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2019年1月30日 第41回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成31年1月30日(水)13:00~15:00

 

○場所

全国都市会館 第2会議室
東京都千代田区平河町2-4-2
 

○出席者

増田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、西村委員、松山委員、山口委員

○議題

(1)日本年金機構の第3期中期目標、第3期中期計画及び平成31年度計画の策定について
(2)その他

○議事

 

 

 

○黛年金事業運営推進室長 それでは、定刻になりましたので、只今より、第41回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
委員の出席状況でございますが、本日は、椎野委員及び原委員が御欠席、西村委員が遅れての御出席との御連絡をいただいております。
なお、前回より、当部会はペーパーレスでの開催となっておりますが、不明な点がございましたら、近くの事務局職員へ遠慮なくお申しつけください。よろしくお願いします。
それから、参考1-1は中期目標の新旧、参考1-2は中期計画、年度計画の新旧でございますが、こちらにつきましては、便宜上、紙の資料も用意させていただいております。
また、部会の運営に関連しまして、1点御報告いたします。山口委員におかれましては、昨日付けで社会保障審議会、この部会の親会の委員として再任されておりますが、社会保障審議会の会長による所属部会の指名が、2月1日に開催されます社会保障審議会の後に予定されております。現時点では当部会への指名ができておりませんが、本日は、形式的には所属の指名前ですが、これまでと同様、部会での御議論に御参加いただくということにいたしておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事進行につきましては、増田部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退出をお願いします。

(報道関係者退室)


○増田部会長 それでは、議事次第に従って「日本年金機構の第3期中期目標、第3期中期計画及び平成31年度計画の策定について」を議題といたします。
現在の第2期中期目標及び中期計画は、今年の3月31日でその期間を終了するような目標と計画になっております。したがいまして、4月から実施される新たな中期目標及び中期計画を策定する必要があります。
このうち中期目標ですけれども、こちらは厚生労働大臣が日本年金機構に対して指示するということになっております。すなわち、中期目標のほうは、厚生労働大臣が決める。これは、手続的には、社会保障審議会に諮問・答申の形をとることになっております。また、中期計画は、機構が作成して厚生労働大臣の認可を受けることになっております。当然、年度計画も機構が作成するということでございます。
そこで、本日は、中期目標、中期計画及び平成31年度計画について、それぞれの案文をあわせて御議論いただくということにいたしたいと思います。なお、これらの案文については、本日の議論を踏まえて必要な修正等を行った上で、次回の部会で改めて御議論いただき、さらに中期目標については、諮問・答申の手続をとるようにしたいと考えております。こうした点については、次回、行うことにしております。
それでは、早速でありますが、年金局及び機構の方から資料について説明していただきまして、その後、委員の皆様方に御議論いただきます。
それでは、説明のほうをお願いいたします。

○黛年金事業運営推進室長 それでは、年金局の方から第3期中期目標(案)につきまして御説明させていただきます。
この中期目標でございますが、日本年金機構法第33条におきまして、厚生労働大臣は3年以上5年以下の期間において機構が達成すべき業務運営に関する目標を定め、これを機構に指示するということになってございます。
ここのところで、まず、中期目標の3年以上5年以下の期間ということですけれども、これまでのところ、平成22年(2010年)1月に機構が発足いたしまして、そこから26年3月までの4年3カ月の期間が第1期でございました。
今の第2期ですが、これは26年4月から平成31年3月までの5年間ということになってございます。
3期の中期目標の期間でございますが、これまで基本5年という期間でやってまいりまして、特段そこで何か問題があったということはございませんで、また、年金事業というのは長期に継続するということで、ある程度まとまった期間があったほうが良いと考えられますことから、これまでと同様に、平成31年4月からの5年間、これは中期目標の期間ということで案を作らせていただいております。
続きまして、中期目標に定める事項についても機構法に定めが4つほどあるのですけれども、1つが、まず中期目標の期間。その次に、提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、その次に、業務運営の効率化に関する事項、最後に、業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項ということで、この4つの事項が法律上、定められております。これまでの中期目標も当然ですけれども、これらを柱としてまとめられてきておりますので、今回の案も同じような構成になっているということでございます。
目標期間という事項を除いた3つの事項に関しましては、これまでの機構、10年弱の取組の状況ですとか、それから、まさにそれを踏まえて、昨年秋の部会で御議論いただきましたので、そういう内容を踏まえて修正を行っているところでございます。そういうことがありまして、一部、記載の順番を変えたり、調整中の部分などもございますが、内容につきましては、秋口の前回、前々回の部会での御議論に沿った内容になってございまして、それにつきましては、まさにこの中期目標を達成するために機構が作成すると定められております中期計画、こちらの案の中にその内容が反映されておりますので、時間の都合上、ここでの説明は省略させていただきます。
なお、今後の手続ですけれども、先ほど部会長からもお話のあったとおりでございまして、中期目標について審議会への諮問が必要でございますので、今回の御議論を踏まえて必要な修文を行って、案文を作りまして、それを諮問させていただきまして、次回に再度御議論いただくということで考えてございます。
簡単ではございますが、中期目標についての説明は以上でございます。

