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2018年12月7日 第3回賃金構造基本統計調査の改善に関するワーキンググループ 議事録

政策統括官付参事官付統計企画調整室

○日時

平成30年12月7日(金) 10:00~12:00

 

○場所

厚生労働省専用第13会議室 (中央合同庁舎第5号館21階8号室)


○出席者

構成員(五十音順、敬称略、○:主査)

  阿部 正浩
  黒田 祥子
○玄田 有史
  樋田 勉
 

構成員以外の関係者

  西郷 浩(早稲田大学政治経済学術院教授)
 

事務局

  細井統計企画調整室長
  官野統計企画調整室長補佐
  田中審査解析室長
  中原賃金福祉統計室長
  福永賃金福祉統計室長補佐
  山口賃金福祉統計室長補佐

○議題

1.賃金構造基本統計調査試験調査の結果の概要について
2.賃金構造基本統計調査の調査事項の見直しについて
  (1)職種区分
  (2)学歴区分
  (3)その他
 

○議事

○細井統計企画調整室長
 それでは、皆様おそろいなので、定刻より少し前ですが、ただいまより「第3回賃金構造基本統計調査の改善に関するワーキンググループ」を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中、委員、審議協力者の先生の方々には御出席いただき、誠にありがとうございます。
 私、統計企画調整室長の細井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 審議に入ります前に、前回より事務局のメンバーに変更がございますので、御紹介させていただきます。
 賃金福祉統計室長の中原でございます。審査解析室長の田中でございます。賃金福祉統計室長補佐の福永でございます。同室長補佐の山口でございます。統計企画調整室長補佐の官野でございます。
 続きまして、委員の方々の御紹介をさせていただきたいと存じます。
 中央大学経済学部教授の阿部委員です。早稲田大学教育・総合科学学術院教授の黒田委員です。東京大学社会科学研究所教授の玄田委員です。獨協大学経済学部国際環境経済学科教授の樋田委員です。そして、本日は審議協力者として、早稲田大学政治経済学術院教授の西郷先生にお越しいただいております。
 ありがとうございました。それでは、これからの進行につきましては、玄田主査にお願いいたします。よろしくどうぞ。

○玄田主査
 それでは早速、第3回ワーキンググループの議事を進めてまいりたいと思います。
 本日の議事でございますが、1つ目は「賃金構造基本統計調査試験調査の結果の概要について」、2つ目は「賃金構造基本統計調査の調査事項の見直しについて」となっております。
 それでは初めに、議題1の「賃金構造基本統計調査試験調査の結果の概要について」、事務局より御説明をお願いいたします。

○中原賃金福祉統計室長
 それでは、説明させていただきます。賃金福祉統計室の中原でございます。
 これまでのワーキンググループの中ではいろいろな御意見をいただきまして、この場をかりて御礼を申し上げます。そういった御意見なども踏まえながら、事務局の方向性として今回いろいろお示ししたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議題1の試験調査の結果の概要について説明させていただきます。資料1になります。
 前回から間があきましたので、試験調査の概要について簡単に説明させていただきます。
 試験調査の目的につきましては、現在検討しております職種区分、学歴区分の見直しを行った際に、事業所が記入できるのかどうかといった観点について確認することを主な目的として、今年6月、1,800事業所を対象として実施しております。
 資料1の1ページ目に、本体調査との違いをまとめております。今回、論点としておりますところでもございますけれども、1ページ目の一番下の段の最終学歴のところでございます。本体調査では、中学卒、高校卒、高専・短大卒、大学・大学院卒といった4つの区分で調査しているところでございますが、試験調査では専門学校を特出ししている、短大卒と高専卒を分けている、大学卒、大学院卒を分けているといった7区分に増やして調査をしております。また、本体調査では一般労働者のみの調査としておりますけれども、試験調査につきましては短時間労働者についても調査をしております。
 続きまして、2ページ目、職種のほうでございますけれども、試験調査につきましては、日本標準職業分類と整合的な職業分類で、全ての労働者を網羅する職種体系として、第2回ワーキンググループでお示しした区分を用いて調査しております。
 下の「(3)調査方法」でございますが、本体調査は労働局、労働基準監督署を経由いたしました調査員調査としておりますけれども、試験調査につきましては、民間事業者に委託して、郵送調査で実施しております。
 また、(4)のほうにございますが、調査とあわせまして、試験調査の対象事業所にアンケート調査を実施し、学歴、職種、経験年数の記入の負担感、また、現在検討しておりますオンライン調査の導入に関して、その利用の意向等を確認しております。アンケート票につきましては、参考資料1の3ページ以降につけておりますので、適宜、御参照いただければと思っております。
 それでは、結果の概要につきまして、簡単に説明させていただきます。個別の論点に関します事項につきましては、次の議事2以降で御説明させていただきたいと思っております。
 3ページ、回収状況でございますが、試験調査の回収率は62.8%となっております。有効回答率は60.5%という状況でございます。今回の調査の実施に当たりまして、民間事業者には50%以上の回収を目標とすることという指標でやっておりましたところ、このような数字になっているというところでございます。なお、この試験調査では標本数が1,800と限られているといったところもございまして、事業所規模100人未満の小規模事業所に重点を置いて調査を実施しております。産業につきましては、労働者数の多い「建設業」「製造業」「卸売業,小売業」「宿泊業,飲食サービス業」「医療,福祉」をそれぞれ一つの区分とし、その他の産業は一くくりで標本設計を行い、調査を行っております。
 回収状況の本体調査との比較でございますけれども、平成29年の本体調査の有効回答率は72.6%でございますが、試験調査のほうにつきましては、ただいま申し上げましたように、小規模事業所にウェイトを置いているところがございますので、本体調査を試験調査の区分に合わせて補正すると、67.1%となります。
 したがいまして、試験調査の有効回答率を本体調査と比べますと7%程度低いといった状況となっておりますが、その理由といたしましては、回答義務がない一般統計であることと、郵送調査であることなどの影響ではないかと考えております。
 なお、本体調査の郵送調査、民間に委託することにつきましては、試験調査の結果をもちまして検討するというところでございますけれども、結果として本体調査の回収率にまだ届いていなかったといったところもございますので、さらに回収率を向上させる工夫が必要であると考えております。
 一番大きな面が、予算面の制約も大きく、民間委託をしますと予算面をかなり大きく変えなければいけないということと、かなりの増額が必要となってございますので、そういったことも含めまして、これについては引き続き検討とさせていただければと思っております。
 続きまして、4ページ、最終学歴や職種などの調査項目ごとの記入率を、就業形態や雇用形態別で表したものとなっております。ここでの記入率は、事業所が調査票に記入したものに加えまして、無回答の場合に調査を委託した民間事業者からの疑義照会を行って把握して補正したものも含まれた数字となっております。詳細は各論点を御議論いただく場合にまた説明させていただこうと思っていますけれども、一般労働者につきましてはどの項目も概ね記入できているのではないかといった状況でございますが、短時間労働者の学歴などにつきましては、記入状況が余り芳しくないといった状況となっております。
 また、この試験調査はもともと数少ない事業所でやっておりますけれども、この属性別で見ていきますと、回答労働者が非常に少ないといったこともございますので、この評価については慎重にやっていかなければいけないだろうと考えております。
 続きまして、5ページ目、6ページ目につきましては、実際にどのような数字が出たかといった表でございますが、こちらについての説明は割愛させていただきます。
 なお、今回資料にお付けしております集計結果は、これまでのワーキンググループで復元方法についていろいろ御議論いただいた中で、回収率を考慮した方法でやっていくとなっておりましたので、その方法により算出いたしております。
 続きまして、7ページは調査とあわせて実施したアンケート調査の結果をまとめたものでございます。これはまた個別の議論の際に改めて御紹介させていただきます。私からの説明は以上でございます。

○玄田主査
 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、御質問などございましたらお願いいたします。特によろしゅうございますでしょうか。それでは、ありがとうございました。
 続きまして、議題2「賃金構造基本統計調査の調査事項の見直しについて」、まず「(1)職種区分」について、事務局より御説明をお願いいたします。

