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2023年11月29日 第57回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和5年11月29日(水) 14:00~16:00

 

○場所

AP虎ノ門(オンライン会議場)
D会議室
東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル(日本酒造虎ノ門ビル)

○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊藤(進)構成員、伊藤(美)構成員、岩田構成員、
大江構成員、落合構成員、崔構成員、田村(研)構成員、田村(直)構成員、
戸高構成員、村島構成員、柳原構成員、山口構成員
 

出席参考人

宮崎参考人、米盛参考人

○議題

第I~III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第57回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催させていただきます。
 本日もウェブ会議で実施をいたします。
 また、本会議は公開の会議であることから、ウェブ会議の様子はYouTubeにてオンライン配信をさせていただいております。御了承のほどよろしくお願いいたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席を賜り、誠にありがとうございます。
 会議の開始に当たりまして、注意事項を何点か申し上げます。
 オンラインで御参加されている先生におかれましては、発言される場合は挙手ボタンを押していただき、座長に指名をされた後、ミュートを解除の上、御発言をお願いいたします。
 また、発言されないときは、マイクはミュートでお願いいたします。
 会議中、接続トラブル等が発生いたしましたら、事前にお送りしておりますマニュアルに記載の事務局の連絡先まで御連絡をお願いいたします。
 本日の出欠状況を御報告いたします。
 本日は、大久保構成員、平林構成員、松本構成員、宮川構成員、山本構成員より御欠席との連絡をいただいております。
 また、横谷構成員からは遅れて御参加されると連絡をいただいております。
 以上の結果、現時点におきまして14名の先生に御出席をいただいております。
 また、本日、専門ワーキンググループでの検討結果を報告いただくに当たりまして、抗菌・抗炎症ワーキンググループから宮崎参考人に、また、抗がんワーキンググループから米盛参考人にそれぞれ御参加をいただいております。
 それでは、以降の進行につきまして、座長の大江先生、よろしくお願いいたします。

○大江座長 それでは、よろしくお願いします。
 まず、本日の会議資料の確認及び各構成員から申し出いただいた学会執行部への所属状況について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、事前に送付しております資料をお手元に御用意ください。電子ファイルにつきましては全ての資料を1つのファイルにまとめております。右下に通し番号を振っておりますので、通し番号で説明するときはそちらの番号を御参照いただければと思います。
 まず、2ページ目に本日の配布資料の一覧を示しております。
 3ページからの資料1が検討の進め方。
 5ページからの資料2のシリーズがこれまでのワーキンググループの検討状況の概要でございます。
 25ページからは資料3のシリーズですが、本日御議論いただきます公知申請への該当性に関する3件のワーキンググループの報告書(案)となっております。
 続いて、91ページからの資料4のシリーズですけれども、開発の進捗状況につきまして企業から提出された開発工程表の概要等をお示ししております。
 201ページからの資料5は、開発公募を行った医薬品のリストになっております。
 204ページの資料6ですけれども、recombinant human parathyroid hormoneの要望についての資料となっております。
 また、開催要綱、構成員名簿、ワーキンググループメンバーの名簿、評価基準等も参考資料として資料の後半にお付けしておりますので、必要に応じて御参照いただければと思います。
 続きまして、各構成員からお申出をいただいております学会執行部への所属状況について御報告をいたします。
 資料のつづりで言いますと一番最後の資料になりますけれども、参考資料7を御覧いただければと思います。こちらは、構成員が執行部に所属されている学会に関する状況をお示ししております。
 本会議の公平性を保つ観点から、当面、構成員のうち、学会の執行部に在籍する方につきましては、当該学会から出された開発要望につきまして、要望に係る背景事情等の説明は行っていただく場合がございますが、議決には参加しないということとさせていただいております。
 今、御覧いただいております参考資料7は、現時点での学会執行部への所属状況をお示ししておりますが、もし誤り等ございましたら、この場でお申出をいただければと思います。
 特に訂正等ございませんようでしたら、お申出の状況に基づきまして、本日は、資料3-1のミコフェノール酸モフェチルに関する日本呼吸器学会及び日本リウマチ学会からの要望につきましては、議決に参加しない構成員として、田村直人構成員が該当いたします。
 また、資料3-3のカルボプラチンに関する日本臨床腫瘍学会からの要望につきまして、議決に参加しない構成員として、座長の大江裕一郎構成員、また、田村研治構成員の2名が該当いたします。
 これらの資料に基づいて本日の審議を進めていただくことになります。
 説明は以上です。