○田中日本年金機構企画調整監 引き続きまして、日本年金機構から中期計画及び平成31年度計画について御説明させていただきたいと思います。
お手元、参考1-2という資料がございます。こちらが新旧対照表になっておりますので、こちらの方で御説明させていただきます。なお、参考資料として参考1-3というものがタブレットに入っておりまして、そちらを時々参照させていただきながら御説明させていただきたいと思います。また、大部にわたりますので、なるべくポイントを簡潔に説明させていただきたいと思いますが、それでもお時間、40分から、もう少し頂戴することをお許しいただければと存じます。
まず、表紙でございます。今ほど室長からお話ありましたとおり、中期目標では4つの項目、その目標期間を除く、大きく3つの項目から構成されております。
1つが「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」ということで、国民年金、厚生年金、その他基幹業務について記載しているものでございます。
次に、2として「業務運営の効率化に関する事項」ということでございます。組織改革とか業務の合理化・効率化、あるいはシステムの関係について、まとめさせていただいております。
次にページをおめくりいただきますと、3として「業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」ということで、内部統制システムとか個人情報の保護等あるいは人事ということを記載させていただいているところでございます。
それでは、1ページから御説明させていただきたいと思いますが、まず、表の見方でございますが、一番左が中期計画(案)、その隣が第2期中期計画、その隣が平成31年度計画(案)、一番右の欄が平成30年度計画でございます。
まず、前文でございます。1ページから2ページにかけて、基本的考え方ですとか、第2期の取組内容について記載させていただいておりまして、2ページの左下をご覧になっていただきますと、第3期中期計画における基本的考え方を少しまとめさせていただいておりまして、「機構のミッションは、複雑化した年金制度を実務として正確かつ公正に運営し、年金受給者に正しく確実に年金をお支払いすることにより、国民生活の安定に寄与することである。
第3期中期計画においては、こうしたミッションを果たすため、「制度を実務に」を基本コンセプトとし、「日本年金機構の未来づくり計画」に取り組むことを基本方針とする」とさせていただきました。
5ページからが基幹業務ということで、まず、国民年金でございます。中期計画をベースに御説明させていただきたいと思いますので、左の欄に沿って御説明させていただきますが、まず「国民年金の適用促進対策」でございます。
(1)に書いてございますが、20歳到達者について、届出勧奨を行うことなく、速やかに資格取得の手続を実施したり、いわゆるJ-LIS、これから提供される住民基本台帳情報を活用して実施している未加入者対策について、より効率的・効果的な対策について検討し、実施していきたいと考えております。
ページをおめくりいただきまして、6ページ、下の方でございますが、(2)市区町村との連携とかハローワークとの連携、あるいは7ページ、(3)無年金者及び低年金者対策、あるいは追納勧奨でございます。効果的・効果的な勧奨を実施するということですとか、7ページの左下、外国人の適用対策、こうしたことにも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、8ページ、「国民年金の保険料収納対策」でございます。こちらにつきましては、タブレットの方に入っております参考1-3の5ページをご覧になっていただければと存じます。これは、10月の部会でも御案内させていただきましたが、国民年金の保険料納付率でございますが、現年度納付率が66.3%、最終納付率が73.1%となっております。これにつきまして、参考1-2の8ページの左側の上の方ですが、この中期目標期間中の目標ということでございますが、現年度納付率については70%台前半、最終納付率については70%台後半を目指すということにさせていただいております。
具体的には、(1)にございますが、本部、年金事務所のそれぞれの果たすべき役割に応じまして、納付督励の実施とか強制徴収の厳正な執行、あるいは免除、猶予制度の利用促進に加えまして、未納者属性に応じた督励通知の見直しとか、外部委託も活用した効果的な収納対策を進めてまいりたいということを考えております。
10ページ、(2)として、今、申し上げたもののもう少し具体的な取組を記載させていただいておりますが、本部では、これまでの収納対策の実施結果の分析を行って、より効率的・効果的な対策を検討の上、実施するとともに、各種催告文書の内容の見直しを行うこととしております。
また、年金事務所においては、各地域の状況に応じた収納対策を実施するということでございます。
次に、12ページをおめくりいただきまして、強制徴収ということでございます。これにつきましては、負担能力がありながら納付督励に応じない滞納者につきましては、引き続き強制徴収を実施していくということでございます。
次に、14ページ、(4)徴収職員の育成と、(5)口座振替、クレジットカード等の納付方法の周知を引き続き実施していくとともに、特に口座振替の実施率につきましては、毎年度の実施率が前年度を上回る水準を確保することを目指すということを目標に位置づけさせていただきました。
17ページをおめくりいただきまして、次は厚生年金保険の適用促進対策でございます。参考1-3の10ページをご覧になっていただければと思いますが、この10月の部会で御報告させていただいております加入指導につきましては、平成27年度から、国税庁の情報を活用することによって実績を上げてきておるところでございますので、引き続き、こうした形で加入指導に取り組んでいきたいということを、まず1つ書かせていただいております。
次に、参考1-2の17ページの左下の「また」以後のところは、届出の適正化でございます。これにつきましては、調査対象事業所を的確に選定し、重点的に取り組むことで、効率的かつ効果的な事業所調査を行うということでございます。
ページをおめくりいただきまして、18ページでございます。年度計画で加入指導の具体的な目標を定めております。平成31年度計画の上の方をご覧になっていただきますと、「職員の加入指導による新規適用事業所数について、従来の実績と同等程度の割合を確保する」ということで平成31年度は取り組んでまいりたいと考えております。
次に、20ページをおめくりいただきますと、適用調査対象事業所の適用の促進ということで、マル1今ほど申し上げました国税庁の情報の活用ですとか、マル2文書、来所要請、訪問などの手法を効果的に実施するため、加入指導手順書を見直す。あるいは、マル3加入指導後においても届出を行わない事業所に対して、立入検査等を行うということで、こうした取組を進めて、未適事業所をなくしていくことに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、23ページ、(2)事業所調査の徹底による届出の適正化ということでございますが、まず、当然、適正な届出の指導をするわけですけれども、マル2、本部において、調査結果、従業員規模、業種等の分析による優先度をもった事業所調査を行うための選定基準を定め、これを踏まえ、年金事務所において効果的な事業所調査を実施するということで、ターゲットを絞った方法で調査を実施していくということでございます。
また、マル3大規模事業所や複数の支店を持つ事業所や都市部における調査体制・調査手法の確立ですとか、マル4外国人の適用対策についても取り組んでまいりたいと考えております。
次に、(3)届出に係る事務処理の迅速化ということで、これは新しく中期計画に位置づけたのですが、いわゆる保険証の早期交付に向けて、関係する届出(資格取得届、資格喪失届、被扶養者異動届)の処理の迅速化を図っていくということでございます。
具体的には、特に電子申請ですが、25ページのマル3でございます。今、申し上げた届出書について、電子申請に関しては、繁忙期を除いて平均処理日数を3営業日以下に短縮することを目指してまいりたいと考えております。
次に、27ページからが、4「厚生年金の保険料の徴収対策」でございます。参考1-3の12ページから14ページに数字は記載しておりますが、実績といたしまして、平成29年度で99%の徴収率ということで、高い水準を維持しておりますが、引き続き、滞納発生の抑制に向けた取組とか滞納処分を適切に実施してまいりたいと考えております。
目標といたしましては、参考1-2の28ページをおめくりいただきまして、左上の真ん中より下あたりでございますが、「毎年度の収納率が前年度の当該率と同等以上の水準を確保することを目指す」ことを目標と定めさせていただいております。
そのための取組ということで、29ページでございます。保険料を滞納する事業主に対しては、早期の納付指導、換価の猶予の案内、滞納処分等を行います。
また、31ページ、(2)徴収職員の育成ですとか、(3)分析結果に基づくシステム化にも取り組みたいと考えております。
また、ページをおめくりいただきまして、32ページ、(4)口座振替の利用促進というものを進めてまいりたいと考えております。
32ページ、「5 年金給付」でございます。
まず、33ページの左側、(1)でございますが、年金給付の審査業務の移管が完了することを踏まえて、年金給付業務の執行体制の強化に取り組んでまいりたいということが1点目でございます。
2点目は、一番下、正確な給付の実現ということで、年金事務所の機能強化ですとか業務処理マニュアルの整備を図ってまいります。
また、ページをおめくりいただきまして、34ページ、事後的なチェック体制の強化にも取り組んでまいりたいと考えています。
次に、マル2の事務処理誤りの分析と対策ということでございますが、まず、事務処理誤りの内容を分析しまして、必要な改善措置を講じたり、組織内の情報共有を徹底してまいります。
また、システムによるチェック機能の強化を図りたいと考えています。
ちなみに、平成31年度計画の方に目を移していただきまして、マル3事務処理誤りの総点検、あるいは振替加算の総点検、これを以前御報告させていただいたと思いますが、これの事後処理について、対象者への対応を確実に実施したいということでございます。
35ページ、(3)障害年金の事務処理体制の強化でございます。これは、障害年金業務を集約したわけでございますが、幾つか課題がございまして、1つは、認定業務の標準化ということを図るために、認定医の会議や意見集約の体制を整備することと、この部会でも御意見いただいておりましたが、年金事務所において障害年金体制を強化して、安定した事務処理体制を構築することが課題だと考えております。
次に、36ページ、(4)年金給付業務を支える職員の育成、あるいは(5)年金給付業務のシステム化の推進ということで、紙で処理するということが事務処理誤りの原因ではないかという御意見もございましたので、そういったことを改めて中期計画に位置づけさせていただきました。
37ページの(6)お客様サービスの向上ということで、多様な年金受給方法等の周知・広報ということでございまして、例えば年金の受給開始時期を60歳から70歳まで自由に選択できることを案内するため、様々な機会を捉えて、より分かりやすい周知・広報を図ってまいります。
38ページ、迅速な支給決定につきましては、これまでもサービススタンダードというもので達成率を設定させていただいておりましたが、これを引き続き90%以上にするということを目標に掲げさせていただいております。
38ページ、下の方、年金生活者支援給付制度については、後ほど御説明申し上げます。
次に、39ページ、「6.年金記録の正確な管理と年金記録問題の再発防止」ということでございます。参考1-3の25ページに件数の方は記載させていただいておりますが、未統合記録は平成29年度に1900万弱まで来ているところでございます。引き続き、(1)年金記録の確認等の対応ということで、マル1ねんきん定期便や「ねんきんネット」を活用した年金記録の確認の呼びかけをしていくとか、ページをおめくりいただいて、40ページ、マル2お客様からの年金記録に関する申出に対して適切に対応していくということ、あるいは、41ページから42ページにかけて、年金請求時の記録確認について徹底を図るということに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、42ページ、(2)再発防止及び年金記録の正確な管理の実施につきまして、マル1に書いてございますが、基礎年金番号とマイナンバーの紐付けを行って、マイナンバーを利用した適正な記録管理を実施してまいりたいということでございます。
また、43ページの方には、情報提供とお客様による確認ということも記載させていただいております。
次に、46ページでございますが、「年金相談」でございます。参考1-3の31ページは、10月の部会に提出させていただいた資料でございます。いわゆるお客様チャネルということで、これを全体的かつ体系的に捉えて、それぞれの役割を明確化して、総合的な相談、サービス体制の構築について取り組んでまいりたいということを大きな目標として掲げさせていただいております。
それぞれどういった取組を行うかということでございますが、まず、年金事務所での相談ということでございます。参考1-2の46ページの下の方にございますマル1でございますが、人口動態の変動を踏まえた年金事務所の適正配置に取り組んでまいります。
また、マル2正規職員、年金相談職員等を中心とした安定的な相談窓口体制の確立ですとか、マル3研修体制の強化。また、マル4来所相談について質的な向上を図るとともに、引き続き待ち時間の短縮に取り組んでまいります。
また、ページをおめくりいただきまして、48ページ、マル5社会保険労務士や市区町村と連携・協力の上、遠隔地における相談環境の整備ということで、テレビ電話相談とか出張相談についても引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
(2)年金相談センターでの相談につきましては、マル1、今、社労士会に委託しておりますので、引き続き連携、強化を図るということと、マル2でございますが、これのオフィスの適正配置の検討を行っていくということでございます。
次に、49ページの(3)コールセンターでの相談でございますが、これにつきましては、マル1、システム面の対応を含め、更なるサービスの質の向上を図っていくということと、マル2の応答率につきましては、引き続き70%を維持しながらも、更なる向上を目指す、より高い数字を目指していきたいということでございます。
次に、51ページから「分かりやすい情報提供及びサービス改善の推進」ということでございます。
まず、1点、ホームページの活用ということでございますとか、52ページ、「ねんきんネット」やねんきん定期便による情報提供、これは、これまでの取組を引き続き進めていきます。
54ページ、年金関係の各種情報提供ということでございます。これは、年度計画の方に少し詳しく書いておりますので、そちらをご覧になっていただきますと、ねんきん定期便とか年金額改定通知書等を使って各種の情報提供をしていくということでございますが、特に平成31年度におきましては、55ページに書いてありますが、繰下げ制度について、ねんきん定期便等の個人向け文書で広範な周知を図っていくという取組を進めたいと考えております。
次に、55ページ、中期計画に戻っていただきますと、公的年金制度に対する理解の促進ということで、これはこれまでも「地域年金展開事業」という形で事業を進めさせていただいておりまして、56ページでございますが、年金セミナー、年金制度説明会の充実ですとか、57ページのイ 年金委員活動の活性化、こうしたことに取り組んでまいりたいと考えております。
また、58ページからお客様サービスの向上ということで、これも従来から取り組んでいることでございますが、59ページにございますマル1「お客様へのお約束10か条」の実現ですとか、マル2CS意識の向上に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
また、60ページ、マル3分かりやすいお客様向け文書の作成、マル4お客様からの意見の収集や施策の反映についても、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
62ページから「年金制度改正等への対応」ということでございます。中期計画の方につきましては、次期制度改正の検討が今、なされているということですので、それを踏まえて適切に対応したいということですが、平成31年度計画の方をご覧になっていただきますと、年金生活者支援給付金制度の適正な実施ということを記載させていただいております。
これは、参考1-3、47ページに制度の概要を記載させていただいておりますが、年金を含めても所得が低い方に対しまして、基準額として5,000円程度、年金に上乗せをするという仕組みでございます。これは、対象者が約970万人ということで非常に多いことから、しっかりとした体制を確保して請求勧奨を行って、確実な給付に結びつけていくということで、これが平成31年度の1つ大きな課題になっております。これは平成31年10月に施行ということで、消費税法改正と同時に施行ということになっております。
