ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(日本年金機構評価部会)> 第21回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録(2013年6月24日)




2013年6月24日 第21回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

○日時

平成25年6月24日(月)10:00~12:00


○場所

全国町村議員会館 2階会議室


○出席者

本田部会長、大山部会長代理、石井委員、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、西沢委員

○議題

平成24事業年度の業務実績報告書(案)について

○議事

○事業企画課長
 それでは、定刻になりましたので、「社会保障審議会日本年金機構評価部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、本日も大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、委員の出欠状況でございます。木間さんから、少しおくれるとのご連絡をいただいておりましたが、今、御到着されました。
本日はすべての委員に御出席をいただいております。
 なお、長沼委員におかれましては、一身上の御都合により、先般、委員の辞任願いを頂戴いたしました。6月18日付で本部会の委員をおやめになられましたので、この場をおかりしまして委員の皆様方に御報告いたします。
 事務局からは、以上でございます。

○本田部会長
 おはようございます。
 それでは、議事次第に沿って進めたいと思います。今、企画課長からお話ありましたように、長沼委員は今回退かれましたけれども、大変これまで熱心に御討議に参加されて、本当に心から感謝いたします。
 本日の主な議題は、「日本年金機構の平成24年度の業務実績報告書(案)」についてでございます。
 それでは、まず本日の部会の進行につきまして、事務局から説明をお願いいたしたいと思います。

○事業企画課長
 事業企画課長でございます。本日の部会におきましては、主な議題は、ただいま部会長から御紹介がありましたように、「日本年金機構の平成24年度の業務実績報告書(案)について」です。ただ、それに関連をいたしまして、平成24年度の国民年金保険料の納付率について本日公表いたしますので、これも併せて御説明をいたします。また、前回の部会におきまして、岩瀬委員よりお求めのあった時効特例給付と機構の覆面調査の関係、また以前に石井委員からお求めのありました各事業別の費用の内訳についても続けて機構より御説明いただきたいと存じます。
 では、よろしくお願いいたします。

○本田部会長
 「日本年金機構の平成24年度の業務実績報告書(案)」につきまして、日本年金機構より御説明をお願いいたします。
 なお、一通り御説明をいただきました後、内容が多岐にわたりますので、質疑応答につきましては、3回に分けて行いたいと思いますので、よろしく御協力のほどお願いします。
 それでは、御説明をお願いいたします。

○日本年金機構理事長
 それでは、お手元の資料、業務実績報告書(案)につきまして御説明をさせていただきたいと存じます。後ほど担当からそれぞれの項目につきまして御説明をさせていただきますが、私からは資料の「はじめに」の1ページから3ページに沿いまして、全体の概略を御報告させていただきたいと思います。
 1ページの中ほどより下にございますように、平成24年度は、機構発足以降のこれまでの取組経過を踏まえつつ、組織として一層の変革を目指す必要があるとの認識の下、年金記録問題の対応に加えまして、「基幹業務への取組強化」、「事務処理誤り等の削減」、「組織風土改革と人材育成」の3点を重点として、各般の取組を進めてまいったところでございます。
 年金記録問題への対応につきましては、年金記録問題工程表に基づきまして、計画的な業務処理を進めてまいりました。この結果、紙台帳等とコンピュータ記録の突合せ作業につきましては、当初予定より前倒しで進めることができております。また、厚生年金基金記録との突合せ等につきましても、工程表に沿って進めております。さらに「ねんきんネット」の充実を図りまして、1月末からは「気になる年金記録、再確認キャンペーン」を開始をしております。
 「基幹業務の取組」につきましては、国民年金保険料収納対策につきまして、後ほど厚生労働省年金局より説明があると思いますが、現年度納付率は59.0%とわずかながら前年度を上回り、長期低下傾向に歯止めがかかったと考えております。
 また、厚生年金保険事業におきましても、適用に結びついた事業所数や収納率などについて前年度を上回る実績を上げることができております。
 次に年金給付につきましては、一部を除き、サービススタンダードが前年度の実績を上回りました。しかしながら、先般、御報告をさせていただきましたとおり、時効特例給付に関する事案が発生したところであります。本件につきましては、調査結果を重く受けとめ、これまでに処理をいたしました時効特例給付の全件を対象に検証を行い、業務処理の不統一により、時効特例給付の追加支払い等が必要となるケースについて是正措置を講じますとともに、今後、業務処理の不統一が生じることがないように再発防止に取り組んでまいる所存であります。
 次に年金相談につきましては、年金相談窓口の待ち時間やコールセンターの応答率につきまして、対前年度実績を大幅に上回りました。
 また、お客様サービスの向上に向けましては、お客様の御意見をお聞きするさまざまな取組を行いまして、お客様向け文書の改善、研修を通じた接遇マナーの向上などに取り組んできております。
 また、「事務処理誤り」の再発防止やコンプライアンス問題につきましては、引き続き、問題事案の未然防止や再発防止に向けた役職員の意識改革に向けて取組を強化し、リスク管理意識・コンプライアンス意識を組織内に十分に浸透・定着させていくことが肝要であると強く認識をしているところでございます。
 「組織風土改革」につきましては、取組に4つの柱を掲げまして、各種の取組については、全国に展開をし、進めています。
 「人材育成」につきましても、管理職だけではなく、若手中堅職員にもマネジメント研修を実施するなど、各研修において工夫に努めてきております。
 以上、24年度業務実績概要について御報告をいたしました。詳細は担当より、御説明をさせていただきたいと存じます。

