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2012年5月10日 第2回労働政策審議会安全衛生分科会

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成24年5月10日(木)
10:00~12:00


○場所

厚生労働省専用第17会議室


○出席者

委員:五十音順、敬称略

五十嵐克也、今村肇、北村彰浩、杉山豊治、三浦武男、和田義博

事務局

宮野甚一 (安全衛生部長)
中山理 (石綿対策室長)

○議題

(1)指定法人((財)安全衛生技術試験協会)の中期計画等について (2)その他

○議事

○今村座長 まだ杉山委員がお見えになっていませんけれども、定刻を過ぎましたので、ただいまから、「第2回安全衛生関係指定制度運営評価会議」を開催いたします。本日は、お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。なお、五十嵐委員は少し遅れるという連絡がありました。杉山委員は間もなく到着ということです。
 本日は、前回、骨子についてご議論いただいた指定法人の中期計画(案)について、審査いただく予定です。本日も、指定法人であります財団法人安全衛生技術試験協会から理事長さん以下の皆様にご出席いただいておりますので、前回同様まずは、指定法人から内容のご説明をいただきまして、それに対して皆様からご意見を頂戴したいと考えております。
 最初に資料の確認を事務局からお願いいたします。
○中山石綿対策室長 配付資料といたしまして、今回の議題になっています中期計画(案)、平成25年度収支目標、財務状況の3点です。それから前回ご議論をいただき、先日認可されました平成24年度事業計画・収支予算、最後に、前回の議論を踏まえ、協会に対して安全衛生部より発出した文書、事業計画等の作成に当たって留意すべき事項、この3ポツに中期計画についての記述がありますが、それについても参考資料としてお配りをいたしております。
○今村座長 お手元の資料に漏れはないでしょうか。よろしければ議事に入りたいと思います。
 まず、中期計画(案)について、財団法人安全衛生技術試験協会から説明をお願いいたします。
○(財)安全衛生技術試験協会 事務局長の飯田でございます。私のほうからご説明を申し上げます。資料1「中期計画(案)」の、?「基本的考え方」です。東日本大震災の発生、歴史的な円高の進行、さらには不安定な中東情勢による原油高騰に対する不安等、我が国経済は、国内外において厳しい状況に直面しており、当協会を取り巻く諸般の環境も厳しさを増している状況であります。そのような中で、今後2年間の中期計画として、我々は基本的考え方のもとに、次のような事業運営を行っていくこととしております。
 1.当協会の責務です。労働災害の発生状況は、平成22年には、死亡者数及び休業4日以上の死傷者数の双方とも増加に転じておりましたが、平成23年については、その速報値が出てきておりまして、死亡者数は前年比で16%減少しています。ただ、死傷者数は前年比2.8%増加ということで、2年連続して増えている状況にはあるということです。今なお多くの課題が残ってはいるものの、長期的には労働災害は減少を続けてきたということができると思います。この長期的な労働災害の減少、これは設備や作業方法の改善とか、法令の整備など官民あげての災害防止のための関係者の努力の賜物でありますけれども、その中でも特に、安全衛生に携わる人材の確保、とりわけ危険有害な業務、安全衛生の指導的業務に就く者に関する国の免許・資格制度が、労働災害防止に大きく貢献してきたということができると思います。
 このような中で、安全衛生法等に基づく試験事務を都道府県の労働局長に代わりまして実施している指定試験機関の責務は極めて重要であり、労働災害防止に求められる良質な有資格者を、社会の求めに応じ十分な数だけ確保すべく、公正、安定的かつ効率的に試験事務を実施すること、これが当協会の責務だと強く認識しまして、その運営に取り組むこととします。
 2.受験者の動向の把握及び行政施策との連携です。近年の受験者の動向を見ますと、当協会の試験においては、団塊世代の労働市場からの退出、これは2007年問題というように言わせてもらっていますが、これに伴って、新たな資格者を企業内において充足することの必要性によって、受験需要が増加したということで、平成20年度をピークに数年にわたって受験者数の増加状態が続きました。あとで、資料3-1をちょっと見ていただきたいと思います。ただ、これが一巡した平成21年度以降は、毎年小幅ながら減少を続けておりまして、平成23年度についても3年連続の減少となっています。資料3-1の折れ線グラフと棒グラフがあるところで、上の折れ線のところが受験申請者数の動向で、平成20年までをピークに、平成16年ぐらいから伸び続けて、平成21年、平成22年、平成23年ということで、ここまでが実績ですけれども、ここ3年間は小幅ながら減少しているという状況です。
 1頁に戻りまして、免許資格等に対する個人の関心の高まりとか、二級ボイラー技士等の受験資格が廃止されることに伴うプラスの要因も考えられるというものの、長引く経済の停滞や、さらには円高の影響を受けた製造業の海外移転の一層の進展等も懸念されるなど、今後の受験者数の動向については、予測が極めて難しい状況にあると思います。このような中で、当面は、受験者数の減少は継続する可能性があるということを念頭に協会の運営に当たることとしております。そして中期計画における受験者数の予測は、直近3カ年の増減率等を参考に行うものとしております。また、各試験の受験者の動向とか、企業等の人材ニーズの把握及び有資格者の需要状況の把握等について協会全体として取り組み、得られた情報を今後の当協会の運営に積極的に活用するとともに、行政施策検討の参考データとして国にも定期的に提供することとしていきます。
 3.事業仕分けの結果等に対する対応です。平成22年5月に実施されました厚生労働省内事業仕分けの結果、またそれを受けての厚生労働省に設置された指定・登録制度改革検討専門委員会の報告を受けて、当協会の改革については国からの種々の要請を受けているところであります。試験事務の効率化、経費の節減をはじめ、事業仕分けなどの検討過程において、当協会に要請された事項については、組織の見直し、各種調達の見直しを含め、当協会の業務全般にわたって努力をし、実現に真摯に取り組んでいくこととします。すでに平成22年7月から新体制となって、いまそれを進めている最中であります。
 4.中期計画の期間。これは、すでにご存じのとおり平成24年度と25年度の2カ年、平成26年3月31日までの2カ年ということで考えております。
 続きまして、その基本的考え方を受けて?「重点的実施事項」です。
