2024年9月27日 第60回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 議事録

日時

令和6年9月27日(金)15:00~17:00

場所

オンライン会議場
厚生労働省 専用第14会議室
東京都千代田区霞ヶ関1-2-2

出席者

出席構成員
出席参考人

議題

  • 要望の医療上の必要性に係る検討状況等について
  • 開発要請を行った要望に係る検討状況等について
  • 要望品目の医療上の必要性について
  • 企業から提出された開発工程表等について
  • その他

議事

○事務局 定刻より少し遅い開始になりましたけれども、ただいまより第60回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。
 本日もウェブ会議で実施いたします。また、本会議は公開の会議であることから、ウェブ会議の様子をYouTubeにてオンライン配信しておりますので、御了承、お願いいたします。
 構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 会議を開始するに当たりまして、注意事項を御説明いたします。
 オンラインで御参加の場合は、発言の場合は挙手ボタンを押していただき、座長に指名された後にミュートを解除して御発言をお願いいたします。御発言されないときには、マイクをミュートにしておいていただければと思います。
 また、会議中に接続トラブル等が発生いたしましたら、事前にお送りしたウェブ会議のマニュアルに記載の連絡先に御連絡いただければと思います。
 本日は、村島構成員、柳原構成員、山口構成員より御欠席との御連絡をいただいております。また、渡邊構成員より、遅れての参加になるということを事前にお伺いしております。
 現在のところ16名の先生方に御出席いただいていることを御報告いたします。
 続きまして、本日の専門ワーキンググループの検討状況の報告に当たりまして、代謝・その他ワーキンググループのメンバーから小早川参考人に、循環器ワーキンググループのメンバーから安河内参考人に、抗菌・抗炎症ワーキンググループのメンバーから宮崎参考人に、抗がんワーキンググループのメンバーから米盛参考人に、それぞれ御参加いただいております。
 あと、事務局に異動がありましたので、御紹介させていただきます。医政局研究開発政策課長の長谷川課長でございます。
○研究開発政策課長 長谷川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、以後の進行は座長の大江先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○大江座長 まず、本日の会議資料の確認、及び各構成員から申し出いただきました学会執行部への所属状況について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 事前に送付した資料を御用意いただければと思います。電子ファイルにつきましては、1つにまとめて、右下に通し番号を振っております。本日の資料の一覧を2ページ目にお示ししておりますので、御確認いただければと思います。
 資料1として、検討会議における検討の進め方について。
 資料2のシリーズといたしまして、要望の医療上の必要性に係る検討状況、並びに開発要請を行った要望に係る検討状況について。
 資料3のシリーズといたしまして、「医療上の必要性に係る基準」への該当性に関するワーキンググループの評価について。
 資料4シリーズといたしまして、企業から提出された開発工程表について。
 資料5として、開発企業の募集を行った医薬品について。
 資料6として、開発公募を行った品目について、状況の変化がありましたので、その資料をおつけしております。
 また、資料7といたしまして、未承認薬検討会議の更なる運用の円滑化についてということで御準備しております。
 その他、開催要綱、構成員名簿、ワーキンググループメンバーの名簿、評価基準等を参考資料としておつけしているところでございます。
 続きまして、各構成員からお申し出いただいた学会執行部への所属状況について御報告いたします。
 資料の178ページ、参考資料7のほうに、構成員が執行部に所属している学会に関する資料ということで添付させていただいております。本会議の公平性の観点から、構成員のうち、学会の執行部に在籍する先生については、当該学会からの要望について、要望に係る背景事情等の説明は行えるというところであるのですけれども、議決には参加しないということでお願いしているところでございます。
 本資料は本日の時点の内容に更新しておりますが、もし誤り等あれば、この時点でお知らせいただければと思います。
 それでは、各構成員からのお申し出状況についてですけれども、日本腫瘍循環器学会から要望がありました資料3-2「ダルテパリンナトリウムに関する要望」、並びに日本臨床腫瘍学会から要望のありました資料3-4「トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物に関する要望」の議決については、各学会の執行部に所属する田村研治先生は参加できないということになっておりますので、あらかじめ御了承いただければと思います。
