2025年3月14日 第62回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 議事録

日時

令和7年3月14日(金)14:00~16:00

場所

オンライン会議場
厚生労働省 共用第6会議室
東京都千代田区霞ヶ関1-2-2

出席者

出席構成員
出席参考人

議題

  • 要望の医療上の必要性に係る検討状況等について
  • 開発要請を行った要望に係る検討状況等について
  • 要望品目の医療上の必要性について
  • 開発要請品目の公知申請への該当性について
  • 企業から提出された開発工程表等について
  • その他

議事

○三宅調整官 定刻になりましたので、ただいまより第62回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。
 本日もウェブ会議で実施いたします。また、本会議は公開の会議であることから、ウェブ会議の様子をYouTubeにてオンライン配信しておりますので、御了承をお願いいたします。
 構成員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 会議を開始するに当たって、注意事項を御説明いたします。
 オンラインで御参加の場合は、発言の場合は挙手ボタンを押していただき、座長に指名された後にミュートを解除して御発言ください。
 発言されないときは、マイクをミュートにしておいてください。
 また、会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしたウェブ会議のマニュアルに記載の連絡先に御連絡ください。
 本日は、新構成員、五十嵐構成員、戸高構成員、平林構成員、山口構成員、渡邊構成員より御欠席との御連絡をいただいております。
 現在のところ、14名の先生方に出席いただいております。
 本日の専門WGの検討状況の報告に当たりまして、抗菌・抗炎症WGのメンバーから宮﨑参考人に、抗がんWGのメンバーから米盛参考人に御参加いただいております。
 それでは、以降の進行は座長の大江先生、よろしくお願いいたします。
○大江座長 ありがとうございます。
 まず、本日の会議資料の確認及び各構成員から申し出いただいた学会執行部への所属状況について、事務局から説明をお願いいたします。
○三宅調整官 事前に送付した資料を御用意ください。電子ファイルは一つにまとめて右下に通し番号を振っております。
 本日の資料一覧を2ページにお示ししておりますので、御確認ください。
 資料1として、検討会議における検討の進め方について
 資料2シリーズとして、要望の医療上の必要性に係る検討状況並びに開発要請を行った要望に係る検討状況について
 資料3として、「医療上の必要性に係る基準」への該当性に関する専門作業班(ワーキンググループ)の評価について
 資料4シリーズとして、公知申請の該当性に係る報告書(案)について
 資料5として、企業から提出された開発工程表について
 資料6として、開発企業の募集を行った医薬品について
 資料7として、公知該当性報告書様式変更について
 その他、開催要綱、構成員名簿、WGメンバーの名簿、評価基準等を参考資料とし、1つのPDFファイルとして配付しております。
 続きまして、各構成員からお申し出いただいた学会執行部への所属状況について御報告いたします。
 資料235ページ、参考資料7でございます。構成員が執行部に所属している学会に関する資料がございます。
 本会議の公平性の観点から、構成員のうち、学会の執行部に在籍する方(理事会メンバー以上を想定)は、当該学会からの要望については、要望に係る背景事情等の説明は行えるものの、議決には参加しないこととしています。
 本資料は本日時点の内容に更新しておりますが、誤り等がございましたら、この時点でお知らせいただければと思います。
 各構成員からのお申出状況に基づき確認しまして、本日は、報告予定のいずれの議題についても、議決に参加しない構成員は「該当なし」でございます。
 これらの資料に基づきまして本日の審議を進めていただきたいと思います。
 説明は以上です。
○大江座長 ありがとうございました。
 続きまして、資料2の専門作業班の検討状況の概要等について、前回会議以降の進捗状況について、事務局から説明をお願いいたします。
○三宅調整官 それでは、5ページ、資料2-1を御覧ください。
 学会や患者団体等から提出された要望のうち、医療上の必要性に係る検討状況をおまとめしたものです。
 上から順に説明しますと、学会・患者団体等からの要望総数について、第IV回要望として新規要望を3件受理しました。
 また、専門WGでの検討状況について、新規要望を受け付けたのが3件、開発中で対象外となったものが1件ございます。さらに、専門WGで検討が終了したものが2件となっておりまして、第IV回の要望で必要性が高いとされたものが2件、これは右側に記載のとおり、抗がんWGの案件です。本日の会議で御審議をお願いします。
