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2017年5月12日 第134回労働施策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成29年5月12日(木)18:00~19:30


○場所

厚生労働省専用第12会議室


○出席者

【公益代表委員】

荒木委員、安藤委員、黒田委員、平野委員、水島委員、守島委員、両角委員

【労働者代表委員】

川野委員、神田委員、柴田委員、冨田委員、八野委員、福田委員、村上委員、世永委員

【使用者代表委員】

秋田委員、小林委員、齋藤委員、早乙女委員、佐藤委員、杉山委員、三輪委員、輪島委員

【事務局】

山越労働基準局長、土屋審議官、村山総務課長、藤枝労働条件政策課長、荒木監督課長、宮本計画課長

○議題

時間外労働の上限規制等について

○議事

○荒木会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第134回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催いたします。

 本日の委員の出欠状況ですが、欠席の委員としまして公益代表の川田琢之委員と承っております。

 本日の議題に入る前に、定足数の報告を事務局よりお願いします。

○中嶋調査官 定足数について御報告いたします。労働政策審議会例第9条により、委員全体の3分の2以上の出席、または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。

○荒木会長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。お手元の議事次第に沿って進めたいと思います。

 本日の議題は、「時間外労働の上限規制等について」です。事務局から、資料1及び2について説明をお願いします。

○中嶋調査官 承知しました。

 委員の皆様のお手元には、資料1及び資料2とともに、4月20日に開催をされました第102回労働政策審議会安全衛生分科会の資料を配付させていただいております。こちらにつきましては適宜御参照いただくといたしまして、私からは資料1と資料2について御説明をさせていただきます。

 それでは、まずA4縦置きの資料No.1、「論点について(事務局案)」とタイトルを付した資料をご覧ください。こちらのスタイルは前回同様でございまして、各論点につきまして「実行計画」の記載を破線の四角囲みで引用し、その下に矢印をぶら下げる形で案をお示ししたものとなります。

 1ページから4ページまでは前回御議論をいただいた部分でございますが、その際は、これこれでどうかという形でお示しをしまして御議論いただいたところでございます。今回は、前回の議論を踏まえまして、その文末表現のところを「である」、あるいは「する」といったような形に改めたものでございます。

 本日の論点といたしましては、5ページからとなります。

 5ページをご覧いただきますと、「2 勤務間インターバル」の(1)として「労働時間等設定改善法及び指針に盛り込むべき事項」としております。

 まず、「実行計画」の内容は、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法を改正し、事業者は前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければならない旨の努力義務を課し、制度の普及促進に向けて、政府は労使関係者を含む有識者検討会を立ち上げる。また、政府は、同制度を導入する中小企業への助成金の活用や好事例の周知を通じて、取り組みを推進する。」であります。

 これを踏まえた案といたしましては1つ目の矢印ですが、「労働時間等設定改善法第2条(事業主等の責務)を改正し、勤務間インターバル導入に関する事業主の努力義務規定を新設してはどうか。」

 それから、2つ目の矢印ですが、「その上で、平成27年2月13日の当分科会報告にあるように、同法に基づく指針に、労働者の健康確保の観点から、新たに「終業時刻及び始業時刻」の項目を設け、「前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息時間を確保すること(勤務間インターバル)は、労働者の健康確保に資するものであることから、労使で導入に向けた具体的な方策を検討すること」等を追加してはどうか。」でございます。

 おめくりいただきまして6ページですが、3といたしまして「長時間労働に対する健康確保措置」についてです。「実行計画」の該当箇所を2つに分けて引用しておりますが、それぞれに対応し、新技術、新商品等の研究開発の業務に係る健康確保措置と、当該業務も含め一般に適用される面接指導について御議論いただきたいと存じます。

 まず、新技術、新商品等の研究開発の業務について、1つ目と2つ目の矢印のところに記載をしております。

 1つ目の矢印は、「実行計画」を踏まえ、「新技術、新商品等の研究開発の業務については、医師による面接指導、代替休暇の付与など実効性のある健康確保措置を課すことを前提に、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないよう、その対象を明確化した上で、適用除外とする。」ということ。

 それから、2つ目の矢印ですが、「研究開発業務の健康確保措置として、例えば、以下のとおり医師による面接指導を受けさせる仕組みとしてはどうか。」としまして、その下に2つの「・」を打って具体の内容を示しております。

 1つ目の「・」が、「時間外・休日労働の時間数が単月100時間超の場合、労働者の申出なしで義務付け(罰則付き)。」

 2つ目が、「面接指導に基づき事業者が行う就業上の措置内容に、代替休暇の付与を加える。」であります。

 続いて、研究開発業務も含め、一般に適用される面接指導について、3つ目の矢印のところに記載をしております。「また」としまして、「研究開発業務も含め適用される労働安全衛生法第66条の8の面接指導(労働者の申出がある場合、義務(罰則なし))について、対象となる時間外・休日労働の時間数を単月100時間超から80時間超に改正してはどうか。」としております。

 これらを受けまして最後の矢印ですが、「上記の面接指導の適切な実施を図るため、平成27年2月13日の当分科会報告にあるように、すべての労働者を対象として、客観的な方法による労働時間の把握を省令上義務付けてはどうか。」であります。

 次の7ページをご覧ください。「4 その他」として、施行期日の関係でございます。「実行計画」では、「中小企業を含め、急激な変化による弊害を避けるため、十分な法施行までの準備期間を確保する。」とされております。

 その下の矢印のところの案でございますが、「改正法の施行期日は、事業運営や労務管理が年度単位で行われることが一般的であることを考慮すると、年度の初日からとすることが望ましいと考えるがどうか。」であります。

 続きまして、資料Noの2、「論点に関する参考資料」とタイトルを付した横書きの資料について説明申し上げます。

 表紙をめくっていただきまして、2ページからが勤務間インターバルについての参考資料でございます。

 2ページでは、先ほど申し上げました労働時間等設定改善法第2条(事業主等の責務)を改正し、勤務間インターバル導入に関する事業主の努力義務規定を新設するという案の参考として、現行の条文を掲載しております。

 ページの中ほどに「(事業主等の責務)第二条」として引用しておりますが、「事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。」というものです。

 この現行条文に関連して1点補足いたしたい点が、次の3ページにございます。3ページの下に四角で囲んでいるところですが、左右に分けまして現行と改正案を対比した表でございます。こちらは既に国会に提出し、現在継続審議中の労働基準法等の一部改正案における労働時間等設定改善法の改正部分でございます。

 こちらでは、第1条の2、定義規定について改正し、先ほど読み上げました第2条にも出てまいります労働時間等の設定ということの中に深夜業の回数、終業から始業までの時間、右側に下線を引いてある部分となりますけれども、これを含めるという提案をしているところでございます。その上で、今回は事業主等の責務を定める第2条を改正して、勤務間インターバル導入に関する事業主の努力義務規定を新設してはどうかという提案でございます。

 続きまして、4ページは労働時間等設定改善法及び同法に基づく指針の全体像の概要でございますので、適宜御参照いただければと存じます。

 次に5ページでありますが、「勤務間インターバルの導入状況」等に関する企業調査の結果をまとめたものとなります。3本の色分けしたグラフがありますが、一番上は導入状況に関するもので、勤務間インターバルを「導入している」は2.2%、「導入していない」は94.9%です。

