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2018年10月17日 第39回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成30年10月17日(水)13:00~15:00

 

○場所

厚生労働省18階 専用第22会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2
 

○出席者

増田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、西沢委員、西村委員、原委員、松山委員、山口委員

○議題

(1)業務運営に係る改善措置の実施状況について
(2)次期中期計画の策定に向けて
 

○議事

 

 

 

○黛年金事業運営推進室長 それでは定刻になりましたので、ただいまより第39回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
初めに、委員の出席状況でございますが、本日は、椎野委員が御欠席でございます。また、山口委員におかれましては遅れての御出席、原委員におかれましては、他の用務のため途中退席されるという御連絡をいただいております。
それでは、議事進行につきましては、増田部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)


○増田部会長 それでは、議事次第に従って「業務運営に係る改善措置の実施状況について」を初めの議題としたいと思います。
この1番目の議事の関係ですけれども、こちらは日本年金機構で扶養親族等申告書に係る一連の事務処理について、今年の6月の当部会において、機構が行った9月末時点での改善措置の状況を部会に報告するように要請をしておりました。
また、同じく6月に厚生労働大臣から出された業務改善命令においても、9月末時点での改善措置の実施状況の報告が求められておりました。
これらのことから、本日は、これまでの間の機構における取組について、機構から御報告をいただきまして、その後、委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。
それでは、機構からの説明をお願いします。

○林再生プロジェクト推進室長 再生プロジェクト推進室長の林でございます。私から資料に沿って御報告を申し上げます。
資料の1-1は機構から大臣への報告で10月12日付けで報告を行っているものでございます。内容につきましては、資料1-2の「業務運営に係る改善措置の実施状況」に沿いまして、また、資料1-3が参考資料集ですので、これも参考にしながら、御説明をしていきたいと思います。
まず、資料1-2の1ページ目でございますけれども、冒頭に今、部会長からも御紹介をいただきましたこの報告書の位置づけ、定義を書いております。報告事項のところに目次が書いておりますけれども、先般、報告書とそれを受けた改善命令の内容を踏まえ、項目を分けまして、報告しております。
1として、調達・委託管理・監査ルールの見直しを行い、それに関わる組織体制を強化していったことが1つでございます。
また、具体の契約につきまして、可能なものはインハウス型委託を推進するよう提言されていますので、その状況が2でございます。
また、今後の取組も含めまして、IT化、システム化を推進する。あるいは人材育成、本部組織、本部現業のリスク管理の見直し等を行うといったものにつきまして、以下、御報告しているものでございます。
まず、1枚目をおめくりいただきまして「調達・委託管理・監査ルールの見直し及び組織体制の強化」でございます。調査報告書でも詳細にわたり、具体的な提言をいただいたところでございまして、提言内容を踏まえ、機構内部のルールの見直しをしており、8月1日より新ルールによる運用を開始してございます。適用状況は後ほど御説明いたします。
参考資料1-3の6ページをご覧ください。調達・外部委託を行うに当たって、そもそも事業の企画段階から調達の手続、そして契約を締結し、契約締結後に、履行前に事業者の能力等について検査を行い、その後、履行が開始すると、こういった段階を踏むわけですけれども、それぞれの段階ごとの主立った取組内容と、それについてのルールと関係部署の関わりを書いております。これを参考にしながら本文をご覧いただければと思います。
まずは、ルールの見直しです。事業の企画段階ということで、表にマル1と書いてあるところでございます。ここにつきましては、特に業務の内容に応じまして、重要案件につきましては、プロジェクトチームを設置するといったことをルール化する。
あるいは、RFIの実施結果を踏まえて事業計画を策定して、常勤役員会に付議するといったことなどをルール化しております。区分によりますけれども、この段階で重要な案件等につきましては、企画段階で、後から御説明をします調達企画部の関与、担当部署で共通してリスクの把握、あるいは技術的な可能性等、過去の記録を踏まえたチェックを行うことにしてございます。
マル2で「調達手続」でございまして、調達手続後、契約までのルールでございます。RFIで聴取すべき項目のルール化を行うとともに、仕様書案を作成した際に、RFI等の結果等が適切に反映しているか第三者たる調達企画部等でチェック、審査をすることにしております。
入札方法につきましては、全省庁統一資格本来等級の適用を原則化するでございますとか、業者の履行能力を見きわめる必要がある契約につきましては、総合評価落札方式の適用を原則化することなどをルール化しております。
また、重要案件につきましては、コンティンジェンシープランの作成を義務化することや、運用仕様書につきまして、審査をする案件に応じて事業担当部署だけではなくて、調達企画部、調達管理部も関わっていくことをルール化しております。
マル3の「履行開始前委託管理」の段階でございますが、契約が締結された後の委託管理ルールといたしまして、まずは履行開始前検査について、履行開始日の10日前までに必要書類の提出時期を明確化することと、履行開始日の前日までに不適事項の改善が確認できない場合は、業務履行を開始させないことを仕様書上に明記するといったことをルール化しております。
次に「履行開始後委託管理」の段階でございますけれども、履行中検査の目的と内容を明確に定めております。また、実施時期につきまして、原則として履行開始後1カ月以内に実施することをルール化してございます。
また、履行中の実施状況につきまして、自主点検を行わせたり、定例会議を開いて状況を確認するわけですけれども、それぞれ確認する項目や方法を明確化し、あるいは定例会議につきましては、担当者任せではなくて、原則として管理職が参加することもルール化をしております。
履行後検査でございますけれども、事業の終了後、速やかに個人情報等の返却、完全な消去・廃棄を確認することもルール化しております。
最後に「情報共有ルール」でございます。このようなルールを守らせて事業を実施するわけでございますけれども、調達企画部において、それぞれの検査の実施結果や、定例会議の議事録などを確認し、問題が発生する兆候を把握した場合は、リスク統括部へ報告することを事業担当部署に指示するといったことで、そういう意味では、リスクの芽を早い段階で察知し摘むというような対応を、ここでもルール化をしていくところでございます。
以上がルールの内容・概要でございます。
(2)として「組織体制の強化」ということで、今、ルールの御説明で言及いたしましたが、ルールを作っても第三者的な立場でチェックする機能がないことが、今回の反省点の一つだったと考えておりますので、ルールがきちんと事業担当部署で守られているかを確認、助言、指導する組織として「調達企画部」を8月から新設しております。
従来の調達部は、調達の公正な手続という観点で引き続き調達に関わっていくということで「調達管理部」という名前に名称を変更して、調達に関して「調達企画部」と「調達管理部」という2つの第三者組織がチェックとルールの観点でチェックをするといった体制にしているところでございます。
また、監査につきましても、外部委託を専門に行うグループを新設するなど、人員体制も含めた強化を図っているところでございます。
続きまして、(3)で見直し後のルール等の適用状況でございます。今、申し上げたルールにつきましては、8月1日からの実施でございますが、その前段階においても「今後調達手続を開始するものから直ちに実施すること」が、業務改善命令でも明記されておりまして、その状況の御報告でございます。
表にございますように、まず、総合評価落札方式の適用の原則化といたしまして、6月以降、8月までに入札公告を行った年金個人情報を取り扱う案件が41件ございました。これらのうち、業者の業務履行能力を見きわめる必要があると考えられるものが19件ございましたが、これらについては総合評価落札方式を適用しております。
また、全省庁統一規格の本来等級の適用につきましては、今、申し上げた6月以降の入札公告を行った年金個人情報を取り扱う41件につきましては、全て本来等級以上の適用を行っております。
調達単位の適切な分割ということで、6月以降のもので分割するのが適切と判断いたしました2つの契約につきましては、分割した調達を実施しております。この分割したものの中には、扶養親族等申告書の調達も入ってございます。
続きまして、8月1日以降の新ルールの適用でございますけれども、次のページの表をご覧いただきますと、8月1日時点で契約が既に締結をして履行中のものなども含めますと、335件の契約でございました。
先ほどの参考資料の6ページの図を見ていただくと、段階に応じて調達の準備中だったものが81件、既に契約締結を終わって、3の段階のものが38件、既に契約を締結して履行中の4の段階に入っているものが216件ございました。それぞれの段階に応じて、適用できるルールを適用することで、可能な限り見直し後のルールの適用を図っているところでございます。
なお、扶養親族の申告書の業務委託の状況が書いてございます。資料集の8~9ページに概要を書いてございますので、後でご覧いただければと思いますけれども、この見直しの内容につきましては、6月のこの部会でも、詳細に御報告を申し上げたと思いますが、簡単に概略を申しますと、昨年度は受付・点検と画像化・データ入力を別々の業者でやっていたというところですが、これを一連の流れとして、まず一体化をして委託をしております。
一方で、RFIの結果も踏まえて、業者の履行能力等に配慮して、履行場所が3つございますけれども、3件の案件に分割して調達を行っているところでございます。
また、後でご覧いただければと思います。
次に本文に戻りまして(4)の「複数年契約や業務の包括的な委託の積極的な活用」でございまして、調査委員会報告書でも、優良事業者が初期投資を回収でき、業務ノウハウの蓄積を図ることができるようにする観点から、こういった取組を進めるように提言されているところでございます。まず、複数年契約につきましては、これまでも活用を図り、29年度は144件の実績がございますが、提言も踏まえて契約内容について、年度ごとに仕様変更することがないと判断されるものにつきましては、長期契約が可能でございますので、こういったものについては、複数年契約を原則とすることを改めて徹底を図っているところでございます。
また、その状況につきましては、調達管理部が確認・管理を行うことにしてございます。
業務の包括的な委託につきましても、これまで担当部署ごとに検討を行ってきたところでございますけれども、これに加えまして、事業の企画段階で、組織横断的な観点から委託のあり方を検討するということで、調達企画部においても、登録された案件につきましては、業務内容を分析して、包括的委託の実施について検討を促すなどの取組を進めることにしてございます。
続きまして、6ページでございますが、インハウス型委託の推進の実施状況について、御報告申し上げます。
調査委員会報告書でも、個人情報漏洩防止等の観点から、インハウス型推進を提言されてございまして、具体的には年金個人情報を取り扱う業務のうち「届書の処理」「データ入力」「年金相談」の3区分について取組を進めることとされております。
インハウス型委託につきましては、このページの下に書いてございますようなメリットがあり、仕様書に定めた履行方法を遵守させられるといったメリットが大きいと考えておりますが、その反面で、さまざまな環境の準備のための費用や期間、業務終了後の作業場所の活用方策などの調整等、課題も多いという状況でございますが、提言にございますように、これらに該当する契約については、可能な限り早期に移行が実現するように取組を進めているところでございます。
具体的に、この3区分に該当する機構外で行っている契約は、上の表にありますように33件ございますが、これらにつきましては、次のページにございますように、中央年金センターにおける届書の入力の3件を31年3月までにインハウス型委託へ移行することにしています。
データ入力につきましては、この10月から順次、事務センターでのパンチ委託業務でございますけれども、インハウス型委託への移行を図って、来年3月には移行を完了させる方向で対応を進めてございます。データ入力の方法につきましては、参考資料の13ページに書いてございますので、後ほどご覧いただければと思います。
続きまして、年金相談につきましては、コールセンターの年金相談業務が2件ございますけれども、これは現状でも機構の職員が常駐する形で行われていますが、これも次の契約の切り換えの際に、インハウス型委託にする方向で準備を進めているところでございます。
以上が、今後の外部委託の調達・管理のあり方についての提言に相当する取組状況の御報告でございます。
IT化以下のところでございますが、これは今回の事案を踏まえまして、検討すべき機構運営の基本的事項として提言された内容に対応する内容でございます。
まず、IT化の推進の検討状況でございます。そもそも事務処理誤り等を削減するためにIT化、システム化の推進を図るべきと提言でも言われているところでございます。
具体的な取組状況といたしましては、(1)として「届出等の電子化の推進」ということで、一定の大規模法人につきましては、平成32年度から一定の届書につきまして、e-Govの義務化を進めます。
これに加えまして、中小事業所への対応を念頭に簡便にインターネット経由で届出等ができる仕組みの導入の検討を進めることにしております。
また、年金受給者への源泉徴収票の再交付などの再交付手続につきまして「ねんきんネット」の普及促進とあわせて、拠点窓口でお客様自らが直接システムへの入力を行うことにより、再交付できるような仕組みの構築を検討するなどの対応を行っているところでございます。
また、最新のIT技術の活用ということで、届書の「AI-OCR技術」を活用した電子化について、実用化に向けた実証検証を進めることにしております。
事務処理のシステム化ということで、職員が手作業で行っている定型業務につきましてRPA技術を活用した事務処理の自動化を図るということで、検討を進めてございます。
続きまして、人材育成等の点でございます。 報告書でも各業務を専門的に担当する職員の育成でありますとか、定型事務を安定的、継続的に実施するための職員確保といったことが提言されているところでございます。資料集の17ページをご覧いただきますと、現状、特に高い専門性が求められる分野の「調達」「年金給付」「システム」「徴収」が、これらに該当すると考えておりますが、これらにつきましては「専門性が求められる要因」に書いてございますように、近時のITの進展や企業構造の多様化等々を踏まえまして、ある意味、専門性が求められる要因、要素がより高まっていると考えてございます。
その一方で、左側が現状の正規職員の状況でございますけれども、例えば通算5年以上経験している者の在籍割合を見ますと、必ずしも高くない状況が見てとれるところでございます。また、平均経験年数も、その右側に書いてある年数という状況になってございます。
このような状況を踏まえまして、今後の方向性といたしましては、右側にありますように、正規職員につきましては、高い専門性が求められる分野の専門人材の育成・確保を拡大していくと考えておりまして、具体的には分野内の業務を長期に経験して、制度と実務双方に精通した職員を育成する体系化されたキャリア開発の仕組みを構築する必要があると考えておりまして、この検討を進めているところでございます。
また、一方で定型事務を担う職員の状況は、その下に書いてございます。具体的には、年金センター、事務センター、年金事務所等の職員の状況でございます。これは3年以上の経験者の状況でございますけれども、年金センターなどは3割弱ございますけれども、事務センター、事務所はそれぞれ9%、7%という状況になってございます。
また、非正規職員の状況を見ていただきますと、その右でございますけれども、年金事務所につきましては、7,337人のうち無期化されている職員が約4割の39%、事務センターについては23%という状況になっているところでございます。
こういった状況から基幹業務につきましては、安定的な業務運営の体制の確立のために正規職員、無期転換職員、有期雇用職員の構成、役割、業務分担について体系的な見直しが必要と考えてございます。
右側に書いていますように、まず、正規職員につきましては、基幹業務を支える実務に精通した基盤的な人材を育成する体系化された仕組みを構築する必要があると考えております。
また、無期転換職員、有期雇用職員につきましては、無期転換職員の拡大ということと、特定の分野につきましては、専門性の高い業務を担う無期転換職員を制度化することが必要と考えているところでございます。
今、申し上げたような内容が報告書の9~10ページに書いてあるところでございます。
続きまして、本部組織のリスク管理の見直し等でございます。
ルールの見直しとチェック体制の強化をしただけでは、事案の再発は防げないということでございまして、リスクの存在をきちんと認識して、組織的に対応することが重要と考えているところでございます。とりわけ今回事案が起きましたのは、本部現業部門でございまして、本部現業部門につきましては、その下にありますように、リスクを拾い上げて可視化して、マネジメントする体制の確立といったことが提言でも求められているところでございます。
今回、短い時間ではございましたけれども、具体的な一つの事例「65歳ハガキ」というものがございますけれども、これらにつきまして、本部現業の一部でございますけれども、事務処理の流れ等、状況を把握したところでございます。
具体的には資料集の19~20ページに書いてございますが、時間の関係もございますので、後でご覧いただければと思いますけれども、こういったものの分析を通じて、やはり本部で行う現業につきましては、拠点と比べて必ずしもリスク管理が十分でない点がありました。具体的には、事業全体の工程管理について責任を持つ部署が不明確でありますとか、経験に基づいて事務処理がされているでありますとか、部署ごとの進捗管理が不徹底でありますとか、あるいは事業工程の効率化、システム化を継続的に検討する体制が欠けているのではないかというような課題があることが、改めて確認されたところでございます。
したがって、今後、リスクの予防的コントロールを強化する観点から、本部現業のあり方を改めて組織的に検討することにしておりまして、具体的には、その下に書いてございますように現業の洗い出しと類型化、フロー図の作成といったこと、各事務処理工程に内在するリスクの分析評価を行う。この辺は、外部専門家の意見も参考にしつつ行います。また、最終的には、本部現業の執行体制のあり方、リスクマネジメント体制の見直しを検討することにしているところでございます。
報告書最終ページは、意識改革ということに対応する認識等を書いているところでございます。再生プロジェクトということで取組を進めてきたところでございますけれども、やはり改めて本部現業中心に、正確な実務を精緻に体系化することと、それに基づいた意識改革の徹底が必要ということが再認識されたということでございまして、具体的には、本部の組織・業務のあり方の抜本的な見直しが必要と考えておりまして、今申し上げましたような人材育成や、本部現業の進め方などについて見直しを行うということを取り組むことにしてございます。
こういった取組の状況につきまして、資料集の最終ページには工程表がついておりますので、おおむねこういった段取りで進めることにしております。
以上、ごく簡単に御報告を申し上げましたけれども、表紙1ページ目に書いてございますように、今後とも見直しを行った事項に確実な実施・徹底を図ることはもとより、見直し後のルールや組織の運用状況を定期的にフォローアップすることと、基本的な方向性を提示しました今の改革項目につきましては、事項の具体化を着実に進めることとしているところでございます。
以上、報告を終わらせていただきます。