○大江座長 ありがとうございました。
 続きまして、資料2の専門作業班の検討状況の概要について、前回会議以降の進捗状況について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 御報告いたします。
 それでは、資料の2-1、通し番号で5ページ、204分の5ページと記載しているページを御覧ください。
 これまで学会や患者団体等から提出された要望のうち、医療上の必要性に関する検討状況を一覧でお示しをしております。
 まず、黄緑色で表示をしております本会議の行を御覧いただければと思います。赤字の数字が、前回の会議以降の変更点をお示ししております。本会議におきまして医療上の必要性が高いと御判断をいただきましたものが、第I回~第III回要望においてプラス1件、第IV回要望におきましてプラス4件、合計5件が増えております。こちら、前回会議で評価いただいたものがプラス5件になっております。
 また、上のほうの行に戻りまして、まず一番上の水色の欄、要望の総数ですけれども、第IV回の要望としてプラス7件を新たに受理しております。
 1つ下の行へ行っていただきまして、今申し上げた7件の新しい要望につきまして、現在、専門ワーキンググループにおいて検討をしていただいております。
 続きまして、資料2-2、通し番号で言いますと19ページを御覧いただければと思います。こちらは、医療上の必要性が高いと判断された要望のうち、企業に開発要請を行ったものについての現在の検討状況を示しております。
 まず、一番上の水色の行「開発要請した要望総数」ですが、先ほどの前回の親会議で医療上の必要性ありと判断された合計5件のプラスを赤字で記載をしております。この5件につきまして、専門ワーキンググループにおきまして公知該当性等について検討を行っていただいておりまして、現在検討中のものが合わせて2件、検討が終了し、公知申請が妥当であると判断されたものが3件ということで、赤字で示しているとおりです。本日は、このワーキンググループにおいて公知申請が妥当と判断をされました3件につきまして御議論をいただく予定となっております。
 なお、本検討会議を経た後の各品目の開発状況につきましては、後ほど資料5を用いて説明をさせていただきます。
 事務局からは以上です。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して、何か御質問、コメントはございますでしょうか。
 ウェブで参加の先生は挙手マークを挙げていただければと思います。
 よろしいですか。
 それでは、「開発要請品目の公知申請への該当性について」に移らせていただきます。まず、初めに抗菌・抗炎症ワーキンググループより宮崎先生、御報告をお願いいたします。

○宮崎参考人 抗菌・抗炎症ワーキンググループ、宮崎から報告させていただきます。
 資料3-1を御覧ください。要望番号IV-40、ミコフェノール酸モフェチル、強皮症に伴う間質性肺疾患の増悪抑制、改善の公知申請への該当性に係る報告書(案)です。
 抗菌・抗炎症ワーキンググループで検討する第IV回要望のうち、今回、公知申請への該当性を検討した2要望について、資料3-1、3-2に沿って説明いたしますけれども、まず資料3-1、通し番号ですと204分の25ページを御覧ください。
 要望番号IV-40ですが、日本呼吸器学会及び日本リウマチ学会から要望されているミコフェノール酸モフェチルの強皮症に伴う間質性肺疾患の増悪抑制、改善に関して、公知申請への該当性評価を行いました。以降、ミコフェノール酸モフェチルをMMF、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患をSSc-ILDと呼ばせていただきます。
 本要望については、令和4年12月に開催されました第53回の本会議において医療上の必要性があると御判断をいただいております。
 報告書(案)2ページの「3.欧米等6カ国の承認状況等について」に記載のとおり、MMFは欧米等6か国においてSSc-ILDに係る承認は有しておりません。しかし、5ページの「(2)欧米等6カ国での標準的使用状況について」に記載のとおり、欧米等の診療ガイドラインにおいてはSSc-ILDに対する治療薬としてMMFが推奨されております。
 また、16ページの「6.本邦での開発状況(経緯)及び使用実態について」に記載しておりますが、国内の病院請求データを用いた調査によって、国内の医療機関において、SSc-ILDに対するMMFの使用実態が確認され、臨床現場においても使用実績が蓄積されていると判断いたしました。
 有効性については、19~20ページに記載しております。御覧ください。海外で実施された臨床試験を踏まえた海外のガイドラインでの推奨状況、国内のガイドラインにおける推奨状況及び使用実態を踏まえて、SSc-ILD患者におけるMMFの有効性は医学薬学上公知と判断できると考えております。
 安全性についてですが、20ページに記載しておりますとおり、海外臨床試験等においてSSc-ILD患者特有の有害事象は認められておりません。要望用法・用量は、国内の既承認用法・用量の範囲内であることを踏まえますと、SSc-ILD患者に対するMMFの安全性は、既承認効能・効果と同等の安全対策を行うことで管理が可能と考えました。
 しかしながら、MMFは類薬でありますシクロホスファミドやアザチオプリンと同様の位置づけでの使用が想定されます。重大な副作用として、感染症、重度の腎障害、心障害等の緊急時の対応が必要とされるような副作用が注意喚起されている薬剤であります。これを踏まえると、類薬と同様に緊急時の対応が十分にできる医療施設で使用する等の注意喚起を行うことが適切と考えております。
 効能・効果につきまして、21ページを御覧ください。
 国内外のガイドラインにおいて、SSc-ILD導入療法及び維持療法のいずれにおいてもMMFが推奨されていることを踏まえまして、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患とすることが適切と判断いたしました。
 用法・用量につきましては、21ページから記載したとおり、国内外のガイドライン等における推奨用法・用量及び国内での使用実態を踏まえ、要望された用法・用量である1回250~1,000mg、1日2回12時間ごとに食後経口投与。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。これが適切と考えました。
 IV-40に関する報告は以上となります。