 2本目の真ん中のグラフですが、導入していない企業における今後の導入意向についてです。「導入する予定である」が0.4%、「導入の是非を検討したい」が8.2%、「導入の是非を検討する予定はない」が60.5%となっております。

 一番下のグラフは、導入している企業における確実にインターバルを確保しなければならない時間についてですが、「7時間超8時間以下」が28.2%で最も多く、次いで「12時間超」が15.4%、「11時間超12時間以下」が12.8%となっております。

 続いて、6ページは勤務間インターバルの導入に関する助成金の概要でございます。昨年度からの新規施策、支給事務は今年度からでございますが、勤務間インターバルを導入する中小企業事業主に対する助成制度でありまして、就業規則等の作成・変更費用、研修費用、労務管理用機器等の導入・更新費用等につきまして助成をする制度でございます。

 おめくりいただきまして7ページですが、上段が勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会の開催要綱、下段が同検討会の名簿となります。実行計画を受け、勤務間インターバル制度の実態把握、導入促進を図るための方策などの検討を行うための検討会でありまして、労使関係者として当分科会委員からも御参加をいただき、開催することとしております。

 次のページからは、「3 長時間労働に対する健康確保措置」についての参考資料でございます。

 おめくりいただきまして、9ページは新技術、新商品等の研究開発の業務の法定時間外労働の実績についてです。2つ、上下に並べて表がございますが、上が1カ月の実績について、下が1年間の実績についてとなります。ともに調査をした事業場において、最も時間外労働が長かった方に着目をして集計をした数字でございます。

 また、表の作り方としましては、1カ月の実績については45時間以下とそれを超える時間に分けて、また、1年の実績については360時間以下とそれを超える時間に分けてご覧いただけるようになっております。

 そして、1カ月45時間以下、1年360時間以下という時間外労働の実績となっている事業場の割合を表の左側のほうの色分けをした欄に数字でお示しをしておりますが、7割程度の事業場でこれらの時間以内の実績となっております。

 それから、目を右側のほうに移していただきますと、1カ月45時間、あるいは1年360時間を超える時間の時間外労働をしている方がいた事業場割合を、より細かな時間区分ごとにご覧いただけるようになっております。また、一番右側の欄には全体を通じました平均時間を入れてございます。

 続いて10ページですが、こちらは新技術、新商品等の研究開発の業務の実際の例といたしまして4例ほどお示しをしております。

 まず、一番上のA社の例、電気機器メーカーの研究本部の例でございますが、従業員規模は150人程度、そのうち120人程度が当該業務として、具体には「新商品・技術の研究開発」に従事しているということ。36協定による延長時間は1カ月80時間、1年720時間、また研究開発業務のほかには、経理、人事、総務などについて限度基準内の36協定が締結されている事業場の例でございます。

 続きましてB社、医薬品メーカーの本社の例ですが、従業員規模は400人程度、そのうち100人弱が当該業務として、具体には「医薬品の臨床試験の実施、試験成績の解析、承認申請」などに従事しているということ。36協定による延長時間は、1カ月45時間、1年360時間であり、特別条項の場合に1カ月70時間、1年650時間、また研究開発業務のほかには、事務、経営計画、経理、営業などについて限度基準内の36協定が締結されている事業場の例でございます。

 その次のC社、食品メーカーの工場の例ですが、従業員規模は600人程度、そのうち10人程度が当該業務として、具体には「新製品等の開発」に従事しているということ。36協定による延長時間は、1カ月100時間未満、1年750時間、また研究開発業務のほかには、製造、事務などについて限度基準内の36協定が締結されている事業場の例でございます。

 最後のD社、精密機械メーカーの本社兼開発拠点の例であります。従業員規模は400人程度、そのうち100人弱が当該業務として、具体には「設計・制御技術、精密機械製品等の開発」などに従事しているということ。36協定による延長時間は、1カ月42時間、1年320時間であり、特別条項の場合に1カ月80時間、1年732時間、また研究開発業務のほかには、製造、生産管理、営業などについて限度基準内の36協定が締結されている事業場の例でございます。

 続いておめくりいただきまして、11ページは労働安全衛生法第66条の8及び第66条の9に基づく現行の面接指導制度の概要を示したポンチ絵であります。「事業者」「労働者」「医師」の間の関係を矢印を使って図示しておりますが、ページの左側、破線の囲みの中で、「事業者」から「労働者」に向かって伸びています矢印のところに「1 面接指導受診指示」、それから「4 事後措置」と付しております。

 そして、この現行制度におきまして、面接指導を義務として行っていただくケース、対象者を書いたのが「労働者」の箱の中の左側、「義務」と囲んだ部分でございまして、読み上げますと、「月100時間超の時間外・休日労働を行い、疲労蓄積があり面接を申し出た者」であります。

 また、事後措置についてはこのページの一番下、「※2」のところにありますように、「事業者は、面接指導の結果を踏まえて、労働時間の短縮、作業の転換等の必要な事後処置を行う。」とされているところであります。

 続きまして、12ページでございます。こうした現行の面接指導の実績をまとめた資料でございます。3点ほど表を載せておりますが、一番上の表は「長時間労働者への面接指導の実施割合」についてです。表の一番左に、時間外・休日労働が月45時間超の者から面接指導の申出があったという箱があり、その下に「4.9(100)」という数字がございます。これは、月45時間超の時間外・休日労働をした労働者がいる事業所のうち、医師による面接指導の申出があった事業所の割合が4.9%であったことを示しています。

 その隣には、「全員に実施」「一部実施」「実施しなかった」という欄がございますが、これは当該時間外・休日労働をした労働者に対する医師による面接指導の実施について事業所割合で示したものです。

 こうした表の見方で、表の中ほどでは、月80時間超のケースについて、それから表の右のほうでは月100時間超のケースについて示しております。月100時間超のケースについて数字を拾いますと、月100時間超の時間外・休日労働をした労働者がいる事業所のうち、医師による面接指導の申出があった事業所の割合は19.7%、これについて面接指導の実施状況は、「全員に実施」の事業所が81.3%、「一部実施」が8.7%、「実施しなかった」が9.6%となっています。

 この「一部実施」8.7%、「実施しなかった」9.6%をあわせると18.3%となりますが、これについて面接指導を実施しなかった理由を見たものが、1つ表が飛んで恐縮ですが、一番下の表となります。

 この一番下の表の左側に今、申し上げました18.3という数字があり、その右に「制度を知っている」とした事業所割合である90.0%という数字があります。そして、そうした事業所について面接指導を実施しなかった理由と回答割合を示したものが表の右側のほう、破線で囲んだ部分でございます。

 そこを見ますと、「医師が面接指導を受ける必要がないと判断したため」「医師等の確保が難しかったため」「面接時間を与えられなかったため」という理由が挙げられております。

