つか業務が列挙されております。
 次いで、イギリスの内容としては、労働者には、24時間当たり最低でも連続11時間の休息時間が与えられなければならないとなっており、適用除外につきましては、マル1軍隊・警察、船員、航空、道路輸送。マル2業務の特殊性から労働の連続時間が測定できないか、あらかじめ定められていない、又は労働者自身が労働時間を決定し得る場合。マル3以下の場合は適用除外としまして、沖合労働等保安・監視など幾つかの事例が適用除外として列挙されております。
 また、イギリスの特例につきましては、マル1労働協約又は労使協定による特例が可能ということで、回答が来ております。
 続きまして、参考資料4を御覧下さい。こちらは勤務間インターバルの導入状況等の調査結果でございまして、(1)は既に第1回の会議で勤務間インターバルを導入している企業の割合2.2%という調査結果をお示ししておりましたけれども、(2)の平成29年就労条件総合調査が前回の検討会以後、昨年12月に公表されておりますので、こちらも御紹介させて頂きます。就労条件総合調査では、勤務間インターバルについて導入していると回答した企業の割合1.4%となっておりますが、この調査ではインターバル制度を労働協約、労使協定又は就業規則に当該制度が定められているものと限定して調査をかけたものでございます。
 参考資料の一番最後を見て頂きますと、勤務間インターバル制度を導入していない理由別企業割合という表がありまして、一番上、平成29年調査計を御覧頂きますと、ちょっと細かくて恐縮ですが、例えば、38という数字は超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないためと答えた企業の割合。そして、一番多い40.2は、インターバル制度をそもそも知らなかったためと答えた企業の割合を示したものとなっております。
 以上が、これまでの議論をとりまとめた参考資料の説明となりまして、続きまして、議題2について御説明させて頂きます。
 資料2を御覧下さい。1枚ものになります。昨今のインターバル制度を巡る状況について先に少し申し上げますと、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱におきまして、労使の自主的な取組を促す労働時間等設定改善法を改正し、事業者に対し、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息を確保する旨の努力義務を課すこととしており、昨年9月に労働政策審議会からおおむね妥当と認めるとの答申を頂いたところでございます。
 現在、法律案につきまして、国会に提出する準備を進めており、今後、国会の審議を経て法律が施行された暁には、インターバルを新たに導入する企業が増えることが想定されます。そこで、本検討会の目的である、企業の自主的な取組を促進し、制度導入についての環境整備を進める観点から、それぞれの企業で導入にあたりどのように進めていくべきかといったことを整理していきたいと考えております。そのための事務局案が資料2でございます。
 それでは、この資料2に沿って御説明させて頂きます。
 まず、「1 実態の把握」、いわゆる勤務形態も含めてですけれども、休息時間に関する状況や時間外労働時間の状況、労働者のニーズ、取引先との制約等、実態の把握が考えられます。
 「2 制度設計の検討」としまして、対象となる職種、インターバルの間隔をどの程度にするかということや、インターバル実施時の企業内の手続、制度の適用除外、そして労働時間の管理の方法、制度の拘束力、その他、いわゆる突発的事象により休息が確保できなかった場合どのように取り扱うか、または、その休息時間が翌日の勤務時間に及ぶ場合、勤務時間をどう取扱うかといったことが制度設計の検討にあたっては必要になってくるかと思います。
 また、実際に導入するにあたって「3 PDCAサイクルによる検証等」が考えられまして、その場合には試行期間、検証、実施、実施にあたっては、例えば労使協定の締結、就業規則の変更などが考えられます。再検証、そして本格稼働。
 そして「4 制度導入の手続」といったことが想定されますが、これらを基に他に盛り込むべき内容、手順や留意すべき視点について御意見を賜りたく、御審議のほどよろしくお願いいたします。