○増田部会長 ありがとうございました。
外部委託、調達管理等の見直しについて、この関係は当部会の中に設置しております検証作業班で、この取組が着実に検討、実施されているか進捗状況等の確認を行うと共に、必要な調査を実施することとしております。検証作業班のほうで、その関係について作業をしていただいておりまして、その報告書の取りまとめのほうに、今、当たっていただいておりますが、少し時間を要すると聞いておりますので、次回以降に取りまとまったところで報告をお願いしたいと思います。
それでは、ただいまの機構のほうからの説明内容について、御意見、御質問等があれば、お願いをしたいと思います。
それでは岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 ちょっと遅れて来たので、前半を聞き逃しているかもしれません。その場合は御容赦いただきたいのですけれども、今回の再発防止策の中で、いわゆるダブルチェック体制をとっていることの御説明があったと思うのですが、履行開始前検査に関して、運用仕様書等に記載されている内容が、履行開始前までに、そういう不適事項の改善が確認されない場合は、事業をさせない仕組みにあるというのが新しい対策なのだと書いていますけれども、この不適事項とは一体何を指しているのか。不適事項の改善とは具体的にどういうことなのか。これをちょっと教えていただけませんか。

○増田部会長 今の履行開始前検査について、どなたがよろしいですか。説明した方はわかりますか。

○林再生プロジェクト推進室長 不適事項はまさに、例えば今回の事案もそうでしたけれども、必要な体制が確保できない、できていない。あるいは処理できるだけの処理体制があるかどうかと、これは仕様書に定められたような体制が確保できていないことが考えられるかなと思っております。それらについて、事前に指摘をしたにもかかわらず、前日までに改善が確認できていない。改善というのは、必要な体制が整えられていないといったようなことが、例えば考えられることです。

○岩瀬委員 よろしいですか。

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 何度もお聞きしていますように、要するに作業場の設備に関して、運用仕様書に書いていないというのは、割とここで書かれている不適事項の重要なポイントでよろしいわけですよね。

○林再生プロジェクト推進室長 はい。

○岩瀬委員 そうすると、私がちょっとよく理解できないのは、その設備に関しては、運用仕様書の段階で審査を受けるわけですよね。審査に合格しなければ、入札させないルールがあったと思うのですけれども、それとこれとはダブるような感じがするのだけれども、どういうことなのですか。今まで運用仕様書に書いていなくても、それは通していたということですか。ルール上は、そこでははねないといけないことになっているのに通して、その上で再度、不適事項を指摘して、改善されなければとめるというルールをつくったということでよろしいのですか。

○日原日本年金機構理事 ちょっと補足して説明させていただきますと、今まさにお話しいただいたとおり、運用仕様書のほうは入札に参加される前提として、まずは出していただいて、それをチェックして、これも今回、事業担当部署と調達担当部署と二重に行うようにしたわけですけれども、それで参加していただけるかどうかを決めるというわけなのですけれども、今、申し上げました10日前のほうは、まさに実際にここでやっていただくことが決まって、その段階で本当に実際の運用仕様書に書いていただいたような体制が整っているかと、これは両方やるということで、私どもとしては、適正な履行管理という上で、非常に意義が大きいと思っております。