 これらの資料に基づいて本日の御審議をお願いしたいと思います。
 説明は以上になります。
○大江座長 ありがとうございました。
 続きまして、資料2の「専門作業班の検討状況の概要等について」、前回会議以降の進捗状況について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料2-1を御覧いただければと思います。右下178ページ分の5ページと振っている資料になります。こちらにつきましては、学会や患者団体等から提出された要望のうち、医療上の必要性に係る検討状況をおまとめしたものとなっております。
 上のほうから御説明いたしますと、まず、学会・患者団体等からの要望総数ということで書かせていただいておりますけれども、第IV回要望のところで新規要望を1件受理しておりまして、1件プラスになっているところでございます。
 また、専門ワーキンググループでの検討状況でございますけれども、新規要望を受け付けたのが1件、取下げが4件となっております。さらに、専門ワーキンググループで検討が終了したものが16件ということになっておりまして、第I回から第III回の要望で必要性が高いとされたものが1件。それから、第IV回の要望で必要性が高いとされたものが13件、高いとまでは言えないとされたものが2件ということになっております。ワーキンググループごとの数については、それぞれの右側の欄にお示ししておりまして、本日の会議で御審議いただくということでお願いしたいと思います。
 個々の品目の状況につきまして、6ページ以降、おまとめしておりまして、進捗状況に変更があった部分について、黄色のマーカーでお示ししております。
 続きまして、資料2-2、17ページになります。こちらにつきましては、医療上の必要性が高いと判断されたもののうち、企業に開発要請を行った要望に関する検討状況ということになっておりまして、前回の会議で2品目、必要性が高いと御判断いただきましたので、企業に開発要請を行っております。
 一番下になりますけれども、前回の会議で検討済みというのが1件になりまして、今回の会議で御検討いただくものは具体的にはありませんけれども、進捗状況としてはこのようになっているというところでございます。
 同様に、18ページ目以降に資料をお示ししておりまして、進捗状況を一覧としておまとめしているというような状況になっております。
 以上でございます。
○大江座長 ありがとうございました。
 何か質問ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは「医療上の必要性に係る基準」への該当性に関する専門ワーキンググループの評価についてに移ります。
 初めに、代謝・その他ワーキンググループの小早川参考人より、資料3-1について説明をお願いいたします。
○小早川参考人 小早川です。どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは、資料3-1を御覧ください。トラフェルミン(遺伝子組換え)の架橋ゼラチン製剤(以下、「本剤」)について、日本整形外科学会等から提出された骨頭圧潰リスクの高い特発性大腿骨頭壊死症の骨頭圧潰の抑制に関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、特発性大腿骨頭壊死症における大腿骨頭圧潰の進行は不可逆であり、股関節機能が失われた場合、患者のQOLは著しく損なわれることから、「イ:病気の進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当すると判断いたしました。
 医療上の有用性について、本邦において特発性大腿骨頭壊死症の骨頭圧潰の抑制に関わる効能・効果を有する医薬品はないものの、本剤の有用性の根拠として提出された文献は第II相試験に係る報告であり、当該試験は検証的な位置付けの試験ではないこと、有効性の主要評価項目で得られた結果が事前に設定した閾値を下回らず試験の主要な目的を達成できなかったことを踏まえると、現時点では本剤の有用性が明確になっているとまでは判断できないと考えました。以上より、医療上の必要性の基準には該当しないと判断いたしました。
 説明は以上でございます。
○大江座長 ありがとうございました。
 何か質問、コメントございますか。
 第II相試験のプライマリーエンドポイントにメットしなかったという話だと思いますが、よろしいですか。
 それでは、本報告書案について御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
 特に意見ございませんようですので、ありがとうございました。これで御了解いただけたものと認めたいと思います。
 続きまして、循環器ワーキンググループの安河内参考人より、資料3-2についての御説明をお願いいたします。
