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2014年12月17日 第7回厚生科学審議会感染症部会

健康局結核感染症課

○日時

平成26年12月17日(水)13:00~13:45


○場所

航空会館5階 501+502会議室


○議題

(1)感染症法改正に伴う政令の改正について
(2)その他

○議事

○福島課長補佐 それでは、時間より少し早いですが、委員の先生方がおそろいですので、ただいまより第7回「厚生科学審議会感染症部会」を開催いたします。

 初めに、委員の先生方の出席状況を御報告いたします。本日は、磯部委員、賀来委員、澁谷委員、調委員より御欠席の連絡をいただいております。

 現時点で定足数以上の委員に御出席をいただいておりますので、会議が成立しますことを報告いたします。

 ここからは、渡邉部会長に議事をお願いいたします。

○渡邉部会長 まず議事に先立ちまして、事務局から資料等の確認をお願いいたします。

○福島課長補佐 本日は、議事次第、配付資料一覧のほか、資料1~3までを御用意しております。配付資料一覧と照らしまして、不足の資料がございましたら、事務局にお申しつけください。大丈夫でしょうか、よろしいでしょうか。

 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りがございましたら、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○福島課長補佐 それでは、先生、お願いいたします。

○渡邉部会長 本日の議題ですけれども、議題1といたしまして「感染症法改正に伴う政令の改正について」御議論いただきたいと思います。それと報告事項1、2としてエボラ出血熱の現状と、蚊媒介性感染症に関する小委員会の設置について報告いたします。円滑な御審議のほうに御協力をよろしくお願いいたします。

 まず、議題1に基づきまして「感染症法改正に伴う政令の改正について」資料1に基づいて、事務局より説明をお願いいたします。

○福島課長補佐 それでは、資料1のほうをごらんください。

 1枚めくりまして、2ページ目から御説明させていただきます。

 最初は「鳥インフルエンザA(H5N1H7N9)の感染症法上の位置付けについて」でございます。

 「現状」でございますが、最初の○の部分ですが、感染症法では、感染症を1.罹患した場合の重篤性、2.感染力、3.感染経路等を総合的に勘案して一類感染症から五類感染症に分類し、それぞれの分類に応じて可能な措置を決定しております。

 それ以外に、緊急時等への対応として、指定感染症、新型インフルエンザ等感染症、新感染症の分類を設定しております。

 2つ目でございますが、鳥インフルエンザにつきましては、感染症法上、四類感染症に位置づけられております。ただし、H5N1亜型の鳥インフルエンザにつきましては、その病原性や感染力、新型インフルエンザへの変異のおそれを考慮し、例えば患者に対する入院勧告等の措置をとることが可能な、二類感染症に位置づけてきたところでございます。

 3つ目の○でございますが、こういった中で2013年3月以降、中国のほうで流行しております鳥インフルエンザA(H7N9亜型)につきましては、四類感染症ではございますが、その流行状況や性質に鑑みまして、政令で指定感染症として指定することにより、二類感染症でありますH5N1亜型の鳥インフルエンザと、同様の対応をとることが可能となっております。

 ただし、この指定感染症は時限的な制度でございますので、期限が1年間となっておりまして、一度延長することはできて、昨年延長の措置をとりましたが、2年目の期限が来年5月6日に来ることになっておりまして、この政令は効力を失うこととなっております。

 こういった中で、このH7N9も含めまして、この感染症部会の第2回~第5回の会議におきまして、感染症法の改正について御審議をいただきました。この審議会の御議論の結果に基づきまして、感染症法の改正案を先の臨時国会のほうに提出いたしまして、こちらのほうで御審議いただいた結果、1114日に衆議院で可決され、成立しておりまして、その後、1121日にこの感染症法の改正が公布されております。

 この改正感染症法の中で、一番最後の○でございますが、新型インフルエンザに変異するおそれの高い鳥インフルエンザにつきましては、H5N1といった血清亜型を法律ではなく、政令で定めることによって、二類感染症に位置づけることができることとされました。

