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2018年6月22日 第23回社会保障審議会統計分科会 議事録

政策統括官(統計・情報政策担当)付参事官(企画調整担当)付統計企画調整室

○日時

平成30年6月22日(金) 13:00~14:30


○場所   厚生労働省共用第9会議室(中央合同庁舎5号館20階16号室)


○出席者

 

委員(五十音順、敬称略、○:分科会長)

 大久保 一郎
 小塩 隆士 
 小杉 礼子
○西郷 浩
 津谷 典子
 鷲見 幸彦
 

事務局

 酒光政策統括官
 中井参事官(企画調整担当)
 細井統計企画調整室長
 田中審査解析室長
 五十里参事官(人口動態・保健社会統計担当)
 坂田人口動態・保健社会統計室長補佐
 井戸本人口動態・保健社会統計室 統計情報調整官
 中村世帯統計室長
 大坪世帯統計室長補佐
 森国際分情報管理室長


○議題 

1 国民生活基礎調査の調査計画案について
2 人口動態調査の調査計画案について
3 その他
 

○議事

○中井参事官(企画調整担当)
 ただいまから第23回社会保障審議会統計分科会を開会いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。私は企画調整担当参事官の中井と申します。最初の司会をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 審議に入る前に、社会保障審議会統計分科会委員の新規任命について、報告いたします。昨年9月の任期満了をもって、土屋了介委員、永瀬伸子委員が退任され、新たに小塩隆士委員、鷲見幸彦委員に御就任いただいているところです。前回の開催から期間が空きましたので、委員の方々を御紹介させていただきます。
 先ほど事務的に連絡がありましたが、今回、ペーパーレス会議ということで、まだ試行的に省内でも進めて、順次導入しているところですが、この分科会では本日からということで、最初は不慣れな点もあろうかと思いますが、御容赦いただければと思います。分からない場合は適宜、お聞きください。早速ですが、委員名簿はお手元のタブレットの「参考資料4」という所にあります。その委員名簿に従って、各委員を御紹介いたしますので、簡単に一言ずつ御挨拶いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、早稲田大学政治経済学術院教授の西郷分科会長です。

○西郷分科会長
 西郷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○中井参事官
 横浜市健康福祉局衛生研究所長の大久保委員です。

○大久保委員
 大久保です。前回までは筑波大学でしたけれども、所属が変わりましたのでよろしくお願いいたします。

○中井参事官
 続きまして、一橋大学経済研究所教授、所長の小塩委員です。

○小塩委員
 小塩です。どうぞよろしくお願いいたします。

○中井参事官
 続きまして、慶應義塾大学経済学部教授の津谷委員です。

○津谷委員
 津谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○中井参事官
 続きまして、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター副院長の鷲見委員です。

○鷲見委員
 この度、新しく委員に選んでいただきました国立長寿医療研究センターの鷲見と言います。よろしくお願いいたします。

○中井参事官
 続きまして、独立行政法人労働政策研究・研修機構 研究顧問の小杉委員です。

○小杉委員
 小杉でございます。よろしくお願いいたします。

○中井参事官
 次に、事務局の紹介をさせていただきます。政策統活官の酒光です。人口動態・保健社会統計担当参事官の五十里です。審査解析室長の田中です。統計企画調整室長の細井です。世帯統計室長の中村です。国際分類情報管理室長の森です。それでは、会議の開催に当たり、統活官の酒光から御挨拶を申し上げます。

○酒光政策統括官
 改めまして、統計情報を担当する統括官の酒光と申します。私もこちらの統括官になってから1年ぐらいになるのですが、この間この分科会は開催しておりませんで、約1年9か月ぶりぐらいということになります。とは言え、皆様にはいろいろな場面で大変お世話になっておりまして、厚労省全体としても大変お世話になっているということで、この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 この間、統計関係というのは大きな動きがあるのかなと思っておりまして、今、統計法の改正なども行われましたが、統計の充実というか、要するに統計を使って政策をしていくことの重要性がかなり強く言われておりまして、EBPMというのは職員全員が熟知していなければいけないような話になってきていると、こういう状況です。統計をいかに使って、的確な分析をして、それを実際の行政にいかしていくということが、1つ求められているということです。
 それからもう1つ別な意味で注目されたのが、これは労働関係になりますが、データの正確性というものがかなり大きな問題になりました。私どもとは別の部局でやった業務統計になるのですが、労働時間の関係の調査の使い方がよくなかったり、あるいはデータの取り方がどうなのかという指摘をされております。
 調査自体には、私どもの部局は関与していなかったのですが、とは言え問題が起きてからの再調査、再精査みたいなものは、私どものほうで全部行っていまして、やはり統計全体のリテラシーの底上げというのは非常に重要ですし、丁寧に統計を使っていくということもすごく大事なことだというのが再認識されたということです。私どもは日頃から、そうあるべきと思っておりますが、そういうのが全省的にも大事になってきているということだろうと思っています。そういう意味で、これから皆さんにいろいろとお世話になることが多いかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

○中井参事官
 続きまして、本日の出席状況を報告いたします。石川委員、佐藤委員、樋田委員、永井委員及び野口委員が御欠席ということになっております。なお、出席委員が3分の1を超えておりますので、会議が成立しているということを御報告いたします。また、本日は小杉委員におかれましては、所用により途中で退席されると伺っております。併せて御報告いたします。以後の進行については、西郷分科会長にお願いいたします。

○西郷分科会長
 皆様、お暑い中どうもありがとうございます。議事に入っていきます。議事次第を御覧いただくと、今日は「その他」を含めて3つございます。1つ目が「国民生活基礎調査の調査計画案について」、2つ目が「人口動態調査の調査計画案について」です。最後の「その他」で、ICD関係で結構長い議論をしていただく形になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最初の議題になりますが、「国民生活基礎調査の調査計画案について」です。事務局から御説明をお願いいたします。