○岩瀬委員 ちょっと確認したいのですけれども、よろしいですか。

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 ということは、運用仕様書のチェックの段階で、それはきちんとやって、再度10日前までにもう1回確認をするわけですか。

○日原年金機構理事 かつそれは、その間に入札というか手続をやっていますので、入札参加できるかどうかをチェックした上で、入札して、ここにやっていただくと事業者が決まります。その業者さんが実際に本当にここに決まったという上で、履行できる体制を整えているかを検査するということです。

○岩瀬委員 もう一つだけ聞きたいのですけれども、10日前というのは、既にルールとしてあったわけですよね。今までも、契約書に書いているのだけれども、10日前までに重要な守秘義務契約書の写しを提出するとルールとしてあったわけですよね。それと、今回の10日前というのはどう違うのですか。

○日原日本年金機構理事 これは若干細かくて、大変恐縮なのですけれども、確かに委員がおっしゃっておられるのは、今回のSAY企画の案件だと思うのですけれども、これは10日前と書いておりました。ただ、これはSAY企画に関する運用仕様書上で10日前と書いていたのですけれども、機構の統一的なルールとして、すべて10日前だと標準仕様書の中で書いていたということではなかったわけなのです。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 確認して、整理をして御報告いたしますが、まず、運用仕様書において、SAY企画の場合は、800人ないし900人の体制でやるとなっていたわけです。実際に、今度は800人の体制が確保されているかどうかを事前にチェックすることをルール化したと申し上げているわけです。

○増田部会長 岩瀬委員、どうですか。

○岩瀬委員 何か全然わからないので、これは検証作業班でやるようにいたします。

○増田部会長 今の関係はダブって書かれているのか。あるいは、今回規定が新たに項目で加わったのかどうかという点もあるので、いずれにしても、検証作業班のほうでその点についてはきちんと見てもらうようにしたいと思います。その上で報告していただきたいのですが、検証作業班の作業も、できれば次回の会合に間に合えばいいのですが、もし、難しい場合には、幾つか先行して報告できるところがあれば、また、それはそれでお願いしたいと思います。そのあたりは、また、検証作業班の中で色々議論していただければと思います。
では、この関係は検証作業班の調査のときまでに、年金機構で整理して、それで説明をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
他にはありますか。

○岩瀬委員 後でいいです。検証作業班の件で一つお願い事項があるのです。

○増田部会長 こちらにですか。

○岩瀬委員 部会長と年金局に対してです。

○増田部長 では、今やってもらっても結構です。

○岩瀬委員 検証作業班の作業が、割と全員でしっかり真剣にやっているのですけれども、なかなか進まないです。それはやはり機構側の対応が非常に非協力的であると、これは事実として幾つか指摘できますけれども、作業の中間報告ができるかできないかは、機構側の対応にかかっていることを、ここでちょっとお伝えをしておきたい。
高橋さんにお願いしたいのは、機構側が真摯な説明をしないのです。とにかくごまかそうとする。いい加減なことを言うわけです。いい加減なことをなぜ言うかというと、説明に来た人に対して、こちらが説明している状況、資料を提示して、ここにこう書いていると言うと、勢い込んで説明に来たのだけれども、黙って下を向いてしまう状況が続いているわけです。これだと、本当に中間報告など書けませんからね。こちらの作業に対してきちんと協力するように指導していただきたいのです。それはお願いです。

○増田部会長 今の関係については、私のほうに対してのあれもあると思うのですが、他の検証作業班の委員の方もいらっしゃると思うので、他の方のお話なども聞きながら、いずれにしても対応はきちんとしていただきたいと思いますが、また、高橋さんとも相談しておきたいと思います。
それでは、他の関係についてお願いします。
斎藤委員、どうぞ。

○斎藤(聖)委員 報告書を拝見しまして、印象で申し上げて恐縮ですが、非常に内向きなレポートだなという感じがいたしました。以前、外部から御説明に来た方が、業界の人たちはがブラックリストに載っているようなところに、下世話な言い方ですが引っかからなかった、それは、情報共有をきちんとしていたからだと教えてくださいました。やはり内向きではなくて、外からの情報を取り入れて対処をしていくことが、もっとあってしかるべきなのではないかと思います。
内部での努力だけでは限界があるので、外の経験者の方たちの情報を収集するその態度をこのレポートの中で、どういう形に反映するのか具体的にはよくわかりませんけれども、そういったことを書いていただけたらいいなと思いました。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
このレポートの関係はどうしましょう。先にこちら側のほうで各委員の指摘をまとめておきたいのですが、他にありますか。
大山部会長代理、お願いします。

○大山部会長代理 2ページ目のところなのですが、この内容を見ていると、まず、2段落目の最後のところに「新ルールによる運用を開始した」となっているので、ルールが変わったというのはもちろんわかるわけですけれども、「改正内容のポイントは以下のとおり」と次に書かれていて、調達手続のところを見ると「仕様書案の作成」に「RFIの結果を仕様書等に適切に反映し調達企画部及び調達管理部がチェックリストに基づき審査」と書いてあるのですけれども、これは書くのが誰なのかがわからなくて、誰が書いていて、この2つがチェックするからダブルチェックになって価値があるというように、このままだとあまりよく読めないです。
悪い読み方をすると、今までやっていなかったのですかという、審査をするというのが改正内容のポイントになってしまうので、そうとれてしまうこともあるのです。ちょっとここのところの説明ぶりは、そもそも、このように2つのところがチェックするから大丈夫だということの、なぜそういう状態に、今までから比べて2カ所が見ればいいというのは、単に組織を2つに分けて同じ関係の人たちが見ても、今までとどこが違うのかよくわからない気がいたします。その辺のところについて、ちょっと説明がほしいなと思います。
それから、3ページ目マル5の「情報共有ルール」なのですが、1行目に調達企画部は云々と書いてあって「及び」の後です。「定例会議の議事録を確認し、問題の兆候を把握した場合」と書いてあるのですけれども、議事録が出てくるのにどれぐらい時間がかかるのかわかりません。あるいは議事録がどれくらいまとめられているのかわかりませんけれども、これでわかるというのは、傷を負ってからの話で、本来、傷を負う前に何かおかしいかなというのが見えるからこそ、兆候を把握するのではないかという気がするのです。
その意味では、前にも何回か申し上げたことがありますが、エスカレーションの仕方、問題を現場が知ったときの上司に対するエスカレーションの仕方のルールを明確にしておく必要があるのではないかと思います。議事録を確認し云々というのは、これからのやり方だという、今までエスカレーションが決まっているなら別なのですけれども、その辺のところをより実効性のある方法をちょっとお考えいただく必要もあるのではないかという気がいたします。
この2点を申し上げます。

○増田部会長 それでは、お二方から、採点以下は、機構の外の第三者のそういった意見をどう取り入れられているか。
それから、大山部会長代理は、むしろ内部的なところで今回改正を加えたということですけれども、どうもそのあたりを誰がどう書いているかだとか、もっと早く兆候をつかまえることができるのではないか等々についてお話がありました。
このあたりについて、ちょっと説明をお願いします。

○林再生プロジェクト推進室長 説明を申し上げます。御意見ありがとうございます。
斎藤聖美委員の御指摘については、私はちょっと説明を端折ってしまいましたけれども、
資料の10ページをご覧いただければと思います。調達分野につきましては、今、御指摘をいただいたように、それぞれの業界の実情に精通した人材、そういった見きわめができるような人材が必要だということは、提言でも言われていました。
当面の対応といたしまして、そういう意味で10ページの下のほうに書いていますが、早期に業務体制を強化するために、調達分野とシステム分野につきましては、外部人材の導入を進めることによりまして、そういった目利き等ができるような人材確保をできないかと、こういった取組を当面の対応として進めることにしているということを御報告申し上げたいと思います。
次に、大山委員からの御指摘につきましてですが、まず、2ページ目の表現ぶりは、事業担当部署が仕様書案の原案をつくるわけですけれども、それをチェックするということでございまして、ちょっとわかりにくいところは申しわけございません。では何が「新しい」のかについてですが、資料集の6ページのプロセスの図を見ていただければと思いますけれども、このマル10のところが仕様書の審査に当たる部分でございます。
仕様書につきまして、調達企画部と調達管理部が二重にチェックするのですけれども、観点が違いまして、調達企画部においては、RFIの結果がきちんと反映できているかとか、案件によってですけれども、コンティンジェンシープランが必要なものについては、コンティンジェンシープランの内容が妥当なものかどうか、こういったもののいわば内容的な確認をいたします。調達管理部につきましては、例えば調達手続にのっとった形になっているわけで、手続の妥当性等を審査することになっております。
従来は、後者の調達管理部のチェックが一部行われていたわけでございますけれども、調達企画部が内容にまで踏み込んでチェックするというところが、今回のルールで新しく位置づけたことだと考えてございます。
もう一つ御指摘がございました3ページ目の情報共有体制のところでございますが、できるだけ早い段階でリスクの芽を発見しなければならないという御指摘のとおりでございます。したがって、今回、一つは履行開始前検査とか、あるいは履行中検査といった書類確認や実際に立ち入り等を行った結果を提示することとあわせて、定例会議につきましては、担当者任せにするのではなくて、原則として管理職が参加して、担当部署の管理職は定例会議での話し合われている状況、内容は逐次把握できるような仕組みにしております。
それに加えて、今、おっしゃられたような点検の検査の結果でありますとか、定例会議の議事録は少しタイムラグがございますけれども、調達企画部に連携をして、そこでの問題の発見ということもできるような形で、できるだけ状況が上に上がったり、あるいは他部署を通じて上に上がるよう促すような仕組みを取り入れてきているところでございます。