 この改正感染症法の施行に向けまして、二類感染症である鳥インフルエンザについて、改めてこの政令で血清亜型を規定する必要がございます。この血清亜型を規定するとき、またはこの規定を改廃するときには、あらかじめ審議会、つまりこの感染症部会にお諮りすることとなっておりますので、先生方には本日、この下の「提案」というところにございます、 1つは、鳥インフルエンザA(H5N1亜型)について、引き続き二類感染症に位置づけてもよいか。

 2つ目は、鳥インフルエンザA(H7N9亜型)について、新たに二類感染症に位置づけてもよいか。

 この2点について、御審議いただきたいと考えております。

 3ページ以降は、補足の資料でございますが、鳥インフルエンザA(H5N1亜型)それから(H7N9亜型)の流行状況について、簡単にまとめております。

 鳥インフルエンザ(H5N1亜型)につきましては、2003年に中国でヒトでの感染が確認されて以降、現在に至るまで東南アジアを中心に患者が確認されています。

過去12年間の間に患者数が700名近く、そのうち死亡された方が400名近くと報告されております。

ほぼ全ての症例が家禽との濃厚な接触により感染しており、現時点で持続的なヒトからヒトへの感染は確認されておりませんが、限定的な「ヒト—ヒト感染」が発生しております。このことから、国内で患者さんが発生した場合には、引き続き入院等の措置が必要になると考えております。

 その下、鳥インフルエンザA(H7N9)についてでございますが、こちらは先ほど申し上げましたとおり、2013年3月末以降、中国のほうで流行が続いております。現在までに患者さんが458名、そのうち少なくとも172名の方が亡くなったと報告されております。現時点でこのH7N9亜型につきましても、持続的な「ヒト—ヒト感染」は確認されておりませんが、限定的な「ヒト—ヒト感染」が起こっていると考えられることから、このH7N9につきましても、引き続き入院等の措置が可能な二類感染症相当の対応が必要であると考えております。

 その後の資料は、患者さんの報告状況といった補足資料になります。

 一番最後の7ページのほうに、今回の感染症法の改正の全容について、御参考としておつけしましたので、こちらのほうもごらんいただければと思います。

 事務局のほうからは以上です。

○渡邉部会長 ありがとうございます。

 今、事務局から説明がありましたとおり、政令で血清亜型を規定する必要があるということで、H5N1H7N9については、二類感染症に位置づけたいというのが事務局の提案であります。

 患者状況といたしまして、5ページ目を見ていただきますと、WHOの報告ではH5N1が少しは減りつつありますけれども、依然として患者が出ている状況には変わりがない。

H7N9については、6ページ目の図2のところにありますけれども、平成26年の1~6月ぐらいまでずっと少しずつ患者が出ていて、平成27年度、これからまた出てくる可能性もあるということで、今までのと引き続き同じような形で、経過観察をしたいというのが事務局の意向だと思います。

 これについて、いかがでしょうか、御意見等お願いいたします。

 前田先生。

○前田委員 この2つの疾患を規定するのは、特に異論はないのですけれども、今後のこととして、どの程度の発生になった時点で、この政令で指定する、検討する対象とするのかという基準はどうなのでしょうか。新たな血清亜型についてです。

○福島課長補佐 あらかじめこういった患者さんの数が出ればと規定するのはなかなか難しいと思うのですが、例えばH7N9に関しましては、やはり日本との往来が頻繁な中国で発生していることですとか、短期間にかなりの数の患者さんが出ていらっしゃること、それから限定的ではあるのですけれども「ヒト—ヒト感染」の報告がされているといった要件に基づきまして、感染症部会のほうでも二類感染症相当が妥当ではないかということで、御審議をいただいたところです。

 なかなか標準的な要件というのをお示しするのは難しいと思うのですが、そのときに得られた知見に基づいて、感染症部会の御意見をあらかじめ聞くことになっておりますので、その都度、お諮りしたいと考えております。

○渡邉部会長 改廃についても、この委員会の意見を聞いて改廃するということで、先ほど説明がありました2ページ目の「感染症を1.罹患した場合の重篤性、2.感染力、3.感染経路等を総合的に勘案して」ということもこの中に入ると思いますので、その辺の皆様方の御意見のほうを伺いまして、今、H5N1H7N9について、二類相当で問題ないかどうか、御意見のほうをお願いしたいと思います。