 次に、前後しまして恐縮ですが、同じ12ページでございますが、1つ上の真ん中のところに、「面接指導の結果を踏まえた事後措置の実施状況」という表がございます。これは、時間外・休日労働が月100時間超の労働者への面接指導の結果を踏まえた事後措置の有無別に事業所割合を見たものです。事後措置を講じた事業所は、87.9%となっています。また、講じられた措置内容について回答を集計した数字をご覧いただけますが、「時間外の労働の制限」「仕事内容の変更(業務量の軽減を含む)」の順に高く、続いて「休日の付与」「就業場所の変更」となっています。

 おめくりいただきまして、13ページが「産業医の選任状況等について」でございます。このページで、上の表は「産業医の選任義務がある事業場における産業医の選任状況」についてです。こちらでは、事業場の規模別にその「事業場数」「労働者数」、それから「産業医選任率」についてまとめたものとなります。

 また、下半分ですが、こちらは「産業医の養成研修・講習を修了した医師の数」についてです。現在、産業医の養成研修・講習を修了した医師は約9万人である旨や、年度ごとに新たに専業医の資格を取得した医師の数の推移について、例えば平成27年度日本医師会実施の研修では2,401人という具合に、年度別、研修等の期間別にご覧いただける資料でございます。

 次に、14ページからは面接指導等につきまして労働安全衛生法令や関係通達、それから平成27年の当分科会報告から関係する部分を抜粋したものでございまして、18ページまで続いてございます。こちらのほうは、適宜御参照いただければと存じます。

 その後は、前回までにお求めのあった資料についてです。前回、36協定を締結していない事業場の状況を示すデータについてお求めをいただきました。

20ページは、36協定を締結していない事業場につきましてその理由を見たグラフでございます。上の囲みの中に状況を整理いたしましたが、読みますと、「36協定を締結していない事業場(全事業場の44.8%)が締結していない理由をみると、「時間外労働・休日労働がない」が43.0%と一番多かった。一方、「時間外労働・休日労働に関する労使協定の存在を知らなかった」(35.2%)、「時間外労働・休日労働に関する労使協定の締結・届出を失念した」(14.0%)、「就業規則等で規定を設けるのみで十分と思っていた」(1.0%)等も見られた。」というものです。

 また、おめくりいただきまして21ページですが、こちらは「過半数労働組合のない事業場における過半数代表者の実態について」です。

 (1)が「過半数代表者の選出方法」についてグラフで整理をしたものです。「選挙」「信任」「全従業員が集まって話し合いにより選出した」「職場ごとの代表者など一定の従業員が集まって話し合いにより選出した」というもののほかに、「社員会・親睦会などの代表者が自動的に過半数代表者になった」「会社側が指名した」というものが見られるところです。

 また、その下の「(2)過半数代表者の職種」につきましては、「一般従業員クラス」「係長・主任・職長・班長クラス」といったもののほかに、「課長クラス」「部長・次長クラス以上」というものも見られるところです。

 こうした状況を踏まえ、最後に22ページとなりますが、平成27年の当分科会報告では、「過半数代表者の選出をめぐる課題を踏まえ、「使用者の意向による選出」は手続違反に当たるなど通達の内容を労働基準法施行規則に規定する方向で検討を続けることが適当である。また、監督指導等により通達の内容に沿った運用を徹底することが適当である。」等のまとめをいただいたところでございます。

 事務局からの資料説明は、以上でございます。

○荒木会長 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの資料説明に基づいて御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。柴田委員。

○柴田委員 お疲れ様です。柴田でございます。勤務間インターバルについて申し上げたいと思います。

 資料に記載のとおりですけれども、労使合意を踏まえて労働時間等設定改善法第2条を改正し、勤務間インターバル導入に関する事業主の努力義務規定を新設すること。それから、平成27年の建議に基づいて同法の指針に勤務間インターバルについて追記するということにまず賛成ということを申し上げておきたいと思います。

 その上で、今回インターバル制度普及促進の検討会が設置され、制度導入促進に向けて方策を検討するということになっておりますけれども、労働時間等設定改善法とその指針が余り一般的に知られていないのではないかということを踏まえて、設定改善法等の周知についてもあわせて検討をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。お願いします。

○荒木会長 ほかにはいかがでしょうか。輪島委員。

○輪島委員 ありがとうございます。私どもも資料1の5ページでございますけれども、勤務間インターバル制度ということにつきましては、ここにございます実行計画に書かれた内容というふうに理解をしておりまして、基本的に賛成という立場でございます。

 あわせて資料2のところで幾つか質問をさせていただければと思いますが、よろしゅうございましょうか。

○荒木会長 どうぞ。

○輪島委員 資料2でございますけれども、5ページに勤務間インターバルの導入状況がございます。例えば、一番下の3というところでそれぞれ時間が詳細に書かれているわけですけれども、全社に適用しているのかとか、ある事業所だけなのかとか、どういうような特徴があるのかというようなことがわかれば教えていただきたいと思います。

 また、6ページですけれども、本年度から助成金を新規で立ち上げていただくということで4億円でございまして、下の40万円で割り戻すと1,000社ぐらいかなということになります。ぜひ高い導入率、PDCAを回していただいて普及促進に努めていただきたい。これは、お願いでございます。

 それから、11ページでございます。先ほどの安全衛生法の66条のところと、資料1で言いますと6ページの下から2つ目の矢印のところで100時間を80時間にするというのは、資料2の11ページで理解をすると、左側の「義務」と書いてある100時間が、1つ右側の「努力義務」のところが「義務」になる。ビジュアルで理解すると、そういうことでよろしいかということの確認でございます。

 それから、最後に13ページで産業医の選任状況でございますけれども、ここも上の164,000何がしの事業場というところと、下の医師の数、約9万人の資格を持っていらっしゃる方と、実働は3万人ということで、ここも割り戻してみると1社当たり5人ぐらいということになるのかもしれませんが、例えばこの3万人の方をもう少し増やすようなことは何か行政としておやりになっているのかというようなことをお伺いできればと思います。以上です。

○荒木会長 それでは、事務局に幾つか資料に関連して質問がありましたので、事務局からお願いします。

○藤枝労働条件政策課長 労働条件政策課長でございます。御質問ありがとうございます。お答えさせていただきます。

 まず、最初にインターバルの導入状況についての御質問だったと思いますけれども、ちょっと手元に詳細がございませんが、基本的に単純にインターバル制度を導入していますかという問いかけで答えていただいた内容でありますので、御質問のようなところまではわからないかもしれません。

 ただ、幾つか資料でも御説明したように好事例の収集などもやっておりますけれども、企業によってはある部門だけで導入したり、または部門によって時間を変えたりとか、いろいろなケースがあるということは承知をしておりますので、先ほど御紹介した今度立ち上げます検討会の中でもいろいろな事例を収集して、どういった取り組みが普及に向けて参考になるのかということを調査の上、審議していただきたいと思っております。

 それから、助成金については、平成28年度の補正予算で制度設計をしまして、申請の受付を3月から始めました。実際の支給事務は4月からということで、まだスタートしたばかりでございますけれども、28年度の2月から3月にかけてセミナーなども開催して周知を図ったところでございます。引き続き周知を徹底して利用が進むように努めてまいりたいと思っております。