○経営企画グループ長
 経営企画グループの田中でございます。私のほうから資料について詳細に説明をさせていただきたいと思いますが、何せ大部な資料でございますので、かなり雑駁な説明になることをお許しください。
 まず、4ページでございます。「年金記録問題への対応に関する事項」でございますが、工程表に基づきまして、おおむね処理期限どおり目標を達成してきたと考えています。
 まず「(1)年金記録問題に関する未解明事案についての実態の解明作業」ということでございます。「ねんきん特別便」「ねんきん定期便」等に関しまして、本人から申出のあった記録の調査を行いまして、未統合記録の解明等を進めてまいりました。
5ページでございます。「(2)基礎年金番号に未統合になっている記録の統合・解明」でございます。
 1つは「持ち主検索作業」を進めまして、25年3月末までに受託事業者における作業を終了いたしました。
 また、2つ目の「○」でございますが、住基ネットとの突合せにより、「黄色便」を24年6月~7月に送付いたしました。
 5~6ページ、「受給者・加入者への年金記録の加入作業」でございます。6ページをめくっていただきますと、「○」のところでございますが、「年金記録確認のお願い」のはがきの中で「ねんきんネット」の「アクセスキー」をお知らせさせていただきました。
次に「(6)年金記録の訂正や再裁定後の支給等を迅速に行うための体制整備」ということで、これにつきましては、事務処理に精通した職員による事務処理体制を維持しまして、再裁定の平均処理期間でございますが、目標の2.5か月より0.3か月短い2.2か月ということになっております。
 7ページに評語がございますが、これらの取組を踏まえて着実に実施したということで「A」ということで評語をつけさせていただいています。
 飛んでいただきまして、13ページでございます。いわゆる紙・コンの突合せでございます。13ページ、3つ目の「○」でございますが、25年3月末を目途に進めることとしていた受給者に係る受託事業者における突合せ作業、これにつきましては、24年12月までにほとんどすべて終了させました。また、より年齢が若い方につきましても前倒しで突合せ作業を進めまして、25年度末までに50歳以上になる方については、25年3月までに突合せ作業をすべて終了しております。
 ページをおめくりいただきまして、14ページでございますが、実績としまして、昨年度の2,500万人を大幅に上回る約3,000万人の突合せ作業を実施したということで「S」ということで評価をつけさせていただきました。
 15ページから、「気になる記録の確認キャンペーンの実施」、あるいは「「ねんきん定期便」等々でございますが、「気になる年金記録、再確認キャンペーン」につきましては、ことしの1月31日から開始をさせていただいているところでございます。
 「ねんきん定期便」につきましては、2つ目の「○」でございますが、節目年齢以外の方にははがき形式で直近1年間の情報提供を行いまして、節目年齢の方には封書形式で全期間の年金加入記録に関する情報提供を行ったところでございます。
 16ページでございます。3つ目の「○」ですが、「アクセスキー」を発行いたしまして、これを記載した「年金記録確認のお願い」のはがきの送付を開始したところでございます。ユーザID取得数でございますが、平成24年度末時点で約166万人となりまして、記録照会件数は約335万件となっております。
 こうした取組に加えまして「ねんきんネット」の機能追加などがございまして、評語としては「A」ということでつけさせていただいております。
 18ページをおめくりいただきまして、「厚生年金基金記録との突合せ」でございます。これにつきましては、19ページでございます。下のほうの真ん中あたりに「○」がございますが、平成24年度でございますが、基金からの提出期限である平成24年10月まで受け付けた第1次審査分について審査をしました。また、提出期限を過ぎた11月以降に受け付けた分につきましても、第1次審査全体について97%について審査を完了いたしました。
 ページをおめくりいただいて20ページでございます。このように提出期限の直前及び提出期限後に大量の受け付けがあったにもかかわらず、目標どおり処理をしたということでございますので、評価としては「S」ということでつけさせていただいております。
 21ページからその他でございます。「年金事務所段階での記録回復の促進」でございますが、各種回復基準に基づいて記録回復を進めてまいりました。
 22ページでございますが、「基礎年金番号の正確性の確保」ということで、既に発生している重複付番の解消については、4項目一致の者を抽出して、重複付番の解消処理をするとか、23ページでございますが、こちらにつきましては、3項目一致の方について重複付番の疑いのある年金受給者について調査を行ったということです。
 24ページからは、「新規発生の防止」ということで、本人確認の強化を行いました。
 飛んでいただいて恐縮ですが、26ページでございます。このように、年金記録回復件数が大幅に増加したり、番号調査の疑重複整理番号の発生が減少するとか、着実に取組を進めたと考えておりますので、評語につきましては「A」ということで記載をさせていただいております。
 ページをおめくりいただきまして、28ページから、「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」という大きな項目の2つ目になります。
 まず、「適用事務に関する事項」ということで、1つ目は国民年金の適用事務でございますが、20歳到達者に対して、加入の届出勧奨を行いましたが、勧奨を行ってもなお届出がなされない場合につきましては、職権適用を行いまして、この結果、住基ネットにより把握した20歳到達者全員について加入手続を行いました。
 また、34歳、44歳到達者につきましては届出勧奨を行いました。
ページをおめくりいただきまして30ページでございます。今ほど申し上げましたような取組を着実に進めたと考えておりまして、評語につきましては「A」ということでつけさせていただいております。
 32ページから、厚年の適用の関係でございます。厚年につきましては、未適用の促進です。適用事業所の調査につきまして、平成23年度末時点で把握している未適用事業所を3年以内に半減するということを中期目標として掲げております。このため、行動計画を策定して、その中で18年度と同等以上の水準である重点的加入指導事業所数を目標に取組を進めてまいりました。
 この結果、重点的加入指導につきましては、昨年度1万5,420事業所、今年度2万3,361ということで、前年度を上回る実績を上げることができました。
 また、それぞれ32ページ、33ページ、未適の重点加入指導等々についての結果が記載しておりますが、35ページをお開きいただきますと、それぞれ行動計画に定めた目標を達成しましたし、35ページの一番下ですが、事業主からの適正な届出の促進につきましても着実に取組を進めたということでございますので、評語につきましては「A」ということでつけさせていただいております。
 次に、ページを飛んでいただいて43ページをお開きください。43ページから「保険料等収納事務に関する事項」ということで、まず国民年金の納付率の向上でございます。これにつきましては、43ページ一番上の「○」ですが、市場化テスト等々で、受託事業者との協力・連携の強化ですとか、免除等申請勧奨の着実な実施、強制徴収の厳正な執行といったことを基本として、行動計画に基づいてさまざまな取組を進めてまいりました。
 43ページから47ページまで取組の記載をしておりますが、48ページをごらんになってください。一番下に評語がついておりますが、「B」ということでつけさせていただいております。48ページの一番下でございますが、国民年金保険料納付率については、平成24年度の現年納付率は59.0%と前年度を上回ったところでございますので、「B」ということでございます。後ほど詳しい説明は、厚生労働省から御説明させていただくと聞いております。
 ページ飛んでいただいて60ページでございます。「厚生年金保険等の徴収対策の推進」ということでございます。これにつきましても行動計画を策定して取組を進めてまいりまして、1つは、60ページの真ん中あたり、口座振替実施率ですが、昨年度の実績82.7%が本年度は83%に、収納率につきましては、前年度98.0%が98.1%に。あるいは61ページの差押事業所数についても増加をしているということで、下のほうの評語でございますが、「A」ということでつけさせていただいております。
 71ページをおめくりいただければと存じます。71ページから「給付事務に関する事項」ということでございまして、まず目標といたしましては、「サービススタンダード」について、中期計画の最終年度の目標である90%にできるだけ近づけていくということでございます。
 これにつきましては、ページ飛んでいただいて恐縮ですが、76ページ、77ページに参考資料をつけさせていただいております。76ページをごらんになっていただきますと、「サービススタンダード」ですが、遺族基礎年金と障害厚生年金以外は目標を達成させていただいているところでございます。
 お戻りいただいて恐縮ですが、71ページの一番下にございますとおり、障害厚生年金でございます。59.3%で昨年度と比較してかなり改善したものの目標には達成してないのですが、3月単月で82.6%、今年度は何とか90%に近い数字になるのではないかと考えております。
 72ページ、「正確な支給」ということで、年金給付の支給誤りについて情報共有を図るため、研修等を実施いたしました。これら着実に取組を進めたところでございますが、先ほど理事長の説明にもありましたとおり、72ページの一番下からでございます。時効特例給付の業務処理につきまして、実態把握を行った結果、業務の不統一・不公平が生じていたことが判明いたしました。
 こうしたことも考えまして、74ページでございます。評語につきましては、例年「サービススタンダード」の関係で、給付事務に関することは「A」ということで評語をつけさせていただいていますが、「B」ということでつけさせていただいております。
 ページ飛んでいただいて78ページでございます。ここからは「相談、情報提供に関する事項」ということですが、まず「(1)年金の充実」でございます。これもページ飛んでいただいて恐縮ですが、87ページに資料をつけさせていただいております。「年金事務所の混雑状況の比較」という資料でございますが、これにつきましては、平成23年度、待ち時間の平均は1時間以上年金事務所:1か所、30分以上の年金事務所:27か所でしたが、平成24年度はそれぞれ0か所と12か所ということで、大変改善をしてきているところでございます。
 ページおめくりいただいて88ページでございます。こちらは「ねんきんダイヤル月別応答状況」ということでございますが、一番右の各月平均でございます。平成23年度は69.4%でしたが、平成24年度につきましては、82.8%ということで、中期計画の目標が70%ですから、1年前倒しで目標と達成をしたということでございまして、85ページにお戻りいただきまして、評語でございますが、今ほど申し上げましたとおり、大きく改善したということでございますので、「S」ということでつけさせていただいております。
 次に89ページから「(2)分かりやすい情報の推進」ということでございます。ページをおめくりいただいてページでございますが、これにつきましては、地域年金展開事業を24年4月から開始させていただいたところです。
 また、90ページ下の2つ目の「○」、「知っておきたい年金のはなし」、「国民年金・厚生年金被保険者のしおり」、「学生納付特例パンフレット」等々で周知を図っております。
 また92ページでございます。ホームページでございますとか、93ページ、「年金個人情報の提供の充実」で、「ねんきん定期便」、こうしたことをやっております。
 94ページでございます。今ほど申し上げましたさまざま取組を行っているということでございますので、評語としましては「A」ということでつけさせていただいております。
 95ページからは、「お客様の声を反映させる取組に関する事項」ということで、「お客様へのお約束10か条」の実現に努めてさまざまな取組を行っております。95ページ真ん中あたりに「お客様向け文書モニター会議の開催」ですとか、96ページでございますが、「年金事務所お客様サービスモニター会議」、97ページ「サービス・業務改善コンテスト」等々でございます。
 99ページをおめくりいただきますと、下のほうでございます。前回、御説明させていただきました「お客様満足度アンケート調査及び外部調査機関による年金事務所等の窓口調査・電話調査」、これにつきましても満足度は大変高くなっております。
 101ページでございますが、下のほう、こうしたさまざまな取組を行っているということで、評語については「S」ということで記載をさせていただいております。
 次に、117ページでございます。「電子申請等の推進に関する事項」ということでございます。これにつきましては、「新たなオンライン利用に関する計画」に基づき、さまざまな取組を進めているところでございます。
 118ページをおめくりいただきますと、評語でございますが、「B」ということで、電子媒体の申請の利用者が伸びなかったこともあって、電子申請の利用率は58.8%で、今ほど申し上げました計画の目標値を若干下回りましたので「B」評価ということにしております。
 119ページから大きな項目の「3.業務運営の効率化に関する事項」でございます。
 1つ目は、「効率的な業務運営体制に関する事項」について、まず業務の合理化・効率化、標準化を進めていくことでございます。119ページの一番上でございますが、業務処理マニュアルの改正や。研修を実施しました。下のほうですが、「事務処理誤り総合再発防止策」につきまして、昨年12月に改定してさまざまな取組を行ってまいりました。
 また、120ページでございますが、真ん中あたり、業務改善工程表及びシステム再構築工程表に基づいて、業務の合理化・効率化を図るための取組を進めてまいりました。
 また、121ページの真ん中あたりでございますが、23年4月に取りまとめられた「事務センター業務の当面の在り方について」を踏まえまして、届書のパンチ委託業務について、画像データ転送方式を導入いたしました。122ページでございます。こういった取組を行ったということで「B」という評価にしております。
 123ページから「運営経費の抑制等に関する事項」についてでございます。まず人件費についてでございますが、人事院勧告に係る給与改定、給与減額支給措置を実施しました。
 また、123ページの下の○2から124ページにかけてですが、一般管理費と業務経費でございます。一般管理費につきましては、中期計画期間内に22年度比で削減目標12%、業務経費につきましては、中期計画期間内に22年度比で削減目標4%という目標を掲げておるところですが、昨年度につきましては、この目標に向けて着実に予算等を削減したということで、評語につきましては「A」ということで記載をさせていただいております。
 126ページから「外部委託の推進に関する事項」ということでございます。右側の2つ目の「○」でございます。納付特例に関しまして、市場化テスト事業を行っておりますが、競争入札を実施いたしまして、10月時点で一部不落がございましたが、25年2月につきましては、全部の年金事務所で市場化テストを実施しているところでございます。
 4つ目の「○」で総合評価落札方式の活用ですとか、127ページの○3のところにございますとおり、業務の外部委託の契約につきましては、サービス品質に関する合意(サービスレベルアグリーメント:SLA)をすべての契約について締結するなど、さまざまな取組を行っているところでございまして、128ページに評語がございますが、「B」ということでつけさせていただいております。
 129ページでございます。「社会保険オンラインシステムの見直しに関する事項」ということでございますが、「公的年金業務の業務・システムの最適化計画」の基本的な理念に沿って、見直しに取り組んでいるところでございます。
 130ページでございますが、基本設計補完工程の着手の向けて、厚生労働省と調整を進めてきたということで、評語につきましては「B」ということでつけさせていただいております。
 131ページ、「その他業務運営の効率化の取組に関する事項」でございます。契約の競争性・透明性の確保、コスト削減、調達手続の適正化に努めるということでございますが、131ページの2つ目の「○」でございます。競争入札件数の占める割合は61.8%ということになっておりますが、複数年契約、企画競争、競争入札した後の不落随意など、いわゆる競争性のある契約の割合につきましては83.6%ということで、80%を回っているところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、132ページの○3でございますが、調達計画額の10%以上の削減を目指すということでございましたが、削減率といたしましては、17.4%ということで目標を超えました。したがいまして、133ページにございますが、自己評価につきましては「B」ということで記載をさせていただいております。
 134ページから「内部統制システムの構築に関する事項」についてです。1つ目は組織風土改革。135ページ、リスク管理とコンプライアンス確保。あるいはページを飛んでいただきまして事務処理誤り等々についての記載がございますが、144ページに評語がございますが、組織風土改革につきましては、着実に実施をしてきたところでございますが、コンプライアンス関係について、2つ目の「○」、「未だ情報管理やコンプライアンスの観点から問題のある事案に事務処理誤りが発生していまして、全役職員にリスク管理意識とコンプライアンス意識が十分に浸透・定着したとは言えない状況」だということでございます。引き続き、さまざまな取組を行いまして、リスク管理意識、コンプライアンス意識を組織内に十分に浸透・定着させていくことを考えております。
 また、144ページの一番下でございますが、先ほど申し上げました時効特例給付業務における業務の不統一・不公平ということもございました。これらさまざま総合的に勘案しまして、評語としましては「C」ということでつけさせていただいております。
 147ページをお開きいただきますと、「情報公開の推進に関する事項」ということでございます。これにつきましては、例年でございますが、昨年度の3回目の「アニュアルレポート」を9月に発行いたしました。
 148ページでございますが、年金記録問題への対応に関する情報、事務処理誤りに関する対応、こうしたことを逐一情報提供を行ってまいりましたので、評語につきましては「A」ということでつけさせていただいております。
 151ページから「人事及び人材の育成に関する事項」ということでございます。これにつきましては、機構の人事方針に沿って定期人事異動を行いますとか、151ページ真ん中、2つ目の「○」ですが、年金事務所長登用試験あるいは管理職登用試験を実施しまして、25年4月には年金事務所長42人、管理職110人を名簿登載者から登用いたしました。
 また、正規職員の登用につきましては、有期雇用職員から登用を行いまして、24年7月には280人を正規職員に登用したところでございます。
 ページをおめくりいただきまして152ページ目以降153ページでございます。人事評価につきましては、さまざまな取組を行っており、満足度も高まってきているところでございます。人材の育成につきましては、「管理職研修」、「中堅研修」のフォローアップ研修ですとか、153ページの一番下、マネジメント研修について、「管理者研修」、「中堅職員研修」を前年度と同様に実施いたしました。
 ページをおめくりいただいて154ページでございます。3つ目の「○」でございます。内部資格認定試験を平成25年3月に実施いたしました。2,033人が受験いたしまして、1,693人が合格となっております。
 ページ飛んで157ページでございます。下のほうに表がございます。今ほど申し上げました取組を着実に実施してきたと考えておりますので、評語につきましては「A」ということでつけさせていただいております。
 159ページでございます。「個人情報の保護に関する事項」でございます。これにつきましては、159ページの下のほうでございますが、誤送付防止が昨年度も多くございました。このため、複数人チェックの方法について、従来より厳格化したということで、具体的には160ページの一番上でございますが、1回目の確認者が封筒に押印をして、さらに2回目の確認者も押印するとういことで、複数人チェックの実効性を確保することといたしました。
 160ページの一番下、個人情報の漏えい・減失・き損の件数ですが、機構職員による意図的な個人情報の漏えいはございませんでしたが、平成24年度は320件と昨年度よりは増加いたしました。このうち、誤封入・誤送付によるものが257件ということでございまして、161ページにございますが、今ほど申し上げましたとおり、誤封入・誤送付につきまして、複数人チェックの厳格化を25年3月に行いましたので、評語につきましては昨年度は「C」でしたが、こうした対策を講じたということで、今年度につきましては「B」ということでつけさせていただいております。
 162ページでございます。「予算、収支計画及び資金計画」でございます。これにつきましては、162ページの一番下のほうに記載してございますが、調達コストを低減したことにより効率化できた執行額、予算全体で165.6億円ということで、着実に削減に努めたということで、評語につきましては「A」ということでつけさせていただいております。
 以上、雑駁で大変恐縮でございますが、実績報告書についての説明につきましては以上でございます。

