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2018年9月7日 第38回社会保障審議会年金事業管理部会議事録

○日時

平成30年9月7日(金)10:00~12:00

 

○場所

全国都市会館 第1会議室 
東京都千代田区河平町2-4-2
 

○出席者

増田部会長、大山部会長代理、岩瀬委員、喜田村委員、斎藤(聖)委員、齋藤(衛)委員、西沢委員、西村委員、原委員、山口委員

○議題

(1)日本年金機構の平成29年度業務実績の評価について
(2)その他
 

○議事

 

 

 

○仲澤事業企画課課長補佐 定刻より少し前ではありますが、皆様、おそろいになりましたので、ただいまより第38回「社会保障審議会年金事業管理部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
初めに、委員の出席状況ですが、本日は、石井委員、椎野委員及び松山委員が御欠席でございます。なお、座席表に記載があります年金事業運営推進室長の黛にかわりまして、年金局事業企画課で課長補佐をしております私、仲澤が代理としてこちらに着席させていただいております。
議事に入る前に、厚生労働省に人事異動がありましたので、御紹介いたします。
巽事業管理課長でございます。

○巽事業管理課長 どうぞよろしくお願いします。

○仲澤事業企画課課長補佐 駒木大臣官房参事官(年金業務システム及び監査担当)でございます。

○駒木大臣官房参事官 駒木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○仲澤事業企画課課長補佐 相澤システム室長でございます。

○相澤システム室長 相澤でございます。よろしくお願いいたします。

○仲澤事業企画課課長補佐 それでは、議事進行につきましては、増田部会長にお願いしたいと存じます。
恐縮ですが、カメラにつきましては、ここまでで退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○増田部会長 それでは、議事次第に従いまして、(1)「日本年金機構の平成29年度業務実績の評価について」を議題としたいと思います。
私、部会長のほうから事務局に指示をして、「機構の平成29年度業務実績の評価結果(案)」を作成しております。後ろのほうに資料としておつけしておりますので、初めに事務局から、こちらの説明をお願いしたいと思います。
なお、本日付で、厚生労働大臣から、「日本年金機構の平成29年度の業務実績の評価」について、社会保障審議会の西村会長宛てに諮問がなされているところであります。
それでは、事務局、説明をお願いします。

○仲澤事業企画課課長補佐 事業企画課課長補佐の仲澤でございます。
私のほうから、資料1「機構の平成29年度業務実績の評価」について説明させていただきます。
機構の評価につきましては、日本年金機構法に基づきまして、毎年、厚生労働大臣が行うものでありまして、この評価に当たっては、社会保障審議会に諮問がなされ、この年金事業管理部会で御議論いただくことになっております。諮問書につきましては、資料1の次に参考資料として添付しております。
平成29年度の業務実績につきましては、前回、前々回のこちらの部会で既に御議論いただいているところでございますが、その議論の内容を踏まえまして、機構から提出された業務実績報告書の内容について、29年度の年度計画に照らして、どういう達成状況になっているか、評価結果(案)を取りまとめましたのが資料1でございます。
評価の基準につきましては、資料1の表紙をおめくりいただきまして、下のところに判定基準がございます。この考え方に基づいて、評価・評語がつけられるということでございます。年度計画を基準にして、年度計画を概ね達成している項目につきましてはBという評語がつきまして、計画を上回っている場合はAまたはS、逆に計画を下回っている場合はCまたはDという評語になるということでございます。
この一覧表でございますけれども、一番右の欄が29年度の評語の案、その左の欄が昨年評価が行われた28年度の評語となっております。28年度から29年度評価(案)を比較しまして、変わったところを申し上げますと、上から3つ目の厚生年金保険の適用促進がAからB、中段少し下の9.年金制度改正等への対応がBからA、その3つほど下の外部委託関係がBからDへという案になっております。
そして、個別の評価のところの御説明ですが、非常に大部で、これを逐一御説明できる時間はございませんので、今回、28年度と29年度の案がBのまま同じ評語となっている項目につきましては、説明を省略させていただきまして、B以外の評語がついているもの、28年度評価から変更があった項目について御説明させていただければと存じます。
まず最初に、資料、目次から2ページほどおめくりいただきまして、3ページをご覧ください。この表は、列が5つございますが、一番左が年度計画、その隣の左から2列目、3列目が機構から提出された業務実績でございます。右側の2列が、業務実績に対応して作成しました評価にあたっての視点と、評語、評価の理由の案となっております。
3ページの国民年金保険料収納対策についてですが、左から2列目の欄内に納付率等の状況の表がございますとおり、平成27年度分保険料の伸び率が、目標7ポイントに対しまして9.8ポイントプラス、平成28年度保険料が、目標4ポイントに対して6.5ポイント、平成29年度保険料が目標1ポイントに対して1.3ポイントと、全て目標を大きく上回っておりますので、こちらの項目につきましては、28年度から引き続きA評価の案としております。
続きまして、9ページをご覧ください。厚生年金保険の適用促進対策についてですが、28年度はA評価でしたが、B評価の案としております。国税源泉徴収義務者情報を活用し、適用促進を図っているところでございますが、適用すべき被保険者が多い事業所から適用を進めることとしており、具体的には、適用すべき被保険者が10人以上の事業所の適用取組期間は平成30年9月末まで、5人から10人の事業所については、1年長い平成31年9月末までに取り組むこととし、それぞれの目標を立てておりました。
9ページの右の欄の評価の理由の2つ目の○に記載しておりますが、5人から9人以上の事業所については、目標であります6,211事業所を上回ります7,818事業所を適用いたしました。10人以上の事業所につきましては、目標であります1,775事業所の9割程度の1,611事業所適用にとどまったところです。新規適用事業所数全体の目標は達成しておりますが、優先的に取り組むこととしていました10人以上の事業所について、目標達成できませんでしたことから、B評価の案としております。
続きまして、15ページをご覧ください。厚生年金保険の徴収対策についてですが、評価理由の3つ目に○に記載していますとおり、徴収対策を進めました結果、厚生年金保険の保険料収納率は、前年度の28年度より0.1ポイント高い99.0%となりました。健康保険も0.2ポイント高い98.2%となりまして、28年度に引き続き数値目標を達成していますことから、A評価の案としております。
続きまして、45ページをご覧ください。年金制度改正への対応についてですが、平成29年度は29年8月施行の年金受給資格期間の短縮による一時的な年金請求の増加があったところです。機構においては、計画的にターン・アラウンド方式で年金請求書を送付し、電話による勧奨を実施いたしまして、相談窓口を整え、一時的な年金相談、年金請求の増加に対応したところでございます。
評価理由の1つ目の○に記載しておりますが、約47万9,000人の方が新たに年金受給を開始しております。これは、年金請求書を送付した約67万6,000人から、既に障害年金や遺族年金を受けている方を除きました約59万8,000人の8割に当たるところでございます。こうした大きな制度改正につきまして、円滑な施行事務、事業運用を行いましたことを評価いたしまして、A評価の案としております。
続きまして、54ページをご覧ください。外部委託に関する項目についてですが、平成29年度は、扶養親族等申告書のデータ入力業務の外部委託において、業務管理が適切に行われず、重大な契約違反が発生したところです。
評価理由の一番下の○に記載していますとおり、第三者の調査委員会報告書の提言や業務改善命令を踏まえ、大幅な改善の必要があるところです。機構においては、調査委員会報告書の提言や当部会での議論を踏まえまして、現在、外部委託に関する業務の見直しを鋭意進めているところでございますが、29年度末時点におきましては、現在、進めております改善措置に着手できていませんことから、D評価の案としております。
なお、業務改善命令におきまして、改善措置の実施状況について、平成30年9月末時点で機構から厚生労働省に報告することとされております。当部会の検証作業班で検証いただきますとともに、報告内容につきまして次回以降の当部会において報告させていただく予定としております。
続きまして、61ページをご覧ください。内部統制システムに関する項目についてですが、評価の理由の1つ目の○に記載していますとおり、再生プロジェクトにつきましては、71項目の全てに対応し、平成30年7月の成田分室の開設をもちまして、3カ年の集中取組期間の2年目におきまして、全ての項目につきまして実施済み、または実施中となっております。
しかしながら、次の62ページの評価理由の先頭に記載していますとおり、扶養親族等の業務委託につきまして問題があると担当部署が把握していた情報が、機構本部内で適切に共有されず、組織的な対応が遅れたところです。再生プロジェクト等の取組は評価できるものの、本部内の情報共有につきましては見直しを図っていただく必要がありますことから、28年度に引き続きまして、この項目につきましてはC評価の案としております。
続きまして、85ページをご覧ください。個人情報保護に関する事項についてですが、情報セキュリティ対策につきましては、業務改善計画に沿って着実に進められているところでございますが、外部委託業者が無断で再委託を行うという契約違反が発生したところでございます。この個人情報保護に関する事項につきましては、88ページの年度計画、左側の欄に記載がございますが、外部委託先における個人情報の管理につきましても評価の対象となっております。再委託先からの個人情報の流出はなかったところですが、機構の外部委託の管理につきまして見直しを図る必要がありますことから、28年度に引き続きまして、この項目につきましてはC評価の案としております。
以上のとおり、「平成29年度業務実績評価(案)」につきましては、扶養親族等申告書の外部委託に係る一連の事案により、外部委託の項目についてD、内部統制システムについてC、外部委託先の個人情報管理につきましてC評価と、低い評価(案)となっております。外部委託で発生しました1つの事案に対して、外部委託以外の項目でも評価に影響しておりますが、再発防止のため、内部統制システム等につきましても見直しを図っていただく必要がありますので、こうした評価(案)としております。
なお、予告となりますが、機構の中期目標・中期計画は、来年度から第3期に入ることになります。年度末に向けまして中期目標・中期計画を策定する必要があり、新たな目標・計画につきまして次回以降の部会において御意見をいただきながら進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
資料1についての説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○増田部会長 ありがとうございました。
今、御説明がありましたが、今回は例の外部委託の問題がありましたので、案ですけれども、D評価が1つ付いております。それから、C評価は28年度と同じく2つ、年度計画を上回っているというA評価も、28年度と同じく3つ。したがいまして、B評価は28年度の19よりも1つ少なくなって18。これが現段階でのお手元にございます案ということになります。
これから御意見、御質問等お受けをして、今日は諮問を受けておりますので、それに対しての正式な答申ということで、最終的に決議をとらせていただきたいと思います。それでは、これから各委員の皆さん方から御意見、御質問等がありましたらお願いしたいと思います。
岩瀬委員、どうぞ、お願いします。

