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2011年7月29日 第1回労働政策審議会安全衛生分科会労働災害防止団体改革検討専門委員会議事録

○日時

平成23年7月29日(金)19:00~21:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省省議室(9階) 


○出席者

〈委員:五十音順、敬称略〉

相澤好治、五十嵐邦彦、市川佳子、高橋信雄、田極春美、谷口元、中村聡子、三柴丈典

事務局

宮野甚一 (安全衛生部長)
高崎真一 (計画課長)
田中正晴 (安全課長)
中山理 (石綿対策室長)
園部昌嗣 (計画課課長補佐)

○議題

・労働災害防止団体改革検討専門委員会設置の趣旨等について
・労働災害防止団体の概要について
・労働災害防止団体法に基づく労働災害防止団体の業務について
・その他

○議事

○石綿対策室長 ただ今から、第1回労働災害防止団体改革検討専門委員会を開催いたします。私は安全衛生部関係の仕分け関連業務を特命事項として担当しております、石綿対策室長の中山と申します。以後よろしくお願いいたします。本日は初めての専門委員会となりますので、座長選出までの間、私が議事進行を務めさせていただきます。
 議事に入ります前に、新しく専門委員会の委員に就任されました皆様をご紹介させていただきたいと思います。参考資料1に委員名簿を付けさせていただいていますのでご参照いただきたいと思います。順にご紹介させていただきます。まず、公益代表の相澤好治委員。三柴丈典委員。五十嵐邦彦委員。田極春美委員。続いて、労働者代表の市川佳子委員。谷口元委員。使用者代表の高橋信雄委員。中村聡子委員です。
 専門委員会の座長ですが、参考資料3「労働災害防止団体改革検討専門委員会の設置について」の2のマル3にありますように、分科会長が公益委員の中から指名することになっています。相澤分科会長にご相談した結果、本専門委員会につきましては、相澤委員に座長に就任いただくことになりましたので、よろしくお願い申し上げます。以降の議事進行につきましては、相澤委員にお願いしたいと思います。
○相澤座長 ご指名いただきましたので、座長を務めさせていただきます。一生懸命やりますのでご協力のほどよろしくお願いいたします。
 これより議事進行を開始いたします。最初に座長代理の選任ですけれども、規定上、代理を選任しなければならないということではありませんけれども、座長が出席できない場合に代理でできるよう備えることとしたいと思います。分科会の例に倣って、公益を代表する委員から座長が指名することにしたいと思います。座長としましては、公益委員の三柴委員に座長代理をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
                 (異議なし)
○相澤座長 ありがとうございます。それでは、三柴委員に座長代理の件をよろしくお願いいたします。
 議事に入ります前に、安全衛生部長より発言を求められておりますので、よろしくお願いいたします。
○安全衛生部長 冒頭、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。ただいまご紹介をいただきました安全衛生部長の宮野でございます。本日付の人事異動で安全衛生部長を拝命いたしました。ご案内のとおり、安全衛生行政に関しましては、いま喫緊の課題になっております東電福島原発の問題をはじめといたしまして、メンタルヘルスの問題、あるいは受動喫煙の問題等々、国民の皆様が非常に大きな関心を持っている重要な問題、課題を多々抱えております。そういう中で、安全衛生行政の推進につきましては、これから先生方のご指導もいただきながら進めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は労働災害防止団体改革検討専門委員会の第1回の会合ということでございますけれども、労働災害防止団体を含めまして、独立行政法人、特別民間法人、あるいは国が何らかの形で支援をしている公益法人等々については、ご案内のような厳しい財政事情の中、行財政改革、あるいは事業仕分けの中で、様々なご議論をいただいております。労働災害防止団体につきましても、そうした議論をいただく中で、より具体的な検討を審議会の場でお願いをするということで、この専門委員会を開催させていただいた次第であります。もとより、こうしたいわゆる公的な団体については、非常に、先ほど申しましたような厳しい状況の中で、業務の効率的な運営、適正な運営のために見直すべき点というのは多々あろうかと考えております。その一方で、私ども行政のみでは様々な課題に対応するというのは非常に厳しい状況であるということも事実だろうと思います。したがって、これからも様々な見直しを行いつつ、こうした団体と行政とが一緒になって様々な政策課題に対応していかなければならないと考えております。
 これからご議論をいただく労働災害防止団体の関係でございますけれども、これも申すまでもなく、こういった労働災害を防止して労働者の皆さんの生命と健康を守るためには、行政の力だけでは不十分である。まずは事業主の皆さんの自主的な活動、これが極めて重要であるということは言うまでもないことであると考えております。労働災害防止団体と言いますのは、特別民間法人ということで、こうした自主的な労働災害防止活動を行うために「労働災害防止団体法」によって定められた団体でございます。もちろん、これらの団体を取り巻く状況は、こうした団体が発足をいたしたのは昭和30年代でございますけれども、状況は大きく変わってきております。労働災害発生の件数は大幅に減少しております。そうした中でいかに目的に沿った事業を効率的に行えるのかということが大きな課題であろうと考えております。これまで厚生労働省としても法律に基づく団体として、こうした団体の運営に当たって必要な指導を行ってきたところでございますけれども、今後ともより一層、労働災害防止に実効性ある事業運営を果たせる組織になるよう、引き続き、これまで以上に取り組んでいく必要があると考えております。
 こうした中、今回専門委員会を開催する契機となりましたのは、昨年末に取りまとめられました「独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会報告書」の中で、この労働災害防止団体についても取り上げられ、「適切な経営形態に移行する」というようなことが、この報告書の中で求められております。こうした状況を踏まえまして、今般お集まりをいただきました先生方には、この労働災害防止団体としての本来の役割を遺憾なく発揮できる組織となりますよう、かつ効率的な運営が行われるように厳しいご指摘をいただければと考えておるところでございます。
 これから説明があると思いますが、非常にタイトなスケジュールの中でご検討をいただくことになります。本日も大変ご多忙の中ご出席をいただきました。これから是非、忌憚のないご意見をいただいて、実りのある会議となりますようお願いを申し上げまして、冒頭私の挨拶とさせていただきます。今後よろしくお願いいたします。
○相澤座長 どうもありがとうございました。
 それでは議事に移りたいと思います。本日の議題に沿って、まず、労働災害防止団体改革検討専門委員会の設置趣旨等について、事務局からご説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から説明をさせていただきます。資料1の1頁をご覧ください。「厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会」報告書におきまして、「中央労働災害防止協会は、設立根拠となる『労働災害防止団体法』の見直しを含めて、同法の趣旨に見合う適切な経営形態に移行するために、審議会において検討を始め、1年を目途に結論を得る。同時に、他の全ての特別民間法人についても、同様の検討を始める」とされたところです。これを踏まえまして、今般、特別民間法人である中央労働災害防止協会、建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、及び鉱業労働災害防止協会の各労働災害防止団体について、労働政策審議会安全衛生分科会の下に、公・労・使委員から成る労働災害防止団体改革検討専門委員会を設置して労働災害防止団体法に基づく業務が遂行されているか、それに相応しい経営形態となっているか等について必要な検討を行うこととなったところです。以上でございます。
○相澤座長 ありがとうございます。今の事務局のご説明に対して何かご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、今後の進め方について、事務局からご説明をお願いいたします。
○事務局 資料2です。「労働政策審議会安全衛生分科会労働災害防止団体改革検討専門委員会の今後の進め方(案)」です。12月までに4回ほどの委員会の開催を予定しています。第1回が本日で、ここに掲げているような検討を行っていただきたい。