 1番目に試験業務の実施で、イ、ロ、ハと3つあります。イ.試験の実施。詳しくは別記にありますけれども、メインの免許試験(18種類)、労働安全・労働衛生コンサルタント試験、作業環境測定士試験については、受験者の動向、企業等の人材ニーズを踏まえ各年度の試験実施計画を策定し、その計画に基づいて実施します。なお、免許試験については、受験者の動向等に鑑み追加の試験を実施するなど適切に対応していくつもりです。ロ.学生等に対する試験の実施。高等学校、刑務所等から出張特別試験の実施について、協力の要請があった場合には、これらに対し積極的に協力していくこととしております。ハ.試験実施に伴う過誤事案の発生の防止。試験実施に当たっては、申請書類の内容の厳正な審査、試験当日の本人確認の徹底、試験問題運搬の際のセキュリティの徹底など、公正で正確な試験を実施するものとします。なお、試験実施に伴う過誤事案の発生は、中期計画期間中を通じてゼロ件とすることを目標としております。
 (2)良質な試験問題の確保。イ.内容等に関して不適切な試験問題の発生防止。試験問題の作成に当たりまして、問題作成担当者間の相互のチェック、各種試験委員会の適切な運営、問題の審査体制の充実等を図ることによって、試験問題の内容等に関する不適切事案の発生につきましては、中期計画の期間を通じてゼロ件を目標とします。ロ.試験問題の質の確保。試験問題の作成においては、問題作成担当者の間で十分な検討を行い、必要に応じて外部の専門家の意見等を聞き、良質な試験問題の作成を心がけます。試験実施後は、過去における試験の平均点及び合格率との比較を行うとともに、試験問題について算定された識別値等も目安として試験結果についての検討を行い、今後の良質な問題の作成の参考としていきます。また、最近の労働安全・労働衛生に関する動向、現場における技術の進展の状況等を考慮しつつ、内容表現等の検討を行うために、試験問題検討会等を計画的に開催することとしております。
 8頁の別記3ですが、試験問題の質の確保等のための検討ということで、具体的には試験問題検討会です。第1種、第2種の衛生管理者については6回、エックス線作業主任者は3回、潜水士試験検討委員会は2回です。そして、合わせて専門委員会ですが、労働安全・労動衛生コンサルタント試験の専門委員会ということで区分が7つあります。その7つの区分について、筆記試験の問題作成のためには約30回、口述試験は約5回の合計35回の委員会を開催する予定です。作業環境測定士試験もトータルで9科目ありますので、その問題作成のためには、合計41回必要となっています。前期28回、後期13回、これも削減をしていく予定にはなっていますけれど、一応、こういう形で平成24年の予定として考えています。それと特級ボイラー試験問題検討委員会として4科目ありますので、検討委員会を開催いたします。こういう形を取りまして、内部の検討会だけではなくて、外部の試験委員の人たちの協力を得ながら、良質の試験問題の確保をしていくということにしております。
 3頁に戻りまして、(3)の安定的かつ効率的な試験業務実施に向けた施設の整備。安全衛生法に基づく免許資格の多くは、法令で義務付けられているため、それを充足しない場合は法令違反となります。資格者の多くは企業単位ではなく個人ごと又は職場ごとに必要でありますので、企業は常に十分な数の資格者を充足しておくことが要求されるものであります。免許資格等のこのような性格から、当協会では、実技試験の設備を有する常設の試験施設につきまして、国からいままで無償の貸与を受け、安定的に試験を実施してきたところでありますが、この当該試験施設については、国有財産の有効活用を図るという政府全体の方針を受けて、売却されることが決定しております。
 当協会としては、これまでどおり、指定試験機関として安定的かつ効率的に試験を実施するために、また、特定資産である引当預金の有効活用の観点からも、平成24年度中に、国が売却を決定しているこの7つの安全衛生技術センターを購入することとしております。このセンター購入により、毎年、減価償却費がトータルの中の約3,500万円、修繕費として10年間を見ましたけれども、その年間で平均約3,700万円の経費が発生する見込みでありまして、購入後については、センターの効率的な維持、管理について検討を行うこととしております。
 続きまして2.公益財団法人への移行。当協会の業務は、従来は国が直接行ってきた国家試験の実施事務であるため非常に高い公益性を有していることから、その公正、的確な試験実施事務については、常に国民の視線が注がれているものと認識する必要がありまして、国民からの高い信頼を受けるとともに、これを今後とも維持し続けることが重要であると考えています。このことを踏まえ、現在国が取り組んでいる公益法人改革に当たっては、「公益財団法人」への移行を目指すこととして、すでに作業をしておりますけれども、認定申請に必要な作業を的確に進めることによって、中期計画の期間中になりますが、平成25年4月1日付けの移行を目標としております。
 3.効率的な業務運営。受験者数が減少傾向にある中、免許試験、メインの試験ですが、学科試験の試験手数料の引下げが、平成21年度及び平成23年度に行われたことなど、当協会の財務状況は厳しい環境に置かれています。先ほど資料3-1で折れ線グラフと棒グラフなどをお示ししたと思いますが、その中で、下のほうに受験手数料がどう変わってきたかということで、平成12年から受験料8,300円が平成20年まで続きました。そして平成21年に8,300円から7,000円にダウンしました。それと矢印の位置が違っており、恐縮ですが平成23年見込と書いてある欄ですが、そこに7,000円から6,800円になるということで、矢印は平成24年になっていますが、これは平成23年にすでに6,800円になっているということです。こうした2年間について、一応ダウンが行われたということで厳しい状況にはなっております。
 また、本文の4頁に戻りますが、このような中で、当協会におきましては、組織・運営体制の整備、業務運営の効率化を通じて経費の節減に取り組むこととしています。また、収支マイナスの大きい状況にあります労働安全・労働衛生コンサルタント試験及び作業環境測定士試験については、特に留意しつつ収支改善に向けた努力を継続するということにしております。ここについては、後ほどその項目でご説明したいと思います。平成24年度から新規業務(登録事務)をこちらでやることになりましたので、新規業務を実施することによって、費用増加分がありますけれども、各種契約の見直し、修理・修繕の積算根拠の精査、旅費交通費の節減などによって、センター購入に伴い増加する費用、保険料や修繕費、租税公課、減価償却費、これは購入後にいろいろ伴って増加します。その増加分を除いて、中期計画最終年度の経常費用を平成22年度の実績に比べ、9%を削減することを目指しております。この削減によりセンター購入に伴い増加する費用を含めた平成25年度の費用は、平成22年度と比較しまして、先ほど除いて9%と言いましたけれど、実際は3%で4,190万円の削減となります。この4,190万円は、免許試験受験者が17万7,000人ぐらいおりますので、1人当たりにすると190円、コンサルタント試験1人当たりは3,400円、測定士試験1人当たり700円の削減になります。