○中原賃金福祉統計室長
 それでは、資料2-1の「賃金構造基本統計調査の職種区分の見直しについて」、資料2-2「区分の見直しを検討している主な職種」及び資料2-3「職種、経験年数と勤続年数の関係別労働者数(試験調査)」を説明させていただきます。
 まず、資料2-1でございます。2ページを御覧ください。これまでのワーキンググループの中で、新職種区分案について、「製造技術者」について、今後需要が増える可能性があり、細分化したほうがよいのではないか、「公認会計士,税理士」は賃金水準が異なるため、分けたほうがよいのではないか、細分化したほうがよりわかりやすい職種は分けたほうがよいのではないかといった御意見をいただいたところでございます。こういった御意見のほか、試験調査の結果や企業ヒアリングを踏まえまして、職種区分について検討してまいったところでございます。
 前回お示ししました職種区分案につきましては、国勢調査の職種区分及び日本標準職業分類との対応表の形で、参考資料2で示させていただいております。
 では、試験調査の結果の状況から御説明させていただきます。3ページを御覧ください。職種番号の試験調査における記入の状況でございます。これについて見ていきますと、まず一般労働者、短時間労働者ともに全体として未記入率は低いといった状況になっております。つまり、職種はある程度記入できているといったところでございます。ただ、属性別で見ますと、大企業のところと、雇用形態が正社員・正職員のところで未記入率が高くなっているといったところがございます。
 この要因といたしましては、大企業では労務管理のシステム化が進んでいることもございまして、個人票に関します調査票もシステムの情報から作成しているところが多くございますが、職種までは管理していないところが多いという情報がございます。
 また、企業ヒアリングにおきましても、部署ごとであれば管理しているといった企業も多いところでございますが、それと試験調査の職種区分がマッチしていない。職種といってもそれぞれいろいろ言い方がございますので、そういったところが一致しないとも考えられるといったところでございます。
 それとあわせまして、正社員・正職員につきましては、職務内容が限定されていない、いろいろな仕事をやっている関係上、選択肢から1つの職種に絞り込むことが難しいのではないかといったところも推測されているところでございます。
 続きまして、4ページを御覧ください。試験調査と同時に行いましたアンケート調査の結果でございますが、全ての労働者について、職種番号を回答することの負担感を確認した結果になりますが、大企業ほど回答が困難であるという事業所の割合が増えているといったところでございます。
 回答が困難とする主な理由でございますが、このページの下の囲みのところでございます。困難とする主な理由としては、職種の区分が細か過ぎて判別しづらい、一人が複数の職種にまたがった業務を行っており、主なものを選択できないといった意見が非常に多く寄せられたといった状況でございます。また、職種情報をシステムで管理していない、本社で回答する場合に、パートタイム労働者の業務内容を本社で把握していないといった意見もあったところでございまして、大企業においては大企業特有の難しさも感じられる傾向が出ているといったところでございます。
 続きまして、5ページに移らせていただきますが、アンケートの中で分かりにくいといった意見について抜粋したものでございますが、職種名を見たときにイメージがつきづらいものは分かりにくいと感じられるといった傾向があると考えています。
 5ページの下のほうの四角で、職種の記入内容で誤りの多かった事例をまとめております。こちらは厚生労働省で調査票を確認して、事業の内容から職種の記入内容が疑わしいものについて、電話で事業所に確認をして把握したものでございます。
 誤りの例を見ますと、老人福祉施設での介護に従事する方について、本来はサービス職業従事者の「介護職員」とすべきところが、専門的・技術的職業従事者の「他に分類されない社会福祉専門職業従事者」となっているケース、また、建設工事の現場作業に従事する労働者につきまして、本来は「建設・採掘従事者」になるところが、主に施工管理者などが該当する「建築技術者」となっているケースなどがございました。
 このような誤りが生じる要因といたしまして、今回試験調査で用いました記入要領の職種一覧が、日本標準職業分類の大分類別に並べていたといったことがあろうかと思っていまして、上から順に見ていきますと、まず専門的・技術的職業が目に入るというところがございます。そこですぐに選択をしてしまったと考えております。もう一つ、職種名が抽象的なものであるといったところもあるのではないかと思っておりまして、何でも当てはまってしまうように思われるのではないかといったことも原因の一つではないかと考えております。そのような誤りを防ぐためには、この区分の見直しだけではなく、実査上の工夫も必要であると考えております。これについてはまた後ほど御説明させていただきたいと思っております。
 続きまして、6ページに移らせていただきます。試験調査の職種別の労働者構成を、国勢調査及び就業構造基本調査と比較した表でございます。
 全体として見ますと、おおむね同様の構成ということで、全体としては妥当な調査結果がとれていると考えております。差が出ているところで見ますと、まず試験調査では事務従事者と建設・採掘従事者の構成比が小さくなっております。
 事務従事者につきましては、試験調査では小規模事業所に重点を置いていることもございまして、事務員の多い管理部門を持つ事業所が少なかったであろうといったことを考えております。また、建設・採掘従事者につきましては、先ほど申し上げましたけれども、一部が誤って専門的・技術的職業従事者として記入されているといったことが原因ではないかと推測しているところでございます。
 また、ここで分類不能の職業が多くなっておりますが、ここの区分では、職種が無回答であったものを分類不能の職業として入れており、一般、短時間ともに3%程度無回答が発生しておりますので、こういったところが影響していると。特に復元倍率の高い大規模のところで無回答が非常に多かったことも要因でありまして、復元した結果としては非常に大きくなってしまったというところでございます。
 なお、今回分類不能の職業ということでここには書いておりますけれども、分類不能の職業といいますと、また別のものをイメージされるような懸念もございますので、名称をどうするかということにつきましては、検討をまだ進めていきたいと思っております。
 職種区分の試験調査の結果の概要につきましては以上でございますが、結果を踏まえまして、考え方を整理したものが7ページでございます。試験調査の結果を見ますと、日本標準職業分類と整合的で、全労働者を網羅するという職種区分の見直し方式について、大きな問題はないと考えているところでございます。一方で、区分が細か過ぎる、わかりにくいという意見が多く寄せられておりまして、特に大企業で回答の負担が大きいという状況も確認できたところでございます。
 こういったことから、第1回ワーキンググループ以降、御議論いただいた基本的な考え方につきましては踏襲しつつ、さらにここの枠囲みの方針に基づき区分の見直しを検討したいと考えております。
 具体的に、これまでお示ししたものから見直しを検討している職種につきましては、資料2-2を御覧いただければと思っております。資料2-2の表は、左から国勢調査の職業分類、続いて日本標準職業分類となっておりまして、真ん中ほどに前回お示ししました新区分、その右が今回見直しをしたところでございます。ここの修正案の赤字で書いてあるところが、第2回ワーキンググループでお示ししたものから変更のあるものでございます。
 まず、第2回ワーキンググループで、細分化の御意見をいただいた「製造技術者」でございますが、他の区分と比べると非常に大きなくくりであると考えております。これは国勢調査の人数から見てもそういう状況であると考えておりまして、国勢調査の小分類に合わせる形で細分化をしてはどうかと考えております。なお、この区分につきまして、細分化しても記入できるかどうかにつきましては、企業ヒアリングをまだ若干継続してやっておりますので、そちらのほうでも確認を行っているところでございます。その最終的な結果につきましては、またワーキンググループなどの方法で御報告させていただきたいと思っております。
 続きまして、2ページ目でございますけれども、保健医療従事者の区分でございます。2ページの中ほどの赤と黄色で塗り潰しているところでございますが、視能訓練士、言語聴覚士が含まれる「その他の医療技術者」と、あん摩マッサージ指圧師などが含まれる「他に分類されない保健医療従事者」について、医療技術者の雇用者数がそれほど多くないといったところもございまして、また、名称についていろいろ分かりづらいところもございまして、この部分については統合してはどうかと考えているところでございます。
 2ページの下のところでございますが、まず「幼稚園教諭」でございますが、認定こども園などで対応している保育教諭について、幼稚園教諭と同じ区分であることがわかりやすいように名称を見直すといったことを考えております。また、高専の教員でございますが、こちらは国勢調査に倣いまして、大学教員に含めてはどうかといったものでございます。
 なお、前回のワーキンググループで、「小・中学校教員」を細分化してはどうかといった御意見をいただきましたけれども、賃金構造基本統計調査のほうは主に民営事業所を対象としている関係で、特に小学校につきましては対象事業所が非常に少ないといった状況がございます。これを細分化いたしましても、サンプル数の確保が非常に難しいというところもございますので、ここは分けずに現行どおり「小・中学校教員」でどうかと考えております。
 3ページ目でございます。一般事務従事者についても、日本標準職業分類、国勢調査等に倣いまして、7区分に分ける案としていたところでございますが、特に中小企業におきましては、このように細かく区分されていないということ、また、複数の業務を兼任している労働者が多いといったことがございまして、なかなかこういった区分までは分けられないといったところがございました。そういったことから、比較的独立性の高い電話応接事務員、いわゆるコールセンター関係のみ単独の職種ということでほかは統合してはどうかと考えております。
 また、現在、企業ヒアリングの実施で確認しているところでございますが、場合によりましては、この事務関係の一番下のところにあります「運輸・郵便事務従事者」などの事務従事者のほかの分類につきましても、一般事務従事者と統合する必要があるのではないかと考えておりまして、ここについては企業ヒアリングの結果等を踏まえて、対応を考えているところでございます。
 3ページの下は販売従事者のところでございます。第2回ワーキンググループの時点でお示しさせていただいた案におきましては、現行の本体調査に倣い、販売店員をスーパー店チェッカーなどの区分に細分化しておりましたが、チェッカーを独立した職種としていない企業も多いといったこと、それと、チェッカーの役割が過去と比べますと全く状況が変わってきているといったところもございまして、ここで販売店員として統合してはどうかと考えているところでございます。
 4ページ目のほうは、職種名を分かりやすくといった修正を中心としております。飲食関係のあたりでございますが、より分かりやすくといった観点で見直しを考えているところでございます。
 あと、今回、一つ悩ましい部分がございまして、全国チェーンの飲食店、喫茶店といったところの労働者につきまして、実態として商品の販売、給仕、簡単な調理を全て行っている。いわゆるワンオペレーションの中で一人で全部やってしまうといったケースが非常に多い。その実態につきましては、日ごろからそういったところに行きますと感じるところでございますが、この場合、職種は販売になるのか調理になるのかというところがございまして、企業ヒアリングではどれも重要であって、主なものは選べないといった意見もあったところでございます。少し区分を見直す、あるいはこういった業務の職種についてはこれだということを決めてしまうと、そういった区分をして記入要領で示すといったことが必要でないかと考えておりまして、これについてはしっかりと検討したいと考えております。
 このほか、第2回で細分化の議論がございました介護職員につきましては、現行調査の接続性、細分化した場合の定義づけが可能かといった観点から、引き続き検討を行っているといったところでございます。
 それと、前回のワーキンググループで御指摘がありました、「公認会計士,税理士」を細分化してはどうかといったところにつきまして、この区分につきましては、雇用者数1万人程度と大変少ない状況でございます。これを細分化した場合、どれほど信頼性が得られるかということも考えますと、現行の調査で「公認会計士、税理士」の区分で調査をしておりますが、年によって非常に数値の変動も大きいといった状態で、細分化については非常に慎重にならなければいけないのかなと考えているところでございます。
 その一方で、この区分について、実際に賃金構造基本統計調査の枠組みで調査することが可能なのかどうかという検討をもう一度しっかりしたほうがいいのかなということがございまして、実際に賃金構造基本統計調査ですと10人以上の事業所を調査するわけでございますけれども、そういった事業所でどのぐらいこういった職種の方が該当するのかといった観点も含めて検討する必要があるのかなと思っていますので、そこについては基本的には現在のところでは細分化しない方向で考えていますが、もう一つの観点のところは分析をもう少し深めたいと思っておりますので、引き続き検討とさせていただきたいと思っております。
 それでは、資料2-1に戻りまして、8ページに移らせていただきます。こちらのほうにつきましては、区分の見直しのほかに、実査を行う上での課題について記載しております。
 まず職種別に、主な職種の早見表を作成するというところでございます。これにより、職種一覧全体から選択をしなくても済むようにして、番号の若い「専門的・技術的職業従事者」が選ばれやすくなることを防げるのではないか。
 イメージ的には、例えば機械技術者であれば機械技術者のところに機械製造関連の職種が続いているといったイメージかと思っていますけれども、ただ、これも余り細かいものを作ってしまいますと、記入要領が膨大になってしまいますので、どのあたりで頃合いをとるかというところにつきましては、我々は実査をしっかりやっていく観点から検討して作り上げていきたいと考えています。
 また、記入要領の職種一覧につきまして、職種名だけではなく、代表な職種の例といいますか、いわゆる言われているような名前を記入していくといったところで、抽象的な名称でも分かりやすくなるのではないかと考えております。
 そのほか、複数の職種を兼任している場合の記入方法につきまして、例えば労働時間が長いものとするなど、ある程度客観的に選択できるような方法を記入要領に記載するといったことが必要であるかと思っております。このような工夫を行うことで、本体調査でもスムーズに職種の調査が行えるようにやっていきたいと考えております。
 続きまして、9ページを御覧ください。ここから、職種の見直しに伴いまして発生する課題でございます。
 まず、役職者に係る職種別集計でございますが、現在の本体調査のほうでは、役職者については職種の調査を行っていないというところでございます。役職の調査項目、役職の記入につきましては、企業規模100人以上の事業所のみ記入といった扱いとさせていただいております。これにつきましては、職種区分の見直し後については、全労働者について職種を調査するという原則にのっとりまして、役職者についても職種を調査するといったことで考えております。
 また、役職の調査を行う範囲でございますが、現行の調査のとおり、企業規模100人以上に限定しますと、ここの図に書いておりますけれども、企業規模100人未満のところでございますが、職種記入者について役職者かそうでないかデータ上の判別がつかない状態になるといったところがございます。現行の本体調査では、職種別集計に役職は含まれていない状況でございますので、職種区分の見直し後に現行の調査と接続する数値を集計しようとしますと、役職者を除く必要があるということになります。しかしながら、企業規模100人未満で役職を調査しないとすると、そういったところも非常に難しくなってくるといったことがございます。それとあわせまして、記入者のほうも何なのだろうなという混乱や、分かりづらいといったこともあろうかと思います。
 そういったところもございまして、現行調査との接続性を確保するといった観点から、職種区分の見直し後は企業規模100人未満でも役職を調査すると。必要に応じて役職者を除く職種別集計を集計できるようにしてはどうかと考えているところでございます。
 続きまして、10ページでございますが、試験調査の主な職種について、役職者を除いて集計を行った結果でございます。これを見ますと、役職者の有無によりまして、賃金に差が出ているということが明確に出ておりますので、役職を除いた集計結果が現在の本体調査の結果に近いといった状況でございます。
 続きまして、11ページでございます。職種別集計における経験年数の取り扱いでございます。賃金構造基本統計調査では、職種に 該当する場合、その職種の経験年数を他の企業での分も含めて調査しているところでございます。
 この経験年数につきましては、事業所の記入負担が大変大きい項目であるということがございまして、第14回厚生労働統計の整備に関する検討会におきまして、調査項目は削除してはどうかという御提案もいただいたところでございますが、一方で、日本の経済の変化を見る上での指標の一つであるといったことから、慎重に検討してはどうかという御意見もいただいているところでございます。
 そこで、今回、職種区分の見直しに伴いまして、改めて経験年数の取り扱いについて検討いたしました。12ページのほうに移らせていただきますが、試験調査におきまして、経験年数の記入状況、アンケートの記入負担を見ますと、回答の負担が大きい、または困難とする事業所は4割を超えているといった状況でございます。
 未記入率のほうは上の表でございますが、今回の試験調査では大企業のほうで記入がされていないという傾向はあったのですけれども、そういったところを除けば、調査は不可能とまでは言えないのかなといったところまでは来ているのではないかと思っています。
 また、企業ヒアリングを行った中で、職歴の把握状況を確認したところでございますが、特に大企業を中心に自社での経験しか把握していないといった企業も多い一方で、資格が必要な職種については、初任給に反映するため、前職の経歴を記録していると。一方で、小規模事業所では労働者に確認すれば分かるといったところもございまして、経験年数の回答が可能と思われる企業も一定数確認できたところでございます。
 実際の記入状況でございますが、資料2-3を御覧いただければと思っております。こちらのほうで、試験調査におけます職種別の経験年数、勤続年数の関係別の表を作っております。こちらを見ますと、それなりに差は出ているといった状況がございます。実際の記入状況を見ていきますと、専門的な職種と資格が必要なところ、建設業関係ですといろいろな機械の運転技術者といったところにつきましては免許が必要であることなどがございまして、そういったところは経験年数が長いといったところも実際に出ているところがございます。それと、社内育成型の職種であろうと思われる、生産工程の検査従事者、また、鉄道運転従事者といったところにつきましては、勤続年数が長いところもございまして、そういうような傾向も出ていることも見てとれます。
 このような結果を踏まえますと、今回の職種の見直しにつきまして、新たに専門的職業やサービス関連職業が調査対象に追加されると、これらの賃金と経験年数の関係性にもニーズが出てくると考えられますので、記入者の記入負担軽減のほうは引き続き留意しながらやっていく必要がございますけれども、当面の間は経験年数の調査を継続してはどうかと考えているところでございます。私からの説明は以上でございます。