○安河内参考人 循環器ワーキンググループの安河内です。よろしくお願いします。
 資料3-2のダルテパリンナトリウムに関しては、日本腫瘍循環器学会からの要請でした。
 26ページを御覧ください。日本腫瘍循環器学会から要望されたダルテパリンナトリウムの担がん患者に発症した静脈血栓塞栓症の医療上の必要性に関する評価について説明します。本要望は、平成27年10月に開催された第25回未承認薬検討会議において、医療上の必要性は低いと判断されたものの、今般、医療環境に変化があったとして改めて要望されたものです。
 適応疾病の重篤性については、担がん患者における静脈血栓塞栓症の発症リスクは非がん患者よりも高く、静脈血栓塞栓症を併発するがん患者の死亡率は、静脈血栓塞栓症を併発しないがん患者よりも高いことから、「ア 生命に重大な影響がある疾患」に該当すると判断しました。
 一方で、医療上の有用性について、本邦では静脈血栓塞栓症に対しては、直接作用型経口抗凝固薬(以下、「DOAC」)をはじめとする既承認の医薬品による治療が可能です。最新の欧米の診療ガイドラインにおいて、担がん患者に対しては本薬及びDOACが推奨されているものの、本薬がDOACよりも優先される、もしくは優先性を持っているという旨の記載はありません。
 さらに、担がん患者における本薬の皮下注製剤の医療上のニーズについて、抗がんワーキングにも確認しましたところ、備考欄に記載したとおり、既承認の治療薬での管理が困難な患者は非常に限られていること。また、無症候性の患者については、本薬の皮下注製剤よりも原疾患に対する治療が優先されることから、本薬の皮下注製剤に対する医療現場におけるニーズが高いとまでは言えないという御意見をいただきました。
 以上より、医療上の有用性が高いとまでは言えず、前回の要望と同様、「ア」「ウ」のいずれにも該当しないと判断しました。
 循環器ワーキンググループからの報告は以上です。
○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か質問、コメントございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただけるということでよろしいですか。
 それでは、御了解いただけたものと認めたいと思います。
 それでは、続きまして、抗菌・抗炎症ワーキンググループの宮崎参考人より、資料3-3について説明をお願いいたします。
○宮崎参考人 抗菌・抗炎症ワーキング、宮崎から報告いたします。
 今回、「医療上の必要性に係る基準」への該当性を検討した1要望について説明させていただきます。
 資料3-3となります。通し番号178分の30ページを御覧ください。要望番号III-(4)-12として、日本小児感染症学会からメトロニダゾール注射剤の既承認効能・効果について、小児用量の追加に関する要望が提出されております。
 適応疾病の重篤性については、既承認効能・効果のうち、嫌気性菌による敗血症、肺炎、肺膿瘍、膿胸、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍、化膿性髄膜炎、脳膿瘍等の疾病は、抗菌薬を投与しなければ致命的な転帰をたどる可能性が高い疾患であることから、「ア:生命に重大な影響がある疾患」に該当すると判断いたしました。
 医療上の有用性については、本要望品目は、英国、ドイツ、フランス及びオーストラリアで小児の嫌気性菌感染症に対して承認を得ており、フランスでは小児のアメーバ症に対して承認されております。
 我が国においても、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍、脳膿瘍、感染性腸炎等で小児に対する使用実績が一定数報告されております。また、国内ガイドラインでは、赤痢アメーバ腸炎のうち、重症の腸炎又は肝膿瘍において、小児でメトロニダゾール静脈内投与が推奨されている状況です。
 以上より、「ウ:欧米において標準的療法に位置付けられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」に該当するとワーキングとしては判断いたしました。
 抗菌・抗炎症ワーキングからは以上となります。御審議のほど、お願いいたします。
○大江座長 ありがとうございます。
 何か質問、コメントございますか。
 小児の用量というのは、具体的にはどういう用量になるのですか。
○宮崎参考人 結構クリティカルな御質問いただき、ありがとうございます。
 今、設定しようとしている用量は、英国とかドイツとかオーストラリア等で承認されている用量に準じた投与量及び投与間隔を考えているというところになります。ただ、その点については、今後、実際の使用状況等を含めて、承認に向けては機構のほうでも検討すると伺っております。
○大江座長 ありがとうございます。
 康構成員、よろしくお願いします。
○康構成員 康です。ありがとうございました。