 次に(1)組織・運営体制の整備。当協会の職員数は平成21年度の90人から平成23年度には87人と落ちましたが、平成24年度からは登録事務を新規に実施することとなるところ、当該事務は最小限の人員で対応することとして、平成24年度は88人の職員で対応することとしております。また、人件費については、中期計画期間中を通じて、政府における総人件費削減の取組も踏まえ、厳しく見直していくものとしております。
 (2)業務の効率化。適切な人事計画、研修の充実等を通じて、本部及び各センターの業務に関して、業務を横断的に対応することができる職員の育成に努めるとともに、試験問題作成手順の見直し、事務処理の方法の見直し、さらに受験者管理システムの改善を継続的に行って、試験事務の効率化を図っていきます。
 (3)労働安全・衛生コンサルタント試験、作業環境測定士試験の収支改善対策。中期計画期間中に以下の措置を行うことにより、それぞれ収支改善の努力を継続していきます。
 まず、?コンサルタント試験は、収支状況が赤字である主たる要因は、受験者数約1,400人ぐらいに比べ、専門的に細分化され、また、記述試験、口述試験の実施など、手間を要する試験方法を採用していると考えられるところ、このような試験実施方法の変更に関する検討も含め、収支改善のための努力を行っていく予定であります。そのうちのイ.試験会場の変更。受験者へのサービスに配慮しつつ、筆記試験の東京会場の場所を変更します。試験会場の変更によって、約200万円の支出が削減されることが見込まれています。この200万円というのは、平成23年度の実績見込みという形で出ていますが、それに比べてどうかということで計算していますけれども、約526万円かかっていたところを200万円の削減ですので、その分38%、受験者1人当り1,400円の削減となります。ロ.外部委嘱試験員の数の削減。協会職員を試験員として活用することにより、外部委嘱試験員の数の削減を行い、委員会関係経費等の削減を図るつもりです。ハ.記述式試験の多肢選択式試験への変更。現行の記述式試験の多肢選択式試験への変更が可能かどうかは、まず検討していきます。そして検討の結果、可能と判断されれば筆記試験のうちの記述式試験により行っている部分を多肢選択式試験に変更する。これによる縮減額は約250万円と見込んでおります。これも先ほどの平成23年度見込支出と比較しますと、そのうちの約20%ぐらいになりますので、1人当たり約1,700円の縮減という形になります。ニ.その他、会議関係経費、旅費等の諸経費削減をしていこうということです。ホ.試験実施の方法、受験資格等の観点からの検討。これはなかなか協会だけではできない問題でありまして、ホ.とさせてもらっています。試験実施の方法、受験資格等について、試験制度の変更を含むものについて、当協会において決定することができないものが多いのですが、受験者数の増加及び経費の縮減に関して必要と考えられるものについては、厚生労働省とも綿密な協議をしながら検討していくこととしております。
 続きまして?測定士試験です。この測定士試験についても、コンサルタント試験と同様の問題を抱えているところで、以下の事項を実施することによって、収支改善の努力を継続していきます。イ.試験委員会開催回数の削減。当協会事務局員の試験作成能力の向上に努め、試験委員会の実施回数を減らす。中期計画の期間中、先ほど41回と申しましたが、それを33回まで減らすことを目標としております。この費用はトータル140万円となりますので、受験者1人当たり約500円の縮減になるという予定です。ロ.協会職員の試験員としての活用及び外部委嘱試験員の削減。協会職員を試験員として活用することにより外部委嘱の試験員数の削減を行い、会議関係経費等の削減を図る予定です。まずは職員1名を試験員として登用していくことにしております。ハ.その他、コンサルタント試験も一緒ですけれど、会議関係経費、旅費等の諸経費の削減に努めていきたいと思います。
 (4)契約・調達の効率化。契約につきましては、「独立行政法人の契約状況の点検・見直しについて」という、平成21年の閣議決定を踏まえて、一般競争入札を原則としていきます。また、消耗品等については、インターネットによる調達等も活用し、最も効率的で、コストダウンできるような調達に努めていくこととしております。各種試験をはじめ外部の会場を利用する場合は、受験者の利便性等にも配慮しつつ最もコストの低い会場を選択するよう十分な検討を行っていきます。また、本部が入居している賃貸ビルについて、会議の効率化により会議室等の縮小を行うとともに、賃貸料の引下げ交渉等を行い、賃貸料の削減を図っていこうという考えであります。
 (5)受験者管理システムの適正な運用。受験者管理システムは、従来は厚生労働省の管理する免許管理システムを使わせてもらっていましたけれども、それとは独立して、当協会が一元管理する新たな受験者管理システムとして、平成23年2月から立ち上げて運用中でありますが、この導入によって受験者の情報を一元的に管理することが可能となるとともに、本部とセンター間のデータの共有が可能となっております。そのことから、中期計画の期間中を通じてデータ共有化を推進し、業務の効率化及び経費の節減に努めていく予定です。
 4.受験者等に対するサービスの充実。(1)広報活動の積極的な展開。試験制度に関する最新の情報、地域の実情及び受験者のニーズを把握しながら、受験者が円滑に受験できるように、的確な広報に努めることが極めて重要であると。このため、分かりやすい試験案内、登録申請等に必要な情報を的確に掲載するなどホームページの充実に努めていく予定です。また、試験問題及び合格者一覧のホームページへの掲載、試験不合格者に対する得点の通知等は、従来に引き続いて実施していきます。
 (2)特別な配慮の必要な受験者への対応。身体に障害を有するなど特別な配慮が必要な受験者に対しては、点字試験による試験の実施とか、拡大文字の試験問題を作り、それを別室において受験してもらう措置など必要に応じて適切な配慮を行っていきます。平成23年度に実際に特別な配慮を必要とした受験者は85名おりました。だいたい年間80名前後対象者がいらっしゃいます。
 5.機密事項の漏洩防止対策の徹底。試験問題及び個人情報等に関する機密事項の漏洩防止対策については、ハード面及びソフト面に関して作成したマニュアルに基づき、本部及び各センターの組織を上げて、その徹底を図るとともに、常にマニュアルの見直しを行い、一層のセキュリティ対策を推進していきます。試験問題の漏洩の件数及び受験者の個人情報の漏洩の件数をそれぞれゼロ件とすることを目標とします。いままでもゼロ件でありましたけれども、引き続きゼロ件を目標としていきます。