 それから、面接指導の関係で資料2の11ページでございますけれども、資料1のページの6ページとあわせて見ていただければと思います。3つ目の矢印で、労働安全衛生法66条の8の面接指導について、今は単月100時間超えについて義務となっております。資料2のほうで申し上げますと、点線の中の左側の絵でございますけれども、「義務」と書いてありまして月100時間超えとなってございます。ここを、80時間超えにして義務とする。つまり、右側の今は「努力義務」になっているものを左側の100のところに80という数字を当てはめてそこに移すということを御提案しているものでございます。

○宮本計画課長 計画課長の宮本でございます。

 産業医の養成につきまして御質問がございましたけれども、産業医が足りないという御指摘がございますので、行政といたしましては産業医の養成研修を日本医師会、それから産業医科大学にお願いしてございます。

 昨年度につきましては、委託先の日本医師会、産業医科大学に協力をお願いしまして、さらに追加で200人規模の集中講座を共催で実施していただくなどの対応を行ったところでございます。

 引き続き、この研修につきまして力を入れていきたいと考えております。

○荒木会長 ほかに何か御意見、御質問等はございますでしょうか。世永委員。

○世永委員 勤務間インターバルの必要性について発言をさせていただきたいと思っています。

 この間、トラックの運転手という立場から発言させていただいておりますけれども、トラックの運転手の場合は、改善基準告示において「休息期間」ということで表現されています。休息期間は、1日8時間以上なくてはなりませんが、平常では1日24時間から拘束時間13時間を引いた11時間というふうになっております。

 遵守状況につきましては、厚生労働省の資料によりますと、2015年に2,783事業場へ監査実施を行い、43.7%で守られていない実態が報告されています。やはり人手不足により、年々違反率が増加しているということです。抜本的な対策が必要と考えています。

 例えば海外の状況を申し上げますと、EUでは継続して最低11時間となっています。何も規制がないと思われるなアメリカでさえ、州をまたぐトラックの運転手は、運転の制限時間に達した場合、ハンドルの離脱時間は10時間となっております。

 また、手前ども運輸労連に加盟している大手宅配会社の労使が、今年の秋以降、下期からインターバルとしての制度の導入を決定しました。業務終了から次の日の営業開始までの時間を最低10時間以上ということで、宅配の総量管理の施策とあわせ、労働環境の改善に取り組むという報告を受けています。

 そういう意味では、2015年2月13日の当労働条件分科会の建議や、今回提案されている考え方にも記載されているとおり、労働者の健康確保には重要性のある取り組みと受けとめておりますので、働き過ぎ防止に向け、実効性のある中身となるよう、強く要請させていただきます。以上です。

○荒木会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。村上委員。

○村上委員 資料の6ページの3の「長時間労働に対する健康確保措置」についてです。

 今回、新技術、新商品の研究開発の業務に対する健康確保措置となっておりますけれども、新技術、新商品の研究開発の業務とい った 適用除外業務、また、医師は 改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用する ということですけれども、「適用除外となっているからといって幾らでも働かせてもよい」ということにはならないのではないかと思います。そういうふうにすべきではないと思っておりまして、自動車の運転業務や建設事業と同様にできる限り協定の時間を抑えるための方策というものを検討すべきだと思います。

 その際、医師や新技術、新商品等の研究開発の業務に対しても、36協定の時間を抑える方向性を示すために原則の上限、月45時間、年360時間が適用されることが必要ではないかと考えております。以上です。

○荒木会長 ほかにはいかがでしょうか。冨田委員。

○冨田委員 ありがとうございます。「長時間労働に対する健康確保措置」の中で、今回お示しいただいた内容も含め、少し御発言させていただきたいと思います。

 前回の審議会の中で実態を明らかにしてほしいとお願いをさせていただいて、今回参考の資料の中の9ページ目と10ページ目のところで業務の実例や、具体的に研究開発業務の最長の方の実態について御提起いただきましてありがとうございます。

 このことにつきまして何点か申し上げさせていただきたいと思うのですけれども、9ページ目のデータを見ておりますと、7割くらいの方が今回の限度告示の中に収まっているという御報告も先ほどいただいたのですが、一方でやはり45時間を超えて、とりわけ例えば100時間を超える割合、それから1年でいえば少なからず1,000時間を超えている割合という実態もあるというような御報告を頂戴しております。

 それから10ページ目のところでは幾つか業務の例示をいただいているかと思います。2つ目の事例のところの医薬品のメーカーなどであれば臨床試験の実施や試験成績の解析ですとか、Dの会社の中でいけば設計・制御技術、精密機械製品等の開発など、例示が出ているのですけれども、これらはその業種一つではなくて多岐にわたるプロセスを担っている業種であるかと思います。こうした業種のある一部分を切り取ったところに該当している方が、研究開発のプロセス全体を担っているという意味合いで適用除外にならないように、対象業務の厳格化についてはそのことも踏まえた上での御検討をお願いしたいと思います。

 あわせて、健康確保措置につきましても今回幾つか例示をいただいておりますけれども、前回も申し上げさせていただいたのですが、やはり未然防止の観点は大変重要だと思いますので、そうした観点からの健康確保措置をどういうものにしていくのかということについても、この中で御議論の場を頂戴できればと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。以上です。

○荒木会長 ほかにはいかがですか。秋田委員。

○秋田委員 ありがとうございます。事務局に御質問させていただきたいのですが、12ページの資料の中で真ん中の表ですね。「面接指導の結果を踏まえた事後措置の実施状況」で、一番右の「措置を講じなかった」が10.2%あるのですが、事後措置は必要な場合に講じるということなのですが、この場合の母集団は事後措置が必要であるものを100としているのか、そうではなくて必要でないものも含めて入っているのか。それは、いかがなのでしょうか。

○宮本計画課長 今の御質問についてでございますけれども、必要でないものについても分母に含まれているということでございます。

○秋田委員 そうすると、これは推測でしかないのですが、この10.2%の中には事後措置がそもそも必要でないということもあるかもしれないという理解でよろしいですね。

○宮本計画課長 事後措置につきましては、事業場のほうで必要か、必要でないかというふうに判断されまして、これはあくまでも事業主が必要である、必要でないと判断した上で措置を講じなかったということでございますので、真に必要であったか、必要でなかったかという判断はこちらでは難しいと考えております。あくまでも、事業主が判断された結果ということでございます。

○荒木会長 よろしいですか。

○秋田委員 はい。

○荒木会長 ほかにはいかがでしょうか。福田委員。

○福田委員 ありがとうございます。健康確保措置について意見を申し上げたいと思います。

 事務局案で頂戴しております資料1の6ページ、矢印で申しますと2つ目になりますけれども、研究開発業務の健康確保措置として、時間外・休日労働の時間数が単月100時間超の場合、労働者の申出なしで面接指導を義務づける。そして、行わなかった場合は罰則つきという案をいただいておりますが、これについては必要と思いますので、事務局案に賛成をいたします。

 その上でということなのですけれども、資料2の12ページで面接指導の実施割合のデータを提示いただきました。この点につき、100時間超の者で面接指導を実施しなかった場合が18.3%あるということの御説明をいただきました。現行制度では、疲労の蓄積があり面接を申し出た者が対象となっているにもかかわらず面接指導が行われないというのはいかがなものかと思いますので、現行では指導が行われていると伺っておりますけれども、12ページの下の段の部分に記載があるような、面接指導が実施されなかったようなことが行われないようにその徹底とあわせて「医師等の確保が難しかったため」という理由がなくなるような対策を講じていただきますようにお願いいたします。それが、1点目です。