 小児におきましても、比較的まれではありますが、時にこの薬剤の静脈的投与が必要なことがございます。特に、免疫不全症とか抗がん剤の治療中の患者さんに必要ですので、この薬は国内の小児にとっても必要ですし、用法・用量も定めていく必要があると思います。我々も使うときには、ほぼこの用法・用量で行っておりますけれども、国外で実際にどのような形で用法・用量が使われているかに関しましては、私もほかの施設の状況がよく分かりませんので、少ししっかり調査していただいた上で、そこのところは最終的に御判断いただければと思います。
 以上です。
○大江座長 ありがとうございました。
 ほか、ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本報告書案については御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。御了解いただけたものと認めたいと思います。
 続きまして、抗がんワーキンググループの米盛参考人より、資料3-4について御説明をお願いいたします。資料3-4は複数品目ございますが、質疑応答並びに議決については最後にまとめて行いたいと思います。
○米盛参考人 抗がんワーキンググループ 米盛です。よろしくお願いします。
 抗がんワーキンググループにおいて検討した13要望について、かいつまんで説明させていただきます。通し番号33ページ、資料3-4を御覧ください。
 T細胞性前リンパ球性白血病に対するアレムツズマブ(遺伝子組換え)、(以下、「アレムツズマブ」)の投与に関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、T細胞性前リンパ球性白血病は致死的な疾患であることから、「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、海外診療ガイドラインなどから、アレムツズマブはT細胞性前リンパ球性白血病に対して、欧米などにおいて標準的治療の一つに位置付けられていると考えられ、国内外の医療環境の違いなどを踏まえても国内における有用性が期待できると考えられます。以上により、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断しました。
 続きまして、オキサリプラチンになります。34ページを御覧ください。再発・難治性非ホジキンリンパ腫に対するオキサリプラチンの投与に関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、海外診療ガイドラインなどから「ウ」に該当すると判断しました。
 続きまして、テモゾロミド、神経芽腫、35ページを御覧ください。再発・難治性神経芽腫に対するテモゾロミドの投与に関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、海外診療ガイドラインなどから「ウ」に該当すると判断しました。
 続きまして、テモゾロミド、下垂体腺腫、36ページを御覧ください。悪性下垂体腺腫に対するテモゾロミドの投与に関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、本邦においては悪性下垂体腺腫に係る効能・効果で承認されている医薬品はないことから「ア」に該当すると判断しました。
 続きまして、ドセタキセル水和物、乳癌。37ページを御覧ください。乳癌に対するドセタキセル水和物(以下、「ドセタキセル」)の投与について、国内で承認されている投与量よりさらに高い100mg/m2の要望です。
 適応疾病の重篤性について、致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、乳癌に対するドセタキセルの100mg/m2の投与は海外で承認されており、海外診療ガイドラインなどからも「ウ」に該当すると判断しました。
 続きまして、38から41ページを御覧ください。膵癌に対するオキサリプラチン、イリノテカン塩酸塩水和物、フルオロウラシル及びホリナートカルシウムの併用投与に関する要望です。4剤の併用投与について要望であり、各備考の記載のとおり、IV-171から174をまとめて評価しております。
 適応疾病の重篤性について、致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、海外診療ガイドラインなどから「ウ」に該当すると判断しました。
 続きまして、トラメチニブ、42ページを御覧ください。再発した低異型度漿液性卵巣癌または腹膜癌に対するトラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物の投与に関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、海外診療ガイドラインなどから「ウ」に該当すると判断しました。