○大江座長 ありがとうございました。
 何か質問、コメントがございましたらよろしくお願いいたします。挙手をお願いいたします。
 田村直人委員、お願いいたします。

○田村(直)構成員 ありがとうございました。
 今、お話にもありましたけれども、最近アップデートされたガイドラインでも、このミコフェノール酸モフェチルは非常に高い推奨の位置づけになっております。本当に強皮症の間質性肺疾患というのはステロイドも全く効果がなくて、むしろ使うなというような流れになってきておりますので、進行性の病態で非常に難治性のものです。
 あとは、先ほどのお話にもありましたように、日本でも保険データの報告がありまして、かなりの施設でもう実際に使われているという実態がございます。
 それから、最近グローバルの強皮症に対する知見がMMFの併用がもう条件のようになっているものが多くて、日本から治験に入らないというような状況もございますので、ぜひお認めいただくとありがたいなと思います。
 以上です。

○大江座長 ありがとうございました。
 ほかに御意見、コメントはございますでしょうか。
 よろしいですか。
 特になければ、ワーキンググループからの報告は御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
 それでは、御了解いただけたものと認めたいと思います。
 村島先生、失礼しました。

○村島構成員 すみません。ちょっとタイミングがずれてしまいました。
 この疾患への必要性・有用性については今、田村委員のほうから御意見、御説明があったので、私からは唯一、女性の催奇形性の件につきましては、もちろん注意は必要なのですけれども、この疾患があまり若年女性にはそう多い病気ではないということと、もう一つは、間質性肺炎を持つような女性はまず妊娠自体難しいという状況がありますので、この辺についてあまり危惧はしていないところでございます。その辺を付け加えさせていただきました。

○大江座長 ありがとうございます。失礼しました。
 それでは、ほかは何かコメント、追加御意見等ございますか。
 よろしいですか。
 それでは、御了解いただけたものと認めたいと思います。
 それでは、引き続き宮崎先生、御報告をお願いいたします。