○事業管理課長
 引き続きまして年金局事業管理課でございますが、お手元の「平成24年度の国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」という資料を束で5種類のものを含んでございますが、それについて御説明申し上げます。
 表紙はプレスリリースでございますので、説明は省略させていただきまして、お手元の資料1がコンパクトにまとめた概要になっておりますのでお開きください。表紙の裏側のページになりますが、「平成24年度の国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」ということでございます。平成22年度分の最終納付率は64.5%で、平成22年度末時点と比べて+5.2ポイントを確保したということでございます。
 それから、下のほうに書いてありますが、平成23年度分(過年度1年目)の納付率につきましては62.6%。平成24年度の現年度分の納付率は59.0%で、対前年度比で見ますと+0.3ポイントということになってございます。年金事務所ごとに見ましても、都道府県別に見ましても前年度よりも上昇しているという結果が出ております。平成24年度現年度分の納付状況を特に詳しく見ますと、翌月末という納期期限内納付の分についてはまだ依然として上昇してないのですが、その翌月末を過ぎてから納めていただいている方が増加していることが分析できまして、したがいまして、そういう結果をもとに納付率下げ止まりの要因として、特別催告状による納付督励や年金事務所と市場化テスト受託事業者の協力・連携による納付督励といったものが一定の効果を上げたのではないかと考えております。
 平成25年度の収納対策の主な取組といたしまして、引き続き未納者の属性に応じた収納対策の徹底・強化ということで、所得の状況や納付状況などに応じまして強制徴収を実施したり、若年者には保険料の免除などを始めとして納付督励を行っていくということでございます。
 次のページには、被保険者属性ごとの取組ということで、図の上のほうに、第1号被保険者全体と、左から未納者、全額免除者、保険料納付者、保険料納付者の中でも口座振替の方、クレジット納付いただいている方、納付書で納付していただいている方いらっしゃいますけれども、そういったそれぞれの属性に応じまして、ここに掲げておりますような市場化テスト受託事業者からの納付督励ですとか、年金事務所からの強制徴収の実施等々を講じていくということを考えております。
 今の資料1が概要でございましたが、資料2が本体資料になっておりますが、恐縮ですが、説明重複する部分を省略させていただきまして、5ページをお開きください。5ページに「日本年金機構の中期計画及び平成24年度の年度計画との関係」ということで記載をさせていただいております。
 上のほうはそれぞれ目標を記載しておりますが、5ページの真ん中より下の矢印の下のところに達成状況を書いてございまして、平成22年度の最終納付率64.5%につきましては、22年度末との比較で見ますと+5.2ポイントとなってございますので、中期計画における目標は達成しましたが、年度計画の目標+5.5ポイントは達成できていないということでございます。
 それから、平成23年度の24年度末における納付率は62.6%、平成23年度末と比べますと+3.9ポイントということでございます。目標値は4.0ポイントアップということですので、4.0と3.9ということで、年度計画の目標をほぼ達成したと言える水準を確保したと考えております。
 平成24年度の現年度納付率59.0%ということは、7年ぶりに納付率の上昇にはなっておりますけれども、低下傾向に歯止めがかかったということでございますが、年度計画の目標である60%台の回復というところは達成できなかったということで考えております。
 納付率につきましては以上でございます。

○日本年金機構理事(全国一括業務担当)
 私、全国一括業務部門を担当しております松田です。引き続き、前回の会議で御指摘のあった点等について説明をしたいと思います。まず、私からは「時効特例給付の業務実態等について」ということで、ゼムクリップでとめた一連の資料があると思いますけれども、資料ナンバーはついておりません。それをちょっとごらんいただきたいと思います。
 時効特例給付については、前回、調査の結果、再発防止の対策について説明いたしたところですけれども、委員のほうから、どのような点に問題があったのかということで宿題をいただいておりましたので、この点を中心に整理をしております。
 表のまず1枚目をごらんいただきたいと思いますけれども、この業務の不統一については、前回も説明しておりますけれども、外部の弁護士さん等をメンバーにした調査委員会で不統一が判明をしたわけですが、この調査委員会では、その背景、要因についても確認、分析をされております。
 調査委員会で挙げられておるのは、大きく言いますとこの4点でございまして、まず1番目は、時効特例法にかかわる問題でありますけれども、まず、この法律、議員立法になっておりますが、解釈上の問題ということで、時効特例給付の支給要件というのは、記録の訂正、その上での裁定というのが要件になっております。実際の個別事例に当てはめる際に解釈の余地が大きいということ。それから、平成19年7月6日に施行されておりますけれども、成立したのが約1週間前の6月30日ということで、そもそも議員立法であったことに加えまして、施行までがほぼ同時ということで、準備期間も乏しかったという経緯が認められることが指摘をされております。
 2点目でありますけれども、これはまさに処理をするに当たっての基準、これはQ&Aという形で、個々の具体例等について、こういったものを用意しておりましたけれども、処理基準類の整備が不十分ということ、疑義があった場合に機構内部の関係部署なり、年金局に照会するという形で、その回答を受けて対応しておるわけですけれども、これも有効な方策とはなっていなかった。それから、処理方針についても、メールベースでやりとりをしているようなこともありまして、周知徹底も不十分ということが指摘をされております。
 3点目としまして、処理した個々の事案について、事後の点検が配慮されてないということが指摘をされております。
 それから、4点目としまして、監督官庁であります保険庁の時代で言いますと、年金保険課、機構になりましてからは事業管理課になりますけれども、指導監督官庁のほうも進捗管理に主たる関心を向けておりまして、積極的に問題の有無を確認する、こういう対応ができていなかったということが指摘をされております。
 調査委員会では、こういった点が指摘をされておりますけれども、こういった要因、背景に加えまして、私どもとしましては、この時効特例給付、審査、支払いについては本部で処理をしておりました。通常、年金事務所でやります事務処理につきましては、全国的に業務の統一を図る必要がありますので、こうした観点から、特にマニュアルの整備や疑義照会の充実ということは十分留意しながら取り組みを進めておりましたけれども、時効特例給付業務については、少し甘さがあったわけでありますけれども、現場に任されていた実態ということで、マニュアルの整備等が徹底しなかったということが考えられます。
 それから、最後の「○」に書いておりますけれども、平成19年に時効特例制度が施行されたわけですけれども、「※1」に処理件数書いております。(19年度)29万件、(20年度)37万件、(21年度)100万件を超えるということで、処理件数も急速に増加をしております。
 これに伴いまして、処理をする人員体制も整備したわけですけれども、「※」の2つ目に書いてあります21年度末は処理体制としての職員数は46人であったものを、22年度末に103人まで増やしておりますが、これは主に地方の職員を集めて人員体制を確保したという経緯がございます。こういったことから、周知徹底も必ずしも行き渡ってないということが考えられるのではないかと思っております。
 次に裏面をごらんいただきたいと思います。まず「職員からの問題提起の経過について」、これは調査委員会の調査報告にかなり詳細に整理をされておりますけれども、ポイントは、まず最初に、24年1月に職員から、担当室内で問題提起があって、その後、室内でもいろいろ話し合い等もやってきたわけですけれども、その後、「理事長への声」の投稿が7月にあったということであります。この「理事長への声」の投稿を組織的な不正についても通報制度を創設あるいは対象とすべきということでの投稿があったわけであります。それから、8月になりましてから、法令等違反通報制度への通報があったということです。その後、11月になってから外部になりますけれども、監視委員会の委員長等への情報提供があったという経緯でございます。
 調査委員会におきましては、「理事長への声」あるいは法令違反通報制度、この制度との関係では、特段対応について不当・不適切なことはなかったというふうに整理をされているところでございます。
 しかしながら、職員の問題提起以降、それを酌み取れず、時間もかかり、最後には外部の業務監視委員会にも情報提供がされたということでございまして、十分な対応ができてなかったということで、やはり組織としてのガバナンスの不足、職場内の風通しの悪さがあったものと考えているところでございます。
 今後の対応については、前回も説明しておりますけれども、まずは全件を対象にしまして検証するということでありまして、検証の結果、是正対応が必要なものについてはきちんと是正をすることと、こういったことが二度とないように、再発防止に取り組むということを考えております。特に業務面につきましては、処理基準の整備、明確化、審査体制についても改善を行いたいと考えております。
 それから、職員の問題提起をきちんと受けとめられなかったということでありますけれども、こういった点につきましては、問題意識を常に持ちながら、職員に真摯に向き合って風通しのよい職場環境になるように取り組むということで考えているところでございます。
 時効特例給付については以上でございます。