○増田部会長 私は聞いていても、若干フラストレーションがたまるのですけれども、斎藤聖美委員の外部人材の話、あれはもう採用は始まったのですか。

○水島日本年金機構理事長 始めております。

○増田部会長 もう採用された方はいらっしゃるのですか。

○水島日本年金機構理事長 まだ採用していません。

○増田部会長 これからですか。

○水島日本年金機構理事長 はい。

○増田部会長 今は途中ということですね。

○水島日本年金機構理事長 途中でございます。

○増田部会長 理事長さんのほうから、斎藤聖美委員に何か補足はありますか。

○水島日本年金機構理事長 まず、RFIに関してでございますけれども、もともとのルールが、御存じかと思いますけれども、かつて事件がございまして、RFIに関して業者との接触ルールが定められておりました。したがいまして、内容の新たな情報を得るとか、あるいは民間の動向を把握するとか、そういうことに関しては、いわばルール化されていなかったといいますか、そこについて努力を促すようなルールにはなっていなかったということでございます。それに関してはルールを定めまして、業界動向でありますとか、技術の動向でありますとか、そういうことに関して幅広く情報を収集するということをルール化していることが一つでございます。
その内容を、事業を担当する部門は調達仕様書に入れて、それの内容についてはちゃんと入っているかどうかということを調達管理部と調達企画部がチェックをするという体制をつくったということでございまして、その点は、斎藤先生のおっしゃる従来の内向きの体制というのを、いかに外向きと言いますか、変えていくかということに関しては、一つ踏み出しているということは御理解をいただきたいと思います。
それから、外部人材に関しましては、やはりこれから調達、あるいはシステムを動かして幅広く採用を進めてまいりますが、システムについては既に実際に採用を行っております。監査についても行っております。現在、調達部門についての人材の採用は、公募を行っている状況でございます。
大山先生もおっしゃった2番目に関しては今、お答え申し上げた内容でございますが、中できちんとチェックが効くような体制はつくっていきたいということでございます。
それから、エスカレーションの内容なのですが、ルール的には、色々問題が起きた場合には事件・事故報告でリスク統括部に報告されて、それがリスク管理委員会に報告される。リスク管理委員会の報告というよりも、むしろ日常的には毎日、私のところに報告が上がってくるというルールになっております。
今回の事案に関しましては、現場で起きておりました事態に関して、率直に申し上げれば、感度が鈍かったということは事実だったと思います。やはり本質的にどこに問題があるか把握できなかったことは事実でありますので、それに関しまして、日常的な行動以外にそこで作成される色々な文書を通じて、その中に出てくる兆候についても、定例的に把握する体制をつくったということでございまして、その点を御理解いただければと思います。

○増田部会長 斎藤委員、お願いします。

○斎藤(聖)委員 外部人材は大変結構なことだと思うのですけれども、私が申し上げたかったことは、外部の情報は流動的でどんどん変わっていきますので、外部との接触をもっと多くしていただきたいということでございました。
アウトソーシングを大量にしていらっしゃる会社は色々なところがあります。同じ業界で不都合であれば、別の業界のところとときどき定例の会議で情報交換をするとか、SNSなどでチェックをするとか、外の情報をもう少し取り込む姿勢をお願いできたらと思いまして発言しました。

○水島日本年金機構理事長 おっしゃるとおりだと思います。その点について、より制度化するように努力をしたいと思います。

○増田部会長 大山部会長代理、お願いします。

○大山部会長代理 回答ありがとうございました。
それはそうとして、やはり文章が読んで理解できるようにはちょっと修正をいただくほうが、できればありがたいかな。
それから、仕様書の件については、今までの流れから見ても、つくっているところに対して、調達管理部が今までチェックをしていたということでありますけれども、それと調達企画部のチェックがダブルというお話ですけれども、チェックリストがそもそもあるはずで、それについてどうなっているかというのが、それぞれやっているときに、2つがやることのやはり実効性です。そこのところだけはしっかりと対応するように、ぜひお願いしたいと思います。2回やったから変わるとは、私はあまり思わないのですけれども、いかがなのでしょうか。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 御質問のダブルチェックと申しますのは、調達企画部は、いわゆる調達の企画段階、あるいは入札方法のあり方とかに関してチェックをしていくということでございまして、実際に調達段階に入った場合の具体的な調達ルールの部分は、調達管理部がチェックするということでございまして、そこの役割は分かれております。
ダブルチェックといいますのは、今までは事業担当部に任されていたチェック機能について、それをそれぞれのものについて調達企画部、調達管理部が介入をしてチェックをするという体制をつくるということであると御理解をいただきたいと思います。

○増田部会長 先ほど議事録の話などがありましたが、できるだけ早くとおっしゃっていたけれども、やはりちゃんと日にちなどもルール化してやらないとまずいのではないですか。3日とかね。

○水島日本年金機構理事長 3日以内です。

○増田部会長 それくらいの期間できちんと作成を義務づけて、それをぱっと見て何か気がついたことがあれば、すぐに問いただすとか、そのようにやってください。
今の調達の説明だと、私も従来から調達管理部的な仕事をやっていたけれども、内容にかかる部分を事業部に任せないで、調達企画部のほうと言っていましたけれども、今までその内容についてあまり、事業部以外の別のところがやってなかったこと自体が問題ではあると思うのですが、私から見ると、ここまではごく普通の、どこでもやられている話ではないかなと思うのです。やはり事業部でやりたいと思っていることの内容についても、別のところで審査するというのは、調達の厳密性をやるときには非常に重要なことなのです。
だから、今までが、やはりちょっとあまりにもレベルが低過ぎて、要するに調達管理部でやっていたのは、調達手続的なことがいいかどうかだけで、これはもう当然のことなのですが、やはり中身について別のところでチェックするというのは、当然のことなので、それをきちんと生かすということと、ここまで問題が大きくなったので、それを超える何かが本来はあったほうがいいのではないかと思うのですが、今やられていることが、こういうことなのです。適正にやってくださいとしか言いようがないですけれども、そのあたりはよろしくお願いします。
大山部会長代理、よろしいですか。
それでは西村委員、どうぞ。

○西村委員 大山先生から見直したほうが、というのがございましたので、できればちょっと入れていただきたい事項がありまして、御説明があったのかどうかわからないのですけれども、このチェックリストが、一体誰がどういう観点でどうつくっているのか全くわからなくて、単にありますとしか書かれていないので、責任部署といいますか、それをきちんと定めておいていただきたいというのがあります。
その上で、ちょっと私がちゃんと読み取れなくて申しわけないのですが、資料集の4ページの一番下です。「今後の対応」のルール見直しも含めた運用状況について、定期的なフォローアップとあるのですが、定期的とはどのぐらいで、何を誰がどう見てどう見直すのかをきちんと書いていただければありがたいと思います。そうすると、チェックリストも自動的にきちんと見直されるのではないかなと思います。

○増田部会長 今のは資料の4ページですか。

○西村委員 資料集の4ページです。

○増田部会長 そこのページのことですね。
今の御指摘はよろしいですか。
理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 チェックリストを誰が責任を持ってチェックをしてということについては、これは既に規定化されておりますので、全てこの中に入れることはできますから、きちんと入れるようにいたします。

○増田部会長 わかりました。
それでは他に各委員のほうからございますか。
石井委員、どうぞ。

○石井委員 質問、疑問、確認なので3点ぐらいあるのですけれども、5ページの(4)のところの書き出しに「調査委員会報告においては」「優良な事業者が初期投資を回収でき」という提言がされていると書いてあります。これに対して、次のページの下から4行目に「その反面、履行場所に係る賃貸契約、入居工事、什器の」云々かんぬんの費用や期間などと書いてあって、これを両方とも認めると、単に予算がふえてコストが上がるだけではないかなという気がして、これに関するところのコメントは一体どこにあるのかなと思うのです。
6ページの文章は「解決すべき課題も多いが、可能な限り早期の移行が実現するよう以下のとおり検討を進めている」と言っているのですが、検討を進めている次の7ページの(1)(2)(3)は賃貸契約、入居工事、什器の費用ということに関しての解決を全く語っていないので、これは一体、この問題をどのように整理するのかが、私にはわからない感じなのです。当然、片方でコストは上がるけれども、片方でコストはきちんと確認をする。
10ページでは、先ほどのように正規職員をふやして、かつ外部人材の導入も進めると言っているので、何となくこれを見ていくと、なおかつ二重チェックのために新たな部門もつくるということなので、よくわからないのですけれども、予算の肥大化を単に認めただけなのですかと感じました。私のその理解は明らかに間違いであるということを御説明いただきたいのです。ちょっとそれではやはり困るのだと思います。
それから、今回こういう形で問題解決の方法を構築されたのですが、SAY企画の案件について、今回出てきた新しい改善方策は、その案件をちょっとケーススタディーで見直したときに、この新しいやり方をしたら、そのSAY企画の問題は解決できるということでよろしいのですね。つまり、それができるのだという確証を得た上でのこの改善だという認識でよろしいのかというあたりについても、ちょっと御確認をさせていただきたい。

○増田部会長 全体で一つの問いかけだと思いますので、よろしくお願いします。

○水島日本年金機構理事長 まず、最後のSAY企画の案件に関して、このルールであれば防げたかということに関しては、防げたと思います。ですから、このルールによって防いでいくということでございます。
それから、この初期投資が回収できるように複数年契約をというような、これは業者側の問題でございまして、その次のページのインハウス型委託に関する賃貸契約の云々というところは機構側の問題でございますので、5ページと6ページは直接の関係ございませんが、6ページのコストが上昇することに関して、いかに吸収するかについては、やはり問題は解決していないと思います。
それは従来の委託費の中で、委託費の中に入っている機械でありますとか、あるいはスペースでありますとか、そのコストを委託する場合と、機構が用意する場合のどちらが安いかということになると思います。したがって、検証してみないとわからないと思いますので、検証してみる必要があると思いますが、これに関しましては、検証した上で、また御報告をいたします。

○増田部会長 石井委員、どうぞ。

○石井委員 ということで、よろしくお願いしますということなのですが、最初の件に関しては、ということで問題解決はできたけれども、やはりどう考えても当初のコストよりも全然違う金額のコストが発生していたはずですよね。つまり、そもそも無理なコストで受けたという流れがあったと私は認識しているので、そもそもそのコストがおかしかったのであって、もしあれだけの量の仕事を受けたとすると、あんなコストではできなかったという前提だと思っていますから、本来はそれでもってコストは適正化して、コストは当然ふえるのだけれども、それが適正だという認識でよろしいですかみたいなところまで含めてです。

○水島日本年金機構理事長 SAY企画のコストについて適正であったかどうかについては、結果としては適正でなかったと思います。したがって、適正に行わせるためには、コストがどの程度かかったかについては、試算をいたしておりませんが、本年度について、どのようなコストがかかったかについては、御説明ができる状態にあると思いますので、これについては、御説明を申し上げます。