 第2回は9月を予定しています。これにつきましては、各労働災害防止団体に出席を求めてヒアリングを行いたいと思います。ヒアリングの内容は、中災防につきましては、労働災害防止計画に即応した業務、例えば、重点事項とその進捗状況等についてです。業種別の労働災害防止団体につきましては、労働災害防止規程の法令水準との比較、特に法令水準を上回った規程等についてヒアリングをしたいと思います。もう1点は、労働災害防止計画に即応した業務ということで、中災防と同じように、重点事項とその進捗についてヒアリングを行いたいと思います。それから、各団体共通の事項ですが、各団体の事業効果としまして、災害発生の抑制効果がどのようになっているか。事業において各種サービスを提供していますが、その利用者の評価がどうなっているか。組織運営上の課題と対策の項目について、ヒアリングいただければと思っています。
 第3回を10月に予定しています。内容につきましては、労働災害防止団体法に基づく業務遂行に必要な経営形態、例えば改善の必要性等についてです。その中で、報告書の案の提示を行い、ご議論をいただきたいと思っています。
 第4回は11月です。報告書の取りまとめをいただければと思います。12月に分科会に報告というスケジュールで考えています。以上でございます。
○相澤座長 ありがとうございます。事務局の説明について何かご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。よろしいですか。
 それでは、労働災害防止団体の概要及び労働災害防止団体法に基づく業務について、事務局からご説明をお願いいたします。
○事務局 それでは資料3から順次ご説明いたします。まず資料3「各労働災害防止団体の法人概要」です。1頁は、中央労働災害防止協会です。根拠法令は労働災害防止団体法です。この労働災害防止団体法については参考資料の5頁に添付しておりますが、労働災害の防止を効率的に推進するため、国の行う監督・指導に併せて、労働者の安全衛生について直接の責任を有する事業主の自主的な労働災害防止活動を促進することが必要であるとして、昭和39年に施行されたものです。この法律による労働災害の防止を目的とする団体として全産業的なものとして、中央労働災害防止協会、特に労働災害の発生率が高い業種を厚生労働大臣が指定するものとして、建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労動災害防止協会、鉱業労働災害防止協会の各労働災害防止団体が設立されたものです。
 2.沿革は、昭和39年8月1日設立、平成12年6月19日特別民間法人化ということになっております。民間法人化については、これらの団体は特別民間法人に該当するものですが、特別民間法人については法人を少なくとも1つ確保することを目的として、特別の法律により設立数を限定して設立されております。国が役員を任命せず、かつ国又はこれに準ずるものの出資がない民間法人、地方公共団体が設立主体になるものは除きますが、このようなものを指します。
3.法人の目的は、事業主、事業主の団体等が行う労働災害防止のための活動の促進並びに労働者の安全衛生についての措置に対する援助及び指導を行うことその他労働災害の防止に関して自主的な活動を行うことにより、労働災害の防止を図ることとされております。
4.主な事業は、事業主、事業主の団体等が行う労働災害防止のための活動の促進、教育及び技術的援助のための施設の設置及び運営、技術的な事項についての指導及び援助、情報及び資料の収集、提供、調査及び広報等となっています。具体的な事業については以下のとおりとなっております。(1)リスクアセスメント/労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の普及に向けた人材育成のための研修の実施及び事業場への個別支援。あるいは(5)経営幹部、ライン管理者、安全衛生スタッフ等を対象とした安全衛生教育の実施。(9)メンタルヘルス研修の実施及び事業場への講師派遣などです。
 3頁の5.組織は、本部組織については組織図のとおりですが、これに加え都道府県に支部をもっております。支部の事業としては、国からの受託業務のうち全国的に実施する業務、あるいは中災防の事業に関する問合せ対応、広報に関することとされております。
 4頁の6.補助金については、平成20年度決算から表のとおりとなっておりますが、補助金については災防団体法第54条の規定において、「政府は労働災害防止団体に対して、労働者災害補償保険特別会計の予算の範囲内において、その業務に要する費用の一部を補助することができる」とされていることから、災防団体の交付申請に基づき、自主的な労働災害防止活動の促進と労働者の安全と健康の増進を図り、労働災害防止に寄与することを目的として、補助金の交付を行っております。最近の特色としては、平成23年から各団体の管理費に対する補助を廃止したところです。中災防の人件費については、22年度までは職員の人件費の2分の1を補助していましたが、23年度は管理部門の人件費を補助対象から除外した職員の人件費の2分の1を補助したところです。
 次に5頁、建設業労働災害防止協会です。沿革は、昭和39年9月1日設立、平成元年7月18日に特別民間法人化されております。法人の目的は、建設業を営む事業主及びその事業主の団体によって組織し、建設業について労働災害防止規程を設定し、並びに労働者の安全及び衛生についての措置に対する援助及び指導を行うことその他労働災害の防止に関して自主的な活動を行うことにより、事業主、事業主の団体等が行う労働災害の防止のための活動を促進し、もって建設業における労働災害の防止を図ることとしております。主な事業として、建設業に係る労働災害防止を図るために、(1)リスクアセスメント教育、(4)建設業労働安全衛生マネジメントシステム普及促進事業、(8)専門家による技術指導・支援事業などとなっています。組織は、本部組織と都道府県支部を有しております。補助金については、事業仕分けを受け、補助金を23年度から3年を目処に廃止し、国からの財政支出に頼らない建設業界による自主的な労働災害防止活動を行う団体としての自立を目指すこととされたところです。
 次は、陸上貨物運送事業労働災害防止協会です。沿革は、昭和39年8月15日設立、平成元年7月18日に特別民間法人化となっています。法人の目的は、陸上貨物運送事業に属する事業の事業主及びその事業主の団体によって組織し、陸上貨物運送事業について、労働災害防止規程を設定し、並びに労働者の安全衛生についての措置に対する援助及び指導を行うことその他労働災害の防止に関して自主的な活動を行うことにより、事業主、事業主の団体等が行う労働災害の防止のための活動を促進し、もって労働災害防止を図ることとしています。主な事業として、(2)荷役運搬作業における墜落・転落、挟まれ・巻き込まれ、飛来・落下災害及び荷役運搬機械による災害の防止の徹底。(3)交通労働災害防止のためのガイドラインの周知徹底等となっています。組織は、本部組織、及び都道府県に支部を有しております。補助金は図のとおりです。
 続いて9頁、林業・木材製造業労働災害防止協会です。沿革は、昭和39年9月1日設立、平成元年7月18日特別民間法人化となっています。法人の目的は、林業及び木材製造業を営む事業主及びその団体によって組織し、以下のとおりの目的となっております。主な事業として、(1)林業現場責任者安全衛生教育訓練事業、(3)振動障害予防のための特殊健診等の定着促進事業、(6)林材業リスクアセスメントの普及定着等となっています。組織は、本部組織及び都道府県に支部を有しております。補助金の推移は表のとおりです。
 続いて11頁、港湾貨物運送事業労働災害防止協会です。沿革は、昭和39年9月1日設立、平成元年7月18日に特別民間法人化となっています。法人の目的は、港湾貨物運送事業を営む事業主及びその事業主の団体によって組織し、以下のとおりとなっております。主な事業は、(2)港湾荷役作業現場の巡視、安全指導、中小港湾事業者の安全衛生管理指導、全国港湾労働災害防止大会等を通じての啓発活動等となっています。組織は、本部組織、それと総支部が13で、その下に支部を79有しております。補助金は表のとおりです。
 次に13頁、鉱業労働災害防止協会です。沿革は、昭和39年10月1日設立、平成元年7月18日特別民間法人化となっています。法人の目的は、鉱業権者及び鉱業権者の団体並びに採石業者及び採石業者の団体によって組織し、以下のとおりとなっています。主な事業は、(1)中小鉱山及び採石業支援事業として、平成17年度に施行された改正鉱山保安法の実施状況を踏まえ、中小規模鉱山における保安責任者等の技術移転制度の検討、自主保安を支援するため保安教育ガイドラインの作成の検討及び採石業労働災害防止指導基準書の検討。(3)教育事業として、危険予知訓練(KYT)研修会、鉱山救急法講習会、粉じん障害防止対策講習会、採石業労働災害防止研修会、リスクマネジメント・リスクアセスメント研修会の実施等となっています。組織は、本部組織以外に鉱山支部9、砕石支部29となっています。補助金の推移は表のとおりです。
以上が各労働災害防止団体の概要です。