 6.コンサルタント及び測定士の登録事務の実施。先ほども申しましたが、今年度から、この登録事務について当協会でやることになりました。4月1日からやっております。登録事務の実施にあたっては、申請者に対するサービスと的確な業務遂行に心がけ、年度当初からの円滑な移行を実現することにより申請者に不便をかけないことを心がけ、移行時期におけるクレーム件数をゼロ件とすることを目標としております。今すでに1カ月経ちましたけれど、基本的にクレームはありません。
 7.国との緊密な連携。厚生労働省との間で、受験者動向及び労働安全衛生行政の方向性等について定期的に情報交換を行い、行政施策と連動した的確な業務運営を図っていきたいと思います。
 8.職員研修等の充実。先ほど申しましたが、協会職員をいろいろなところに使っていくと、そのためにはレベルアップを図らなければいけないという観点から、この充実を図っていくということで、まず、当協会に相応しい人材の確保、育成及び適正配置を行い、職員の資質の向上を図るために、適切な研修を実施していくことが必要であるが、従来は、主として各センターにおいて独自に実施する研修に委ねることが多く、本部において統一的に実施する方法が確立されていない状況でありました。このため、中期計画期間中に、新規採用職員及び中堅職員に対して、各センターにおいて実施する試験実施事務に関する研修の他に、本部における研修プログラムを設け、これを実施することとします。すでにこの1、2年でプログラムについては出来上がってまいりました。本部研修につきましては、初任時研修については平成24年度中に実施することとし、中堅研修につきましても、中期計画の期間中には実施することを目標としております。
 また、個人別キャリアプランの策定とその育成プログラムに従った必要な資格取得、実務経験を積むための人事施策・人事異動等を計画的に実施することで、職員の中長期的育成を図って、適正な試験員を計画的に養成・確保していきたいと思っております。あとは、別記のところですので、ここは内容的には先ほど触れていたところもありますので割愛したいと思います。以上が中期計画(案)です。
 併せて次の頁の、資料2「平成25年度収支目標」をご覧いただければと思います。平成21年から平成22年度、平成23年度見込、これはそろそろ実績となり、これから決算報告は見込みから実績になりますが、ほぼそれに近い形で見込みとさせていただいています。平成25年の目標ということで、経常増減の部は、とにかく経常収益は受験手数料しかありませんので、予定はこういう形で目標人数に手数料をかけてきちんと出てきます。ただ、平成25年度につきましては先ほども申し上げましたが、登録事務が入りましたので、コンサルタント、作業環境測定士の登録事務の分が収益として上乗せされることになります。
 続いて経常費用、この部分をどう削減するかというのが趣旨だと考えております。役員報酬から、それぞれ項目別に挙げております。平成23年度は見込みですので、平成22年との増減比較をさせていただいていますが、△のところは減っております。ただ、プラスのところもいくつか項目についてはあると思います。ちょっとご説明したほうがいいと思いますのは、「職員給与」と、「旅費交通費」のところで注1とありますが、実は、今度新しく公益法人を目指しますので、その新会計基準ということで導入することになっており、平成24年からはこの形にしていまして、平成25年の目標では職員の通勤費、それはいままで職員給与に入っていましたけれども、その部分を職員給与から、旅費交通費のほうに変更しております。ですので旅費交通費のほうが平成22年に比べても747万円増えていると思います。ただ、これは先ほど言いました通勤費の1,437万3,000円が入ってきていますので、それを取り除いた形で比較しますと2,719万7,000円ですので、690万3,000円の削減になっています。それに対して、職員給与のほうは、その部分が引かれていますので、入れますと6億36万7,000円という形で、それでも2,796万4,000円の削減ということで、それぞれベースが違いますので、5%の削減、20%の削減とはなっていますけれど、トータルで5~6%の削減となります。
 もう1つの注2の、新会計基準導入に伴って人材派遣の費用は、いままで委託費に入れていたのですが、この新会計基準では臨時雇賃金に入れています。臨時雇賃金が見かけ上、962万7,000円増えています。ただ、その分入っていた委託費用が、下記の備考欄の「臨時雇賃金と合わせて云々」とありますが、委託費が4,637万4,000円とかなり大きな削減になっています。これは平成25年の中には、先ほどの派遣の委託費が臨時雇賃金にいっていますので、この両方を合わせ、トータル3,700万円ぐらいの削減になっていますので、そこは25%になります。
 あと1つの注3、保険料、修繕費、租税公課、減価償却費ですが、小括弧の形で書かせていただきました。これは、下の脚注部分を読みますと、センター購入に伴い、保険料、修繕費、租税公課、減価償却費はその分上がってきますので、この費用が増加するためにその増加部分を除いた額を括弧書きして、どうなったかを比べました。先ほども申しましたが、センター購入に伴う増加を除いて経常費用の(B)は、それを除くと費用として12億8,107万,5000円のところで、1億2千何百万円かの9%の削減にはなるのですが、実質的にはその部分が上がってきますので、正味の削減額としては3%の4,192万5,000円となります。この辺につきましては資料3-4のところになります。平成22年の実績に比べると平成25年度の目標は、(仮&新)と書きましたが、仮の姿ということで、9%の削減はできなくて、実際には8,587万2,000円ということで、アップの部分もありますので、4,192万5,000円が平成22年の実績に比べて削減できる部分ということです。
 戻りまして資料3-2ですが、これは実際にどういう形で引当預金が積み立てられたかです。平成10年からずっと出させてもらいましたが、左側の小さな棒グラフはその年度の事業収支差額です。マイナスもありますが、これだけプラスの収支が出てきました。その年にまた引当預金を積み立てながらどう変ってきたかということですので、利益というか収支がプラスになっているところについては、それは我々としては引当預金として積んできているということです。それが平成21年度、平成22年度は34億や33億になっていまして、この辺があまりにも引当預金としては多すぎるということかもしれませんので、そこをどう活用するかというのが今後の行動、アクションになってきたということです。平成24年、平成25年度につきましては、まだどうなるかわかりませんけれども、目標達成されたとして、その部分を引当預金等に、課目は未定としても、積み立てたとした場合には、平成23年度から平成24年度については大きく減っています。これは次頁の資料3-3で説明しますけれども、この部分はセンター購入引当預金の部分を使いますので、それは減ります。ただ、そのあと平成25年度は若干プラスの収支差額が出ますので、引当預金としては17億8,000万円ぐらいまでいくだろうというように予測しています。ちょっと長くなってすみませんが、以上、財務状況の説明を終わります。よろしくお願いいたします。