○宮崎参考人 それでは、引き続きまして資料3-2、右下の通し番号204分の50ページを御覧ください。
 2つ目は要望番号IV-70、日本エイズ学会から要望されておりますエムトリシタビンとテノホビルジソプロキシルフマル酸塩の配合剤、販売名、ツルバダ配合錠のHIV感染症の予防に関して公知申請への該当性の評価を行いましたので、報告いたします。以後、エムトリシタビンとテノホビルジソプロキシルフマル酸塩の配合剤、販売名、ツルバダ配合錠を本剤と呼ばせていただきます。
 本要望については、令和5年8月に開催された第56回の本会議において、医療上の必要性があると御判断いただいております。
 2ページの「3.欧米等6カ国の承認状況等について」を御覧ください。本剤は、欧米等6か国において、HIV感染症の曝露前予防に係る承認を有しており、加えて現在、本剤は欧米等6か国を含む59以上の国または地域においてHIV感染症の曝露前予防に係る承認を有しております。
 また、12ページの5.の「(4)学会又は組織等の診療ガイドラインへの記載状況」に記載しておりますとおり、我が国を含む欧米などの診療ガイドラインにおきまして、HIV感染症に対する曝露前予防薬として本剤が推奨されており、海外を中心に臨床現場において使用実績が蓄積されているものと判断いたしました。
 有効性についてですが、16~17ページに記載したとおり、本剤の曝露前予防に対する国内外臨床試験の成績、海外での承認状況、海外臨床ガイドラインにおける本来の推奨状況などを踏まえ、HIV感染症の曝露前予防に対する本剤の有効性は医学薬学上公知と判断できると考えております。
 安全性については、17ページに記載したとおり、本剤のHIVやHIV-1感染症の曝露前予防に対する海外臨床試験の対照群で認められた事象や既承認効能でありますHIV感染症、HIV-1感染症の治療目的で使用された場合の既知の事象と比較して特有の有害事象は認められておりません。
 要望されている用法・用量は、他の抗HIV薬との併用が必須とされていない点を除き、既承認効能・効果(HIV感染症)に対する用法・用量と同一でありますことから、既承認の効能・効果と比較して安全性が本質的に異なる可能性は低く、HIV-1感染症治療に対する使用時と同程度の安全管理を行うことで、HIV-1感染リスクの高いHIV-1陰性者における本剤投与時の安全性は管理可能と判断いたしたところです。
 効能・効果について18ページに記載したとおり、国内外の臨床試験の成績により、HIV-1感染症の曝露前予防に対する本剤の有効性が期待できること、海外では本剤はHIV-1感染症の曝露前予防の適応を有しており、診療ガイドラインにおいてもHIV-1感染症の曝露前予防に対する本剤投与が推奨されていること、海外においても曝露後に予防に対する承認は得られていないことなどから、投与対象がより明確になるように、HIV感染症の曝露前予防を効能・効果とすることが適切と判断いたしました。
 なお、曝露前予防は本剤の服用のみで達成できるものではなく、コンドームの使用やパートナーの感染状況把握、あるいは定期的な検査の実施の重要性など、適切な曝露前予防に係る注意喚起は重要であって、海外での承認状況などを踏まえ、添付文書の効能・効果または効果に関する注意及び重要な基本的注意の項において、18ページに記載の注意喚起を行うことが適切と考えました。
 用法・用量については18~19ページに記載しておりますが、本来1日1回1錠の用法・用量は、HIV-1感染症の曝露前予防として海外で承認されていて、国内外の診療ガイドラインでも推奨されていること、既承認効能・効果、HIV-1感染症の治療の効能・効果ですが、での使用時も含めて、現時点において管理できない安全性上の懸念は認められていないということを踏まえまして、要望用法・用量であります通常成人には1回1錠(エムトリシタビンとして200mg及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩として300mgを1日1回経口投与するは妥当であると判断いたしました。
 また、本来のHIV-1感染症の曝露前予防に関する適正使用の周知徹底については、本ワーキンググループの構成員からも御意見をいただいているところです。本剤の曝露前予防の適正使用等に関する情報提供資材の作成並びに適正使用の実態を確認するための調査研究などの対応については、何ができるのかを含めて、企業及び要望学会における検討を厚生労働省より調整依頼いただく予定となっております。
 IV-70に関する報告は以上となります。よろしくお願いいたします。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して何か質問、コメントはございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、ただいまのワーキンググループからの報告は御了解いただけたということでよろしいでしょうか。
 それでは、御了解いただけたものとさせていただきたいと思います。

○宮崎参考人 ありがとうございました。

○大江座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして抗がんワーキンググループから米盛先生、御報告をお願いいたします。