 ナキシタマブ、続いて、43ページを御覧ください。再発/難治性高リスク神経芽腫に対するナキシタマブの投与に関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、要望対象である再発又は難治性の高リスク神経芽腫患者に対して使用可能な薬剤として、神経芽腫又は小児悪性固形腫瘍に対して承認されているノギテカン等があるものの、国内診療ガイドラインにおいて再発又は難治性の高リスク神経芽腫に対して推奨されている化学療法はありません。神経芽腫又は小児悪性固形腫瘍に係る効能・効果で承認されている薬剤について、再発後の化学療法の抵抗性の高リスク神経芽腫に対する有効性に係るエビデンスは得られておらず、再発患者に対する臨床試験成績は記載のとおりです。
 米国においてナキシタマブ承認の根拠となった海外第II相試験における奏効率は45%であり、既存の療法と比較して明らかに優れていると考えられることから、医療上の有用性は「イ」に該当すると判断しました。
 また、要望されている効能・効果について、根拠となる公表論文の内容を踏まえると、医療上の有用性が期待できると判断できるのは「再発又は難治性病変に対する治療後の疾患進行を認めないものの骨及び/又は骨髄に病変の残存した高リスク神経芽腫患者」に限定されると判断しております。
 続きまして、ペムブロリズマブ、45ページを御覧ください。がん化学療法後に増悪した絨毛性腫瘍に対するペムブロリズマブ(遺伝子組換え)の投与に関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、海外診療ガイドラインなどから「ウ」に該当すると判断しました。
 メルファラン、46ページを御覧ください。網膜芽細胞腫に対するメルファランの眼動脈注入に関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、網膜芽細胞腫は病気の進行が不可逆的であり、悪化した場合に眼球摘出が行われるなど、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患であることから、適応疾病の重篤性は「イ」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、本要望は、迅速実用化スキームの対象品目として要望されており、「優れた試験成績に係る論文が権威のある学術雑誌等で公表されているもの」に該当すると説明されているため、提出された公表論文を評価しました。主な内容は、報告書に記載のとおりです。
 網膜芽細胞腫の標準的治療は眼球摘出であり、メルファランの眼動脈注入による眼球摘出を回避できる一定の効果が示されております。したがって、既存の治療法と比較して明らかに優れていると考えられることから、医療上の有用性は「イ」に該当すると判断しました。
 説明は以上です。
○大江座長 ありがとうございます。
 非常に多くの品目について、今、御説明いただきましたけれども、ただいまの御説明に関して何か質問、コメントございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 ないようでしたら、本報告書案については御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
 それでは、御了解いただけたものと認めたいと思います。
 続きまして、「企業から提出された開発工程表等について」、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 研究開発政策課でございます。
 それでは、資料の47ページを御覧ください。資料4-1「企業から提出された開発工程表について」でございます。
 最初の○に記載しておりますとおり、現在開発を実施している全ての開発要請先の企業から、2024年8月30日時点の状況を踏まえた最新の開発工程表が提出されております。これまでに提出された件数といたしましては、第I回要望分として183件、第II回要望分として94件、第III回要望分として47件、第IV回要望分として89件となっております。詳細については、次の資料で説明させていただきます。
 続きまして、50ページを御覧ください。資料4-2になります。こちらは、各企業から提出された開発工程表の進捗をまとめたものになります。詳細な進捗等については、資料4-3から4-6で御確認いただければと存じますが、こちらの資料4-2を用いて進捗状況に関する前回会議からの主な変更点を御報告いたします。
 まず初めに「1.開発要請の件数」についてでございます。第IV回の開発要望分に関しまして、2件の追加がございまして、開発要請の件数としては89件となっております。
 次のページを御覧ください。「2.開発工程表における進捗」についてでございます。
要請回ごとに進捗を御紹介いたします。
 (1)第I回開発要請について、要望番号173番、サノフィの精製Vi多糖体腸チフスワクチンが承認済みとなりまして、承認済みの品目が1件増え、182件となっております。
 第II回開発要請、第III回開発要請にいては、前回の御報告時からの変更はございません。
