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2010年9月6日 第73回労働政策審議会職業安定分科会議事録

職業安定局総務課

○日時

平成22年9月6日(月)17:00~18:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省省議室(9階)
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号)


○議題

1 雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について
2 その他

○議事

         第73回労働政策審議会職業安定分科会




                    日時 平成22年9月6日(月)
                       17:00~
                    場所 厚生労働省省議室(9階)


○大橋分科会長 ただいまから第73回労働政策審議会職業安定分科会を開催いたします。
 なお、本日の委員の出欠状況は、岩村委員、白木委員、宮本委員、黒木委員、石井委員、
市川委員、久保委員が欠席です。なお、市川委員の代理には、全国中小企業団体中央会の小
林労働政策部長が出席されています。よろしくお願いいたします。
 それでは議事に入ります。本日の議題は、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令
案要綱」についてです。もう1件、「その他」があります。本件については9月3日付で厚
生労働大臣から労働政策審議会長宛、諮問を受けております。これについては、雇用保険部
会において、あらかじめ議論を行っていただいていますが、まず資料について、事務局より
一括してご説明いただき、その後に、清家雇用保険部会長より、雇用保険部会での論議の報
告をお願いいたします。それでは雇用保険課長お願いします。
○雇用保険課長 担当しております雇用保険課長です。私のほうから資料のご説明をさせて
いただきます。お手元のご確認です。資料??1-1が今日お諮りします「雇用保険法施行規則
の一部を改正する省令案要綱」の諮問文と要綱案です。
 資料1-2がそれを説明するための概要の説明資料等です。もう1つ、クリップ留めのいち
ばん後ろにあるのが、参考資料で、「その他」の議題のところで雇用保険関係の参考情報に
ついて説明、紹介をさせていただくという資料です。こちらは要綱案審議の後に説明させて
いただきたいと思っています。
 それでは、資料1-2です。3頁、4頁をめくっていただきますと、資料1-2の中ほどに参
考資料という頁があります。それを再度1枚めくっていただき、横置きになっている雇用保
険法等の一部を改正する法律の概要というペーパーをご覧ください。こちらは本日お諮りす
る省令にかかわる法律改正の概要で、当分科会で今年の年明けにご審議をいただき、その後、
国会に提出し成立施行している法律です。内容的にはそこにありますように、1.と2.という
ことで、雇用保険の適用範囲の拡大ということで、適用範囲のセーフティネットの網を広げ
ていく内容と、下の2.にある雇用保険二事業の財政基盤の強化で、後ほどその他の議題で
ご紹介させていただく二事業の財政状況にもかかわる部分で、雇用保険二事業の財源不足を
補うために失業等給付の積立金から借り入れる仕組みを暫定的に措置するなどの改正を講
じた部分です。
 いま申し上げた内容については、いちばん下の欄外にある施行が、本年の4月1日から施
行していますが、その後に括弧書きで1.-(2)については省令で定める(公布日から9月以内)
ということが記載されているとおり、一部まだ施行していないところがあり、そちらが上の
1.の雇用保険の適用範囲の拡大の四角にある(2)の雇用保険に未加入とされた者に対する遡
及適用期間の改善という部分です。この部分について、もう少し詳しくしているのが次の2
頁です。年明けでしたので、いまいちど重複になりますがご説明させていただきます。
 上の改正の背景ですが、雇用保険、事業主が労働者を雇い入れられた際には雇用保険の中
に入ってくるということで、被保険者資格の取得の届出をハローワークに行っていただくこ
とになっていますが、届出を行わなかったことにより、雇用保険未加入の扱いになっていた
方がおられた場合に、これまでの法改正前の姿でも、被保険者であったことを確認された場
合には、2年までは遡って適用可能としていましたが、2年前までしか遡及できないという
ことで個別の問題ケースとして扱われたのが、事業主から雇用保険料を労働者が控除されて