 よろしいでしょうか。

 今のところ、患者も少し減っている傾向にありますけれども、劇的にゼロというわけでもないということと、特にH7N9は平成27年度への影響がどうなるか、やはり様子を見てからのほうがよろしいかなと思うので、事務局の提案どおりでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○渡邉部会長 ありがとうございます。

 では「感染症法改正に伴う政令の改正について」部会として、了承したということでまとめたいと思います。

 続きまして、報告事項1「エボラ出血熱の現状」について、事務局から資料2に基づいて、報告・説明をお願いいたします。

○氏家課長補佐 資料2「エボラ出血熱の現状」について、事務局から報告させていただきます。

 前回、10月8日の審議会でも同様に発生状況等について、御報告させていただいたところでありますが、主に更新された情報等について、御説明させていただきます。

 1枚めくりまして「エボラ出血熱 基本情報」ですが、こちらの基本情報には前回説明から特に変更はございませんので、割愛させていただきます。

 3ページ目「エボラ出血熱の患者数・死亡者数」についてです。

 こちらの患者報告数は、WHOの報告に基づき、1213日までの1215日公開データを掲示してございます。主にギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国で伝播が続いているわけですが、合計で1万8,498人の患者数、そして6,856人の死亡者数が報告されているところでございます。

 この下に書かれている限定的な感染が確認されている国のうち、ナイジェリア、セネガル、スペインについては、最大潜伏期の2倍以上の期間で感染が見られていないということから、感染の終息宣言が行われているところでございます。

 次のページをおめくりください。4ページ目です。

 9月30日の部分までは、前回の審議会で御報告させていただきましたので、割愛させていただきます。

10 月以降のこれまでの国際社会の対応についてですが、10月にスペインと米国で初めてアフリカ以外での感染事例が報告されまして、ただ、その感染から大きく感染が拡大することはなかったという状況がございます。その間にセネガル、ナイジェリア、スペイン等で10月、12月に感染の終息が発表されまして、かわって10月にマリでの新たな感染事例の報告もあったという状況でございます。

 5ページ目「エボラ出血熱に対する検疫体制」でございますが、○の4つ目までの体制につきましては、基本的な体制となっておりまして、前回御説明させていただいた体制から特に変更はございません。

 ○の5つ目ですが、ギニア、リベリア及びシエラレオネへの21日以内の滞在歴が把握されたものについては、1日2回の体温等を報告していただく、健康状態を確認するということを1021日から実施しております。また、可能な限り、過去21日の流行国の滞在歴を確認できるよう、検疫体制の一層の強化を行い、各空港における検疫所と入国管理局の連携を強化する対応も、1024日から実施しているところでございます。

 最後の○ですが、各海港におきましても、同様に検疫所と入国管理局の連携というものが強化されておりまして、また、健康監視の対象になった方に発熱等の症状が出た場合に、より迅速に対応が可能とするために、当該者の情報について、事前に都道府県等に提供を行うようになっております。

 最後、6ページ目をごらんください。

 「エボラ出血熱に対する初動検査・治療体制」についてです。

 ○の1つ目ですが、エボラ出血熱の診療を行う特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関ですが、第一種感染症指定医療機関の数が44機関から45機関に増えてございます。現在 第一種感染症指定医療機関が未整備の県というのが7県ございますが、その7県につきましても、順次、平成27年度から整備を行っていただくという状況になってございます。

 ○の2つ目は、前回同様ですが、検査マニュアルや診療手引き等を作成・配付しているところでございます。

 ○の3つ目でございますが、こういった診療を行う医療機関や自治体において、感染防御等について、全国で研修会を開催しているところでございまして、10月より開始し、年内にも14回以上の研修を行っているところでございます。

 ○の4つ目、全国の自治体に対しまして、初動対応のフローチャートを周知し、各都道府県等における発生時の対応について、再確認を行っていただくようお願いをしています。また、患者移送及び検体搬送の実地訓練を年内にも実施していただくよう、お願いをしているところでございます。