○中村世帯統計室長
 世帯統計室です。まず、資料1-1を御覧ください。「2019年国民生活基礎調査の概要(案)」です。「調査の目的」は、本調査には大きく2つの目的があります。1つは、国民生活の基礎的な事項を把握しまして所管行政に必要な基礎資料を得ることです。もう一点は、省内の原局で各種世帯調査を実施しておりますが、この調査がその調査の実施に当たってのフレーム機能を有するという2つの目的があります。
 2つ目の「調査の対象及び客体」ですが、2019年は3年周期の大規模調査に当たります。調査票は5種類の調査票を用いて行います。世帯票、健康票については、平成27年の国勢調査区から無作為に抽出した5,530地区の全ての世帯及び世帯員を対象とします。介護票については、この5,530地区から無作為に抽出した2,500地区の中で、介護保険法の要介護者及び要支援者を対象とします。所得票及び貯蓄票については、5,530地区で設定された単位区から無作為に抽出した2,000単位区で実施します。単位区というのは、おおむね1つの地区が50世帯ぐらいですので、その半分ぐらいと思っていただければと思います。なお、この規模については、前回の平成28年調査と同じ規模です。
 3番目の「調査の時期」ですが、従来どおり世帯票、健康票、介護票については6月上旬、所得票、貯蓄票については7月中旬に実施します。4番目の「調査事項」については、後ほど御説明いたします。5番、6番、7番の「調査の方法」、「調査の系統」等については従前どおりです。
 2ページ目を御覧ください。今申し上げた「調査の体系」を絵にしたものです。国勢調査区から無作為抽出した5,530地区です。これが先ほど申し上げた省内で実施する各種世帯調査のフレームになります。それで、世帯票、健康票、介護票、所得票、貯蓄票という本体調査がありまして、真ん中ぐらいから下のほうに枠で囲っているように、国立社会保障・人口問題研究所の「世帯動態調査」以降、2019年はこういった後続の世帯調査が予定されているということです。
 目次に戻っていただいて、「調査事項」の説明をいたします。資料は1-3の新旧対照表を御覧ください。目次の次の横紙の1ページ目を御覧ください。まず、世帯票の変更です。一番上の左側が2019年の案、右側が前回調査の2016年のものです。まず、質問4の出生年月ですが、これは各調査票共通の話で、2019年5月から新元号が設定されるということになっておりますが、現在の状況としては実際の元号が分かるのが来年の3月ないし4月ぐらいとなっておりまして、この段階では既に調査の準備が始まっております。したがって、調査票の印刷には新しい元号が間に合いませんので、調査票に赤の下線を入れていますが、新しい調査では選択肢の5番に新元号という形で調査を実施する予定でおります。なお、この扱いについてはこの国民生活基礎調査だけではなくて、ほかの統計調査もいろいろと関係しますので、統一的に今後総務省から何らかの指示等がありましたら、それに従うという予定です。当面はこの形で実施せざるを得ないと思っております。
 2つ目は、質問6「医療保険の加入状況」です。これは既に今年(平成30年)実施する簡易調査年から調査事項を変更しておりまして、国民健康保険法の改正により、国民健康保険制度の運営主体が都道府県も担うということになったために、従来の「市町村」から「都道府県や市町村」という形に変更したものです。
 次に、質問10「教育」の項目です。前回の平成28年の選択肢を見ていただきますと、選択肢1の「特別支援学校・特別支援学級」という項目を入れたところですが、実際に集計し、学校基本調査との在学者数の比較をしたところ、当初想定していた数の半分ぐらいしか数が上がってこなかったというのが実態で、政策部局とも相談したところ、なかなか政策に活用するのは難しいということで、今回は削除させていただくということです。
 次の質問14、質問15については、調査日の変更と元号の関係ですので、省略いたします。
 次に、健康票の変更です。2ページ目を御覧ください。2つ目の質問2の所です。これは介護保険法の改正により、介護保険施設の類型に「介護医療院」というものが加わりました。この関係で、注書きに赤線で入れていますが、「介護医療院」という言葉を追加したということです。
 次に、3ページ目を御覧ください。質問8については新規の項目です。いわゆる健康食品というものを、どの程度摂取されているのかを把握したいということで、背景としては、健康食品による健康被害というのが非常に頻繁に報告されております。そういうことで、昨年度から政策部局のほうでは、健康被害に対する規制の見直しを開始するということで、法改正等を視野に入れた検討が進められております。とは言っても、実際には性、年齢階級別に、どのぐらいの方が摂取しているのかという基本的な数字がないということで、その数字をこの調査で把握してほしいということです。性、年齢階級に合わせて、健康票では有訴の有無とか、通院の有無というような項目も取っているので、そういった有無別に違いがあるのかどうかといった基礎的な数値を把握した上で、特に消費者の教育等について、どういうところを重点的にやればいいのかといったようなことを検討する材料に使いたいということです。
 次に、4ページ目を御覧ください。がん検診の項目です。平成28年の質問16の所ですが、従前は胃がん、肺がん、子宮がん、乳がん、大腸がんの5種類の検診の状況を過去1年間について聞いていますが、がん検診の指針というものが改正され、このうちの子宮がんと乳がんについては、基本的には2年に1回で評価するということになりました。その関係で、新しい調査票では、その2つのがんについては削除しています。それと、新しい調査票の質問18の「胃がん」ですが、胃がんも指針の改正により、基本的には2年に1回評価していくということですが、経過措置がありまして、胃のX線検査については当分の間、40歳以上の者で毎年やってもいいということになっていますので、質問18では過去2年間を聞き、質問の17では従前どおり1年間の分を聞くということで、ここはダブルで聞くと。当然、経過措置ですので、いずれは2年に1回としますが、当分の間は、このように両方を聞いてほしいということです。
 続きまして、介護票の変更ですが、次のページを御覧ください。質問8は、介護サービスの利用状況です。介護保険法の改正により、従前の平成28年の調査票の所で、選択肢の1番は訪問系のサービス、2番の通所系のサービスの所に下線を入れている部分があります。介護予防訪問介護と、介護予防通所介護の2つについては、左側のほうにある「介護予防・日常生活支援総合事業」という事業に移行いたしました。そういった関係で、言葉をこのように整理したということです。
 それと、選択肢の5番の所で「小規模多機能型サービス等」という中に下線がありますが、その中に、複合型サービスというのがあります。これも同じように、介護報酬の改定により、左側のように「看護小規模多機能型居宅介護」という名称に変わったということです。
 次のページを御覧ください。次は介護保険法の改正により、介護保険料の所得段階の区分が簡略化されたということです。従前は5段階になっております。この1番目と2番目の選択肢がまとまって、新しいほうの1番目になったということです。
 次のページを御覧ください。所得票とその後に貯蓄票がありますが、これらは全て、既に簡易調査年で改正した内容、あるいは元号の関係とか調査日の変更といった形式的な変更ということです。主な改正点は以上です。