○玄田主査

 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明につきまして、御質問、御意見をお願いいたします。大変大部にわたる内容でございますが、どこの観点からでも結構ですので、よろしくお願いいたします。阿部委員、どうぞ。

○阿部委員
 御質問というか意見も含めてなのですけれども、資料2-1の6ページで、試験調査と就調、国調と職種別労働者数を比較していて、気になったのが、今回の試験調査で分類不能の職業が13.1%ということで、先ほど説明されたとおりだと思うのですが、もしそうだとしたら、企業規模別にこれがどういう比率になっているのかを見ると、より仮説が、つまり大企業のほうが未記入なので分類不能になっているのかどうかということが見えてくるのではないかと思うのです。
 さらに、大企業のところで、他の職種のところで、特に国調あるいは就調と直接比較していいかどうか分からないですけれども、どういったところがほかの規模と違う出方になっているのかなどを見てみたらどうかなと思うのですが、例えば企業規模別にこの試験調査を分けて職種分類の割合、構成比を出したりはしていませんか。

○玄田主査
 事務局、どうぞ。

○中原賃金福祉統計室長
 その数字は集計しておりまして、その結果として、説明の中で少し触れさせていただいたのですが、全体としての未記入率、これは単純な回答事業所数に対しての割合でいきますと3%程度であるのですけれども、大規模は対象が少なくてウェイトが大きいものですから、復元した結果として13.1%と大きくなっているといったところでございます。ですが、規模別に見て、大規模のほうで記入がされていないと確認した結果でございます。

○阿部委員
 そうすると、大規模で特にどの職種が減っているとかということは見えてこないのですか。未記入のところが多いのはどのあたりかということは、結局どこかの職種が減るわけですよね。
 ここで見ると、特に事務従事者は8%ぐらい国調や就調よりも小さいわけですよね。これは先ほどの説明だと小規模事業所に重点を置いた標本設計となっているのですけれども、もしかしたら大規模が答えてないからこれが減っているということはないのですか。

○中原賃金福祉統計室長
 現在、数字がないのですけれども、そこの観点でしっかり見てみたいと思います。

○阿部委員
 そうすると、何か対策が考えられるのではないかと思うのです。特に分類不能の職業で未記入になっているのが、もともとはどこの職種なのかとかを類推したほうがいいのかなと思います。

○中原賃金福祉統計室長

 実際に、試験調査でいきますと、大規模のところは数が少ないので限定的な状況になるかと思いますけれども、そこは改めて確認してみたいと思っています。

○玄田主査
 では、引き続き御検討いただくということで。ほかに御意見、御質問などいかがでしょうか。黒田委員、どうぞ。

○黒田委員
 大変な調査をしていただきまして、ありがとうございます。資料2-1の3ページを拝見しましたところ、先ほどの御意見で出ていた未記入率のところですけれども、業種別に見ると結構大きな違いがあるのかなと思いました。
 特に製造業と医療、福祉の未記入率が非常に少ないと思いまして、製造業はゼロとなっていますので、ちゃんと答えてくださっているということだと思うのですが、それを踏まえた上で、資料2-2の1ページで製造関係の職種をさらに細分化するという御提案をなさっているのだと思うのですけれども、細分化することによって、未記入率がほぼゼロになっていたものが、逆に未記入率が増えてしまう可能性について、ヒアリングもまだしていらっしゃる最中だということなのですけれども、ここは慎重にしていただくのがいいのかなと思いました。

○玄田主査
 いかがでしょうか。

○中原賃金福祉統計室長
 どうもありがとうございます。それにつきましては、ヒアリングの中で可能性についてしっかりと捉えまして、どちらの方向にするのかということは事務局として考えたいと思っております。

○玄田主査
 樋田委員、どうぞ。

○樋田委員
 御説明ありがとうございました。私からは3点、質問と意見を申し上げます。最初に阿部委員から御指摘があった資料2-1の6ページの分類不能の職業が13.1%という点です。他の箇所の説明で職業の分類が間違っていないか事業所に対して聞き取りをしているという御説明があったと思います。この分類不能が発生した大企業に対してヒアリングを行っているのであれば、分類不能になった職業や仕事内容や状況を踏まえて、今後の職種区分であるとか記入例を工夫していただけたらよろしいかと思います。
 二つ目は公認会計士についてです。前回のワーキンググループで,公認会計士と税理士を分けてはどうかという意見しましたが,今回御説明いただいたように、対象が少なくて難しいということであれば,そのとおりかなと思います。
 その一方で,御説明の中に、公認会計士と税理士の所定内給与の時系列的変動が大きいという説明がありました。変動が大きい原因は、サンプルサイズが小さいことが原因かもしれませんが、公認会計士と税理士という賃金水準が異なる職種が一つのカテゴリーになっていることで生じている可能性もあります。もともとサンプルサイズが少ないカテゴリーに、サンプルにおける公認会計士と税理士の比率が調査年ごとに揺らぐことによって、変動が大きくなることも起こりえます。もしも,サンプルサイズがある程度確保できるということであれば、両者を区分することによって、職種間での賃金水準はコントロールできると思います。今後継続して検討されるということなので、その点も御留意いただければと思います。
 3点目は、資料2-2の一般事務のくくりがかなり大きくなっている点です。労働者数のボリュームの割に対象範囲が大き過ぎるのではないでしょうか。確かに中小の事業所でどの仕事もやっているのでなかなか分類が難しいということは理解できるのですけれども、かなりボリュームもありますので、何か工夫ができないのか御検討いただければと思います。以上です。