○岩瀬委員 3つばかりあるのですけれども、連続で聞いてよろしいでしょうか。

○増田部会長 どうぞ。

○岩瀬委員 1つは、国民年金の保険料収納対策についてに書かれていることですが、その中で7ページに、後納制度及び任意加入制度の利用促進というのがあって、この利用対象者が697万人いるにもかかわらず、現時点で22.8万人しかこの制度を利用していない。利用対象者のわずか3%しか利用が進んでいない。これは、僕は非常に問題じゃないかと思います。
この制度自体は、記録問題とセットで考えられた制度だったと僕は記憶しているのですけれども、当時、年金記録回復委員会で議論して、年金局では法制局とかけ合って、この制度をつくった。これは、年金記録問題で、もう記録がないのだと納付を諦めた人たちに、再度納付の機会を与えるというか、納付してもらおうということでつくった制度なのに、全然利用されていないというのはどういうことなのでしょうか。
例えば、国民年金の納付率だと70%いくわけです。厚生年金だと99%いくわけですから、必要だと思えば、みんな利用する制度だと思います。それをほとんど告知していない。積極的に勧奨していないことの結果がこれじゃないでしょうか。となると、ここのA評価というのはちょっと高過ぎるというのが私の意見です。それが1つです。後でお答えいただきたい。
もう一つは、54ページの外部委託に関するところですが、この外部委託に関しては、既に8月6日に第1回検証作業班が行われて、そこで機構側からヒアリングをしています。第三者委員会の指摘を受けて、機構がどういう抜本対策を考えているのかというのを聞いているわけです。そのときに機構が出してきた資料があるのですが、そこに書かれているのは、非常に重要な項目の中の、事業が始まる前にどういう検査をするかという履行開始前検査についての新ルール、抜本的なルールというのを書いています。
具体的にどういうことかというと、履行開始10日前までに運用仕様書に記載された履行体制等々を準備しなければならないというのと。もう一つ、必要書類等を提出しなければいけないことを仕様書に書く。これが第三者委員会の指摘を受けて、抜本的に機構が考えたルールと、検証作業班にこういう形で資料を出されているのですけれども、今、言ったこの2つのルールというのは、既にルール化されていたのではないでしょうか。
これは、前回の部会でも言いましたけれども、運用仕様書に書かないといけないということは、今回問題になったSAY企画の入札の際に開示した運用仕様書に既に書かれているわけです。仕様書に書かないといけないことに関しては、SAY企画と機構との間で結ばれた契約書の中にちゃんと書かれているわけです。既にあるルール、既にマニュアル化されているルールが、なぜ抜本的ルールとして我々に提示されたのか、これがちょっとわからないので、これも御説明いただきたい。これは、説明いただきたいということをその場で言っていたのですけれども、1カ月たっても全然答えがないというのはどういうことなのだろうということなので、答えがないことも含めて説明いただきたい。
もう一つは、これは説明に今なかったのですが、32ページに書かれているテレビ電話相談です。これは、機構が自己評価のところで、この事業を今後進めるかやめるかの判断をするに当たって、お客様アンケートや市役所職員のヒアリングなどを参考にして決めると書いています。お客様アンケートとか佐渡市の職員のヒアリングというのは、参考材料として収集するのはいいと思いますけれども、こんなもので貴重な財源を使う事業を決められても、ちょっと困るのではないかと思います。
私は、このテレビ電話相談に2回視察に行きましたけれども、2回目に行ったときは佐渡市の職員がついていないのです。僕が行ったときがたまたまつかなかったのかもしれないけれども、ついていない職員のヒアリングをしても、あまり意味がないのではないでしょうか。ここに関しては、これも年金局を通してデータを出してほしいと言っていますけれども、全然データが上がってこないのですが、この評価表の中には、3月末までに91件相談したとありますけれども、7月末で215件相談しているのです。
その相談内容というのは、どういう相談だったか、どういうところに問題があったのか、職員の分析がないと、客観的に続けるか続けないかの判断は普通できないと思います。職員の評価というか、職員のデータをきちんとそろえないと客観的に判断できないと思います。これは、アンケートとかヒアリングとかで決めるとなったら、国民の理解は得られないのではないかと思います。そこのところをどうするのか、これもはっきりさせていただきたい。
以上3つです。

○増田部会長 それでは、今、3つありました。順次お答えいただきたいと思います。
どうぞ。

○野口日本年金機構理事 事業推進部門担当、野口でございます。
まず、最初の5年後納の御指摘につきまして、お答え申し上げたいと存じます。5年後納制度につきましては、平成27年10月から平成30年9月まで、今年の9月まででございますが、3年間の時限措置として実施されてございますけれども、委員御案内のとおり、それ以前、10年後納付制度がございまして、それを引き継ぐ形で現在に至っているということでございます。
その10年後納制度でございますが、それのまた3年前、24年から27年までということでございますけれども、約2,000万人の方全員に個別にお知らせする。一般的な周知広報も大事でございますが、納めようと思えば納められる方に個別にお知らせするということがポイントになろうかと思いまして、最初に、10年後納制度発足直前直後でございますけれども、ほぼ1年かけて2,000万人の方に個別にお知らせをしたということがございます。その結果、一定の方から申し込みをいただいて承認させていただいているわけでございますが、それを引き継いだ5年後納制度になるわけでございます。
効果的な周知あるいは勧奨を行う必要があるということで、10年のときには2,000万人を最初にやったわけですが、納付意欲が高いのではないか、あるいはより効果が高いのではないかと思われる方を、まず最初に対象として勧奨を実施したらいいのではないかという考え方で、50歳以上の方を対象として255万件の勧奨を実施したという状況でございます。
したがいまして、29年度までそういう形でやってきたのでございますが、まさに今年の9月末で期限を迎えることになりますので、これは最後に何としても利用していただきたいということで、今年の7月から8月にかけてでございますけれども、後納利用可能者全員の方を対象として、個別に勧奨を実施したところでございます。その勧奨の結果、現在、申し込みいただいておりますけれども、9月末時点はもちろん集計でき
ておりませんが、8月末時点までで約26万9,000件の申し込みをいただくような状況になってきたということでございまして、このような形で後納制度につきまして周知・個別勧奨してきたということでございます。