○増田部会長 それでは、その点はよろしくお願いします。
他にはどうですか。
喜田村委員、どうぞ。

○喜田村委員 ちょっと感想めいたことにもなってしまうのですけれども、報告事項が1ページに1、2、3とありまして、これは問題の指摘なり認識というのがある程度ぐらい的に書かれていると思うのですけれども、4の「人材の育成、本部組織のリスク管理の見直し及び役職員の意識改革」というところは、中身を読んでも問題の認識なり所在が、やや抽象的なところにとどまっているのかなという感じがいたしております。
この資料の最終ページを見ると、タイムスケジュールが載っていますけれども、例えば人事体系の見直しは、もう10月から実施に向けた検討を始めると、(2)のほうはもっと細かいことが出ていますけれども、31年4月からもう実施というようなことで、これで本当に問題の認識が抽象的だということは、要するに何が問題だか深く認識できてないのではなかろうかという気がいたしております。
前回、理事長は本部が問題であるという極めて重要な御認識を御披露されましたけれども、この点は次の議題であります中期計画のところで具体的に解決を図っていくということかなと思っておりますけれども、この4の問題は非常に重要なところでございますし、理事長もそういう御認識を持っておられるということですので、ぜひきちんとした問題の認識、そして解決の策定を図っていただければと思っております。

○増田部会長 それでは理事長さん、受けとめ方を。

○水島日本年金機構理事長 この部分は確かに色々な制約がございまして、どこまで具体的に書くかについては、悩んだところでございます。
一つは、人事体系の見直しに関しましては、正規職員あるいは非正規職員の人員に関しましても、そもそも基本計画にある定められた数字がございます。それがどこまで、どういう推計になるかということについては、また、これから御議論いただくことかと思います。
現在の制約の中で、どのような人事体系をつくっていくかに関して、喜田村先生にぜひ御理解をいただければと思いますが、やはり正規職員を全て、管理職をゼネラリストとして育成するという人事体系そのものに問題があるということを、実は言っております。これを変更していく必要があると、何度も申し上げていますが、制度を実務にする機関でございますので、実務をどのような形で担う人材をインベントリーとして用意していくのかということは、まだ日本年金機構として、基本的な方針が定まっていないということだと思います。
これは次期中期計画の中で基本的に御議論いただきたいと思っておりますが、当面の問題といたしまして、やはり安定的な基盤的人材及び専門的な人材をどう育成するかということに関しましては、着手をしなければならないと考えておりまして、そこに関しましては、4月にできるところから着手をしたいというのが、このスケジュールでございます。
それから、本部リスクでございますが、本部リスクに関しましては、やはり前回も申し上げましたが、ほとんど給付業務は本部で行われているわけでございます。年間50兆円の支払いをいたしていますが、本部で50兆円の支払いが行われているわけであります。この事務処理に関しまして、やはり経験に依存している部分が多くて、なかなか実態把握が難しいという面が現実にございます。これに関しては、徹底的にメスを入れなければならないと考えておりまして、これが(2)の問題でございます。
これに関しましては、人材的な面も含めてメスを入れなければならないと考えておりますが、基本的にはマニュアルもきちんと整備されていない状態でございますので、これを誰がやってもできる状態にするためにはどうすればいいかというのが、この問題でございます。
したがいまして、かなり思い切って書いたつもりでございますが、やや抽象的であるという御批判は甘んじて受けざるを得ないと思いますが、やろうとしておりますことは、そういうことだと御理解いただきたいと思います。

○増田部会長 ありがとうございました。
今の喜田村先生の御指摘は、この後の後半に議論する次の次期中期計画の中でも重要なポイントになると思います。また、その中期計画の立案に当たって、よろしくお願いしたいと思います。
他に各委員の皆様方からございますか。よろしいですか。
それでは、ここの場での質疑は以上にいたしたいと思いますが、この業務委託等の見直しについては、引き続き指摘の事項もございましたので、取組を進めていただきたいと思います。また、検証作業班の調査に対しても、きちんとした対応をしていただきたいということと、今後も定期的に状況を報告していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事の2番目の「次期中期計画の策定に向けて」を議題にしたいと思います。
現在の第2期中期目標、中期計画の期間が平成26年度から30年度、今年度までとなっております。したがいまして、本年度末、すなわち来年の3月までですが、3月までに第3期の中期目標、中期計画を新たに策定する必要がございます。そこで本日から、次期中期目標、中期計画の策定に向けて、当部会として議論していきたいと考えております。
本日は、機構の基幹業務について、機構設立からこれまでの間の取組状況の振り返りを行って、そこから見えてきた今後の課題について、まず機構から説明していただいた上で、委員に御議論いただくということにしたいと思います。
それでは、機構からの説明をお願いします。