 説明は以上でございます。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、今、大きく2つの説明がありましたので、資料2は後回しにして、まずこれまでの宿題についての資料を出して頂きましたので、その点についての御質問なり御意見を受けたいと思います。特にEUの状況については大変苦労されて、なかなか情報がないようですので、その中で今できる範囲内で資料を整理して頂きましたので、その点についての御質問が一番多いかなと思いますが、どうでしょうか。どうぞ。
○松井委員 今の点ですが、参考資料3-1ですけれども、1つは、大使館に聞いたという場合、在日の大使館なのか、向こうの国の日本の大使館に聞いたのかを教えて頂きたい。参考資料3-1の2つ目の質問に対する答え、ドイツの代替日に休息時間を繰り越すという意味なのですけれども、一定の休息時間が確保できず11時間未満である場合ということですが、例えば、10時間だった場合に、その1時間を代替日に繰り越すというのはどういう意味なのか、有給なのか、無給なのかという点もあると思うのですが、どういうことなのか。フランスの代替日に休息時間を繰り越すと書いてある後の文言ですが、これはどう理解したらいいのかがもしわかれば教えて頂きたいと思います。
○関労働条件確保改善対策室長 まず、1つ目の御質問につきましては、外務省から各国にある、イギリス、フランス、ドイツの日本大使館に、公電を発出して調査訓令としてお願いしたものになります。その後、大使館によっては、それぞれの国の労働省などに聞かれる場合もあれば、各国のアタッシェが独自で調べられる場合もあるのですが、そこまでは我々は分かりませんので、回答頂いたものがこちらになります。
 そういった意味で2つ目の御質問につきましても、代替日に休息時間を繰り越すという以上の情報が来ておりませんので、素直に読みますと、例えばフランスにつきましても、基本的には始業時間を繰り下げるよりも同時間以上の休息時間、つまり休息時間を次の日にと読めますが、実はこれ以上の情報が今のところはない状況でございます。
○今野座長 島田さん、どうですか。島田さんが一番詳しそうなのですが。
○島田委員 恐らく、別の代替日に休息時間を11ではなくて12にするという形を考えているのではないでしょうか。
○今野座長 そうすると、フランスの場合、上から3行目に「始業時間を繰り下げるよりも同時間以上の休息時間を与える」とありますが、繰り下げるのではないのですか。
○島田委員 繰り下げないんですね。
○今野座長 繰り下げないで、そこは休憩にしてしまうということですか。
○島田委員 そうだと思います。
○今野座長 ということは有給にしてしまうということですね。
○島田委員 多分そうだと思います。ちょっと確認してみます。
○今野座長 問題は、有給かどうかですよね。同じ休息でも繰り下げるのだったら。
○島田委員 これは繰り下げていってしまうと、全体がおかしなことになってしまいますからね。
○今野座長 どうぞ。
○輪島委員 1つは、大使館経由というのはわからないではないですけれども、JILPTを使わなかった理由は何かあるのか、JILPTのほうがよほど専門家がいっぱいいるのではないかという気がするのですが、いかがでしょうか。
 2つ目は、ここにある制度をどう理解するのかというのはわかりますけれども、要は運用がどうなっているかが全く見えないというところが問題で、何をどう参考にすればいいのかというところが、論点としてあるのではないか。
 3つ目ですが、参考資料3-1の一番下の統計の有無について、ないというのはどう理解するのかということで、これは島田先生にお伺いしたいのですけれども、これは私の個人的な理解ですが、ヨーロッパのインターバルは基本的にはここに書いてあるように除外の職種がいっぱいあって、漠とほとんどメーンのところは除外、対象になる人がそんなに多くないのではないかという話と、そもそも対象になるのだけれども、ワーカーレベルでいうとほとんど労働時間としては長くないので、結局統計がないということなのかという気がしないでもないのですが、これはすごく乱暴な話なので、統計がないものは探せば出てくるものなのか、ないのだったらしようがないので、どう考えるのかというのは論点としてはあるのかなと思います。
○今野座長 では、なぜジルではないか。私は、ジルは無理だと思うのですが、どうぞ。
○藤枝労働条件政策課長 JILPTにも御協力を相談したのですけれども、基本的には文献調査というか、まず各国の情報を当たるところから始まって、あとは企業の実態にどこまで踏み込めるかというところで、文献調査であれば各国の大使館を通したほうが確実でありましたので、それは私どもの判断で大使館にお願いしました。