○増田部会長 では、まず3つ、それぞれ先に答えてもらいましょう。2番目。

○日原日本年金機構理事 それでは、2番目の方針について、お答えさせていただきたいと思います。
まず、業務委託員の名簿など、必要書類の提出義務についてでございますけれども、そういった書類の提出義務、それから提出期限につきましては、これまでも明記していたということでございますけれども、提出されなかった場合にどういう対応をとるかということにつきましては、これは明確な規定がなかったということでございます。ですので、これにつきましては、今回のルールの見直しの中で仕様書を見直しまして、履行開始予定日の10日前までに、こういった必要書類の提出がなければ、提出されるまでは業務の履行を開始することそのものができないことを明記したということでございます。
それから、もう一点、御説明させていただきたいと思いますけれども、履行開始前の検査のほうでございますけれども、履行開始前の検査をするということを、今回の見直しに当たりましては契約書上明記しました。ですので、出していただいた運用仕様書でお書きいただいた履行体制は、履行開始予定日の10日前までにそういう整備をしてほしいということを仕様書に定めまして、その状況を履行開始日3日前に立ち入り検査をして確認する、また、その検査に合格しない場合は、履行開始を認めないということをあらかじめ仕様書に明記するという新しいルールにいたしまして、これを徹底していきたいと考えております。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 2点目の後半の部分でございますが、前回の検証作業班で御指摘いただいたことについて、資料を御提出していないのではないかという御指摘でございます。今月末に再度、検証作業班をお開きいただくことになっていますが、それにあわせて御提出するということで準備を進めておりましたが、私のところには既に来ておりますので、可及的速やかに御説明申し上げたいと思います。
それから、テレビ電話相談でございますが、市役所の方や利用者の方の意見以外に、職員がどのように判断しているかということについても参考にすべきだという御指摘だと思います。それに対しても、もちろん調査いたしまして、参考にいたしたいと思います。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、岩瀬委員。

○岩瀬委員 長引いて申し訳ないです。
まず、5年後納に関して、やりましたよというのは僕もわかるのです。1回や2回はやっているだろう。でも、これが時限立法としてつくられた趣旨からいって、もっと熱心にやるべきじゃないか。これは、たかだか22万人、追加で26万人と言ったって、1割も行かない数字なのです。こんなもので、さんざん記録問題で国民に迷惑をかけて、それを回復するための一つの施策としてつくられた、この法律が全然活用されなかったということは、僕は実施機関として相当問題だと思います。だから、やったからいいだろうという説明は、ちょっと理解しがたいということを言っておきたいと思います。
それで、一体何をやったのか。前から示してほしいと言っているのだけれども、一体何をやったのか、どういうポスターを、何種類のポスターをつくって、あるいは個別に勧奨したときの書類はどういう書類を送ったのか、全部見せてもらえませんか。機構に行きますから、全部用意して見せていただきたい。これは、次回の部会までに間に合わせないといけないので、早くやってほしいです。それが1つですね。
それと、もう一つのルールの件ですけれども、堂々めぐりになりそうですが、今まで明記していなかったものを明記したとおっしゃいましたけれども、明記されているのです。3日前にチェックするというのだけは明記がなかった。10日前までに出すべきであるというのを契約書に書いている。それを守らなかったら契約解除すると書いてあります。これが何で抜本的なルールになるのか、私は理解できない。ここで長くやってもしようがないので、そちらの主張の根拠を出していただきたいと前回、言っているので、早く出してください。それをもって、もう一度、次回の部会で意見を言いたいと思います。やっていてもしようがないと思います。
テレビ電話相談に関して言えば、職員も参考にするのではなくて、職員がベースにならないといけないのではないでしょうか。そこが本末転倒というか、間違っているのではないかと思います。アンケートと佐渡市の職員のヒアリングだけで、この事業を続けると決められるものなのか、僕は不思議に思えてしようがないです。決められるというのだったら、その決められる根拠と説得性のある説明をしてくれませんか。

○増田部会長 それでは、理事長さん。

○水島日本年金機構理事長 まず、5年後納に関しましては、どのようなことをやったか、資料等に関しまして提出いたします。
次に、抜本的なルールではないかということに関しては、もちろん御提出いたしますが、1点御理解いただきたいのは、今まで履行前検査について立ち入り検査を実施するということを契約書上、明記していなかったわけでありまして、立ち入り検査を行うということと、立ち入り検査に合格しない場合には、事業を開始させない、あるいは改善の見込みがない場合には契約を解除するということについて明記したということでございます。私どもとしては、これは調査委員会の御指摘を踏まえて対応したということでございますが、かなり効果が出ると認識いたしております。
それから、テレビ電話相談に関しましては、色々な方の御意見を承った上で、保険料の無駄遣いにならないように効果的な施策にしていくという御指摘だと思います。そのとおりだと思いますので、私どもとしてもそれを踏まえて対応してまいりたいと考えております。

○増田部会長 それでは、これは岩瀬委員、後でまた資料等の提出もあると思いますので、引き続き、その点についてはよくご覧いただいて。

○岩瀬委員 1つ質問してよろしいですか。部会長に質問なのですけれども、これは今、資料をもらい、もう一回ヒアリング。その結果について、意見に反映させられるのですか。もうできない。

○増田部会長 今日のこれについては、諮問答申は今日中に行いますので。ただ、これは昨年度の評価について、御承知のとおり、これまでも何回もやってきましたS、A、B、C、Dで評価しますが、個々の細かな問題については、継続してこの委員会で、特に検証作業班を設置したりして、以前より深く機構と接触する機会や指導する機会もありますので、今日は今日で諮問答申の手続に入っていますが、引き続き検証作業班で現場へ行かれたりしてやる際に色々言っていただいて、適宜、こちらの本部会のほうで御報告いただければ、部会としてもきちんと理事長さんがいる場で議論したいと思います。

○岩瀬委員 わかりました。

○増田部会長 それでは、この件は、色々な資料の準備等、御説明を受けますので、機構のほうでよろしくお願いしたいと思います。
ほかの委員の皆様方、御質問等ございますでしょうか。
原委員、どうぞ。

○原委員 ありがとうございます。
私は、この評価自体の意見ではございませんけれども、いつもこの評価をやっているととても違和感があります。要するに、計画に沿ってやることはやっているのですといって、多くの項目がAやBになり、大体何か大問題が起きて、そこがCかDになる。今年であれば、外部委託と扶養親族だったわけですけれども、また来年になると、また別のところで別の大問題が起きて、そこがCかDになりはしないかと思われてならないわけであります。必ずそこで問題として出てくるのが、組織の風土の問題とか、情報の共有が不十分だったとか、ルールを徹底するのが不十分だったといった問題が言われるわけです。
去年もたしか私、同じようなことを申し上げたのですが、例えば組織風土や情報共有といった問題に関して、実際にどういった成果があったのかという成果の指標。大変難しいことはわかるのですが、その成果の指標をしっかりと定めて、それをチェックするということを真剣にやらないといけないのではないか。そうでないと、計画に書いてあることはやっていたのだけれども、そんなによくはなっていませんでした、また問題が起きましたということをこれ以上繰り返してはいけないのではないかと思います。
申し上げたい趣旨は、次以降の新しい計画や目標の積極的に向けてですけれども、ぜひそういったことを厚生労働省さんでも真剣に御検討いただいて、私たちもちゃんと考えないといけないのではないかと思いました。
以上です。