 続きまして、資料「4支部の運営主体等について」をご説明いたします。
ただいまの説明にありましたように、本部組織以外に支部を有しております。まず中災防ですが、支部の運営主体について、都道府県労働基準協会、労働基準協会連合会又はこれらに準ずる労働災害防止の業務を主として行う団体が47置かれております。支部の経理、財政等ですが、これは本部の規定によって行われております。財政状況については、収入は本部からの活動経費、支出は支部の活動費支出となっています。支部の人事は、支部長は原則支部の運営主体の専務理事とし、中災防の会長が委嘱しております。支部職員は支部長が委嘱しております。
 次に建災防は、都道府県建設業協会が支部の運営主体となっています。これは47置かれております。経理処理、管理体制は、支部の管理によって行われております。支部の予算・決算は、支部総会の承認事項となっております。決算は支部監事の監査を経て承認となっております。財政については、収入は本部からの活動経費、講習等の事業収入。支出は支部の活動費支出となっています。支部の人事は、支部長は会長が委嘱、支部理事及び支部監事は支部総会において選任又は解任、副支部長及び専務理事は支部理事会で選任。支部職員の任免は支部長となっております。
 陸災防ですが、支部の運営主体は都道府県トラック協会となっております。47置かれております。経理処理、管理体制は、支部の管理によって行われています。支部の予算・決算は支部総会の承認事項。決算は支部監事の監査を経て承認となっております。財政は、収入は本部からの活動経費、会員からの会費収入、講習等の事業収入。支出は本部への納付金、支部の活動費支出となっています。支部の人事については、支部役員は支部総会において選任又は解任となっています。支部職員と任免は支部長が行っております。
 次に林災防は、支部の運営主体は都道府県森林組合連合会、都道府県木材組合連合会、その他都道府県労働基準協会、林材業関連団体となっています。経理処理、管理体制は、支部の管理によることとなっています。支部の予算・決算は、支部の総会の承認事項。決算は支部監事の監査を経て承認となっております。財政は、収入は本部からの活動経費、会員からの会費収入、講習等の事業収入。支出は支部の活動費支出となっています。支部の人事については、支部役員は支部総会において選任又は解任。支部職員の任免は支部長となっています。
 次に港湾災防は、支部の運営主体は、総支部13カ所の支部は日本港運協会各地区港運協会となっており、79の支部も同上となっています。経理処理、管理体制は、総支部・支部の管理によることとなっています。総支部・支部の予算・決算は、総支部・支部総会の承認事項。決算は総支部・支部監事の監査を経て承認となっております。財政は、収入は本部からの活動経費、会員からの会費収入、講習等の事業収入。支出は本部への納務金、支部の活動費支出です。支部の人事は、総支部・支部役員は、総支部・支部総会において選任又は解任となっております。総支部職員の任免は総支部長となっています。これは支部も同様です。
 次に鉱災防です。支部の運営主体は、鉱山支部が9つありますが、札幌、東京は本部の直轄となっていますが、仙台、近畿、四国は鉱業会、名古屋、広島は鉱山会、福岡は石灰石鉱業協会となっています。沖縄は砕石協会となっています。砕石支部については、日本砕石協会となっています。支部の経理、財政等については、経理処理、管理体制は、支部の本部の規定によることとしております。支部の予算・決算は、本部で取りまとめ、総会での承認となっています。決算は監事の監査を経て承認となっています。財政は、収入は本部からの活動経費、会員からの会費収入、講習等の事業収入です。支出は本部への納付金、支部の活動費支出です。支部の人事については、鉱山支部の支部長は、鉱山会等のトップである理事長、会長が行っております。事務局長は支部長が指名する。これは本部人事の札幌、東京支部は除きます。砕石支部の支部長及び事務局長は社団法人日本砕石協会の支部長及び事務局長が兼任となっております。

 次に、資料5「補助対象事業の実績」です。まず1頁、中央労働災害防止協会です。事業名の安全衛生管理活動事業は、安全管理士、衛生管理士の行う労働災害防止に関する技術的な指導・援助を行うとともに、管理士の資質の向上に係る事業となっております。22年度までの推移については表のとおりですが、参考までに、平成23年の予定が、総合的な安全衛生指導を通じた中小規模事業場の取組の促進となっております。
 3頁は中央労働災害防止協会の労働災害防止特別活動事業です。これについては労働災害の防止の促進を図るために、地域に密着した活動が必要であり、地域におけるきめ細かい配慮をした特別な活動の促進のための事業です。主に表彰とか、例えば業種別最長無災害記録を樹立した事業場に対する記録証や記念品を授与するようなもの、これが平成22年度までの主な事業です。平成23年度の予定はこれらに代わり、中小規模事業場の自主的な安全衛生活動の支援として、中小規模事業場の自主的な安全衛生活動の促進を行うための安全衛生研修・セミナー、安全衛生技術サービスを利用しやすいように受講料等の割引による支援を実施しているところです。
 次に4頁の安全衛生調査研究事業です。これは労働災害防止に関して、労働災害防止協会として必要な実態を把握し、行政の規定する安全衛生基準を踏まえた実用技術の開発、作業指針の作成等きめ細かい基準作成のための委員会を通じて調査研究を行うものです。主なものとして、リスクアセスメント、労働安全衛生マネジメントシステムの実施、普及促進方策等に関する調査研究を行っています。あるいは21年度からは労働災害が多発している業種等における安全衛生対策等に関する調査研究として小売業、22年度はその他の小売業について研究を行っています。23年度については補助対象とはしていません。
 続いて5頁の安全衛生啓発事業です。これは事業主その他関係者の安全衛生意識の高揚、労働者の災害防止に関する技能の向上を図ること、及び労働災害の防止に関し、内外の情報及び資料を収集し、提供することにより、労働災害防止のための知識、技術等の付与を行うものです。主なものとして、安全衛生週間の周知事業、あるいは職場の機械、設備に関する工夫・改善事例の表彰の実施概要というものになっていますが、23年度については対象になっておりません。中災防は以上です。
 次に7頁の建設業労働災害防止協会です。安全衛生管理活動事業について、安全衛生管理士による指導、支援事業ということできております。労働災害防止特別活動事業については、安全指導者活動事業として22年度まで行っております。23年度については専門工事業者安全活動自律促進事業、中小建設業者の安全衛生対策支援事業として、熱中症予防のため、作業環境管理等の方法の検討、管理士、安全指導者等の専門家による周知・指導、有効な保護具の普及の実施等となっております。9頁の安全衛生調査研究事業は、例えば平成21年度に電動ファン付き呼吸用保護具について、活用状況等を調査し、使用上の問題点や改善点等について検討を行う。あるいはコンクリート研磨作業における、粉じんによる健康障害防止対策について検討を行う。22年度には建設業の熱中症予防に有効な保護具の活用状況の検討となっております。10頁の安全衛生啓発事業については、労働災害防止に関し、広く内外の情報及び資料を収集し提供することによる労働災害防止のための知識、技術等の付与となっています。事業の実績については下の表のとおりです。
 続いて11頁、陸上貨物運送事業労働災害防止協会です。安全衛生管理活動事業については、安全・衛生管理士活動事業として平成22年度まで行っております。平成23年度については中小零細事業場の安全衛生管理水準向上のため、具体的な取組方法等について、個別事業場に対して指導・支援を実施することとなっております。事業実績については下のとおり、個別・集団指導となっております。12頁の労働災害防止特別活動事業では、例えば平成22年度は災害防止指導員活動事業として、個別指導、集団指導、パトロールの実施。それから安全衛生に優秀な成績を挙げた会員事業場及び団体並びに労働災害防止に特に功労・功績のあった個人の表彰の実施。フォークリフト運転競技大会事業です。23年度については陸運業における過重労働による健康障害の防止のため、マニュアルの作成、陸運災防指導員、安全管理士等による指導の実施等となっております。13頁の安全衛生調査研究事業は、主なものとして、平成21年度の新規に雇用された労働者に対する安全衛生教育の効果的な実施に関する調査研究。陸運業におけるリスクアセスメントの取組に関する調査研究。荷主庭先における自動車運転者の荷役作業の安全確保に関する調査研究等について研究を行っております。22年度には労働災害防止対策に関する実態調査検討専門委員会報告書について検討の取りまとめを行っております。安全衛生啓発事業では、主なものとして、会員に対して、リスクアセスメントの導入等労働災害防止に関する情報提供事業を実施しております。以上については22年度までで、23年度は補助の対象となっていません。
 次に15頁、林災防です。安全衛生管理活動事業として、安全・衛生管理士巡回指導事業。安全管理士の活動をサポートする「林材業専門調査員」制度を創設してサポートを実施しています。個別指導、集団指導が行われております。16頁の労働災害防止特別活動事業では、支部における労働災害防止活動推進事業のほかに、労働関係法令、17頁に飛びますが、22年度のマル8の小規模零細経営の林業事業者や林業労働者を対象に、労働安全衛生関係法令の基礎知識を付与する事業を実施しております。これらの事業実績については以下のとおりです。23年度については16頁の振動障害予防のための特殊健康診断等の定着促進事業を行っております。18頁の安全衛生調査研究事業の主なものとして、21年度に林業事業体の安全技術指導体制の在り方に関する調査研究として、熟練労働者から新規参入労働者に対する技能の伝承など、人的側面における事例研究等を行い、適切な指導体制の在り方について検討を行っております。20頁の安全衛生啓発事業は、主なものに会員に対する林材業における安全管理上の問題点、労務管理、災害事例等の情報提供を実施しております。また、木工機械災害防止運動事業として、木材加工用機械災害防止総合対策推進のため、総合対策及び丸のこ盤ガイドライン等についてのリーフレットの配付を行っています。これらについては23年度は補助対象となっていません。
 次に21頁、港湾災防です。安全衛生管理活動事業は、安全管理士活動事業として事業場に対する指導、パトロール、講習会、安全衛生会議などを行っております。23年度については中小港湾貨物運送事業者の安全衛生水準向上のための個別指導の実施を行っています。労働災害防止特別事業では、作業現場巡回指導事業として、個別事業場を巡回して、安全衛生対策に関する指導を実施。督励巡視団を編成し、主要各港の巡視を実施する等となっています。23年度についてはマル2中小港湾運送事業者の安全水準の向上を担う次世代の育成等の推進を行っています。22頁の安全衛生調査研究事業は、港湾荷役の労働災害の発生状況に関する調査研究として調査研究を行っております。危険に対する感受性を向上させるための安全衛生手法に関する調査研究を行っています。23頁の安全衛生啓発事業では、労働災害防止強調月間等事業を行っております。また労働災害防止対策の情報誌の作成、提供などを行っています。これらについては22年度までの補助対象となっています。
 次に24頁、鉱業労働災害防止協会です。安全衛生管理活動事業は、主なものとして、安全管理士活動事業として、個別指導、集団指導を行っています。労働災害防止特別活動事業として、安全衛生功労者に対する表彰等の事業。また全国鉱山・製錬所の保安対策研究会事業。支部における災害防止活動の推進事業を行っております。23年度については支部における現場パトロールの実施。中小鉱山及び砕石業の支援ということで、中小鉱山における保安技術水準の維持制度。保安教育ガイドラインの作成の検討、採石業労働災害防止指導基準書の作成の検討を行っています。25頁の安全衛生調査研究事業は、主に?採石業におけるリスクアセスメント導入に関する調査研究を行っています。安全衛生啓発事業については、災害速報の作成・提供事業として、鉱山における死亡災害や重大災害の発生など労働災害の防止に関する情報を会員にファックスや情報誌綴じ込みで情報提供をしております。これらは平成22年度までの補助対象となっています。