○田中日本年金機構企画調整監 それでは、日本年金機構の田中と申しますが、資料2「第3期中期計画策定に向けた機構におけるこれまでの取組について(基幹業務)」について、御説明させていただきます。
本日は部会長からも御案内がありましたように、「基幹業務」についてということで、目次が1から8までございます。国民年金等について、これまでの取組の成果、あるいは取組の経緯、また、次期中期計画に向けた課題をそれぞれの項目に沿って、整理させていただいた資料を御用意させていただきましたので、御説明させていただきます。少々時間が押しておりますので、ポイントをかいつまんで御説明させていただければと思います。
まずはページをお開きいただきまして、1ページ目から国民年金の関係でございます。2ページからは「国民年金の適用促進対策」についてですが、上の欄の取組の概要のとおり、住民基本台帳ネットワークシステムにより把握した20歳、34歳、44歳、54歳到達者等への届出勧奨及び職権適用を実施してまいりまして、平成16年には36.3万人だった公的年金未加入者が、平成28年では9万人まで減少してまいりました。取組の経緯として、各種勧奨とか、外国人の適用、関係機関との連携について年次で書いてあるものを整理させていただきました。
3ページの課題でございますが、まず、従来の取組は継続していくと、その上でより効果的かつ効率的に適用促進対策を進めていくということです。まず、未加入者対策でございます。年齢区分で住基情報に基づいて行っているこれまでの対策について、その未加入者の属性を分析して、今後、どのような対策を進めていくかということです。
あるいは外国人が増えていくことが想定される中で、確実に国民年金を適用するために、どのような対策を行っていくのか。
また、無年金・低年金者対策、あるいは市区町村、ハローワークとの連携も課題に挙げさせていただいております。
ページをおめくりいただきまして、4ページは国民年金の徴収でございます。
これにつきましては、年齢や所得、未納月数等の未納者の属性に応じた収納対策を推進してまいりました。また、納付月数を確保するための徹底した納付督励ですとか、納めやすい環境づくりの整備なども実施してまいりました。さらに、御案内のとおり、市場化テスト受託事業者と納付督励業務を実施したり、3つ目のマルですが、一定の所得があるにもかかわらず、保険料を長期間滞納している方には、最終催告状を送りまして、それでも納付されない方には滞納処分を実施させていただいております。
これらの結果、平成22年度分の保険料の最終納付率は64.5%でございましたが、平成27年度は73.1%ということで、納付率は確実に上がってきておりまして、8ページにこれまでの経年の推移をつけさせていただきましたので、後ほどご覧になっていただければと思います。
取組の経緯につきましては、今ほど申し上げました口座振替の推進ですとか、クレジットカード納付等、あるいは2年前納付制度をこの中期計画期間で導入しましたので、その活用ですとか、あるいは一番下にございますが、強制徴収の対象者の督促範囲について、所得400万円以上、未納月数13月以上から随時、対象範囲を拡大してきたということでございます。
5ページで「次期中期計画に向けた課題」ということですが、まずやはり納付率でございます。最終納付率が75%に近づきつつある中で、今後の納付率に係る目標と方策、被保険者の属性別の特徴に着目するなどして、どのようにきめ細かなものとしていくかということが一つの課題であります。
また、口座振替等による利用促進、あるいは一番下の納付環境の整備ということで、国内のキャッシュレス化が進んでおりますので、この動向を踏まえてどういった対応をしていくのかということを課題に掲げさせていただいております。
6ページで「納付督励について」でございますが、先ほど申し上げたとおり、特別催告状、市場化テスト事業、強制徴収の取組を組み合わせて実施してまいりましたが、督励状況の分析を行った上で、それぞれどのように効果的に行っていくのかということを検討する必要があると考えています。
また、追納制度の勧奨ですとか、徴収業務を担う職員の育成についても取り組んでまいりたいと考えております。
7ページは「参考」で、国民年金保険料収納対策の図になっております。一番左側が納めやすい環境づくりの整備、真ん中が納付督励の実施ということで、平成29年度は文書で3,706万件、電話で3,311万件、または戸別訪問を実施したりして、それでも督励に応じない場合は、右上にございますが、最終催告以上で103,614件を出して、督促状を66,270件、財産差押を14,344件ということで、効果を上げてきていると考えております。
以上が国民年金でございます。
続いて、11ページから厚生年金でございます。
厚生年金につきましても、既に御案内のとおり、未適の可能性のある事業所に対する適用促進ということで、平成27年度以降、国税源泉徴収義務者情報を活用しましたり、また、2つ目のマルにございますが、関係機関との連携を順次拡大してまいりました。その上で加入指導を実施した結果、3つ目のマルですが、加入指導による適用事業所数は、機構設立当初の約21倍に増加してきております。また、未適の可能性がある事業所数は平成27年時点では約97万件ありましたが、平成30年3月末時点では42万件まで減少してきております。数字については14ページにつけさせていただきましたので、後ほどご覧になっていただければと思います。
また、適用事業所に対する事業所調査も、より効果的な総合調査という形で進めてまいりました。
13ページに「次期中期計画に向けた課題」ということで整理をさせていただいていますが、従来の取組を継続しつつも、まず、適用促進につきましては、加入指導に応じない悪質な事業所に対して、どういった対応を行っていくのか。
事業所調査につきましては、どのように実効ある調査方法を確立していくか。
3つ目のマルの「適用調査体制の強化について」ですが、これは大規模な事業所とか複数の支店を持つ事業所の本社が都市部で集中しておりますので、こうしたことについて、どのように適用調査体制を強化していくかということでございます。
また、システムの見直しとか活用ですとか、外国人の適用対策も進めてまいりたいと考えております。
次に、資料15ページから徴収対策でございます。
これにつきましては、1つ目のマルが口座振替の推奨ですとか、2つ目のマルの納付計画の提出によって、計画的な滞納保険料の解消を推進してまいりました。
また、3つ目のマルですが、不履行になった場合は、滞納処分を実施したり、あるいは4つ目で、国税庁と連携して委任する仕組みを活用したりして、徴収を進めてまいりました。この結果、一番下にございますが、収納率については、平成22年度末で97.8%でございましたが、毎年向上いたしまして、平成29年度末には99%と、かなり高い率を確保しているということございます。
16ページに課題を挙げさせていただきましたが、徴収体制強化や、滞納処分ルールの決定を進めてまいりたいと考えていますが、一つは滞納解消に向けた実行体制の確立ということで、広域に事業を行っている困難性が高い事案が長期化、高額滞納事業所となる恐れがあることから、効果的な滞納処分による事案解消をどのように行っていくのかということ、あるいは国税庁を含めた関係機関との連携をどのように進めていくかということがございます。
また、滞納の早期解消と徴収職員の育成ですとか、システム体系の構築、あるいは口座振替の利用促進といったことも引き続き進めてまいりたいと考えております。
17ページは取組の推移ですが、一番上が保険料決定額・収納額の推移ということで、22年度が22兆円でしたが、29年度は31.2兆円ということで、収納額が非常に増加しております。一方で、真ん中から下にかけて収納未済額でございますが、これは22年度に4,770億円でしたが、29年度は2,843億円と、収納未済額は逆に減少してきているということでございます。
ページをおめくりいただきますと、適用事業所数・滞納事業所数・適用事業所数に占める滞納事業所の割合の推移を青色の棒線グラフで示しておりますが、平成22年度は滞納事業所が9.3%ございましたが、29年度は6.1%まで落ちているということで、徴収に関しては、力を入れてきた結果、成果が現れているということが見てとれるかと思います。
次に年金給付でございます。
20ページの一番上で、取組の概要と成果でございますが、年金給付業務の執行体制の再編を行いました。具体的には事務体制の見直しということで、1つ目のマルでございますが、新たに中央年金センターを設置しまして、年金支払業務等を担う本部現業部門を移管しました。
また、2つ目のマルでございますが、障害年金センターを設置して事務センターで行っていた障害基礎年金の審査・認定業務を集約いたしました。また、年金裁定に関する責任の明確化を図るためということで、事務センターで行っていた審査事務を年金事務所に移管して、相談窓口を含めた体制を整理いたしました。
一方で、研修の充実性やマニュアルの整備ということで、新たに給付業務研修強化室の設置ですとか、2つ目のマルにありますとおり、マニュアルを整備して、統一的なお客様対応を実施してまいりました。
取組の経緯につきましては、今ほどの説明について、年次で整理をしたものですので、ご覧いただければと思います。
21ページは課題でございます。
現在、順次行っている事務センターから年金事務所への審査業務の移管が平成30年度末で、全国的に完了することなどを踏まえまして、一つは年金給付業務の執行体制ということで、年金事務所と事務センターの体制、あるいは中央年金センターのあり方、本部内の各部の役割等々、給付全体の執行体制について、本部の現業部門のあり方を含めて、どのように構築していくかということでございます。
また、2つ目のマルですが、中央年金センターのあり方について、年金給付業務の中核を担う組織としての機能をどのように構築していくのか。
3つ目のマルで、年金給付の正確性の確保、障害年金の認定業務の標準化の促進、あるいは職員の育成ということにも取り組んでまいりたいと考えています。
22ページからサービススタンダードでございまして、これは御案内のとおり年金給付に係る書類を受理してから、年金証書がお客様に届くまでの期間について、2カ月とか3カ月、あるいは3カ月半とか、それぞれ所要日数を設定いたしまして、これを達成率90%以上とすることを目標としてまいりました。赤枠で囲われているところが、機構発足後3年の平均のサービススタンダードの達成率と、直近3年の達成率ということですが、機構発足後の3年では、基礎年金、遺族厚生年金が86.6%、79.9%、あるいは障害厚生年金は21%と非常に低い水準でございましたが、今では大体9割で、ほぼ目標を達成している状況になっております。
23ページに課題を書かせていただきました。先ほど御説明申し上げたような、年金給付業務の執行体制が変わってきている中で、サービススタンダードの見直しをどのようにしていくかということが、一つ課題かと考えております。
25ページからは年金記録でございます。
26ページにこれまでの取組の概要と成果、あるいは経緯をまとめさせていただきました。
御案内のとおり、社会保険庁時代から各種「便」というものを送付したり、第1期の中期計画期間中におきましては、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせを7,900万人に行うと共に「気になる年金記録、再確認キャンペーン」を実施しました。第2期の中期計画期間中では、こうした取組のフォローアップということで、紙台帳とコンピューター記録の突き合わせ事業の個別アプローチとか、過去に年金記録の相談に来られましたけれども、発見できなかった記録の再調査といったことを行っています。
こうした取組の結果、平成30年3月時点の未統合記録は1,903万件に減少しておりまして、31ページに推移を書いておりますので、ご覧になっていただければと思います。
取組の経緯については、今ほどの説明を図にしたものでございまして、27ページに取組状況の実施時期と取組を整理させていただきました。
28ページが今後の課題でございますが、一つは未統合(未解明)記録のさらなる解消ということで、照会先が判明している名寄せ特別便等未回答者には働きかけを行い、照会先が不明な方については、確認を呼びかけまいりたいと考えております。
また、確実な年金記録の確認ということで、裁定請求時に確実に年金記録の確認を行って、正確な給付につなげていくということですとか、「ねんきんネット」の普及促進によって、未統合記録の解消に努めてまいりたいということでございます。
ページを飛んでいただいて、33ページから「事務処理の正確性の確保」でございます。
34ページが取組の概要でございます。1つ目のマルでございますが、事務処理手順の不統一、不備に起因する事務処理誤りの発生防止のため、ルールの見直し、マニュアルの整備、体制の強化、ルールの徹底をということで、例えば一番上にございますが、平成24年には、受付進捗管理システムをの導入いたしました。また、マルの一番下から2番目の統一マニュアルの制定を、平成29年に実施をいたしました。
また、2つ目のマルですが、これにあわせて、過去に発生した事務処理誤りがあるかの点検や、その後の対応を行うため、事務処理誤り事例の分析、あるいは厚生労働省と法改正を含めた対応を実施してまいりました。最近で申し上げますと、振替加算の加算漏れの総点検ですとか、年金給付にかかる事務処理誤り等の総点検については、これまで御報告させていただいたものでございます
事務処理誤りの発生状況については、ご覧のとおりでございます。
35、36ページは、これまでの取組を年次で整理したものです。
37ページに課題を記載させていただきました。
一つは事務処理誤りの早期発見と対処、2つ目としては、先ほどの外部委託の報告でありましたが、本部現業部門のリスクの把握、あるいは外部委託に関するルールの徹底に取り組んでまいりたいと考えております。
38ページからは参考資料ですので、後ほどご覧いただきたいと思います。
41ページから「年金相談・お客様サービスの向上」でございます。
42ページが「取組の成果と概要」です。
まず「(1)年金事務所における相談窓口体制の充実」ですが、一つは分室を設置したことでございます。
2つ目のマルですが、正規職員、年金相談職員及び社会保険労務士による安定的な体制の構築を図りました。この結果、平成30年4月の時点で、正規職員等の割合が87.8%まで上昇しています。48ページに資料をおつけしましたが、平成23年は25.2%ですから、かなり体制が整ってきているということでございます。
また、3つ目でございますが、予約相談を開始しまして、予約率が現在76.7%まで上昇しています。
「(2)年金相談センターにおける年金相談の実施」ということで、これは社労士会に業務を委託して実施しているものですが、23年度以降、常設型出張相談所(オフィス)を29カ所新設しまして、全国計80カ所で対応しているということでございます。
(3)コールセンターでございますが、平成19年7月に「ねんきんダイヤル」を運用開始いたしまして、平成20年8月までに全国で3コールセンターを設置いたしました。
また、オペレーター数を増やすとともに、繁忙期等においては増席対応をいたしまして、この結果、応答率が平成20年度は27%でしたが、平成21年度は81.6%と、非常に向上をしているところでございます。昨年、扶養親族等申告書の関連で若干応答率が落ちましたが、基本的には上がってきているということでございます。
43ページの「お客様サービスの向上」としてCS推進の取組、あるいはお客様の声の収集、また「公的年金制度に対する理解の促進」ということで、年金セミナー、あるいは年金制度説明会を実施しているということでございます。
44、45ページは、今ほどの説明について図示したもので、随時、それぞれの取組を拡大していることが、お読み取りいただけるかと思います。
46ページは今後の課題でございます。まず、年金事務所につきましては、都道府県単位の設置から全国単位の設置への転換、あるいは相談体制の充実をあげております。
年金相談センターにつきましては、相談員の質のさらなる向上をどう進めていくか、コールセンターにつきましては、オペレーターの質や生産性の向上ですとか、年金事務所に寄せられる電話相談の吸収等について、どのように進めていくか、また、お客様からの評価、あるいは地域年金展開事業についても、それぞれ記載のとおり課題があるということでございます。
47ページに「年金相談・お客様サービスの向上に係る現状と課題(全体像)」とありますが、これまでこうした取組について、各個別に対応してきたということで、年金事務所に分室を作ったり、年金相談センターを増設してまいりましたが、全体として体系の整理をしていく必要があるのではないかということで、1つ目のポツにございますが、各種お客様チャネルを体系的にとらえ、お客様の様々なニーズにお応えするための相談体制を構築したり、お客様サービスの更なる向上のための新たなチャネルの検討ということを、これからの5年で検討していきたいと考えております。
48ページからは資料ですが、時間がございませんので省略させていただきます。
55ページからは「ICTの推進」ということです。
56ページは電子申請の推進でございます。
拠点における利用勧奨やインターネット広告を行いまして、結果、平成25年度末時点で5.7%だったのが、平成29年度末時点で14.4%まで拡大をしてきております。
57ページに課題を整理させていただいておりますが、1つ目は利用勧奨で、2つ目は電子申請の推進についてで、大法人は届出が義務化されますが、中小企業について、どのように対応していくかということをあげております。
あるいはマイナポータルとの連携ですとか、仮称ですが「事業所版ねんきんネット」ということで、中小企業の事業所が簡便にインターネット経由で届出ができるような仕組みの導入を検討してはどうかということでございます。
59ページからは「ねんきんネット」でございまして、これについては、ユーザID発行件数が527万件ということで、相当増えてきております。
60ページに課題を整理させていただきましたが、これについては利便性の向上をどう図っていくか、あるいは2つ目にございますが、お客様による記録の確認をどう進めていくか、また「ねんきん定期便」の電子化をどのように進めていくかということが課題として掲げられています。
63ページはマイナンバー制度でございます。
取組の概要としましては、ご覧の内容のとおり、マイナンバー法施行がありましたので、基礎年金番号等の紐付けですとか、マイナンバーによる年金相談・照会を開始いたしました。
今後の課題でございますが、1つは基礎年金番号とマイナンバーの紐付けのさらなる促進、あるいは機構の事務の効率化、適正化ですとか、3つ目のマルにあります個人単位での統一的な管理方法、管理項目の拡大などについて、今後、検討をしていきたいと考えております。
最後に、65ページからは制度改正への対応です。
66ページにここ6~7年の法律改正と施行の状況について、整理をさせていただきました。主なところで言いますと、年金機能強化法の短時間労働者への被用者保険の適用拡大ですとか、あるいは受給資格期間を25年から10年に短縮いたしました。
また、国民年金保険料の後納制度、5年後納、10年後納についても対応させていただいたところでございます。
67ページに課題を記載させていただいております。2つ目のマルの次期制度改正は、現在検討中ですので、今後の課題ということです。
1つ目のマルの年金生活者支援給付金に関する法律については、来年10月に消費税法の施行と同時に給付金が支給されることになっておりますので、これを円滑に実施することが、当面の課題と考えております。
68ページ以降は、法律の概要について、それぞれまとめたものですので、御参考いただければと思います。
大変駆け足で恐縮でしたが、説明は以上でございます。