次に、66ページをご覧になってください。大きな2つ目の項目の「業務運営の効率化に関する事項」でございます。
まず、効率的効果的な業務運営(ビジネスプロセス改革)ということでございますが、67ページでございますが、第2期の中期計画期間中にブロック本部を本部に統合するという改革を行いました。これに伴いまして、本部に地域部を設置しましたが、中期計画の記載としては、現場から見て分かりやすい組織のあり方を検討・追及するということでございまして、具体的には平成31年度計画をご覧になっていただきますと、1つは、事業企画部門と事業推進部門の再編を図るということでございますとか、あと、今、申し上げました、設置した地域部の体制の見直しを図るということに取り組みたいと考えております。
次に、中期計画の方に戻っていただきまして、2つ目のポツでございます。本部リスク管理の見直しの取組を踏まえ、本部現業の業務執行体制及びリスクマネジメント体制を確立するということでございまして、現在、本部現業について、リスクの洗い出し、リスク管理体制の見直し等にまさに取り組んでいるところでございます。これは、何度か御説明している、今回の外部委託事案も踏まえて、どこにどういうリスクがあるかということを検証するという作業をしているわけですが、それを踏まえた体制づくりを進めていくということでございます。
次に、68ページから事務センターでございます。事務センターの広域集約を進めておりまして、今、47都道府県にあったものを16拠点、来年度には15拠点に集約するということにしておりますので、体制、業務運営、システム、人材育成の観点から事務センター改革を実行し、ビジネスモデルを確立するということに取り組んでまいります。
具体的には、ポツで幾つか書いてありますが、1つ目のポツで言いますと、人員体制・管理体制の検討を行い、マネジメントモデルを確立するですとか、69ページの方に移りますと、これも何度か御説明させていただいていますインハウス型委託の確立ですとか、その次のポツ、IT化の促進ということで事務の効率化を図ってまいりたいと考えております。
一番下が年金事務所でございます。これにつきましては、先ほど申し上げました適正配置の検討ですとか、70ページに移っていただきまして、効率的・効果的なチャネル体制の確立に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、71ページ、業務の合理化・標準化でございますが、これにつきましては、業務処理マニュアルを継続的に精緻化・改善する取組を進めてまいりたいと考えております。
72ページが(3)業務の効率化でございます。これにつきまして、お客様や年金事務所等の職員の意見、要望・提案を積極的に取り入れて業務の効率化に繋げてまいりたいと考えております。
73ページの(4)適正な運営経費による効率的効果的な業務運営ということでございますが、例年、運営経費の抑制ということで、一般管理費及び業務経費について削減目標を設定しておるところですが、ここについては、只今財政当局と調整中ですので、また次回、御報告させていただきたいと考えております。
次に、74ページから「外部委託の活用と管理の適正化」でございます。これにつきましては、これまでも何度か御報告させていただいておりますが、外部委託というものは引き続き活用しつつ、適正な管理が重要ではないかということで、特に個人情報を取り扱う業務については、しっかりとした体制を確保していくということでございまして、75ページの左下にございます(2)でございますが、年金個人情報を取り扱う外部委託の適正な管理ということで、何度か御報告させていただいている調達・外部委託管理ルールに基づく調達の実施ですとか、あるいは履行前・履行中検査等の履行管理や履行中に問題が発生した際の組織的な情報共有等を徹底する。
もう一つ、このルールですが、当然その実施状況をきちんと把握して、その結果を踏まえて、より効果的、かつ実務の実態にあったルールとしていくということで、当然、必要に応じて継続的に見直していくということを書かせていただきました。
76ページでございます。(3)優良な受託事業者の確保、(4)調達に精通した人材の確保・育成についても取り組んでまいりたいと考えております。
それで、外部委託について、今回このような取組を行った経緯として、平成30年の扶養親族申告書の処理について問題があったということでございますが、今まさに平成31年分の扶養親族申告書の受付・処理を行っておりますので、この際、それについて少し御報告させていただければと考えております。
大変恐縮ですが、タブレットの参考1-3の19ページまでお戻りいただけますでしょうか。平成31年分扶養親族申告書の受付・処理状況という資料でございます。
最初に、仕組みの概要を書いてありますが、4つ目の○、発送件数でございます。昨年の9月中旬から、順次、約830万件の申告書を発送して提出を案内しているところでございます。
2として、処理状況とございますが、1つ目の○にございますとおり、平成30年12月14日までに約781万件、およそ94%の方から提出いただいておりまして、これにつきまして、平成31年2月支払い期に適正に反映されております。
また、2つ目の○でございます。提出してはいただいたのですが、不備によって返戻して、その後、再提出がない方、2万件につきましては、2月支払いのときは基礎的控除等を行った上で、税率5.105%を適用させていただきます。そのほか、2月支払い時に入力が間に合わなかったものが600件程度ございましたが、これらの対象者につきましても、2月支払い期は基礎的控除等を行っておりまして、今後、お客様に御案内して、3月支払い期で処理を行っていくということでございます。
4つ目の○でございます。これまで提出いただいていない約34万件の方に対しては、2月上旬に再勧奨を行う予定としております。
なお、事務的な御報告で大変恐縮ですが、この34万件という数字については、昨日16時にホームページに資料をアップいたしましたが、その後、直近の数字を把握したので、19時にホームページの資料を差し替えさせていただいたということを申し添えさせていただきます。
次の注でございますが、全体として、昨年の2月支払い期に比べて、基礎的控除等を受けることができなかった方々は税率10%になるわけですが、これは昨年132万人であったのが、本年は42万人と大きく改善しているところでございます。
それで、3 税制改正についてでございます。実は、来年向けの申告書におきましては、税制改正で、申告書の提出がない場合、これは今、10%、正確に言うと10.21%になるのですが、これが税率5.105%が適用されるという改正が予定されておりますので、受給者の負担軽減が図られる予定ということも御報告させていただきたいと思います。
外部委託の関係でございましたので、この際、併せて現状を御報告させていただいた次第でございます。
中期計画の方に戻っていただきまして、77ページから社会保険オンラインシステムの運用・改善・開発ということでございます。これにつきましては、「厚生労働省デジタル・ガバメント中長期計画」ですとか「業務・システム刷新プロジェクト憲章」、これは後ほど御報告させていただきますが、この方針に則りまして見直しに取り組んでいくということでございます。
真ん中の「特に」のところですが、これは部会でも幾つか御意見あったことを反映させていただいたものでございますが、新しい業務体系の構築については、業務プロセスを可視化して分析を行う手法を活用するとか、関係者間の合意形成を図りながら着実に進めていくということでございます。
次に、(1)フェーズ1への対応ということで、経過管理・電子決裁サブシステムを平成29年1月より稼動しておりますが、これの対象拡大、事務処理適正化・効率化を図ってまいりました。したがいまして、引き続きデジタルファースト原則を踏まえて、システムの充実を図ってまいりたいということでございます。
次に、(2)フェーズ2への対応でございます。これについては、拠点にとらわれない業務を実現できるデータ構造とするとともに、制度改正等に柔軟かつ迅速に対応できるプログラムに作り変えるなど、システムの構造問題の解消を図るということで取り組んでまいりたいと考えております。
次に、80ページから81ページ、現行システムにおけるシステム開発・運用でございます。これにつきましては、システムの刷新までの間、刷新部門や事業部門との協働体制を確立するとともに、制度改正や業務改善に対応したシステム開発ですとか、現行システムの適切かつ確実な運用について取り組んでまいりたいと考えております。
83ページの(4)年金給付システムの最適化への対応ということについても、検討を進めていくということを記載させていただきました。
83ページの一番下「4.ICT化の推進」でございます。これにつきましては、ページをめくっていただきまして、84ページでございますが、まず1つ目、行政手続の電子化(デジタルファースト原則)の推進ということでございます。平成32年4月1日から、大法人の事業所につきましては、電子申請による届出の義務化ということがされますので、これについて円滑かつ着実に実施するということ。
また、中小規模の事業所における電子申請の利用の推進を図るための取組も実施してまいりたいと考えております。
また、85ページでございますが、先ほど保険証の話で少し申し上げました電子申請でございます。これは、届出が増加しておりますが、それに対応できるように、処理日数の短縮化を目指してまいります。
次に、85ページの一番下、インターネットの活用ということでございます。これにつきましては、まず「ねんきんネット」の機能追加等による利便性の向上について検討を進めるとともに、もう一つのポツで、中小規模の事業所が簡便にインターネット経由で届出ができる仕組みということで、「(仮称)事業所版ねんきんネット」と言っておりますが、これの構築を検討して、事業所の利便性の向上を図りたいと考えております。
次に、(3)マイナンバーの活用、87ページに移りまして、(4)ICTを活用した業務改善の実施についても取り組んでまいります。
次に、87ページの一番下から、大きな項目の「3 業務運営における公正性及び透明性の確保その他業務運営に関する重要事項」ということでございます。
まず、大きな1つ目としまして「内部統制システムの有効性確保」でございますが、89ページ、(1)事務処理の正確性の確保ということでございまして、事務処理誤りの未然防止、早期発見等でございます。
まず、マル1事務処理誤りの早期発見及び対応ということで、日報、モニタリングの活用等を引き続き行っていくということでございます。
また、一番下のマル2「お客様の声」の分析によって事務処理誤りの早期発見、対応をしていくということも引き続き取り組んでまいります。
また、マル3でございます。これも、これまで御報告させていただいた重点三事案の根絶に向けて取り組んでまいります。
91ページは、先ほど少し触れさせていただきましたが、本部現業部門のリスク把握に基づく対応ということで、本部現業部門における事務処理誤りのリスクを把握・分析して、チェック体制の強化等を図ってまいりたいということでございます。
92ページ、マル5外部委託における事務処理誤りの発生防止、これも再掲でございますが、記載させていただきました。
下のルールの徹底ということでございます。これにつきましては、今の第2期中期計画期間中にマニュアルの一元化を行いましたが、このマニュアルについて、現場に定着させ、ルールの徹底を確実なものとするための取組を進めてまいりたいと考えております。
94ページから、リスク管理とコンプライアンス確保の取組でございます。
マル1リスク管理ということでございますが、これにつきましては、ア 情報セキュリティリスクへの対応、イ システムリスクへの対応、ウ 事務リスク・信頼リスクへの対応、ページをおめくりいただきまして、96ページでございますが、業務継続計画(BCP)の見直しです。災害リスクの懸念が増大しておりますので、こうしたことについても取り組んでまいりたいということでございます。
97ページのマル2コンプライアンス確保については、研修等を引き続き行ってまいります。
一番下のマル3情報共有の促進ということでございます。これにつきましては、下の方に書いておりますが、本部内情報共有について、何度か説明申し上げている本部現業部門のリスク管理の見直しですとか、本部職員の意識改革の取組も踏まえ、見直しを図り、情報共有を更に促進していくということでございます。
年度計画の方に少し詳しく書いてありますが、ア 本部と現場の情報共有、イ 本部内の情報共有でございます。
99ページの下の方でございますが、本部現業部門におけるリスク管理の見直し等も踏まえた、本部内情報共有を図るための仕組みを確立するということで、平成31年度中の確立を目指すということでございます。
100ページからは、適正な監査の実施ということでございまして、監査体制の確立と監査手法の確立に努めてまいりたいと考えております。
102ページ、契約の競争性・透明性の確保ということでございますが、これも例年、削減目標を設定したり、競争性のある契約の占める割合を80%以上とする目標を設定しているところですが、これにつきましては、現在、財政当局と調整中ということですので、次回御報告させていただきたいと思います。
104ページから、個人情報の保護でございます。これについては、御案内のとおり、情報セキュリティについては、組織面、技術面、業務運営面、全般的に見直しをして、徹底した取組を行ってまいりました。したがいまして、この中期計画期間中には、引き続き、こうした取組を維持・徹底するとともに、104ページから105ページにかけて書いてありますが、外部の環境の変化や情報技術の進展に応じて継続的に見直すということを取り組んでいきたいと思っております。
110ページ、「文書管理及び情報公開」でございます。これも部会の方に御報告させていただいておりますが、1つは、保存期間の見直しということですとか、あるいは適正な文書管理をどうしていくか、あと、2つ目のポツに書いてありますが、電子申請や電子媒体で提出された届出書の取扱いの検討を行って、可能なものから順次実施してまいりたいと考えております。
次に、(2)情報公開の推進でございますが、引き続き、112ページ、事務処理誤りの公表ですとか、113ページの下の方にございます、業務運営に関する情報の公表。あるいは、114ページにあります、年次報告書(アニュアルレポート)の作成・公表に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、114ページから「人事及び人材育成」でございます。
まず、115ページ、(1)人員体制及び人員配置でございます。これにつきましては、適正な業務運営を行うために必要な人員を過不足なく確保するということでございまして、3つ目のポツに基本計画とございますが、2つ目のポツ、基本計画策定時には想定されていなかった新たな業務への対応は、円滑な業務遂行のための実施体制を確保するということで、色々な業務が発生しておりますので、それの実施体制をきちんと確保していくということでございます。
次に、人事方針、人事登用でございます。116ページに内容が書いてありますが、1つは、資格と職責のあり方について継続的に見直しを行うということと、2つ目のポツで、全国拠点網を安定的に維持・運営し、組織を活性化する観点から人事体系、人事施策及び人事配置ルールを再構築して適材適所の人事を行うということでございます。年度計画にも少し記載させていただいておりますが、全国拠点網を安定的に維持・運営するための全国異動を行うとともに、現場に近い地域部、事業推進役と連携し、組織の一体化を進めるための本部・現場間の人事異動を引き続き実施するということでございます。
117ページでございますが、高い専門性が求められる分野の業務を担う職員を安定的に確保・育成するとか、基盤的業務を担う人材の育成とキャリアパスを確立するということにも努めてまいりたいと考えております。
118ページでございますが、正規職員、無期転換職員及び有期職員の役割をより一層明確化していくということで、特に無期転換職員につきましては、拡大・活性化につなげるため、その役割に応じた人事体系を確立してまいりたいと考えております。
119ページは、高年齢者層の活用ですとか女性の活躍推進でございます。
また、120ページ、優秀な人材の確保にも努めてまいります。
また、人事評価制度について適正な運用をしていくということが、121ページに書いてございます。
122ページが人材の育成ということでございます。これにつきましては、今も実施しておりますが、階層別研修あるいは業務別研修を強化するということでございます。また、無期転換職員や有期雇用職員を含めました研修体系を総合的に見直し、実施してまいります。また、研修の質の向上を図るため、講師となる人材の育成の強化にも努めてまいります。
次に、124ページ、働きやすい職場環境の確立ということでございまして、働き方改革関連法への対応ですとかメンタルヘルス対策を中心とした取組を進めてまいります。
最後に、127ページでございますが、不要財産については、処分を進めていくということでございます。
大変雑駁な説明で恐縮でございますが、説明についてはとりあえず以上でございます。