 続いて、資料6「各労働災害防止団体の財務状況」です。中央災害防止協会について、中災防の本体と、国が設置し中災防に運営を委託している東京安全衛生教育センターと大阪安全衛生教育センターの分が3、4頁になります。同じく国が設置し中災防に運営を委託している日本バイオアッセイ研究センターの分が5、6頁です。バイオアッセイ研究センターについては、化学物質によるがん原性試験施設ということで、神奈川県秦野市にあります。これらは区分経理を行っております。ここでは中災防本体、1、2頁のみ説明いたします。まず貸借対照表です。基本金はここ数年での減少が顕著となっていますが、平成21年度に退職給与積立金への必要額を積み立てたことが主な影響となっております。次に損益計算書の一番下の当期純利益欄が、ここ数年マイナスになっております。23年度決算見込も1億4,000万余のマイナスとなっています。
 続いて、7頁の建災防の貸借対照表では、比較的安定した財務状況となっていますが、ここ数年事業関係の積立金、情報システム構築積立金と安全衛生活動推進積立金の取崩しが見受けられます。損益計算書では、会費収入、事業収入等の減少が続いています。
 次に9頁、陸災防です。下の基本金の合計で、23年度の見込みですが、22年度と比較して大幅な減少が見込まれております。10頁の損益計算書の会費収入は23年度は22年度と比較して大幅な減少が見込まれております。
 11頁の林災防では、22年度の基本金の合計で、21年度と比較して基本金が大幅に増加しています。損益計算書は、国庫補助金収入、受託事業収入の金額が減少していますが、合わせて、費用として計上している役職員給与についても前年と比べ大幅に減少しています。役職員給与については23年度は更に減少の見込となっております。
 次に13頁、港湾災防について、基本金は22年度以降繰越金が△となっています。基本金合計が21年度以降減少に転じております。14頁損益計算書の22年度以降収益と費用を見ますと、収支がマイナスとなっています。
 次に15頁、鉱業災防は、基本金の合計欄で、一貫して減少をしています。損益計算書では、事業収入は23年度は、22年度と比較して、非常に高く見積もっておりますが、当期欠損金のところで200万余となっています。もし事業収入が前年並となると、ここの金額が3,000万余のマイナスとなるおそれがあります。財務状況は以上です。