 その下、本会議での検討状況について、前回の会議で2件評価いただきました。
 個々の品目の状況につきましては、6ページ以降におまとめしておりまして、進捗状況に変更があった部分について、黄色マーカーでお示ししております。
 続きまして、18ページ、資料2-2を御覧ください。医療上の必要性が高いと判断されたもののうち、企業に開発要請を行った要望に関する検討状況です。前回の会議で2件、必要性が高いと御判断いただきましたので、企業に開発要請を行っております。また、専門WGでの検討状況につきまして、専門WGで検討が終了したものが2件ございます。いずれも第I期~第III回の要望であって、小児WG及び抗菌・抗炎症WGの案件1件、抗がんWGの案件1件です。本日の会議で御審議をお願いいたします。
 同様に、19ページ以降に個々の品目の状況につきまして一覧としてお示ししております。
 以上でございます。資料2の説明は以上です。
○大江座長 ありがとうございました。何か質問ございますでしょうか。大丈夫ですかね。
 それでは、「医療上の必要性に係る基準」への該当性に関する専門WGの評価についてに移ります。
 抗がんWGの米盛参考人より、資料3について御説明をお願いいたします。
○米盛参考人 抗がんWGで検討した品目について説明させていただきます。資料3を御覧ください。
 同種造血幹細胞移植(以下、「allo-HSCT」)の前治療に対するフルダラビンリン酸エステル(以下、「Flu」)の投与に関する要望です。
 成人と小児に対してそれぞれ要望書が提出され、これらをまとめて検討いたしました。
 適応疾病の重篤性について、allo-HSCTの前治療の対象には致死的な疾患が含まれることから、「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について。Fluは、報告書に記載した造血器悪性腫瘍におけるallo-HSCTの前治療を効能・効果として製造販売承認されているものの、小児の疾患だけでなく、急性リンパ性白血病(以下、「ALL」)等の他の造血器悪性腫瘍や、免疫疾患等の非悪性腫瘍に対しても、allo-HSCTの前治療として使用できるよう要望されています。
 欧米等6か国では承認されていないものの、欧米等の診療ガイドライン及び教科書の記載内容、海外臨床試験成績等から、ALL等を含むallo-HSCTの前治療としてFluの投与は、欧米等において標準治療に位置づけられていると考えられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられます。以上より、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断しました。
 なお、備考に記載のとおり、国内の診療ガイドラインにおいて様々な疾患に対してallo-HSCTの前治療としてのFlu投与に言及されていることから、疾患ごとの用法・用量等について、国内開発企業において、国内外の情報を整理した上で、今後の開発計画等について検討する必要があると考えています。
 以上です。
○大江座長 ありがとうございます。
 どなたか質問ございますでしょうか。よろしいですか。どうぞ。よろしくお願いします。
○康構成員 埼玉県立小児医療センターの康です。
 このFluは当然開発されるべき品目で、もう既に国内においても標準治療として本当に幅広く使われているにもかかわらずここまで適応外であったということに、私は委員の一人でございますが、非常に遺憾に思っていて、既に本当に広く標準治療として使われているような薬剤に関しましては、速やかに承認のプロセスを進めるべきだなと改めて感じました。コメントです。
 以上です。
○大江座長 ありがとうございます。
 ほかに御質問、コメントございますか。よろしいですか。
 それでは、IV-144、145両方の本報告書案について御了解いただけるということでよろしいですか。
 特に御異議がないようですので、御了解いただけたものと認めます。
 続きまして、開発要請品目の公知申請への該当性についてに移りたいと思います。
 抗菌・抗炎症WGの宮﨑参考人より、資料4-1について御説明をお願いいたします。
○宮﨑参考人 抗菌・抗炎症WGより報告いたします。資料4-1になりますけれども、右下の通し番号で30/235を御覧ください。要望番号がIII-(4)-12、日本小児感染症学会から要望されているメトロニダゾール注射剤の小児用量の追加について、抗菌・抗炎症WGで公知申請の該当性について評価しました。なお、本要望は、令和6年9月に開催されました第60回の本会議において医療上の必要性があると判断されたものであります。
 報告書案のページ数で2ページから7ページを御覧いただけますでしょうか。欧米等での承認状況等を記載しておりますけれども、本剤は、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアで小児の嫌気性菌感染症に対して承認されております。このうち、フランスでは小児のアメーバ症に対しても承認があります。
