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2015年12月4日 第2回がんに関する作業部会 議事要旨

労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

○日時

12月4日(金) 17:00~19:00


○場所

厚生労働省会議室


○出席者

委員会参集者(50音順、敬称略)

赤羽 和久 砂原 和仁
高橋 都 竹田 透

厚生労働省

武田 康久 (労働衛生課長) 塚本 勝利 (産業保健支援室長)
中村 宇一 (産業保健支援室長補佐) 川中 淑恵 (産業保健支援室主査)
清住 雄希 (健康局がん・疾病対策課 課長補佐)

○議題

(1)がんに関する留意事項について
(2)その他

○議事

 

○がんに関する留意事項案について、以下のような意見があった。

【労働者の病名申告について】

·  女性特有のがんで病名を職場に告げたくなかったが、治療途中で申し出る判断をした場合、個人情報の取り扱いに特に配慮すべき旨記載が必要ではないか。

 →個人情報の取り扱いについてはガイドライン本体でまとめてはどうか。

·  病名は個人情報なので詮索することは避けるべしと記載してはどうか。

·  病名を隠し切れなくなった患者の精神的ダメージは大きいため、メンタル面での配慮が必要である。

·  病名を告げることで本人が支援を受けやすくなる面もある。

·  自分が提供した情報が、社内のどのパートにまで伝わるかをルール化するよう求めてはどうか。

·  事業者向けの文章としては「支援」という言葉よりも「対応」の方が適切なのではないか。

【がんと就労に関する基礎情報について】

·  罹患者数ではなく罹患率データを示した方が、自らの事業所に置き換えて考えらえるのではないか。

·  現在のデータを過去と比較する際、できるだけ近い年代の方が実感が湧くのではないか。

【生存率の示し方について】

·  ステージ別に示して、早期がんであれば高いということを示すことも一つの方法ではないか。

 →「早期でなければ予後が悪い」という印象を与える懸念がある。

·  5 年生存率が近年向上しているという推移を示してはどうか。

·  がん種によっては厳しい状況のものもあるが、支持療法の発達により、症状が進んでも働いている人もいる、としてはどうか。

·  「長く働く」ことが大切なので、生存率より就業率を示した方が良いのではないか。

 →就業率はデータが少ないため、提示は難しいのではないか。

·  4 ページの「早期発見できれば完治も見込める」という言葉は不要ではないか。病気とうまく付き合っていくことが重要なのであって、完治を強調する必要はないのではないか。

·  がん種によっては、肺がんのように治療法が急速に発展していることを示してはどうか。

【主ながん治療の説明について】

·  各治療法についての簡単な説明を添えてはどうか。

·  「外来治療」は医療者から見た用語なので「通院治療」としてはどうか。

·  入院治療から通院治療への切り替えが進んでいる背景を示してはどうか。

·  「支持療法」という用語を敢えて使用する必要はないのではないか。

【がん特有の問題点への配慮について】

·  「個別性の高い配慮」は事業主にとってハードルが高い印象を与えるため、「個別性に配慮した対応」のように書き換えてはどうか。

·  「労働者の状況と要望」という言葉は、労働者の一方的な要求を聞き入れる必要があるという印象を受けるため、「意思」とするか、「労働者の状況」のみにしてはどうか。

·  労働者の状況は、労働者から直接聞き取ることを基本として、それが難しい場合には産業医を通して把握すべしとしてはどうか。

·  具体的な医療情報が直接企業に伝わるよりも、産業医を通した方が望ましいのではないか。また、健康情報を基にした就業上の措置は産業医の基本的な業務なので、産業医がいる職場であれば、まず産業医に動いていただくのが望ましいのではないか。