○玄田主査
 何かございますか。

○中原賃金福祉統計室長
 まず分類不能の大企業のほうでございますけれども、大企業のほうに行けば行くほどシステム化しているということと、現場と離れているという問題があって、それぞれごとの把握もできていないし書けないといった状況が非常に大きいといった結果が出ています。そこを突き詰めるとなると、かなり記入者負担が大きくなるということも考えられます。
 それと、この調査の中で、今後本社一括での調査も念頭に置いているわけでございますけれども、そういった際にもこういった問題が出てくるのではないかなと懸念されております。だからといって本社一括をしないかといいますと、調査対象者からの要望も非常に大きいところでございまして、結果的に、現在でも事業所ごとに送ってもその調査票を本社のほうに送って本社のほうで記入して返ってくる。これは賃金構造基本統計調査だけではなくて、ほかの多くの調査でもこういった状況がございます。そういった観点でいきますと、ますます未記入が増えるという状況でございますけれども、そういった調査環境の中でどうやって調査をやっていくのか。未記入を許容した中でやっていくのかという検討も必要なのかと思っています。
 いずれにつきましても、大きいところではそういう事情もあって、現場のほうまで見えないというところがあって記入が難しいというところで、かなり難しい問題ではないかと考えております。
 また、公認会計士、税理士につきましては、御指摘のとおり、賃金水準が違うものをまぜ合わせますと、その年によって当たった、当たらないということがありますし、また、現在の調査の対象ですと、企業が該当する場合に職業を記入してくださいというやり方をしていますので、そうすると、標本誤差ではなく非標本誤差に入るかと思うのですけれども、企業が面倒くさがって書かないという可能性も多分にあると思っておりまして、その結果も踏まえて今の状況だとは考えております。ただ、そこをどういうふうに検証するかといいますと、これは永遠の課題といいますか、難しいところでございますが、そういったところも踏まえまして、どうすべきかというところ。
 それと、公認会計士のところですが、これは前回平成17年の改正で追加して入れたのです。専門的な職業といった話もございまして入れたところでございますが、その中で検討不足のところもあったのかなと思っておりますので、説明の中で申し上げましたけれども、そもそも賃構の枠組みの中で捉えられる分野なのか、それと、捉えられない分野であったとしても、調査はして、集計上単独した区分で集計するのかどうかといったところもあろうかと思っていますけれども、そういったことも含めて、特に前回追加した職種を中心に、今、見直しを考えてございまして、そこも踏まえてまた御提案させていただきたいと思っております。
 一般事務でございますけれども、これは恐らく大企業であれば、例えばここでいいます企画事務員とかといったところになってくるのかなと思うのですけれども、中小企業になりますと、これは区分できないといった事情がありますので、難しいのかなと思っています。
 例えば国勢調査とか就業構造基本調査とかですと、記入者は私のこの仕事は何をしていますと書いて、それを調査員なり統計職員がコーディングするという作業をしていますので、そこに分けられるという事情はあると思いますけれども、事業主に格付してもらうとなってくると、ある程度大くくりというか区分が難しいところについては一くくりにしないと調査不能ではないのかとも考えておりますので、こちらについて非常に大きなボリュームのところですので、分けてはどうかということについては、そういった御意見があろうということも私どもも十分承知しておりますけれども、記入者のことを考えますと一本化せざるを得ないのかなと考えているところでございます。

○玄田主査
 黒田委員、どうぞ。

○黒田委員
 御説明ありがとうございます。私も一般事務従事者のことは後で質問させていただきたいと思っていたのですけれども、御事情は分かるのですが、一方で、ボリュームもさることながら、少し心配なのは一般という言葉で、一般事務と書いたら何でもかんでもここに全部入ってしまうので、ほかのところに入ってよさそうな方々も全部ひっくるめてこの中に入ってしまうというリスクが懸念されるところであります。
 そういったことと回答者の記入負担などのトレードオフもあるのだと思いますが、もし大くくりにせざるを得ないという御判断をされるのであれば、ここに該当する人たちはこういう人たちだけなのですというような例示とかを工夫していただいたほうがよいかなと思います。

○中原賃金福祉統計室長
 その辺、十分検討したいと思っております。

○玄田主査
 一応事務はその下に会計事務、生産関連事務、営業・販売というあたりの区分けはしてあるわけですよね。おっしゃるように、一般というのが、ここの例だと庶務、人事、受付から企画と、確かにある程度業務内容に幅があるのも事実なので、何かいい言い方がありますか。その他の事務というのはちょっと合わないような気がします。こちらも引き続き御検討いただくとして、どうぞ。

○中原賃金福祉統計室長
 これは思いつきなので、適当かどうかわからないのですけれども、あえて一般事務を一番下に書いてしまうという方法もあろうかと思っていますが、ここはまた工夫という点になると思いますけれども、考えてみたいと思っています。

○玄田主査
 ボリュームとしては、これを見ると総合事務、企画事務が大きいのですよね。

○中原賃金福祉統計室長
 そうですね。

○玄田主査
 企画事務と総合事務は分けられないですよね。難しい。企画総合事務とその他。どうでしょう。悩ましい。西郷先生、どうぞ。

○西郷先生
 回答を求めるというよりは感想のような意見になるのですけれども、恐らく働き方が大分変わってきていて、仕事の内容とそれをやる人というのが、昔は結構1対1に対応していた面があると思うのですが、今は多分そうではなくて、いろいろな仕事をいろいろな人がやるというふうに、事務のやり方も変わってきているような感じがするのです。ですから、職業分類そのものが今の世の中の変化に追いつけていないような面もあるので、それに基づいて、属人的に分類をするということが難しいという状況も一方にはあるのかなとお話を伺っていて思いました。今の観点に関してはそれだけです。

○玄田主査
 ありがとうございました。他に、御意見や御質問など、いかがでしょうか。西郷さん、どうぞ。

○西郷先生
 ついでということで申しわけないのですけれども、私も皆さんが御指摘になっていた資料2-1の6ページの賃金構造基本統計調査と国勢調査、就業構造基本調査の職種の分類で、話は分類不能の職業が比較的他の調査に比べると多いというところに集中していたような気がするのですけれども、私もそこは確かに問題だと思いますけれども、逆に他のところに関して言うと、比較的よく合っているということが私にとってはすごく驚きで、なぜかというと、賃金構造基本統計調査は事業所系の調査であって、国勢調査と就調は世帯系の調査ですよね。よく労働時間や何かだと両者は全く合わないということが言われている中で、職業までさかのぼると結構合ってくるというのは、労働とかそういうものに対して、事業所系の調査と世帯系の調査はどういうふうに合わせていったらいいのかということを考えるときの一つのヒントになるのかなと。これも回答を求めるものではなくて、そういう印象を持ったということだけをお伝えしたいと思います。

○玄田主査
 よろしいですか。

○中原賃金福祉統計室長
 特にございません。ありがとうございます。

○玄田主査
 貴重な御意見ということで。他にいかがでしょうか。阿部委員、どうぞ。

○阿部委員
 アンケート調査をされていて、そのアンケート調査は無回答の企業にも調査されているのでしたか。回答していない。

○中原賃金福祉統計室長
 調査票が返ってきたところだけです。調査票と一緒に返してもらうという形になっています。

○阿部委員
 これは無回答のところはありますよね。

○中原賃金福祉統計室長
 数は少ないのですけれども、あったということです。すみませんでした。

○阿部委員
 何で無回答なのかわかりませんか。それがわかると結構おもしろいのかなと思うのです。例えば職種分類を書くのが面倒くさい。

○中原賃金福祉統計室長
 そこはそうですね。

○阿部委員
 そのあたりも見てみたらどうかと。

○西郷先生
 横からですみません。無回答が何で恐ろしいかというと、何だか分からないから恐ろしいのであって、もし無回答であるという理由がある程度分かるということであれば、それは調査を設定する上からも結構貴重な情報にはなると思います。

○中原賃金福祉統計室長
 非常に数が少ないという状況なのですけれども、深掘りさせていただきたいと思います。

○玄田主査
 他にいかがでしょうか。
 私も1点、資料2-1の9ページですが、役職の集計を100人未満にもするということで、こういう流れからすると必然かなと思うのですけれども、逆に今まで100人未満で役職を聞いてこなかった理由というのは何だったのでしたか。

○中原賃金福祉統計室長
 歴史的な背景としか言いようがなくて、当初からやっていなかったということし分からない状況です。

○玄田主査
 今、考えると何かありますかね。何でしてこなかったのですかね。小さい規模になると、同じ部長という意味でも大企業の部長と零細企業の部長だと単純には比較できないとか、企業規模によって役職者の意味合いが違うということだったのですかね。

○中原賃金福祉統計室長
 そこは多分にあったかと思います。実際に記入要領の例示でも、今、部長、課長でも、前回の改正で部長級とかクラスで言う表現に変えられたのですけれども、その中で部長というのは幾つかの課を統括しているとか、課長は幾つかのラインを統括しているという条件などが例示してありまして、そういったところからすると、零細企業になってくるとそこの定義に合致しないといった事情もあったのではないかとは思います。

○玄田主査
 もしそれが主な理由だとすると、今、現代でもある部分は当てはまるわけで、今後、役職者を企業規模計としてくくった場合の特徴を見るときにはやはり注意しないといけないですね。逆に言えば、100人未満と100人以上は企業規模計みたいなものを集計するときに分けるとか、工夫が要るかもしれないですね。

○中原賃金福祉統計室長
 その御指摘はごもっともだと思っておりまして、例えば記入要領に原則的に書いてもらえば、恐らく中小企業は、中規模はいいとして、小規模のところは部長なんて誰もいないじゃないかという話になってしまいますので、そういった点も含めてもう少し工夫が必要だろうと思っています。
 ただ、実際上は、そこの記入要領の区分というのは大して見てもらえないだろうと我々も思っておりまして、実際に部長という名称の人は書いてくるだろうと。そうすると、やはり違いはあるだろうという御指摘なので、そこは規模別で見るのがいいのだとか、全体を見たときの数字はこういったものだといったところで、ミスリードが起きないようにどんな工夫があるか考えていきたいと思っています。

○玄田主査
 分かりました。他にいかがでしょうか。特に今日は資料2-1の7ページ目の職種区分の見直し方針を、前回に追加で大きく3点細分化等のことが書いてありますけれども、この方針について、御異論はないですよね。よろしいですよね。
 次の実査上の課題につきましても、これは早見表作成ですとか、幾つか具体的な提案があって、あと、詳細はヒアリングなどを行ってさらに進めていただくわけですけれども、このあたりの課題の整理についてなど、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
 あと、経験年数、勤続年数。経験年数も非常に大企業などは難しい面もあるということですけれども、今回は継続して把握するという方針を御提案されています。こちらについてもよろしいですか。
 ちょっと気になったのは、資料2-3を御説明いただいて、管理的職業従事者は経験年数と勤続年数が同じという人が6割を超えるのですね。ちょっと意外な感じがして、つまり、管理職として採用されているというのが、管理職の中に意外と多いのかな。普通はある程度非管理職をやってから管理職になるとすると、もっと勤続年数のほうが経験年数よりも長いケースが多いかなと思ったのですが、これはびっくりしますね。