 また、10ページから公表論文の状況、19ページから我が国での臨床試験成績及び臨床使用実態について記載しております。要望された小児の嫌気性菌感染症、感染性腸炎及びアメーバ赤痢に対する使用実績が国内外で蓄積されていると判断いたしました。
 有効性についてですが、20ページに記載したとおり、国内外における使用実績、承認状況、ガイドラインでの推奨状況等を踏まえまして、小児の嫌気性菌感染症、感染性腸炎、アメーバ赤痢における本邦の有効性は、医学薬学上公知と判断できると考えております。
 安全性についてですが、21ページに記載しております。小児を対象に実施されました海外臨床試験において、小児患者に特有のリスクが認められてはいないことなどを踏まえまして、成人患者に対する投与時と同様のリスク管理によって、小児の患者における安全性は管理可能であろうと考えました。
 効能・効果についてです。21~22ページに記載しております。国内外の承認内容及び文献報告から、要望された効能に対する有効性が期待できるため、成人の既承認効能・効果と同一とすることは妥当と考えております。
 用法・用量については22~23ページに記載しておりますが、嫌気性菌感染症及び感染性腸炎と、一方、アメーバ赤痢でそれぞれ設定することが妥当と判断しております。
 まず、嫌気性菌感染症及び感染性腸炎についてです。本剤7.5mg/kgの1日3回投与は、海外添付文書において推奨用法・用量として提示されているもので、海外臨床試験で有効性及び安全性が検討された用法・用量とおおむね同程度であります。また、イギリス及びドイツでは重症度に応じて1日量を40mg/kgまで増量することが可能となっています。
 これらのことから、通常、小児にはメトロニダゾールとして1回7mg/kgを1日3回、20分以上かけて点滴静注する。なお、難治性または重症感染症には、症状に応じて1回10mg/kgまで増量できて、また1日4回まで投与できる。ただし、1日量の上限は500mgとし、これを超えないこととすることが妥当と考えております。
 一方、アメーバ赤痢に対する用法・用量ですが、小児のアメーバ症に対する承認を有しておりますフランスにおいては、嫌気性菌感染症の治療よりもアメーバ赤痢の治療において高用量が設定されています。また、国内の感染症治療ガイドにおいて、赤痢アメーバ腸炎のうち重症の腸炎または肝膿瘍の小児患者に対して、本剤10mg/kg(重症の場合は15mg/kg)の1日3回投与が推奨されております。
 これらのことから、国内ガイドラインの記載内容に準じまして、通常小児にはメトロニダゾールとして1回10mg/kgを1日3回、20分以上かけて点滴静注する。なお、重症では1回15mg/kgに増量できる。ただし、1回量は500mgを超えないこととすることが妥当と考えているところです。
 要望番号III-(4)-12に関する報告は以上となります。
○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して質問、コメントございますか。中村委員、よろしくお願いします。
○中村構成員 中村でございます。
 最大用量なのですけれども、学会からの要望では成人の最大用量を超えないというふうな要望であったものが、今の案ですと、嫌気性菌感染症、感染性腸炎では最大量が1回量500掛ける4なので、2gになるのですが、一方、アメーバ赤痢では1回量が最大500mgなので、1.5gになるのです。これが臨床上大丈夫なのか。というか、もともとの添付文書上では、アメーバ赤痢についても嫌気性菌感染症、感染性腸炎についても最大用量は変わらないのに、小児のところで1日の最大用量が変わってしまうところというのは、どんな理由でそうされたのか。この書類から読み取れなかったのですけれども。これは宮崎先生への質問というよりも、事務局あるいは小児ワーキングへの質問になるかと思います。
 以上です。
○宮崎参考人 分かる範囲で説明させていただいてよろしいでしょうか。
 我が国での赤痢アメーバ小児に対する用法・用量は、国内のガイドラインの記載に準じた設定としたという理解です。なお、15mg/kgを1日4回投与しますと1日60mgになりますが、大体体重33kgぐらいと想定しますと、海外症例報告での小児における使用経験を経験した限りでは、大体1日50mg/kgぐらいでありました。それで、安全性がこの用量では十分に説明できない可能性があると考えまして、通常では1回10mg/kg、重症の場合は1.5倍の15mg/kgを1日3回と今回のワーキングの検討では設定したところであります。
 また、用量に上限がなくなる可能性も考慮しまして、小児に対して成人より高い高用量が投与可能となることはいかがなものかと考えまして、成人患者さんと同程度の安全性リスクで管理可能とするために、1回投与量として500mgの制限を設けると。ここのところまでを検討したということになります。
○大江座長 ただいまの説明でよろしいですか。
○中村構成員 通常だと、PMDAのほうが成人では上限が2gで、どちらも2gなのに、適応によって1日の最大用量が違うところを気にするように思うので、ちょっと違和感を覚えただけで、現場が困らない、日本中で困らないのであればそれでいいのですけれども。