○西郷分科会長
 ただいまの御説明に関して、御質問や御意見等がありましたら伺います。いかがでしょうか。

○津谷委員
 健康票の質問8のサプリメントについてですが、これについては事前に御説明いただき、そのときに質問の表現について一言申し上げました。以前の表現では、ただ「食べる」ということでしたが、「食べる」というとサプリメントは食品のことを指すのかなという感じがしました。つまり、この「健康食品」は具体的に何を指すのかよく分からなかったので、表現についてコメントを出させていただきました。健康食品に含まれるものを示した括弧の中を見ても、例えば私はビタミンCなどのビタミン剤を飲むのですが、ビタミン剤が健康食品に含まれるのかいまいちよく分かりません。食品とありますので、サプリメントのようなものは、括弧の中を見ても該当するのかどうなのか分かりにくいと感じました。先ほどの御説明を伺っていますと、サプリメントにもいろいろな名前のものが出回って、それが健康被害を引き起こすのではないかという懸念があるので、どれぐらいこういうものが摂取されているのかを性・年齢別に知りたいということでしたので、健康食品が具体的に何をさすのかを明確にしなけなければいけないと思うのですが。

○中村世帯統計室長
 実は、この健康食品に含まれるか含まれないかというのは、調査票とは別に記入要領みたいなものをお配りするのですが、その中で含まれるもの、含まれないものという例示をお示ししようと思っております。
 今、先生がおっしゃったビタミン剤みたいなものは、これは錠剤でビタミンとかカルシウムを含む成分の入った錠剤は含まれる。それ以外に、例えばカプセルでは軟骨の成分や青魚の成分が入ったカプセルです。粉末では、青汁の粉末やスッポンの粉末。液状では、黒酢の原液とか、何とかエキスのドリンク剤とか、そういったものは入るという整理で、今、政策部局と調整しております。できるだけ分かりやすいように、記入要領でフォローしたいと思っております。

○津谷委員
 健康食品は数限りなくあると思いますので、むしろ、これに入らないものが少なければ、除外されるものを挙げたほうが分かりやすいかなとも思うのですが。健康食品について尋ねるのは今回の調査が最初ですので、この質問の意味を明確にすることが重要です。回答に際して回答者が健康食品に該当するもののリストを見てくだされば幸いですが、この調査は面接調査ではありませんので、答えに迷った場合に、大体の感じや思い込みで回答してしてしまうことをできる限り避けられるように質問を設定する必要があります。そのためには、まず質問をできる限り分かりやすくして、それでも分からなければ、注意書きを読んでもらえるようにできればいいと思います。決してこの質問をすることに反対しているわけではありませんが、うまく行くか少し心配です。もしできれば、この質問だけでも、内輪でも構いませんので擬似プレテストやフォーカスグループのような形で、質問の仕方や内容の妥当性の検証をやってみられるとよろしいかなと思います。

○中村世帯統計室長
 そこは政策部局とも検討させていただきたいと思います。

○西郷分科会長
 調査を実施するに当たっての定義ですから操作的な定義というのでしょうか、これはこちらに入るが、こちらは入らないというのは、操作的な定義とともに例示をする形で御対応なさるという話だったと思います。操作的な定義というのが括弧の中に書いてある文言という解釈でよろしいのですか。健康維持増進に役立つと言われている成分を含むうんぬん、というところが操作的な定義で、回答者への手引のような所で、この括弧の中の操作的な定義に対応するものは、これこれこういうものですよということですよね。ただ、津谷委員が御懸念なさっているのは、これこれこれというのが余りにもたくさんあるので、全部を例示でカバーしきれるのかどうかということを心配なさっていて、結局、回答を集計したとしても、操作的な定義に合うような集計になるのかということを懸念なさっているということなので、もし、対応策というか、簡単なテストでもいいので、できるようでしたら御対応いただくということでよろしいですか。他にありますか。

○小杉委員
 今の説明とは違う所ですが、調査票を見ていて気が付いたといいますか、感じたのは、「就業」の所で「雇用保険」が入っているのですが、雇用保険の中の例示で、できれば教育訓練給付金を入れたほうがいいのではないかと思いました。

○中村世帯統計室長
 何ページですか。

○小杉委員
 「所得票」の4ページに、各種恩給とか、いろいろなものをどのぐらいもらいましたかとありますが、雇用保険の中の例示に、教育訓練給付金を、雇用保険は失業したらもらうものだと認識するといけないので。教育訓練給付金は在職者がかなりもらっているものなので、できれば例示の中の1つに。育児休業の給付金は入っていますが、今ちょうど、この給付金に関係した仕事をしていますので。ひょっとしたら、教育訓練給付金をもらっている人が見落とさないかという不安を持っただけですが。関係部局と相談して、できれば、失業していない人がもらうものというものも例示していただくといいかなと思ったということです。関係しているので、是非、欲しいなと思っただけです。

○酒光政策統括官
 この中にも、育児休業給付とか介護休業給付を含むと書いてありますから、それと同じ並びで言えば書いたほうがいいのかなという感じはしますが、検討させていただきます。

○小杉委員
 はい。

○酒光政策統括官
 資料1-2の20ページの調査票にあるものですね。

○小杉委員
 細かい所を見ていて、自分が関係しているとすぐに気になってしまって。

○中村世帯統計室長
 基本的にはこの中に入るので、明示するかどうかということですか。

○小杉委員
 はい、そうです。検討していただければと思います。最近、政府が力を入れているものの1つですので。

○西郷分科会長
 他にありますか。

○小塩委員
 今回の変更については、これでよろしいかと思います。今まで国民生活基礎調査を使わせていただいて疑問があったので、ついでと言ったら何ですが教えていただきたいと思います。新旧対照表の1ページの質問6、世帯票は3ページです。

○津谷委員
 この「世帯員の状況」ですか。

○小塩委員
 そうです。今回、質問6で、国保の聞き方が変更しているということで、これはこれで結構ですが、医療保険に加入していない人はどこに○を付けるのですか。それがいつも疑問です。年金の場合は違う所に項目があって、加入をしていないというのは把握できるのですが、医療保険はどうなのですか。

○小塩委員
 建て前上は国民全員が加入しているとなっているのですが。

○中村世帯統計室長
 基本的には入るという前提ですが、その場合は「その他」に入ります。

○小塩委員
 「その他」に入る。「その他」で、加入していない人のものというのはないのですか。船員保険とか、よく分からないですが。

○中村世帯統計室長
 船員保険は、被用者保険に入ると思います。

○小塩委員
 そうすると、すみません、今回の変更と直接関係ないのですが、是非教えていただきたいと思います。

○西郷分科会長
 いかがですか。

○中村世帯統計室長 
 「その他」には、国民健康保険、被用者保険、後期高齢者医療制度のどれにも加入していない者ということで、例えば、自衛官の本人とか、生活保護を受けて国民健康保険や後期高齢者制度の適用除外になった者、こういった人が入るという整理です。