○米盛参考人 抗がんワーキンググループの米盛です。よろしくお願いします。
 子宮体癌に対するカルボプラチンの公知申請への該当性に係る報告書について、御説明させていただきます。71ページ、資料3-3を御覧ください。
 要望内容についてです。子宮体癌に対して、カルボプラチンをパクリタキセルまたはドセタキセル水和物との併用投与する用法・用量が要望されております。
 続いて、海外の状況について、72ページ以降に記載のとおり、海外での承認はございません。
 海外診療ガイドラインでの記載について、73ページ以降に記載をしており、NCCNガイドライン、PDQガイドライン及び欧州のガイドラインにおいて、子宮体癌に対する薬物治療として、カルボプラチンとパクリタキセルまたはドセタキセルとの併用投与について記載されております。
 公表文献、成書等については、76ページ以降に記載しております。
 子宮体癌患者を対象としたカルボプラチンとパクリタキセルまたはドセタキセルとの併用投与の臨床試験などの結果の報告があり、総説や教科書において当該結果に言及して、子宮体癌に対するカルボプラチンとパクリタキセルまたはドセタキセルとの併用投与について記載されております。
 公知申請の妥当性については、84ページ以降に記載しております。
 有効性について、国内外の臨床試験成績並びに国際的な診療ガイドライン及び教科書の記載内容などを踏まえ、子宮体癌に対するカルボプラチンとパクリタキセルまたはドセタキセルとの併用投与の有効性は期待できると判断しております。
 次に、安全性について85ページ以降に記載しております。
 国内外の臨床試験において、新たな注意喚起が必要な事象は認められませんでした。また、本邦では、ほかの効能・効果に対して、国内外の診療ガイドラインにおいて子宮体癌に対して推奨されている用法・用量と同様の用法・用量で承認されており、日本人患者における一定の安全性情報は蓄積されております。
 以上により、国内外の臨床試験成績などの内容を熟知し、がん化学療法に精通した医師により有害事象の観察や管理、本薬の休薬・減量などの適切な対応がなされるのであれば、子宮体癌に対するカルボプラチンとパクリタキセルまたはドセタキセルとの併用投与は認容可能と判断しました。
 以上の検討を踏まえ、要望された子宮体癌に対するカルボプラチンとパクリタキセルまたはドセタキセルとの併用投与の臨床的有用性は医学薬学上公知であると判断いたしました。
 効能・効果について86ページに記載のとおり、子宮体癌と設定することが適切と判断しました。
 また、用法・用量について87ページに記載のとおり、ほかの抗悪性腫瘍薬剤との併用において、カルボプラチンとして1日1回AUC5~6mg・min/mL相当量を3週間間隔で投与する用法・用量として設定することが適切と判断しました。
 説明は以上です。

○大江座長 ありがとうございます。
 質問、コメントはございますか。
 今回、投与量に関してはAUC換算でということでよろしいですね。

○米盛参考人 そこに相当するものとして資料の85ページにアスタリスクで経緯が記載されておりますので、御覧いただければと思います。

○大江座長 ほかのがん腫もできたらそういうふうに、ここで言う話ではないのかもしれないのですけれども、ぜひその方向で進めていただけるとうれしいなと思いますが、それがもう世界の標準ですけれども、添付文書だけ残っているというような、ちょっとそこが問題かなと思います。すみません、今回の話とはちょっと違います。
 ほか、何か質問、コメントは。
 田村研治先生、何かございますか。

○田村(研)構成員 発言いたします。
 このカルボプラチンとドセタキセル、カルボプラチンとパクリタキセルは、標準治療とされているAPとかTAPに対して、特にTAPに対して非劣性試験を行っております。GOG試験で行っておりまして、効果は同等で、毒性が少ないということで、広く汎用されております。なので、公知申請として問題ないし、現場としても安全に使えると考えております。
 以上です。

○大江座長 ありがとうございます。
 そのほか何か質問、コメントはございますでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただけたものとしてよろしいでしょうか。
 特に御意見がないようですので、御了解いただけたものと認めたいと思います。
 続きまして、「企業から提出されました開発工程表等について」、事務局から御説明をお願いいたします。