 すみません。岩田先生、何かコメントはございますか。
○岩田構成員 小児感染症学会からの要望のとおりのほうが何かすっきりするような気がするのですけれども、PMDAのほうでこれでいいということであれば、その辺は確認済みということでよろしいのでしょうか。
○宮崎参考人 PMDAと調整はしているつもりなのですが、PMDAのコメントをいただければ、お願いします。
○三宅調整官 PMDAの前に、厚生労働省から1点補足いたします。現在の成人に対する用法・用量でございますが、全ての効能・効果に対して、通常、1回500mg/kgを1日3回。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて 1日4回まで投与できますので、成人の最高投与量は500mg掛ける4の2gでございます。
 今回WGで適切と考えると書いていただいた用法・用量でございますが、どちらの効能・効果に対しましても、「ただし、1回量は500mgを超えないこと」とありますので、成人の用法・用量、投与量を超えないようにというところについては問題なく記載されております。
 補足でございました。
○大江座長 ただいまの御説明でよろしいでしょうか。
○中村構成員 今のはもちろん理解しているのですけれども、最大量のところがアメーバで、要するに、「1回15mg/kgに増量できる」で、「1日量が2gを超えない」という記載にするという選択肢はなかったのかなと。議論があったのかというのを知りたいというところなのです。すみません。しつこくて。
○浦室長 事務局でございます。
 中村先生、御指摘いただきありがとうございます。
 最終的には添付文書の書きぶりについては、PMDAの審査等でも確認した上で、最終セットという形にさせていただきたいと思いますけれども、先生からいただいている内容からすると、記載する趣旨、使っていただきたい趣旨というのを変えるものではないと思います。まずは一旦この公知申請の該当性に関する報告書はまとめさせていただいて、最終的にはPMDAの審査の中でもしっかり確認するということにさせていただければと思います。
○中村構成員 了解しました。ありがとうございます。
○大江座長 ほかはよろしいですか。
 それでは、WGからの報告は御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。御了解いただけたものと認めたいと思います。
 続きまして、抗がんWGの米盛参考人より、資料4-2について御説明をお願いいたします。
○米盛参考人 よろしくお願いします。
 神経芽腫に対する3-ヨードベンジルグアニジンの131I標識体(以下、「本薬」)の公知申請の該当性に関わる報告書について御説明いたします。56ページ、資料4-2を御覧ください。
 要望内容についてです。神経芽腫に対する本薬の投与が要望されています。
 続いて、海外の状況について、56ページ以降に記載のとおり、欧州では神経芽腫に対して本薬が承認されており、米国ではExpanded Access Program、Compassionate Useの下で、難治性神経芽腫患者に対して、本薬296~666MBq/kgが投与されています。
 公表文献・成書等において、66ページ以降に記載しています。MIBG集積陽性の神経芽腫を対象とした臨床試験などの結果の報告がされており、国内では先進医療Bの特定臨床研究などが実施されています。
 また、様々な診療ガイドライン、ピアレビュージャーナルの総説、教科書において、再発または難治性の神経芽腫に対して、本薬296~666MBq/kgの投与は治療選択肢の一つとされています。
 公知申請の妥当性については79ページ以降に記載しています。
 有効性について、海外臨床試験成績、海外における承認状況、本邦の使用実態及び国際的な教科書並びに診療ガイドラインの記載内容を踏まえ、MIBG集積陽性の神経芽腫に対する本薬296~666MBq/kgの投与の有効性は期待できると判断しました。
 次に、安全性について、80ページ以降に記載しています。本邦において本薬を含有する製剤である要望された医薬品、販売名「ライアットMIBG-I131静注(以下、「ライアット」)」が2021年に承認され、再審査期間中であるものの、欧州において本薬は1997年に承認され、20年以上の使用実績が蓄積されています。
 また、本邦においてライアットが承認される以前から、輸入した本薬の神経芽腫に対する使用実績が蓄積されていることに加えて、先進医療Bの特定臨床研究が実施され、造血幹細胞移植併用下で安全性上の特段の懸念は認められませんでした。
 神経芽腫に対する本薬投与による主な有害事象は、造血幹細胞移植が必要とされる骨髄抑制を除き、いずれもライアットの添付文書において既に注意喚起がされている有害事象の範囲内であり、骨髄抑制についても造血幹細胞移植併用により管理可能と考えます。