 ○の5つ目ですが、厚生労働省のホームページにエボラ出血熱専用ページを開設し、実際に国内で患者が発生した場合の各種の対応マニュアルなどを掲載し、関係者の方々に使用していただきやすいよう整備しております。

 最後から2つ目の○ですが、治療に当たる医師に対して助言を行うため、特定感染症指定医療機関の医師などや、国立感染症研究所の専門家による会議というものを1024日に行っております。

 最後、感染症指定医療機関に十分な診療体制が準備されていないことも想定に入れ、国立国際医療研究センターに専門チームを設置し、万一エボラ出血熱が発生した場合に、同センターから第一種指定医療機関にチームを派遣する応援体制というものを整備してございます。

 事務局からの説明は以上になります。

○渡邉部会長 ありがとうございます。

 エボラの状況等についての説明が、今、事務局からありましたけれども、御質問等がありましたらお願いいたします。

 どうぞ。

○小森委員 日本医師会の小森でございます。2点、お教えをいただきたい。

 1点は、PPEの配布等について、今後新しい政権ができて、恐らくこれからの問題だと思いますけれども、その予算措置についての見通し等についてはいかがかということです。その配布、予算規模等のついて、お話できる範囲でお教えをいただきたいということが1点です。

 それから、BSL-4の現状と見通しについて、お話いただける範囲でこれもお教えをいただきたいということです。この2点をよろしくお願いします。

○渡邉部会長 よろしいですか、では課長のほうから。

○結核感染症課長 結核感染症課長でございます。

 小森委員の2点の質問のうち、まず1点目のPPEに関して、予算措置がどのような状況かという御質問でございますけれども、これは今年度の急ぐ案件でございますので、来年度まで待てるという性格のものではなく、今年度の補正予算で現在、このPPEの確保にかかるところを要求中という状況でございます。

 現時点で私ども、各都道府県における準備状況も調査をしておりますが、こうした調査の結果を踏まえ、必要数に足りていないところに関しましては、今年度の補正予算で必要分を手当てしたいと考えているところでございます。

 2点目のBSL-4に関しましては、中嶋感染症情報管理室長よりお答え申し上げます。

○感染症情報管理室長 国立感染症研究所に、今、国内で唯一稼働可能なBSL-4施設というのが設置されて、既に三十数年たっておりますが、地元の理解と不安というところを考慮いたしまして、今まで稼働の停止状態というのが続いてきているところは御案内のとおりです。

 ただし、このような西アフリカの流行状況等々を勘案いたしますと、やはり患者さんの発生というのを見越した対応、そして起きたときの危機管理的な対応というのには、この施設というのは不可欠なところだというのは、従前より我々が認識しているところでございます。

 このようなところから、今回の臨時国会で総理からも、そういった事情は勘案しつつ、何とかこれを前向きに進めていかなければいけないという答弁がございまして、この感染症法の法案審議でも相当数の質問が出まして、最後に附帯決議という形でBSL-4の稼働についての意見が全会一致で、衆参両院でついたところでございます。

 このような状況を勘案いたしまして、先般、厚生労働大臣が武蔵村山市役所を訪問いたしまして、市長にBSL-4の稼働にかかわる協議を進めたいというお話をいたしまして、市長側からは国がBSL-4の安全管理、地元住民への説明ということを、全責任を持ってやるということであれば、BSL-4についての協議を進めたいということを了解いただいたところです。

 現在、このような状況の中で、既に武蔵村山市議会への説明、武蔵村山市民へのBSL-4の説明というものを先週1回やりまして、今週も明日2回説明ということを行う。さらには、市側から要望がありました第三者を交えた連絡協議会というものをつくってほしいという要望についても、現在、市側のほうと私どものほうで調整をして、前向きに進めているところでございます。感染症対策のために何としても必要な施設でございますので、かような状況でございますが、現在、種々の対応を進めている状況でございます。