 次に、資料7「労働災害防止団体法に基づく業務」です。1頁、中災防です。これは労働災害防止団体法に則した事業内容が行われているかどうかを明らかにした表です。まず、災防団体法第11条第1項(次の業務を行うものとする。)についてです。「労働災害の防止に関し会員間の連絡及び調整を図る」ことについては、事業内容、事業実績を見ていただきますが、事業内容、事業実績について、以下すべて平成22年度の状況です。業種別意見交換会としまして、製造業、小売業、サービス業等について、それぞれ7団体、6団体、5団体の参加をみています。
 第一号「事業主、事業主の団体等が行なう労働災害の防止のための活動を促進すること」については、「全国産業安全衛生大会」の開催としまして、研究発表、シンポジウム等を実施、参加者が1万1,500名となっています。また、「緑十字展」として、安全衛生保護具、職場環境改善機器等の展示会の開催を行っています。これは、参加者が1万4,390人となっています。
第二号「教育及び技術的援助のための施設を設置し、及び運営すること」については、地区安全衛生サービスセンターを設置・運営し、教育及び技術的援助の実施を行っています。
 第三号「技術的な事項について指導及び援助を行なうこと」ですが、第五号「労働者の技能に関する講習を行なうこと」と共通でして、リスクアセスメント・労働安全衛生マネジメントシステム、化学物質のリスクアセスメント実施支援等の推進、機械設備のリスクアセスメント実施支援等の推進を行っています。すべてで約240回ぐらいの開催を行っており、約9,000人弱の参加となっています。それから、心とからだの健康づくり事業の推進として、健康づくり・メンタルヘルス研修の開催、事業場への講師派遣等の実施、生活習慣改善及びメンタルヘルスケアを促すためのアドバイスサービスとなっています。また、安全衛生技術サービスの実施として、事業場の安全衛生状態の診断・安全衛生教育・安全衛生講演の実施、作業環境測定の実施、血中有害物・化学物質等の分析の実施、有害業務従事者に対する特殊健康診断等の実施を行っています。
 第四号「機械及び器具について試験及び検査を行なうこと」について、これら機器の安全性を確認することとされていますが、メーカー等民間製品の水準の向上等により安全性の確認を求められる実績がなかったものです。次に第六号「情報及び資料を収集し、及び提供すること」は、安全衛生に係る図書等の普及、インターネットによる安全衛生情報の提供等となっています。
 2頁です。第七号「調査及び広報を行なうこと」としまして、労働災害防止に資する調査研究の実施については、小売業における安全衛生対策に関する調査研究、食品加工作業における効果的なリスクアセスメントの進め方に関する調査研究、安全衛生への取組が取引等に好影響を与える事例等に関する調査研究となっています。ほかに、全国安全週間、全国労働衛生週間及び年末年始無災害運動の広報を行っています。第八号「その他必要な業務を行なうこと」として、国際協力等の推進を行っています。
 それから、下の欄の法第11条第2項(国からの委託を受けて、次の業務を行うことができる。)ものについては以下のとおりです。説明は省略させていただきます。また、いちばん下の四角ですが、法第11条第4項「中央協会は、第1項の業務を行なうにあたっては、労働安全衛生法に基づいて策定された労働災害防止計画に即応するよう努めなければならない」ものについては、資料8ですので、後ほどご説明申し上げます。
 次に3頁、建災防です。法第36条第1項、第一号については「労働災害防止規程を設定すること」としています。設定の趣旨については、労働災害防止規程ですが、これは、労働災害の防止に関しまして会員の守るべき事項を定めた自主的な規範を定め、これを実施することです。労働安全衛生法は、労働災害の防止に関し使用者の守るべき最低基準を定めていますが、災害防止の徹底を期するためには、産業別の種別、事業の規模等に応じてよりきめの細かい規制を行うことが必要でありますが、産業の実情の変化に応じて改善していくことは法技術上困難かつ適当ではないということから、業種別団体については、法令に定める基準を当該業種の実態に則して具体化した労働災害防止規程の設定を基本的な業務としたものです。
 まず、事業内容です。直近では建設業労働災害防止規程を平成21年度に改正しています。これを安全指導者が周知して遵守させるための指導を行っています。詳細については資料9にあります。後ほどご覧いただければと思います。それから、第二号「会員に対して、労働災害の防止に関する技術的な事項について指導及び援助を行なうこと」です。これについては、安全管理士及び衛生管理士が、会員事業場に対し、現場指導、安全衛生協議会、安全衛生教育等に対する技術的な指導及び支援を行っています。平成22年度の実績は右の欄のとおりとなっています。
 4頁です。法第36条第2項(次の業務を行うことができる。)ものについてです。
第一号「機械及び器具について試験及び検査を行なうこと」は、事業実績欄にありますように、耳位置対応調節付き脱落防止強化あご紐などとなっています。
第二号「労働者の技能に関する講習を行なうこと」については、事業内容は主な教育としまして、特別教育及び特別教育に準ずる講師養成講座、安全管理者選任時研修、下にいきまして、作業主任者技能講習、運転等技能講習、特別教育、職長・安全衛生責任者教育、建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育等となっています。
第三号「情報及び資料を収集し、及び提供すること」については、マル2にありますように、国が策定した「労働災害防止計画」を基本とした「建設業の労働災害防止に関する中期計画と今後の展望(第6次建設業労働災害防止5カ年計画)」を作成し配付を行っています。第四号「調査及び広報を行なうこと」は、建設業の安全衛生水準の向上のための基礎となる調査研究としまして、クレーン機能付きドラグショベルの安全対策に関する調査研究、建設工事における熱中症対策と保護具等の活用等に関する調査研究、土砂崩壊防止対策に関する調査研究等となっています。また、建設業労働安全衛生マネジメントシステムなども行っています。
 7頁をお開きください。陸災防です。労働災害防止規程を設定することについては、昭和41年7月に制定し、その後6回の改定を行っています。詳細については資料9の5頁以降を後ほどご覧いただければと思います。
第二号「会員に対して、労働災害の防止に関する技術的な事項について指導及び援助を行なうこと」は、安全衛生関係法令に係る技術的な事項についての指導、あるいは安全及び衛生に係る教育方法についての指導となっており、実績は右欄のとおりとなっています。
それから、法第36条第2項、第二号「労働者の技能に関する講習を行なうこと」については、労働安全衛生法に基づく技能講習として、フォークリフト運転技能講習の実施、ショベルローダー等運転技能講習の実施、あるいは、陸災防安全衛生教育講師(インストラクター)養成講座等を行っています。
第三号「情報及び資料を収集し、及び提供すること」については、実績欄のとおり各種マニュアル等を作成しています。第四号「調査及び広報を行うこと」としては、新規に雇用された労働者に対する安全衛生教育の効果的な実施に関する調査研究、陸運業におけるリスクアセスメントの取組に関する調査研究、荷主庭先における自動車運転者の荷役作業の安全確保に関する調査研究等となっています。
 8頁です。林災防です。労働災害防止規程の設定については、法令等の改正や作業態様の変化等に対応して条文を加えるなど行っています。昭和41年に制定以降8回の改正となっています。具体的には資料9の8頁以降となっています。
第二号「会員に対して、労働災害の防止に関する技術的な事項について指導及び援助を行なうこと」については、林材業労働法令等集団指導会を行っています。また、安全管理士による指導、援助活動などを行っています。
 9頁です。法第36条第2項、第二号「労働者の技能に関する講習を行うこと」としましては、技能講習、特別教育等を行っています。
第三号「情報及び資料を収集し、及び提供すること」については、労働災害、死亡災害の発生情報を取りまとめて発生状況の分析などを行っています。これらについて、会員、関係機関並びに関係団体等に提供を行っています。
第四号「調査及び広報を行なうこと」については、林業事業場における効果的な安全技術指導体制のあり方に関する調査研究、あるいは、製材機械と木工機械の一部にとどまっている現行の災防規程を現場の作業実態に合わせるための木材加工用機械全般にわたる安全対策に関する調査研究を行っています。
 12頁です。港湾災防です。労働災害防止規程の設定については、詳細は資料9の17頁以降となっており、主な改正については事業実績の欄にあるとおりとなっています。
第二号「会員に対して、労働災害の防止に関する技術的な事項について指導及び援助を行なうこと」については、実績欄にありますように、港湾荷役現場の安全衛生指導、安全管理士による個別指導・集団指導、安全衛生教育及び研修となっています。
法第36条第2項、第二号「労働者の技能に関する講習を行なうこと」については、技能講習、特別教育等を行っています。
第三号「情報及び資料を収集し、及び提供すること」については、労働災害事案について全数の災害情報を提供し、その共有化を推進しています。また、労働災害防止対策事例として、情報及び資料等を収集し、提供を行っています。
 13頁です。鉱業労働災害防止協会です。労働災害防止規程の設定については、鉱業については、実績欄にありますように、労働災害防止規程の作成が適用除外とされています。これは、労働災害防止団体法第58条第2項に規定されていますが、採石業が会員対象になって初めて労働災害防止規程を策定しています。平成20年の改正では平成18年施行の改正労働安全衛生法の内容を盛り込んだほか、砕石会員に対する労働災害の状況の報告を義務付けています。以上ですが、詳細は資料9の21頁となっています。
次に、第二号「会員に対して、労働災害の防止に関する技術的な事項について指導及び援助を行なうこと」については、主に危険予知について企業研修を行っています。また、安全パトロール等を実施しています。次に、法第36条第2項、第二号「労働者の技能に関する講習を行なうこと」については、リスクマネジメント研修事業、KYT研修事業等となっています。
第三号「情報及び資料を収集し、及び提供すること」については、労働災害情報の提供となっています。