○日本年金機構サービス推進部長
 それでは、次に前回の評価委員会で御依頼のありました「平成24年度外部調査機関窓口等調査について」ご説明したいと思います。資料につきましては、今ほど説明させていただきましたゼムクリックのついております次のところです。ホチキス止めをしてある資料になります。
 まず○1としまして、今回調査を依頼いたしました企業は、株式会社インテージリサーチ(資本金4,000万)でございます。こちらにつきましては、平成24年度に実施いたしました一般競争入札(総合評価落札方式)によって複数年度契約をさせていただきました。 平成24年度及び平成25年度(来年)も2年間の契約をしております。
 こちらの会社は、親会社が株式会社インテージといいまして、東証一部上場の会社の100%グループ会社でございます。ちなみにインテージリサーチさんの過去の受託実績でございますが、ゆうちょ銀行さんや、全国健康保険協会さんにつきましても、このような覆面調査を依頼されていると聞いております。
 ○2でございますが、今回の契約金額は、単年度におきまして、約930万円、複数年度ということで約1,860万円の契約をしております。
 ○3の、調査対象箇所は、年金事務所が312か所、こちらにつきましては、年金相談窓口、国民年金窓口につきまして、窓口調査及び電話調査を実施いたしました。また、51か所の街角の年金相談センターにつきましては、年金相談窓口に対して窓口調査を行いました。
 ○4の実施方法は、調査員数が全国で161名の調査員を使っていると聞いております。また一人当たりの調査対象事務所でございますが、2~20事務所、平均では調査一人当たり2~3事務所を担当したことになります。窓口調査時におきましては、年金事務所訪問の証拠としまして封筒、名刺、及び被保険者記録照会回答票などの訪問した事務所の事務所名が記載してある印刷物を回収しております。原則、窓口調査を行った調査員が窓口調査を行った事務所に対して電話調査も行いました。また、調査員は現地採用を基本としまして、居住地の近隣を調査するというのを原則としております。
 (注)でございますけれども、調査品質を確保するため、調査開始前に全国の14拠点におきまして、調査方法・質問の仕方等について、私ども機構職員立ち会いの下に、調査員に対する研修を行いました。
 御参考までに、次のページ以降に調査票のサンプルを添付しております。こちらにつきましては、調査名簿順番の一番最初の札幌東事務所を添付しております。また、御依頼のありました調査原票全部、こちらにつきましては、後ろのほうを見ていただきますと、文書保存箱というのがございますが、そちらのほうにすべてお持ちしてありますので、本日ごらんになっていただくことができますので、適宜ごらんになっていただければと思います。
 以上でございます。

○日本年金機構財務部長
 引き続きまして、4月の評価部会で石井委員から御指摘がありました各事業別の費用別内訳について、まだ未熟なところもございますが、現時点の調べた結果を御報告したいと思います。資料は今のゼムクリップで綴じられているものの中の一番下にカラーのグラフの入っている一枚紙をごらんいただければと思います。
 一枚紙の資料、裏と表、両面になっておりますけれども、グラフでないほうの面をごらんいただければと思いますが、こちらが22年度、23年度、24年度のそれぞれの決算の数字につきまして、各年度ごとに決算ベースの数字を上からそれぞれ記載しております。それぞれの年度の資料につきまして、縦軸のほうで事業別、保険事業経費の中の国年・厚生、国年・厚年といった並び、横軸のほうで費目別の人件費、雑給、外部委託費等々の費目別の経費を示しております。
 数字といたしましては、こういうことなんですけれども、これは非常にイメージがわきにくいところもございますので、反対の面、グラフの書いてある面をごらんいただければと思います。グラフにいたしますと、細かい具体的数字が見えにくい部分もありますが、大まかな数字の動きとしてはこのようになっております。このグラフですが、左側が事業別の区分、右側が費用別をあらわしております。それぞれ22、23、24年度というふうな推移になっているところであります。
 なお、下の注の「※1」のところにありますように、事業別費用のうち一般管理費と年金記録問題対策経費、グラフでいうと下の2つの区分ですけれども、こちらが税財源、年金相談等経費、システム経費、保険事業経費は保険料財源でございます。
 それから、右側の費用の内訳別のところですが、一番上のほう、その他には、土地・建物借料、印刷・製本費、電子計算機等借料、旅費などが含まれております。
 これを見てどういうことがわかるかということですが、その例として、一番下の文章で〈増減の主な要因〉というところで2つほど挙げさせていただいております。
 まず、全体の総額の推移でございますが、これはごらんいただいたとおり、(22年度)2,592億円、(23年度)2,963億円、(24年度)2,915億円となっておりますけれども、この動きの主な要因としては、記録問題対策経費の中の紙台帳とコンピュータ記録の突合せ作業に係る役務費、いわゆる委託費の増減というところでありまして、こちらが22年度、23年度、24年度にそれぞれ163億、555億、441億というふうに変遷したところが大きいところでございます。これは記録問題対策経費における雑役務費の一部となっております。
 もう一つ、例を挙げさせていただきますと、通信運搬費の増減。これはグラフでは通信運搬費、右側の費用の内訳別のところ、それほど大きな数字の違いは見えないのですが、後で裏のほうの通信運搬費のところを見ていただくとわかるかと思いますが、数字で言うと277億、254億、260億というふうに、22年度、23年度、24年度というふうに変化をしております。これが、まず22~23年度に18億ほど減っております部分につきましては、22年度に限り厚生年金受給者等への標準報酬月額の情報を含むお知らせが、22年度までで終了して、23年度にはなくなったということが大きな要因でございます。
 それから、24年度に、254億から260億と6億ほどですけれども、増加した要因としては、「ねんきん定期便」のはがき化等により郵送費が減少する一方で、後納制度のお知らせ送付、国年納付勧奨の送付、年金記録問題再確認キャンペーンの送付等の増要因がありまして、差し引きしますと6億ほどの増加になったというところがあります。
 雑駁でございますが、以上です。

○本田部会長
 それでは、ただいまの説明内容につきまして、まず資料の1ページから27ページまでの「はじめに」及び1番目の「年金記録問題の対応に関する事項」につきまして、御質問なり御意見をお願いいたしたいと思います。

○斎藤委員
 全体的なコメントですが、個別に見ると非常によくやっていらっしゃって、頭の下がる努力をしていらっしゃることはよくわかります。が、一国民の視点から見ると、年金機構ってそんなにいろいろやっていたのかなという感じを受けます。記録問題であるとか、サービススタンダードであるとか、機構の中で、自分たちで努力できるもの、事務作業、そういったものは非常によくやっていらっしゃるというふうに思います。
 ところが納付率や、徴収適用など相手のいるところ、民間企業ですと、顧客に対する営業といったところかと思うんですが、そういったところが弱い。つまりコミュニケーション能力が余り高くはないというふうに言ってよろしいのかと思います。電子申請の推進をしているといっても、まだ利用率は非常に低いといったところを考えますと、営業力を強化する努力、国民に対するコミュニケーションの努力がまだ足りないのではないだろうか。
 ということで、国民から受ける評価は多分辛口になるだろうと思います。個別に評価をしていくと、「A」、「S」というのは全部納得するところではあるのですが、ユーザーからすると、全体的に甘い評価を下していると言われるおそれが高いように思います。ですので、今後、この営業に当たる国民に対するコミュニケーションを強化し、国民を動かして納付をしてもらう、適用してもらうといったような業務をこれから強化していただきたいと思います。

○本田部会長
 ありがとうございました。ただいまのは御意見ということで。機構のほうも、よく今のご意見を踏まえながらご努力をお願いいたします。あと、ほかの委員の方、ありませんか。ただ今の発言は、全体的な話でしたが、できれば、先ほど申しましたように、1番目と記録問題について御意見があったらお願いいたします。石井委員。

○石井委員
 評価と直接かかわりがあるかどうかは別にして、お願いしました資料をきちんと提出していただいてありがとうございました。私の御依頼した資料の中でごらんいただくとおわかりのように、年金記録問題対策経費というのが年度によってかなりぶれますけれども、22年度約500億、23年度900億、そして24年度見込みで775億ということになっております。
 ちょっと確認なのですが、この問題、結局いつまでで終わるのでしたでしょうかということと、このデータを拝見すると、年金記録問題対策経費の中の人件費というところがございまして、人件費というのは直接雇用して払われている給与等かと思うんですけれども、これは先ほどのお話にございましたように、税財源で対応されているということなんですけれども、この問題、どこかで完全に終息してなくなるということだと思うんですが、なくなったときに、人件費というのはどうなるのか、とても単純な疑問もありまして、そのあたりについてお答えいただけると助かるなと、よろしくお願いします。

○本田部会長
 機構のほうからお願いします。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 記録問題を担当しております理事の矢崎でございます。まず1点目の記録問題の今後の見通しということでありますけれども、記録問題については、機構ができましてこの4年間、ことしが最終年度になりますけれども、この4年間で集中的にやりましょうと、こういうことであります。記録問題対応のツールというのは、まさにこの実績報告書を読んでいただければわかりますが、いろんな特別便とか各種便をお送りして、その答えに基づいてお客様の申出による記録を探しておりますが、これはだんだん終息しています。ただ、これについて、実際各種便によらず、支給開始年齢になったときに、窓口に来られて、「昔、こういう記録があったはずだ。」という話は当然ずっと残りますので、それは今後とも対応していくということになります。
 あと、大きなところですと、いわゆる紙とコンピュータとの突合、それから厚年基金との突合、これは非常に大きな事業でございます。これも先ほど御説明しましたように、まず紙とコンピュータの突合というのは順調に進んでいまして、これは大きく分けると業者に委託する工程と、最後職員が行う工程とがありますが、業者に委託する部分は多分ことしの秋ぐらいまでに順次終わっていくということであります。工程表上、ことしの紙コンの目標は、御本人に原則3月末までに御連絡するというのを目標にしています。処理困難なケースは遅れるかもしれませんが、原則3月末までに御連絡するというのが大目標であります。ただ、御本人のほうにお知らせしても、御本人からの返答というのはすぐには来ませんので、それは来年度も逐次、御本人から返事が来るのに従って対応していくということになります。基金との関係もそんな感じでございます。
 ということで、要約しますと、コスト的にも大きな紙とコンピュータの突合というものについては、まず今年度で大体目鼻がつくだろうと思っております。人件費の扱いについては財務部長からお答えします。