○増田部会長 これは高橋さん。

○高橋年金管理審議官 御指摘ありがとうございます。
私どもも、計画と評価、目標と評価、色々難しい点を含んでいると思っております。指標だけで評価して、本当の評価ができるのかという点も一方でございますし、指標になりにくいものをできるだけ指標化していく努力をしつつ、その実態をどう評価するか。努力が進んでいくと計画をもっと引き上げていく。そうすると、だんだんBに収斂してしまうのではないかという視点とか、色々評価に当たっての課題があると思っております。
先ほど申しましたけれども、次の中期計画に向けて、中期計画の目標、中期計画自体をどうしていくか。この評価の項目の立て方も含めて、もう少し議論した上で、次期の計画に向けて、御指摘のようなことも含めながら考えていきたいと思っております。
ありがとうございます。

○増田部会長 今の点は、私も若干思うところがあります。ただ、今日のこの場だと不十分なので、10月、11月とこの部会の中で次期中期計画を議論するわけですが、中期計画と、その中身と、どういうものを狙って、それでどう評価していくのか。今の部会の立て方でいくと、こういったS、A、B、C、Dという評価はある種定型的な評価みたいなものがあるのですが。
それと、前回の不祥事もあって、色々改革や計画をつくって実行していく中で、今回の外部委託の問題も出てきて、ガバナンスの問題も出てきたので、そのあたりは、2回ぐらい予定されている次の中期計画に向けて、計画の中身だけじゃなくて、もう少し周辺のところも含めて議論が必要かなと私も思っていますので、問題意識をぜひ持っていていただきたいなと思います。
原委員、どうもありがとうございました。
ほかに。西沢委員、どうぞ。

○西沢委員 評点全般には、違和感はありません。
1つ質問ですけれども、10ページで、優先加入指導事業所の取組と目標達成状況のところですけれども、10人以上が90.8%で、5人から9人が125.9%で、10人以上が未達なのでBということになっていると思うのですけれども、質問は、自己評価のところで、10人以上は訪問による加入指導を実施して面談できないと書いてありますが、5人から9人のところはそう書いていませんけれども、10人以上に対するアプローチの方法と5人から9人に対するアプローチの方法が違っていて、例えば5人から9人は訪問しないとか、10人以上は法人専門の部署で対応して、5人から9人は各年金事務所でやっているのかどうかというアプローチが違うのか。
あるいは、考えにくいのですけれども、10人以上と5人から9人の属性自体が違っていて、加入に結びつけにくいのか、こういったあたりの分析をどうされているのか、教えていただきたいと思います。

○増田部会長 それでは、今の点、お願いします。

○野口日本年金機構理事 未適用の事業所に対しまして、その実態を把握して適用に結びつけていくという作業をずっと続けてきておりますが、その際に、10人以上、あるいは5人から9人と分けるのは、10人以上のところのほうが優先して適用すべき必要性が高いだろうという意味でカテゴリーを分けて、10人以上、それから5人から9人という形にとりあえず分けさせていただいて、取組の期限も、10人以上の方を今年の9月までを期限にしよう。それから、以下の小さな5人から9人まではさらに翌年にしようという形で、大きな枠組みをつくった上で、その適用調査を進めるという形をとっております。
したがいまして、優先的にそういうことをやるということはあるのでございますが、それについての調査の仕方につきまして本質的な差があるわけではございません。基本的には同じことをやって、仮に10人以上の事業所であっても、行ってみたら5人だったということもあるわけでございますが、いずれにしましても同じような形で調査を行って適用に結びつけていく。あるいは、その実態を把握してみたけれども、実は適用対象とすべき被保険者がいなかったということもあると思います。そういうことも含めて、実態を踏まえて仕分けをして、適用すべき事業所も被保険者も適用するというやり方をとっているということでございます。

○増田部会長 西沢委員、どうぞ。

○西沢委員 そうすると、アプローチの方法は、5人から9人も、10人以上も同じで。

○野口日本年金機構理事 基本的に同じでございます。

○西沢委員 10人以上のほうが難しいということですか。向こう側の属性で。その辺を分析されると、次の手を打つときに変わってくると思います。次回でもいいので、教えていただけたらと思います。

○野口日本年金機構理事 わかりました。調査に行った結果、事業主の方と接触できないとか、色々困難な事例がございます。それに関しまして、色々分類して、例えば10人以上と5人から9人で何か属性の違いがあるのかとか、そういうことも含めて少し検討してみたいと思います。

○増田部会長 また次回になるか、今の御質問も含めて、この場で言っていただけますか。

○野口日本年金機構理事 わかりました。

○増田部会長 ほかには。齋藤衛委員からどうぞ。

○齋藤(衛)委員 先ほどの原先生の御意見の各論になるかと思いますけれども、私、大きな話としては、外部委託の件で漏れてしまった感はありますけれども、国民年金の振替加算の支給漏れの発見と対応ということがあったかと思いますけれども、この点について、この評価の26ページの事務処理の正確性の確保という中で、発見の経緯とかについて記載があるのですけれども、これは内在するエラーを見つけて対処するということに関しては、否定的な理解をされる方は多いかもしれないですけれども、それを見つけてやるという行為に関しては、前向きに評価するべきじゃないかなと感じます。
ですので、この評価自体には影響させなくていいと思いますが、今後の評価項目の項目立ての段階で誤りをチェックして見つけていくような活動と、それによって見つかった誤りに対するフォローアップの活動と、平常時の事務処理を適正・正確に保つ、この3つぐらいにできれば分けて評価できるようにしていただけると、過去の行った事務処理が正しかったかというところを検証する作業というものが奨励されるのではないかという意見でございます。

○増田部会長 今のは意見ですので、検討をお願いしたいと思います。
それでは、斎藤聖美委員。

○斎藤(聖)委員 2点申し上げたいと思います。
今、齋藤衛委員から出たところに関連するのですけれども、事務処理誤り、まだ当然ゼロになっていません。これをどう見るかということですけれども、これだけの膨大な処理をしていて、この件数というのは、確率からすると非常に小さい。その非常に小さい確率から、全てゼロにするというのは、多分、人知の及ぶところではないのではないかと私は思っております。
したがって、ここに関してBというのは特に違和感はないのですが、人知が及ばないところというのは、IT・システムで補完して、人間がエラーしないような体制づくりというものが必要だと思いますので、事務誤りのところで誤りが何件ありましたという報告だけではなくて、さらにそれをゼロにつなげるためには何をすべきかという考察も、コメントの中で書くべきではないかと考えました。
それから、もう一つですが、人事及び人材の育成のところがBになっていますが、これでいいのだろうかという疑問を持っております。というのは、今回、また問題が出ました。これは、情報がきちんと迅速に共有されていなかったために、色々と被害が広がった面も多かったと思います。そして、組織の風通しの悪さというのが、いつもついて回ることですけれども、情報共有になかなかつながらない。したがって、モグラたたきのように色々案件が出てきて、その事象に関しては、こうしました、翌年はこういうふうにしましたと、先ほど原委員がおっしゃられたようなことが続いているような気がいたします。
組織の風通しをよくしていくために、この人材の76ページに書かれている色々な項目があります。これは、大きな目的を達成するために、小さな項目が出ているわけで、この項目をやりました、この項目をやりましたというだけでいいのでしょうか。したがって全体的な人事に関したときに、Bで評価してしまっていいのだろうかと私は感じました。
以上です。

