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2016年5月30日 第1回2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会大会施設工事安全衛生対策協議会幹事会 議事録

○日時

平成28年5月30日(月)
9:45~10:36


○場所

合同庁舎5号館19階共用第8会議室


○議事

○厚労省 縄田建設安全対策室長 第 1 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、大会施設工事安全衛生対策協議会幹事会を開催いたします。私は、厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室長の縄田です。よろしくお願いいたします。

 本日は協議会の第 1 回の幹事会ですので、幹事の皆様を御紹介いたします。最初に、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局参事官の上村様です。文部科学省大臣官房文教施設企画部参事官の藤井様です。国土交通省土地・建設産業局専門工事業・建設関連業振興室長の倉石様です。東京都オリンピック・パラリンピック準備局大会施設部施設整備担当課長の堀川様です。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、会場整備部技術管理課長の真島様です。日本スポーツ振興センター新国立競技場設置本部総括役の下野様です。東京労働局労働基準部長の岩瀬様です。労働安全衛生総合研究所労働災害調査分析センター長の大幢様です。建設業労働災害防止協会技術管理部長の本山様です。日本建設業連合会常務執行役の谷田海様です。全国建設業協会業務執行理事の中村様です。建設産業専門団体連合会常務理事の道用様です。建設労務安全研究会副理事長の本多様の代理で御出席いただいている事務局長の宮澤様です。

 厚生労働省労働基準局安全衛生部長の加藤につきましては、今日は熊本地震の関係で急遽業務が入り、欠席させていただいております。御了承いただければと思います。

 続いて、厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長の野澤です。また、本日はオブザーバーとして、日本労働組合総連合会建設・資材・林産部門連絡会議議長の岩崎様に御出席いただいております。

 議事に入る前に本日の資料を確認いたします。議事次第と資料を 4 点ほどお配りしています。資料 1 「協議会開催要綱 ( 改訂案 ) 」、資料 2 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の大会施設工事における安全衛生対策の基本方針 ( 幹事会案 ) 」、資料 3 「大会施設の建設工事における度数率の算出について ( ) 」、資料 4 「大会施設の建設工事における安全衛生スローガンの募集について ( ) 」、参考資料として、大会組織委員会から情報提供いただいたものを御用意しております。過不足、乱丁等がありましたら、お申し付けいただければと思います。

 本日の会議の進行を、本来でしたら座長の加藤安全衛生部長が務めるところですが、欠席ということですので、野澤安全課長にお願いいたします。皆様よろしいでしょうか。

                                  ( 異議なし )

○厚労省 縄田健設安全対策室長 よろしくお願いいたします。

○厚労省 野澤安全課長 私が進行を務めさせていただきます。 2020 年に東京でオリンピック・パラリンピック競技大会が開催されますが、世界の人々に感動を与える場となる大会施設の整備が着実に行われることが大会の成功に不可欠です。特に工事の安全については、関係省庁、工事の発注機関、建設団体が密接に連携を取ることで徹底した対策が実施されるよう、今年 1 月に三ツ林厚生労働大臣政務官を座長として、第 1 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、大会施設工事安全衛生対策協議会が設置されたところです。

 第 1 回の協議会では、国内外から注目を集める大会施設の建設工事が今後の快適で安全な建設工事のモデルとなるよう、先進的な安全衛生対策を実施し、女性も働きやすい職場とするような視点を持って取り組んでいくこと、安全衛生対策のポイントとなる方針をまとめ、実施される対策をフォローアップしていくことが確認されました。

 本日は、これらの協議会で示された方向性を踏まえて、それを具体化していくための案を幹事会として検討したいと思っております。どうか、よろしくお願いいたします。

 議事に入ります。傍聴の皆様におかれては、カメラ撮影等はここまでとさせていただきます。御協力お願いいたします。

 議題 1 「協議会開催要綱の改訂について」です。事務局から説明をお願いいたします。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 協議会及び同幹事会の構成員について、新たに日本労働組合総連合会様に入っていただくことを事務局として提案させていただきます。提案の理由は、 1 つに建設工事の安全衛生を確保するためには、現場の労使が相協力して対策を講じる必要があること、 2 つ目として、ロンドン大会の大会施設建設工事においても英国のナショナルセンターが、 Trades Union Congress という所ですが、オリパラの組織委員会、オリンピックの開発庁と協力協定を締結するなどして、安全衛生の確保に大きな貢献があったことです。