○日本年金機構財務部長
 お示ししております資料の表のほうの面をごらんいただければと思います。今、石井委員ご指摘あった、例えば24年度のところを見ますと、記録問題対策経費が775億、一般管理費が978億となっておりますが、そのうち機構の人件費というのは、一般管理費の最初のほうのところに、人件費ということで846億7,000万円というのがございます。こちらにおいて、機構の例えば本部の記録問題対策部の正職員の人件費等、846億7,000万というところに入っております。それに対しまして、機構発足後、記録問題を特別に対策として実施するために准職員を特に記録問題対策ということで採用しております。そのための人件費がその上にございます158億1,000万円という部分でございます。
 今、矢崎理事のほうから御説明ありました記録問題対策経費のほうの例えば紙台帳・コンピュータ記録の突合せが一番右側のほうの雑役務費のほうなどに入っておりますが、これは物件費的な経費及び記録問題対策のために特別に手当てされた准職員の人件費というのが記録問題に入っているということでございまして、その記録問題に特に着目した経費という意味では、どういう事業展開になるかというのは、今、矢崎理事から御説明あったような工程感で今後進んでいくのではないかと考えております。

○本田部会長
 よろしいですか。

○石井委員
 ということで、ここに書いてある、今の対策経費のみに限定をした場合に、それでは26年度、27年度、28年度、29年度というふうにして、大変難しいと思うんですが、予算というようなもののイメージはあるのかどうかということも含めて、イメージがよくわからないところがあるものですからお聞きしたということなんですけれども、多分この問題は、全体的にはある段階で総括をされて、一体この問題にどれほどのコストがかかったのかというようなこともきちんと御報告をいただけると思うんですが、最終的にまだ数百億かかっているものが、3年後には数十億というようなイメージぐらいまで収れんしていくのかというようなことがちょっと気になるかなということで発言をさせていただきました。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 当然ながら、26年度予算要求はまさにこれからつめて9月に概算要求を出していくわけでありますが、趨勢的に言えば、おっしゃいますように、事業縮小に伴って縮小していくという性格のものもあると思います。トータルのコストがどれだけかかって、どれだけの成果があったかというのも重要な論点かと思いますが、これは別途、記録回復委員会でも議論されておりまして、昨年の4月時点までのコストとパフォーマンスは昨年7月にオープン資料として、お出ししています。また今後、最終的には記録特別委員会のほうでは、来年3月末に報告書をまとめられるということでございますので、その中でもそういった分析も多分していくことになろうと思います。

○本田部会長
 ほかに何かございますか。
 それでは、続きまして、資料の28ページから118ページまでの「2 提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」につきまして、御質問・御意見等、よろしくお願いいたしたいと思います。西沢委員。

○西沢委員
 私は32ページの厚年適用のところに関して意見などを申し上げたいと思いますが、今回、理事長、冒頭おっしゃいましたけれども、国年の納付率は59%になって7年ぶりにプラスになったというのは、これは私、0.1でも0.2でも0.3でも画期的だと思うんですね。ですから、これは画期的なことかなと思って評価できると思いますし、関連して、厚年に関してもかなりボリュームをかけて書いていただいて、厚年に関しても適用、徴収について力を入れられているのはよくわかります。
 厚年と国年の関連をお伺いしたかったのは、厚生年金の適用強化と徴収をやると、恐らく国民年金にいい影響があるのではないかと思うんですね。厚生年金からこぼれると国年に落ちて、その人が未納付の要因になっているのではないかと思うので、厚年適用することによって国年の納付率にいい影響を与えるのであれば、そういった関連についても教えていただきたいということがあります。
 それとページを飛びまして、話題が変わりまして、85ページのコールセンターの応答率で「S」がついていますけれども、これは年間の応答率で評価されていると思うんですが、これは意識されているのか、されてないのかわかりませんけれども、月ごとの平準化率といったものも重要かと思います。それは、今、意識されているのか、意識されていなければ、今後の課題なのか。年間通して応答率は幾らというよりも、月ごとにばらけているといったことが業務の効率化の上で重要だと思いますので、そこも意識されているかどうか、今後の課題なのかどうかを教えていただきたい。
 もう一つ、申しわけないですけれども、123ページもよろしいのでしたか。123ページで人件費のことについて書いてありますが、これは年金機構の方に申し上げたこともありますけれども、毎年人件費を削減していくといつか限界が来ると思うんですね。業務が残っている以上。ですので、業務の質・量との兼ね合いの中で評価されるべきであって、例えばここに一文入れるとしましたら、業務の質・量を落とさずに人件費を削減できましたというふうに書くべきであって、常に業務の質・量との兼ね合いの中で評価していただく。そうしないといつか限界が来ますので、業務の質が落ちて人件費が減っても意味がないですし、業務の量がふえれば費用がかさむのは当然かと思いますし、そういった意識で書いていただくといいかと思います。
 以上です。

○本田部会長
 今、3点ございましたけれども、3点目は次の。

○西沢委員
 次ですか、失礼しました、済みませんでした。

○本田部会長
 今の1点目、2点目、何か機構のほうから。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 まず1点目でございます。ちょっとデータ自体は持っていませんので、もう少し分析して、また御報告したいと思いますけれども、おっしゃられるとおり、厚生年金がかなりアップしていきますと、実際に失業という状態で国民年金に来られた方が就職してそちらに上がって行ったりしますし、また、実際にも年齢別に見ても、若い人たちが働く機会がふえていくということですので、そういった面に伝わっていくとかなりの部分、国年にとってはプラスになると思っております。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 コールセンターの関係のお尋ねですが、88ページをごらんいただきたいと思います。各年ごとで月別のデータですが、何度か御説明していますように、うちのコールセンターの特質というのは、通知が出たときにわあっと集中するという特性を持っていまして、その点で月別の変動というのは避け得ないものだと思います。特に例えば6月ですが、年1回の振込額の通知を出すわけですが、これが例えば24年度の6月というのは年金額のマイナス改定ですから、当然お尋ねが多かったところであり、25年度でいきますと、通知は出しているのですけれども、ことしの今の状況ですと、物価がプラスマイスゼロで年金額変動はないので、余り応答率は低くなってないというような状況でございます。
 ということで、もちろん目標自体は年間の数字でありますが、当然各月ごとといいますか、どの月でもそうでありますけれども、なるべく応答率は高めようということです。こういった通知が出る際も、昔は短期で集中的に通知を出していましたので、そのほうが郵送料安いのですけれども、そのためにコールが殺到してつながらないと、また、コールがコールを呼ぶということになっていましたので、今ではある程度期間をとって分散して通知がお手元に届くようにする、そうするとコールが一時に集中しないという状況を作っていきます。
 それから、もう一つ、混雑ガイダンスなどもきめ細かく、何日の場合は何日ぐらいならあきますとか、コールセンターの応答率をうちのほうで見ながら、ガイダンスもきめ細かく変更するといったようなこともやっています。そういったいろんな努力で通知が出ると応答率は下がらざるを得ないのですが、通知の中身をわかりやすくするという努力もしてなるべくコール自体が減るようにして、なるべく応答率を高めるような努力をしているということであります。

○本田部会長
 よろしいですか。

○西沢委員
 はい。

○岩瀬委員
 「給付事務」についてと「お客様の声を反映させる取組に関する事項」についてお尋ねしたいのですけれども、給付事務の評価を「B」にしたのは、時効特例法の関係できちんとした給付ができなかったということだと思うんですが、これは本部の事務だけではなくて、尼崎年金事務所等地方の事務においてもきちんとした対応ができてないのではないかという気はするのですけれども、その点についてお考えをお聞きしたいというのと、もしそれができてないのであれば、この「B」評価というのはもう少し厳しくしてもいいのかなというのが1点目です。
 それともう一点、時効特例法の実態について教えていただきたいということに関して、きょうペーパーをもらいましたけれども、これだと機構の内部評価を行った結果を報告していただいたということにならないのではないかと思いますので、なぜQ&Aがつくられなかったかとか、事務処理が、事務所マニュアルというのをきちんと整備すべきはずなのに、時効特例ができてから6年間手つかずで今日まできたのか。どこに責任があったのか、なぜそれをやらなかったということをきちんと検証していただかないといけないのではないか、その点をお聞きしたいと思います。
それと「お客様の声を反映させる取組」として、覆面調査をして、その覆面調査の結果の数字がすごくいいということで十分できているという主張だと思うんですけれども、覆面調査自体の調査の客観性とか、分析結果の真実性に関して非常に疑問を持っていますので、エビデンスを出してほしいと前回言ったのですが、出ていない。きょうあれを(文書保存箱)持ってきて、あれをここで見ろといっても無理ですよ。そういうのはきちんと整理して出すのがごく普通だと思うんだけれども、それすらやらないというのはどういうことなのかというのが1つですね。
 14か所について、拠点で説明をしたと書いていますけれども、14か所に161人集めてやったのか、やらなかったのか。これだとわからないので、その辺もはっきりさせていただきたいのと、あと窓口調査をした人と電話調査した人が原則一致しているというのも、これはちょっとおかしい話で普通は分けるべきだと私は思います。この調査票を見ても、封筒があったと書いていますけれども、現物はついてないし、そもそも調査票を見ると名刺をもらったということになっているのに何で名刺をつけないのか。
 さらに言えば、こういう調査をすることの意味が私はわからないんですけれども、こん簡単な質問をして、回答が全部できているから100%だというのは、お客様の10か条をチェックするというためにこれをやったと書かれていますけれども、お客様10か条のチェックになるのかどうか。この辺、ちょっと教えていただけませんか。