○小塩委員
 そうすると、加入はしているという人もいるし、全然加入していない人も、両方「その他」に○を付けるということですね。

○中村世帯統計室長
 今の御質問に対しては、全部「その他」です。

○西郷分科会長
 多分、「その他」と言うと、いわゆるバスケット項目と言われるものになりますが、そこに加入している人と加入していない人がごちゃ混ぜに入っていていいのでしょうかと、多分、そういう質問だと思いますが。

○小塩委員
 そういうことです。

○津谷委員
 本来、こういう質問は、まず加入していますか、していませんかを尋ね、それに対してイエスと言った人に、今度はどういう保険に加入していますかを尋ねるというのが、適切な方法だと思います。ただ、この世帯票をみると、このような2段構えの質問をするスペースはないのではないかと思います。もし加入していない人が相当数いるならば、世帯票のデザイン自体をやり直さなければいけなくなると思いますが、まず健康保険に全く加入していない人がどれぐらいいるのかという基礎データを取る必要があり、ここでワンステップで尋ねるというのは無理ではないかと思います。厚労省が、「いや、できます」ということであればよろしいのですが。いずれにしても、全く健康保険に加入していない者と加入しているけれども該当する保険の種類が「その他」である者との区別をつける必要があるということは、おっしゃるとおりだと思います。

○西郷分科会長
 入口の所で分けるという手もありますし、あとは「その他」を幾つかのカテゴリーに分けるという手もあるかもしれませんが、どうしましょうか。今、御回答を頂くのが難しければ。

○中村世帯統計室長
 まず数で申し上げますと、「その他」が、188万4,000人おります。不詳が189万6,000人です。総数が1億2,300万人おりますので、1%を少し上がるぐらいの数となっております。それをあえてそこまで分けるかどうかということだと思いますが。

○大久保委員
 その100万というのは、多分、生活保護ではないかと思いますが。

○中村世帯統計室長
 そこまでは分かりません。

○大久保委員
 そうですが、多分。

○中村世帯統計室長
 そんなにおかしくない数字です。

○大久保委員
 それで、医療保険に入っていないということは、生活保護以外は違法状態なので、それを項目を作って聞いても、ちゃんと答えてくれるかどうかということもあるのでは。

○西郷分科会長
 建前上は、統計法の下では、脱税していた状態でそのまま書いてくださいというのか、真実を報告してくださいということにはなっておりますので、厚労省がそういう質問を設けること自体は、別におかしくはないとは思いますが、ただ、本当に受け手のほうがそれをちゃんと真に受けて書いてくれるかどうかというのは、私もよく分かりません。今の点はどうしましょうか。量的には、確かに全体の量からすると1%程度であるということです。あとは、政策上、そこを分けることが非常に重要だということであれば検討に値すると思いますが、今、御回答を頂くのが難しければ、検討はしていただくという形にしても大丈夫ですか。

○中村世帯統計室長
 はい。

○小塩委員
 私もそれで結構ですが、1つだけ追加しますと、公的年金は加入していないということを聞いていますので、それとの整合性が気になるということも追加的に申し上げておきます。以上です。

○西郷分科会長
 なるほど。ありがとうございます。他にありますか。

○小杉委員
 結果の基礎調査の集計のほうは別にやりますか。

○西郷分科会長
 もし、調査票の変更ではなくて、集計に関する質問があれば、どうぞ。

○小杉委員
 よろしいですか。資料1-4の7ページ、結果一覧表の案を見ますと、「35歳未満のパート・アルバイト」、いわゆるフリーターに関する集計をいつも出していただいて参考にさせていただいております。これは「フリーター」という言葉ができた経緯から、「パート・アルバイトをしている者及び希望している者」という特殊なまとめ方なのです。「フリーター」という言葉ができたのがちょうどバブルの崩壊の前で、そのときのフリーターというのは、あえてアルバイトをしている若者という形で、意識問題がかなり大きかったので、それでフリーターの定義はそのときの白書から、している者及び希望している者という括りになったのです。現在の状況からいきますと、むしろ非正規という捉え方のほうが一般化していますし、さらに「35歳未満」というのが、実は就職氷河期世代という世代問題として取り扱う社会的な課題になってきています。フリーターという問題自体は、今回、年金とか保険ともクロスをしていただくということで、彼らが社会保障にきちんと入っているのか、そういう問題設定はとても良いと思います。ただ、その問題が少し変わってきているのではないかと。これ自体は継続的なものがあるので、ある程度は必要かもしれませんが、場合によっては、している者と、希望している者とを分けるとか、分けたようなものを出すとか、あるいは現在の問題は氷河期世代ということで、もう35歳ではなくて、30代後半から40代前半の話に、この人たちがちょうど出るときにタイミングが悪くて、非常に安定した仕事になかなか就けない世代というような世代問題化していて、これをやるのであれば、もう少し年齢の上まで併せて取るとか、もうひと工夫すると、多分、担当の部局と御相談いただければ、良い案が何かあるかもしれませんが、もう少し幅を広げるとか、少し切り口を変えたほうが使いやすいものになるのではないかと思いますので、少し検討していただければと思います。

○中村世帯統計室長
 今、先生がおっしゃったのは、まずパート・アルバイトをしている者と希望している者を別集計にするということですか。

○小杉委員
 そうですね。このままと、プラスして希望した者を除いた数とか、何か1行増やせばよいだけとか、そういうちょっとした工夫で済まないかということです。

○中村世帯統計室長
 年齢構成のほうは、もう少し上のほうになりますが、それは例えば何歳から何歳とか。

○小杉委員
 例えば、今、35歳未満だけまとめているので、それにプラスして、34歳から45歳の1つ上のグループを作るとか。

○中村世帯統計室長
 35歳から44歳まで。

○小杉委員
 そうですね。

○酒光政策統括官
 いわゆる、年長フリーターとか言っている世代ではありますね。

○小杉委員
 その辺が今、氷河期世代と言われて、政策の中で大事なスポットになっているので、そこを広げていただけると使い勝手が良くなるのではないかと思います。

○津谷委員
 無知をさらけ出すようですが、こういうデータはe-Stat上にCSVファイルとしてアップロードされているのですか。そうではなくて、紙媒体しかないのでしょうか。

○中村世帯統計室長
 いえ、全部e-Statになっています。

○津谷委員
 そうですよね。もちろん35歳未満で終わっていますので、先生がおっしゃる35歳から44歳は載ってはこないのですが、e-Statでしたらある程度対応は可能かと思います。なぜなら、実際にパート・アルバイトである者と、それを希望している者とのコラムを使って、集計すればよいわけです。ただ問題は質問の仕方です。パート・アルバイトとして実際に就業している者とそのような就業形態を希望する者が区別できるようになっているのでしょうか。