○増田部会長 どうもありがとうございました。
大変大部にわたりますが、今年は中期目標・中期計画がちょうど切りかわる時期でありますので、こういう形になっておりますのと、これまでも議論してまいりましたが、今日、案文の形で示されておりますので、それに基づいて皆様方から御意見をいただくということにしていきたいと思います。
それで、2月に次回の会合が予定されておりますので、そこで今日の議論を踏まえて修文していただいたものを出していただいて、それで次のプロセス、諮問等を行う。これは、先ほど御説明したとおりであります。ということでございますので、この案文にのっとりながら、できるだけ幅広く、お気づきの点について御指摘いただきますと幸いであります。
それでは、只今の説明について御意見、御質問等があれば、各委員の皆様方からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
それでは、岩瀬委員、お願いいたします。

○岩瀬委員 今回の計画は、大きく3つの柱があると。1つ目の業務に関しては、質の向上、今後、何をやっていくか。不遜な言い方ですけれども、これでよろしいのかなと思うのですが、あとの2つの柱に関して、ちょっと細かいことも含めて、お聞きしたいと思います。
この中期計画及び年度計画というのは、この前の第三者委員会の再発防止策を受けて、それを確実に実行しているという前提に立っていると思います。ただ、今、4人の委員、検証作業班で、第三者委員会の提言そのものに漏れがないか、あるいは深掘りができていないところがあるのではないかも含めて、実効性と実現性を検証しているわけです。我々の検証が終わっていないから、素直に今の中期計画と年度計画を受け入れられない状況です。
そういう前提の中で幾つかお聞きしたいのですけれども、平成31年度計画の中で、再生プロジェクトが一応終わったのだから、未来づくりのための新たな計画を立てる。未来戦略室をつくるとお書きになっているけれども、第2期中期計画において、二度にわたって大臣から業務改善命令が出ているわけですね。これは再生できていないからこそ、こういう事態を招いたのではないですか。再生できていないのに、できていないことの課題を水に流そう。新たな未来戦略づくりという、このタイトルづけというのは、私はタイトル詐欺的な感じがあって、国民の皆さんにわかりにくいと思います。
だから、ここに関しては、再生プロジェクト、再チャレンジみたいな形でもう一度やり直すという真摯な姿勢が機構には求められているのではないか。これが私の一つの意見です。
あと、テレビ年金相談を引き続きやるということですけれども、テレビ年金相談を導入するに当たって、実績評価をきちんとした上で続けるか続けないかというのをこの場で議論することになっていたと思います。その実績評価というものが全然出てきていないので、わからないのですけれども、それを全員に配っていただけませんか。その上で、これを続けるべきなのか続けないのかという議論に発展していくと思います。ちょっと細かいことですけれどもね。
あと2つだけ聞きたいのです。99ページの外部委託に関するところで、本部内情報共有を図ると平成31年度計画で書いていますけれども、本部内情報共有を図るというのは、第1回目の大臣からの業務改善命令が出たときに、本部内情報共有を図る仕組みをつくっているはずですね。常勤役員会をつくって、重要案件を全部常勤役員会に上げることになっている。ここで平成31年度にもう一度つくるというのは、具体的にどういうことをお考えになっているのか、これは書き込む必要があると思います。同じことをやるのか、さらに進めるのか。それが1つです。
それと、もう一つは、これも私、非常に重要な問題だと思うのだけれども、124ページ、働きやすい職場環境の確立に関して、メンタルヘルス対策をきちんとやると書いています。産業医の活用とか。しかし、機構において、この第2期中期計画の中で3年連続で本部職員の自殺者が出ています。これに対して、私は今、検証作業班で色々情報が入ってくるので聞くのだけれども、パワハラで亡くなっているという現場の評価が来ている。これは、パワハラで亡くなったのか、あるいは個人的悩みがあって自殺したのか、それはわからない。それは、機構の中で検証すべきだと思います。人が3人も死んでいるわけだから。
2人、強引に関連させるつもりはないですけれども、扶養親族等申告書の関係の部署にいた人が亡くなっているというのは、きちんと検証して部会に報告すべきじゃないか。これ、全然発表もしていない。隠しているという印象です。これは、職員の働きやすい職場を確立するためには必要なことだと思います。パワハラが現場ですごく問題になっているということを指摘しておきたいと思います。
以上です。

○増田部会長 それでは、今、御指摘ありましたことについて、それぞれ項目ごとに機構、厚労省からお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
高橋年金管理審議官、お願いします。

○高橋年金管理審議官 1点目に、次の中期計画期間に向けた基本スタンスの話がございました。御指摘のように、これまで第2期、色々な問題がございました。一度、再生計画をやっている中で、また起きました。そういう意味で、次の期、第3期は、第2期で起きたことを棚上げにしてということは絶対あるわけではありませんで、当然、第2期の反省を踏まえながら、また第2期の改革がやり切れなかったところもしっかりやりながら、ということだと思います。
しかし、再生という言葉ではなくて、未来づくりという言葉を掲げた意味を考えておりますのは、落ち込んだものをもとに戻すだけではだめで、さらに上に行かなければいけないのですね。そういう意味で、再生という言葉だと、だめになったものをもとに戻す程度までなのですが、そういう語感ではだめで、もっと上に行かなければいけないというチャレンジングな意味合いを込めまして、未来づくり。未来づくりのためには、過去の反省と、やり足りないことをしっかりやった上でというのは、当然の含意だと思っております。

○増田部会長 それでは、お願いします。

○水島日本年金機構理事長 1点目につきましては、今、高橋年金管理審議官からお話がございました。私も全く同じでございまして、基本的に再生プロジェクトでやり残していることも多々あると思っております。これは、もちろん今、計画の中に全て引き継いでおりまして、それを踏まえながら、さらにお客様の御意見といいますか、ニーズといいますか、そういうところにお応えする体制をどういうふうにつくっていくかということも含めて、機構の未来をつくってまいりたいと考えているということでございます。
それから、2点目のテレビ年金相談に関してでございますが、もちろん実績を御報告申し上げた上で拡大していくつもりでございます。現在、具体的に拡大するという計画を持っている段階ではございません。
それから、本部内の情報共有でございますが、これは前回も同じことを申し上げたかもわかりませんが、本部内で情報共有をするためには、リスクがどこにあるのか、あるいは何がリスクなのかということが共有されていなければならないと考えております。したがいまして、外部委託問題に関して説明したのは、リスクをきちんと把握できていたかということについて反省すべき点があったということでございます。そういうことを踏まえまして、現在、本部の現業について全面的な見直しを行っておりますが、それを踏まえながらリスクを明確にして、それを本部内で共有して、それに対して対応していく体制をつくり上げたいということでございます。
それから、メンタルヘルスの件でございますが、御指摘の内容について、職員の極めて個人的な部分に属することでございますので、これに関しまして、どのような問題であるかということを公表するというのは適当でないと考えております。もちろん、起きた事態に関しまして、私どもとしてどう対応すべきかということについては、内部で真剣に考えておりますし、対応も行っております。そのような事態が発生しないように、あらゆる努力を続けてまいりたいと思っております。

○増田部会長 今、お答えがありましたが、何かございますか。それでは、岩瀬さんから何かあれば、もう一度どうぞ。

○岩瀬委員 その前に、部会長、この審議が終わった後にちょっと時間をいただきたいのです。検証作業班の関係で、ちょっとお願いごとがあります。

○増田部会長 わかりました。

○岩瀬委員 そこで、今の理事長の発言に対して、もう一回質問したいと思うのですけれども、2つだけ簡単にお聞きしたい。
テレビ電話相談に関して、実績評価をきちんとしておかないといけない。それが既に出ていないといけない。私も色々な資料をもらっていますけれども、とても実績が出ていると思えない資料です。だから、そちらの実績評価をきちんと出していただきたい。
それと、個人的な問題だけれども、本部職員が本部の中で首吊り自殺するというのはショッキングな問題です。それをパワハラだという声も出ているのに、今まできちんと調査をしていない。これからおやりになるのだったら、おやりになったことを部会に教えていただきたい。それは、我々は守秘義務がかかっているわけだから。それは、機構が働きやすい職場を確立していくために必要な作業だと思いますので、それも含めて検討してください。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 テレビ電話相談についての実績に関しましては、取りまとめて御報告いたします。
職員の問題に関してでございますが、もちろん調査はいたしております。しかるべく対処もいたしておりますが、そういう意味で、どこまで開示すべきかということも含めて、それぞれの個人の方々のお気持ちもあるでしょうから、それも踏まえて検討させていただきたいと思います。

○増田部会長 それでは、今日は各委員の方から問題の指摘等をして、また次回、中期目標・中期計画・年度計画を取りまとめるということでありますので、今の御指摘等も踏まえて、中でよく検討しておいていただきたいと思います。
それでは、どうぞ、お願いいたします。

○斎藤(聖)委員 民間の人間からすると、ずっと違和感が残っております。と申しますのは、今回の中期計画が終わるときには、団塊の世代の最後の年齢、1949年生まれが後期高齢者になるとき。ということは、かなり世の中が変わり、フェーズが変わる段階に入る、その重要な中期計画だと思うのですね。私ども民間企業ですと、事業環境に応じて、どうやって私たちは自分たちの会社を伸ばすのか、生き延びるのかということから計画を立てていきます。先ほどの御説明でも環境に応じてやっていきますということがありました。しかし、それが余り感じられない気がいたします。
これから5年間、人口動態が随分変わります。それから、テクノロジーがものすごく変わります。そういった中で、今、何をしようとしているのかということがもう少し明確に出た方が、国民には、こういう対策をしようとして頑張ってくださっているのだなというメッセージが伝わるのですが、前年を上回るようにこの目標値を設定しましたとか、そういう割と淡々とした書きぶりだと、そのあたりのメッセージが余り聞こえてこない気がいたします。これが第3期の中期計画ですと言っても、例えばこれを第2期ですと書き間違えたとしても、余り違和感なく読めてしまうところがあるような気がするので、そのあたり、もうちょっと御考慮いただけたらなと思います。