 2点目ですけれども、今もお話が出ましたが、面接指導に基づき事業者が行う事後措置について、代替休暇の付与を加えるということも対策としてひとつ加えることに異論はございません。

 ですが、先ほども御指摘がございましたとおり、「措置を講じなかった」という10.2%が本当に措置を講じる必要なかったのでしたら問題はないのですけれども、講じる必要があったのに何もしなかったということがございませんように、措置内容の確実な実施に向けて、実効性のある形での周知・御説明をしていただきたいと思います。以上 す。

○荒木会長 ほかにはいかがでしょうか。輪島委員。

○輪島委員 ありがとうございます。資料1の6ページで、「長時間労働に対する健康確保措置」でございますけれども、ここも「実行計画」の内容の特に上の段の、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することがないということを前提にした上でさまざまな措置が考えられていると考えているところでございまして、その点で私どももこの健康確保措置につきまして賛成の立場というふうに表明をさせていただきたいと思います。

 その上で、6ページ目の2つ目の矢印の健康確保措置のところでございますけれども、罰則がつくというところでございまして、時々企業の方に聞かれるわけでございます。基本的にここのスキームは労働者の申出によらず医師の面接指導を受けさせることが義務ということになるわけでございますけれども、事業者が受診を促しても結構労働者が今は忙しいということで拒否をするといいますか、受けないというようなことが起きているようです。こうした場合、事業者としてどれくらい、どこまで対応するべきなのかというようなところは事業者にとっても非常に不安な点がありますので、その点はどのようにするのがモデル的なのかというようなことを事務局のほうから御示唆いただければと思っているところでございます。以上です。

○荒木会長 今の点について、事務局から御説明はありますか。

○藤枝労働条件政策課長 今、御質問いただいた面接指導の件につきましては、健康診断の受診なども今は当然義務になっていたり、面接指導が義務になっていたりということで、同じようなケースがあり得る中での御指摘だと思います。

 基本的には当然、労働者の方に受診していただく前提で運用はしていただきたいし、指導もさせていただくということだと思いますが、例えばどうしても拒否をされるとか、そういうケースもあるようにお聞きしますので、基本的な考え方をちょっと申し上げますと、例えば事業者の方が労働者に面接指導の実施場所でありますとか、時間の案内ですとか、ここにお医者さんがいるのでこの時間に行ってくださいというようなことを示して受診勧奨したという場合であっても、どうしても労働者側の理由で受診できないというようなことがあり、そこに事業主として合理的にその責務を果たしたということがちゃんと見られることになれば、当然そこは義務違反とならない、刑罰を問うようなことにはならないという理解でおります。

 具体的なケースについては、またお問い合わせがあれば真摯に対応させていただきたいと思っております。

○荒木会長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。神田委員。

○神田委員 ありがとうございます。同様に資料ナンバー1の6ページにある健康確保措置の関係です。矢印の下から2つ目と1つ目について発言をさせていただきたいと思っています。

 まず1つ目の、 研究開発業務も含め適用される労働安全衛生法第66条の8の面接指導について、対象となる時間外・休日労働の時間数を単月100時間超から 単月80時間超に改正してはどうかということについて異論はございません。ただ、申出なしの面接指導のお義務づけというのは研究開発業務だけではなくて、健康確保という観点からいけばすべての労働者に対して実施すべきではなかろうかと思いますので、この点について、検討をお願いしたいと思います。

 それから、一番下の矢印の面接指導の適切な実施を図るということでのすべての労働者に対し、客観的な方法による労働時間の把握ということですが、この点については賛成であります。その上で、ここにあります「客観的な方法」という点についてひとつ確認をしておきたいのですけれども、「時間外労働の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が2017年、今年の1月20日に策定をされておりますが、その中では、客観的な方法として、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等とあるわけでありますけれども、このことを意味しているのかどうか。この確認をしておきたいと思います。以上です。

○荒木会長 質問もありましたが、事務局からいかがでしょうか。

○藤枝労働条件政策課長 ありがとうございます。まず6ページの矢印の3つ目につきましては、そこにございますように研究開発業務を含め適用される66条の8の面接指導でございますので、対象はすべての労働者でございます。もちろん、制度的に上の2つ目の矢印は罰則つき、下は罰則なしという制度の違いはございますが、対象としてはすべての労働者でございます。

 それから、4つ目の矢印にございます労働時間の把握につきましては、前回の平成27年2月の分科会報告でも御提言いただいた内容を再度ここに書かせていただいておりますけれども、今後、省令を定めるに当たってはまた改めて当分科会にも報告なり議論なりをいただいて定めることになりますが、御指摘のように今年の1月に労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインを定めさせていただきまして、その中で把握のための方法についても示させていただいておりますので、これを踏まえた形で御議論いただくことになろうと事務局としては考えております。

○荒木会長 よろしいでしょうか。福田委員。

○福田委員 今、御説明をいただきました1月20日に策定された時間外労働の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインについて、重ねてで恐縮ですが、意見を申し上げたいと思います。

 先程、資料1の6ページの一番下の矢印に記載があります「客観的な方法」についての確認がございました。4つ目の矢印にあるように「すべての労働者を対象として」ということなのですが、健康確保措置の面から申しますと、労働安全衛生法上もいかなる時間管理の者もすべて対象というふうに捉えておりますけれども、今、御紹介にあったガイドラインの2ページ目では、対象者のところで、労働基準法第41条に定める者及びみなし労働時間制が適用される労働者は除くとございます。

 そのため、このガイドラインをそのまま読んでしまうと、労働時間管理をする人以外は労働時間の把握をしなくてもいいかのようにも読めてしまいますので、みなし労働制が適用される方であっても労働時間の把握が必要ということを徹底いただきたいということです。

 それから、懸念として持っておりますのが事業場外みなしの場合、長時間事業場外で働いている事実があるにもかかわらず、一旦事業場外に出ると8時間という把握をされているような事例も見受けますので、現在は技術の進歩もございまして、外に出ていても把握できる勤務の時間もあるかと思います。そういったことを把握すべきということがわかるようなガイドラインにしていただきたいと考えております。以上です。

○小林委員 今の意見に関連してなのですけれども、6ページの一番下の客観的な方法による労働時間の把握は十分必要なことだと思います。過労死の観点からも、労働時間の把握というのは過労死の会の皆さんからのご意見もありますし、管理職とかも含めて把握していかなければいけないというのは十分承知しておるところでございます。

 それで、ガイドラインにも示されている種々の法制だけではなくて、いろいろな業種、業態、職種によって時間の管理の方法というのは多分異なりますし、近年でいえばいろいろな把握の方法があると思いますが、事業所にとってみるとこれは若干設備投資もかかわる部分もございます。適切な客観的な方法というのはどんな方法かというのはもうちょっと細かい具体例を示していただくとともに、中小企業にはその設備投資支援策もぜひとも講じていただきたいというのがお願いでございます。以上です。