○中村世帯統計室長
 これは後で、こういう条件になる人を集計しているということで、質問項目を立てているわけではありません。

○津谷委員
 わかりました。ありがとうございました。

○西郷分科会長
 集計そのものはできるということですよね。

○中村世帯統計室長
 そうですね。

○西郷分科会長
 ただ、それをやるかどうかというお話ですよね。

○中村世帯統計室長
 検討させていただきます。

○酒光政策統括官
 実際のe-Statに、どういう形で載っているかにもよるかと思いますので、チェックを通じて。

○西郷分科会長
 データチェックをするときに、できるかどうかという問題はありますが。

○酒光政策統括官
 一番はデータベースの形で載っていると比較的加工はしやすいのですが、そのままCSVで載っていると、加工にも限度があるということもありますので調べてみます。

○西郷分科会長
 それでは、御検討を頂くということで、よろしくお願いします。他にありますか。新しく委員になられた方もおられますので、この際、言っておこうという話になるのではないかと思いますが。もし、気が付いたことがあれば、また人口動態の議論が済んでから、こちらに戻っても構いませんので、もし、今、すぐに質問がなければ、一旦、国民生活基礎調査についての議論は閉じさせていただいて、次の「人口動態」に移りたいと思いますが、よろしいですか。それでは、議題の2番目になります。人口動態調査の調査計画案について、事務局から説明をお願いします。

○五十里参事官(人口動態・保健社会統計担当)
 資料2-1をお開きください。人口動態調査ですが、これは皆さん既に御存じだと思いますけれども、戸籍法に基づいて市町村に出された出生届とか死亡届といったものの届出を当方に集めて公表して、最近も6月1日に出しましたけれども、出生数や死亡数などをまとめている調査です。人口動態調査は統計法による基幹統計に指定されており、今御覧の資料2-1のような事項を調査計画という形で作り、総務大臣の承認を受けている調査です。今回はこの調査計画の一部を変更したいということで、委員の皆さまの御意見を賜りたいということです。
 次の資料2-2です。今回見直したい点は、大きく分けて2つございます。1つ目は○1に書いてありますけれども、調査票の見直しの部分です。来年の5月に元号が改正されることに伴い、後で見ていただきますけれども、調査票で従来、元号は選択する方式だったのですが、今回は元号を直接記入するという方式に改めようということが1つです。それに加えて、あと記入誤りとか結構あったりしますから、いろいろ選択する項目があるのですが、そこに番号を付ける、付番をすることもやりたいと、それが1つ目の見直しの点です。
 もう1つは○2に書いていますけれども、報告書の見直しで、報告内容について従来、紙の報告書でやっていたわけですけれども、順次、今は電子化を進めております。この電子データ化とかデータベース化をもっと進めていこうということで、厚生労働省のホームページやe-Statに、こういうのを掲載しつつ、紙の報告書を簡素化していきたいということです。
 次に2-3は、実際の調査票の新旧対照表です。1ページに出生票、右肩に変更後の調査票と書いてありますが、赤で囲んであるのが元号の所で、それぞれ「和歴」とありますが、ここに次の元号が何になるか分かりませんけれども、今だと「平成」と書いてもらいます。青い四角は、付番は打っていますけれども、例えば上の男女の所では男が1で女が2とか。(6)父母の国籍の所では、日本が1、韓国・朝鮮が2、中国が3というような付番をします。次のページが今現在の調査票です。例えば上のほうの受付の所は平成と入っています。生まれたときというのは昭和と平成の選択になっています。もちろん男女とか国籍の所には番号が振られておりません。これが今の調査票です。
 次のページが死亡票で、元号は同じです。付番の所も基本的には同じですが、真ん中の青点線の部分は別に文字を大きくしただけで、少し見やすくするための変更です。下のほうは手術とか解剖で、この辺も少し字を大きくしております。次のページが今の死亡票です。ここで元号を記入する意味というのがありますが、生年月日の所に、明治、大正、昭和、平成とあります。恐らく来年の5月には、このままでやると5つ並べなければいけなくなりますので、今回は元号を記入する方式に改めたいということです。ただ、実際のところ、調査票自体は各市区町村で作成をしていますけれども、一部の自治体を除いて、これはシステム化されております。実は元号を改正するということが、自治体のシステムの改修につながるということもあり、せっかくなので、これを機に、元号を記入する方式に改めようかと思っています。ただ、システムなので基本的に記入するという行為はほとんどありません。プルダウンで選択する行為なので、それほど負担になる行為ではありませんので、一応そこは申し上げておきます。あとはそれぞれ調整がありますけれども省略させていただきます。
 次に、2-4は、2つ目の事項の「報告書の見直し」です。右側は、現行の(旧)、左側が(新)です。今の報告書は、上巻、中巻、下巻とも3冊の分厚い報告書で、総計で1,860ページあります。見ていただくのがなかなか大変だと伺っておりますけれども、今そういう報告書を作っております。今度は左側にありますように、調査全体を俯瞰していただこうということで、調査の概要や過去のトレンドを示すものですが、2番目の「総覧」を中心に、100ページ程度のコンパクトな形にまとめたいと思っています。これを紙の報告書として、もちろんこれも含めた形で全ての内容についてe-Statに掲載をしていきたいということです。これに合わせて、人口動態は今年でちょうど120年目になるのですが、過去の統計がたくさんありますので、それも順次e-Statにアップしていくことを合わせてやっていきたいということです。
 次に2-5が、今申しましたe-Statの件ですが、現在e-Statはどうなっているかということです。電子データ化の件がどうなっているかですが、平成7年以降については、一応全てCSVの形でe-Statに掲載しております。昭和55年以降の分については、まだそこまではいっていなくて、PDFという形で掲載をしております。それ以前の部分については、全く手が付いていないところで、当方で紙で持っているほか、あとTIFF形式という、写真で非常に精緻なものですけれども、いかんせん、ファイルが大きいものですので、なかなかそれに手を付けられなくて、TIFF形式で持っております。これを今後、平成7年以降の部分については順次e-Statのデータベース化に進めていきたいということです。昭和55年以降の部分については、今はPDF形式のものを順次CSVにしていくと。それ以前の81年分については、できるだけ早くPDFの形でe-Statに掲載をし、利用していただきたいと考えております。
あとの2-6と2-7は省略させていただきます。以上です。