○今村座長 ありがとうございました。ただいまの説明を踏まえまして中期計画(案)についてご質問、ご意見等がありましたらお伺いいたします。
○五十嵐委員 商工会議所の五十嵐です。教えていただければということなのですが、5頁目の上から3つ目のハ.の多肢選択試験への変更によって縮減できるということだったのですが、具体的にはどういうふうに経費的に削減ができるものなのですか。
○(財)安全衛生技術試験協会 実は、いま記述式の試験でやっていまして、記述式の問題を作ってもらった先生に、それぞれ出てきたものを全部見てもらっていますので、相当、費用は謝金という形でかかってきます。ですから、その辺のところの費用が、いま記述式でかかっているのが250万ぐらいかかってしまっていると。多肢選択式の問題作りについては基本的にまたかかってきますが、多肢選択式にすれば、いまのメンバーでやっていくことによって、そんなに純増しないで済むのかもしれない。250万円まで下がらなくてもそういう形で下げられる可能性があると。本当にそういう形でいいかどうかは検討が必要ですので、検討を踏まえた上で、できれば多肢選択式にもっていきたいということです。
○(財)安全衛生技術試験協会 採点に膨大な手間がかかりまして、それの謝金でございます。
○五十嵐委員 引き続きもう1点よろしいですか。6頁目の上にある(5)のシステム運用ですが、もう既に動いているということなのでよろしいのですが、このシステムで業務が効率化している効果と新しいシステムを維持していくための経費の費用対効果は、どういうふうになっておられるのですか。先ほどの収支表の中で、システムのことが明示的には出てこないので、わからないという意味でお聞きしたいです。
○(財)安全衛生技術試験協会 収支表ではシステムの委託費のところで開発費がかかっているのが、平成22年のところで委託費がかなり膨らんでいると思います。そこでかなり開発費を使いました。そのあとは、メンテナンスとか何とかの費用は一応減価償却費の中に織り込まれてきていますので、1億675万円、先ほど申し上げましたが、センターの購入だけだったら3,500万円ぐらいですが、そういうところにもかかわってきていると。実際には、費用対効果と言われますと、難しいのですが、開発しなければならなかったというのが事実です。とにかく、いままでは国の管理システムを使わせてもらっていましたが、それは切り離して、自前でやらなければいけないことになったので、効果が出るかどうかは別として、最低限これはやらなければいけないということでやりましたので、そのシステムを我々としてはさらに活用していくことによって、効果を出していくということで、費用対効果云々でもってそれをやったわけではないということで、ご理解いただきますように。
○三浦委員 よろしいですか。2頁目のハ.のところに「試験実施に伴う過誤事案の発生の防止」という項目がありますよね。過誤事案はいままでの中で発生したのかどうか。発生した場合の対応のマニュアルとか、その辺はできているのかどうかということを教えていただきたい。
○(財)安全衛生技術試験協会 そういう意味では、平成23年度について4件出ました。実際には写真照合、事前に出してもらったものがありますが、実際に貼っている写真と本人確認をするのですが、試験中に顔を上げてもらって見ていますが、似ている方が結構いまして、もともと違ったものが貼られていたりとかありました。2件ほど写真照合のミスが出てしまったのがあります。
○(財)安全衛生技術試験協会 会社が間違えて、貼り違えて申請を出しているのです。郵送で来ますと受け取るときに確認ができないので、試験場での照合が唯一のあれですが、それをミスをしたという件が2件ほど。生年月日を間違えて出したとか。1月17日を1月7日とか、いろいろなケースがありますので、事案が発生した際の処理の仕方についてはきちんと、マニュアル化がなかなか難しいのですが、そのことについては、すべて本人のところに行きまして、訂正をして、免許証の発行は東京労働局の免許センターでやっていますので、そこまで行って、おわびがてら訂正して、すべて現状復帰をしております。
○(財)安全衛生技術試験協会 付け加えさせてもらいますと、いま、マニュアルがまだできていないと言いましたが、発生防止のためのマニュアルは基本的にその都度きちんとできていまして、去年2件起こっていますが、その前に起こっていますから、そのときに1回作るわけです。さらに起きたときにはどうするかということで、またプラスで対応等を入れるということで、それをマニュアルという表現をしていないので、マニュアルができていないと言いましたが、そういう形で、きちんと各センターに伝えて、次からないようにすることと、軽微なものであっても一応罰則ということで、懲戒といういろいろな制度も設けています。かなりきちんとやっておりますので。
○三浦委員 あと、もう1つよろしいですか。読んでいて、試験の会場の変更とか、いろいろコストの経費の削減というバージョンなどを読ませていただくと、いままでに会場の変更とかいろいろな検討はなかったのですか。
○(財)安全衛生技術試験協会 やっていますが、さらにそれを詰めていくということで。
○三浦委員 これを読んでいるとやっていなかったのかなというような。
○(財)安全衛生技術試験協会 普通の試験はセンターでやりますからいいのですが、出張試験のことをおっしゃっているのだと思いますが、出張試験は労働局の各県のところとやるのですが、やはり夏休みとかを使って、安いところですから大学とかを使わせてもらうのです。ただ、急に大学が使えなくなったりとかということがあったりして、その場合には私立の大学に変えたり、国立がだめだったりすると、上がったり下げたりということで、その都度毎年やっています。さらに続けていくということと、作業環境測定士試験とコンサル試験が年に1回、そういう形ですので、東京会場についてはちょっと便利なところを使ってやっていました。そういうところはある程度便利だから高いですから、さらに、これだけ削減しなければいけないということでは、本格的にユーザーの利便性に配慮しつつというのはそういうことなのですが、あまり変なところでやるわけにはいかないということもあるのですが、できるだけ費用が少ないところでということで、今年度も決めていまして、コンサル試験の筆記については、いままでは都市センターホテルというかなり都内のところを使っていましたが、今度は東京流通センターが浜松町の駅の向こうにあると思いますが、そこでやらせてもらいますので、どうなるかわかりませんが、基本的にはコストは下がります。ただ、ユーザーからどういう反応が出てくるか心配なところはあります。そういうことを含めて、いままでも考えていたのですが、さらに実行に向けて動き出していかなければいけないと考えています。