○阿部委員
 経験年数をどう答えているかではないですか。

○西郷先生
 回答誤差の可能性があるかもしれないです。

○玄田主査
 管理職は管理職としての経験年数ではなくて、勤続年数と同じものだと思って理解するのかね。例えば、自分は部長なのだけれども、入社直後から、おまえは将来部長なんだからな、それを踏まえていろいろな見習いをするんだよと言われて、部長ではないときから既にエリート教育をされていたとかという意識が意外とあるのかね。おもしろいね。

○西郷先生
 個人が回答しているわけではなくて、事業所の中のしかるべきセクションの。

○玄田主査
 だから、事業所は、今、部長になっている阿部くんは、入社直後から管理職としてなるために販売員をさせてきたんだみたいなことがあるのかね。

○阿部委員
 いや、そうではないでしょう。

○玄田主査
 じゃあ、これを説明して。

○阿部委員
 だから、勤続年数をただ写しているだけではないですか。

○玄田主査
 そういう身もふたもないことを言うようになったな。そういうふうに、経験年数というのは、実際にはいろいろ難しいところもありますけれども、前回もあったように、これを把握するニーズがあるということなので、継続するという御提案を。田中さん、どうぞ。

○田中審査解析室長
 先ほど説明させていただいたように、分類のAとかBに寄っていくということですので、恐らく本来はもうちょっと下のほうに分類されるような方々が、この上のところに入ってきているというところも影響している可能性もあるのではないかと思います。

○玄田主査
 分かりました。もう一個、非常に細かいのですが、高専というのは民営の高専もあるのですか。

○阿部委員
 私立の。

○玄田主査
 そうなんだ。結構あるんだ。

○阿部委員
 東京には。

○玄田主査
 国立だけではないんだ。

○阿部委員
 練馬のほうにある。

○玄田主査
 分かりました。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、全体の課題ですとか見直し方針なども含めて御了解いただきましたので、今後引き続き御検討、ヒアリングなどを進めていただければとして、再度事務局で整理したものを次回御提案いただけるというようなことかと思います。ありがとうございました。
 では、議題2「賃金構造基本統計調査の調査事項の見直しについて」の2つ目、「(2)学歴区分」につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○中原賃金福祉統計室長
 それでは、資料3の「賃金構造基本統計調査の学歴区分の見直しについて」を説明させていただきます。2ページを御覧ください。学歴の見直しにつきましては、論点が大きく2つございました。
 1点目でございますが、学歴の区分につきまして、これまでのワーキンググループで「大学・大学院」を「大学」と「大学院」に細分化すること、「高専・短大」については、高専、短大、専門学校が含まれる区分でございますが、このうち、「専門学校」につきましては、他の調査の動向も踏まえ、分離することが適当という御意見をいただいておりました。
 今回のワーキンググループでは、試験調査の結果から、このように区分した場合に何が記入可能かを確認し、学歴区分についての検討を御説明させていただきたいと思います。
 論点の2点目は、短時間労働者の学歴を調査するということについてです。これまでのワーキンググループにおきましては、社会情勢の変化を考慮し、短時間労働者の学歴についても調査すべきではないかという御意見をいただいたところでございましたが、実際に事業所が回答できるかどうかといったところが重要というところもございますので、試験調査で記入の可能性を見きわめるべきという方針で検討を進めてきたところでございます。
 3ページを御覧ください。まず、試験調査の結果、記入状況でございますが、未記入の状況につきまして、一般労働者の未記入率につきましては、企業規模にかかわらず、概ね2~3%、若干5%、6%といったところがございますけれども、このような状態ということで、比較的記入されていると判断しております。
 一方、短時間労働者につきましては、未記入率が産業計、企業規模計で20%を超えているという状況でございます。さらに、大企業ほど未記入率が高いといったところがございます。企業規模1,000人以上につきましては、4割近くが未記入といった状況となっています。
 産業別に見ますと、宿泊、飲食サービス業、製造、卸、小売といったところで、5割を超える、又は5割近いところが未記入となっているところでございます。
 4ページを御覧ください。アンケートで学歴を回答することの負担感につきまして、一般労働者、短時間労働者、それぞれごとに聞いたものでございます。大企業ほど回答できるとする事業所が減少しているといったところでございます。特に短時間労働者でその傾向が顕著に出ているといったところでございます。
 回答が困難とする主な理由につきまして、下の囲みのところで書いておりますけれども、最終学歴のデータ管理を行っていないことから、履歴書から一人一人調べる必要があるといったこと、履歴書に書かれていない場合につきましては、労働者本人に確認する必要があるが、個人情報のため聞きづらいといった意見が多数あったところでございます。特に学歴についてデータ管理していないといったところが、短時間労働者で多くなっております。
 5ページに移らせていただきます。実際の記入内容について見ていきますと、一部に高専と専門学校の混同があるのではないかと疑われるところもありましたけれども、学歴別構成比を見ますと、就業構造基本調査と同じような構成となっているところでございます。
 この試験調査の状況を踏まえまして、見直しの方向性についてでございます。6ページに移らせていただきます。
 まず、学歴の区分についてでございますが、試験調査ではこれまでワーキンググループで御審議いただいた部分を細分化するほか、学歴の意味合いや賃金水準が異なるのではないかといった観点から、高専と短大を別の区分として合計7区分で調査を行いました。結果を見ますと、細分化しても記入は可能ではないかと考えたところでございます。
 一方で、高専と短大につきましては、高専の卒業者が非常に少ないといったことと、単独の区分とした場合に、性・年齢等の属性のクロス集計ができるほどサンプル数を得られるのかといった問題から、信頼性のある結果を得るのは非常に困難でないかと思われる状況でございます。
 また、短大につきましても、卒業者数が現在大きく減少してきているといった状況がございます。今の段階でこの2つの区分に分けるといったことにつきましては、そういった意義に乏しいのではないかと考えるところでございます。
 したがいまして、高専と短大については分離しないで、専門学校は特出しといったことで、「高専・短大」という一くくり、「専門学校」という一くくりの2つに細分化してはどうかといったところで考えているところでございます。
 7ページに移らせていただきます。次は、専門学校の修業年限による区分をどうするかという論点でございます。現行の調査の内容では、合計修業年数に見合う学歴区分とするという考え方によっておりまして、高卒後2~3年の修業年限で卒業する場合につきましては、「高専・短大」の区分に入れている。高卒後4年以上の修業年限で卒業する場合は、「大学・大学院」の区分としているところでございます。
 今回、専門学校の区分を新たに設定するに際しまして、改めて4年制専門学校の取り扱いにつきまして検討したところでございますが、考え方としては、現行調査の接続性を考えまして、大学として扱うという方法が1つ目でございます。
 2つ目の考え方でございますが、他の調査の状況でございます。これは8ページの下のほうに参考でつけておりますけれども、就業構造基本調査のほうでは修業年限別で細かくとっているということがございますが、調べたところ、ほかの調査の中では、修業年限別に分けているという状況が見受けられないといったところです。実際に2年以上のものを専門学校とすると、国民生活基礎調査、雇用動向調査はそういった状況、人事院が行っています職種別民間給与実態調査につきましては、2年以上をまとめて短大卒扱いとしているといった状況がございます。そういったところを考えますと、事業所において記入しやすい区分とする観点から、2年制、4年制も含めて全て専門学校とするという考え方があると考えております。
 7ページに戻っていただきまして、二重囲みのほうでございますが、こういったことを踏まえまして、他の統計との比較可能性といったものを確保することと、簡素な区分とする観点から、ここで言った2番目○2の全てを専門学校として扱うという考え方を採用してはどうかと考えております。
 このようなことを踏まえまして、見直し後の学歴区分案をまとめますと、下の表のとおり6区分に分類といった観点です。1つ目は中学、2つ目に高校、3つ目に専門学校、これは修業年限2年以上のものでございます。4つ目に高専・短大、5つ目に大学、こちらは6年制を含むもの、6つ目に大学院といった区分でどうかということで考えているところでございます。
 続きまして、資料の9ページに移らせていただきます。2つ目の論点の短時間労働者の学歴の調査についてでございます。
 短時間労働者の学歴の調査につきましては、試験調査への記入状況及びアンケート調査の結果を見ますと、相当困難ではないかと考えられているところでございます。特にシステムで学歴情報を管理していないことで、履歴書を確認しなければならなかったり、あるいは労働者本人に確認するというケースがかなり見受けられたところでございまして、事業所及び労働者の双方にかなり負担が生じているのではないかと懸念されているところでございます。
 短時間労働者の学歴の管理状況につきまして、企業ヒアリングを行ったところ、入れ替わりが激しいので管理することが負担であるという意見のほか、そもそも業務に学歴を求めていないということで、処遇にも学歴は関係ないということから、学歴自体を管理するメリットもないし、管理もしていないといった意見などがございました。このような事情を考えますと、現時点で短時間労働者の学歴を調査するのは難しいのではないかと事務局では考えているところでございます。
 しかしながら、部分的にも短時間労働者の学歴を調査できないかと考え、下のところで幾つかの考え方を示したところでございます。
 案1といたしまして、短時間のうち、「正社員・正職員」のみ調査、案2として、短時間労働者全員について学歴を調査。ここは全部やりましょうということですね。その中で、区分として「不明」を入れるといったやり方でやっていくと。案3として、これも全部を調査するのですが、「不明」の選択肢はあえて作らずに、未記入を「不明」として集計するというやり方の3つの案があるのかなと思っております。
 このうち、短時間労働者の学歴の調査でございますが、3ページのほうに戻っていただきますと、実際に記入状況の中で、短時間労働者の中でも、正社員・正職員について、やはり正社員ですので、それなりに学歴が把握できているといった状況がありましたので、こちらだけどうなんだといったところもあろうかと思って、検討はしたのですが、10ページに戻っていただきまして、実際に短時間労働者がどのぐらいの人数がいるかといったところ。また、賃金構造基本統計調査の中で、どれだけ捉えられているか。この調査の特性上、なかなか短時間労働者というのが記入されないという状況と、短時間労働者の正社員が記入されないという状況がございまして、現在の調査の中で1%程度の労働者が短時間労働者の正社員に該当しているという状況でございます。
 続いて、11ページのほうでございますが、実際に集計結果として、どのような状況になっているかといったところですけれども、これは本体調査の賃金カーブを5年分、2010年、14年、15年、16年、17年とグラフにしたものでございますが、上の段はいわゆる非正規、正社員以外を含みます雇用形態計の結果でございます。
 これは特に女性のほうを見ますと見なれたような数字でございまして、安定した結果となってございますが、下の正社員・正職員につきましては、年によって変動が非常に大きくなってございます。男性はこんなことになってしまうのだろうなというところは想定するわけですが、女性についてもある程度の傾向らしきものはありますけれども、年によってこういったばらつきも出てございまして、これを学歴別に調査するにしても、集計にたえ得る結果は得られないのではないかと考えております。
 また、今後短時間正社員の制度が浸透しまして、数が増えてくれば調査可能になるとも考えられますが、現時点では正社員のみについて学歴をとるのは難しいと考えております。
 続きまして、12ページに移らせていただきますが、案2、案3のところについて御説明させていただきます。
 現在、学歴別集計につきまして、「不明」の欄は設けておりません。「不明」の欄を設けた上で、短時間労働者全体について学歴を調査するかという案が案2でございますが、案2と案3の違いは「不明」をつくるかどうかという違いでございます。
 案2のほうでやっていきますと、「不明」の選択を設けますと、短時間労働者の学歴を把握しない企業は「不明」を選択できるといったところがございまして、そういった状況で無理に労働者に確認してまで回答するという懸念は解消されるとありますが、一方で、学歴の選択肢につきましては、一般労働者、短時間労働者共通でございまして、一般労働者についてはこれまでも履歴書などを確認しながら回答した企業が安易に「不明」を選択してしまいまして、現行の集計と接続しなくなるのではないかといったところもございます。現行の調査もかなり補正作業はしておりますけれども、比較的ここは記入がされているといった状況も実際のところございます。
 案3のほうでございますが、選択肢に「不明」がないということで、案2のように安易に「不明」を選ぶという問題は生じませんけれども、短時間労働者の学歴を把握しない場合に労働者に確認して記入する必要があると認識されるおそれがあるといったこと。事業所の負担もございますけれども、労働者との関係、個人情報保護との関係といったところについてもいろいろ問題があるのではないかと考えているところでございまして、この案も慎重に考えなければいけないのではないかと思っております。
 いろいろと検討してみたところでございますが、現段階においては短時間労働者の学歴を調査することは難しいのではないかなと考えているところでございます。説明は以上でございます。