○西郷分科会長
 御説明ありがとうございます。ただいまの御説明に対して御意見等がありましたらよろしくお願いいたします。

○津谷委員
 意見というよりも感想ですが、とてもすばらしいと思います。特に、この2-4で御説明いただいたように、今まで上・中・下巻を毎年出していたものを、大幅にスリム化して1つにまとめられたことで、本当に見やすくなると思います。いろいろな御意見がおありかと思いますが、統計データのデジタル化は時代の趨勢であって、とてもいいことです。そして、それを埋め合わせるためというわけではないのですが、1898年に帝国人口動態統計を始めて今年で120年ということですので、この歴史的人口動態統計データをまとめて世に出すことの意義は大きいと思います。これは本当に価値あるデータで、北欧諸国の中央統計局は、historical demographics statisticsとして歴史人口統計を電子化しています。その統計情報は研究に本当に役立ちました。歴史人口統計からその国の成り立ちがわかり、またそれを基に政策立案がなされたわけで、すばらしい価値ある情報だと思います。北欧諸国の歴史人口統計を利用した際に、日本にはこのような統計はないのかなと強く思った経緯がありますので、historical vital statistics of Japanという形でわが国の人口動態統計の集大成ができればすばらしいと思います。これができれば日本の国にとってもとてもよいことであろうと思います。そしてこの歴史的統計のデータベース化ですけれども、古いものについては紙媒体のPDF化から始めるしかないと思います。いきなりデータ入力はとてもできないと思うのですが、紙媒体のPDF化も慎重にやって下さい。毎年の人口動態統計は大きなものですが、各ページをきちんと開いて、一部が隠れたり、判読できない数字、例えば9なのか8なのか6なのか分からないというようなことがないように慎重にやっていただきたいです。これらは些末なことですけれども、実際にデジタル化された統計表を使うときの利便性を考えると大切なことです。デジタル化が大変なことはよく分かっており、多大なマンパワーが必要ですけれども、その際こう細かいことに注意していただいて、よりよいPDFファイルを作っていただけるようにと願っております。

○西郷分科会長
 他にございますか。

○大久保委員
 資料2-4の新旧対照表ですが、「表3.5」が新たに追加され、死因簡単分類別にうんぬんと書いてありますけれども、これは100分類ぐらいですか、何分類ぐらいあるのかだけを教えていただけますか。

○坂田人口動態・保健社会統計室長補佐
 死因簡単分類の数は140ぐらいになります。

○大久保委員
 ありがとうございます。

○西郷分科会長
 他にございますか。

○小塩委員
 先ほど御説明があったかもしれないのですけれども、元号を書かせるところですが、これは今まで選択になっていたのを記入式にされるということですが、記入式にしたほうが誤り(ミス)が少なくなると判断されるのは、何か根拠があるのかどうかということ。
 あともう1つは、国籍が日本以外の人もいますよね。そういう人にわざわざ日本の元号を書かせるというのはいかがなものかと、実は思っているのですけれども、そこら辺はどうなのでしょうか。

○五十里参事官
 もともと戸籍の届出に基づいて市町村の職員がシステムというか、その端末を叩いてやるものですから、基本的には日本人がやると考えていただきたいのと、あと届出のほうで一応書いてあるものを日本人が叩くのですが、基本的にはプルダウンのシステムになっておりますので、そこは何とかなるのだろうというように思います。

○西郷分科会長
 よろしいですか。

○小塩委員
 はい、結構です。

○西郷分科会長
 小杉委員、もうすぐ御退席ということで、もし何かあったら、よろしいですか。

○小杉委員
 大丈夫です。

○西郷分科会長 
 他にございますか。紙媒体を段々少なくして電子データで省力化というか資源の節約というか、そういうのを図るとともに、利用者への利便性の向上を図るというのは、全体的な流れでいいことではないかと思います。そのときに是非気を付けていただきたいのは、アーカイブズというか、そのデータを将来的にどのように残していくのかについても、同時に御検討いただきたいということです。どういうことかというと、今までは冊子体になっていたので、これは恐らく毎年、国立国会図書館に入れていますよね。ですので今までは1,800ページ分のものが全部残っていたので、アリバイ証明にすぎないかもしれませんけれども、国立国会図書館に行けば、全ての人口動態のデータがそろっているという条件が備わっていたわけですよね。ですから、すごい極端な話、今から100年後であっても国立国会図書館に行けば全部の人口動態のデータが閲覧できるのであるという、そういう保証があったわけですよね。でもこれから先の部分に関しては、1,800ページ分あったものが100ページぐらいになるということなので、かなりの部分が電子データでしかないという格好になりますから、その電子データをどのように取って、将来にわたって技術や何かもどんどん変わっていくわけですから、どういうタイミングでどのように媒体を更新していくのかとか、そういうことまで見据えて、人口って先ほど津谷先生もおっしゃっていましたように、私は社会科学の中で一番重要なデータは人口のデータだと思っていますので、そういうものが100年後でも200年後でもちゃんとリファーできるような仕組みを考えていただければと思います。
 もし、ないようでしたら、「その他」に入る前に、もう1つ、議題2のうち、人口動態調査の死亡票においての介護医療院に対して対応しなければいけない点があるということですので、事後報告になりますけれども、事務局から御説明をお願いいたします。

○五十里参事官
 では、資料3を御覧いただきたいと思います。「人口動態調査死亡票における介護医療院の対応について」改正の趣旨が書いてあります。昨年介護保険法の改正が行われまして、慢性期の医療・介護のニーズへの対応ということで、「日常的な医学管理が必要な要介護者の受入れ」や、「看取り・ターミナル」といったものと、「生活施設」を兼ね備えた施設として「介護医療院」というものが創設されました。この4月から施行されているということです。この改正のテーマが、看取りとか、ターミナルということもありまして、あと、介護医療院で看取られた方の把握という政策的なその課題というものがあるということで、今回の施行に伴い、死亡診断書又は死体検案書の様式が見直しになって、死亡したところの種別に、下のほうにありますけれども、「介護医療院」というものが追記されることになりました。人口動態調査においても、死亡票の、その死亡した所の種別に介護医療院を追記し、この4月から改正して、介護医療院で亡くなった数を把握していくということにしております。事務的になりましたけれども、報告いたしました。

○西郷分科会長
 何か、御質問等はありますでしょうか。

○鷲見委員
 これは、もちろん制度的にはこういうことですし、これで全然OKだと思いますが、ただ、せっかくこれで新しい制度を作って、ここでどれぐらい看取りができるかということをもし評価するとすれば、本当は老健とは分けたほうがいいかと思います。老健は本来、3か月間で自宅へ帰すということが目的であるわけで、そこで亡くなるというのは、どちらかというと本当は、本来ではないとは思います。ですから、そういうことを考えると、ここは分けて、介護医療院が見取りにちゃんと貢献しているかどうかということが見られたほうがいいかと、それだったら項目を分けておいたほうがいいかと思いました。