○和田委員 前回のときにもお尋ねしてわからないままだったので、中期計画(案)の3頁の真ん中辺りの(3)の2段落目に、実技試験の設備を有する常設の試験施設につき、国から無償の貸与を受けていた。これを指定試験機関として安定的かつ効率的に試験を実施するために、また、特定資産である引当預金の有効活用の観点から、国から買い受けると。そのことが、どうも中期計画の予算と言いますか、付けていただいた資料の中からでは、資料2は正味財産増減計算であって、資金の収支ですからここからは読み取れないのですね。今日を含めて、平成24年度の事業計画の参考2に「収支予算書内訳表」という形でお示しをいただいて、これでいきますと、平成24年度分の収支内訳表ですから右から2つ目「前年度」と書いてあるのが平成23年度。右から3つ目の「合計」というのが平成24年度の資金収支の予算であると。平成23年度の予算と先ほどの平成22年度対比、資料2に示されていた正味財産増減計算書の平成23年見込というところと、少しく数字が合わないので、その中身を、いますぐここでご説明というのも難しいと思いますから、また改めて教えていただければと思いますが、取りあえずここでお尋ねしたいのは、平成24年度の収支予算書内訳表の3頁目のところに出てまいりますが、先ほどご説明があったように、30億からの剰余金を特定預金に積んでいた。いろいろな形の特定預金を積んでいたものを平成23年度で言うと、これを相当に取り崩して、16億8,500万円かの取り崩しがありますが、これで中程に固定資産取得支出、センター購入支出として13億8,690万円は平成23年度ですから、ほぼ固い数字、固いというのはもう支出をされたのかどうか。平成24年度の予算書では、その左の16億3,900万円。足し算しますと30億円が平成23年、平成24年に支出をされたのだろうと思うのです。
○(財)安全衛生技術試験協会 この間もご質問を受けて記載の仕方がこうなってしまうとあれなのですが、予算予算でこれを見ているのです。ですから、前年度はその前年度に作った予算がこうだったということで、買っていませんので13億円は支出されていません。ですから、こういう予算で平成23年度は運用して、結果としてはそれをやりませんでしたから、平成23年度の実績はこうなりましたということを今、決算等を作成しています。
○和田委員 支出はしていないのだと。
○(財)安全衛生技術試験協会 はい、していません。ですから、16億円、17億円で祖税公課も含めてトータル、買う予定で。
○和田委員 足し算するのではなくて。
○(財)安全衛生技術試験協会 はい。
○和田委員 これが平成24年度にずれ込んだと。
○(財)安全衛生技術試験協会 ずれ込んだと。そういうことです。
○和田委員 そういうことですか。資料3-3の平成24年度がこのとおりいったら、ほとんどお金がなくなって大変だろうと思ったのですが、まだ17億円は残ると。
○(財)安全衛生技術試験協会 そうです。
○和田委員 と言うことは、約16億円くらいで平成24年度中に購入するということで。
○(財)安全衛生技術試験協会 はい、そのとおりです。
○和田委員 あとの設備の購入予定とは何かは。
○(財)安全衛生技術試験協会 基本的には全部。
○和田委員 特に持たずに残りの預金は、内部的に、もちろん退職手当引当預金とか、減価償却引当預金とか、そのような将来に向けての安定的なものとして17億円ほどを残そうと。
○(財)安全衛生技術試験協会 はい。
○和田委員 そうですか。それがなくなって財政的にかなり逼迫するのではないか。こんな決算で大丈夫なのだろうかと思ったのですが、わかりました。
○(財)安全衛生技術試験協会 カラー版で書いてあるように、下のほうの退職引当金とか、減価償却、事業費調整費、修繕費引当は、これは残してやっていかなければいけないので。そういうことです。
○和田委員 こちらはどちらかと言うと最低のものでしょうから。まだほかに多少余裕があるということでしょうか。あとで教えていただきたいのは、いますぐでなくていいのですが、資料をいただいてもよろしいですか。平成24年度の収支予算書で言うと、事業活動収入が、ああそうか、これは前年度の予算を書いただけなのだと。
○(財)安全衛生技術試験協会 そうです。だから実績はいま決算、やっている最中。
○和田委員 実績はいま作っている最中。そうですか。
○(財)安全衛生技術試験協会 はい、大体出てきたのですが、これから評議員会、理事会にかけて、決算として報告する予定です。
○和田委員 正味財産増減計算書の正味財産増減計算をやっている平成23年見込は「見込」と書かれたわけですから概ね。
○(財)安全衛生技術試験協会 概ね。近いうち。
○和田委員 合うようになっているのですね。
○(財)安全衛生技術試験協会 はい、そうです。
○和田委員 そうですか。財務的にはそんなに心配がないということで。
○(財)安全衛生技術試験協会 当面、これをうまく使っていくということだと思うのですが、購入したあと、例えば中古の物件ですから、3年後とか、5年後とか、法定の減価償却でいきますと建替えとかがありますので、もう少し長い中期計画を作るときには、またその費用をどうするかを考えなければいけないと思います。
○北村委員 1点よろしいですか。2頁目に試験業務の実施の項目の中で、ロ.に「学生等に対する試験の実施」ということで、高校生、刑務所、こういった出張の特別の試験を実施しますということですが、悪乗りした質問かもしれませんが、学生、刑務所の方は当然こういう措置が必要だと思いますが、一般企業であるとか、そういったところでの協力の要請等々は別次元の話になりますか。
○(財)安全衛生技術試験協会 基本的には、一般の企業にそういう特別出張試験をやるかは考えていないと思います。学生の場合には、そういうことを含めて就職しやすく、いろいろな資格が必要だということで学校から要請があったときには、ある程度人数を集めてもらわないと、こちらとしてもあれですが、収支を考えながらやっていくと。できるだけニーズに合わせてやっていきたいと考えています。
○北村委員 弊社の場合、本体側だけの従業員ではなくて、協力会社も抱えているものですから、協力会社の小さなところも含めますと、そこに確実に必要な資格を持たせることからすると。
○(財)安全衛生技術試験協会 してほしいと。
○北村委員 こういうふうに企業側の都合ですが、手の内に入れられる管理に繋がるので、いかがかなと思いましたので。
○(財)安全衛生技術試験協会 ある程度、人数を集めていただければ。
○北村委員 そうですね。刑務所は別にして100人、200人といった単位であればということですが、協力会も含めれば資格等々によれば、そのぐらいの人数が集まるかなと思ったものですから。
○(財)安全衛生技術試験協会 国とも相談して。
○(財)安全衛生技術試験協会 不公平があってはいけないしというのがあると思いますので。
○北村委員 そうですね。
○(財)安全衛生技術試験協会 そこは相談しながらですか。そういうニーズがあるということですね。
○北村委員 そうですね。協力会は非常に裾野が広いものですから、適切な資格を取れ取れと言っているだけで、なかなか目が届かないところがあるので、管理という面で見たときに、こういう機能、仕組みがあれば助かるなというふうに思います。