 JILPTにも相談しましたが、インターバルについて企業の協力というのはなかなか得られないというか、余りこういった調査はしたことがないということもあって、なかなか難しいという御回答を頂いています。ですので、実態の運用というところは、ある意味頂いた宿題について何もお返しできていない状況にはありますけれども、引き続きの宿題というか、どこまでわかるか非常に難しいところはございます。
○今野座長 私の見方は、運用の実態まで知りたければ特別プロジェクトを組まなければ無理だと思います。今の段階で情報を得ることは難しいだろうというのが私の感触です。
 最後の点はどうぞ。
○島田委員 確定的なことは申し上げられないのですけれども、随分昔ですが、年休について取得率を調べろというのがあって、フランスの労働省で聞いたら、そんな統計はないと言われました。それは、ちょっと恥ずかしかったのですけれども、年休はみんなとるから、そんな統計をどうしてとる必要があるのかと逆に聞かれたという経験があって、その経験を踏まえて言うと、ないということは統計をとる必要性がほとんど意識されていないのだと思います。その原因がどこにあるのかというところまでは確定的に申し上げられないのですが、今、調査について非常に苦労されているというのは、運用面でこのことが障害になるという報告が余りないのではないかと。ですから、EUが11時間と決めて、それに対して法律はあるのだけれども、そこを巡って非常に頻繁に紛争が起きているという状況がないので、余り問題とならない。日本の一般的な長時間労働のあり方の中で注目をされているのとは、ちょっと違うのかなという印象を今持っているところです。
○今野座長 厚生労働省は何かございますか。
○藤枝労働条件政策課長 これも先ほど申し上げたように、大使館の特に我々がアタッシェと呼んでいる厚生労働省から外務省に出向した人間、できるだけ労働問題に詳しい担当者にお願いして、現地の関係省庁や統計部門に当たって頂いておりますけれども、ありていに言って、担当者レベルで調べられる限りで調べた結果として見当たらなかったという状況であります。「無し」とここで書いてありますけれども、そういう状況でございますので、恐らく、今、島田先生がおっしゃったような状況も背景にあって、そのような調査は見当たらなかったということだと思います。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○柴田委員 参考資料4の別紙2のマル2ですけれども、私の理解不足なので教えてほしいのですが、11時間以上空いている労働者の状況別企業割合の「全くいない」というのは、例えば具体的に9時始業だったら、前日の22時まで働いて9時に出社されている方がほとんどという理解でしょうか。年間を通してということなのでしょうか。「全くいない」というのが読み取れないのですが、わかりましたら教えてください。
○藤枝労働条件政策課長 手元に調査票がないので、一時期なのか、その辺もあるかと思いますので、確認してまた御連絡させて頂きます。申しわけございません。
○今野座長 どうぞ。
○輪島委員 同じ参考資料4のマル2ですけれども、柴田さんがそういうところを見るのだなということが、よくわかりました。私が見たときには、34.3と37.3はほとんど全員が空いている。だから、足すと7割なので、7割の会社は11時間空いているというので、即インターバルを入れられる会社ということなので、全体が今1.4%ということですけれども、マル3もさっき御紹介がありましたが、当該制度を全く知らないというところが多いので、ことしの春の労使交渉でも、インターバルを入れるという話を労使でしているところは多いので、そういう意味では参考資料2のように、いろいろな事例がこれから出てくるので、こういう事例を労使の工夫をいい機会だととらえて周知して、なるべく制度を知らなかったという企業は減らしていくし、参考資料4でさっき御紹介があったように、超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないという会社を増やしていくことを、労使でどうやって協力してやっていくのかということが大事なのだろうなと感じております。
○今野座長 それでは、先ほどの調査方法については、また追って柴田さん、聞いておいてもらえますか。多分、特定時期を絞って聞いているはずなんですよね、今月とか。それは調査票を見ないとわからないので。