○荒木会長 ほかにはいかがでしょうか。杉山委員。

○杉山委員 ありがとうございます。今、健康確保措置についていろいろ御意見が出ていますが、こちらにつきましては賛同いたします。

 その中で、現在産業医の選任義務がない小規模な会社はたくさんあります。そういった会社では、会社や労働者がいざ面談指導を行おうとしても、どのようにしたらいいかわからないという実情も多々あると思います。

 現在、地域産業保健センターがありますけれども、中小企業ではそれほど認知されていない事情もありますので、小規模事業者にそういった公的機関の周知・PRをしていただくとともに、相談機能の拡充も同時に行っていただき、より実効性のある仕組みとしていただきたいと思います。

 それから、資料1の4番の「その他」に関連して、4点ほど申し上げます。

 1つ目は施行時期についてです。今回の法律では罰則つきということですので、やはり業界全体で十分な準備時間をいただかないと、特に中小企業は体制を整備するのに時間が掛かる部分があると思いますので、そういった実情も御考慮いただければと思っています。一部報道等では、具体的な年数が示されているようですが、例えば2020年のオリンピック・パラリンピックが節目となるとは思うのですが、この前後の時期というのは、恐らくかなり労働需給が変動すると思います。そういった環境変化も踏まえて議論していただければと考えております。

 それから、施行に当たりましてはこれに関連する省令、通達等をできるだけ早期に公表していただいて、現場が十分に対応できるようにしていただきたいと考えております。

 2つ目は36協定についてです。これは事業所ごとに提出するとなると、かなりたくさん紙を使います。可能であれば、一層の電子化を進め、行政手続の効率化・簡素化をしていただければと考えております。

 3点目は、5年後の見直しについてです。今後、我が国の労働生産性を高めていくためには多様な人材が活躍できる環境が必要ですので、やはり労使で話し合いながら現場に応じた柔軟な職場環境をつくっていくべきだと思います。5年後の見直しにあたっては、大枠のルールの中で、労使自治のもと、現場実態に応じた柔軟な働き方を設計・導入できるようにするなど、規制を出来るだけ簡素化する方向で議論されることを望みます。

 最後に、労働時間に関する規制強化と柔軟な働き方の推進は、長時間労働を是正するための両輪となります。労働基準法改正案につきましては早期成立、もしくは、ここで議論されております時間外労働規制と同時成立ということを重ねて要望したいと思います。以上です。

○川野委員 前回の中でもお話をさせていただきました36協定の締結、適正化について、資料を提示いただいているわけでございますけれども、過半数代表者の選出時において4割程度の不適切な選出が行われているというのは前回も御指摘させていただいたところでございますし、労働組合のない職場における36協定の仕組みが適切に機能していない実態が今回の資料の中からもうかがえるわけでございます。

 加えて、前回もお話をさせていただきましたが、労働安全衛生法の安全衛生委員会の設置義務の適用除外になっている事業場や、安全衛生委員会の設置義務を違反しているところも含めて、そうした現状の中では長時間労働の是正、または安全・衛生管理における実効性のある取り組みが求められるところでございますので、そこをどのように補完していくかということも必要な、極めて重要な取り組みになってくるものと考えているところでございます。

 その上で、御質問を2点ほど申し上げます。

 不適切な方法で過半数代表者が選出された場合において、その過半数代表者が締結した36協定は本来無効となるものと思います。しかし、36協定の中に労働基準法施行規則の第6条の2項の要件を満たす選出方法が記載されている場合については、その協定書が受理されるやに聞いているところでございまして、不適切な選出がされたか否かということについて、その実効性担保のために、どのように実際の運用が労働基準監督署において補完されているのかを知りたいということが1点でございます。

 加えてもう一点は、不適切な選出方法で締結された36協定が無効になった場合の効果とは何を指しているのか、罰則としては何に当たるのかということについてお答えいただければということです。この2点の御質問につき、回答をお願いします。

○荒木会長 では、今の2点について事務局からお願いします。

○監督課長 36協定でございますけれども、届け出られた際にどういうふうにしているかというお尋ねでございますが、職制上の地位を確認するとか、あるいは過半数代表を選出することを明らかにした上で、投票とか挙手によって選出されているかを確認しておりまして、これに合致していない場合には返戻をしてまた再提出をするように指導させていただいてございます。そういうことで、いろいろな御指導をしているということでございます。

○藤枝労働条件政策課長 補足といいますか、改めてでございますけれども、過半数代表の適正化については従来から労働側委員からの御指摘をいただいて、当分科会でも課題として挙がっていたと認識しております。

 それで、資料2で冒頭に御説明しましたように、前回の建議、分科会報告の中でも使用者の意向による選出は手続違反に当たる。これは通達でやっておりますが、これを省令に位置づけるなどの御提言をいただいているところでございます。法案のほうは国会で継続審議中という経緯の中で、この部分はまだ措置していないという状態にはなっておりますけれども、こういったことに対応することによって適正化に向けた取り組みはしっかりと講じていきたいと思っております。

 それから、先ほど杉山委員からは意見を述べていただいていたと思いますが、ひとつ電子化についての話がございまして、政府として取り組みをしておりますので御紹介させていただきたいと思います。

 今、電子申請でも当然届け出は認めているのですけれども、残念ながら利用率が低い。ちょっと煩雑というか、本当にクリック一つでいくような状態ではないということで、なかなか利用率が低調となっております。それで、この電子化をさらに進めるために現在考えてございますのは、電子申請を行う場合、事業主の電子署名が必要なのでございますけれども、これは社会保険労務士の方が代理申請する場合には当然社労士さんのほうも電子署名していただくことになりますので、その場合は事業主の電子署名は社労士さんの電子署名があれば不要にする。

 ただし、委任状は付けていただくということを考えておりまして、委任状は付けていただく必要がありますけれども、会社さん本体の電子署名は不要とすることはできないかということで今、検討しておりまして、また詳細が固まりましたら当分科会にもお諮りしたいと思っておりますので御紹介させていただきます。

○荒木会長 36協定が無効となった場合の処理についても御質問があったと思いますが、この点についてはよろしいですか。

○藤枝労働条件政策課長 36協定が無効となった場合は当然労働基準法32条に戻りますので、その時間外については違反になるということでございます。

○荒木会長 36協定が無効である場合には使用者は時間外労働を命じることもできないという有名な最高裁判決がありますし、最近では労使協定が適法に結ばれていなければ、例えば裁量労働という効果も認められないというようなことで注目を集めております。いずれにしても適法な36協定でなければそもそも8時間、40時間以上働かせてはいけないという原則の違反が認められるという効果が生ずることになると思います。

 ほかにはいかがでしょうか。八野委員。

○八野委員 ありがとうございます。まず、20ページ以降の資料を付けていただいたこと、ありがとうございます。

 今、資料にあるように、こういう実態があるわけなのですが、過半数代表者が事業所の労働者の過半数を代表する者として適法に選挙されたとしても、現行法で要求しているのはその選出手続が民主的になされているということになります。法定基準の解除をもたらす労使協定を締結する過半数代表者というのは、単に法定基準を解除するかというだけではなくて、どこまで解除するかということを決していく意味では、その交渉を担う重要な役割を持っていると思っています。