○本田部会長
 今、2点ありました。まず給付のほう。

○日本年金機構理事(全国一括業務担当)
 給付関係について評価の関係で御質問いただきましたけれども、今回、評語としては「B」ということで整理をしておりますけれども、これは記載のとおり、サービススタンダードについてかなり改善してきていることと、それから時効特例給付の要素を加えて「B」という評価にしております。
 御指摘の尼崎の事案についても、そこはよく確認をした上で整理をしたいと思っています。
 それから、時効特例給付の関係でマニュアル整備ができていなかったということで、これは本当に我々は反省すべき点で、検証ということをおっしゃられましたけれども、これは調査委員会のほうでも確認はされていますけれども、要するに制度発足当初、19年時点でQ&Aというものは作っていましたけれども、これは具体的な個別ケースについて対応ができるようなものになってなくて、これは先ほども申し上げましたけれども、本部にある程度ノウハウ的に自分たちの整理をしてきたものを使いながらやってきたという現実だろうと思います。これは本当に反省すべき点であって、これは今後の話になりますけれども、きちんと事例集も含めまして、基準については整理をしたいと思っているところであります。

○岩瀬委員
 今後いろんな事例集をつくられるのだと思うんですけれども、時効特例法に関して、機構の中で何が問題があって、どこに責任があったかというのは、それはなるべく早くきちんと検証結果を出していただかないと、ここでの評価につながらないのではないかと思います。それは至急出していただきたい。

○日本年金機構理事(全国一括業務担当)
 検証ということなんですけれども、今回の事態の要因なり、どういう実態にあったかというのは外部のメンバーから成る調査委員会のほうでかなり確認・整理がされているというふうに我々は理解をしておりまして、あとはこの反省に立って是正対応なり再発防止の取組を徹底していくということで、この点について、特に理事長を委員長にした検証委員会で確実にやられているかどうかをきちんとチェックをするということで考えております。

○岩瀬委員
 その中で、理事長以下、どこに問題点があったか、だれの責任であったかということの洗い出しは終わっているということですか。終わっているのであれば、その辺をきちんと報告していただきたい。これを今後の事例集などをつくって、その結果が出るまでは何も言わないというのではちょっと問題なのではないかと私の問題意識があるので、外部の検証委員会がやっているからいいではないかというのではなくて、機構としてもう少しきちんと今後の取組を含め責任体制を明らかにしていただけないかということなんです。

○日本年金機構理事(全国一括業務担当)
 それは、要するに今回の事態の要因も含めてということだと思うんですけれども、ただ、ここは何度か申し上げておりますけれども、かなり調査委員会で突っ込んでヒアリング、アンケート調査も含めてやっていますので、ここで問題点はほぼ出ているのかなというふうに我々としては考えておりまして、今後の対応についてはきちんと検証委員会でも確認をしながら進めていくことが1つ。 
 それから、もう一点、責任の問題ということについて言いますと、前回の資料にもちょっと書いておりましたけれども、必要な確認をした上で、今後対応する予定になるというふうに考えております。ここは少し厚労省とも連動する面がありますので、厚労省の監察本部での確認調査等も踏まえながら対応するという形になるのではないかと思っているところであります。

○本田部会長
 整理のあれなんですけれども、いわゆる調査委員会、これは検証委員会のほうでつくって、前回の評価部会で調査報告をいただき、それを受けて、厚労省なり機構のほうもいろいろと調査し、そしてきょう機構よりご説明いただいた、それを踏まえながら、今後業務不統一等がおこらないようにどうしていくかというのをきょうご説明いただいたのかと私は思ったのですけれども、そういうことでよろしいのですか。今、責任問題等々については、この前もありましたけれども、厚労省のほうも機構のほうも、そこは全部踏まえてしかるべきタイミングで、というふうに受けとめているのですが、そういうことでよろしいのですか。

○日本年金機構理事長
 そういうことでございます。責任問題につきましては、厚労省における検討も踏まえながら、私どもとしてもきちんと責任に関しては処分を行うところは処分するという方針でございます。

○本田部会長
 だから一言でいえば、調査委員会の結論と違うのも機構のほうのあれにあるわけですね。コンプライアンスについては、調査委員会のほうは問題がなかったという報告でしたが、機構のほうでいろいろと検討した結果、当然ガバナンスの問題やらコンプライアンスの問題があると。そこらについても今後ちゃんとやっていきますというふうに書いてあると思うんですが、岩瀬委員、そういうふうに受けとめてないんですか。

○岩瀬委員
 ここに書かれているかということですか。

○本田部会長
 いやいや、御質問の趣旨。

○岩瀬委員
 だから、そういうものをなるべく早く出していただきたいということで、何でこんなに時間がかかるのかわからないということなんです。

○日本年金機構理事長
 担当理事のほうから再々御説明申し上げていると思いますが、繰り返しになる点もございますが、とりあえず支給すべき、不支給になっている部分について、早急に支給をするという手続を今行っているわけですね。これは7月には支給を開始したいというふうに考えております。それから、ルール化につきましては、現在、厚生労働省との間で最終的な詰めを行っておりますが、基本的には従来の取扱いについて疑義照会を出した上でその取扱いの方針でいいという御回答をいただいておりますので、それに沿って、今、具体的な手続を行っているということでございます。
 それから、責任問題は当然ございまして、責任問題につきましては、厚生労働省での検討も踏まえながらきちんと対応を行うという方針だということでございますが、これでは遅いということでございましょうか。

○岩瀬委員
 これでは遅いと言われても困るんですけれども、いつ、それが出るのかということをお聞きしているんですね。つまり外部検証委員会の報告書出て3か月以上たつわけですね。内部でそういうことをきちんと明らかにしていくというのはいつになるんですか。

○日本年金機構理事長
 これは、今、申し上げましたとおり、厚生労働省における監察本部の御議論もございますので、それとの平仄もとりながら、私どもとしては最終的な対応を決めたいということでございまして、もうしばらく時間がかかるということだと思います。

○事業企画課長
 厚生労働省の対応について説明いたします。実は前回も少しお話しましたけれども、厚生労働省に監察本部というものがございます。これは大臣官房に設けられており、私ども年金局も調査の対象とされている方です。今、その監察本部で調査を実施しており、調査票を回収して集計していくというような作業を進めていくところと承知しています。これで厚生労働省としての問題点を明らかにして対応方針を決めていくということになりますが、厚生労働省と機構の間の連携がうまくいっていたかどうかといったことも論点になっておりますので、その点を踏まえて、機構と平仄を合わせて、きちんと今後に向けた対応をとっていくと。いつごろになるか、これは監察本部の話になりますが、できるだけ早くというふうに進めていると聞いてございます。

○本田部会長
 2点目のことについて。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 2点目の101ページの評価のところでありますが、101ページ、「S」にした理由は、その後に、書いてありますけれども、私どもとしては覆面調査の結果がいいから「S」にしたという記述はございません。そこに書いてありますように、いろんな覆面調査もそうですけれども、いろんな調査をやり、文書の改善もやり、CSの推進等々もやり、いろんな施策を総合評価していただくと「S」ではないかと、こういう自己評価をつけているということであります。もちろんその結果、この委員会として「S」ではない、「A」とか、「B」とかというのはもちろんこれから御議論いただくものだと思います。
 2点目の覆面調査ですが、問いが簡単ではないかということなんですが、この覆面調査の眼目は接遇態度を見るということでありまして、その場合、問いも余り難しい問いですと普遍的な問いにならないわけです。調査員が行って、自分の記録をたたいてもらうわけです。余りマニアックな問いですと、ウインドマシンをたたくと違うというのはすぐわかってしまうわけです。ということで、ユニバーサルの、だれが行っても通用するような問いにするしかないという制約はあります。そこでウインドマシンをたたいてもらって、いろんな質疑をやってもらい、その接遇態度について評価してもらうというのがこの眼目であります。もちろん問いの内容自体もずっと同じでいいかというのはありますので、また今後工夫はしていきたいと思います。
 それから、研修については、今、担当に確認しましたけれども、当然全員が14か所のところで全員参加して、調査員(ミステリーショッパー)はそれぞれ研修を受けているということであります。
それから、この資料の後ろのほうに、調査票の現物の例として、札幌東のものをつけてありますが、封筒は大きいので外しているということです。回答調査票の事務所名の入ったところだけ後で見ていただければわかりますが、切り張りしたのをコピーするとこんな格好になっているということで、あと見ていただければと思います。
 それから、この段ボール箱を持ってきたのは、前回、岩瀬委員のほうから、312事務所の調査票を見せてもらいたいという御要望があったのでお持ちしたということでありまして、本当に行っているかというのは、前回、主な御主張だったと思いますので、全部行っているというのはこれで確実であろうかと思います。我々としては、前回の岩瀬委員のお求めに応じて資料を用意したつもりでおりますけれども、もし、もっとこういう点が不足だということであれば、具体的にまた教えていただければと思います。

○岩瀬委員
 覆面調査の結果がよかったから「S」をつけたと、私はそんなこと言っていませんで、いろんな施策の中の重要な1つとして覆面調査をやっていて、その結果もよかったから「S」ということになっているわけでしょう。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 そうではないです。

○岩瀬委員
 違うんですか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 まさにここに書いてあるとおりの理由です。

○岩瀬委員
 まあ、いいです。だけど、書いてある理由の中の1つの覆面調査に対して、調査の客観性及びその調査結果の真実性について疑問があるから解消してほしいと前回言っているわけですね。言ったのに、10日たっても何も言って来なくて、ここに段ボール一箱持ってきて、それで見ろと言われても、それは幾ら何でも無理です。事前にきちんと連絡をしていただいて、そういうものを整理した上で出していただかなければ。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 まさに今回の私どもの用意した資料が前回のお求めに応じた資料だと我々は思っているわけです。

○岩瀬委員
 事前に連絡してくれれば私は見に行った。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 段ボールですか。

○岩瀬委員
 当たり前じゃない。ここで見ろと言ったって無理ですよ。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 別にここで見ていただくことはないので、というか、この時間内で見ていただくことはないので。

○岩瀬委員
 これ見よがしにこんなところに段ボール一箱持ってきて、それでエビデンスだというのは失礼じゃないですか。聞いてないですね。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 そうですか、それは失礼しました。とにかく、これは実際312の事務所の調査票があるというのをまさにお見せしたわけでありますけれども、エッセンスは、まさにきょう部長が御説明した全部の箇所について当然行っているし、その証拠はとっているし、研修もやっているというのが、前回の岩瀬委員の御質問に対する我々の御説明です。

○岩瀬委員
 だから、そのすべてに関してきちん整理した形で検証させてほしいということを言っているわけです。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 具体的にどんな検証をお求めなんでしょうか。