○藤枝労働条件政策課長 確認の上、皆様にもメール等で周知させて頂きますので、お願いします。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。宿題についてはよろしいですか。
 それでは、資料2について御意見を頂きたいと思います。先ほどあったように、インターバル制度導入に当たって、考えなければいけないポイントをリストアップしようということだと思いますので、ここにはポイントの原案が出ていますので、さらにこういうポイントがあるではないかとか、あるいはこんなポイントは要らないとか、あるいはさらに厚生労働省が今後展開していく上で、このポイントについては、こういうことを留意したほうがいいのではないかというのも非常に参考になると思いますので、皆さんの御意見を頂ければと思います。
 どうぞ。
○藤枝労働条件政策課長 補足させて頂ければと思いますが、今、座長からお話があったように、資料2に基づいて、これからインターバルを導入してみようと思う企業の労使の方々が、まず何をして頂いて、どういう手順で労使で話を詰めていけばインターバル制度が上手く導入できるかという観点で、それぞれの項目を立てたつもりでございます。例えば、最終的なでき上がりとしては、それぞれの項目に、これまで御紹介した企業の先行事例を挿入することによって、こういう中身を詰めていけばいいのだなということも分かるようにすれば、この検討会での報告書が一つのマニュアルにもなっていくようなイメージでおりますので、そういった視点で決めていくべきこと、把握すべきこと、話し合うべきことについて、さらにこれを盛り込んだほうがいいのではないかという観点での御意見を頂ければと思っております。よろしくお願いいたします。
○今野座長 ちょっと確認ですけれども、こういうポイントごとについて我々が今までヒアリングした事例がいろいろあるので、例えば、対象となる職種というので、A社はこうやっている、B社はこうやっているというのがつくわけですけれども、マニュアルにもし本気になってすると、本当は真ん中が必要なんですよね。例えば、職種だったら、職種前提でこういう観点が必要ですとか、そこまでのでき上がりは考えていないですよね。そこまですると、もっと議論を詰めなければいけないので。
○藤枝労働条件政策課長 そこまでやって頂くと、何年かかけて業種ごとにやって頂くことになりますので、そこまでは求めておりませんので、横断的にこういったところが必要ではないかという観点で御意見を頂ければと思います。
○今野座長 これを見て頂いてどうですか。これをリストアップするときに、今までのヒアリングやここでの皆さんの意見を参考にしていると思いますけれども。労使がインターバル制度を入れるとしたら、観点としてはこんな感じですかねということですけれども。
 どうぞ。
○杉崎委員 社会全体のことにかかわるのですが、資料2で「取引先等との制約」という記載があるのですけれども、今回のインターバルもそうですし、上限規制についてもそうなのですが、いろいろ中小企業の皆さんの率直な御意見や生の声を聞いてみますと、いわゆる長時間労働の是正、働き方改革は非常に重要だ、これを機に取り組まなければいけないという御認識をお持ちの方が多いのですけれども、重層的な下請構造の中で取り引きしている中小小規模事業者にとっては、自社だけの努力で労働時間を短くしていくというのは、なかなか困難だという声が非常に多いんです。今、インターバルの導入率が1.4%という数字もありますし、一方で、11時間以上空いている労働者の状況別企業割合を見てみると、30~99人の企業規模については、ほとんど全員11時間以上空いているという割合が規模の大きい企業群に比べて高いと。中小小規模でも11時間以上空いている労働者の割合は多いのだけれども、重層下請構造の中で突発的な発注や仕事の依頼があると、なかなか断れないというのが現実としてありますので、例えば、サプライチェーン全体の中でのいわゆる仕事の無理、無駄というものを改善していくような機運醸成が普及促進に大事なのかなと感じる次第です。
○今野座長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○松井委員 先ほど高橋先生からも、例えばEUの規制であれば週当たりの上限だとか、連続労働という場合も、一日の連続労働を区切るというのと、週当たりの連続労働を区切るという考えもセットで多分あるものだと思うので、労使の中の労働時間制度全体をきちんと目配せするようなことがあって、その中でインターバル規制をどう位置づけるのですかということが最初に整理されていないと、なかなか難しいのではないかという気がしますので、その辺の前置きというか、そういうものもあったほうがいいのではないかと思います。