○増田部会長 斎藤聖美委員のほうの関係ですけれども、これは事務局のほうからありますか。

○高橋年金管理審議官 御指摘いただいた点、なかなか悩ましいところがございます。人事・人材育成、御指摘いただいたことは、どちらかというと内部統制とかマネジメントというところで、こちらの評価(案)をつくらせていただいてございます。その背景にどういう人材育成をしていくかということもあるのではないかという御指摘だと受け取っています。そう言いながらも項目を立てていますので、この項目はどういうところをメーンで評価するかということで評価しなければいけないと思っておりまして、先ほどの点は内部統制のほうでメーンに評価しておりますけれども、御指摘のような人事・人材育成のような人材を育成していくという視点も大事だというのは重要な御指摘だと思っております。
こういうところにつきましても、コメントで何かできることかもしれません。よく考えてみたいと思います。

○増田部会長 今のは、内容について触れる必要があるかもしれません。

○高橋年金管理審議官 コメントの中で触れられることがあるのではないか、御指摘のようなことも含めてありますので、そこは少し考えまして、部会長と相談したいと思います。

○増田部会長 よろしいですか。問題として、そのことは受けとめておきましょう。
ほかには。山口委員、どうぞ。

○山口委員 評価に対するコメントが2点あります。
評価(案)につきましては、これでよろしいかと思います。個々の評価に関してですが、1つは、年金制度改革等への対応ということで45ページですが、A評価ということですけれども、対象となる方の8割くらいが新たに年金受給に結びついたということですが、この対応の中で、短期で対応するところで行った事項もあるかと思うのですが、色々なやり方を組み合わせて受給に結びつけたことは、顧客のニーズに沿った対応がある程度できた部分かと思っています。今後の業務を考えるときにも、そういった相手方のニーズに沿った対応を考える上での参考になる点があるのではないかと考えています。
もう一点が個人情報保護に関する事項ですけれども、これは85ページですが、評価がCとなっています。この項目の評価というのは、直近3年でもC評価が続いています。個人情報の保護というのが機構の業務の根底的な部分で、日々の業務の中で個人情報の取り扱いを適切に行うということはもとより、これからの事業の展開を考えるときの見通しを立てる上でも、ここがきちんとできているかどうかが非常に影響を与える部分があるのではないかと考えております。
各年度のC評価の背景にある事情というのは、それぞれ異なるのですけれども、ここがCのままだと今後の展開にも影響を与えるところがあると思いますので、ここの今後の取組については、さらに考えるべき点があるのではないかと思っております。
以上です。

○増田部会長 ありがとうございました。御意見として承っていいですか。ありがとうございます。
ほかの委員から、いかがですか。西村委員、どうぞ。

○西村委員 お疲れさまでございます。
評価については、違和感はございませんと申し上げておきますが、私、情報セキュリティ・システム委員会の委員でもありますので、社会保険オンラインシステムの項目だけ見せていただきますと、61ページの項番3に当たる29年度の評価は、何一つ書かれていないのと。昨年も書かれていないですね。ほかのさまざまな項目と重なるところがあると思いますけれども、ここだけで書ける話ではないと思いますけれども、何も書いていないというのは何もしていないということですかと思えてしまいますので、ここについては改善をお願いしたい。計画の意味がないのですかと思いますので、お願いしたいと思います。
委員会のほうで、昨年、提言といいますか、意見を出させていただいたりしているのですが、この中に、最終項に働き方改革に関する項目というものがありまして、職員だけではなく、いわゆるベンダーさん等も含めて職場環境の改善をというお話をきちんと記憶していないので大変申し訳ないですが、書かれております。
それについては、厚労省並びに機構、外部委託業者という書き方をしていると記憶しておりますので、機構さんの職員だけにかかわる働き方の改善だけではカバーできないと思います。ぜひ、そういうあたりのところを書いていただきたいというのが要望です。
全般については、きちんとやっておると思いますので、評価そのものについて異論はないですけれども、この項目がないので検討してほしいと思います。

○増田部会長 ありがとうございました。今の点は、次回のときでいいですか。わかりました。
ほかにございますか。どうぞ。

○岩瀬委員 この評価結果にコメントを追加で2つばかり、つけていただきたいのです。
1つは、さっき言いました5年後納に関して、結局、1割も達成できなかったわけです。これは、不十分だということを年金機構の評価として入れるべきじゃないかと思います。これは、コメントとして書き込んでいただきたい。
もう一つは、テレビ電話相談の評価に関して、この書きぶりだとアンケートと佐渡市の職員だけということになっていますけれども、それだとちょっとおかしいので、アンケートと佐渡市の職員のヒアリングを参考材料とする。機構の職員の年金相談の実績を分析した上で、続けるか、続けないかを決めると、これは明記しておかないと曖昧になってしまうのではないでしょうか。そこを機構の自己評価の部分でもいいですし、年金局のところでもいいですけれども、書けたら書いていただきたい。
もう一つだけ、言葉の定義を聞きたいのですけれども、さっき理事長は、立ち入りを今まで記載していなかったので、立ち入り検査をするというのを記載した。これが抜本的な改革であるということでよろしいですね。だけれども、契約書には、立ち入りという言葉はないけれども、相手方として適当であるかを判断する審査を行うと書いてありますね。ここの審査というのは、どういう定義。立ち入りは含まれていないということですか。そういう運用をずっとしてきたのかどうか、それを教えてくれませんか。

○増田部会長 理事長さん、どうぞ。

○水島日本年金機構理事長 書面審査で行っていたということであります。今回は立ち入りをして、一緒に検査を行うということを明記したということでございます。

○岩瀬委員 ちょっとくどいですけれども、書面審査をしていなかったから、こういう事故が起こったのではないですか。

○水島日本年金機構理事長 いや、書面によって判断していたということでございまして、それに関して事前に打ち合わせ会を行って、その内容を確認するということになっておりますが、それも実際に立ち入り検査という形で行うことにはなっていなかったということでございます。

○岩瀬委員 くどいので、もうやめますけれども、入札の段階で審査をする。それは書面審査ですね。これは能力があるかないか。向こうが出してきた仕様書のチェックを書面審査するわけですね。その書面審査がされなかったがゆえに、能力のないところに事業をさせたのではなかったですか。そういう議論になったと思いますけれども、ということは、書面審査が実質的にされていなかった。ノーチェックのまま、この事業が進んだということだと思いますけれども、だからこそ、抜本的改革案というものが重要なのです。

○増田部会長 理事長さん。

○水島日本年金機構理事長 その点が不十分だったことは事実でございまして、それに関して、そのような事態を避けるために立ち入り検査を行うということを追加したということでございます。

○岩瀬委員 もうやめておきます。

○増田部会長 高橋年金管理審議官。

○高橋年金管理審議官 先ほどいただいた1点目、2点目のコメントの問題ですけれども、年金局の認識としては、10年後納、5年後納、かなりしっかりしたお知らせをして、その結果がこうなっているという現状であると理解しておりますが、先ほどありましたように、資料等をご覧いただいて御議論をさせていただければと思っております。
テレビ電話相談の評価と、それから今後どうしていくかにつきましては、よく実態を調査しているところですけれども、すぐさま、この数をどんどん増やしていくという現状にあるとは余り思っておりませんので、今の佐渡の状況をよく見ていきたいというのが、我々、現時点で思っているところでございます。そういう意味で、この評価書の中で評価の仕方を、具体に詳細に書くということではなくて、引き続きよく調査していきたい。その調査の中身につきましては、御報告させていただきたいと思います。

○増田部会長 どうぞ。

○岩瀬委員 それでいいのですけれども、この書きぶりだと。アンケートと佐渡市職員のヒアリングのみとなっているので、職員のヒアリングの結果を加味するという1行を入れるべきではないかという趣旨で言っています。そっちが基本だと思う。

○増田部会長 理事長さん。

○水島日本年金機構理事長 いずれにいたしましても、具体的な相談内容について分析を行って、効果があるかということについては検証してまいりますので、その点について、どのような形で、どこに入れていくかということも含めて検討させていただきたいと思います。やらないと申し上げているわけじゃなくて、これだけしかやらないと書いてあるわけではございませんので、その点、御理解いただければと思います。