○飯村治験推進室長 研究開発政策課でございます。
 それでは、資料の91ページを御覧ください。資料4-1「企業から提出された開発工程表について」でございます。
 この資料の冒頭に記載のとおり、現在、開発を実施している全ての開発要請先の企業から本年10月30日現時点での状況を踏まえた最新の開発工程表が提出されております。
 これまでに提出された件数としましては、第I回要望分として183件、第II回要望分として94件、第III回要望分として48件、第IV回要望分として84件となっております。詳細については、次の資料で説明させていただきます。
 続きまして、94ページの資料4-2を御覧ください。こちらは各企業から提出された開発工程表の進捗をまとめたものでございます。詳細な進捗等については、資料4-3~4-6で御確認をいただければと存じますが、これらの資料を用いて進捗状況に関する主な変更点について御報告をさせていただきます。
 まず初めに「1.開発要請の件数」についてでございます。
 第III回の要望につきましては、1件の追加がございまして、開発要請の件数が48件になり、第IV回要望につきましては、4件の追加がございまして、開発要請の件数が84件となっております。
 続いて95ページを御覧ください。「2.開発工程表における進捗について」でございます。要請回ごとに、その進捗順について御紹介させていただきます。
 (1)が第I回の開発要請分、(2)が第II回の開発要請についてでございまして、前回の御報告時からの変更はございません。

 (3)第III回の開発要請に関しては、要望番号III-①-78の全薬工業の「リツキシマブ(遺伝子組換え)」が承認されました。

 また、要望番号III-①-73の全薬工業の「リツキシマブ(遺伝子組換え)」が開発要請発出に伴いまして、公知申請予定に追加となっております。

 この結果、承認済み品目が1品目増えまして40件、公知申請予定品目が1件増えまして2件という形になっております。
 96ページをお願いいたします。
 第IV回の開発要請についてでございます。要望番号IV-77、ファイザーの「メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム」、要望番号IV-82の第一三共の「インドシアニングリーン」が、こちらも薬事承認がされております。
 また、要望番号IV-94、IV-141の塩野義製薬の「シクロホスファミド水和物」が公知申請予定から薬事申請済みという形にフェーズが移っております。
 さらに、要望番号IV-157のユーシービージャパンの「レベチラセタム」、次のページにまたがりまして、要望番号IVS-27の中外製薬の「ミコフェノール酸モフェチル」、それから要望番号IV-70ギリアド・サイエンシズの「エムトリシタビン200mg及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg(テノホビルジソプロキシルとして245mg)」、さらに要望番号IV-155のアッヴィ合同会社の「アダリムマブ(遺伝子組換え)」が開発要請発出に伴いまして、公知申請予定として追加されております。
 この結果、件数といたしましては、承認済みの品目が2件増えまして50件、承認申請済みの品目が1件増えまして5件、公知申請の予定品目が4件増えまして22件となっております。
 以上が開発要請品目の進捗の御報告でございます。
 続きまして、201ページに飛んでいただきまして、資料5になります。
 201ページの資料5では、開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況の報告になります。
 202ページにお移りいただきまして、第III回要望募集の「ヒト合成セクレチン」に関しましては、開発の意思の申出があった2企業のうち1企業から開発中止の申出がございました。このため、従前は企業を2つ記載していたのですけれども、1社分を削除しまして、1社の記載となったというような状況でございます。
 当課からの説明は以上になります。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に何か御質問等ございますか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして「その他」の事項について、資料6について事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局 資料6になりますので、通し番号204ページを御覧ください。
 資料6、recombinant human parathyroid hormoneについて開発要望が取り下げられたことを報告させていただきます。
 こちらにつきましては、副甲状腺機能低下症の根源的治療を対象といたしまして、学会等からの開発要望がございました。本会議におきまして、医療上の必要性ありと判断された後、武田薬品工業株式会社において、該当品目であるNATPARAの開発を行っておりましたが、今般、NATPARAについてグローバルとして製造を中止するということとなっております。
 一方で、国内におきまして、別の製剤といたしまして希少疾病用医薬品の指定を受けたTransCon PTHの開発が現在進んでいるということから、この要望自体については取下げをされるということです。
 以上、御報告です。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの件に関しては、何か御質問はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 では、そのほか事務局から何かございますでしょうか。

○事務局 本日の議題は以上となります。
 本日も御議論いただきまして、誠にありがとうございます。
 次回の本会議の日程、また、開催形式につきましては、決定次第、事務局より御連絡をさせていただきます。
 以上でございます。

○大江座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これで第57回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了したいと思います。
 どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発政策課
厚生労働省医薬局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4229)

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