○今野座長 これは1から始まっているけれども、確かに、0としてそういうものがあったほうがいいですね。
 そういう点では、今回の事例でもそういう発言があったら参考になりますよね。ありませんでしたか。今おっしゃられたように、我が社は労働時間制度を全体的にはこう考えるのだと、その中でインターバルはこう位置づけるよという話があったほうがいいということですよね。確かに、そういう項目があったほうがいいと思いますので探してください。
○藤枝労働条件政策課長 発表頂いた事例も、多くは長時間労働是正も含めた働き方改革にういての労使の話し合いの中から導入されたという経緯があったと思いますので、そういった導入部分は盛り込むようにしたいと思います。
○今野座長 どうぞ。
○土肥委員 勤務間インターバル制度をつくる際に、目的とするところが何なのかを労使でよく話し合ったほうがよろしいのではないかと。単純に労働時間の短縮を目指すものなのか、労働者の健康という問題の何かのセーフティーネットとして考えるものなのかという、基本的になぜこれを持ち込むのかという議論が最初にあって、その後で制度設計に移っていくという考え方をしないと、制度だけを考えると非常に窮屈なものになるのではないかと考えます。導入の際に、目的を議論する視点があったほうがいいのではないかと思います。
○今野座長 今おっしゃられたのも目次からいったら0ですね。そのとおりだと思います。
 ほかにいかがでしょうか。多分これまでの事例でもそういうことはちゃんと入っていましたよね。
 どうぞ。
○菱沼委員 制度設計の検討の中で、対象となる職種とさっき話があったのですけれども、あと規模感もどうかと。要は、先ほど別紙2で御紹介頂いている人数規模もあるかなと思いました。
 ちょっと残念なのは、中小企業を支援する立場とすると、30人未満の状況はどうか知りたかったと。調査自体がそういうたてつけになっていないと思うので、仕方ないかなと思いますけれども、その辺が1点です。
 もう一点は、3にPDCAサイクルによる検証等とあるのですが、多分PDCAサイクルということは目標を立てると思うのですけれども、そもそも勤務間インターバル制度の導入を検討していないところもあるので、目標の立て方はすごく難しいのかなと思いました。
○今野座長 そこは入れにくいですね。これは入れることを前提にだから、入れないところを入れるように持ってこようというのは別の話になってきますので、そこはちょっと難しそうですが。
 人数規模は、多分シミュレーションするときにそういうことを考えるのでしょうね。先ほども出ましたけれども、労働時間制度全体の中でインターバル制度をポジショニングして、しかも、インターバル制度は何のためにするのかということを労使で考えて頂いて、基本戦略を決めた後に、それに沿って職種も決まると思うんです。そうすると、職種が決まったときに、実際に運用するときにシミュレーションをしなければいけないので、そうすると、適用人数はどの程度になってくるのかということが出てくると思いますので、人数はもしかしたらPDCAサイクルの中の検証とか、その辺に1つのチェック項目として入ってくるということかな。人数そのものを制度設計の中には入れにくいですよね。理屈が立ちませんものね。5人にしようとか、10人にしようとか。ですから、そういう形では入れて頂くということだと思います。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○輪島委員 論点になるかどうかわかりませんが、本人同意、高度プロフェッショナル制度が本人同意なのか、インターバルを断るのかどうかよくわかりませんが、そういう仕組みはあるのかなと。
 それから、2番の2つ目、インターバルの間隔と通勤時間なのですが、先の議論ですが、24時間から11時間引くと残り13時間で、13時間のうち8時間働いて残り5時間で、通勤時間は11時間のほうに入るのか、5時間のほうに入るのかというのは。
○今野座長 一般的には11時間です。
○島田委員 13時間というのが、労働時間の一日の上限だという逆も考えられるわけです。
○輪島委員 なるほど。今度の法案は年間の上限が入るのですけれども、一日単位の上限になるわけなので、そこは結局、柔軟な運用でないと苦しいよねという出発点があるわけなので、そこは今後議論してまいりたいと思います。