○増田部会長 今の斎藤聖美委員の御指摘は、今日の3本の中では、年度計画というよりは中期目標・中期計画の方の御指摘ですね。何かございましたら、特に、中期目標は厚労省にかかってくる部分ですが、高橋審議官、お願いします。

○高橋年金管理審議官 御指摘ありがとうございます。
社会保障全体で見ますと、これから2040年に向けて、まず大きな変わり目になっていく。御指摘のように、団塊の世代が後期高齢者になっていくという中で、その場合の影響というのは、特に医療や介護、そして生産年齢人口の労働者が減っていくという関係だと思います。年金については、実はもう既に65歳の山を超えて、団塊の世代が65歳に突入して大量に年金受給者がふえるというのが一番大きな山だったわけでございまして、今はもう受給者になっている。
むしろ、2つ目に御指摘いただいた点の技術的イノベーションの波の中で、業務の電子化ですとかデジタルファーストですとか、そういう意味で、今回の目標では、電子申請による事務処理の3営業日以内を目指すという、新しいタイプの数値目標を掲げさせていただいております。今までは、年金窓口の待ち時間を減らそうとか、どちらかというとそういうことだったのですけれども、ペーパーレスにして電子化を図って、特に被保険者証などをスピーディーに出すというところについて、新たなチャレンジングな目標も出した。
また、システム刷新なども進んでまいりますし、そういう意味で事務処理を新たに見直していくということが一番大きな柱だと思いますし、若干総花的に書きましたので、それぞれの部門で改善を図っていきますが、ポイントは御指摘のようなイノベーションへの対応。そして、事務をより高いレベルに持っていくということだと思っています。

○増田部会長 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤(聖)委員 受給者の手続のピークを超えたというのはわかるのですけれども、年をとってきて、後期高齢者のような、体が弱り、目がよく見えないような人たちは、年金事務所にはなかなか来てくれない。それから、お知らせが来ても、それを読む力、読解力自体が弱まってくる。つまり、今までコミュニケーションを普通にとれていたと思う人たちのコミュニケーション能力がすごく弱まるのだろうと思うのですね。そういった、今まで対象としていた人たちと違う人たちになっていくという意味で、後期高齢者が団塊の世代突入ということを申し上げたかったのです。

○増田部会長 ありがとうございました。
いずれにしても、ICTの活用と中期目標に書いていますけれども、政府の方でも今、唱えているのは、Society4.0の情報化社会じゃなくて、次の5.0で、サイバー空間とフィジカルと完全に融合した社会でどういう社会があるか。テクノロジーだけじゃないですけれども、そういう大きな変化をどういうふうに社会保障の分野が取り入れるかという大きな問題提起だと思いますので、また引き続き検討の方をよろしくお願いします。
それでは、ほかに。松山委員、どうぞお願いします。

○松山委員 報告、どうもありがとうございました。
今の斎藤委員の御意見にちょっと通じるものがあるので、続けてと思ったのですけれども、5年後のことを考えたときに、高齢者で本当に簡単な作業もできなくなってくるような方たちがふえてきたときに、事務手続とかを、今までのように窓口に来て教えるだけではできなくなるということを考えると、今の機構の人員配置。出てきた書類をチェックして、それを次に回すという事務作業にかかっている人たちをもっと抜本的に効率化して、その人たちを高齢者の方たちの手続のサポート、相談窓口をもっと拡充するのかどうかわかりませんが、そういう人員の抜本的な配置転換みたいなものも、恐らく5年の間には必要になってくるのではないかと思います。
5年間の計画なので、5年後の未来社会がどうなっているのかということを踏まえたときに、何とか率を上げますということではなくて、機構の中の大きな人員の配置転換とか、その人員を配置転換するためには業務の効率化のところをもっとITを駆使して、かなり本格的に取り組んでいかないと追いつかないのではないか。そのあたりがもうちょっと計画の中に反映されているといいのかなと思います。
事務の効率化というところに関して言わせていただくと、今までの中期計画の中ですごくたくさん出ていたのは、指示文書を抜本的に減らしていただいたとか、複数になっているマニュアルを一元化したとか、本当にいい取組をやっていただいたと感じているのですけれども、今の計画の中に、マニュアルを精緻化するという言葉があちこち出てくるのですね。ただ、私の素朴な感想として、あのマニュアルは、この後精緻化していくものではなくて、どちらかというともっとシンプルにしていってほしい。
というのは、精緻化して、あのマニュアルをいっぱいつくっても、全部遵守するというのは物すごく大変だと思います。業務の効率化を図るためには、いかにシンプルなマニュアルでやっていけるかという方向性の工夫をぜひやっていただきたいなと思います。
以上です。

○増田部会長 それでは、理事長さん、お願いします。

○水島日本年金機構理事長 未来づくり計画について具体的な内容をこれからつくり上げるということで、この中には書いておりません。今、おっしゃいましたようなことに関しまして、例えばチャネルのあり方、事務所のあり方。土日のチャネルをどうするかという問題、あるいは遠隔地のチャネルをどうするかという問題も含めて、抜本的に見直していかなければいけないと思っています。
これは申し上げたことがあると思いますが、今、1万880人という正規職員の枠があるわけであります。この中で、どこが効率化できる部分かというのは、前回も申し上げましたように、事務センターを効率化する部分だと思っておりまして、そこには2,500名の正規職員が従来おりました。これを今、2,000名まで減らしております。さらに、できれば可及的速やかに1,000名程度まで減らしたいと考えております。この1,000名を、本部現業もかなり減らしてきておりますので、スリム化がやや過ぎている部分があるかなと思って、本部にも配分しなければいけませんが、現場にも配分していかなければいけない。
現場のあり方をどうするかということでありますが、いわゆる事務処理拠点としての現場ということではなくて、機構では対策系業務と言っておりますが、例えば適用を促進するとか、徴収を促進するとか、納付率を上げるとか、そういうところの業務に特化した事務所といいますか、いかに事務所でやる事務を集約していくかという問題を進めなければならないと思います。
一方で、おっしゃるとおり、今まで再生計画の問題点というのは、内向きの計画だったということだと思っています。内部のコンプライアンスの問題とかマネジメントの問題があって、それを是正してきたということでありますが、これからやっていかなければならないのは、おっしゃるとおり、社会の変化や国民のニーズに応じて、どのような機構をつくり上げるべきかということが必要だと思っております。
今、行おうとしておりますことは、そういうことに関してチームをつくって検討することと同時に、ニーズ調査を徹底してどのように進めるかということであります。いわゆるアンケート調査という形ではなくて、セグメントして、きちんとした意見をおっしゃっていただける方々の意見を聞いていくというステップを、今年度中を目処につくり上げたいと思っております。
その中で、再生計画ということで3年間、非常に急いでやってきております。このスピードというのが、果たしてこのままでいいのかということに関して、もう一回立ちどまって、本来どうあるべきかということを含めて検討、考えなければいけない時期に入っていると。ある意味では腰を落として、今、御指摘のようなことも含めて考えていく時期に入ってきていると考えております。もちろん、先ほど御指摘ありましたように、再生プロジェクトでまだ実現していない点は多々ございます。
これについて、きちんとして対応していかなければなりませんが、今おっしゃったようなことを踏まえて対応してまいりたいと思いますが、これから計画をつくる状況にあるということで、どういう点について検討していかなければいけないかということを書き込むことはできるかもわかりませんが、具体的な内容については、もう少しお時間をいただきたいということでございます。

○増田部会長 よろしゅうございますか。はい。
それでは、ほかの方、お願いします。西村委員、どうぞお願いします。

○西村委員 私も似たようなことを言いたかったのですが、精神論については、相当具体的なことをお二人の委員の方に事象をおっしゃっていただいたので、具体的な書き方について、こういうふうにならないのかなというお願いというか、御検討していただければと思います。
要するに、デジタルファースト法案と言っていいのでしたか。あのまとめ方にならないのですかというのがありまして、過去の色々な、私が申し上げられるのは、業務の見直しとかシステムのところが中心になるわけですけれども、そうすると、ワンスオンリーにのっとって考えると、今の業務はどうなるのですかとか、デジタルファーストとかワンストップとか、それぞれで考えて、一気通貫で考えたらどうなるのですかというやり方にしていただければ、業務の見直しのところにも、社会保険オンラインシステムのところにも似たような表現がいっぱい出てくることはなくなるのではないかという気がしております。
特に気になったのが、77ページのオンラインシステムのところに、業務プロセスを可視化して分析を行う手法を活用しながら、合意形成を図りつつ。これは、全然デジタルファーストじゃないので、従来どおりのやり方ですと読めてしまうのです。本当ですかという感じですけれどもね。システム屋としては、現行システムがあるので、それを踏まえてと書きたくなるのはよくわかるのですけれども、空から降ってきているものを踏まえて見直すと、こうはならないのではないかと思って読んでおります。
具体的に言うのは時間がないので、ここでは遠慮しますけれども、このあたりを全部、どっちが軸かわからないですけれども、縦を横に組み直したら、もう少しきれいに整理して、政府方針に合っている形になるのではないかと思います。これは、中計も年度計画も同じかと思いますので、ぜひ視点を変えて見直していただければということで発言させていただきました。
よろしくお願いします。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、今の点については、御検討、よろしくお願いします。
ほかにいかがですか。どうぞ、齋藤委員、お願いします。

○齋藤(衛)委員 非常に細かい点で申しわけないのですけれども、対照表で言うと、87ページの左下のICTを活用した業務改善の実施という中で、ICTを活用し、AI-OCR技術の導入やRPA技術の拡大云々という文言があるのですけれども、私は事前にお話を伺ったときには勘違いしていて、AIとOCRなのかと思っていたのですけれども、どうもAIを使ったOCR技術というのが分野としてあるようなのです。
これは、この文言が目標と中期計画と平成31年度の計画にいっぱい出てくるのですけれども、恐らく最初に目標に書いてしまったから、そのまま挿入されていると思いますけれども、結構具体的な技術要素について書いてあるので、目標のところではここを書かずに、ICTを活用し、経過管理・電子決裁サブシステムの対象届の云々と書いて、年次計画の方で個別具体的に検討する技術が出てきたところで、個別の技術名を書いた方がいいのではないかというのが意見でございます。
というのは、技術要素をここに書いてしまうと、4年後ぐらいに、まだAI-OCRを入れていないじゃないかということで、OCRは手段なのですけれども、手段が目的化するようなことも見受けられるのではないか。それを避けるために、目標はふんわりと書いて、個別に検討する事項を計画に織り込んでいくという形がいいのではないかなという意見でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
目標の11ページの表現にもかかわるので、特に厚労省さんの方で、そのあたりと、あと具体的な年度計画は書いた方がいいと思いますが、そのあたりの整合をとるかだと思うので、また引き続き検討しておいていただけますか。よろしくお願いします。
ほかにはいかがですか。山口委員、お願いします。