 →産業医の勤務状況によっては、情報共有がうまく進まない場合もあるのではないか。

·  労働者の状況把握のルートは明記せず、「治療経過に沿って労働者の状況を把握し」といった記述に留めてはどうか。

【メンタルヘルス面への配慮について】

·  診断直後のショックへの対応は、「労働者本人から申し出を受けた場合は」と限定すべきではないか。

·  診断直後でパニック状態の時期に、ガイドブックのような冊子を主治医が手渡すだけでも効果はあるのではないか。

【がんに対する偏見に伴う問題への対処について】

·  「偏見」ではなく「偏ったがんイメージ」のように柔らかい表現にしてはどうか。

·  偏見のために就業継続に理解が得られない場合について、具体的に説明してはどうか。

·  がん啓発を促す記載を加えてはどうか。

·  「がんになると昇進が無くなる」というような思い込みについて言及してはどうか。

【経過に沿った支援内容について】

·  治療経過の表現が医療者側の視点に立っているので、患者側視点に書き換えてはどうか。

·  治療経過における「確定診断」の定義を示した方が良いのではないか。「確定診断」ではなく、「がんと診断された時」等。

·  診断直後に早まって退職するケースへの対策も、「がん確定診断」のタイミングでの対応に関係する。ここできちんと記載して、事業者に問題意識を持っていただきたい。

 →メンタル面の配慮が必要なタイミングについても、表で記載してはどうか。

「治療方針の決定」については、手術の前後で方針が変わる可能性があるので随時確認が必要などといった注釈が必要ではないか。

·  労働者本人に対する支援と職場全体に対する支援とで分けて整理してはどうか。

 →職場全体に対する支援はガイドライン本体で整理してはどうか。

·  治療の途中で病名を申し出た場合の対応に関しては、書きぶり等が複雑になるため、全体のガイドラインで整理した方が良いのではないか。

·  治療経過ではなく、「どのような支援が必要か」を起点に考えると整理しやすいのではないか。

·  表ではなく、糖尿病や脳卒中と比較した場合のがんの特異性を箇条書きすればよいのではないか。

·  産業医以外の産業保健スタッフの役割についても言及すべきではないか。

【治療法ごとの確認のタイミングと確認事項について】

·  職場が入手しておくと役立つ情報と、入手できるタイミングについて、職場関係者が取るアクションはどうなるのか、という視点で書き換えた方が分かりやすいのではないか。

·  がん治療の説明をしている項と記載内容が一部重複しているため、まとめて記載できないか。

【労働者や主治医に確認する際のポイントについて】

·  確認するポイントをチェックリストにまとめる、とするとハードルが高いので、「聞きたいことを明確にして」「箇条書きにして」程度に留めてはどうか。

·  がん拠点病院の相談支援センターや MSW 等が、何らかの支援を提供することは可能か。

 →拠点病院の相談支援センターが企業の担当者から相談をもらうことは実際には無いが、相談を受ければ何らかの対応は可能なのではないか。

 →相談支援センターや MSW 側から治療の現場に出向いて、患者と主治医の間に積極的に入るといったことは、マンパワーの面から難しいのが現状である。現実には看護師が支援する立場として立ち回っているのではないか。

·  本人と主治医の同意があれば、企業担当者が労働者の病状について主治医に直接相談できることはあまり知られていないため、記載してはどうか。

 →ガイドライン本体に盛り込んではどうか。

 →同行受診の際は事前に主治医に相談が必要である旨記載していただきたい。

【がん治療に伴う通勤・就労の場面で生じうる具体的な問題事例と対応】

·  具体的なイメージは理解の手助けにはなるが、独り歩きしてしまう懸念もある。少数の個別例を挙げても得られるノウハウは少ないのではないか。いくつかの資料を参考文献として挙げてはどうか。

·  参考文献を挙げると、事業者が負担を感じてしまう懸念がある。 1 ページ程度を目安に、直接書き込んだ方が良いのではないか。

·  がん種ではなく、症状別に具体例を整理してはどうか。

 →がん種別の方が、産業医がいた場合に企業担当者が得られる情報の形式に近いので、分かりやすいのではないか。

·  がん種によらず共通の事項と、がん種別の個別事項とに分けて整理してはどうか。

·  チェックリストはできるだけシンプルなものにすべきではないか。

 


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