○増田部会長 要するに、テレビ電話相談の関係のことと、その前に5年後納のお話もありましたが、質疑もこれで終わると思いますので、この後、決議をとりますけれども、最終的な書き方はお任せいただきたいなと思います。事務方と少し検討いたします。
代理、どうぞ。

○大山部会長代理 本当に決議に入る状況なので、申し上げておいたほうがいいなと思います。
59ページの項目5で、社会保険オンラインシステムの運用・開発、見直しのところですが、評価としてBがついていることは、5番の項目全部を見たときにBというのは、決してこれに対して文句を言うつもりはないのですけれども、この中の項目で見ると、決してBになっていないということもあるかと思います。それだけ申し上げたいのですが、理由は、適切に取り組むとか、何々の取組を行うというのが最初の29年度の計画で、結局は計画のところに戻らなければいけなくなるのですが、確かにやってはいるのでBかもしれませんけれども、計画から遅れが出ているということは、この書き方だとここの評価に入らないのです。
その計画から遅れていること、あるいは計画の見直しも含めて、この先色々なことが起こってくると認識しているのですけれども、その中で、気持ちとしては、ほかの理事の方もいらっしゃるので、先ほど人知を超えてという話もございましたが、申し上げたいのは、システムのしっかりとした開発ができるかどうかは、大きく年金機構の業務全体にかかわることにもなりますので、その意味では、システム担当の人たちだけの責任でやればいいとはお考えになっていただきたくない。必ず機構全体で取り組んでいただきたいということを、ちょっとお願いとして申し上げておきたいと思います。したがって、個人的にはBマイナスぐらいの気持ちがあることをお伝えしておきたいと思います。

○増田部会長 今の点。理事長さん。

○水島日本年金機構理事長 大山先生から色々御指導いただいてきておりまして、この点に関しては、本当の意味で機構全体として取組を行う体制はできつつあると思っています。ただ、知識のレベル、判断のレベルとして、十分なレベルにあるかということについては、まだまだ勉強しなければいけない部分がたくさんあると思います。
1つ、Bであるかどうか御判断いただけるかどうかということは、私どもの問題じゃございませんが、刷新のフェーズ1に関しまして申し上げますと、現場はかなり大きく変わりまして、事務センターにおける紙の移動は、御指導いただいて、ほとんどなくなりつつございます。そういう意味で、刷新フェーズ1の効果というのは、フェーズ1システムに種々改善すべき問題はあると思いますが、刷新の所期の効果は出つつあるということだけは御理解いただきたいと思います。
その中で、さらに刷新そのもの、あるいは現行システムとの関係も含めて、どのような総合的な開発を行っていくのかということについて、プロジェクト・チャーターをつくれという御指導もいただいております。今、かかっておりますが、これも組織全体あるいは年金局とも十分協議しながら進めておりますので、その点を御指導いただきながら、さらに強化してまいりたいと考えております。
それから、1点だけ、今まで御議論いただいてまいりましたが、恐縮でございますが、申し上げさせていただきたいと思います。業務改善計画等々を色々行ってまいりました。その結果として、先ほど人事の御指摘もございましたが、機構全体としてはかなり改善されたと思いますし、現場は強くなってきていると思います。ただ、現場との一体感については一定の効果は出てきていると思いますが、残念ながら本部の風土も含めまして問題があるということに関しては、一向に改善されてこなかったということについては、極めて重い責任を感じております。
この点をどのように計量化していくかということについては、非常に難しい面があると思いますが、大変僣越かもしれませんが、この機構で経営として何が原点であるのかということが一番大事だと思っておりまして、それは制度・実務を知るということだと思います。そういう意味で、経営者が末端の実務まで、いかに知り得るかということが、この機構をよくする原点だと思います。
そのような体制をどういうふうにつくり上げるかということだと思っておりまして、計量化という形で、できるだけ数値化できるものは数値化するということについて検討してまいりたいと思いますが、ある意味で残された部分は本部改革だと考えております。後ろにたくさんいますけれども、それぞれの人たちが信頼を得る、あるいは正確な年金実務の運営のために努力していることだけは御理解いただきたいと思いますし、それぞれの問題について解決すべく真剣に取り組んでいるということだけは、ぜひ御理解いただきたいと思います。
余計なことを申し上げました。

○増田部会長 ありがとうございました。
それでは、全体の審議はここまでとして、機構の評価結果について決議をとりたいと思います。今、各委員からさまざまな御意見がございました。S、A、B、C、Dの評価について、色々御意見ございましたけれども、全体とすればおおむね了承は得られたのではないかと私は思っております。
あと、細部の機構のほうの評価のところで書き込むか、厚労省のほうで書き込むか、事務局と私のほうで若干検討したい部分もございます。そこの点については私にお任せいただきたいと思うのですが、その上で、この「年金機構の平成29年度業務実績の評価結果(案)」に関して、部会として了承ということで審議会の会長のほうにお答えしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)


○増田部会長 はい。それでは、皆さん方から了承いただいたということで、私から西村会長のほうに御報告させていただきたいと思います。
なお、この報告を受けて、西村会長から厚生労働大臣宛ての答申が行われるといった手続に進んでいきますので、それを御了承いただければと思います。
今日の議事次第の1番目は、以上、ここまでということにいたしたいと思います。
続きまして、「その他」という項目があります。その他の報告事項としては、「事務処理誤り等の年次公表について」の関係でございます。今日、朝にも記者発表した関係もあると聞いておりますので、こちらの説明をまずお願いします。