○山口委員 2点ありまして、1点目は、今までの御意見と似ておりますけれども、今回、目標と計画の中にリスクマネジメントの視点を入れるということで、今まで色々な事象が起こってきて、2や3にかかわるような組織体制の土台に据えてこなかったことで問題の広がりを招いたところがあるので、リスクマネジメントを明確に位置づけて、それをきちんと機能させて定着させていくことは、この期の重要な課題であると思いますので、しっかり書いておくのはいいと思います。
ただ、同時に、リスクが出てきたときに迅速に対応するというのもありますが、リスクを潜在化させないとか拡大させないという視点も同じように重要で、そういう意味では、今やっていることの内容であるとか手法が有効であるかという有効性の検証は、日常の業務の中でも必要な視点かと思います。今までの事象は、それを見過ごしてきたか、余り目を向けていなかったときに大きな事象が起こるということの繰り返しがあったような気もしますので、日常的に変化の兆しを感じ取ることは、現場の業務に携わる方にしかできないので、そこもあわせてお願いしたいと思います。
もう一点が、最初の1の部分ですけれども、総務省の行政評価にありました、20歳に到達した方の加入について、御本人の届出によらず加入を職権で行うことについて、勧奨の手間を考えますと、昨年の部会でも理事長がそのあたりの国民年金業務にかけるコストのことをおっしゃっていたので、そこはコストの節約という意味でもいいのかなと思いますが、一方で、勧告の中で、自主的に届出をされている方と、そうでない方のその後の保険料の納付率の差がかなり大きいという指摘もあります。
そういう意味では、その後、継続的に保険料を納めていただくということも、より大事です。若い人は、知識もあまりないですし、手続的にも行政的な手続というのはちょっと遠い感じがしますし、それから、保険料を納めるという経済面でのハードルもそれぞれあります。これから成年年齢も引き下げられていきますけれども、早目の情報提供というところも含めて考えていくといいのかなと思います。
職権適用になるということも含めて、若い人の未納を減らすということの今後の戦略とか対応について、どういうふうにお考えになっているかということを改めてお伺いできればと思います。お願いします。

○増田部会長 それでは、お願いします。

○野口日本年金機構理事 機構の事業推進担当の野口でございます。御質問ありがとうございます。
御指摘のように、20歳の適用につきまして職権適用するということは、事前の勧奨の手続がいわば省略される。勧奨手続によって、半数程度の方から申し出があって、残念ながら半数の方からは申し出がないという状況の中でどうするのか。業務の効率化なり事務の効率化なりというコストの問題もございますが、もう一方で、20歳の届出のない方については、納付書が届くまで時間がかかるという問題も出てきてしまう。そのことが納付につながらないという逆の問題もあったりしますので、その辺を総合的に考えた上で、今回、こういう結論になったものということでございます。
ただ、御指摘のように、自主的に届出していただくプロセスがなくなってしまうのではないかというところは御懸念のとおりだと思います。私ども、それは意識しておりまして、特に20歳ということで、最初に国民年金制度に御参加いただくことになりますので、その辺につきまして制度の趣旨をよく御理解いただかなければいけないと考えてございます。
当然でございますが、納付書を送付する際に、今度新たに年金制度の御案内を作成いたしますけれども、その場合に免除申請書や学生納付特例申請書を同封することになりますし、また市場化業者の方々による納付督励についても、その辺、滞りのないようなやり方を工夫いただけないかと私どもとしても働きかけていきたいと思っております。
仮に、残念ながら適用されてから未納になってしまった方があった場合には、最初の未納が余り長引かない段階で働きかけを適時、行っていくという形で、長期の未納につながらないで、ぜひきちんと制度に御参画いただけるような取組を当然やっていきたいと思っております。
御懸念、まことにそのとおりでございますので、そのようなことにならないように、引き続き注意深く取り組んでまいりたいと思っております。

○増田部会長 ほかには。
それでは、大山部会長代理、お願いします。

○大山部会長代理 今の件に関係するのが1つと、別のことで質問したいと思います。
用語の定義があるので、私の知識が不十分で恐縮ですけれども、職権適用という言葉を聞くと、うっと思うのですね。全員が入るのがわかっていて、なぜわざわざ職権適用という言葉を使ってやろうというプロセスが残っているのか自体、非常に違和感があります。というのは、先ほどの勧奨の話ではありませんが、さまざまなプロセスが動いていて、特にシステムで見ると、そこをわざわざ区別して、また管理するようなことをやらなければいけなくなる。制度的に、今の時点ではそう言わなければいけないというのなら、それはそれでわかるのですけれども、改善しようという意識も一方では絶対必要で、結果として同じである。ゴールが何かに向けて、制度を含めて対応の仕方。
これは、今ここで言うと色々怒られるのであれですけれども、色々な業務の見直しというのは、ひょっとすると、その後は制度の見直しにつながっているかもしれないということを、ぜひここはちゅうちょせずにしっかりできるかどうかということを見ていただきたいなと僕は思います。そうでなければ、業務フローの見直しも含めて、効率化と言っても実際は何も変わらないのではないかと思うものですから、今の点をお願いしたいと思います。
それから、もう一つの方ですが、31ページ目。ここはちょっと教えていただきたいのですけれども、あるいは資料があれば見せていただきたいのですが、第3期中期計画の(3)の「滞納事業所の傾向や対策の効果」の次の行に「などの分析結果に基づき、効果的・効率的に事業が行えるようシステム化に取り組む」と書いてありますね。これは、このまま文章で見ると、分析結果に基づきだから、分析結果があるのだろうと思います。この分析結果があるとすれば、それをぜひ1回教えていただきたい。
というのは、システムをつくる上で、もし分析結果がなくて、これからだという話かどうかでは大きな違いになってきます。それと同時に、これを効果的・効率的に事務が行える。この事務というのは、滞納事業所を減らすためのと、当然思うのですけれども、その辺が私の頭の中でうまくつながってこないものですから、この説明と、もし資料があればお見せいただきたいと思います。
それと似たような話で恐縮ですが、これも先ほど来の話を伺っていて、36ページの最後の(5)に当たるのですけれども、RPAとAI-OCRの話があるのですが、デジタルファーストをやろうという話をしているときに、これは紙を残すことを前提にする技術をまだ導入するつもりかという、済みません、ちょっとひねくれた見方をすると、そういうふうに見えていまして、これを頑張るのですと書かれると、そこはどういう考え方なのだろうというのがいま一つすっきりしない。
ましてや、人が読んでも間違うような話を、AI-OCRができると、私にはそれは信用できない話でありまして、国の機構さんの中期計画にこういう形で書くのは、これも検討していますぐらいだったら、まだいいのですけれども、導入して効率化を図ると書いてある。ましてや正確性の向上をどうやるのだろうというのが、全然頭の中に道が見えないものですから、真っ暗の中で光が一つも見えない計画というのはどうなのかなと。ごめんなさい、これは私の感覚です。ということを質問したいと思います。
以上です。

○増田部会長 それでは、お願いします。

○野口日本年金機構理事 御質問ありがとうございます。機構の野口でございます。
最初に、31ページの滞納事業所云々のところの御質問の件でございますが、実は中期計画で書かれていることを受けまして、年度計画で書いてあるところでございます。そこを見ていただければおわかりになると思いますが、現実にシステム化として検討するということにつきましては、私ども、幾つか複数の徴収業務に関してツールを使用してございまして、その辺は統合して現場で使いやすいツールにしていきたいという、具体的な検討課題が1つございます。そういう意味でのシステム的な改修を行いたいという内容が1つございます。それが具体的に年度計画に書いてございます。
そのほか、先ほど前段にございました、滞納事業所の傾向や対策の効果などの分析というところにつきましては、これはぜひ必要である。今後しなければいけないと思っておりまして、例えば滞納事業所の規模でありますとか、滞納がどのぐらいの期間でありますとか傾向などを統計的に分析できるようなシステム。そういう分析によって、どうすれば滞納事業所をより効果的に減らせるのかということを想定して書かせていただいているという中身でございます。

○増田部会長 もう一つの項目。

○安部日本年金機構理事 御質問ありがとうございます。
先ほどの36ページと37ページの部分でございますが、ここはまだ紙による届出書、もしくは現行システムを前提として、ここに記載してございますが、予約相談等の事前準備等というものが、今のシステムから必要な情報をアウトプットするという膨大な作業がございまして、そういった部分にRPAを導入するということをまず業務の効率化という前提で考えているということが1つでございます。
それから、AI-OCRにつきましては、まだ紙で年金給付の関係、お届けいただく部分が多数ございます。その1つで、昨年ございました扶養の関係でございますが、これをどうしても必要な方で入力処理、入力を外部委託にやるというのがまだしばらく続く部分がございまして、その部分をAI-OCRを使う形で入力処理を簡便化するなり、入力誤りを防止するなりという観点で導入を検討していきたいというのが、今のここに記載している部分の内容でございます。

○増田部会長 どうぞ、理事長。

○水島日本年金機構理事長 職権適用の言葉は、確かにやや問題だと思います。ただ、届出がなくて適用しているということを今、行っているわけですが、それを全員に届出なしで適用するということになりますので、それは職権適用と言えば職権適用、言わなければ言わない。どういう言葉か、打ち合わせさせていただきたいと思います。
それから、滞納処分といいますか、大山先生、御理解いただいた上で御指摘いただいているということで、もしかすると同じことを申し上げることになるかもわかりませんが、本部と現場との間で情報共有が行われていない。データをホストから落として、ツールによって現場では色々なことが行われている。それをエクセルの場合もあるし、紙で報告をとって、それを分析するという形になっているわけですね。そういうことで、少なくともデータが共有されていないことによって分析が十分でないといいますか、本部施策と現場の施策がリンクしない面が非常に強いという面があります。
フェーズ2を待っているわけにはいかないので、これを完全にでき上がらせなければいけないと思いますが、フェーズ2に移行する過程でどういうものであるべきかということをつくっていきたいというのが、ここの趣旨でございます。特に厚生年金に関して、国民年金も同じでございますが、ツールによって色々な事業の推進が行われている点が、本部との間の情報共有が行われていない大きな原因でございますので、そこについて改善を図っていきたいということです。
RPAとAI-OCRに関しましては、御指摘のとおりだと思います。ただ、まだ紙届出が5割ぐらい残っているという状況の中で、インハウス化しなければいけないということなのです。インハウス化するときに、外に出せば、ベリファイでパンチでできるわけでありますが、個人情報を中でやらなければいけない。
その場合に、ベリファイの仕組みを機構内部につくり上げていくということが、コスト面でもなかなか難しい面があるということがございまして、少なくともAI-OCRで定義ファイルをつくって、もう一度入力して、そこでベリファイのようなことを行うということが必要だという意味で、ここに書いてあるわけですが、おっしゃるとおり、年度計画で処理すべきか、中期計画で処理すべきかということについては、御指摘のとおりだと思います。