 例えば、36協定で1日8時間、週40時間という法定基準を解除することに加え、時間外労働時間を具体的に何時間までに許容するのかという最低基準の設定を行う法的性質も持ち合わせているということだと思います。

 現行法では、過半数代表者が意見の集約を行う手段、または制度に関する規則は何ら今、用意されていないというのが現状であると思います。少し乱暴な言い方になるかもしれませんが、民主的に選出された過半数代表者が意見集約を行わずに、その代表者が独自の判断に基づいて協定を締結したとしても違法にはならないということになるのではないかと思います。

 それで、今回過重労働、または過労死、過労自殺防止という意味も含めて罰則つきの時間外労働規制ということが議論され、このように限度時間等の論点が提示をされているということです。

 では、いかにその実効性を担保するのかということを考えた場合、まず1つはこういう実態が今あるわけで、この点をどうすべきかという観点です。36締結をしていない理由として、36協定の存在を知らなかったなどの実態があるわけですから、基本的なことですが、36協定の周知というものが非常に重要であろうと思っております。

 次に、選出の方法を見ていても、資料にある実態があるという観点から見ていくと、過半数代表者の選出の手続の厳格化、適正化というものが非常に重要だろうということです。さらに、36協定を締結する際に、過半数代表者が意見を集約するということが実は次善の策として非常に重要であり、その手段、制度に対する規制ということも検討する必要があるのではないでしょうか。

 今まで課題になっていた過重労働に対して、今回の罰則つきの時間外労働規制は一つの手段ということになるのかもしれませんし、これだけですべてが済むというふうには思っていませんが、罰則つきの時間外労働規制が、非常に有効かつ適正に、または働く者にとっても事業主にとってもいい方向で持っていくには、過半数代表者の課題についても検討が必要なのではないかと思っています。以上です。意見として述べさせていただきます。

○荒木会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。輪島委員。

○輪島委員 ありがとうございます。今、荒木分科会長から御指摘のいわゆるトーコロ事件でございますね。最高裁判決でございまして、民主的でない選出の手続、これは36協定の無効だということで、それは基本的には使用者側は重く受けとめて理解をしていると思っているところでございます。

 また、今、八野委員が御指摘の点も非常に重要なところだと思っております。しかしながら、その実態として中小企業、特に零細企業というようなところでの過半数代表者のなり手が少ないというような実務的な課題も少なからずあるのかなと思っておるところでございます。そういう意味で、まずもって施行規則に定めた、先ほど川野委員が御指摘の施行規則6条第2というところも含めて、まず民主的な手続を周知するということが非常に大事ではないかと思っておりますので、あわせて意見として申し上げておきたいと思います。以上です。

○荒木会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。村上委員。

○村上委員 何点か申し上げたいと思います。

 先ほど杉山委員から施行時期についての御発言がございまして、準備期間というのは必要だと思います。4月と言っても来年の4月ということはないだろうとは思いますけれども、そうは言っても労働時間の問題というのは1回目の議論でも申し上げましたとおり、やはり命や健康の問題ということでございますので、早期の施行が必要ではないかと考えているところでございます。

 それから、現在国会に出されている法案についての言及もございましたけれども、中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直しも同時に行うことが必要ではないかと考えています。

 それから、過半数代表者の問題で川野委員が指摘したのは、現行法では、36協定の中で過半数代表者が適正に選ばれているかどうかというのは、選出方法の記載があればよいということになっているけれども、記載があれば実際にきちんと選ばれているのかどうかということまでは確認できていないのではないかという点です。その点、どのように実効性を確保していくのか、それをどのように確認するのかということです。全部を確認するのは難しいかと思いますけれども、疑義があった場合には、どこかで確認できる方法が必要ではないかということでありまして、そういったことについてもぜひ今後検討いただきたいと思います。

 また、輪島委員からあった中小企業においては過半数代表者のなり手がいないということについてですけれども、本日、この前段にありました同一労働同一賃金の部会でも過半数代表者の役割というのが大変大きくなってくるのではないかという議論もございました。そうすると、過半数代表者がその役割を果たせるようにしていくということについて、使用者側が配慮するということも考えていくべきではないかと思っておりまして、すぐに何ができるかどうかはわかりませんけれども、あわせてぜひ検討いただきたいと考えております。

 それから、その他ということで1点申し上げたいと思います。今回、実行計画では触れられていないのですが、労働基準法33条3項の問題です。これは公務員の問題でありまして、公務のために臨時の必要がある場合においては時間外労働、休日労働をさせることができるということになっていまして、その際に臨時の必要があるとは言えないような恒常的な業務についてもこの条項があることによって特段縛りがなく時間外労働をさせているという状況もあると聞いております。

 こういった問題については、一気に片づく問題ではないということは承知をしておりますし、この場には関係者はいないということもございますので、なかなか難しい問題であるということは理解しておりますが、このような問題が生じているということや、その解決に向けた何らかの具体的な施策が必要であるということについても指摘をしておきたいと思います。以上です。

○荒木会長 事務局からお願いします。

○村山総務課長 村上委員から、この場だけで解決する問題ではないかもしれないという言及の上で、貴重な御指摘をいただきましたので、事務局というより政府の側からの回答ということで申し上げたいと思います。

 確かに、今回の働き方改革実行計画で直接公務員の問題は法規制は触れられておりませんが、一方で働き方改革実行計画では、働く人の視点に立った課題の一つとして公務員にも長時間労働が見られる旨を挙げており、公務員等の長時間労働対策を一つの項目として盛り込んでおります。

 公務員の問題は、具体的には各制度官庁が中心となって取り組むものですが、前回、使側の委員からの御提起もありまして少し御紹介申し上げました厚生労働省で開催している過労死等防止対策推進協議会の場に毎回、人事院、内閣人事局、総務省、加えて直近の会からは文部科学省の幹部にも来ていただき、過重労働に関する調査研究として例えば厚生労働省の研究機関と連携しながら、どうやって公務災害の背景にある要因を調査研究して、そこからどんな対策が考えられるのかというような御議論を行っていただいたり、過労死等の当事者の方々から学校現場でいろいろな体験談を話すような機会をつくっていくとか、そういった取組を重ねてきております。その上で、そうした各般の取り組みの成果を白書の形でまとめて国会報告等もしているということは御案内のとおりです。

 その上で、地方公務員にかかわる労働基準法の適用の問題をめぐっては、これは確かに実行計画には書かれておりません。現状、現業にあらざる官庁事務に従事する地方公務員については、今まさに村上委員から御指摘のありました労働基準法第33条3項において、公務のために臨時の必要がある場合には、36協定の締結の条項自体の適用が除外されているわけではないですけれども、現実問題としては33条3項によって時間外・休日労働を命じることができるという構成になっております。

 それを前提としつつも、一方で健康でワーク・ライフ・バランスの図られるような働き方を地方公務員の皆さんも含めた公務員にも広めていくことは重要な課題であり、先ほど申しましたような別途の場での制度官庁と連携した取組なども含めまして、私ども広い意味で労働行政を所管する立場として今後とも労使の皆さんと一緒に努力をしてまいりたいと考えているところです。