 要綱の改訂については協議会決定事項ですので、皆様の御承諾が頂ければ、幹事会の案として開催要綱改訂案を、次回協議会に提出したいと考えております。以上です。

○厚労省 野澤安全課長 連合様に協議会に御参加いただくことで、よろしいでしょうか。

                                  ( 異議なし )

○厚労省 野澤安全課長 ありがとうございます。それでは、来月に予定している協議会で構成員の改正について正式に決定いただこうと思います。ここで岩崎様から一言御挨拶を頂けますでしょうか。

○日本労働組合総連合会 岩崎議長 紹介していただきました岩崎です。趣旨は課長からお話いただいたことであり、リオに引き継いで、日本においても災害ゼロで大会施設を運営していただきたい、そして労働側もしっかりと尽力していきたいという立場で参加させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○厚労省 野澤安全課長 続きまして、議題 2 です。「 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の大会施設工事における安全衛生対策の基本方針 ( ) について」ですが、幹事会としての案を検討いたします。事務局から案についての説明をお願いします。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 安全衛生対策の基本方針の幹事会案ですが、事務局としての案を提出させていただきました。これは第 1 回協議会で確認された大会施設建設工事における基本理念や安全衛生対策の 5 つのポイントを、具体的な文書として整理したもので、 4 つの大きな項目から構成されております。 1 「はじめに」、 2 「安全衛生対策の基本的な考え方」、 3 「安全衛生対策の要点」、 4 「大会エンゲージメント、大会の成功への貢献」という構成になっています。

 このうち 2 については、協議会で確認された基本理念を書いています。大会エンゲージメントへの貢献を除く安全衛生対策のポイントの 4 つですが、これを 3 として書き込んでいるという構成になっております。以下、項目ごとに簡単に御説明いたします。

1 「はじめに」は、パラ 1 からパラ 3 にかけて、協議会を設立するに至った経緯、具体的には東京オリンピック・パラリンピック競技大会を世界中の多くの人々が夢と希望を分かち合える歴史に残る大会にするといった目標の下、大会施設建設工事については関係機関による協議会を設立し、関係者の緊密な連携の下に安全最優先で工事を施工する必要があることを記載しております。また、パラ 4 とパラ 5 では、これまでの我が国での建設工事安全への一連の取組が一定の成果を挙げつつあるものの、今なお重大な労働災害が発生していることを踏まえ、大会施設建設工事のリスクに対して、安全衛生対策を徹底する必要があることを記載しております。

2 「安全衛生対策の基本的な考え方」です。これは先ほど申しましたように、第 1 回協議会で協議された基本理念に相当するものです。パラ 1 で、先進的な安全衛生対策の実施、女性や若者にも働きやすい職場環境の形成を書いています。パラ 2 で、安全衛生対策は元請、下請 ( 一人親方も含む ) の別なく、労使協調の下、統一的に実施されるべきものであることを記載しております。

3 「安全衛生対策の要点」です。これは先ほど申し上げましたが、第 1 回協議会で確認された安全衛生対策の 5 つのポイントのうち、大会エンゲージメントへの貢献を除く 4 点について、それぞれ整理しています。まず、 3 の前段で、安全衛生対策の要点を概括的に記載しております。具体的にはパラ 1 で、安全衛生対策を発注・設計段階から始めることの重要性、パラ 2 で、リスクアセスメントの実施とその結果に基づくリスク低減対策、特に重要となる墜落・転落災害の防止対策、女性への配慮や受動喫煙防止対策、長時間労働の縮減といった魅力ある建設現場の構築に不可欠な対策を概括して述べています。

(1) の「発注者等による安全衛生への取組」では、パラ 1 として、発注者が安全を損なうことのないよう十分に配慮した工期の設定を行うこと、適切な安全経費の積算を行うこと、元方事業者あるいは元方事業者と一次下請、それ以降の請負契約の全てにおいて、安全衛生対策の実施者と経費の負担者を明確にすることを求めています。パラ 2 では、設計者の講ずべき措置として、施工時の作業性や安全性について配慮した設計を行うこと、パラ 3 では発注者、設計者、施工者間の三者会議等により、施工時の安全に関わる留意点を元方事業者に指示することや、元方事業者に連絡調整を行わせることを記載しています。さらにパラ 4 では、発注者が元方事業者の安全衛生マネジメントを適切に評価すべきことを記載しております。