 したがって、国内外の臨床試験成績などの内容を熟知し、がん化学療法、放射線治療及び造血幹細胞移植に精通した医師により、有害事象の観察や管理などの適切な対応がなされるのであれば、神経芽腫に対する本薬投与は忍容可能と判断しました。
 また、ライアットは再審査期間中であり、日本人における安全性情報蓄積中であることから、ライアットの投与時に特に注意を要する有害事象について情報提供した上で、通常の医薬品安全性監視活動において安全性情報を収集し、これまで得られている情報及び今後得られる情報に基づく適切な安全対策が確実に実施されることが適切と考えております。
 以上の検討を踏まえ、MIBG集積陽性の神経芽腫に対する本薬296~666MBq/kg投与の臨床的有用性は、本報告書に記載した情報により説明可能であり、ライアットについては、引き続き日本人における安全性情報収集などについては継続する必要があるものの、追加の臨床試験を実施することなく、本検討会議の公知申請の枠組みで対応可能と判断しました。
 効能・効果について、81及び82ページに記載のとおり、海外では初発患者も含めた効能・効果で131I-MIBG製剤は承認されていることなどから、効能・効果をMIBG集積陽性の神経芽腫とすることは差し支えないと判断しました。
 一方で、国内外の診療ガイドラインにおいて主な投与対象は再発または難治例であると考えられることから、適応患者の選択に当たっては、関連学会の最新ガイドラインなどを参考にする旨を注意喚起する必要があると判断しました。
 また、用法・用量について、82及び83ページに記載のとおり、1回296~666MBq/kgを1~4時間かけて点滴静注する用法・用量を設定することが適切と判断しました。ただし、本薬の投与量、投与回数については、最新のガイドラインなどを参考にする旨を注意喚起した上で、具体的な投与方法に関する情報を製造販売業者などがまとめ、資材等を用いて医療現場に適切に情報提供する必要があると判断しました。
 最後に、製販後における留意点について、84ページに記載のとおり、本要望に関する効能・効果及び用法・用量の追加に際し、現在公表されている医薬品リスク管理計画における安全性検討事項及び有効性に関する検討事項を変更する必要はないと判断しました。
 また、MIBG集積陽性の神経芽腫に対して小児の効能・効果と同様の追加のリスク最小化活動を実施することが適切と判断しました。
 説明は以上です。
○大江座長 ありがとうございました。
 何か質問、コメントございますか。中村構成員、お願いします。
○中村構成員 先ほどと似たような話になるのですが、296~666MBq/kgというもので、例えば30kgだと8.8~19.98GBqです。何を言いたいかというと、体重が少し大きいお子さんだと、既存の小児用量を超える可能性もあると思うのですけれども、そこ辺りというのは大丈夫というか。あるいは先ほど浦さんから御指摘いただいたように、審査の過程で検討いただくということで構わないのですが、そこ辺りというのはこの薬については大丈夫そうなのでしょうか。
○米盛参考人 ありがとうございます。
 先生おっしゃったように、審査の過程で最終的な用法・用量のところは検討するということになりますけれども、現在得られている情報の中では問題がないのではないかと考えているというところです。
○中村構成員 ありがとうございます。
○大江座長 では、康先生、お願いします。
○康構成員 埼玉県立小児医療センターの康です。
 まず、結論に関してはもちろん賛同いたします。再発難治性の神経芽腫に対して求められている治療ですし、欧米ではかなり広く使われておりますので、結論として承認ですけれども、1つ厚生労働省にお願いしたいのは実施体制の整備です。これは待っている患者さんが非常にたくさんいらっしゃって、現時点で国内でこの治療ができるのは恐らく金沢大学だけで、国立がんセンター中央病院で準備を整えていらっしゃるようなお話は聞いているのですが、非常に患者さんが殺到して、承認されて希望しておられる患者さんがいるにもかかわらず受けられない事態が発生するのではないかと大変危惧しておりますので、国内でこの治療ができるような実施体制を整える医療機関に対する支援、様々な形が考えられると思いますが、それをぜひ厚生労働省にお願いしたいと思います。
 以上です。
○大江座長 事務局、何かコメントございますか。
○浦室長 事務局でございます。
 まさに詳細な実情を教えていただきましてありがとうございます。
 今いただいた御意見を関係の製薬企業、あるいは当方の関係部局、そういったところにもお伝えさせていただきまして、できる限りの対応を取っていくということにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○康構成員 よろしくお願いいたします。
○大江座長 ほかに質問、コメントございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、WGからの報告は御了解いただけたということでよろしいでしょうか。
 それでは、御了解いただけたものと認めたいと思います。