 以上でございます。

○渡邉部会長 よろしいでしょうか。

○小森委員 ありがとうございました。

PPE等については、大臣に直接お願いをしたときにもお話をしましたが、やはり効率的、しかも機能を強化するという意味で、特定、一種、二種、あるいは地域の中核病院等から最も効果的な感染症対策ができるような配布、あるいはその訓練ということでよろしいのだと思っておりますが、さりとて、突然診療所に患者さんがいらっしゃるといった場合もありますので、そういったことも視野に入れながら、将来的には診療所に対するPPEの配慮、あるいはまた地域の医師会レベルでそういった訓練といったことも、考えていただきたい。日本人はとかく熱しやすく冷めやすいので、こういうときには一斉に大変だ大変だと。

 ところが、一旦おさまると、あれは何だったのだろうかということがしばしばあるわけでございますので、教訓はしっかり残して、しっかりとした対応をしていくということが大事だと思っていますので、そういった意見を委員の皆様と共有しつつ、担当課とも御相談をしてまいりたいと思います。そういったことについては、継続したお取り組みということで、ぜひお願いをしたいと思います。

○渡邉部会長 今の小森先生のお話に関して、非常に重要なことだと思いますので、厚労省全体としてもよろしくお願いいたします。

○大石委員 感染研の大石でございますけれども、事務局からの御説明にもありましたように、自治体向けエボラ出血熱対策研修会を国立感染研、国立国際医療センターと協力して、全国8カ所で実施をしているところです。自治体の方々がPPEを装着するという機会は余りないものですから、自治体の方々がその困難さを感じている現実はあると認識しております。しかしながら自治体職員にもPPEの着脱について習熟していただければと考えております。

 以上です。

○渡邉部会長 ありがとうございます。

 今、中嶋室長の御説明にありましたように、地元との交渉に関しては厚労省が表に立って、そこにもちろん感染研も一緒にやるという形で、特に連絡協議会については、これをぜひ成功させるように持っていきたいという形で努めておりますので、その点だけつけ加えておきます。

 ほかに、何かありましたら、前田先生。

○前田委員 第一種感染症指定医療機関なのですけれども、全国で設置されていないところがある云々の話は別として、せんだって全国衛生部長会での議論の中で各県の第一種指定医療機関の状況を知ったのですが、臨床を担当している先生方からすると、研修のこともあるのですが、設備の面で結局エボラ出血熱については、先進国の医療水準での全身管理を行えばかなり救命率が高いと言われていますけれども、そのためにはかなりきめ細かい検査が必要だと。しかしながら、現在の第一種の指定機関の基準から医療機関内にその検査設備がないところのほうが大半であるということです。設備基準上はそうなのですが、恐らく国際医療センターの特定感染症病床には病棟内に検査室があると思いますし、東京都が設置している3病院も全て病棟内に検査機器を持っておりまして、本気で救命、治療するためには一種病床の基準というものも、そうした形で考えるべきではないかという御意見が臨床の先生からかなり出ているというお話を聞いたのですが、今後そういう点につきまして、いかがでしょうか。

○渡邉部会長 では、課長のほうから。

○結核感染症課長 御意見ありがとうございます。

 現在の第一種感染症指定医療機関、これは特定感染症医療機関と重複しているものを含めて、現在45機関ある中で、それぞれの機関に厚生労働省として一定の施設基準は定めているところでございます。

 前田委員が御指摘のように、その施設基準の中では病床に附属して、例えば血清・生化学のような、基本的な血液検査等々ができるという定めはございませんで、幾つかの病院の中では、そうしたものは病院全体の中央の検査室のほうに持っていって検査するという体制になっているところもあり、施設によっては病院の中央の検査室ではなくて第一種感染症病床の中、もしくは隣にもうその病床専用の検査室を持っている。例えば、NICUICUではそういう施設を中に持っているところが一定数ございますが、同様の機能を持っているところもあるようには聞いております。

 実際に今後の施設基準を改定して、全ての第一種感染症指定病床で病床附属、専属の一定の検査ができる施設を備えるべきではないかという御意見だと理解をいたしました。こうした御意見が衛生部長会の中での議論だということでしたので、私どももその意見は踏まえた上で、何人かの専門家の先生の意見を聞きながら、これを検討させていただきたいと考えております。