(2) の「リスクアセスメントの実施促進等」については、パラ 1 において 2 つ書いてあり、 1 つ目は元方事業者がリスクアセスメントを行ってより安全な工法等を検討すること、 2 つ目として、関係請負人は施工計画あるいは元方事業者が行うリスクアセスメントの結果を踏まえて、自らが請負作業についてリスクアセスメントを行うべきことを記載しております。パラ 2 からパラ 4 にかけては、リスクアセスメントを行った結果を踏まえた具体的な措置として、特に留意すべき事項として、協議組織の設置や作業間の連絡調整、重機との接触防止等の対策の推進について記載しているものです。

(3) の「墜落・転落災害等の防止徹底」については、パラ 1 とパラ 2 で、足場を設置する際はより安全性の高い措置を講じること、高所で使用する安全帯については身体への衝撃が少ないハーネス型安全帯を積極的に採用すべきことを記載しております。また、パラ 3 で建設機械・クレーン等災害の防止、あるいはその工事車両による交通災害の防止の徹底等について記載しております。

(4) の「より魅力ある建設現場の構築」では、工事従事者が安全に安心して、やりがいを持って働ける現場とすること、女性や若者にとっても魅力ある、これからの時代に相応しい職場環境を形成すべきこと、さらには安全衛生担当者等のモチベーションを高め、現場の安全衛生意識の高揚を図るべきことを記載しております。

4 「大会エンゲージメント、大会の成功への貢献」については、大会施設の建設工事に安全最優先で取り組んでいることを国民に広く理解していただくとともに、これが今後の建設工事のモデルとなるよう、知見の交流あるいは情報発信等に努め、建設工事に関するレガシーとして、次の世代に確実に継承していくべきことを記載しております。以上です。

○厚労省 野澤安全課長 意見交換に移ります。何か御意見、御質問がありましたら御発言をお願いします。

○建設業労働災害防止協会 本山部長 建災防です。意見を出すのが若干遅れて申し訳なかったのですが、文言的なことは省略して、何点か内容的なものについて申し上げます。

 例えば 22 行目に「リスクアセスメントに基づくマネジメントシステム」と書いていますが、これは意味が通らないので、例えば「リスクアセスメントを効果的に実施されるよう、建設業労働安全衛生マネジメントシステムを推進している」と書いたほうが、分かりやすいのではないかと思っております。

 それから、 71 行目です。発注者による連絡調整は非常に重要なことなのですが、現場をパトロールすると、発注者が異なる隣接した現場というのが多くあります。 71 行目の次に、「発注者の異なる隣接工事においても、発注者間の連絡調整の場を設ける等、安全作業を確保した施工計画、作業計画が可能になるよう配慮する」といったことが入るといいのではないかと思っております。

 それから、 96 行目です。工事従事者の安全衛生活動への参加意識を高めるというのは重要なことですが、それを図るために、現在厚労省や国交省からの支援を受けて、建設従事者教育というものを進めておりますので、「参加意識を高めるとともに、建設従事者教育等により不安全行動の防止に努める」というような文言が入るといいのかなと思います。

 それから 104 行目です。墜落防止対策として、手すり先行工法の積極採用は重要なことですが、それ以外にも工法はありますので、この部分を「手すり先行工法や大組・大払工法等を積極的に採用する。」としてはどうか。つまり高所作業ではなくて地上で行う作業としての大組・大払工法等も入れたらどうかと思います。以上です。

○厚労省 野澤安全課長 事務局から何かコメントはありますか。

○事務局 事務局の夏井です。先ほどの御質問に対してお答えいたします。まず 1 点目ですが、 22 行目から 23 行目にかけての「リスクアセスメントに基づくマネジメントシステム」のくだりです。「建設業における労働安全衛生マネジメントシステムに基づいてリスクアセスメントを推進しており」という修正のほうがいいのではないかという御趣旨でよろしいでしょうか。