 資料8「労働災害防止計画に即応する業務」です。労働災害防止計画に即応させる趣旨ですが、これは、総合的かつ計画的な労働災害防止対策の推進を図るために、参考資料8に付けていますが「第11次労働災害防止計画(概要)」を添付しています。労働災害防止計画を国が策定し、国及び民間の協力の下に労働災害防止対策の円滑な促進を期したものです。現在平成20年度を初年度として平成24年度までの5年間にわたる第11次労働災害防止計画を推進しているところです。この推進に当たりましては、労働災害防止団体が関係業種の実態を踏まえ各関係業種別の目標を含む計画を策定し、労働災害防止活動に取り組むこととしています。
 まず1頁です。中災防ですが、計画では、8つの重点対策及びその目標が定められていることから、中災防の取組としては、重点対策1.リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の促進については、事業場における人材養成、これは、安全衛生スタッフ、ライン管理者等を対象としたリスクアセスメント研修会、それから、リスクアセスメントの実施が必要事項である労働安全衛生マネジメントシステムに関する研修会。2の事業場への個別支援としまして、リスクアセスメント・OSHMSに関する出張研修、リスクアセスメントの実施、マネジメントシステムの構築等に関する事業場への個別サービス等となっています。
 次に、重点対策2の化学物質におけるリスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施の促進については、ライン課長、職長、化学物質管理者等を対象としたMSDS(化学物質等の安全データシート)の読み方、化学物質のリスクアセスメントの進め方に関する研修会。事業場への個別支援としましては、事業場からの依頼によるMSDS等の作成、有害性評価の実施等となっています。
重点対策3の機械災害の防止です。機械設備のメーカー及びユーザーの技術者等を対象とした機械設備のリスクアセスメントの進め方に関する研修会、あるいは、機械設備の安全化に関する出張研修となっています。
 重点対策4、墜落・転落災害の防止では、墜落・転落災害防止に関する研修会を行っています。
重点対策5、粉じん障害の防止では、粉じん作業における特別教育のインストラクターを養成するための講座。
重点対策6、化学物質による健康障害の防止では、有害物質を扱う事業場における作業環境測定。
重点対策7、健康診断の促進では、健康づくりスタッフ等を対象とした健康づくりに関する研修会、中災防ヘルスアドバイスサービス、特殊健康診断及び一般健康診断の実施となっています。
3頁の重点対策8、メンタルヘルス対策の推進です。人事・労務担当者産業保健スタッフ等を対象としたメンタルヘルスに関する研修会、メンタルヘルス・過重労働対策に関する事業場への支援としては、事業場への講師派遣、コンサルティングなど事業場におけるメンタルヘルス対策の取組への個別支援、アドバイスサービス等を行っています。
 業種別の労働災害防止団体の労働災害防止計画に即応する事業ですが、4頁以降となっています。
建設業労働災害防止協会については、教育事業についてリスクアセスメントを取り入れた安全衛生教育の充実と積極的な推進を図っています。ほかに、建設業労働安全衛生マネジメントシステムの推進事業、それから、安全・衛生管理士が会員事業場、支部、分会、安全衛生協議会等に対し、建設業労働災害防止規程を踏まえた現場指導、安全衛生教育、技術指導・支援等を行うこととしています。
 5頁にありますように、専門工事業者安全活動自律促進事業、(7)では中小建設業者の安全衛生対策支援事業として、屋外型作業の特性である熱中症予防対策及び中小零細工事が大半を占める木造家屋等低層住宅建設工事における安全衛生対策等について普及定着を図っています。
 6頁です。陸上貨物運送事業労働災害防止協会については、リスクアセスメント研修の実施、好事例の提供、個別事業場への支援、荷役作業中の墜落・転落災害防止の推進、メンタルヘルス対策に関する情報の提供などとなっています。
 8頁、林災防です。(3)にありますように、振動障害予防のための特殊健康診断の定着促進事業、(4)のマル2にありますように、林材業リスクアセスメントの普及定着等となっています。
 9頁です。港湾労働災害防止協会については、(1)にありますように、リスクの低減対策の実施を図り、併せてマネジメントシステムの導入に努める。あるいは、(4)にありますように、メンタルヘルス対策、脳・心臓疾患の予防の促進を行っています。
また、10頁にありますように、特定化学物質、有機溶剤、一酸化炭素等化学物質による健康障害を防止するため、作業主任者の選任とその職務の励行、健康診断の実施、必要な保護具の周知と保護具の整備等の徹底に努めています。
 11頁の鉱業労働災害防止協会です。(3)にありますように、リスクアセスメント導入の努力義務が課せられた平成18年からの労働災害の実態を分析するとともに、採石業者が一般的に採用すべき労働災害防止方法を定め、自主的な労働災害防止の指針を作成し、採石業者の労働災害の低減を目指すこととしています。以下、教育事業としては、リスクマネジメント講習会、あるいは、粉じん障害防止対策講習会等となっています。

 資料10をご覧いただきます。「特別民間法人の指導監督基準に基づく状況」です。民間法人化された特殊法人等については、平成13年12月に策定された特殊法人等整理合理化計画において、役員人事、ディスクロージャー等に関する政府としての統一的な指導監督基準を策定することに基づきまして、平成14年4月26日の閣議において、これらの法人の運営全般にわたる指導監督の基準を定めた「特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準」が閣議決定されています。特別の法律により設立される民間法人について、所管大臣がその設立根拠法等に基づいて指導監督を行う場合には、別に法令で定める場合を除きこの基準に沿って行うことが基本となっているところです。
 1頁をご覧ください。まず「役員のうち、所管する官庁の出身者の割合」です。基準は、所管する官庁の出身者が占める割合は3分の1以下となっていることです。まず、中央労働災害防止協会については、役員総数が109名、そのうち、厚生労働省出身者は4名、所管官庁出身者の割合は3.67%となっています。建設業労働災害防止協会については、役員総数が77名、出身者の割合はゼロです。陸災防については、役員総数が89名、同じく出身者はゼロ%となっています。林災防については、60名の役員総数に対して厚生労働省の出身者はゼロです。港湾労働災害防止協会については、役員総数が67名、出身者はゼロとなっています。鉱業労働災害防止協会については、役員総数が28名、出身者がゼロです。
 次に「役員の報酬、退職金について」ですが、基準は、役員の報酬等、これは報酬及び退職金ですが、当該法人の資産・収支状況、国家公務員の給与・退職手当、民間の役員報酬等の水準に比べて不当に高すぎることなく、社会一般の情勢に適合したものとなっていることとされています。この中では、国の事務次官、年間給与2,276万5,000円、このモデル給与を参考にしています。
まず、中災防ですが、平成23年7月1日現在、理事長の年間報酬が1,600万円余、退職金は国の水準を超えることのないよう設定されています。
建災防は、常勤役員はありません。退職金は中災防と同様となっています。
陸災防ですが、専務理事、報酬月額が74万8,000円余、年間報酬については、1,406万円となっていますが、平成23年6月より年間報酬が1,125万円となっています。退職金については同じとなっています。
林災防は、常勤役員はありません。退職金規程についても同様となっています。
港湾災防についても常勤役員はありません。退職金規程も同じです。
鉱業労働災害防止協会についても、常勤役員はありません。退職金規程も同じとなっています。
 2頁です。「情報公開について」ですが、基準は、法人の業務及び財務に関する情報の開示は、法人の公共的性格にかんがみ、その透明性を確保するとの観点から、以下の事項に適合したものになっていることとされています。業務及び財務に関する資料を主たる事務所に6年間備えておき、一般の閲覧に供していること、インターネットによりこれらを公表していることとしていますが、いずれの団体も基準に則した対応がとられています。