○玄田主査
 ありがとうございました。それでは、御質問、御意見を受け付けたいと思いますが、大きく2つ見直しの御提案がございますので、整理して御議論いただきたいと思います。
 まず1点目は、資料3の6ページ目、7ページ目にありますとおり「高専・短大」の取り扱いで、高専と短大は分けない。一方で、専門学校については、修業2年以上について特出しして「専門学校」と区分するというのが大きな御提案でございます。理由につきましては、今御説明していただいたとおりですが、この御提案につきまして、特にまず御異論などがございましたら先にいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。黒田委員、どうぞ。

○黒田委員
 御説明ありがとうございます。高専と短大の区分は可能は可能だけれども、ボリュームが小さいということで一くくりにしたほうがいいのではないかという御説明だったと思うのですが、この賃金センサスという統計の性質上、高専の出身の方と短大出身の方と、他の条件を一定にして賃金がどれぐらい違うのかということが恐らく一番重要になってくるのかなと思うのです。今回の調査で高専のグループと短大のグループで賃金がどれくらい違うのかというようなことを分析されていらっしゃるようだったら教えていただきたいというのが1つ目の質問です。
 2つ目の質問は、専門学校に関して2年以上の縛りを設けるということは、2年未満の専門学校に関しては高卒扱いという理解でよろしいのでしょうか。

○玄田主査
 2つ御質問がありましたので、お願いいたします。

○中原賃金福祉統計室長
 まず専門学校のほうでございますけれども、1年の専門学校につきましては高卒扱いというところでやっていきたいと思っております。

○黒田委員
 そこも質問をさせていただきたかったのですけれども、就調では分類しているのですが、就調で1年から2年の専門学校卒の人のボリュームみたいなものは、ほとんど無視してもいいぐらいのものだったかどうかも教えていただきたいのですが。

○中原賃金福祉統計室長
 就調ですと、全体の大卒とか高卒も含めた中のウェイトですけれども、2年未満が5.3%、2年から4年未満が9.0%、4年以上が0.2%といった状況となっております。
 ただ、もう一つの数字といたしまして、毎年どのぐらいの人が卒業しているかという観点です。こちらは学校基本調査のほうの数字でございますけれども、これは専修学校の専門課程の方の卒業者の人数の推計でございますが、2年未満のところが2万9,549人、2年から2年11カ月が15万3,978人、3年から3年11カ月が6万7,422人で、4年以上が1万2,231人というところで、数としては圧倒的多数が2年のところが大きいといったところになってはいます。

○玄田主査
 1点目の高専と短大では賃金水準等々ではどうでしょうか。

○中原賃金福祉統計室長
 試験調査のほうになりますので、資料1で、5ページに一般労働者について集計したものがございます。御指摘のとおり、これは年齢構成とかそういったところなどもあろうかと思いますけれども、高専のほうが明らかに高いといったところは確かにございます。

○玄田主査
 黒田さんの御意見は、これだけ賃金水準が違う上で一緒にするのは違和感があるという意味ですか。

○中原賃金福祉統計室長
 もう一つは、恐らくこれは男女の問題もあろうかと思っておりまして、男女計を見るとこういう状況なのですけれども、男性につきまして見ますと、明らかにこちらは差がありますといったところかと。女性につきましては変わらないかなといったところ。こういったところをあわせて見ますと、高専の卒業者として卒業しているのだけれども、そういった職業についているかどうかという違いも背景にあるのかといったところもございます。

○玄田主査
 それは黒田さんの御提案をより時間をかけて議論するのであれば、多分高専の一部は大学卒と同じ取り扱いにしなければならないのではないかという御提案になるのではないですか。多分高専だけを取り出すというよりは、事実上、高専の一部については大学卒と同じとみなさないと。

○中原賃金福祉統計室長
  大学というか、短大ですね。

○玄田主査
 大学ではないですか。年数などを含めて考えると。短大と同じだったら今の「高専・短大」で問題ないのだけれども、高専の一部は卒業すると大学院に行ったり、ほとんど大学と変わらないような状況があるとすると、それも含めて大学にしなければいけないのではないかという御意見だとすると、それはそうだなと思うが、今のボリュームサイズだと、それだけのことを考えてやるかというと、難しいのではないかな。でも、重要な御提案ですよね。阿部委員、どうぞ。

○阿部委員
 5ページを見ると、規模別で相当短大と高専卒の賃金差は大きいのですね。だから、いろいろなことを見ていかないと、簡単に短大と高専卒の男子だけ比べてもこんなにありますよと言えるのかどうか、にわかには言えない。

○玄田主査
 今申し上げたとおり、1,000人以上だと平均だけ見ると高専卒と大学卒だと高専卒のほうが高いのだもの。高専と一緒に見るか、大学卒と一緒に見るか考える。それは大きな提案だね。

○阿部委員
 でも、ほかの企業規模とか女性だと、そんなに大きな違いはない。むしろ短大卒のほうが高かったりするわけですね。これは単純に分類できるという話でもないかもしれない。

○中原賃金福祉統計室長
 実はいろいろと御指摘もある中で、私どもも今回のワーキンググループもこういった提案も含めながら、どういった状況かなと見ておりまして、もう少し深掘りしてみたほうがいいのではないかという観点も実はございます。例えば今回規模別でこういう状況だったのですけれども、産業別で見るとどうなのか。試験調査の結果を見ますと、高専卒というのはそれなりに製造なり、特に今回は情報通信で多かったのですけれども、調査規模が小さいのでそういう偏りは結構出てしまっているのですが、それなりの結果も出ているというところもあります。
 一方で、どう考えてもこれはもう専門と関係ないだろうというところに出てくるのもあります。就調の学歴別の数字を見ても、卸・小売業に高専卒というのも結構なウェイトがあるという実態もございます。そういったところについては高専として単独で見るよりも、いわゆる2年制の大学、短大を出た程度の学歴という扱いではないかという考え方もありますので、集計上で今までと同じような「高専・短大」という区分の集計をしつつ分けるとか、そういった考え方も踏まえてもう少し検討させていただけないかと思っております。

○玄田主査
 検討というのは、今日の御提案は一回白紙に戻すという意味ですか。

○中原賃金福祉統計室長
 そうですね。御指摘のとおり、明らかに違う状況なので。

○玄田主査
 今のはまだ黒田さんの御意見なので、まだすぐ見直しの検討まで行かなくてもいいのではないですか。

○中原賃金福祉統計室長
 今回、その辺を踏まえてどうしたらいいかというところをもう少し御議論いただければどうかなと。

○玄田主査
 私はある意味では黒田さんの意見に反対で、資料3の5ページ目で、高専は0.9%なので、32万人でしょう。ここを例えば今言われたように集計するときに、一部は短大に加えて一部は大学卒に加えるというのを議論するとすると相当に慎重な議論が必要で、どういう基準でやるか。例えば私の理解では、この御提案がもしこれで認められたら、2020年度ぐらいの賃金センサスの区分を変えていこうという御提案ですね。それは間に合わないかなと。
 それでも高専と短大がまじってしまうのがものすごく気になって、この0.9%の扱いをどうするか決められないと今日の御提案がみんな認められないとなると、ある意味では現行どおり20年度までやるほうがいいですか。結果的に、むしろ専門学校というとても大きな今11%を占める部分も一緒にして、高専、短大、専門学校と一緒にしたままの今までのやり方をしばらく続けたほうがいいという御提案になるように思うのだけれども、どうですか。