○建設業労働災害防止協会 本山部長 はい。

○事務局 今の日本の現状を見ますと、マネジメントシステムまでは到達していないけれども、リスクアセスメントというところでは確実に実施されているという現場もあると認識しており、そういう意味ではマネジメントシステムに基づくリスクアセスメントというよりは、リスクアセスメントがあってマネジメントシステムもやっているという表現のほうがいいのかなとも認識しております。

 一方で、「マネジメントシステム」と単純に書いていると、何のマネジメントシステムか分からないという御趣旨もあるのかと思い、「労働安全衛生マネジメントシステム」といった補足的な説明を入れたほうがいいのかなとも、御意見を伺っていて思いましたので、「労働安全衛生」という言葉をここに補うほうがいいのかどうかという点については検討させていただきたいと思います。

 一方で、後ろのほうにも出てくるのですが、公衆災害という観点も入っておりまして、公衆災害の防止という意味も事務局としてはこの中に含めたつもりでございまして、そういった点でももう一度検討させていただきたいと思っております。

 それから、 2 点目の御意見ですが、 68 行目、 69 行目の辺りだと思います。発注者が異なる場合の発注者による連絡調整という御趣旨でよろしかったでしょうか。

○建設業労働災害防止協会 本山部長 はい。

○事務局 この点については内容に関わるところかと思っていまして、発注者様が異なる近接する現場において、発注者自らも調整を行っていただくという御趣旨でしょうか。もう一度補足していただいてよろしいでしょうか。

○建設業労働災害防止協会 本山部長 発注者が異なって隣接する場合、例えば取付道路の問題などで、相互に少し譲れば安全に通行できるようなケースがあります。そうしたとき、業者間だけではなくて、発注者間同士でも話し合っていただければ、業者間同士の連絡もスムーズにいくのではないかということです。

○事務局 今の建災防の本山様からの御意見ですが、発注者の立場から、東京都様、組織委員会様、 JSC 様、いかがでしょうか。もし御意見がございましたら。

○東京都 堀川課長 東京都です。第1回協議会で、東京都からもこういった意見をさせていただいておりますが、発注者の異なる工事では発注者同士で工事の連絡調整を行う体制を作っていくということを考えておりますので、そういった場に皆さんが参加していくことを進めていくことは結構なことだと思います。

○事務局 ありがとうございます。組織委員会様、 JSC 様、よろしいですか。

○日本スポーツ振興センター 下野総括役 特に問題ございません。

○事務局 承知いたしました。そうしましたら建災防様からの御意見について、書き込む方向で修正させていただいてよろしいですか。

○日本スポーツ振興センター 下野総括役 はい。

○事務局 ありがとうございます。

3 点目の御指摘ですが、お配りしている資料の 101 行目から 102 行目にかけてだと思います。事前にお送りしていたバージョンで、手すり先行工法というのが入っていたのですが、今日の資料のバージョンはそこからバージョンアップしていて、直した趣旨はおっしゃっていただいたとおりです。手すり先行工法は公共工事では標準的なものだと思いますが、先ほどおっしゃっていただいた大組・大払工法だとか、いろいろなより安全性の高い工法というのはありますので、そういった工法も読めるようにということで、「足場を設置する際はより安全性の高い措置を講ずる」という言い方に、このバージョンでは変えております。よろしいでしょうか。

○建設業労働災害防止協会 本山部長 はい。

○事務局 以上、ご質問、御意見いただきました 3 点について回答させていただきました。 1 点目についての表記については、事務局で検討させていただければと思います。

 あと教育です。 93 行目の所で、建設従事者教育を加えてはどうかという御意見だったかと思います。教育のくだりついては、 86 89 行目の段落の所に書き込ませていただいたつもりで、経験の浅い方、技術的な立場にある作業主任者の方あるいは管理的な職長であられる方、そういった方々の経験や能力に応じて、もちろんこの中には建設従事者教育の趣旨も含まれると思っていますし、そういう経験や能力、立場に応じて、きめ細かい、より能力を伸ばすような教育をやるべきだということを書かせていただいております。この中に建設従事者教育も含まれる、その例の 1 つであるとお考えいただければと思いますが、よろしいでしょうか。