○田中企画調整監 それでは、日本年金機構の田中と申しますが、私のほうから資料2「事務処理誤り等の年次公表について」を説明させていただきたいと思います。
今、部会長からお話があったとおり、本日公表した資料でございまして、我々、日本年金機構におきましては、年金業務の事務処理誤り、システム事故等が発生した場合、その都度、お客様対応を行うとともに、お客様対応が完了したものについては、毎月、機構ホームページで公表しているところです。今回、毎月公表している事務処理誤りにつきまして、1年間分として改めて取りまとめたので、公表するということが1つでございます。
また、資料にも書いてありますが、もう一点、昨年12月20日に「年金給付に係る事務処理誤り等の総点検について」を公表した際に、事務処理誤りの公表とあわせまして、過去1年度分の事務処理誤りの点検・分析結果についても公表することとしましたので、当部会に御報告させていただくということでございます。
まず、1ページおめくりいただきまして、平成29年度に公表した事務処理誤り等についてでございます。
(1)平成29年度に公表した事務処理誤りの総件数でございますが、これは平成29年度中にお客様対応が完了した件数でございますが、これが3,786件となっております。制度別では、年金給付関係は2,736件、国民年金関係は551件、厚生年金関係は499件。また、その発生年度別ということで見ますと、社会保険庁時代に発生したものは1,872件、約5割。また、機構発足後に発生したものが1,914件、約5割と、半々になっているという状況でございます。
次に、(2)事務処理誤りの制度別・区分別の件数でが、区分別に見ますと、3,786件のうち、確認・決定誤りが最も多くて2,861件(76%)となっているところでございます。
2ページに移っていただきまして、(3)事務処理誤り1件当たりのお客様への影響額でございます。3,786件のうち、影響額なしが968件(26%)。影響額ありが2,818件(74%)となっております。
(4)事務処理誤りのお客様への影響の事象別の件数ですが、3,786件のうち、未払いが最も多くて1,745件(46%)となっているところでございます。
一番下の事務処理誤りの判明契機ということでございます。年金機構内部の調査で判明したものが約7割、お客様からのお問い合わせで判明したものが約3割ということになっております。
3ページをおめくりいただきますと、(6)システム事故等のお客様への影響の事象別の件数ですが、総件数で11件、合計金額は1億7,000万円ということになっております。
次に、4ページからが、先ほど申し上げました点検・分析というということで、平成29年度に公表した事務処理誤りの点検・分析結果等ということでございます。
まず、項目の1つ目が年金給付の点検・分析結果でございます。これにつきましては、年金給付に係る事務処理誤りの件数全部で2,736件ございました。これについて点検を行い、分析しましたが、例えば誤送付とか手続の遅延など給付額に影響のないものを除いた全件の1,922件についてでございますが、昨年12月に御報告させていただいた「年金給付に係る事務処理誤り等の総点検」で分類した33事象というものがございました。これに該当するものが1,701件(89%)ございました。また、これに該当しない事務処理誤りが221件(11%)ございました。
給付額に影響のない事務処理誤りとか、今、申し上げた33事象に該当する以外の221件について、類似の事務処理誤りの事象ごとにまとめて分析した結果、同種の事務処理誤りが複数、3件以上発生している事象は、項番1と2の2事象でございました。
詳細は、後ほど別紙1というのがついておりますので、そちらをご覧いただければと存じますが、概要を簡単に御説明いたしますと、項番1というのは、昭和60年改正時の特別一時金の決定誤りでございまして、昭和60年改正がございましたが、このときに障害年金受給者につきまして、それまでの保険料追納期間に応じて特別一時金を支給するという制度を創設したのですが、この特別一時金の計算の基礎となる期間の取り扱いを誤って特別一時金を決定してしまって過払いが生じたものということで、これが9件ございました。
また、項番の2でございますが、共済組合期間に恩給が含まれる場合の遺族年金の寡婦加算の加算誤りということでございまして、被用者年金一元化後は、原則、遺族厚生年金が支給されることになっておるのですが、恩給期間を有する場合については、一元化後でも遺族共済年金が支給されるという仕組みになっております。その場合に、遺族共済年金に寡婦加算額が加算されるにもかかわらず、遺族厚生年金に寡婦加算が加算されてしまって、遺族厚生年金に過払いが生じたというものが4件ございました。
この2事象の事務処理誤り、いずれもシステムで事後的に対象者を特定することは可能でございますので、個別に連絡を行うなどの必要な対処をしてまいります。また、定期的な点検により、再発防止を図ってまいりたいということでございます。
次に、一番下のマル2でございます。二以上事業所勤務届が提出されていない場合に年金額が正しく計算されない事象への対応状況についてでございます。
これは、まず簡単に仕組みのことを申しますと、同時に2つ以上の事業所に勤務している方がそれぞれの事業所で厚生年金保険の被保険者の要件を満たすときは、被保険者の方から年金事務所に「二以上事業所勤務届」というものを提出いただいて年金額を計算しているのですが、この「二以上事業所勤務届」の提出がなかった場合、機構において年金額を計算するという機械処理を行っております。
それで、資料に書いてあります一番下の○を御説明しますと、この機械処理で厚生年金基金の期間を有する場合の一部で正しい年金額の計算がされていないということが判明いたしました。この事象につきましては、既に平成24年11月の年金記録回復委員会で御報告させていただいて、システム改修を行った上でお支払い等を行うということとしておりましたが、昨年10月に改修が完了しましたので、今まで御相談のあったお客様に対して、未払いとなっている年金をお支払いしたということでございます。これについては、本年7月31日の、先ほど申し上げた事務処理誤りの月次公表で既に公表させていただいております。
5ページをおめくりいただきますと、件数がございます。7月の月次公表の時点で147件ございまして、影響額は387万円となっております。今後、対象者について抽出を進めて、順次、お支払い等を行ってまいりたいと考えています。また、お支払いが完了した時点で、事務処理誤りの月次公表で報告するということでございます。
事象の概要とございます。今ほどの御説明と重複しますが、1つ目の○は、同時に2つ以上の事業所に勤務する方については、被保険者の方から年金事務所に「二以上事業所勤務届」を提出いただいて年金額を計算するということの説明でございます。
2つ目の○ですが、この「二以上事業所勤務届」の提出がなかった場合でも、年金をお支払いするために機械処理を行っているのですが、その機械処理のうち厚生年金基金の期間を有する場合の一部において、年金額の計算に一部誤りがあったということを記載させていただいているものでございます。
次に、真ん中のマル3「振替加算の総点検」に関する対応状況でございます。
まず、加算漏れとして公表した10万5,963人のうち、お支払いが完了した方が10万4,941人ということで、支払金額603.5億円となっております。
また、「生計維持関係がない」と申告があったお客様へ再確認を行いましたところ、65歳時点での生計維持関係が確認できたため、振替加算をお支払いした方が2万3,384人で、支払金額が133億円となっております。
また、過去に時効を援用して振替加算をお支払いしていた方のうち、振替加算の総点検を契機に時効消滅分をお支払いすることとなった方が33人で、支払金額が4,000万円ということになっています。
一番下でございますが、マル4、総点検について、aのところで、24事象に係る30年8月時点での対応状況ということでございます。機構設立から平成28年度までに公表した年金給付の給付額に影響がある事務処理誤り、これは総点検の結果、10件以上発生したものが33事象あったということで、昨年12月に御報告させていただいておりますが、このうち、同種の事案の対象者をシステム的に特定できる24事象について、順次、抽出プログラムを作成して対象者を特定して、平成30年4月以降、順次お支払いを行っているところでございます。平成30年8月までに、6ページに記載があります4事象、全部で6,471件でございますが、支払いを行っているということを御報告させていただきたいと思います。
次に、総点検の関連で、「お客様の声」についてでございます。これにつきましては、日本年金機構のサービス・業務改善委員会に、平成30年1月に新たに「業務適正化部会」を設置したところでございます。平成29年度に機構に寄せられた「お客様の声」6,011件につきまして、確認・改善された項目が、そこの記載の3項目ございましたことを御報告させていただきます。
また、cリストでございます。これも総点検の関係で、機構の年金給付システムから出力されるリスト1,065種類について、出力契機、件数、内容等を洗い出した上で、リスト出力の有効性・必要性、マニュアルの整備状況等について点検して、システム開発を進めているところでございますが、30年8月までに出力件数の総量につきまして25%削減したということでございます。
また、リストの処理方法に関するマニュアルについて、届出を契機とするリストは既にマニュアルを整備して、30年4月に運用を開始しました。また、その他についても31年1月に運用を開始する予定となっております。
7ページをおめくりいただきまして、(2)国民年金関係についてでございます。
平成29年度に公表した国民年金の事務処理誤り551件につきまして点検・分析を行った結果ですが、誤送付など適用・徴収関係に影響のないものを除いた206件につきまして、数字の入力ミスなど単純な事務処理誤りが81件(39%)、それ以外の事務処理誤りが125件(61%)ありました。
この125件について、類似の事務処理誤りを事象ごとにまとめて分析した結果、同種の事務処理誤りが複数発生している事象、3件以上でございますが、これが5事象ございました。これも詳細は後ほど別紙2をご覧いただければと存じますが、例えばということで簡単に御説明申しますと、項番1でございます。任意加入時の加入可能月数の確認誤りということでございますが、これは老齢基礎年金の任意加入時に、職員が過去の年金管理記録を確認して納付月数を算出しておるところですが、その計算のときに期間の確認を誤るなどしまして、保険料の過徴収あるいは未徴収が発生したということでございます。
これらにつきましては、真ん中のところに書いてございますが、業務処理要領等において再発防止策を既に実施済みでございますが、定期的な点検や取扱いルールの徹底によりまして、さらなる再発防止を図りますとともに、システムで事後的に対象者を特定できる事象につきましては、必要な対処を行ってまいりたいと考えております。
最後に、8ページが厚生年金関係でございます。厚生年金関係の事務処理誤り499件ございまして、これを点検・分析しました。誤送付など適用・徴収関係に影響のないものを除いた全件が101件ございまして、このうち、数字の入力ミスなど単純な事務処理誤りが73件、それ以外の事務処理誤りが28件ございました。
この28件につきまして、類似の事務処理誤りを事象ごとにまとめて分析した結果、同種の事務処理誤りが複数発生している事象、3件以上でございますが、これが2事象ございました。また、詳細は別紙3についておりますが、1つだけ御紹介させていただくと、項番1の70歳以上の二以上事業所勤務被用者にかかる資格喪失届の処理誤りによる在職支給停止の解除漏れと、ちょっと長い題になっています。
これは70歳以上の方が2つ以上の事業所に勤務している場合で、1つの事業所のみを退職した場合、在職支給停止額の再計算を行って被用者資格の継続処理を行うのですが、同時に全ての事業所をやめると、退職されるということで、本来、在職支給停止を解除しなければならないのですが、そこに記載がありますとおり、具体的には、1つの事業所のみを退職した場合と同様の処理を行ってしまって、結果として在職支給停止の解除が行われなかったということでございます。
これらの事象についても、項番2を含めて、システムで事後的に対象者を特定することが可能でございますので、個別に連絡を行うなど必要な対処をするとともに、定期的な点検で再発防止を図ってまいりたいと考えております。
説明につきましては、以上でございました。