 続きまして、企業から提出された開発工程表等について、事務局から説明をお願いいたします。
○酒井室長補佐 研究開発政策課でございます。
 それでは、右下の通し番号90ページを御覧ください。資料5-1「企業から提出された開発工程表について」でございます。最初の丸に記載のとおり、現在開発を実施している全ての開発要請先の企業から2025年2月28日時点の状況を踏まえた最新の開発工程表が提出されております。これまでに提出されました件数としましては、第I回要望分として183件、第II回要望分として94件、第III回要望分として48件、第IV回要望分として104件となっております。
 詳細につきましては、次の資料で御説明させていただきます。
 続きまして、93ページの資料5-2を御覧ください。こちらは各企業から提出されました開発工程表の進捗をまとめた資料になります。詳細な進捗等につきましては、資料5-3から5-6で御確認いただければと存じますが、こちらの資料を用いまして進捗状況に関する前回会議からの主な変更点につきまして御報告させていただきます。
 まず初めに、「1.開発要請の件数」でございます。第IV回要望につきまして、2件の追加がございまして、開発要請の件数としましては104件となっております。
 「2.開発工程表における進捗」につきまして、要請回ごとに進捗を御紹介いたします。
 「第I回開発要請」から「第III回開発要請」につきましては、前回御報告時から変更はございません。
 次のページにお移りください。「(4)第IV回開発要請」につきまして、要望望番号IV-155、アッヴィ合同会社の「アダリムマブ(遺伝子組換え)」が承認済みとなっております。
 また、要望番号IV-27、藤本製薬の「ケノデオキシコール酸」が承認申請済みとなっております。
 また、要望番号IVS-25、サンドファーマの「メルファラン」がその他(公知申請の検討中)から公知申請予定となっております。
 最後に、要望番号IV-177、日本メジフィジックスの「フルデオキシグルコース(18F)、要望番号IV-185、中外製薬の「エポエチン ベータ ペゴル(遺伝子組換え)」が、開発要請発出に伴い、公知申請予定として追加されております。
 この結果としまして、承認済み品目が1件増えまして62件、承認申請済み品目が1件増えまして1件、公知申請予定品目が3件増えまして33件となっております。
 以上で、開発要請品目の進捗の御報告を終えさせていただきます。
 続きまして、通し番号207ページの資料6を御覧ください。こちらは開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況になりますが、前回会議時からの変更点はございません。
 当課からの説明は以上になります。
○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明に関して何か御質問、コメントございましたら、お願いいたします。よろしいですか。
 では、議題「その他」について事務局より説明をお願いいたします。
○三宅調整官 210ページ、資料7でございます。公知申請への該当性に係る報告書(案)の様式変更について報告いたします。第60回検討会議において、公知申請の該当性に係る円滑な情報整理に関して、公知申請報告書の様式について、企業見解を引用する形で所要の見直しを行うことについて御了承いただきました。その方針のとおり、今回資料のとおり様式を変更し、今後の検討品目において使用していく予定ですので、御承知おきください。
 以上でございます。
○大江座長 ありがとうございました。
 何か質問ございますでしょうか。よろしいですか。
 以上で議題を全て終了いたしました。
 そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○三宅調整官 本目も御議論いただき、ありがとうございます。
 本日の会議をもって、今年度の検討会議の開催は最後となります。
 来年度も構成員を御継続の先生方におかれましては、4月からも引き続き御指導のほど、よろしくお願いいたします。
 また、今年度をもって、新先生が退任されますので御報告いたします。新先生は本日御欠席ではございますが、長年にわたり厚生労働行政に御協力賜りましたこと、心より御礼申し上げます。
 次回の検討会議の日程、開催形式につきましては、決定次第御連絡いたします。御多用のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○大江座長 今、御説明がございましたように、退任される新先生におかれましては、長年にわたり多大な御協力をいただき、誠にありがとうございました。
 それでは、これで「第62回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了させていただきます。ありがとうございました。
 

照会先

厚生労働省

医政局 研究開発政策課
医薬局 医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線4229)