○建設業労働災害防止協会 本山部長 はい。

○厚労省 野澤安全課長 ほかに御意見、御質問はございますでしょうか。

○内閣オリパラ事務局 上村参事官  1 回、事務的な意見のやり取りでは少しお話をさせていただいて、それから事務局からも御回答いただいた部分になるのですが、 1 つは 83 行目からの「特に、大会施設の建設工事の現場では」うんぬんという所です。この「様々な工事従事者が混在する中で、建設機械やクレーン等が多数使用される」というのが、大会施設の建設工事の特徴というよりは、大規模な建設工事の特徴だということで事務局から御回答いただいて、そうすると例えば「大会施設の建設工事は大規模な工事が多く」というのを挟んだほうがいいのか、それとも今日は発注機関の皆様方もお集まりですので、大会施設の建設工事と言えば大規模な工事が当たり前だということで、このままいったほうがいいのか。そういう相場感が、私どもは直接発注する者ではないので分からないので、伺えればと思います。これが 1 つです。

 あと、同じ観点で 97 行目の「大会施設の建設工事では高所作業が伴う」というものについても、全てが建築工事なので高所作業が伴うと伺いましたが、そこが同じように相場感として、このようにスッと書いてしまっていいのかということについて、この場で伺えればなというように思います。

○厚労省 野澤安全課長 事務局あるいは発注者の皆様から、何かございますか。

○東京都 堀川課長 東京都です。最初の御意見、 83 行目辺りでしょうか。「大会施設の建設工事の現場では」という所で、必ずしも大規模で多数の建設機械等が使用されるという現場ばかりでないのは確かかなと思います。多くの所では大規模になってしまいますけれども、そうでもない所も会場によってはあると思いますので、その辺りも含めた表現にされたほうがいいと思います。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 そうしましたら、例えばこういう修正はいかがでしょうか。 83 84 の所ですが、「いろいろな工事従事者が混在する建設工事の現場では」と、 83 行の「現場では」と「混在する中で」を引っ繰り返せば、全ての大会建設工事で建設機械やクレーン等が多数使用されるということにはならないので、いろいろな工事従事者が混在する建設工事において接触防止を徹底すると。

 それから 97 のほうも一緒で、「高所作業を伴う大会施設の建設工事では」と引っ繰り返せば、特定しないような感じになるのかなと思いますので、そのような修正でよければさせていただきたいと思います。

○厚労省 野澤安全課長 表現ぶりの点もありますが、あまねくその工事が、大会施設の建設工事がこういうものであるということではなくなるという意味での修文だと思いますが、いかがでしょうか。今日のところはよろしいでしょうか。また全体を通して、協議会までにはいろいろお諮りする段階もあろうかと思います。今日のところは、そういう方向で修文するということでよろしいですか。

 それでは、ほかに御意見や御質問はございますでしょうか。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 事務局です。 4 の「大会エンゲージメントへの貢献」について、大会組織委員会等の、あるいは東京都の皆様にはちょっとお尋ねしたいというか、御意見を頂戴したいと思うのです。エンゲージということは、大会ビジョンを広く醸成し、国内外の人びとと共に大会を創りあげていく活動と私ども事務局は理解しています。そこで案にあるように、大会施設の建設工事を快適で安全な建設工事のモデルとした建設技術者間の交流、あるいはかつて建設中の東京タワー、最近ではスカイツリーも世の中の関心が集まったと聞いていますが、大会施設の建設工事はそれ自体が、言わば大会を創りあげていく象徴のようなものと考えて、そこでの安全衛生対策を国民の皆様に分かりやすく説明することを、大会エンゲージメントへの貢献と書いたところです。こういった大会エンゲージメントという用語は、果たしてここの文脈にマッチしているのかどうか、大会組織委員会様から御意見を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。