○今野座長 これは、言ってみれば企業が導入するときにどうしようかという話で、今、輪島さんが言われたのは、もっと政策レベルでどうしようかという話ですよね。そこは論点がちょっと違うかなと思いますので。
 どうぞ。
○大久保委員 ちょっと言葉尻をとらえた細かい点になりますが、まず、2の1点目「対象となる職種」となっておりますが、参考資料2の項目で言うと3つ目「対象となる職種」を見てみますと、全社員なのか管理職なのかということで分けていらっしゃるようなので、「職種」というよりも「職階」なのではないかと思います。もちろん「職種」であってもいいのですが、「職種」と「職階」が両方あったほうが、よりわかりやすいかと思います。
 それから、3点目は意味を教えて頂きたいのですが、「インターバル実施時の企業内手続」、この「実施時」というのは、どういう意味なのでしょうか。きょうはインターバルをやりますよというときの手続なのか、それともインターバル制度を導入するときの手続なのか。制度導入の手続でしたら4にありますので、制度設計の中に入れる必要はないと思うのですが、あるいはもしかすると、インターバル適用除外のときの手続なのかなとも思うのですが、読み方がわかりませんので、そこを御教示頂ければと思います。
○関労働条件確保改善対策室長 こちらの実施時の企業内手続と申しますのは、参考資料2の中に項目として入れさせて頂いているのですが、これまでに御発表等ありました企業の中で、例えば、B社が実際に「当日15時までに勤務終了時間と翌日の出社時間を労働組合に通知し協議を行う」であるとか、G社のように「深夜残業申請とインターバル制度の申請が連動する形式で処理」といった事例が見受けられましたので、項目として1つ挙げさせて頂いたということでございます。
○今野座長 そうすると、インターバルがだめなときですね。実際には、適用除外になってしまうときの手続ですね。
 もう一つは、対象となる「職種」を「職階」に入れたらどうかということですけれども、私は「対象となる社員層」でいいのではないかと思ったのですが。「従業員層」でもいいですけれども。例示として「職種」と「職階」とか、ほかにもあるかもしれないので。
○大久保委員 「対象者」でも。
○今野座長 「対象者」でもいいですよね。そういうふうにしたほうがいいかなと。「職種」「職階」は例示で入れましょうか。
 どうぞ。
○小曽根委員 二点あります。先ほど健康の観点というお話がありましたが、それはぜひ0で入れて頂きたいです。なぜかというと、今とある職種の長時間労働について調べているなかで、その職種では長時間労働が美徳だと考える方が一定程度みられる傾向が把握できました。なぜ労働時間を短くしなければいけないのかという疑問が聞こえてくる職種があるのが実態です。先ほど安衛研の方のお話にもあったように、健康管理面で必要なのだという点を強調頂ければと考えます。
 もう一点は、企業の方がこれを見てマニュアル的に使うという項目であることを踏まえ、加筆いただきたいと考えている内容です。先ほど長時間労働が美徳だと考える傾向が一部にみられる職種もあるとお話ししたのですが、何で自分は仕事をしたいのに、それをしないようにされてしまうのだとか、仕事量があるのだから、そんなこと言われても無理だというような方もいらっしゃると思います。労働時間を短くし、勤務間インターバルを確保するためには、仕事の進め方あるいはマネジメント側の仕事の配分の方法といった、仕事のマネジメント、管理職の役割が非常に大きくなります。このような点についても、例えば0に入れるといった工夫がほしいところです
○今野座長 今2つ言われたので、1つ目の健康の問題だというのは、先ほど御発言があった、何のためにインターバルをするのかというところで健康配慮が入ると思います。
 あとは、結局、仕事の仕方を変えるとかマネジメントを変えるとか、管理者の管理行動が変わるということも必要だということですので、入るとしたらやはり0ですかね。抽象的になってしまうと思いますけれども、多分この点については、インターバルならではの話ではなく労働時間全体の話だと思いますので、そのことも0に入れて頂くということだろうと思います。
 ほかにいかがですか。どうぞ。
○松井委員 検討すべき項目ということよりも全体のスタンスですけれども、先ほども幾つか意見が出ていたように、インターバルの必要性を感じていない労使もたくさんいると。現実にそういう人が余りいないというケースも非常に多くて、私どもの組合でも実際にインターバル規制を導入しているのは、流通サービスを中心とする、そういうことが問になっているところが導入するという形になっています。今回、働き方改革関連法案がどうなるかわかりませんが、通れば努力義務になるということですので、基本的に必要性を感じていない場合も、健康配慮の観点から政策的に進めていくというトーンでこの報告書をつくっていくのかどうかというところは、少し考えなければいけない点なのかなと思いますし、法律が通ればそちらの筋でいくのがいいのではないかと思っています。