 (4)第IV回開発要請については、要望番号IV-97のクリニジェンのカルボプラチン、要望番号IV-40 中外製薬のミコフェノール酸モフェチル、要望番号IV-70 ギリアド・サイエンシズのエムトリシタビン200mg及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mgが承認済みとなっております。また、要望番号IV-155 アッヴィ合同会社のアダリムマブ(遺伝子組換え)が公知申請予定から承認申請済みとなっております。
 続きまして、要望番号IV-75 ノバルティスファーマ社のイマチニブメシル酸塩、要望番号IV-122 日本イーライリリーのゲムシタビン塩酸塩が開発要請発出に伴いまして、公知申請予定に追加されております。
 要望番号IVS-21 第一三共のインドシアニングリーンにつきまして、公知申請予定から通常申請の方向での検討中に変更されまして、その他の項目のほうに追加しております。
 この結果といたしまして、承認済み品目が3件増えて58件、承認申請済み品目が1件増えて4件、公知申請予定品目が2件増えて19件、その他が1件増えて1件となっております。
 以上で開発要請品目の進捗の御報告を終わらせていただきます。
 引き続きまして、159ページの資料5を御覧ください。こちらは開発企業の募集を行った医薬品の進捗になりますが、前回の会議時からの変更は特段ございません。
 研究開発政策課の説明は以上になります。
○大江座長 ありがとうございます。
 何か質問ございますでしょうか。よろしいですか。
 続きまして、「安息香酸ナトリウム・フェニル酢酸ナトリウム配合剤の要望について」、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 資料6、162ページを御覧いただければと思います。安息香酸ナトリウム・フェニル酢酸ナトリウム配合剤の要望につきましては、第1回の開発要望で要望が提出されたものでございまして、開発企業の公募を行った品目となっております。
 今般、要望者より要望の取下げが行われたということで、それを受理いたしましたので御報告いたします。
 要望の内容、真ん中の段に書かせていただいておりますけれども、この薬剤、尿素サイクル異常症患者さんに用いるお薬となっておりまして、日本先天代謝異常学会より要望いただいているものでございます。
 要望取下げに至る経緯を下の2ポツのところに書かせていただいておりますけれども、武田薬品工業株式会社より、この薬剤の開発の意思を申し出ていただいていたところでございました。その導入元の企業と検討していただいていたところではあるのですけれども、導入元の企業がビジネス上の判断により、この薬剤の製造販売を中止したといった事情がございました。これに伴いまして、武田薬品工業株式会社における開発が困難になったというところでございまして、学会のほうから、この要望についての取下げが行われたというような状況になってございます。
 以上でございます。
○大江座長 ありがとうございました。
 何か質問ございますでしょうか。よろしいですか。
 続きまして、「未承認薬検討会議の更なる運用の円滑化について」、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 資料7、ページ番号163ページを御覧いただければと思います。本日、2点、運用の円滑化についてということで御報告さしあげたいと思います。
 まず、1点目、上の段になります。公知申請の該当性に係る円滑な情報の整理についてということで書かせていただいております。
 左側になりますけれども、医療上の必要性が高いという形で、この検討会議で評価いただいたものにつきましては、先生御案内のとおりでございますけれども、開発要請を行う。その開発要請を行った後に公知申請の希望がされる品目については、公知申請の希望の見解というのが企業から出されるわけですけれども、それについて専門ワーキンググループで検討を行い、検討会議にて公知申請の妥当性というのを評価いただいているところでございます。
 2ポツ目になりますけれども、この公知申請の妥当性の検討につきましては、それぞれ品目ごとに、個々の事情によって、その検討の期間にばらつきがあったり、企業からすると、その検討状況が分かりづらいという状況があるということでございます。
 例えば、3ポツ目に書いてございますように、ワーキンググループでの結論は出ているけれども、検討会議に諮るまでの間に、企業としては待ちの状況になるわけですが、この期間にもし開発が必要なのであれば、開発が必要ですよということを企業が知ることによって、臨床試験の検討をより早い段階で始めることができるという形にできるのではないかなと思っているところでございます。
 それで、対応の方向性ということで、右側に案としてお示ししておりますけれども、今後、PMDAの相談の枠組みを使っていければと考えております。具体的には、開発要請から1月をめどにPMDAに相談を申し込んでいただいて、公知申請の該当性とか公知申請の見解に係る情報の整理を行うという形にしてはどうかと思っております。