 さかのぼって2点、補足で事務局から申し上げることができればと思います。

 1点目が、最初のほうの輪島委員からの御質問で勤務間インターバルに関する資料2の5ページ目の導入状況に関するデータについて、特に3のデータに関する御指摘がございました。

 出典にありますように、厚生労働省からの委託事業で調査機関において1万社を対象にしたアンケート調査を行っていただいたものです。本分科会の公益委員の先生にも大変お世話になりました。

 その結果ですが、一番上の回答のナンバーのところにありますように、そもそも全体の回答率は2割弱ということに加えて、勤務間インターバルに関しては導入しているところが調査の時点では今と比べても非常に少なかった。先ほど世永委員から直近の参考になる情報もいただきましたけれども、まだそうした取組にも至っていない段階の調査でございまして、3のデータは、回答のナンバーでいうと39社という回答数です。

 これについては一定の幅をもって見るべき数字かなと思いつつ、資料のお求めもあるのでお出ししているという経緯は申し上げておきます。その上で、ちゃんと現状を把握しなくちゃいけないという意識は我々としても持っており、就労条件総合調査、年次有給休暇や、定年制について、毎年調べる政府の大々的な統計ですけれども、この中で勤務間インターバルについても現在調査をしております。今後は、そうした調査を通じて最新の動向も踏まえつつ、さらに統計的にもより深めて見ていただける形で把握することも統計関係の部局と調整の上、今、進めていることについては御理解をいただきたい。これが、補足の1点目でございます。

 補足の2点目は、先ほど来、分科会長の御示唆も含めて深めていただいている川野委員から御提起のあった36協定の適正な締結、届出の問題についてです。川野委員の御提起の本旨の一つとして、結ぶ、結ばないという問題もあるけれども、時間外・休日労働を行わせる際の免罰効の要件として監督署の届出が一つの要件になっており、そうした届出がしっかりチェックされているのかという貴重な御指摘であったと思っております。

 先ほど来、事務局からも幾つかの点について御回答差し上げましたが、やはり監督署において、監督官は能動的な業務で出払う時間帯も多い一方、36協定をきちんとチェックしていくことが大事なので、適正な締結内容が届け出られていることを点検する指導員として企業OBの方々など、人事労務について経験の深い方を中立な立場で委嘱して、そういう方々にチェックしていただいているというような工夫をしておりまして、そうした取り組みも含めて今後ともしっかり取り組んでまいりたい。

 川野委員からの御指摘の中に、労働安全衛生関係などほかの法律の履行確保を含めてこういう問題を見ていく必要があるという御指摘がございました。これは、労働基準監督署も臨検監督だけではなくて、安全衛生関係とか、労働保険関係とか、ある意味いろいろなビッグデータを扱っております。今、情報化への対応が求められる中で、業務統計とか情報の分析というのをどういうふうにやっていくかということは、やや内部的な話になりますが、労働基準行政システムの更改などもありますので、そういうタイミングに向けて本分科会での貴重な御指摘も生かしながらしっかりと対応していきたいと考えているところでございます。

 多々、重要な御指摘をいただきましてありがとうございました。

○荒木会長 ほかにはいかがでしょうか。

○安藤委員 お話を聞いていて、2点ほど事務局の方に御質問があったのでさせていただければと思います。

 資料2の13ページで産業医についてのお話なのですが、先ほど人数については手当を頑張っていらっしゃるというお話ですが、その空間的な分布についてもし資料があれば後で教えていただければありがたいと思います。総数がどれくらいいるかだけでなく、すべての必要な企業にとってアクセスしやすいものでないと問題があるのかなと思いますので、その分布ですね。または、企業にとって相談しやすいように例えばリスト化されているとか、そういうようなことがあるといいかと思ったので、もし可能であれば後で教えていただければと思います。

 もう一点、資料2の21ページの過半数代表の選出について、先ほど来、選出方法についての適正化ということが議論されておりますが、個人的に気になったのは、過半数代表の任期についてでございます。私の理解では、過半数代表の任期についてはルールが特段ないものと承知しておりますが、毎回、毎回選出するというのは非現実的であろうとは思いますけれども、だからといって労働者の出入りがある中、1年を超えて何年も何年も同じ人が代表者をやっているというのも、本当に代表制を担保できているのかという点が気になるので、この点について何か明確なルールがあるのか。または、ルールがないのであったら実際の望ましい姿としてどのようなものを考えているのか。必要ならば議論することが望ましいのではないかと思ったので、事務局から何か現状がおわかりであるようでしたらどのような実態になっているのか教えていただければと思います。以上です。

○荒木会長 では、今の点について事務局からお願いします。

○宮本計画課長 計画課長でございます。

 産業医につきましての地域偏在ですとか、どういった分布にあるかということでございますけれども、そういったデータはないということでございます。

 それから、活用しやすいように何かリストがないかということでございますけれども、全国的に統一されたリストというものはないのですが、例えば先ほど御発言がございましたが、各都道府県ですとか、あとは地域ごとに産業保健センターが置かれておりまして、そちらのほうにリストが整備されているということでございます。

 活用しやすいという観点でございますけれども、全国325地域に産業保健総合支援センターの地域窓口がございまして、そちらで50人未満の事業場の方につきましては無料で産業医が御利用できるということとさせていただいております。

 それで、先ほど知られていないのではないかという御発言がございましたが、私どもぜひとも活用していただきたいので、引き続き周知についてしっかりと努めてまいりたいと思います。

○荒木監督課長 2点目でございますけれども、36協定の過半数代表者の任期の件ですが、特段の定めはないという状況でございます。

○荒木会長 よろしいでしょうか。村上委員。

○村上委員 今、監督課長からお答えされた部分について確認なのですけれども、過半数代表者については労基法規則6条の2で定めがあって、法に規定する協定等をするものを選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であることとなっているので、例えば36協定を締結するので選びますよということが明らかになったときに選出されるということで、基本はそのたびに選出するのが法の求める要件になるのではないかと思っておりますので、1年とか2年とかという任期はないものの、そんなに何年も同じ人が自然にやっているという話ではなくて、そのたびごとに選んでいくというのがあるべき姿ではないかと思っているのですが、その点はいかがでしょうか。

○荒木監督課長 おっしゃるとおりでございまして、そのたびごとに選ばれるということでございます。先ほど安藤委員から御指摘がありましたように、何年も何年も同じ人がやっているということではなくて、あくまでもそのたびごとに選ばれるということでございます。

○荒木会長 労使協定の期間の定めがあれば、その期間満了によって再度締結しないといけませんので、そのたびごとに法に規定する協定を締結する者を選出することを明らかにして民主的に選出しなさいというのが現在の労働基準法施行規則6条の2の規定するところであるということですね。

 ほかにはいかがでしょうか。それでは、特段ございませんようでしたらほぼ時間になりましたので、きょうの議論は以上ということにさせていただきたいと思います。最後に、日程等について事務局から御説明をお願いします。

○中嶋調査官 次回の分科会の日程と場所につきましては、調整の上、追って御連絡をさせていただきます。

○荒木会長 それでは、以上で第134回労働条件分科会を終了いたします。

 なお、議事録の署名につきましては労働者代表の福田委員、使用者代表の佐藤委員にお願いをいたします。

 どうもありがとうございました。


(了)

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