○増田部会長 ありがとうございます。
これは、今朝ほどプレスリリースをされたということでありますけれども、各委員の皆様方から御意見なり御質問あれば、お願いしたいと思います。
代理、お願いします。

○大山部会長代理 説明を聞かせていただいて、言うまでもなく、こういう事務処理誤りをなくしていく方向に行かなければいけないというのはそのとおりで、ぜひ頑張っていただきたいのですが、それにしてもこれだけ出てきてしまうというのは、先ほどの斎藤聖美委員の言葉のとおりで、私も結構長く聞かせてもらっているのですけれども、それでもまだ頭の中はすっきりしていないですね。
例えば、この件について何が原因だと言われると、結局は理解がし切れない状況が起こるのだろう。特に職員の方も変わるし。結構、そこになれた方に業務が集中するような格好で色々と対応していただいていると思いますが、それにしても、この状況を変えるには、システム的に対応できるものとできないものに分ける必要があって、原因を一つ一つ潰していくのが結局は一番の早道、結果としてそうなってくるだろうと思います。
そのためにも、まず最初に、業務処理のマニュアルがあって、そこに書いていると思うのですが、一度、ぜひ見せていただきたいのですけれども、多分、違うとは思うのですが、コンピューターのマニュアルをお読みになっておわかりになる方はほとんどいないと思います。あれは、内容がわかっている人が書くとああなって、この業務用のマニュアルがどうなっているかですけれども、解釈上あるいは前提の知識がどこまでかによって、また解釈が変わってしまうということもある。
ですので、我々はそういうときによく使うのは、フローチャートに変えてしまう。すなわち、一つ一つのチェック項目を入れて、どっちに行くのかを分けてしまうと。そうしないと、全体を見たときに、頭の中で最終的に判断しろというと結構ミスがあるので、その意味で、難しい、こういうものほど、わかりやすい判断の手順、判断の分岐がどうなるのかというのを置いておくような仕方もあるのではないかと思います。
もし、それができれば、今度はコンピューターでのチェックも楽になってくるわけでありまして、その意味で、よく言う話ですけれども、わかっている人が書いているマニュアルだと、結局わからなくなっていくということもあるので、その辺、どうなっているかというのを一度見せていただきたいなと思うのと、改善策について、ぜひ御検討いただきたいなと思います。
意見でございます。

○増田部会長 ありがとうございました。
私も申し上げてきたのは、これは当部会で、以前に西沢委員もたしか御指摘されていたと思うのですが、この年金制度というのは、毎年かなりの制度改正が行われたりするわけですね。それは、さまざまな理由によって行われるでしょうけれども、既に大変複雑になってきている制度に対して、さまざまな色々な理由があるわけですが、色々な審議等を経て、必要だということで制度改正が行われるわけですけれども、そういった制度改正に、運用する組織がきちんとついていける形にならなければいけないわけです。
今は余りにも複雑化したものと、それから毎年の制度改正に全体として追いつけるだけのものになっていないのではないかという視点で、むしろ機構側というよりも、政策立案される厚生労働省側からも、色々制度とか政策について変更する視点を加えることも必要になってくるのではないかと思います。今、おっしゃったように、そういう改正を行う場合、システムを一番簡単な形で、間違いないようにチェックするようなことになっているでしょうけれども、先ほどの斎藤聖美委員のお話じゃないですけれども、人知を尽くした上で出てきているのではないかと思われるぐらいのものが出てくる可能性もあります。
ですから、執行する機構側と、企画・立案していくサイドで、こういう問題を少しでも少なくしていく。従来も行われてきていると思うのですが、むしろそういう視点をより強化した制度改正が必要になるのではないかと私は思いましたので、私の意見として申し上げておきたいと思います。
西沢委員、どうぞ。

○西沢委員 この事務処理誤りと関連するかもしれませんけれども、ちょっと離れます。
今、外国人労働者が話題になってきていて、教えていただきたいのは、例えば1号、2号、3号で外国人労働者、被保険者がどのぐらいいて、事前の打ち合わせではちょっとわからないということだったのです。3号だと、日本に住んでいるのか、海外にいるのか、被扶養認定、企業の申し出ベースですけれども、本当に海外に3号の人が住んでいて、働いているのか、働いていないのかをどうやって確認しているのか。あるいは、年金受給者で何人、外国在住の方がいて、海外送金をどのぐらいしているのか、死亡確認をどうやっているのか。
日本でも難しいのに、外国人労働者受け入れという話だけ進んでいって、多分そういう方向になっていくのでしょうけれども、それが今、年金機構でどういう現状で、どういうオペレーションがなされていて、できていなければできていないとはっきり言ったほうがいいと思います。例えば、海外の死亡確認とかは難しい。そうした中で、政府の中で一方的な話だけ進んでしまうと、外国人の被保険者、受給者の人が増えたときに、また事務処理誤りを起こしてしまいましたみたいなことになりかねないので、そこは現状把握して、どれぐらいコストがかかっているのか。そして、人数が増えたときに、どういう人的・金銭的負荷が生じるのかを見積もっておく。
それは、本当にそういうニーズが発生したときには、きちんと予算要求するなりしておかないといけないと思うので、皆さんは内部ではもう検討されているかもしれませんけれども、これもぜひ教えていただいて、策を練ったらいいかなと思います。

○増田部会長 ありがとうございました。
理事長さん。

○水島日本年金機構理事長 以前から御質問いただいているのはお聞きして、数字を調べてみました。今、受給者は12万人、被保険者で194万人というのが外国人と思われる人たちでありまして、外国人というのをどういうふうに把握しているのかというのが、実は住民基本台帳ベースで把握しておりまして、住民基本台帳に外国人というのはどういうふうに登録されているかと言いますと、アルファベットで登録されております。それがアルファベットで登録されているので、漢字とか、それ以外のものは附属のものとしてあるわけです。それをJ-LISからデータをとって、外国人とおぼしき者として認定しているという状況にあるわけです。それは、日本の制度として、日本の居住者として対応している。
それから、海外でお支払いしている方は4万2,000件ぐらい。4月の定期払いで把握した状況です。おっしゃるとおり、外国人を外国人として機構のデータ上、把握する欄はあるのです。しかし、それをきっちりチェックしておりません。
それから、外国人と日本人の場合、制度上、どういう違いがあるのか。居住者と被居住者でどういう違いがあるのかということについて詰めた上で、事務処理の欠陥がもしあるとすれば、やらないといけないと思っております。これは、御指摘、大きな課題だと思っております。また、改めて検討した上で御報告申し上げたいと思います。

○増田部会長 それでは、よろしくお願いします。
今、理事長さんのお話があったように、基本的に把握は住民基本台帳でやらざるを得ないと思いますが、私が別のところで調べたときには、御承知のとおり、2年3年で居住地が変わったときに、住民基本台帳では十分追い切れていない人たちがかなりいるということがあるのです。それがこの関係でどう影響してくるかももちろんあると思いますが、一度、まとめて、そういう項目で御報告いただければと思います。
それでは、この関係について、この程度でよろしゅうございますか。
それでは、本日の議題は全て終了とさせていただきます。
次回の日程については、事務局から御連絡をすることといたします。
それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
 

 

 

(了)

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