○増田部会長 どうも御苦労さまでした。
それでは、ただいまの説明内容について御意見、御質問があれば、お願いをしたいと思います。
岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 ちょっと資料の意味がわからないので教えてもらいたいのですけれども、20ページの取組の概要と成果の中の一番上のマルの中に「新たに中央年金センターを設置し、年金支払業務等を担う本部現業部門を移管」したと、これは中央年金センターに本部現業部門を全面的に移管したという意味なのですか。これがどういう意味なのかわからないのだけれどもね。

○増田部会長 今の点についてお願いします。

○安部日本年金機構理事 年金給付担当の安部でございます。
今の御質問でございますが、従来、本部の中に現業部門として複数部ございましたのを、中央年金センターに集約する形で、現業部門を一括集約したということでございます。

○岩瀬委員 そこで中央年金センターに、要するに年金給付業務を責任を持ってやらせるということになったわけですよね。なのに、次のページの課題の中に中央年金センターの役割を見直すというのが書かれているのです。23ページの次期中期計画に向けた課題ですけれども、これはどういうことなのか。事後的なチェック体制の構築を進めるというのは、その任せた中央年金センターの役割を事後的なものに変えていくということですか。

○増田部会長 この点について、理事さんお願いします。

○安部日本年金機構理事 今回まず、集約をいたしました。その後、今、現場のほうでは給付事務の移管等が行われておりますし、事務センターと事務所の役割分担が行われている状況がございます。そういう中で、さらに正確な年金給付を行っていくという意味で、中央年金センターの中での事後チェック体制、給付のチェックをどういう形でやっていくか。拠点のほうで行われている新規裁定等の決定の部分についての内容の精査をどういう形で中央年金センターの中で見ていくかといった部分を、事務処理のあり方が変わってきておりますので、体制にあわせた強化を図るための見直しをするということでございます。

○増田部会長 岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 あまりよくわからないので、その中央年金センターをどう変えていくのか、詳細を教えていただきたいのと、課題として書くのであれば、どういう形に変えていくのかをもう少し具体的に書いていただけませんか。

○増田部会長 今のリクエストは、また検討してもらって、それでまた説明してください。

○安部日本年金機構理事 承知いたしました。

○増田部会長 西沢委員、どうぞ。

○西沢委員 幾つか感想と意見を申し上げますと、まず3ページで、市区町村との連携はかねてより重要なテーマだと思いますので、ここはもっと具体的に掘り下げていただいて、マクロで年金が50数兆円給付されていて、地域経済でも年金が支えているところが多いと思うのです。
ですから、年金保険料を確実に徴収して給付することは、地域経済を支えていることを市区町村にわかってもらって、国民健康保険料を徴収するのとあわせて、国民年金保険料を集めてもらえるように連携を深めていってもらったらいいと思うし、市区町村支援ツールをつくられて、その後ちょっとどうなっているかわからないのですけれども、支援ツールをつくられたとこの場でも何年か前にお話しされていましたので、ここは深めていただく。
あと、21ページ目で二つありまして、一つは障害年金なのですけれども、ちょっと前に1,000件でしたか、障害年金の支給を打ち切るという報道が出て、その後、切り捨てのような批判があったせいかどうか、それをやめたような報道があって、全体像がわかりにくいのですけれども、ここは多分、皆さんの中でも厳密に該当するかどうかチェックされて、その件数を定められて対象を定められたと思うのですけれども、何となく物すごく曖昧な感じになって、障害年金の難しさを感じさせましたけれども、ここは厳密にやっていただきたいなと思います。
ですから、今でも例えば事後的に障害がなくなって、前に耳の聞こえない音楽家がありましたけれども、どういうサイクルでチェックされて、どう客観性を担保されているのかとか、あるいは遺族年金でも、再婚して生計が成り立つようになると、例えば打ち切られたりすると思うのですけれども、それがどのように適正になされているのかといったところは、真面目に保険料を払っている人たちへの責任もありますので、説明がつくようにきちんと執行していただくべきだと思います。
あと、21ページ目に関連して、もう一つは最近、経済学でも金融ジェロントロジーとかよくはやっていますけれども、扶養親族等申告書のときも思いましたけれども、例えば年齢と共に認知機能も平均的には低下していきますので、90歳、100歳の人に65歳の方への扶養親族等申告書と同じ様式を渡す必要があるのかなと。例えば年齢がいってしまったら、もっと簡便なものを送ってもいいかもしれませんし、総じて高齢社会で、高齢者は認知機能が低下していくのはやむを得ない中で、どのように手続をしてもらうかといった、研究も進んでいると思いますので、そういったものを3カ年計画の中に生かしていくといいかなと思います。
最後に66ページ目の制度変更への対応の中で、当面は生活支援給付金ですか、5,000円マックスで払うもので700~800万人に払うと思うのです。これも700~800万人全員に間違いなく給付できるのなら全く問題ないのですけれども、現状どんなところがリスクとして想定されていて、何人ぐらいは失敗するのではないかというのがもしわかったら、私はそういうのは事前に言っておいていいと思うのです。1人でも間違えずに配るというのは、ほとんど不可能に近いと思いますから、どんなリスクがあるかを事前に見積もって、まさにそれがコンティンジェンシープランだと思いますので、やっておいていいと思います。
以上です。

○増田部会長 今の関係で何か御意見ありますか。よろしいですか。
私も最後のところはちょっと聞きたいなと思っていた点なのです。
お願いします。

○野口日本年金機構理事 事業推進担当の野口でございます。
市区町村との連携につきまして、貴重な御指摘をいただきましてありがとうございました。委員のおっしゃるとおり、非常に地域経済、町づくりの中で年金の給付金は大きな数字を占めていると、社会的なインフラとして非常に社会の安定に貢献している部分があるのではないかということは、御指摘のとおりだと思います。特に、例えば年金がいかに給付されるかが、生活保護にも影響してくるということもございますので、市区町村の皆様もその辺をよく御理解をいただきまして、私どもに御協力をいただいている状況でございます。
私どもといたしましても、市区町村の皆さんはどういう要望、ニーズがあるのかを聞き取らせていただきまして、どういう連携強化ができるのかということを、計画を立てさせていただいて、今、進めておりますけれども、それからまた、色々な連携を図っていただく中で、非常に国民年金保険料の収納率に高い貢献を与えていただいている市区町村を表彰させていただいたりといったこともやっておりますけれども、さらに今後も連携を深めていきたいと思いますし、国民健康保険との連携の問題でありますとか、さらに連携を深める方向につきまして、次期中期計画の中でも検討させていただきたいと思っております。
ありがとうございました。

○増田部会長 どうぞ。

○日原日本年金機構理事 それから、年金生活者支援給付金について質問をいただきまして、どうもありがとうございます。
今、お話しいただきましたとおり、大変多くのお客様に一度に手続をさせていただくものになりますので、これは準備をしっかりしていかなくてはいけない。これは延期になっておりますけれども、そういう観点から前回のものをそのままやるということではなくて、少しでも効率的に誤りのない事務ができるように、今は検討を進めているところでございます。
リスクという形のお答えかどうかわかりませんけれども、特に力を入れて考えておりますことの例を何点か申し上げさせていただきますと、まず、お客様にお送りするものをできるだけわかりやすく、記入をしていただくものでも簡単に記入をしていただいて、簡便な形で請求していただけるという形にしていきたいということ、それは事務フローもそうですけれども、まさに今回の扶養親族等申告書でも、色々と御批判をいただきましたように、請求書に書いてある内容そのもの、あるいはその案内をするパンフレットとか、そういったものそのものを極力わかりやすくしていきたいと考えております。
あと、この業務の特徴的なことといたしまして、市区町村との間で所得情報のやりとりをするということで、所得制限がございますので、私どものほうからデータをお送りして、市区町村でその対象者の方の所得のデータをいただいて、それをもとに返してもらって事務処理をするということがございますので、そこをうまくやっていくことで、この点については以前から年金局とも色々と協議をしておりますけれども、ここの部分で円滑にいくようにしたいというのが2点目でございます。
3点目でございますけれども、全く新しい制度になりますので、幾らわかりやすいものをお送りしても、これは何だろうといったようなお問い合わせがたくさんあると思いますので、その相談をきちんと受けられるようにする体制づくりです。
これらにつきまして、今、一生懸命に準備をしているところでございます。
以上でございます。

○増田部会長 西沢委員、何かあればまた言っていただきたいのですが、今の最後の点は消費税との関係で1人5,000円かな、政策パッケージにも入っているし、年金生活者の支援給付金ということでかなり、こちらでは安倍政権として肝いりでという感じになっているのですけれども、この間も市区町村に行ってその話をちょっとしたのですが、一昨日、もう一回引き上げることを総理は臨時閣議で決定したのですけれども、まだ今ひとつ市区町村の職員はわかっていないというか、まだピンときていなかったのです。
今おっしゃったように所得情報のやりとりがないとできないので、これは両サイドの問題で、年金機構は年金機構できちんとそれを準備していただくのと、これは総括的な、前のほうでも市区町村との関係の話で指摘があったのですが、今回はこの制度については、国全体として、しかるべき形でどういう事務が必要なのかということを、新たに付加する事務になるので、市区町村サイドに対してきちんと細かく説明する必要がある。そのあたりの準備がきちんとうまく追いついていくのか、若干心配もあるので、よろしくお願いしたいと思います。
西沢委員、どうぞ。