 最後に、資料11「労働災害防止団体におけるガバナンス、コンプライアンス」です。
まず1頁です。中央労働災害防止協会の平成22年度の実績です。理事会、総会については、理事会は平成22年5月に開催され、事業報告の承認、決算の承認、事業計画案の審議、収支予算案の審議、役員選任、顧問及び参与の委嘱となっています。常任理事会は平成23年3月に開催され、事業計画(案)、収支予算(案)の審議がされています。監査については、監査法人による監査が81人日、監事監査が28回、内部監査が57回となっています。その下、参与会議ですが、これは、災防団体法第27条に規定されていまして、役職員ではありません。業務運営の重要事項について会長の諮問に応じて意見を述べるなど行うものです。これについては、事業実績の評価、決算諸表等について報告ということで2回ほど開催されています。
 次に建災防ですが、理事会については、平成22年5月に開催されています。事業報告、決算報告、事業計画、収支予算、これらについて審議をされています。常任理事会は平成22年9月に開催されています。会費徴集基準の変更、承認等の審議がされています。監査ですが、2回開催されています。参与会議についても2回の開催となっています。
 次に陸災防ですが、理事会は平成22年5月に開催されています。これについては、労働災害防止計画改正案の審議等が行われています。また、常任理事会は平成22年5月に開催され、理事会、総会に提出議案の審議がされています。また、12月に開催され、平成21年度の業務実績の評価がされています。また、災防規程の変更についての審議が行われています。監査については2回監査が行われています。参与会議は平成23年3月に1回開催されています。
 林災防です。理事会は平成22年6月に開催されています。事業報告等以外に会費案についての審議がされています。また、常任理事会が平成23年3月に開催されています。賛助会員の加入、参与の委嘱等が審議されています。また、監査は1回開催されています。参与会議も1回です。港湾災防ですが、理事会が平成22年6月に開催されています。参与の委嘱等について審議がされています。常任理事会は平成22年5月に開催されています。これは、東日本大震災により中止となりましたが、個別に承認を得ているようです。監査は1回、参与会議も1回となっています。
それから、鉱業災防労働災害防止協会です。理事会は平成22年6月に開催されています。常任理事会は平成22年5月、それから、平成22年11月には平成23年度の補助金の大幅削減を踏まえた今後の協会の運営についての審議がされています。監査については1回、参与会議については1回です。
 2頁です。コンプライアンスの関係ですが、中央労働災害防止協会については、過去平成22年度までの5年間において、会計検査院からの指摘を受け、検査報告に不当事項等で掲記されたものについては、記載のとおりとなっています。平成18年度、19年度の小規模事業場等団体安全衛生活動援助事業等の実施に当たり、一支部において領収書等の支払いの事案の裏付けがないなど、委託事業等に要したと認められない経費が含まれていたものです。行政処分を受けた事案ですが、平成12年度から16年度における国の委託費及び補助金について「期ずれ」等の不適正な経理処理が行われていることが判明し、返還請求及び再発防止についての措置が国から指示されています。
陸災防は、平成18年11月に支部が行う技能講習について、フォークリフト運転技能講習の学科講習の時間が不足している事実が発覚し、2カ月の業務停止処分を受けたもの。それから、平成19年1月にも同様の事案が発生しています。
林災防ですが、平成20年3月に支部が行う技能講習について規程に定める講習時間を満たさなかった事案が発覚しています。6カ月の業務停止処分となっています。平成22年3月にも同様の事案が発生しています。それから、平成23年2月にも同様の事案が発生しています。平成22年3月、それから、平成23年2月については、これは受講者が単位人数を超えていたというものです。
以上、事務局からの説明を終了いたします。