○増田部会長 大山先生。

○大山部会長代理 ありがとうございます。
お話は大体わかるのですが、前から申し上げているのですけれども、届出書については、OCRについて最も有効なのはロジックの導入のはずで、何らかのロジックが入れられるかどうかというのをぜひ検討なさるべきと思います。よく言う話で、e-Taxじゃありませんけれども、最後の結果が合うかどうか。どこか1カ所数字を間違うと、結果としてはじかれるようになるというロジックが入っているわけで、この場合、今すぐ答えは出ないのですが、ぜひそこはお考えいただいた上で、今のようなお話に進むのではないかと思います。
それから、適用の話は言葉なので結構なのですが、しばしばシステムの話を伺っていると、皆さん方がお話になっている事務処理としての説明は、システム的には全く違うことが多いのですけれども、受注する側は皆さんが言っているとおりにつくろうとするので、それによって値段がとんでもなく無駄に上がっていくようなことも多々見受けられるという印象を持っています。したがって、そこについては、本当に必要なもの、自分たちの専門用語と相手の技術をやっている人との間がうまく会話できるような仕掛けというものを、ぜひお考えいただきたいなと思います。
以上です。ありがとうございました。

○増田部会長 それじゃ、よろしくお願いします。
ほかにございますか。石井委員、お願いします。

○石井委員 先ほど松山委員がおっしゃったことの続きで、マニュアルの精緻化に対して、4人の検証班の委員はほぼ一致して、どんどんマニュアルを厚くしていくことによって物事が改善されるとは、どう考えても思えないという結論になっておりまして、まだ最終報告は出しておらないのですが、これだけは申し上げておいた方がいいかなと。
それに関連して、平成31年度の扶養控除等申告書にかかわる外部委託について、今回もインハウス型というやり方に少し改善して、800万件くらいというイメージの御説明があるわけですが、ここでもう一点、大変残念なSAY企画のあの年度において、その件数は何件だったかというのをもう一回教えていただきたいのです。たしかあのときはもっと多かったような記憶があって、もしそうだとすると、その多いことを基準にしてマニュアルをどんどん精緻化するという作業もどうなのかなということがありますので、そこは1点、ぜひ確認させていただきたい。多分、すぐお答えいただけると思います。
それから、ちょっと細かくて、しつこくて恐縮ですが、この想定できなかった、大変質の悪い外注業者に対して、この場で過去に損害賠償をされているのですかということを私、お聞きした記憶がありまして、それのてんまつ、あるいは現時点における状況はどうなのかというのを教えていただけないかなと思っています。先ほど斎藤委員がおっしゃったように、システムの問題を考えていくと、色々な言葉で言われているような、とてつもない大変動というか、地殻変動が起きているので、色々なことを今までと同じ延長線上でつくっていくみたいな議論は、もうできない。これもどうしても理解していただくしかないのかなと。
それとの関係で、46ページに、これは私も初めて拝見して、なるほどという部分もあるのですが、年金事務所での相談について「人口動態の変動を踏まえた年金事務所の適正配置(分室の設置を含む)」。これに関して継続的検討を行うとともにと、最終的にこの中期の期間で検討するだけではなくて、実施するとはっきり書いていただいていて、これはなかなか画期的な作業なのだと思います。
人口変動だけなのかとも思うのですけれども、これは結論としてはとても画期的で、大都市と田舎とのかかわりの問題とか、あるいは場合によっては、先ほどのように、動けないし、見えないし、わからなくなった方たちが、実は地方にたくさんいたりすると、訪問型ということも考えなければいけないのかもしれない。来年度は検討するということで、まだ実施するというコメントはないのですけれども、ぜひしっかり検討いただければと思いました。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
まず、理事長さんお願いします。

○水島日本年金機構理事長 マニュアルの精緻化ということに関してでございますが、ちょっと誤解を招いているかもわかりませんが、統一マニュアルをつくって、現在運用しているわけでありますけれども、現場からは、このあたりについて、よりわかりやすくしてほしいという意見が多々寄せられております。そういう意味で、今やらせておりますことは、例えば「適切に」という言葉を全部洗い出せと言っております。基準が明確でないものについて全部洗い出した上で、その基準を明確にするという作業をしなさいと言っているのが精緻化という部分でございます。
これをさらに細かく、大量にしようということを考えているのではございませんで、今、よりわかりやすくするということと、ウェブ化を進めておりますので、そういう意味で使い勝手がいいものにするとか、そういうことも含めて進めていこうということでございますので、精緻化という言葉がいけないかもしれません。ちょっと変えてみたいと思います。
それから、外部委託でやや正確さを欠くことがございます。SAY企画に委託いたしましたのは、前年から申告内容が変わった方についての入力を委託したわけでございます。550万件を超えるものだったと思います。本年の800万件のうち、入力を必要としたものがどのくらいあったかということでございますが、110万件程度でございます。したがいまして、昨年と比べますと、入力の件数は550万件から110万件程度に減少したということでございます。これは、昨年、税制改正が行われましたので、その分が多かったということでございます。
この外部委託のマニュアルに関しましても、インハウス化を前提としておりますので、従来とはかなり異なったものをつくっておりますので、また御説明することはできますので、御指示いただければと思います。
それから、事務所の適正配置に関してでございますが、これも何度か申し上げてきておりますが、従来、社会保険庁時代から事務所の配置は各県が行っておりました。全国的な整合性をとった事務所配置が行われてこなかったということでございます。そういう意味で、いわゆる人口動態の変化によって、事務所網が極めて不足しているところが、たくさんということではございません。何カ所かございます。これに関しては、きちんと対応していかなければならないだろうと考えているということでございます。
一方で、極めて過疎化したところに事務所があることも事実でございます。しかし、過疎化したからといって事務所がなくていいかという結論にはすぐには至りませんので、基本形はどういう事務所形態であるのかということを踏まえながら、基本形をつくった上で、それぞれのニーズに応じたサービスが提供できるような体系をつくり上げていくことが必要だと考えております。これがすぐにできるかということでは必ずしもございませんが、順次、進めてまいりたいと考えているということでございます。

○増田部会長 あと、損害賠償はどうなっていますか。お願いします。

○尾崎日本年金機構経営企画部長 年金機構の経営企画部の尾崎でございます。
損害賠償の状況につきまして御報告申し上げます。今、株式会社SAY企画につきましては、解散公告という形で手続が進んでおります。私どもといたしましては、債権約2億2,000万円の損害ということで、SAY企画の解散公告を受けまして、代表清算人に対しまして会社法に基づく清算手続として、債権申し出をするという形で損害賠償請求を行い手続を進めているという状況でございます。その状況を踏まえまして、顧問弁護士とよく相談しながら、しっかりと対応していきたいという状況でございます。
以上でございます。

○増田部会長 石井委員、よろしゅうございますか。

○石井委員 はい。

○増田部会長 ほかに。喜田村委員、どうぞお願いします。

○喜田村委員 既に出ていることと大分重なりますけれども、少しアバウトなことを申し上げたいと思います。
中期計画というのは5年ですので、大変難しいということはよくわかった上で申し上げますけれども、この中でこういうふうにしていくというもの、大きく分けると、過去において足りなかったところをきちんとやっていきましょうというのは当然あります。それと並んで、新しい問題が生じるでしょうということで、今までなかった、あるいは極めて少なかったけれども、という前提のもとでやっていくことが当然あると思うのですが、先ほど総花的という御説明もありましたけれども、これを普通に読むと、どこに特色があるのかという理解が、私などでもどうしても難しいのです。
そういたしますと、この5年というのがどういうことなのかということを見据えて、過去の問題ももちろん対処しなければいけないというのはよくわかりますけれども、今後、出てくる問題をどういうふうに認識して、それについてどういうふうに対応しようとしているのかというところをもう少し書いていただく。
先ほど理事長は、もう少し書くことも考えられるということをおっしゃっておられましたけれども、この年から始まる5年というものは、どういう問題の設定があるということなのか。そして、それについて機構としてどういうふうに対応しようとしているのかということがもう少しわかるように書き込んでいただくと、これは一般の人も見るわけですから、そういう点からすると理解が進むのではないかなと思いました。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
これは、厚労省と機構、双方に対しての御意見だと思いますので、また次回までによく検討しておいていただきたいと思います。
それでは、この場での意見という意味では大体出たと思いますので、引き続き御検討の方をよろしくお願いしたいと思います。この部分は以上にさせていただきたいと思います。
残り、時間が少し厳しくなってきたのですが、次の議事次第「その他」ということがございます。資料が3つ出ておりまして、事務局からその資料の説明をしていただいた上で、御質問、御意見頂戴したいと思いますが、簡潔に説明の方、お願いします。どうぞ。

○駒木大臣官房参事官 システム担当参事官でございます。
資料2-1をご覧いただきたいと思います。刷新プロジェクトの憲章につきまして御報告させていただきます。
今般、刷新プロジェクトを進めるに当たりましての現時点での基本的な方針、これは目的でありましたり、要求事項あるいは課題、工期、運営体制といったことをプロジェクト憲章として整理いたしました。刷新プロジェクトは、副題にもございますように、記録管理システム等の刷新ということでございまして、記録管理システム、基礎年金番号管理システムといった被保険者周りの方のシステムということの刷新でございます。
また、括弧書きにございますけれども、今後、プロジェクトの進捗に応じて見直しということで、今回は第1版ということで整理させていただいておりまして、今後、開発準備工程などを経て、また改めて検討していくということを前提といたしております。
資料にございます目的・背景でございますけれども、新たな環境変化・ニーズ対応ということで、デジタルファーストであったり、情報連携あるいは効率的な業務体制の構築等々のニーズ。
あるいは、2番のシステムの根本的な問題というものがございまして、1つ目がシステム構造の問題ということで、このシステムは約40年稼動しておりますけれども、建て増しに建て増しを接いだような建物になっていまして、システムの構造が非常に複雑化しております。制度改正等に対しても柔軟に対応できず、影響調査だけでも非常に時間がかかる大きなシステムになってございます。こういった複雑化の問題。
記録管理の持ち方も、制度別あるいは事務所別で記録を管理するということで、非常に分割管理、複雑化しているというものでございます。
また、紙や目視での作業を前提としたシステムになっておりまして、システム機能として非常に弱いものがございます。
また、発注者主導が確立できていないという問題もございます。
こういったところを業務とシステム、両面から刷新いたしまして、中長期に持続可能な業務基盤を確立したいということが狙いでございます。
2ページ目に、これまでの取組あるいは今後のスケジュール感がございます。
これまでフェーズ1ということで、現行のデータベースや大きなシステムの部分を持ちつつ、改善できる部分は順次改善で取り組んできております。「経過管理・電子決裁サブシステム」の稼動など、段階的に効率化できる部分あるいは改善できる部分はスタートさせております。
大きなところがフェーズ2でございまして、こちらはデータベースを新しいものにする、あるいは周辺のサブシステムも大きく取りかえるということでございまして、これが非常に大きなプロジェクトになります。こちらに当たりましては、憲章にも整理させていただいておりますけれども、まずは業務プロセス点検をしっかりするということで、現行の業務を引きずったままでの新しいシステム開発では意味がないということもございまして、現行の業務のフローをつくり、これについてシステム化できる部分、効率化できる部分がないかということをしっかり検討する。そこから要件、定義をするということでございます。
また、開発準備工程ということで、非常に難易度の高いシステム開発になりますので、プロトタイプ、試作品的なものを用意いたしまして、これで開発の見通しなりを立てるという工程を1年ほどかけて、来年度から行いたいと思っております。こうした業務プロセス点検や開発準備工程を行いまして、詳細設計あるいは本格的な開発というものを段階的に行っていくということを考えております。
3ページ以降、憲章の概要、今、申し上げたようなことを個別に整理させていただいておりますので、後ほどお目通しいただければと思います。
また、資料2-2の方では、先ほど申し上げた憲章の全文を御紹介させていただいておりますので、こちらも後ほどお目通しをいただければと思います。
以上でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、どうぞ。