○大会組織委員会 真島課長 いろいろ、皆様オリンピックの関係で御協力を頂きましてありがとうございます。大会エンゲージメント、せっかくこのようにいろいろな方々が集まってくださったので、是非エンゲージメントしていただきたいとは思っているのですが、ただちょっとこれを読みますと、いろいろ網羅的に記載していただいているのですが、基本的には発注者と元方、いわゆる受注者のやるべきことは非常に網羅的に書かれているのですが、ある意味、オリンピックに関係する人、オリンピックに直接関係する建設会社がオリンピックのために頑張るということは当たり前のことで、それはエンゲージメントとは言わないのかもしれません。しかし、こうやって厚生労働省の方々やこういう組合の方々、いろいろな方々が関わり合ってオリンピックを成功に導くということが本当はエンゲージメントだと思いますので、このエンゲージメントというのをより具体的にしていただけたらと思います。

 特にこの協力をする、どういう協力をしていただけるのかということがとても重要かと思っています。やはりオリンピックですので、オリンピックのときに間に合わなければいけないということがありますので、それはかなり工期が厳しくなる、厳しくなればなるほど安全というのにいろいろしわ寄せがきてしまいます。そうしたときに、いろいろな周りの方々にサポートしていただいて、そういう厳しい中でも安全というものが、日本全体で、このオリンピックに関係するもので守られれば、それはやはりエンゲージメントだと思いますので、是非、そうしたところを形にしていただけたら我々も有り難いと思います。 JSC さんもそうですし、我々組織委員会もそうですし、東京都さんもそうですし、やはりこれだけの分量のものをこれだけの期間でやるというのは初めての取組だと思うので、そうしたところは発注者任せ、業者任せにしていたら絶対安全というものはおろそかになってしまう、その可能性は非常にありますので、是非、皆様方の御協力を頂ければと思っていますので、よろしくお願いいたします。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 ここで書いている表現で、特に理解が間違っているとかそういうことではないということでいいのですか。

○大会組織委員会 真島課長 そうですね。例えば、分かりやすく説明するとか、いろいろな事柄を情報共有するとかいうのを。これを最初から読むと、発注者がやれ、建設会社がやれとしかちょっと読めないので、では誰がこれをやるのかというのを。ですから、発注者と受注者に任せて、もう言ったからという立て付けになってしまうと、やはりそれはエンゲージメントではないでしょうとなりますので、そうしたところをもう少し、一番最初には書いて。よく読めば最初に 17 18 の行には、この基本方針の趣旨は、このオリンピックで関係省庁、発注者、建設業団体、労働組合が、いろいろな立場から緊密に連携するのだということが書かれているので、ここはさっと読めるのですが、中身をどんどん読んでいくと、発注者と建設会社が主語にしか読めない所があるので、そこをもう少し突っ込んでいただけると有り難いと思います。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 ありがとうございます。そうしましたら、今、言われた発注者あるいは施工者だけではなくて、我々協議会自らが大会エンゲージメントへ貢献していくという趣旨のことを、 16 行から 18 行に書いたようなことも、ちょっと折り込んで少し見直して、また幹事の皆様に修文案をお示しして少し変えさせていただければと思います。

○厚労省 野澤安全課長 ほかに御意見、御質問ありますでしょうか。それでは、御意見ありがとうございます。事務局には、本日の検討結果を踏まえ所要の修正をお願いします。その扱いは、今、申し上げたとおり、先ほどのエンゲージメントの話の前にも建災防さんからのお話等ありましたので、もう一度協議会までには何らかの形でお諮りをして幹事会としての案をまとめることにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○厚労省 野澤安全課長 ありがとうございます。それでは、そういう手順を踏んで協議会のほうにお諮りをしたいと思います。

 続いて、議題 3 「大会施設の建設工事における度数率の算出について」です。まずは事務局から案について説明をお願いします。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 資料 3 について御説明します。第 1 回の協議会において、安全衛生対策について適時フォローアップを行っていくべきということが確認されています。このフォローアップを行っていく上で、その指標の 1 つとして、大会施設建設工事における度数率の算出をしてはどうかということを、事務局として提案させていただくものです。