○岩瀬委員
 161人の、そこは細かく後で言います。ただ、先ほど接遇態度を調べるためにやっているとおっしゃっていますけれども、ここには接遇態度を調べるとは書いてないわけですね。10か条について調べるというふうに書いてあるわけです。10か条というのは接遇態度だけではないわけですね。それについてなぜ外したのか。接遇態度を調べるというなら接遇態度を調べるためにやったというふうに書くべきであって、10か条のほかの部分というのは重要な年金知識がきちんと提供されるかどうかというのも10か条の中の重要な問題なんですね。それは十分ではないということを言っているわけです。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 もちろん全部の10か条の項目がこの覆面調査だけで把握できるというわけではないとは思います。ただ、例えば具体的な10か条の中で、わかりやすさ、接遇態度、そういったものは、この覆面調査でも十分把握できるところがあるので、そういうものは見ていこうということです。10か条の中のプラス一言とか、そのところはその人のケースによって、うまい一言が言えるかどうかというのもありますので、ここはなかなか把握しづらいというのは事実です。

○岩瀬委員
 そこを把握しないと意味がないんじゃないですか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 例えばプラス一言で具体的にどんなものが想定されているかということですが、例えば、夫の方が裁定請求に来られて、「奥さんはどうでしょうか」とか、任意加入の話になったとき、「ほかの方はどうでしょうか」と、そういうことなので、これを言わなければいけないというわけでもないので、そこを調査で具体的に把握していくというのはなかなか難しい面はあると思います。

○岩瀬委員
 そんなことないでしょう。それは質問の項目の立て方だと思いますけれども、だから、私はこの覆面調査自体が余り意味がないことをやっていると。何で三百幾つですか、プラス51全部やらないといけないのか。なおかつやった上で、電話も同じ人間がなぜ電話するのか、ここが理解できないんですけれども、その意図を教えていただけませんか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 これも私が来る前ですが、機構設立の際にこういった覆面調査をやるべしというのが決まっていたというふうに承知しています。それから、あと一般的に訪問した人が電話かけるのがおかしいのかどうかというのは、これは多分こういう業界のプロの方に聞けばおかしいのかどうかというのもあるいはわかるかもしれませんので、そこは調べてみたいと思います。

○岩瀬委員
 プロの方に聞くかどうかではなくて、機構がそういうことをやることがおかしくないと思ってやったことに私は疑問を感じているわけですよ。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 済みません、行った人間が電話するとどこが具体的におかしくなるのでしょうか。

○岩瀬委員
 行った人間が電話する?

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 たまたま事務所に訪問したミステリーショッパーが、そこの事務所にも電話をかけるというやり方をやっていますということですが、それは具体的にどういう弊害があって、どういう問題があるのかを教えていただければと思うんです。

○岩瀬委員
 そういうルールというか、調査の仕方についてここで議論するというのも私はどうかと思いますし、そういう質問の仕方もおかしいと思いますよ。だから、私はそれはおかしいから、あなたたちはおかしくないというのだったら、何でおかしくないのかを言うべきだと思います。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 余りここでやっていてもしようがないと思うので、後でまた教えてください。

○岩瀬委員
 そちらが言い出したんじゃない。質問に対して答えてください。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 我々としては特におかしいという意識は持っておりません。

○本田部会長
 覆面調査が必要かどうかというのに対する岩瀬委員の意見だと思うんですけれども、現場なり、そういうものがちゃんとできてからというのは、いろんな調査というのがあるわけですね。その中の1つで覆面調査もやられたと思うんですけれども、仮に今、岩瀬委員が考えている中で、こういう質問というか、あれだといい返事しか出ないと、そんなのは調査にもならないよということであれば、またいい知恵でもあれば、機構に。

○岩瀬委員
 1つだけ言わせていただきますが、覆面調査は私が過去やってきているわけですよ。舛添大臣のときもやったし、長妻大臣のときもやっているわけです。そのときはちゃんと目的持ってやるわけで、質問事項も相手が答えられない質問もあるわけですね。接遇態度だけを聞くなんていうことは調査としてほとんど意味がないし、全年金事務所を回ることの意味というのはよくわからないですね。それを知りたかったんですけれども、そういうことを聞いて、じゃ、あなた、そういう矛盾はないのかどうのか、調査方法について知恵を出せとか、この場で聞くべきことではないと思いますよ。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 会議が終わってからお伺いします。

○岩瀬委員
 何言っているんですか。

○日本年金機構理事長
 岩瀬委員の御意見を踏まえて、今後のあり方について、機構内部で議論をしてみたいと思います。その際、岩瀬先生からもぜひいろいろ御指導いただきたいと思います。

○岩瀬委員
 いいですか。

○本田部会長
 どうぞ。

○岩瀬委員
 接遇態度に絞ったうえで、こういう簡単な質問で調査をやって、しかも調査に行った人間と、別途、年金事務所に電話をかけて調査した人間が同じというのはいかがなものか。訪問調査と電話調査の調査員を分けるから、少なくとも多角的な評価が行なえ、今後の参考になる違う評価が出てくる可能性があるわけです。見栄えのいい数字を作るかのような厳密性に疑問のある調査がなされ、しかも「S」評価というのは首をかしげざるえない。私は「S」は絶対に認めるべきでないと考えます。

○本田部会長
 それは御意見ですね。木間委員。

○木間委員
 今の覆面調査の件にも関するのですが、私は現役のとき、長年、調査に携わってきました。お客様満足度調査は当事者が回答者でありますし、回収数4万5,000を超えていますので、これは、しばらくは継続する意味があると思います。覆面調査は客観的に評価するために実施に至った事情があるということは聞いております。ただ、覆面調査は年金事業所対象調査についていえば、対象数は312でありますし、この点に加えまして、3年目の満足度の比率が高いことから4年目以降も継続する意味があるのか疑問、と言おうと思いましたら、複数年契約ということですので、今年度行うにしても調査方法、調査項目をもう一度見直す、それは契約内容にはかかわらないと思いますので、見直したほうがよろしいのではないかと思います。5年目以降は、この覆面調査をこのまま継続する意味があるのかどうか、私は疑問に思っております。
 改善策の効果を時系列でとらえるということは否定いたしませんが、3回同じ調査を実施して問題点が明らかになって、改善策を講じている状況ですから、新たなテーマ、新たな視点での調査を行うということも考えていただきたいと思います。あるいは調査ではなくて改善策にその分の予算を配分するといった柔軟さも必要ではないかと思います。
 「お客様の声を反映させる取組」は「S」評価かどうかということですが、私は全体的に見て大変よくやっていらっしゃるなと思います。「お客様満足度」は9割近くになっています。「不満」は1%未満にとどまっています。それから、覆面調査の信頼性はともかく窓口調査の満足度は8割強に達している。これらは改善に取り組まれてきた結果と見ております。申し上げるまでもないことですが、1%未満とはいえ、「不満」の内容に対して適切なきめ細かな改善策をとっていただきたいと思います。

○本田部会長
 今のは御意見ということですね。斎藤委員。

○斎藤委員
 117ページの電子申請のところですが、「電子申請等の推進に関する事項」というのは、「提供するサービスその他の業務」という括りに入っていて、業務運営の効率化のほうには入ってないんですね。これは次期の計画のときにちょっとお考えいただきたいと思います。電子申請は事務誤りを未然に防ぐものであり、業務の効率化を促進するものであり、大変重要なものである。これからの年金機構の業務が随分軽減されるはずのものなので、もっと力を入れていただきたいと考えます。それだけの重要性のあるものですので、目標の60%に対して58.8でちょっと下回っただけですというのは、確かにそうなのですけれども、もうちょっと深刻に受けとめていただいてもよかったのではないかという気がしております。

○本田部会長
 御意見として。

○斎藤委員
 はい。

○本田部会長
 石井委員。

○石井委員
 済みません、ちょっと教えていただきたいことなんですけれども、42ページの厚生年金保険適用の年度別の指標がございますが、項番3の適用事業所数の変化に対して、その下の未適用事業所数の変化が極めて顕著に異なる動きをしていまして、端的に言うと、18年度9万7,000だった未適用事業所数が24年度は38万7,000に激増しているのですが、これはなぜなのかというのをちょっと教えていただきたいということと、一番下の事業所調査実施事業所数というところが、20年から22年にかけて、こちらも激減したような流れがあるのですが、この辺の数字の読み方を教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 まず、42ページの表でございますけれども、未適用事業所につきましては、23年度に3年間で未適用事業所を半減させるということで、我々の持っています事業所のデータと雇用保険のデータを突合して、新たに目標として定めたものでございます。それは22年のデータを使いましたので、24年は過去2年間分の新規の雇用保険の分で新たに見つかったものと我々のデータを突合して、さらにその間にふえたものがないかどうかを確認をしたり、それぞれの毎年、毎年新規の事業所出てきますので、そういったものだとか、あるいは年金事務所がこつこつと調べている分も合わせていくとこういうふうな数字で膨らんでいくということでございます。

○石井委員
 済みません、全然理解ができなかったのですが、多分ほかの委員も理解できなかったのではないか。簡単に言うと、9万7,000が38万にふえたというのは、今のように、例えば雇用保険などのデータと一緒に突合した結果、今まで認識できなかったものが新たに認識できて、ある意味、よかったなというか、とてもそれはすばらしいことだと思うんですけれども、ただ、適用事業所数というのは160万から170万にしかふえてなくて、実態として、一体何が起きたのかというのと、もう一つ、単純に適用事業所と未適用との対応関係を見ると、24年度22%が未適用みたいに、何となく全体が見えないという、簡単に言うと9万7,000が38万にふえた理由はまず何なのでしょうか、よくわからなかったんです、済みません。突合方式を変えたので、今まである意味、非常にざっくりと、申しわけないんですけれども、いまいちだったものがより正確度が高まって見えてきたと、こういうことでよろしいのでしょうか。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 済みません、ちょっと答えの焦点が合ってなかった感じがしました、申しわけございません。この未適用事業所数というのは、必ず適用されるというところではなくて、適用される可能性のあるところです。この中から適用されるもの、適用されないものというのを調査の上、拾い上げていくということになります。雇用保険と我々のほうとでは、必ずしも一致するものはありませんし、法人登記を見てもそうですが、登記はされていても、厚生年金の適用になるもの、ならないものというのがございます。そういったことで、袋に全部入れて、まずつかまえた上で1個ずつつぶしていくというやり方をしますので、23年にやったもので、24年にはさらに22年の雇用保険のデータから新規に追加したものを、さらに適用のマッチングをして、新しく漏れているものがないかどうかを調べたものなどがここに入ってきてふえてきているということです。適用事業所については、その中から順次適用すべきものは適用していくという形になっていきます。