 下で*を2つ打ったところになりますけれども、この運用の開始と併せまして、これまで公知申請該当性に係る報告書について、ワーキングの先生方にきれいに整理していただいていたところではあるのですけれども、できるだけ企業の見解を引用するような形で少し効率化を図ってはどうかということも考えているところでございます。
 また、2点目、下の段になりますが、再審査期間中の公知申請の扱いについても検討しているところでございます。再審査期間中の医薬品につきましては、基本的に医学薬学上の公知ということでは判断せずに、通常の申請により対応してきたというのがこれまでの流れとなっております。昨今、新薬につきまして医薬品リスク管理計画による安全対策が行われている状況ですとか、また、薬事規制のあり方に関する検討会で、製造販売後につきましては、承認時の具体的な安全性に関する懸念事項に基づいて製造販売後の調査等を検討していくといった形で、製造販売後の安全管理のアプローチについても変化してきているという状況でございます。
 こうした中で、右側になりますけれども、未承認薬検討会議で公知申請の妥当性を検討する時点で、信頼性調査を要しないような適応拡大の際には、再審査期間中の医薬品であっても、医学薬学上の公知に該当しないと一律に運用するのではなくて、個別に判断できる余地をつくっていくということでいかがかと考えております。
 下のポツになりますが、具体的には「適応外薬」とか「迅速実用化スキーム品目」であって、公知申請の品目について、先ほど申し上げたような形で個別に判断することによって、未承認薬検討会議の公知申請の枠組みで承認に向けた手続を進める品目というのを少し拡大していってはどうかと考えているところでございます。
 以上でございます。
○大江座長 ありがとうございました。
 質問、コメントございますか。
 PMDA相談をすると、大体どれぐらいでその結果というのは企業側に。
○事務局 これから少し整理していきたいと思いますけれども、開発要請をした後、公知申請の妥当性について、次々回あるいはその次ぐらいの検討会議に向けて作業が進めていければというスケジュール感で考えております。これもやりながら検討していきたいと思っております。
○大江座長 PMDAの判断を、ここの検討会議でまた議論して承認するという流れですか。
○事務局 公知申請の該当性の評価書につきましては、これまでどおり、ワーキンググループの先生方に御検討いただくことに変わりはないと思っておりますけれども、その事前のエビデンスの精査といったところにつきまして、PMDAの相談枠の中でも対応できればと考えているところでございます。
○大江座長 ありがとうございます。
 中村先生、お願いいたします。
○中村構成員 成育医療研究センターの中村でございます。
 上の対応については、企業さんの負担が幾分増えるものかと思いますけれども、その辺り、この説明で製薬協側は御了解いただけそうなのでしょうか。
 2つ目は、下のほうの対応で、信頼性調査を要しない適応拡大、イメージをもうちょっと御説明いただくことは可能でしょうか。
 2点です。
○事務局 ありがとうございます。
 1点目の業界側が理解するかというところですけれども、我々としては説明していきながら理解を得ていくということで、作業を進めてまいりたいと考えております。
 また、2点目の信頼性調査を要しない適応拡大というのは、個別に検討してみないと分からないところがありますので、現時点では個別に判断できる余地をつくるというところにはなるのですけれども、日本でのエビデンスの状況によっては、もしかしたら実際に資料の調査を行うまでもないようなものというのも出てくるかもしれませんので、そういったことを考えながら、公知の該当性というのを先生方にも御相談していければと考えております。
○中村構成員 ありがとうございます。
 方向性としては賛成なのですけれども、この信頼性調査を要しないというところに、これも必要だ、これも必要だとなると、結局、2番目の選択肢に入るものがなくなるので、その辺り、十分に注意して御検討をお願いできればと思います。
○事務局 御意見ありがとうございます。
○大江座長 ほか、どなたか御質問、コメントございますか。
 それでは、以上で議題は全て終了いたしました。
 そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日も様々な品目に関して御議論いただきまして、ありがとうございました。
 次回の検討会議の日程、開催方式につきましては、決定次第、御連絡をさしあげたいと思います。御多用のところ、大変恐縮ではございますけれども、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○大江座長 それでは、これで第60回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了いたします。ありがとうございました。

照会先

厚生労働省

医政局 研究開発政策課
医薬局 医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線4229)