○巽事業管理課長 資料3を見てください。これは、総務省の方から、年金業務の運営に関する行政評価・監視ということで、昨年末、12月25日に勧告が出ております。それについての概要と対応の方向性。これは、これから厚労省の方でフォローアップがあるわけですけれども、方向性という形で出させていただいているところでございます。
まず、20歳到達者の適用の仕組みの見直しということで、現行は届出勧奨を行ってから、届出のない者は職権適用している。これは、大山先生、先ほど職権適用ということでしたけれども、法律上は届出と資格取得の確認ということで分かれております。そういうことで、資格取得の手続をしているということです。届出勧奨後に届出した者は約半数程度、実態としてあるということで、先ほど機構から説明がございましたけれども、そういうことでございます。対応の方向性としましては、住基台帳により把握した20歳到達者には、届出勧奨を行うことなく、資格取得の手続を行うスキームに見直すということでございます。
それと、国民年金の収納対策の強化として、国民年金保険料の納付率は上昇しているところでございますけれども、納付率の向上に有効な口座振替促進の取組の効果が十分に上がっていないという御指摘がございました。その対応の方向性としましては、今回の中期目標におきまして、口座振替の利用促進とか効果的な利用勧奨の実施について明記したいということで考えているところでございます。
3つ目は、保険料免除審査の徹底ということで、免除審査に必要な生活保護の情報につきまして自治体から提供を受けておるところでございますが、一部の提供されていない実態が存在しているという勧告でございます。この対応の方向性としましては、全国的な実態を調査しまして、提供されていない自治体に対し、改めて提供依頼をしたいということでございます。
4つ目は、追納制度の利用促進ということで、追納は納付義務のない免除期間を任意で納める制度でございます。このため、これまで追納勧奨は積極的に実施されていないという実態がございました。この対応の方向性としましては、低年金者対策としまして、これも中期目標等にこれまでの対策の分析を行いまして、年次計画に書いてありますけれども、例えば20代後半から30代前半に追納割合が高いという成果も出ておりますので、効果的な勧奨を実施するということを明記したいと考えているところでございます。
5つ目は、所在不明となった年金受給者の定期的な調査あるいは把握でございます。過去には、後期高齢者医療の情報を活用することによりまして調査を実施しておりましたけれども、その後の調査が未実施だという御指摘でございます。これにつきましては、把握するための方策につきまして費用対効果も踏まえて実施予定ということになっております。
最後に、国民の視点に立った年金業務の実施ということで、失業特例免除の2回目の申請時において、一度提出済みの離職票の添付を再度義務化している、あるいは納付順を誤った追納保険料が一律に還付されている等の取扱いを見直すべきだという御指摘でございます。これにつきましては、過去の添付書類を画像化することによりまして、再度の提出を求めない取扱いとしたい。あるいは、追納順を誤った場合でも、還付せずに充当できるような取組の見直しという方向性で考えているところでございます。
以上でございます。

○増田部会長 あと、最後、報酬規程のところ。

○安藤日本年金機構人事企画室長 機構人事企画室の安藤と申します。
資料4の役員報酬規程の改正案について御説明させていただきます。
まず、1の改正の趣旨でございますが、平成30年の人事院勧告を踏まえまして、国の指定職の取扱いに準じた役員報酬規程を改正するものでございます。
2の改正概要につきましては、賞与の改定ということでございまして、年間3.30月を年間3.35月、0.05月分引き上げるということでございまして、内訳につきましては、マル1の勤勉手当の支給可能総額の月数を0.05月分引き上げるということ。それから、マル2の期末手当につきましては、年間の支給月数は変更せずに、6月と12月期が均等になるように配分するというものでございます。
2枚目以降に、いわゆる国家公務員給与法の概要と給与勧告の骨子を添付しておりますので、御参照いただければと思います。
3の改正・施行予定日でございますけれども、平成31年2月1日ということでございまして、先ほどのマル1の勤勉手当につきましては、平成30年12月の賞与から遡及して適用するということ。それから、マル2の期末手当につきましては、平成31年6月期より適用ということで進めてまいるものでございます。現在、これらの規程につきまして改正の準備をしておりますので、この場において御報告させていただきます。
以上でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、只今3つ、資料がございました。この点について御質問ですとか御意見ございましたら、お願いします。よろしゅうございますか。
どうぞ、岩瀬委員。

○岩瀬委員 このことじゃなくて、検証作業班の件で部会長にお願いごとがあります。

○増田部会長 どうぞ。

○岩瀬委員 検証作業班で4人の委員が集まって議論をしました。報告書の方向性なども議論したのですけれども、その中で4人の委員の一致意見として、機構側が提出しない資料に関して、どうしても出していただきたい。検証作業班の報告書を書くに当たって必要な資料だというのが、4人の委員の一致意見です。
RFIの資料を全然出さないのです。3カ月、ずっと要求しているのだけれども、出てこないので、これは出していただきたい。それを我々の4人の一致意見として部会長にお諮りしたいと思いますので、我々の意向を御判断いただいて、必要とあれば機構側に請求していただけないかというお願いが1つです。
あと、簡単な質問が2つあって、理事長にちょっとお聞きしたいのですけれども、先ほども出ましたが、担当部門がリスクをリスクとして把握していなかった。これは、第40回の部会で言っているわけです。さっきも理事長が言ったのですけれども、この担当部門という言葉は何を指しているのか、教えていただけませんか。普通に理解すると、年金給付部と理解するのだけれども、年金給付部だけなのか、年金給付部の担当理事も含まれているのか、そこも1つ教えていただけませんか。
もう一つは、2018年6月4日、第36回年金事業管理部会での理事長の御発言ですが、SAY企画との関係で守秘義務契約書が提出されていない。つまり、800枚の守秘義務契約書が提出されないと事業ができないという機構のルールがありながら、その時点で52枚しか提出されていない。しかも契約上、有効な守秘義務契約書はたった11枚しか出ていない。なぜこの事業を進めたのですかという私の質問に対して、誰がどのような経緯で認めたかということは、基本的に認めるということを決定した経緯はございませんと言っているのですが、これは事実なのかどうか。これも中間報告書で必要なことなので、御回答いただきたいと思います。
その2つです。

○増田部会長 それでは、今の質問の方、理事長さんからお願いします。

○水島日本年金機構理事長 3点あったかと思います。
まず1つ目、資料を提出しろと。これは、御要請に従って、基本的に60を超える資料を御提出申し上げておりまして、RFIについてでございますけれども、RFIの提出を依頼するときに第三者に提供することはありませんと書いてあるわけであります。したがいまして、これからその提出をしていいかということについて確認をとるというステップが必要だということを御説明申し上げております。その点を申し上げておきたいということが1点目でございます。
それから、リスクをリスクとして十分把握できなかったというのは、給付業務調整室というところがございまして、そこが担当部門でございます。ここのラインだったということと、そこに関しては担当理事も含まれていると考えております。

○岩瀬委員 担当理事は入っている。わかりました。

○水島日本年金機構理事長 入っております。
それから、3点目をもう一度おっしゃっていただけますか。恐縮です。

○岩瀬委員 3点目の前に1点目に関して、これは4人の委員の一致意見ですけれども、我々は部会長の了承を得て、この検証作業をやっている。そして、厚労大臣も参議院の厚労委員会で言っているのですけれども、年金管理事業部会がその第三者報告書等々をきちんと精査した上で、大臣が指導・監督していくということになっていて、部会がつくった検証作業班で今、作業を進めています。
それで、この作業というのは、国民との信頼関係を損なった事故に対して、それを回復していくための再発防止策は有効性があるか、実効性があるかというのを見るわけです。外部の事業者との信頼関係よりも、より重要なことだと思います。我々はみんなで話し合った結果、無条件で見せていただきたいということになった。それに関して、限定的に守秘義務は既にかかっていますけれども、RFIを見るに当たって、全員が守秘義務契約書等々にサインして提出するということにも合意していますので、これは無条件で出していただきたいということです。
それで、もう一つの質問ですけれども、理事長、後で確認していただいてペーパーで出していただいても結構ですけれども、誰がどのような経緯で認めたかということについては、基本的に認めるということを決定したという経緯がございません。いわば事態の推移に任せて事業が開始されたということが実態だと思っております。これは、もし事実だったら、こんな組織はあるのかなと普通考えるのですけれども、再発より、未来よりも、普通の組織の感覚。誰も責任者が決裁しないで勝手に動いてしまうというのはあり得ないことだと思います。ここに関して事実なのかどうか、後でペーパーでいただきたいのと。
もう一つは、機構の決裁規程をいただきたい。それと、この事業に関して、誰が決裁したのかという決裁文書のコピーもいただきたい。どこまで決裁されていたかというのは、検証作業班の報告書の中に書く必要があるので、それはお願いしておきます。
以上です。

○増田部会長 RFIの資料について、我々のここでの議論をより効率的に意味あらしめるために、検証作業班に色々な作業をお願いしていて、当然のことながら、外部に提供するということについて、色々問題があるということは十分承知していますが、一方で、不祥事に対しての対応策をきちんと検証するということで、守秘義務をきちんとかけて、その中身を見るということも必要だと思いますので、どういう手続とか、どういうことが必要なのかということも整理してもらって、いずれにしても、特に4名の委員の皆さん方にはきちんと見ていただく必要があるのではないかと私も思いますので、その方向で考えておいていただきたいと思います。
あと、理事長さん。

○水島日本年金機構理事長 御理解いただきたいのは、私どもは資料を全部お出しするという基本的なスタンスは持っておりますし、お出ししているつもりでございます。ただし、個別の契約として、そういうことがあるわけでありますので、そこに関しては、出したい気持ちはやまやまです。ただ、そこについて手続は一応とらせていただきたいということでございまして、その手続をとらなくてもいいかどうかについては、もう一回弁護士に確認させていただいた上でお出ししたいと思います。
それから、最後の点に関しましては、議事録を精査いたします。おっしゃったことについては、多分、僕はそういうふうに言っていると思います。

○岩瀬委員 議事録に残っているのですから。

○水島日本年金機構理事長 ですから、そういうふうに申し上げているわけです。ですから、それをどういう経緯で申し上げたかということを紙にすること、それから、どのような決裁文書があるかについてお出しすることについては、問題ございませんので、お出しいたします。

○増田部会長 それでは、よろしくお願いいたします。
それでは、以上で今日の会議は終了させていただきたいと思います。
次回、本日の議題の続きということになりますが、大臣認可等の関係で諮問答申等の手続ということになりますので、今日の議論を含めて修文の方をきちんと仕上げていただいて、それで、次回、会議を開きたいと思います。よろしくお願いします。
次回の日程につきましては、事務局から改めて御連絡することといたします。
本日の会議は、これで終了いたします。どうもありがとうございました。
 

 

(了)

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