○石井委員
 また、後で、なかなか理解がしづらくて、時間がないので、この辺にしておきます。

○本田部会長
 申しわけないですね。簡単にお願いします。

○日本年金機構副理事長
 質問の中で、20、21の事業所調査の数が少なかったということの御質問がありました。ここは、今は4年一巡ぐらいでということでやっていますけれども、19、20、21というのは年金記録問題がありまして、そちらのほうにかなりマンパワーがかかった、こういう事情がございます。

○本田部会長
 まだ、おありかと思いますが、時間の関係もございますので、それでは、3番目の「業務運営の効率化に関する事項」から、最後の「予算・収支計画及び資金計画」までにつきまして、御質問・御意見等がありましたらお願いします。
 なお、先ほど西沢さんのほうから、もしあれでしたらもう一回、おっしゃってもよろしいです。

○日本年金機構副理事長
 123ページのところで、西沢委員から御質問がございました。ここは要は人件費を減らすのがいいという意味で書いているものではなくて、公務員とのバランスをとってやるというのが目標になっていますから、そういうことで書かせていただいています。もちろん年金機構は仕事をしていくわけでございますので、そのために必要なマンパワー、あるいは予算というのは必要になってまいります。そういう全体をとらまえてということでございます。ここは右のほうに書かせていただいたのは、例えば震災対応等で国家公務員のほうがこうなると。それに合わせてほしいという御要請もありましたので、そういった対応をしましたということをむしろ書かせていただいたというふうに御理解をいただきたいと思います。

○西沢委員
 先ほどの岩瀬委員の話とも関連するのですけれども、日本年金機構というのは利益を最大化するでもなく、市場でお客さんに物を買ってもらうでもなくて、公務員でもないし、非常に難しい組織体だと思うんですね。ですから、普通の組織であれば、覆面調査しなくてもお客さんが離れていけば、それが接遇態度が悪いというシグナルになるのですけれども、それをやらなくてはいけない。利益を最大化しないので、何を目標にしていいのかわからないといったことで、組織が作られて何年か経ってきましたので、民間でも公務員でもない組織をどうやって評価するかというのを根底から考えないといけない。その1つが岩瀬さんのおっしゃった「この覆面調査の意味があるのか」ということだと思うんですね。
 それは単にアンケート票をどうつくるかという小さな問題ではなくて、日本年金機構という民間でも公務員でも政府でもない組織をどうやって評価していくかというのを根底から考えていただきたい。その1つとして、この人件費の問題というのもあると思います。意見です。

○本田部会長
 石井委員。

○石井委員
 来年度からのというか、来年が最終年度ということなのでお願いなのですが、例えば132ページに、年間調達計画のデータがございます。24年度は削減率が17.4%だった。金額にすると257億削減されていると書いてあります。大変なある意味御努力なのであろうと思いますが、それに対して163ページ、資料として提出をされている数値データがすべて計画と予算値なんですね。
 今回、私のほうでお願いをして、見込みではあるのですけれども、24年度のデータをお出しいただいて、それと対比をすると3,378億円の予算ベースの支出が、決算見込みで2,915億円に減っているんですね。つまり全体では463億ぐらい、予算対実績対比がマイナスになっている。そのままさっと読むと、私よくわからないのですが、463億の中の257億というのが、ここでいうところの調達計画の削減なのか。計画と予算値が一致しているのかどうかも知りませんが、ということで、いずれにしても、評価の段階においては、計画、実績、見込みでいいので、対比をお出しいただくというのが見えやすくなるのだろうと。
 今の話を前提とすると、463億の中の270億円がいわゆる調達サイドの減であるとすると、残った200億と大部分はもしかすると人件費なのかもしれなくて、それをそのまま、つまり予算が大変厳格につくられたという前提で実績評価をすると大変すばらしいという評価になるんです。質を維持しながら、コストサイドをきちんと削減したのだということになるかと思うんですが、その辺のアピールというのはもっとしていただいていいのだろうと思いますし、最終的に中期期間がそろそろ終わりますから、トータルで中期期間全体でもどんなことだったかというのを、今のような形でできれば数値的に見やすく、いわゆる最近の言い方で言うと、可視化をしていただくと、次の来年度の御要望でいいのですけれども、お願いできればと思います。

○本田部会長
 今のですけれども、何か。

○日本年金機構財務部長
 24年度もやや前倒しで決算見込みということで、きょうの資料には出させていただいていますが、こちらも近々24年度の決算まとまりましたら、今、石井委員おっしゃられたとおり、予算額に対する決算額は460億強、差が出たというか、その分、予算よりも実際の決算額のほうが少なかったという数字は出る予定でございます。そういうことも含めて、今度25年度の決算が出る、来年の今ごろにおいては、第1期の中期計画の全体での予算、決算の全体像が見えるので、その辺を来年の評価においては可視化して出せるような工夫をしてほしいという御指摘かという理解でよろしいでしょうか。

○石井委員
 はい。

○日本年金機構財務部長
 その辺はまた来年度に向けて工夫・検討させていただきたいと思います。

○本田部会長
 評価ですから、予算だけの問題ではなくて、それぞれの事業についても、まず計画に対してどうだったかと、当然、石井委員おっしゃるとおりだと思うんですね。仮に計画でもよかったときに、なぜ、そうなのか。特に経費削減の問題というのはいろんな予定していたものがなくなって単純に減ったということがあるわけですから、それはあくまでも計画というものをどうやって実現していくか。その結果がどうだったか。それをまずやっていただいて、その上で内容の精査もやっていただきたいというのが、石井委員がおっしゃっていることですね。

○石井委員
 はい。

○本田部会長
 わかりました。大山委員。

○大山部会長代理
 全体を通しての話になって恐縮なのですけれども、この評価、何回かやらせていただいて、書いてあることについて、個々の部分については、おおむね納得できるかなというところあるのですけれども、ただ、それにしても項目別に見ると、比較的な楽なものととんでもなく難しいものが、同じような項立てになっていて、よくわからないのは努力しても簡単に解けないときに、あるいはその問題を解決できなくてもやはり「B」なのかというのは、先ほど西沢委員のお話にもございましたが、何かやっている側はたまらないのではないかという気がしないでもないと。
 何を申し上げたいかというと、そういう意味から見ると、評価だからPDCAのチェックなので、アクションにつながるものを何か一言言ってもらえないだろうか。それぞれの問題について、ここまで行った。中期計画の目的、方向性があるので、次のこれから、また新たにつくるものにも関係しますけれども、どこが問題でこの課題が解けないのか。あるいはこの問題は割とあっさり解けたのかというのが、紙・コンの例で申し上げると、アウトプットとしてはできるだろうと、人と機械導入すれば。予算は予定したものに対してどうかというのは評価になりますが、ただ、アウトカムから言うとどうかというのは全くよくわからないところで、この先、最後終わる方向の出口作戦みたいなのをお考えになるのだろうとは思いますけれども、その辺のところも書きにくいのはわかるのですが、そこはたまむし色でも結構ですが、方向性だけはわかるようにしていただけるとすごくいいかなと思います。
 それから、もう一つ、ここに載ってなくて、次回というか、次期の中期計画になるのかもしれませんけれども、本当はこの評価の中にあればよかったのになと思うのは、システム関係だと思っています。相当な努力をしているのはずっと何年もつき合わせてもらって見せてもらって、ここでは刷新の話だけ書いてありますが、刷新はどちらかというと、負の遺産をずっとしょってやらなければいけないというぐらい大変なものになっていて、ここで後工程ではありませんけれども、補完工程やっていますだけですっと書いて「B」というのはわからないでもないんだけれども、本当はこれどころじゃなくて、ずっと根の深い問題がいっぱいある。一方、その根の深いところを一生懸命対応している人たちがいるにもかかわらず、機構のシステム部門の人は随分私は頑張っているなと思って見ているのですが、そこの評価は全く出ないんですね。何でかなと思うと、項目にないからなので、しようがないといえばしようがないかもしれないけれども、その辺については、個人的な意見ですけれども、少し配慮してあげていただけるとありがたいなというふうに思います。

○日本年金機構副理事長
 1点目のPDCAを回していくための、これはいわば評価であります。25年度について言うと、チェックが終わる前に25年度の計画をつくって走っているわけですけれども、去年の暮れぐらい、あるいはことしの年初めぐらいまでの状況等も見ながら、25年度の計画はつくっているということでございます。そういうふうなものを、どういうふうにこういうところであらわしていくか。それから、おっしゃられた話は、多分次期中期目標なり中期計画を、こういった結果を踏まえてどうつくっていくというお話だと思いますので、その際、十分留意していけたらと思っています。
 それから、システムのところについて御指摘がございました。実はこれも今の中期目標、中期計画に絡むところでございますけれども、前回、現行の中期目標、中期計画をつくった際に、システムのところ、実は余り触れられてないので、それを踏まえて各年度の計画もつくられているということでこういうことになっているということでございますが、このあたりも次の中期目標を御審議いただく際に、あるいはそれを受けて、新しい中期計画をつくる際に留意していくべき事柄かなと思っております。

○本田部会長
 ありがとうございました。まだ御意見があろうかと思いますが、時間も参りましたので、一応これで終わりたいと思います。なお、きょうの業務実績報告書についてのいろんな御意見もございましたし、また業務報告書だけでなくて、機構の業務のところについてもいろんな御意見もありましたので、ぜひそこらを十分に御参考にしていただきながら、御指摘のあったところにつきましては、これらの点も踏まえて、今後、日本年金機構におきまして報告書の検討、それほど大きなあれは私はなかったと思いますけれども、ぜひお願いをいたしたいと思います。
 それでは、本日の議題は一応終了いたしましたので、次回の日程等につきまして、事務方のほうから説明をお願いいたします。

○事業企画課長
 機構の業務実績報告書(案)につきましては、本日の委員の皆様方からいただいた御意見を踏まえ、機構で修正を行い、今月末までに作成し、委員の皆様方にお送りすることとしております。次回は実績報告書に対する厚生労働省としての評価案をお示しをし、御議論をいただくことを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 次回の日程につきましては、委員の皆様にお時間をいただきました7月25日(木曜日)を予定させていただきたいと存じます。後日、正式な御案内を差し上げたいと存じます。

○本田部会長
 それでは、本日の会議はこれをもちまして終了させていただきます。どうも委員の皆さんいろいろとありがとうございました。


(了)


(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

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