○黒田委員
 今御提案いただいたように、高専卒の一部を短大に置きかえる、その残りは大学卒にするという区分をし始めると、どうやって分けようという話になってすごく大変になると思うのです。
 ただ、一方でこれは職種別のときにも前回のワーキングでも申し上げたのですけれども、AIとかロボットとか、そういった関連の職業が非常に重要になってくる世の中に今後なっていく上で、高専卒という技術を持っている方々というのが今後非常に重用されていく世の中になっていく可能性が十分考えられます。そういうときに、ボリュームが少ないから一緒にしてしまっていいのかというのは若干気になるところではあって、ただ、細分化していくと問題があるというのは分かりますので、例えば全体の規模計では高専卒だけは集計として出して、それ以外のところは復元するのが難しいぐらいのオーダーなので出さないとか、そういったことも考えられるのかなと思いました。

○玄田主査
 そうすると、別の提案ですが、事業所に書いてもらう調査票を高専は別枠にしろという御提案ですね。つまり、集計できるようにするためには、ちゃんと高専卒と短大卒が分けられる。今、調査票はそうでしたか。

○中原賃金福祉統計室長
 今回の試験調査においては、それぞれ独立した形で調査しています。

○玄田主査
 基本調査は。

○中原賃金福祉統計室長
 基本調査は「高専・短大」の一区分でやっております。

○玄田主査
 ですね。今黒田さんが言われたように、もし企業規模計が高専だけ頭出しできるようにするためには、調査票自体も高専にマルをするところと短大にマルをするところと専門学校にマルをするところを分けなければいけなくなる。

○黒田委員
 あまり強硬に主張しているわけではないのですけれども、参考資料1で調査票が上がっているのですが、最終学歴のところに「短大」「高専」「専門学校」と1、2、3、4、5、6、7と上がっていますね。私は、単純にこの中からどれか選ぶというイメージで考えていました。

○玄田主査
 個人票ね。

○黒田委員
 2枚目の個人票もそうですし、1枚目の事業所票も(5)のところは高専卒の初任給とか、こういった箇所も高専卒を別建てで書くように企業側にお願いしているわけですね。

○玄田主査
 そうすると、現行でも高専卒だけ特出ししてできるわけだね。

○黒田委員
 玄田先生のご提案は、これだと細かくなってしまうので、一緒に合わせてしまって、個人票に関しては、今の枠組みですと1番から7番を1番から6番にしようという御提案かと思いました。

○中原賃金福祉統計室長
 ちょっと整理させていただきますと、現行の学歴調査の区分は、1番は「中学」、2番は「高校」、3番は「高専・短大」、4番は「大学・大学院」という区分になっております。今回試験調査でやった区分がこの参考資料1の2ページの調査票になってございます。ですので、この区分でやればそれぞれごとの集計もできるし、どこかを合わせた集計も。

○玄田主査
 基本調査の調査票を変えてこの形にすれば。

○中原賃金福祉統計室長
 変えればできるということになります。

○玄田主査
 それは結構大提案ですね。どうぞ。

○阿部委員
 私もだんだん変わってきて黒田派になりそうなのですけれども、まず問題の所在として2つあって、ユーザー側の視点とデータを書いてくれる供給、サプライヤーの視点があると思うのですけれども、まず問題になっているのはどちらかというとユーザー側の問題が多くて、高専と短大を細分化すると、細分化した際に十分なサンプル数を得ることが困難なので、集計するのが難しいと言っているのが問題点なのですね。

○中原賃金福祉統計室長
 はい。

○阿部委員
 でも、答える側は、サプライヤーのほうは、別に問題ではないと言っているのですね。

○中原賃金福祉統計室長
 そうなりますね。

○阿部委員
 回答できますとは言っているのですね。

○中原賃金福祉統計室長 
 分かれば書ける。書けない場合はどちらかの区分に分けられないのではなくて、そもそも分からないと。

○阿部委員
 なので、折衷案としては、回答はさせる。だけれども、集計はしない。そういうのはあり得ると。

○中原賃金福祉統計室長
 実際、それが記入者負担なのかどうかというところもあるのですけれども、調査した項目をその項目で集計しないということが統計制度の中で総務省の承認とか統計委員会の審議などがありますけれども、そういった方向性が認められるのかどうかというところの懸念は持っておりますし、それと、そういった区分があるのなら、それで集計して出すべきだという、いわゆる世論の話もございます。
 現に、私どもの統計表は相当数字のぶれが大きいというか、相当細かい区分まで集計表を全部作っています。報告書に載っている部分は一部でございまして、産業中分類別の学歴別、性別、企業規模別というところの数字まで作っておりまして、そこまで行くと、誤差率はいろいろ御議論はございましたけれども、そういった中の誤差率でも非常に大きな誤差率が出ているところがある状況ですが、こういった形で出しているとなりますので、恐らくこの区分で分けたら、高専と短大というものも、報告書には載せないにしても、e-Statなりなんなりには載せる形になるのではないかとは思っております。その際に、統計制作者として責任ある数字を提供できるかどうかという観点で行くと、非常に慎重になってしまうというところがございます。

○玄田主査
 他の方、何かこの件について御意見はありますか。樋田さん、どうですか。

○樋田委員
 私は前回のワーキンググループで高専を分けたほうがいいという意見を申し上げましたが,今回の御説明を聞いて高専を分けることは難しそうだと考えました。資料の賃金水準についての数字を見ると、黒田先生がおっしゃったように大きな賃金水準差があって、高専を分けたほうがいいだろうと思うのですけれども、高専卒の男女間で労働者数や賃金水準に差があること、高専卒の人数が非常に少ないので、推計精度が保てない可能性が高いという判断は妥当かと考えました。
 阿部先生がおっしゃったように、短大と高専と専門学校を3区分に分けておいて、集計の段階で精度が保てない場合に統合するという方法は、多分認められないだろうと考えていますが,もしこの様な方法がありうるということでしたら,そういう選択肢を検討することもあり得るかなとは思います。

○玄田主査
 ありますか。

○中原賃金福祉統計室長
 私どもとしてもなかなか今のお話は賛否両論がございまして、ここでどうこうというところまで御回答することが難しい状況がございます。ただ、やはり実際に集計して結果として出す際において、それぞれ区分ごとに出していくということですね。高専と短大別に出すことについて、特定の産業では出せるかもしれないし、産業計ではもつだろうというのはあっても、細かいところまで行くと難しいところはあると思っております。やはり実際にそういったとり方をして統合した集計が許されるのかどうかということについても、ここは今のところ、私どもは考え方を整理できない状況がございますので、その辺についてのみ、もう少し制度的な面も含めて各方面を確認させていただければと思っています。

○玄田主査
 ありがとうございます。私も1点だけ。確かに黒田さんがおっしゃったように、AIですとかこれからの技術革新の中で、どういう学校教育のあり方が政策的にも望ましいかというのは大変大きな論点だろうと。その中で高専の扱いが社会政策、教育政策としてどうなるかというのは非常に大きな議論になり得る可能性があると思っています。
 また、一方で、短大につきましても今6ページにあるとおり非常に少なくなってきているとすると、短大教育というものの持つ意味もこれから大きく変わる必要があって、これ自体は短大とか高等専門学校がどういう意味を持つかを十分議論していかないと、それをどのような扱いにするかというのは賃金センサスのワーキングの議論の域を超えているような印象を持ちます。
 それだけ議論しなければいけなくて、次回、いつの時期にまた賃金センサスのワーキングとか見直しの検討があるのか存じ上げませんけれども、恐らく何年か後にはまた見直しをしなければいけなくて、その段階には何かの議論ができるような、恐らくこれは厚生労働省だけではなく文科省も含めて議論していただきたいと思っております。
 そのあたりも含めて、あまり統計がまだ確証に足る事実がないままに、将来こういう見込みがあるので、今のうちに分けておこうというのは、私は接続の観点からいっても微妙かなという気がします。私はこの32万という数を考えると、今その扱いを慎重に取り扱う。慎重に取り扱うというのはいろいろあるとすると、従来からの接続性を議論しながら、意識しながら決めていくほうが大事ではないかと思っています。
 引き続き検討していただくとして、もう一個の重要な、まず1番目の論点の専門学校の扱いにつきまして、修業年限2年以上については「専門学校」として特出しする。こちらは非常に大きな規模になっていて10%を超える、約1割の常用労働者を占めるというので分けるということですが、先ほどおっしゃった1年の専門学校の方でも大学卒で1年の専門学校に行った方はもちろん大学卒ですね。つまり、2年未満の専門学校については、それ以外の最終学歴を記入いただくわけですね。

○中原賃金福祉統計室長
 そうなるかと思っています。

○玄田主査
 必ずしも、みんな高等学校卒になるわけではない。

○中原賃金福祉統計室長
 はい。

○玄田主査
 この点、いかがでしょうか。4年以上について分けるという考え方もあるかもしれませんけれども、先ほどあったように、まだそれほど大きな規模にはなっていないので、これも恐らく将来的にもし4年の専門学校というものの社会的なニーズが高まって一定数のウェイトになってくるとまた考えなければいけない課題だと思いますけれども、今の段階では2年以上というものを一つのくくりとしてやっていってはどうかということですね。

○中原賃金福祉統計室長
 そのように考えております。

○玄田主査
 何か気になる点とか、引き続き検討いただきたい点とか。よろしゅうございますか。では、こちらについては2年以上の修業年限の専門学校を別のくくりとしてやると。これは調査票が変わるわけですね。

○中原賃金福祉統計室長
 はい。

○玄田主査
 ということであります。
 では、もう一個の論点、こちらも非常に多く、恐らく研究者の方から御議論の多い、9ページの見直しの方向の○2、短時間労働者の学歴については、代替案が3つ示されておりますが、いずれも非常にデメリットが大きいということで、従来どおり学歴を調査するのは非常に困難だという御提案でありますけれども、こちらについて御議論、御質問などがありましたらお願いいたします。阿部委員、何かありますか。

○阿部委員
 先ほどの話と同じなのですけれども、回答側の負担をできるだけ軽減したほうがいいと思うのです。だから、調べられないものは調べられないということとか、回答しやすいやり方を模索していったほうがいいと思うのです。それは先ほど短大と高専に集計するのをプロバイダー側にさせるのか、それともこちらでやるのかの話にもつながると思うのです。だから、何か蒸し返すようで申しわけないのですけれども、例えば、今は手で書くのを念頭に置かれているのか、データを流してもらうのを念頭に置かれて議論するのかでも違ってくると思うのですけれども、データをそのまま送るのだったら学歴そのまま送ってもらったほうが回答者側は楽ですね。だけれども、そのときにまた短大だ、高専だと集めなければいけないとなると面倒ですね。

○玄田主査
 先ほどの12ページにあるどうやって管理しているかという参考のところには、学歴情報については半分以上紙ベースで管理だから、多分履歴書で保管しているということでしょうね。