○(財)安全衛生技術試験協会 その次にセンターの試験、それから出張の試験があるのですが、そこに行って試験を受けてもらうのですが、まとめてそういうところでやったほうがセンターとか出張試験でいくよりも、受験数が増えるならば考えられないことではないかと思うのです。わざわざ行くよりも来てやってくれるのであれば受けようかと。そういうのであるならば。要は受験者数が増える方策ならば考えられない話ではないなと思います。
○杉山委員 最初に質問をさせていただきたいと思います。1つ目は2頁目の基本的な考え方の2ポツの2頁目の下3行なのですが、上から3行目の「また」以降で、その上に需要予測が非常に難しいというのがあった上で、各試験の受験者の動向、企業等の人材ニーズの把握云々を協会全体として取り組みということで、とてもいいことだと。前回の議論も踏まえて記載していただいたと思うのですが、?以降の「重点的実施事項」の中に具体的にどうやっていくのかが見えないところがあって、この辺はどういうふうに受け止めたらいいかというのが1つ目の質問で、2つ目は教えていただきたいのですが、3頁の上のロのところの試験問題の質の確保で、今回、識別値等の目安があって、例えばノウハウですとか、それをやることのコストだとか、その辺で把握されているところがあれば、少し教えていただきたいと思います。以上2点です。
○(財)安全衛生技術試験協会 最初の1つ目のところですが、具体的にというところがなかなか書けてなかったのだろうと思うのですが、全部ではないのですが、いま、センターごとには受験者の動向、あるいはニーズという意味では、そこに来られた人にアンケート調査をしております。協会全体として、そういうことをしっかりと位置付けてやって、そのデータを基にしながら、今後どういうふうなニーズがあるのだろうかということを見て、分析しながら、それを活用していきたいというのも具体的に考えていることです。また、行政の方とも相談しながら、どういうことをやれば、その辺のニーズというか、あるいは動向がつかめるかというのがなかなか難しいのですが、具体的には我々として、すぐできそうなのは、それをやろうと思っています。
○(財)安全衛生技術試験協会 識別値は、端的に言うと受験者の能力とその問題の正答率との相関を見るものであり、識別値が高ければ、能力の高い人がより正答率が高いということになります。いわゆる識別能力。実は平成16年から導入しており、免許試験、コンサル試験には導入しておりましたが、できたら今年の夏の試験から測定士試験にも導入しましてリサーチしようと思っています。コスト的には導入のために新たにプログラムをいじらなければいけないということがありますが、一旦組めば自動的に計算されるものですので、そうかかるものではないということです。
○今村座長 ご質問がなければご意見もどうぞ。
○杉山委員 ありがとうございました。意見を述べさせていただきたいと思います。前回のときに何点かお願いをして、中身についてはなるべく定量的に判断できるような書き方にしてくれないかというご要望を申し上げたのと、1頁から絡んでくるのですが、もう少し全体的な位置付けと、なぜこの業務をやっていかなければいけないのか。それが最終的な受験料に繋がるようなコストの関係ですとか、運営の適正化の評価がしやすくなるような位置付けを書いていただけないかということを申し上げたと思います。その上で、今回中期計画を見させていただいて、先ほども質問をさせていただいたのですが、また下記の2頁の頭のところは、ここは結構、というよりもとても重要なポイントではないかと思っていまして、労働安全衛生をどう適切に的確に保っていくのか、実現していくか、その中でこのことをどうするのか、それを主体としてどう分析していくのか、結果によって経費節減だけではなくて、反対に減り張りの減りをつけるところも出てくるわけで、そこを判断する上で、ここは重要なポイントではないかと思っています。だとすると、ここは具体的にどうするのかというのが、やはり記載されたほうが。中で検討されるのが先だと思いますが、したほうがいいのではないかなと思っています。これは意見ですので、そう申し上げておきたいと思います。
 2点目としては、前回、全体的なところからということで申し上げたので、基本的な考え方のリード文でたぶん書いていただいたのだろうなと。責務のところも書いていただいてありがとうございますなのですが、ただ基本的な考え方は、我々が認識している労働安全衛生と、向こう2年の中期計画を考えたときに、震災はともかくとして、中東情勢、原油高騰とか、あまりぴんとこないなというのがあって、どちらかと言えば、震災があって、まだ復旧、復興の作業をしていかなければいけない。デフレの中で、どう経済を復興させなければいけないか。そうした中では、ちょっと無理してでも、いろいろな作業をさせていかなければいけないところが世の中にいろいろ現れてきていまして、そういった中では労働安全衛生のボリュームが若干薄まりつつも、やはり経済復興優先ではないかというのも、大きな流れの中でかいま見られるわけです。そうした中で、向こう2年間労働安全衛生が大事であるということを主張して、その上で、この当協会の責務の中で2年間やるべきことを、しっかり主張するような書き方をされたほうがいいのではないかなというふうに、意見ですので趣旨を受け止めていただければと思います。
 少し細かいところですが、1頁の「当協会の責務」の1ポツの第1パラグラフの最後のほう、順番ですが、語尾が「長期的には減少を続けてきた」ということですが、ここの認識の問題で、我々としては確かにそれは事実として続けてきたのですが、新しくメンタルの問題ですとか、労働災害自体は発生し続けているわけで、そこには今なお多くの課題があるというのを締めにもってきて、だからこそ重要であるというふうに繋げていったほうが適切ではないかなと思います。その下の第2パラグラフの下も「労働災害防止に大きく貢献してきた」、まさしくそのとおりだと思うのですが、先ほど言った全体的な情勢を踏まえて、だからこそ、なおかつ今後も重要だということを言っておく必要があるのではないか。ここは、基本的な考え方ということなので、考え方なのでしょうが、ここがまず理解された上で、減り張りをかけて、どこにお金をかけていくのか、どこを削るのか。先ほどのセンターの購入も、なぜそこの必要性があるのかと言ったときに、ここをベースに判断されていくことなのだろうと思っていますので、ここはしっかり書き込んでいただいたほうがいいのではないかというふうに思います。とりあえず以上です。