 御指摘どうもありがとうございます。

○渡邉部会長 ほかに、何かございますか。

 今アビガンとか治療薬、またはワクチン等が来年1月あたりからいろいろ現場で試されるという報道等がされていますけれども、その辺に関して何か情報がありましたらお願いします。

○結核感染症課長 現在エボラ感染症に関しましては、世界的に正式に薬事承認をされた医薬品なりワクチンがない中で、幾つかの国、幾つかのメーカーが医薬品、ワクチンを開発中でございます。こうした開発中の医薬品、ワクチンの臨床試験は今、あるいは来年の初めぐらいからさまざまな国で行われ始め、早ければ来年の後半にもワクチンに関しては、量産体制に入ることができるのではないかということが、期待されている状況でございます。

 こうした各国が力を入れているといういいニュースとともに、こうした予備的な臨床試験の結果、幾つかの問題点も指摘をされるようになり、私どもとしても、その進捗状況を見守っているところでございます。

 こうした治療法の中で、特に日本の医薬品企業が開発をしたファビピラビルという医薬品に関しましては、メーカーのみならず政府としてもこの臨床試験を積極的に支援するという形で、来年から実際に現地国政府や他の国々とも協力の上、どのような形で臨床試験に取りかかることができるかということを検討中という段階でございます。

 以上でございます。

○渡邉部会長 ありがとうございます。

 ほかに御質問等はありますか。よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。

 続きまして、報告事項2の蚊媒介性感染症に関する小委員会の設置について、説明のほうをお願いいたします。

○福島課長補佐 10月8日に開催されました前回、第6回感染症部会におきまして、ことしの8月末に、約70年ぶりとなりますデング熱の国内感染事例が確認されたこと、その流行状況、厚生労働省、自治体の皆様がとられた対応について、御報告をさせていただきました。

 その上で、近年感染症対策の一環として、蚊の対策を行うことがまれとなっている現状の中、来年も同様にこういった蚊が媒介する感染症の国内感染事例が起こり得るということで、今後この蚊媒介性感染症について、どのように対応をとっていけばいいのでしょうかということで、先生方に御審議をいただきました。

 その結果としまして、こういった蚊が媒介する感染症につきまして、対策を統一的に進めるために感染症法の第11条に基づきまして、この蚊媒介性感染症を、特に総合的に予防対策に取り組むべき感染症というものに位置づけまして、予防の総合的な推進を図るための指針を策定すること。その指針の策定に当たりまして、この感染症部会の下に「蚊媒介性感染症に関する小委員会」を設置すること。この2点について、御了解をいただきました。

 小委員会の委員の選出につきましては、渡邉部会長御一任ということにさせていただいておりまして、それが資料3のほうに「蚊媒介性感染症に関する小委員会」の委員の先生方を御紹介しております。全部で11名の委員の先生方に御参加いただくことになっておりまして、委員長は感染症部会の委員でもあられます大石先生にお願いすることになっております。

 本日、この後、午後2時から第1回目の小委員会を開催する予定にしております。

 資料3をめくっていただきまして、裏側に今後の指針の策定のスケジュールを掲載してございます。

 本日、第1回の小委員会を開催した後、1月、2月に第2回、第3回の小委員会を開催いたしまして、この3回で指針の大体の案を策定していただくことになっております。その指針の案を3月上旬に予定しております第8回感染症部会のほうに御報告をいただいて、部会の先生方の御意見を伺った上で、パブリックコメント等の所要の手続を経た上で、4月中にはこの指針を告示させていただいて、来年夏の新たな感染症シーズンの前に、自治体の皆様と関係者の方々に準備していただくように、対応させていただきたいと考えております。

 事務局からは以上です。

○渡邉部会長 ありがとうございます。

 来年も、ことしと同じようことが起こる可能性もありますので、十分なる対応をこの指針に基づいてやれるように体制をつくっていただければ、ありがたいと思います。

 きょう用意しました議題は、これでおしまいですけれども、何か御意見がありましたら、よろしいでしょうか。

 ないようですので、本日予定した時間より大分早く終わりますけれども、これできょうの部会を閉会とさせていただきます。

 ありがとうございました。


(了)

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