○中原賃金福祉統計室長
 ヒアリングによりますと両方ございますけれども、紙ベースのところが多いということも把握しております。

○阿部委員
 でも、データで流せるようになったら、きっと紙ベースからはデータ化していきますね。そのようにソフトが改良されていくはずですから。

○玄田主査
 阿部さんの御提案というのは、紙ベースではなくてデータベースを持っているところはもう聞いたほうがいいのではないかということですか。現行でも。

○中原賃金福祉統計室長
 いずれにしても、事業所で持っているデータをそのままダイレクトな形でこの調査票の形に落とし込めるとは私どもは考えていなくて、それぞれの項目ごとに、それぞれ何らかのプロセスがあって、この調査票に行き着くだろうとは思っているのです。

○阿部委員
 そうなのですけれども、でも、流れとしてはデータをそのまま流すという方向性ではないのですか。いつまでも国のこの特定の集計様式に合わせてやりなさいというのは、流れ的にはどうなのですか。

○玄田主査
 それは将来、賃金センサスのオンライン調査をいつ開始するかみたいな話になってくるのではないの。

○阿部委員
 そうなのですけれども、だから、そういうものを想定しながら今から考えておいたほうがいいのではないかと。別に集計結果をどうしようではなくて、回答者の負担をどうやって減らしてあげるかを考えて、どういったところで短時間労働者は聞かないのか、それとも代替案のどれを選べばいいのかを少し考えたほうがいいのではないかということです。

○玄田主査
 あまり私がしゃべってはいけないのかもしれないけれども、データベース化しても別の意味で負担が生まれるという御提案だね。つまり、今は短時間労働者の少なからずの部分については恐らく学歴そのものを聞いていない。それを今度はあえて賃金センサスという厚生労働省の調査があるので、今までは聞かないことにしていた学歴データをデータベースで管理するから、これからは聞いてくれと。今までは聞かないということで気持ちよくパート、アルバイトをしてもらったのとを、これからは学歴を聞くぞと。その負担感をこの調査によって増すことが望ましいのかというと、恐らく今はそれは相当厳しいのではないかという御提案だと理解していますけれども、いかがですか。

○中原賃金福祉統計室長
 この調査のために学歴を管理してくれとか、データベース化してくれということは、それは難しいし、すべきではないだろうとは思っております。
 今、お話の中では2つのお話があったと思っておりまして、一つはそういう学歴のデータをそのまま流し込めばいいのだから、それでいいではないかというお話と、分からないところをどうするかというお話の2点だと思っておりまして、私ども、実際のところ、分からないところについてどのようにアクションをとるべきか、これは本当に悩ましいと思っております。分からないところは空欄でいいですよと言ってしまうと、皆さん、安易に書かない状態になってきまして、そうすると集計ができなくなってしまう。その問題が、短時間労働者だけではなくて、今とれている一般労働者のほうまで波及してしまうことを非常に懸念しております。そういった観点で、書かなくていいですよという表現とか、「不明」という項目をつくることについて、基本的に慎重であるべきというスタンスよりも、むしろ否定的な考え方を持っています。
 システムから流し込むかどうかという話についてはまた別の観点がありますし、システムから流し込まれた際に、例えば高校卒だから「高校卒」というように流し込まれますと、私どものほうで調査票をコーディングしなければいけないということがあるので、ここについてはできれば「高校」ということで、2のコードで変換して書いてほしいといったところです。オンライン調査としても、そういうことを考えておりまして、そういった点でいくと、短大の方は短大の番号4、高専の方も4であれば高専の番号4という形で変換してもらえればいいのかなという考え方を持っているということはございます。
 お答えになっていないところもあるかと思いますが。

○玄田主査
 わかります。「不明」とか「わからない」で思い出すのは、就業構造基本調査ですとか、今年からの労働力調査で、雇用契約期間という一般条項にかわって聞くということをしたときに、「わからない」というのを加えることになって変わったわけですけれども、あれにつきましては労働基準法で雇用契約期間の労働条件の明示というものがあって義務づけられていて、本来わからないということがあってはならないはずなのに、どうも試験調査をすると分からないということがある。あれについては、ある種の社会的な問題提起、ちゃんと雇用契約期間の明示義務が満たされているかどうかを把握するということなので、「不明」については何らかの対応が必要だということでああやって調査しているのだと理解しています。
 ただ、短時間労働者の学歴が不明だということが社会的に課題なのかどうかというと、それは恐らく雇用契約期間の不明とは意味が違っていて、先ほども言った労使の合意のもとにあえて学歴は問わないということであれば、恐らくそこはあえて聞く必要がない。
 一方で、恐らく研究者の中で議論があるのは、そういうことだけではなく、本来はしっかり教育を積んでそれなりに人的資本を積んでいるにもかかわらず、短時間労働者については、その人的資本の価値が十分に評価されていない仕組みがあって、把握もされていないし、評価の対象にもなっていないという問題意識が現実にあるならば、それは「不明」ということについてしっかりと把握しなければならない。むしろ、そこに対して、先ほどの契約期間と同じようにちゃんと社会的に課題として認知し、情報共有して取り組まなければいけないということになるので、これは恐らく両方の考え方が「不明」についてはあるから、慎重には検討していかないといけないのでしょうね。
 ただ、おっしゃったとおり、前者の理屈がヒアリングからも出てきているので、恐らく私が言った後半の人的資本は過小評価されていると断定できる段階ではないから、今後とも何かの形で検討していくということではないかと思います。
 何かこの辺について、黒田さん、ありますか。

○黒田委員
 ありがとうございます。一連のお話をお聞きしていて悩ましいなと思って、私自身はこうすべきというのは決まっていないのですが、阿部先生が一番お詳しいかもしれないのですけれども、法改正の影響で考えると、同一労働同一賃金のことも考えていく必要があるのではないかと思います。今後は正規だから、非正規だからとか、無期だから、有期だからというような単純な枠組みで賃金を決めることが許されなくなり、何故その賃金水準にしたのかという根拠をきちんと企業が提示していかなければいけないような世の中になっていく。そういう意味では、例えば短時間の方を雇用したときも、初任給を決定する際には、大学を卒業しているからこの水準にしましょうというような賃金表を予め決めて賃金水準を決定するという企業も今後増えていくのではないかと考えています。
 ただ、一方で統計はこれまでの連続性も考える必要性がありますので、今回無理に急ぐことはせず、次回の見直しのときに十分に検討していくことでもいいのかもしれません。いずれにしても、来年度の4月以降に法が施行されて、おそらく企業の動向も変わっていくことが予想されますので、それに向けて各企業がどのような対策を考えているかということは、今の段階から少しずつ情報収集をされておくとよいのではないかと思いました。

○中原賃金福祉統計室長
 ありがとうございます。いずれにいたしましても、私どもといたしましても、今回短時間については学歴は問わないという方向性を御提案させていただいたわけでございますが、未来永劫、このままやりませんということは考えていなくて、当然働き方はいろいろこれから多様化していくと思いますので、その多様化していく中でどのようなところを押さえていかなければいけないのか。例えば「不明」が多い中でもやっていくべきではないかという議論は当然あろうと思いますので、将来的に引き続き考えていくことは続けていきたいと考えています。

○玄田主査
 阿部さん、何か今の件でありますか。

○阿部委員
 いいと思うのです。

○玄田主査
 いいと思うって。

○阿部委員
 調べないということならば調べないでいいのではないかとは思います。でも、少しどのようにデータを持っているのかを、もうちょっと企業側がどうやっているのかとか、あるいはオンライン化できるのかできないのか等も含めて考えておいたほうがいいかなとは思うのですけれどもね。

○中原賃金福祉統計室長
 実はオンライン調査につきましても、これは並行して検討していることになっているのですが、なかなか遅々として進まない状況になっていますけれども、実際に企業でデータ管理をどういう形でしているのかというところは実態を、そんなにたくさん聞けるわけではないですが、そういうところは聞きながらやっていきたいと思っております。
 その情報をちゃんと集めていけば、むしろ今回阿部委員がおっしゃったような観点から本体調査でも可能ではないかということも出てくるかもしれませんし、そこは遅々として進んでいないことは我々としても大変申しわけない状況でございますけれども、そういうことも踏まえながらやっていきたいと思っています。
 いかんせん、毎月勤労統計でオンライン調査が先行して進んでいますけれども、あちらは学歴が関係ない状況でやっているものですから、そちらの状況も参考にならないというのもございますので、また独自に詳細にいろいろオンラインの観点でのヒアリングを進めながら進めていきたいと思っております。

○玄田主査
 改めて確認させていただきたいのですけれども、短時間労働者について、学歴情報というのは把握すべきだという強い御意見などはございますか。今、御説明があったように、これは未来永劫とらないというわけではなくて、今後の情勢の中では当然検討する可能性があるけれども、現段階では試験調査等、加えて、ヒアリングなどを含めて考えると、その調査をするのは非常にマイナスの影響が大きいのではないかということで、今回は見送りにしたいという御提案ですけれども、よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 では、そのような方向で改めて今回の見直しの提案を整理いただきまして、もし詳細について、学歴区分などいろいろ御意見が必要な場合には、この場合は事務局と私に御一任いただいて対応させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、大分時間も押し迫ってまいりましたが、議題2の「(3)その他」となっております。こちらについて事務局から何かございますでしょうか。

○中原賃金福祉統計室長
 特にございません。

○玄田主査
 ありがとうございました。
 それでは、本日予定をしておりました議題は以上になりますが、全体を通しまして、改めて御質問、御意見などがありましたら。よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 それでは、本日の議題はこちらで全て終了となります。もし皆様の中で御不明な点や御意見などがありましたら、1月上旬ぐらいまで、第2週ぐらいまでに事務局宛てにメールで御連絡いただければということを聞いておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、事務局にお返しいたします。

○細井統計企画調整室長
 本日は長時間にわたりまして御審議いただき、誠にありがとうございました。
 本日いただきました貴重な御意見については、今後事務局で整理、検討をさせていただければと思っております。
 次回のワーキンググループでございますけれども、別途事務局から御連絡をさせていただきますが、来年の2月ごろを予定させていただきたいと思います。また日程調整等をさせていただきますので、引き続き御審議、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、これをもちまして第3回のワーキングを閉会させていただきます。ありがとうございました。

 

 

(了)
<照会先>

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電話:03-5253-1111(内線7373)
 

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