○西沢委員 今の生活支援金で、お客さんというか、800万人ぐらいですね。紙を出してもらわなければいけないというのも、私の考えからすると一見理解しにくいのです。実は年金機構と市区町村の中に情報が全てあって、でも、あえてこちらから紙を出さないと、やはり国からお金を出すから申請してくださいという趣旨だと思うのですけれども、多分、これも勝手に来るのではないかなと思っている人も結構いるような気もします。

○巽事業管理課長 年金局の事業管理課長です。
今の給付金の話につきましては、本人の所得情報と、特に老齢基礎年金受給者については、その世帯の非課税情報、非課税ではないといけないということで、国保中央会を通して、自治体に対して照会をかけて、それをまた1,800人から800人に絞って、そこからターンアラウンドの申請書をお願いするということですので、我々としても非常にそこは、今までの簡素な給付措置とかよりも非常に複雑なものだと理解をしております。
今、色々各自治体に照会をかけておりまして、疑義照会が700件ぐらい来ているのですけれども、それを今年中にQ&Aも含めて回答して、来年の1月、2月ぐらいに自治体に対しても、ブロック単位で厚労省のものが説明会に行って、年金機構と一緒に説明をするという段取りになっております。いずれにしても、かなり我々としても、この給付金については、慎重にかつ、丁寧に迅速にやらないといけないということで、やりたいと思っております。
先ほどちょっと、西沢先生から障害年金のことがございまして、1,000件につきましては、7月に厚労省から通知を出しましたので、それについては、今、その通知に基づきまして、受給者1,000人の診断書一件一件丁寧に審査を行っているところでございます。
それと、先ほどの認知機能が落ちているということは、我々も今回、扶養親族等申告書の関係で、30年度の申告書と31年度の申告書をかなり改善しております。また、31年度の申告書もかなり回収率が高くなっているところでございますけれども、まだ問題点は色々あると思いますので、そこは当然、機構と一緒になってできるだけ改善していきたいですし、色々な届出につきましては、やはり高齢者の認知機能も踏まえた届出様式にしていかなければならないということで考えているところでございます。

○増田部会長 西沢委員、よろしいですか。
多分、年明けに説明会を開いて、かなりマニュアル化してやると思うのですけれども、今までの私の経験だと、市区町村の担当者は4月に替わるので、2回やっておいたほうがいいと思う。年明けに1回説明会をやっておいて、基本的には担当者が引き継ぐのですが、今回は相当大きな話になるので、間違えないようにするためには、もう一回、年度がかわってからやっておいたほうがいいと思うので、繰り返しやっておいたほうがいいと思います。

○巽事業管理課長 了解しました。

○増田部会長 斎藤委員、どうぞ。

○斎藤(聖)委員 支払いの方法なのですけれども、コンビニだとか色々マルチペイメントが広がってはきているのですが、中期計画ということなので、もう少し先を見据えたものも入っていいのかなという気がしてお
ります。仮想通貨は、まだ一部のお店でしか払えませんけれども、それの研究をしているのか、せめて研究ぐらいは始めていただきたいなと思います。
それから、若者の間ではLINE Payですか、そういうのをやったりとか、今までと違う形でのお金を支払う人たちがふえてきている。それの研究、あるいは対応がどのくらいなのか、そういったようなことも触れていただけたらと思いました。

○増田部会長 どうぞ。

○野口日本年金機構理事 事業推進担当部門の野口でございます。
まさに若者の方も含めまして、被保険者の方々がどう払いやすく、納付いただきやすくする環境をつくるかということは、御指摘のとおり非常に重要な課題であろうかと思います。私どもの伝統的な支払い方法ではない、新たな支払い方法が現在色々検討されているということでございますので、この具体的なものにつきましては、表現上ございませんけれども、どのような支払い方法があるのか、あるいは世の中で検討されているのか、それが今、御指摘の若者の方も含めて、どのような受けとめ方をされているのかということは、もちろん十分検討していかなければいけない課題だとは思います。
ただ、現実に今、おっしゃられました仮想通貨について検討しているかと言いますと、検討はされていないのが現状でございます。

○増田部会長 いずれにしても、前広に検討してほしいということですから、その内容を踏まえて、中の検討を実施するのとは別なので、またよくそういうのを見てください。

○野口日本年金機構理事 わかりました。

○増田部会長 今日、実は部会長なのでこちらに来たのですが、同時間で政府税調が開かれているのだけれども、あちらでも納税環境の整備ということで、こういったことについても、色々と今後、環境整備ということが議題になっています。これは多分、こういう年金ということでやるのではなくて、年金だとか税の徴収のやり方として環境を整備するという広い中で進められていく話だと思うので、いずれにしても、ネットワークというか、アンテナは高くしておいた方がいいと思います。
斎藤委員、何かございますか。よろしいですか。
よろしくお願いします。
松山委員、どうぞ。

○松山委員 今の斎藤委員の御発言と私の指摘も似ていると思うのですけれども、やはり、今回の第3期中期計画策定に向けた取組ということなので、やはりもう少し長期目線での記載がほしいなというのが、率直な印象でございます。
取組の中身についても、確かに今の課題を色々書いていただいているのですけれども、今までの第1期中期計画が4年、第2期中期計画が5年ということなので、今から5年後のことを見据えた取組を書くとした場合に、やはりもう一歩踏み込むところはないのかなと。例えば、事務処理の正確性という一番大きな課題のところについても、お書きいただいていることはもっともですし、ぜひやっていただきたいなと思うのですけれども、やはり、マニュアルの整備、チェック体制という今までの延長線上だけではなくて、ITを活用した、より一層、事務処理ミスが発生しなくなるような仕組みづくりといったものの取組もやっていただきたいなと思います。
それから、7番の「ICT化の推進」というところも、これはいわゆる利用者の側が、どのように電子的な手続を利用してくるかというところが、割と書かれて中心になっているようにお見受けしたのですけれども、利用者の側は、給付を受けるのは高齢者の方なので、これはやはりどんなに旗を振ってもなかなか浸透しないところはあると思うのです。
ただ、そういうところだけではなくて、機構の中のほうでのITの活用といったところ、そういったところの取組がもう少し入っていると、今後5年間の計画ということであれば、より一層いいものになるのではないかなと思いました。

○増田部会長 ありがとうございました。
理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 今の斎藤先生と松山先生の御指摘は、大変重要な御指摘だと思っておりまして、機構の中では仮想通貨も含めて検討しなければならないと思っております。今後5年間を見据えてどのようなということでございますが、これは次回にまた御説明申し上げることになると思いますが、システムの刷新も含めまして、どのような方向で考えていくべきかについて、また、私どもの考え方を申し上げる機会があるかと思います。御意見を踏まえて、幅広に検討してまいりたいと思います。

○増田部会長 ありがとうございます。
他に意見はございますか。
山口委員、どうぞ。

○山口委員 総論的なところのコメントが1つと、各論で1つです。
今、松山委員がおっしゃいましたように、今度、3期の計画なので、どういうことが大もとのテーマになるのかと考えているのですけれども、1期から2期にかけての計画の印象は、やはり社会保険庁と一線を画す組織をつくっていくことに重きが置かれていたのではないかと思います。それが今般色々な不祥事が出てきて、業務をアップデートしないといけないことが喫緊の課題として見えてきたときに、これから5年10年と取り組んでいく上で、本来的な業務そのものに着目をして、組織体制を考えていくことが、より重要になってくるかと思います。
その中でサービスの全般的な質の向上も図られていくとよいのではないかと考えています。そのときに、これまでの業務の経験や勘に頼るとか、属人的に進めていくのが、やはり妨げになる部分も多いと思います。
今日も1つ目の議題でもありましたけれども、できるだけ色々な形で業務を見える化して、課題になっている部分を洗い出すのは有効なやり方と考えますので、色々な場面でそれを進めていくとよいと思います。それが1点目です。
もう一点が、先ほど西沢委員が御指摘になられました障害年金の認定業務の標準化のところですけれども、今、標準化ということで、それを進めていくのが、今後の課題としても挙げられているのです。
標準化を進めることの当初の狙いがあって、それが認定結果等を含めて成果を検証していくような課題がありますけれども、ここで多分、セカンドオピニオンと書かれているのはそうかなと思うのですけれども、認定の客観性について、申請者の方から見て、それが客観的であることについての納得というのも必要だと思います。申請者の方から見て、今回、標準化を進めていることがどのように評価されるのかというような視点も盛り込みながら、今後の制度の改善につなげていただければと考えております。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。
よろしゅうございますね。よく受けとめておいていただきたいと思います。
他にはございますか。
岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員 事務処理の正確性に関するところなのですけれども、これは課題としてマニュアルの整備と書かれていますが、マニュアルの整備とは、第2期中期計画で実施したことではなかったのですか。あれのやり残しがあって、今回やるのか。あるいは、前回のマニュアル整備は、こういう中期計画の中に位置づけてなかったのかどうか。そこを教えてもらえますか。

○増田部会長 それでは理事長さん、お願いします。

○水島日本年金機構理事長 こう申し上げると、お答えになっているかどうかわかりませんが、マニュアルに関しまして、まず拠点のマニュアルと申しますか、事務所のマニュアルに関しましては、一応完成もしてWEB化も完成をいたしました。ただし、まだまだ使いやすさ、あるいはわかりやすさという面では改善を要する面が多々あると思っておりまして、この改善をさらに進めていかなければいけないということが、まず一点でございます。
それから、本部の給付に関するマニュアルに関しましては、まだ未整備な面が多くございますので、これについてはさらに進めていかなければいけないという意味で、もちろん従来からの課題でございますが、引き続きの課題として認識してございます。

○増田部会長 よろしいですね。

○岩瀬委員 そうしたら、今回の中期計画における課題において、どのようにマニュアルを整備するのか、もう少し具体的に書いていただいたほうがわかりやすいかなと思います。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは今の点、よろしくお願いします。
それでは、おおよそ時間がまいりましたので、基幹業務についての議論については、ここまでといたします。
次回は組織、人事、内部統制、システム刷新を主に、いわゆるガバナンス系統ですが、こちらを主に議論をしていただく回にして、その上で、今日の議論、次回の議論も含めて、もう一回さらに中期計画を決める際についての場を、この場で持ちたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
本日の議題は全て終了いたしましたので、次回の日程については、事務局から改めて御連絡をすることにいたします。よろしくお願いします。
それでは、本日の会議はこれで終了といたします。御苦労さまでした。
 

 

(了)

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