○今野座長 先ほどから出ていますけれども、これは報告書をつくるときに、企業が使うときのマニュアル的なものをつくっていこうということですが、その前に当然何でこういうことをしなければいけないのかという政策的な意味は当然最初に入りますよね。今おっしゃられたのはそこにきちんと入れて頂いて、輪島さんも政策的なことをおっしゃられたので、そちらに入れて頂いて、それが第1編。2編以降にマニュアル的な項目が入るという報告書の構成になるのだろうと思いますので、今おっしゃられたことは1編のほうできちんと書いて頂くということにいたしましょう。
 どうぞ。
○輪島委員 今と同じ話なのですけれども、労働時間等設定改善法が国会で通った後、指針をつくることになるので、指針があってその参考がこのマニュアル的なものだから、そこは両輪というか、別々のものではなくてちゃんと関連したものという位置づけが必要なのではないかと思います。
 あと、もう一点だけ、インターバルを入れると助成金があるので、しっかり利用しましょうという切り口は大事だと思います。
○藤枝労働条件政策課長 ありがとうございます。編集の仕方が見えてまいりましたので、そういった構成で検討していきたいと思います。
 今、松井委員からもお話がありましたように、確かに、法案はこれから国会に提出という段階でございますので、今の時点では何とも申し上げられませんが、いずれにしても、このインターバル制度を入れて頂く趣旨というのは、健康確保の観点、ワーク・ライフ・バランスの観点、それぞれ政策的な思いを持って今お願いをしているわけですし、それは先ほど議論になった、そもそもの0の時点で労使が話し合って頂く観点とも重なってまいると思いますので、そこはしっかり書かせて頂ければと思います。
○今野座長 それでは、1編追加して0が入るということで。
 どうぞ。
○大久保委員 参考資料4のマル3に、勤務間インターバル制度を導入していない理由が挙げられております。その中で、超過勤務の機会が少なくてインターバル制度を導入する必要性を感じないのが、計で38%となっています。実際にそういうところも多いのだろうと思います。インターバル制度と銘打ってはいないけれども、実質的に11時間の勤務間が確保されている。実際にこの法律が通った後、労働時間、休息時間を見直してみて、やはり大丈夫だなとなった場合に、それでも法律で努力義務となっているから何かやらなければいけないのだろうという企業に対して、余り企業の負担を増やすことなく、でも法律の努力義務にはきちんと沿っていますよという形がとれるような、どうやったらそういうふうになるのだろうというガイダンス的なものも、マニュアルの中にはあったほうがいいかと思いますので、ぜひ御検討頂ければと思います。
○今野座長 そこについては、いろいろアイデアがありますよね。例えば、1年に1回チェックしようということを入れて、11時間以上が出てきそうだったら、ちゃんと制度にしようというものもあるし、そんなこと関係なく一応チェックはするけれども、インターバル制度を入れるということのメッセージ性も重要なので、11時間をクリアしていても入れましょうというシナリオにするというのもあり得るし、そこは考えたほうがいいですかね。
 ほかにいかがですか。私、2時間だと思っていたのですが、きょうは1時間30分でしたね。もうオーバーです。そろそろ終わりたいなと思います。時間を間違えましてすみません、10分ほどオーバーしてしまっているのですが、にもかかわらず、最後これだけは言いたいというのはありますか。よろしいですか。
 それでは、きょうはいろいろなアイデアを頂きましたので、そのアイデアを踏まえて、特に資料2に関連して厚生労働省にはもう少しバージョンアップをして頂ければと思います。
 それでは、最後、次回の日程等について事務局からお願いします。
○関労働条件確保改善対策室長 次回、第5回検討会の日程ですけれども、調整の上、改めて御連絡させて頂きます。よろしくお願いいたします。
○今野座長 それでは、ありがとうございました。終わります。


(了)

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