○相澤座長 膨大な資料のご説明をありがとうございました。これにつきましてご意見等がありましたら、委員の方からお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。高橋委員どうぞ。
○高橋委員 膨大な資料のご説明ありがとうございました。まだ内容を委細まで理解していないで質問するのも申し訳ないのですが。この災防団体は産業界から見ると、法律で決められたこと、あるいは効果的な手法というものを、具体的に事業場でどう展開するかを示し、指導してきたという意味で果たしてきた役割は、極めて大きいものがあると思います。ただ、冒頭に部長からご説明がありましたように、この期に及んで労働環境、あるいは職場の実態というのは極めて速いスピードで変わりつつありますので、それにかなうような体制・内容に直していくことは理にかなっていると思います。
 そういう意味で見直さなければいけない部分があると思います。そのための質問として2点教えてください。まず1つは、この中災防以外の団体については、災害が多いということで、こういう組織を作ったと聞きましたけれども、いまもこれらの業種については、災害が多いという認識でよろしいのでしょうか。
 もう1点は、資料6で詳しく説明がありましたが、財源というか組織のファンドとして、大まかな構成は中災防を中心に見ていましたら、まず会費収入と事業収入、それから補助金、労災特会という話だったと思います。そして、受託収入を加えて大きく5つから成っていると思うのですが、これは他の組織についても同じ構成であると理解してよろしいでしょうか。以上、2つお願いいたします。
○事務局 まず収入の構成ですけれども、高橋先生のご指摘のように、まず会費収入、国からの補助金、自主的な事業を行っているその事業収入、これらが主な収入となっていまして、中災防ほか各団体とも同様となっています。
○安全課長 業種別の各団体の災害が多いか。確かに?橋委員もご存じのとおり、昭和30年代から比べますと、大きく災害は減っているというのは間違いない事実です。ただ、それは、我々としてはそういう昭和30年以降の業界ごとに安全衛生に対する活動の中で減ってきたということで、そういう緩みのない継続的な安全活動の中でここまで来たということで、いま挙がっている業種別の団体については、それなりに確かに全体数は減っているのは事実ですが、やはりその災害の重篤度が高いとか、作業自体の危険度が高いという趣旨から見れば、やはりその存在として、安全かつ業種別にそれぞれ対応するということは、いままでから見ますと、業種別として、団体の存在理由というのはあったのではなかろうかと思いました。
○相澤座長 よろしいですか。他にありますか。
○三柴委員 中央協会と産別の協会の設立経緯と、それから外国の例についてごく簡単にご紹介させていただくことをもって、意見に代えさせていただきたいと思います。中央協会と協会の設立根拠である労災防止団体法ですけれども、これは全安連や全衛管協というような自主的な安全衛生団体からの流れを汲みながら、当時の行政の主導によって諸外国の先例を参照して起草されたという経緯があります。
 特に参考にされた独仏では、それぞれの歴史を踏まえてやはり法律によって設立された公的で労使による自主的な団体、ドイツの場合は労災防止団体、フランスの場合は社会保障金庫と言いますけれども、これらが労災補償と予防の一体的な役割を担って強制加入制度を採っています。ですから、予防についても強制加入という枠組みに入るということになります。
 これはどういうことかと言うと、補償支出を減らすためには予防に尽力する、力を尽くすという構造的な圧力が、直接的にかかる仕組みであると理解することができます。例えばドイツの場合、予防に係る役割というのが非常に広くて、大規模な巡回健診なども行っていますし、災害調査に際しては団体が擁している技術監督官という制度があるのですが、これが向こうでは営業監督官と言っていますが、国の労働監督官と共に現地に赴いて共に調査を行う権限を持っています。
 独自の研究も盛んでして、中央団体は法的強制力を持つ労災防止規程の制定権限を持っていて、これは非常に充実しています。国の法令とほぼ同じようなものとお考えいただいてよいと思います。一般的な規程は、内容的に国の法令とかなり重複する部分があるのですが、特に産業別の規制などは国の法令よりも詳細で踏み込んだものが多いと言えます。規程の違反は秩序罰、日本で言う交通違反の青切符みたいに扱われて、金額的にさほど大きくないのですけれども、集められた金員はその全額が当該団体に収納されることになっています。
 私が調査した1990年代でも、職員数は2万名を超えていて、うち2千名強が技術監督官した。1994年の統計でも、34の商工業系の団体全体で、30億マルク以上の収入額がありました。日本円で2千億円ぐらいですね。私自身ドイツの団体を2カ所ほど訪問調査したことがあるのですけれども、かなり立派な施設でそれなりに充実した活動を行っていると見受けられました。
 他方日本ですが、法案作成段階の議論などを踏まえて、団体の強制的性格が弱められて、ソフトな役割に制限されました。当然ながら、補償の役割も持っていないわけです。しかし、たしか高度経済成長期に労災が多発した産業については個別に協会が設立されて、労災防止規程の制定権限も付与されました。とは言っても強制加入ではありませんので、業界の協力を支えとしているということもあって、その実効性は実質的には十分に担保されておらず、規制については行政の施策に頼る傾向が続いて、規程整備は総じてあまり進んで来なかったと思われます。このことは、今日資料9でお配りいただいているところからも明らかかと存じます。
 けれども、行政との密接な関係や業界との協力関係の下に、労災防止のために教育研修や専門指導など、ソフトな取組を概ね真摯に行ってきたこと自体、多くの関係者に認知されていると思われます。そして、その活動の背景には、労働行政との関係に係る信頼性、良い意味での行政の延長的な評価とか、労災防止に熱意を持つ職員の方々の存在も大きかったと思われます。したがって、その成果は団体単体で算出されるべきものではなく、先ほど田中安全課長からも少しお話がありましたけれども、行政による成果などとの合算で考えられるべき点もあるだろうと思われます。
 安全衛生管理というのは、トップダウンとボトムアップの双方向のアプローチが求められる課題ですので、外国との制度比較の視点も必要ですし、それから国による文化文明の違いというのを考慮して実施する必要もあります。日本でもそのような考慮のもとに、日本の実情に合った自主的活動の枠組みが考案されて運営されてきたものと解することもできます。
 無論、長期間にわたる制度の運用の中で、無駄や非効率が生じてしまったと、いわば制度疲労的な面というのもあるかもしれませんけれども、そもそもその団体が成立された趣旨や経緯、現実に果たしてきた役割などについても、目に見えやすい数字だけにとらわれず、多角的かつ的確に評価される必要があるのではないかと思われます。少し長くなりまして恐縮です。ありがとうございました。
○相澤座長 ありがとうございました。ドイツ、フランスと、日本との比較をお話いただきました。大変参考になったと思いますが、いかがでしょうか。他の委員からありますか。五十嵐委員どうぞ。
○五十嵐委員 事業の内容とか、その行っていることが有効かどうかという評価はこれから当然なされるわけですけれども、その前の段階のガバナンスですとかその経営というか運営上の枠組みとか、その辺のところの観点が、他のいろいろな一般的な公益法人等と比べると、少し変わっているというか、大変になっているのかなという印象を受けました。
 これは全国組織、ほとんど同じような状況ではあるのですけれども、資料4にある支部なのですが、支部というものの位置付けが、なかなか一体何なのかと。支部というのは、自分の体の一部と普通は考えるわけですけれども、そうではなくて、別の外部の団体とも見える。どうもその辺が、きっちりと整理されているのかどうか、非常に疑問に感じます。
 特にこの支部の運営主体という書き方をしていますが、この支部と、例えば都道府県の協会とはどういう関係になっているのか、あるいは峻別がきちんとなされているのか、その辺りですね。支部があることによって、ガバナンスが非常に複雑になっているというところも気になるところなので、これからその辺について改善するべく検討する必要があるのではないかなと思います。
 もう1点は、今日初めて見せていただいたこの決算状況ですが、まずこれが正規の財務諸表ではなくて、推移表なので軽々には言えないのですが、ちょっと見てよくわからないという印象でした。公益法人の会計基準に従ったもので出てくれば、比較等もできるのですが、その辺のお金の流れの表し方についても、これから組織でいろいろ検討されるわけですけれども、それとはつながることもありますし、別のこともあろうかと思いますが、その辺の会計の仕組みなども少し再検討が必要かなと思います。
 あとはそのガバナンス全体で、会員がいるわけですから最高議決機関は総会ということで、会員が組織の構成員ということで、最も重要な構成員になるわけです。その辺で、会員が本当に積極的に構成員としての意識でやっていけるような仕組み、あるいは事業の内容の決め方になっているのかどうかというのはちょっと気になった点です。以上です。
○相澤座長 ありがとうございました。支部のあり方と全体のガバナンスのあり方と決算のことでした。市川委員どうぞ。
○市川委員 非常に膨大な資料でしたのですべて咀嚼し切れていませんが、基本的には労働災害防止団体のこれまで培ってきた専門的な知見やノウハウ等がいろいろな組織の改編を行うことによって、うまく活用できなくなるというようなことがないように、逆にそういうものがより有効に活用されるようにという方向で検討をすることが、非常に重要であり、この点の議論が必要だと思いました。
 非常に細かいことなのですが、いま五十嵐先生からもご指摘がありました、資料4の支部との関係について、私も本部と支部の位置付けが今一つ理解できなかったのですが、収入と支出の中で、例えば陸災防、港湾災防、鉱災防の支出の中で、本部への納付金というものがあります。支部の活動費支出というのはわかりますが、本部への納付金というのはどういう性質のものなのかお聞きしたいと思います。
○事務局 現段階では、詳細について把握できていませんので、できましたら次回ヒアリングの機会において、直接法人のほうから確認をしていただければと思います。
○相澤座長 こういう質問があったことを伝えていただいて、必ず返事が出るようにしていただきたいと思います。他にはいかがでしょうか。
○田極委員 私も五十嵐委員と重なるところがあるのですが、やはりこの財務諸表を見ましても、会費収入とか補助金収入がだんだん減少していく厳しい状況にあることがよくわかりました。その中で、資料11ですが、ガバナンス、コンプライアンスということで資料を作っていただいていますが、この中を拝見しますと例えば理事会、総会、それから常任理事会などは年に1回、あるいは年に2回など、回数も非常に少なくなっていることが、これからも見て取れます。
 こういう厳しい財政状況にある中で、この理事会ですとか、常任理事会というのがどう機能しているのかというのが非常に疑問に感じました。理事会においても、内容が予算とか決算、事業報告、事業計画の承認という内容になっています。それから、常任理事会についても、計画案について審議するなどとなっていて、その辺がきちんとガバナンスが働いているのか非常に疑問を持ちました。その辺りは今後明らかにしていただき、問題点があれば検討していく必要があるのかと思いました。以上です。
○相澤座長 ありがとうございます。では、次回のヒアリングのときにも、そのようなことを質問していただきたいと思います。いかがでしょうか、他には。どうぞ。
○谷口委員 詳細の説明をありがとうございます。補助対象事業の実績というこの表をずっと拝見していたのですが、まだよく読み取れていませんので今後ヒアリングもさせていただけると伺っていますので、そういった中で確認をさせていただきたいと思います。
 年を追うごとに、いろいろな情勢が変化したり、あるいは会員の人数がいろいろ変わってきていると思うのですけれども、そういう変化をしっかりと吸収をして事業の見直しが行われているのかどうか、そこが重要ではないかと思いますので、そうした観点で今後ヒアリング等の中で、もう少し教えていただければありがたいと思います。以上です。
○相澤座長 ありがとうございます。他にご意見はありませんでしょうか。よろしいですか。それでは大変暑い中、長い間ご議論いただきましてありがとうございました。次回の専門委員会ですけれども、資料2の当専門委員会の今後の進め方によりまして、各災防団体の方に来ていただいて、ヒアリングを行いたいと思います。全部で6団体ありますので、ちょっと短いかもしれませんけれども、大体1団体当たり15分ぐらいです。効果的に適切に進めてはいかがかと思います。
 ヒアリングの項目については、労働災害防止計画に即応した業務の中で、特に重点とする事項とその進捗状況。
2番目として、事業効果。これは災害発生抑制効果、これもなかなか難しいと思います。利用者の評価、これは可能だと思います。
3番目として、組織運営上の課題と対策。これは厳しい経営状況におかれている団体が、どのように考えているのかというようなこと。それからただいまご意見をいただきました、本部の支部に対するガバナンス。会費収入の使途。本部と支部の経理。理事会のガバナンス、経営関与ということだったと思いますが、他にはよろしいですか。この3つが主なことです。
 業種別団体については、以上に加えて、労働災害防止規程の法令水準との比較をして、特に上回った規程を設けて取り組んでいる事項。また、新たに災防規程を追加変更する際の契機はどのようなプロセスで行っているかというようなことで、各団体にヒアリングを行いたいと思いますが、15分間でなるべくきちんとヒアリングを有効にしたいと思いますのでよろしくお願いします。内容はこれでよろしいですか。
○市川委員 内容はいいのですが、15分で6団体ヒアリングするだけで90分です。次回会議は会議自体が2時間で、うち90分がお話、30分が質疑と考えておけばよろしいですか。
○相澤座長 もうちょっと長いほうがいいですか。まあこれは予定ですから、多少長くなると思います。一応そういうことで。次回は2時間は取れるわけですね。ですからその30分間をどういうふうに使うか。一応そのくらいで災防団体に用意していただいて、質問等を手際よくお願いしたいと思います。
 それでは、その他ご要望やご意見をいただきましたので、その他は私に一任させていただくということでよろしいでしょうか。以上をもちまして終了としますが、事務局から何かありますか。よろしいですか。
 以上をもちまして会議を終了します。議事録の署名を、市川委員よろしいでしょうか。それから高橋委員にお願いします、よろしいでしょうか。それでは大変お忙しい中、どうもありがとうございました。これで閉会します。


(了)

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