 度数率というのはここに書いてあるとおりです。延べ 100 万実労働時間当たりの休業 1 日以上の労働災害発生件数を表したものです。労働災害の頻度を示す基本的な指標です。下の参考欄にありますが、近年の総合工事業では大体 1.00 といったものになっていて、これより数字が小さければ災害の発生頻度が少ない、 1 より多ければ平均より多いという見方ができるものです。それで、この度数率の算出については、協議会で基本方針を確定して以降着工する工事から適用することとし、四半期ごとに集計すればどうかと考えています。また、集計の単位ですが、個別の施設、あるいは個別の工事単位ではなくて、大会施設工事全体として 1 つの度数率を算出していったらどうかと考えています。なお、度数率に含める工事の範囲ですが、これは参考資料にいろいろたくさん出ていますが、発注者とか発注形態、あるいは工事の規模、内容等々が様々ですので、具体的にどの工事をこの度数率の算定の対象とするかについては、もう少し幹事会メンバーで具体的に調整し決定させていただければと考えています。以上です。

○厚労省 野澤安全課長 それでは、意見交換に移りたいと思います。意見のある方はいますでしょうか。

○労働安全衛生総合研究所 大幢センター長 よろしいでしょうか。いろいろな指標がある中で、度数率を選ばれた理由は何かありますでしょうか。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 度数率ともう 1 つ代表的な指標として強度率という概念がありますが、強度率のほうは死亡災害が 1 件発生すると大きく数字が上がってしまいますし、ないと少ないということで、度数率に比べてぶれが結構大きいものですので、ぶれの小さい度数率で見ていくことのほうが、こういう大きな大会工事の全体を見ていく上では適切な指標かと考えた次第です。

○労働安全衛生総合研究所 大幢センター長 これ以外にも、死亡災害がゼロということも目指してもよいのではないでしょうか。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 そうですね、死亡災害ゼロというのは、目標として皆さんよろしければ、掲げてもいいとは思うのですが。

○労働安全衛生総合研究所 大幢センター長 別に書かなくても精神として。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 精神として、はい。

○労働安全衛生総合研究所 大幢センター長 この協議会の共有する精神として、死亡災害ゼロという意識があればよいのではないかと思います。昨年度、ロンドンオリンピック・パラリンピックの工事安全の成功事例というのを調査しました。日本の厚生労働省に相当する HSE の方と討議したのですが、ロンドンオリンピック・パラリンピックでは、工事を行う段階から皆オリンピックに参加しているという気持ちで、全員で何とか成功させようという意識が働いて、無事死亡災害、重篤な災害がゼロで収まったというお話を聞きました。日本でもそういった意識があればできるのではないかと思いますので、こういった協議会を通じて、まずは精神を大事にしていただければと思います。

○厚労省 野澤安全課長 はい。司会を、座長を務める立場でもありますが、協議会のメンバーの一人でもありますので一言。前回の協議会の中でも、少なくとも今の大幢センター長の気持ちにそのとおりだというメンバーばかりだったと思います。そういう意味で、もう一度この方針を次回諮ることになると思いますが、その協議会の場では、そういうことの発言をするなりして、それを確認というか、そうだねという形で集約できると思いますので、そのようなことを協議会の中で確認していきたいと思います。事務局としてよろしいですか。

○事務局 すみません、事務局の夏井です。当然ここにお集まりの皆さんは、死亡災害を 1 件も起こしてはいけないという思いで多分一緒だと思います。この資料 3 は、具体的な度数率の算出という書き方でこういう資料にしていますが、ただその前提というか、その背景にあるのは、当然死亡災害を起こしてはいけないということで、それはもう皆さん共有されていると思います。これはあくまでも、具体的な度数率の算出ということで御提案をしたという次第です。

○日本建設業連合会 谷田海常務執行役 ちょっとよろしいですか。度数率で現在の安全の状況を数値として四半期ごとに管理しようということですか、これは。目標値 X と出すのではなくて、現在どうかというイメージでの度数率ですか。

○事務局 おっしゃるとおりです。度数率に目標を設けるだとか、そういうことは今、考えていません。

○谷田海常務執行役 了解しました。

○事務局 はい。当然、先進的なモデル的な工事ですので、度数率を低くする、少しでも低くするのは当然のことでして、目標があってこれ以下ならいいだとか、そういう世界ではないだろうと思っています。そういう考え方からすれば、当然死亡災害もない、あってはいけない、そのために一生懸命やると、そういうことかと思っています。