○今村座長 いままで出なかったところで、若干付け足しといいますか、基本的なスタンスですが、間違っていたらご指摘いただきたいと思います。要するに、ここでは検定料と言うのですか、試験のコストに関して適正であることが、この委員会の最大の眼目であると思うのですが、そのときに他の競争者、市場から仮に参入する可能性がある業者と比べて、十分に適正な価格でやっていることを評価することになるのかと思うのですが、そういう意味では、先ほど何人かの委員から指摘された客観的に評価しやすい。つまり、来年の夏ぐらいに我々が評価しなければいけないので、皆さんがお考えいただきたいのは、そのときにきちんと我々が評価できるかどうかを、もう少し基準として考え直してご理解いただければと思うのですが、具体的に私がお伺いしたいのは、例えば5頁の「契約・調達の効率化」というところ、こういう文書の表現で「一般競争入札を原則とする」と書いてあるのですが、現状で随契がどのぐらいあって、それをどのぐらい減らすとか、そういう形とか、若干客観的な数字がここでは欠けているのかという印象があるのですが、それはどうなのでしょうかというのがまず1つと、資料2に各人件費項目、費用項目等で10%削減、5%削減と書いてあるのですが、これを目標として捉えていいのかどうか。つまり、平成25年度の最後の評価のときに達成した、しないというような客観的な指標となるのかどうかということです。ほかにもありますが、とりあえずいちばん重要なこととして、そういう点から考えると、ほかにも、もしかしたらあるのかもしれませんが、例えばその2つについていかがですか。
○(財)安全衛生技術試験協会 契約の数字はありますかね。
○(財)安全衛生技術試験協会 いまのところ一般競争入札はそれほど数は多くなくて、具体的には見積合せという形がほとんどです。一般競争入札は、年間それでも4、5件ありますか。そこまでいかないか。大きな金額というか、いま使用させていただいているのは国から貸与を受けた設備で試験そのものを実施させていただいておりますので、金額の大きなものの契約はあまりありませんので、そういう意味では一般競争入札の数は極めて少ないと考えております。今後、もしセンターを購入することになってくれば、その補修等にかかる費用は一般競争入札にかかってくると考えております。
○(財)安全衛生技術試験協会 私が決裁をしている中では一般競争入札では、例えばプリンターとか、印刷機とか、1件か2件あったぐらい。
○(財)安全衛生技術試験協会 そうですね。
○(財)安全衛生技術試験協会 あとはみんな消耗品とか何か細かいものなので。
○今村座長 一般競争入札が必ずしもいいとかではなくて、逆にデメリットもあると思うのですが、例えばいままでの随契とか、そういうそれ以外の契約でやるという必然性もたぶんあると思うのです。そこをきちんとお書きになった上で、最終的に調達の仕方に関して、我々が来年の夏にやむ得ないなと認識できるような形で、データをいただければということですが。
○(財)安全衛生技術試験協会 2つ目は削減の目標。これは、客観的にそれを目標としていただいて結構だと思います。いいですよね。
○(財)安全衛生技術試験協会 はい。
○(財)安全衛生技術試験協会 ただ、結果として駄目だったのも出てくるのかもしれませんが、目標としてやっていきますので。
○今村座長 もう1つだけすみませんが、過誤件数ゼロという目標設定は本当にどうなのでしょうか。評価するときに我々はどう評価したらいいのかというのが、ちょっと心配になるのですけれども。
○(財)安全衛生技術試験協会 目標をゼロとしたときに2件、3件起こっても絶対だめなのか、その辺を確認しておきたいのです。我々はやるからにはゼロにしたいですよね。試験ですから過誤が起きてはいけないのです。だけれども、やはりやむを得えず起こってしまうのが、過去でも3件、4件は年間にあるのです。過誤の事案の内容によって、ひどいことというか、レベルがあると思うのですが、そういう意味では目標ゼロというのが適切でないようだったら5とか、そう言う。
○今村座長 もし起きたときに我々はどう評価したらいいかとかいう、評価の仕方のところが、ちょっと見えないものですから。
○(財)安全衛生技術試験協会 試験問題はあらかじめ件数をいうのはおかしい。質の問題で過誤は過去2年間ゼロなわけです。これは一生懸命やってゼロを達成する。実施の段階で、写真の貼り違いとかですね、それは何件と書くことがなかなか、何件までは許容すると。あってはならないことではありますので、できるだけということで、そういう意味では、目標としては数値を出すことが難しかったので、いつもゼロを目指していましたのでゼロだと。そういうことだったのですか。
○宮野安全衛生部長 例えば、我々のいろいろな計画でも全く同じようなことだと思うのですが、性格とすると、やはり過誤ですから、事故について言えば目標がゼロというのが原則だろうと思うのです。ただ、それをご指摘のように、いかに評価をするかということだと思うのですが、結果として不可避で起こってしまった事故も当然ながらあるだろうと思います。おそらく評価をいただくときには、むしろ具体的に起こってしまった事故を、どういう事故が起こって、それがどういう原因で起こったのか、例えばそれが不可避のものであれば致し方なし。一方、例えばそれが何らかのこちら側の原因によって起こったものであれば、その点についてはむしろ重大に受け止めて、対応策を考えるべしという評価をいただかなければいけないでしょうし、評価の時点で、件数が何件だということではなく、むしろ具体的な内容についても報告をした上で、ご判断、ご評価をいただくことになるのではないかなと思います。
○(財)安全衛生技術試験協会 運営と試験問題についてはいままでもないですし、このまま目標をゼロとしていきたいし、実施については何件か実際ありましたので、内容で判断していただければありがたいと思います。
○今村座長 いかがですか。それでは、一通り概ねご意見も出尽くしたようですが、特に大きな変更は出なかったかと思いますが、いくつかご指摘があった点については、さらに可能な限りで修正をいただくなりしてということでよろしいですか。指定法人に再度点検を検討するようにということで、事務局側からもご指導をお願いします。また、指定法人さんにおかれましては、速やかに中期計画を策定するようにということでお願いいたします。我々の主な役割は、試験のコストが仮に外部から参入があった場合を想定しても適正であることを確認し、手数料が妥当であることを示すことでありますので、どうぞ評価の段階でそれが確認出来るような資料の提示をお願いしたいと思います。最後に事務局から連絡事項等がありましたらお願いします。
○中山石綿対策室長 次回につきましては、今回ご議論いただいた中期計画に基づく法人の業務の実施状況について評価いただくことを予定しておりますので、来年の夏頃に開催をしたいと思っております。その中で、先ほど座長からもありましたように、コストが妥当なものであるか、それを反映して妥当な手数料がどういった水準になるのかといったことについてもご議論をいただくことを考えています。そうしたことで、次回の日程については来年の然るべき時期に、またご連絡を申し上げたいと思います。以上です。
○今村座長 それでは、本日の評価会議はこれで終了いたします。本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。


(了)

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