○西郷分科会長
 お願いします。

○五十里参事官
 これは将来的にというか、近い将来、老健と介護医療を分けるつもりでいます。ただ、この話がちょっと急だったこともありまして、先ほど申し上げましたが、この実施がその自治体のシステムでやっているということがあって、システム改修が今はできないかなという感じがあって、ですから、苦肉の策で、一緒にとって、横を見ていただくと、「施設の名称」という項目があります。ここで何とか介護医療院というのを把握していくということを今、考えていて、そういう意味では経過的な対応ということですので、将来的には、もちろん先生がおっしゃったように分けてやっていくということです。

○西郷分科会長
 よろしいでしょうか。

○鷲見委員
 ありがとうございます。

○西郷分科会長
 他に何かありますでしょうか。それでは、今、鷲見委員から御指摘いただいた点に関しては、将来的には御対応いただけるということで、現時点ではクイックフィックスというか、スピードのほうを優先して、このような措置を取らせていただいたということで、事後承認になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、先ほど申しましたように、3番目の「その他」の議題に入ります。こちらも事務局から説明をお願いします。

○五十里参事官
 次は、資料4-1を御覧ください。人口動態統計における死因統計ですが、死亡診断書等の記載に基づいてICDに準拠した分類を用いてWHOによって統一された原死因の選択ということを行い、作成しているところです。
 原死因ですが、死亡診断書に記載された直接の死因ではなくて、死亡の予防という観点から、「直接に死亡を引き起こした一連の事象の起因となった疾病又は損傷」と定義されており、このことを言っております。基本的にはその直接死因ではなくて、その基になった死因ということです。今回、ICD-10の2013年版に準拠した統計分類が施行されて、人口動態統計でも平成29年から、この分類を適用してきたということです。
 前回と今回で、その影響がどのぐらいあるのかということを事務局でいろいろ調べました。どう調べたかは2番目に書いてありますが、旧体系の改正前の平成28年の死亡票の情報は130万件ぐらいありますが、その中で7分の1ぐらいを抽出し、18万6,820件になります。これに改正後の死因分類の考え方に基づく原死因を付けて、改正前後で影響というものを見たということです。
 資料4-2、別紙です。基になる平成28年の死亡数と、実際に分析に用いた7分の1のデータとの死因別の構成割合を見たものです。基本的には無作為というか系統抽出をしたのですが、大体同じぐらいの割合になっていることは確認していただけるかと思います。その下に表2とありますが、改正前後で死因符合に変更があったものは、全体の大体9%ぐらいだったということを最初に申し上げさせていただきます。あとは、細かい数表です。
 資料4-1に戻っていただきまして、今回の見直し改正による主な影響です。大きいものを出していますけれども、1ページ目の下の表です。認知症とか、パーキンソン病、アルツハイマー病などが肺炎や誤嚥性肺炎を引き起こすと考えられる病態に追加されました。要するに、従来だったら肺炎に分類されていたのですが、その基になったのが認知症とか、パーキンソン病、アルツハイマー病の場合は、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症を原死因とするルール改正がなされたということです。下の表に、肺炎がありますが大体2割ぐらい減っています。その分、認知症とパーキンソン病とアルツハイマー病が増えたということです。これが1つ目です。
 2ページ目を御覧ください。敗血症が減っているのですが、これは「敗血症性ショック」を「敗血症」と区分することになったので、敗血症が減ったということです。
 3番目、肺がんですが、肺がんが別の部位のがん(悪性新生物)とともに記載された場合、肺のがんが転移とは考えないケースも示されていたということで、それは転移とは考えないので肺がんではないとしていたのですが、肺がんになったものがあるということで肺がんが増えてきています。
 4番目は、心不全と高血圧がともに記載された場合に、これらは高血圧性心疾患に分類するということになりました。下のほうに、「高血圧性心疾患及び心腎疾患」が結構増えています。あと、その下に書いてありますが、肺炎とか、誤嚥性肺炎を引き起こす病態として「うっ血性心疾患」が追加されたので心不全が増加しています。心臓性突然死は、分類上の他の原死因を探してしまうということで、これが1割程度減ったというところです。
 最後、3ページの上のほうですが、改正によって、外因についても損傷部位の選択方法に変更があったということで、複数の損傷部位が記載された場合に、多発性の損傷という分類にしていたのを、主たる損傷による分類ということで変更して、ここに御覧のような変化があるということです。あと、肺炎の関係ですが、骨折とか損傷の後遺症も、肺炎や誤嚥性肺炎の基になると見直されたということで、これらのものが結構増えました。一応、こういう形でまとめまして、今日、御報告させていただきました。以上です。

○西郷分科会長
 それでは、ただいまの御説明に対して、御質問等がありましたら伺いたいと思います。いかがでしょうか。

○鷲見委員
 医療の現場としては、非常に実感に近い形で統計が進んできているかなと思います。非常にこれは良い方向だと思います。私たちもできるだけ正しい診断というか、正確な死因、これはやはり非常に大事なのですね、そのための努力はこれからも続けていくべきだと思います。こういう方向での統計の改定は非常に良いことだろうと思います。ただ、これから在宅医療が増えてきて、そういう点では、ますます難しい面も出てくるかなと思いますが、現場としてもその努力はしていきたいと思います。どうもありがとうございます。

○西郷分科会長
 ありがとうございます。他に何かありますでしょうか。

○大久保委員
 これは方法に関することですが、死亡個票に遡って一つ一つ、もう一回やり直したということでよろしいですか。

○五十里参事官
 そうです。

○大久保委員
 そうですか。そうすると、今回の再解析の趣旨とは異なりますが、前回の入力が間違っているというものもあったのですか。今回の調査結果ではそういうものも含まれるのですか。つまり平成28年のもともとのデータがそもそも誤っていて、今回見直ししたら正しくなったというのも含まれているのですか。

○西郷分科会長
 今回、審査をし直した形になっているので、アンチデジタルに見つかった回答誤差というのがありましたかという質問。

○五十里参事官
 特にそういうことは受けておりませんので、なかったのではないかと思います。

○西郷分科会長
 他に何かありますか。ないようでしたら、今の資料4に基づく説明に関しては御議論を終了とさせていただきます。次に参考資料1に基づいて、事務局から説明をお願いします。