○日本建設業連合会 谷田海常務執行役 はい。

○建設業労働災害防止協会 本山部長 数字を出すならちょっと定義が必要なのかと思いまして。以前議論があったかどうか分かりませんが、この対象工事が大会施設の建設工事なのか、大会施設及びその関連する工事なのかで、おそらく死亡災害ゼロを目標にすると、そのハードルはかなり異なってきますので、その点はどうでしょうか。

○事務局 大会施設の建設工事でして、その他の関連インフラだとか、そういう施設周りの派生する工事、これについては今のところ事務局としては対象としては考えていません。あくまでも大会施設の本体工事と考えています。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 改修を含む建設工事と考えています。

○厚労省 野澤安全課長 ほかに意見等ありますでしょうか。それでは、この議題については案のとおりでよろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○厚労省 野澤安全課長 ありがとうございます。それではこの案で協議会にお諮りしたいと思います。

 続いて、議題 4 「大会施設の建設工事における安全衛生スローガンの募集について」です。事務局から案について説明をお願いします。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 資料 4 について御説明します。大会施設建設工事において安全衛生対策を進めていく上で、建設工事に携わる方の安全意識を高めるとともに、多くの人たちと一緒に大会を創りあげていこうとする大会エンゲージメントにも貢献していくとの観点から、大会施設建設工事に係る安全衛生スローガンを公募してはどうかということを事務局として提案するものです。公募、あるいはそのスローガンの公募決定に関する詳細は、今後、幹事会メンバーで調整した上で協議会本体に提案していきたいと考えています。今、 6 月の第 2 回の協議会で了承が得られたという前提で、 7 月中を目途に公募をして、 9 月中ぐらいに協議会でスローガンを決定していただくようなスケジュール感を考えています。ただ、協議会のメンバーは大変お忙しい方が多いので、このスローガンを決定するためだけに協議会が開催できるかどうかという点がありますので、その辺の協議会の持ち方については柔軟に対応させていただければと考えています。スローガンの募集決定に関する方向性について、皆様の御意見、御討議を頂ければと考えていますので、よろしくお願いします。

○厚労省 野澤安全課長 それでは御検討をお願いします。御意見のある方はいますでしょうか。特にスローガンの募集、決定のタイミングについて御意見がある方はお願いします。特にありませんか。

○国交省 倉石室長 スローガンが決定された後、気運醸成のための広報戦略や、そのスローガンをどう使っていくか、どういうメディアを使っていくかについて、今、何かお考えがあれば聞かせていただけますか。それから、せっかくスローガンを作るということなので、閉じた形での広報というより、一般の人にも、それが伝わるようなメディア戦略みたいなものも併せてやっていくべきではないかと思いますが、今のところのお考えを、もしあればお聞かせいただけますか。

○縄田建設安全対策室長 スローガンの公募についてのほうから言いますと、これは広く国民を対象にして募集をかけたいと思っています。具体的には、私ども事務局、厚生労働省になりますが、そこのホームページ、あるいはプレスリリース等を通じて国民に広くスローガンの募集をお願いしたいと考えています。

 それから、スローガンが決まった後の広報戦略ですが、まだ詰め切れていないのですが、大会の施設建設工事において掲示していただくということが一つの基本としてあるかと思います。それ以上のことは皆様の御意見等を頂きながらいい広報戦略を練っていきたいと考えています。

○厚労省 野澤安全課長 ほかにありますでしょうか。それでは、この議題については案のとおりでよろしいでしょうか。

                                   ( 異議なし )

○厚労省 野澤安全課長 今、国交省からの意見もありましたが、必要な事項は今後更に幹事会で調整をさせていただくことを含めて、これで進めることにしたいと思います。ありがとうございます。そういうことで、この案を協議会でお諮りをさせていただきたいと思います。

 本日の議題は以上になります。円滑な議事に御協力いただきましてありがとうございます。事務局から連絡事項などありますか。よろしくお願いします。

○厚労省 縄田建設安全対策室長 本日の会議の議事録については、後ほど皆様に、出来次第ですが御確認いただきますので、よろしくお願いします。また、来月 17 日ですが、本日御検討いただいた案をお諮りするための協議会を予定しています。別途、事務局から御連絡いたしますので、よろしくお願いします。以上でございます。

○厚労省 野澤安全課長 それでは、幹事会は以上で終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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