○森国際分類情報管理室長
 国際分類情報管理室でございます。お手元の参考資料1を御覧ください。こちらは、今週6月18日(月)に公表した資料をお配りしております。国際疾病分類のICDに関するものになります。6月18日に世界保健機関(WHO)が、国際疾病分類の第11回改訂版「ICD-11」を公表しましたので、御報告したいと思います。
 先ほど人口動態のほうからもお話がありましたが、現在使われているICD-10については、1990年のWHO改訂・承認となっております。それから約30年ぶりにWHOで改訂をしました。「ICD-11」の概要については、このプレス資料の概要に記しておりますが、特徴として、簡単に御紹介しますと、30年ぶりの改訂ということで、最新の医学的知見が反映されております。2007年から改訂作業を進めまして、その改訂作業には多くの日本の医学の専門家や団体が大きな貢献をしてまいりました。
 また、ICD-11の特徴として、死亡疾病統計の国際比較に加えて、現在、臨床現場や研究など様々な所で使われており、そのような使用を想定し、より多様な病態を表現できるようなコード体系が整備されております。また、時代の流れでWebサイトでの分類の提供など、電子的環境での活用を想定した様々なツールがWHOから提供されています。
 改訂内容については、新たに追加される章として、日本語の仮訳になりますけれども、第4章は免疫系の疾患、第7章は睡眠・覚醒障害、第17章は性保健健康関連の病態、第26章は伝統医学の病態-モジュールⅠとして日中韓の漢方医学、第V章として、生活機能評価に関する補助セクション、第X章として、エクステンションコードが追加になりました。今年公表されたICD-11は、2019年5月の世界保健総会へ提出される予定となっています。WHOでは今年の公表をもちまして、加盟国に分類の翻訳など、自国での適用に向けた準備を開始するよう期待するということが表明されています。
 資料の最後にありますが、我が国では、統計法に基づく統計基準としてICDに準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」として告示しております。人口動態や患者調査といった公的統計で適用しております。我々としてはWHOの公表を受けまして、今後、我が国による適用に向けた検討を始めてまいりたいと思います。資料の説明は以上になります。

○西郷分科会長
 それでは、ただいまの説明に対して、御質問、御意見等がありましたら伺います。いかがですか。よろしいでしょうか。それでは、ただいまの報告に対して、特に御質問はありませんでしたので、議論はこれで終了とさせていただきます。
 もう1つ、「その他」で、参考資料2と参考資料3に基づいて事務局から説明があると伺っています。それについて、よろしくお願いします。

○細井統計企画調整室長
 参考資料2を御覧ください。今回、改正があった「統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案の概要」について御説明させていただきます。
 統計法については、平成30年6月1日に「統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案」として公布されました。改正は「新統計法」として平成19年の全部改正から10年ぶりの改正となっています。
 今回の改正のポイントでございますが、我が国の経済社会構造が急速に変化する中にあって、限られた資源を有効に活用して、国民に、より信頼される行政を展開するために統計改革推進会議の最終取りまとめを踏まえた上での改正となっているところです。
 統計改革として、公的統計の効果的な作成及び調査票情報の活用を図るために、事業所母集団データベースに記録されている情報を利用できる調査の範囲等の拡大をすることや、また、調査票情報の提供対象について情報保護を徹底しつつ、学術研究の発展に資する統計の作成等を行う者などに拡大すること。更に、統計委員会の機能強化として、所掌事務に、統計及び統計制度の発達及び改善に関する基本的事項の調査審議、公的統計基本計画の実施状況に関する勧告等を追加するとなっております。また、統計委員会に幹事を置くことという措置が講じられているところです。統計委員会に置かれる幹事については、総務省及び関係行政機関の職員のうちから内閣総理大臣が任命をし、幹事は、各省庁内の統計部門を束ねて統計委員会と調整を行うこととされています。
 施行期日は、統計委員会の機能強化に係る改正規定については、公布日である6月1日から施行。その他の規定においては、公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとされています。また、政府全体として、公的統計の整備に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るということを目的として、統計法第4条に基づき、おおむね5年ごとに公的統計基本計画というものが作成されております。
 続いて、参考資料3を御覧ください。本年3月に閣議決定された基本計画ですが、今回で第3期目の基本計画となっています。第2期の計画は平成30年度までを計画期間としておりましたが、経済財政諮問会議や統計改革推進会議が示した統計改革の方向性を確かなものとするために、第3期計画は1年前倒しで策定されているところです。計画期間は、平成30年度から平成34年度末までの5年間となっています。
 第3期の基本計画では、より正確な景気判断に資する統計の改善、国民経済計算を軸とした横断的な統計整備など公的統計の整備に関する事項、統計作成の効率化、報告者の負担軽減、統計の利活用促進など公的統計の整備に必要な事項が記載されているところです。
 御覧いただいている参考資料3については、厚生労働統計調査の課題について、第3期の基本計画の別表として、今後5年間に講じる具体的な政策のうち、厚生労働統計に係る課題を整理したものです。課題には、中長期的に検討していくものもありますので、各調査においては、引き続きこれらの課題について検討してまいりたいと考えております。簡単ですが、説明は以上でございます。

○西郷分科会長
 ただいまの御説明に対して、何か御意見はありますでしょうか。よろしいですか。それでは、これで議題として予定していたものは全て終了したという形になります。最後にまとめて、先ほど、国民生活基礎調査と人口動態に関しては戻って御質問があれば伺いますと申しましたが、何かありますか。よろしいでしょうか。御案内だと、15時までですので大分早いですけれども、特に新しく委員になられた方もおりますので、事務局とは相談していませんけれども、もしこの際、言っておきたいということがあれば伺います。何かありますでしょうか。ないようでしたら、議論するべき点は全て尽くしたという形になります。バトンを事務局のほうにお返しいたします。どうぞよろしくお願いします。

○中井参事官
 最後に、閉会の挨拶を申し上げます。皆様方、ちょっと予定より早い時間になりますが、蒸し暑い状況の中で、精力的にいろいろ御意見を頂きまして、御審議をどうもありがとうございました。頂いた御意見については、本日は即答できないものも幾つかあったかと思いますが、我々として検討させていただいて、建設的な方向にもっていければと考えております。引き続き、お願いできればと思います。
 それでは、これをもちまして、第23回社会保障審議会統計分科会を閉会させていただきます。出席された委員の方々、どうもありがとうございました。

                                 

                                  (了)

 

<照会先>
政策統括官(統計・情報政策担当)付
参事官(企画調整担当)付 統計企画調整室 統計企画係

電話: 03-5253-1111(内線7373)

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