天引きされていた期間があるにもかかわらず、そういった期間が2年までしか遡及されない
ということで、所定給付日数が結果として短くなってしまうというケースが発生していたと
いうことです。こういった問題について解決できないかということで、この法改正により下
の改正の内容ですが、改正前はいま申し上げたとおりですが、改正後として、事業主から雇
用保険料を控除されていたことが給与明細等の書類により確認された者については、2年を
超えて遡及するということで、雇用保険料の天引きが確認された時点まで、遡及適用の範囲
を広げようという改正を行ったということです。
 例示のところにもありますが、例えば倒産、解雇という離職理由で離職された方について、
所定給付日数、30歳以上45歳未満の方であれば90日となっていますが、これが6年前の
給与明細等で雇用保険料の控除の事実が確認できた場合については、その給付日数が180
日ということで、給付日数が長くなる効果があるという改正内容です。
 併せて保険の制度ということなので、保険料をどうするかという問題があります。この点
については2つ目のポチにありますが、こういった場合について、本来は保険料の徴収の時
効が社会保険制度も含めてですが2年ということで定まっていますが、このような今回の特
例措置を講じた場合について、なおかつ事業所全体としては保険関係成立届出を提出してい
ないということで、保険料を納付していないことが明らかであるケースについては、先ほど
申し上げました保険料の徴収時効の2年を超えて、納付可能としてその納付を勧奨するとい
う仕組みを作ろうというのが、今般の法改正の内容です。
 このような内容の改正を国会にお諮りして成立したということで、細かくご説明は省略し
ますが、3頁、4頁に参照条文を付けさせていただいていますが、雇用保険法、あるいは労
働保険徴収法の改正をしたということがあり、その参照条文の中に、いくつか厚生労働省令
で定めるという形で、改省令に委任しているという部分があり、本日、この関係についてお
諮りをさせていただくというものです。
 以上、前段のご説明ですが、具体的に省令の内容について、簡単に概要をご説明させてい
ただきます。資料1-2の2頁です。上に1-(3)ということで、順序は逆になりますが、後々
いろいろ出てくるので、まずこの点についてご説明させていただきます。いま法律のところ
でも申し上げましたとおり、今回のような2年を超えて遡及適用するという場合について、
雇用保険料が天引きされていたということが書類で確認されることが必要ということで先
ほどの参照条文にもありました法律の中でも、こういった書類について、厚生労働省令で具
体的に定めるとなっており、この2頁の(3)にありますように、一、と二、という形で、賃
金台帳その他の賃金の一部が労働保険の保険料として控除されていることが証明される書
類ということで、具体的な給与明細を想定しています。二、として源泉徴収票又は法人税法
施行規則第67条第1項に定める書類のうち、賃金の一部が労働保険の保険料として控除さ
れていることが証明されるものということで、給与台帳を具体的には想定していますが、こ
ういった書類を省令で定めて、この書類によっての確認を行おうというものです。
 1頁に戻ってこれが1.の雇用保険法施行規則改正関係の書類でしたが、その他、大きく2
つあります。まず、(1)ですが、被保険者でなくなったことの届出及び確認の請求というこ
とで、今般のような遡及適用期間の改善の措置の対象となる場合について、いま申し上げま
したような届出請求をされる場合には、先ほどご紹介した(3)の給与明細等の書類を、ハロ
ーワークの所長に提出しなければならないということが内容です。
 (2)は具体的にどこまでがその2年を超えて遡るかということについて、厚生労働省令で
定める部分です。これについては下のイメージ図で矢印で時間の経過が近くになるのが右側
で、本来雇用保険の対象ということで、労働者を雇われた場合についてはこの雇用の絵でい
ちばん最初のところに資格取得の届出を出していただくことが必要なわけですが、そういっ
たことがなされなかった場合に、離職されてその後、右側の矢印ですが被保険者であった期
間の確認が行われたというケースがこのイメージ図です。
 こういったケースについては、これまでであれば、その確認の日から2年間の部分だけが
遡及適用によって、被保険者であった期間を確定できるということですが、今回、先ほどの
ような給与明細等の書類によって、雇用保険料の控除が確認されるということであれば、そ
の最も古い雇用の日を、被保険者となった日とするということで、左側の点々の矢印のとこ
ろにある期間まで、法改正による効果で遡及して適用していこうというものです。
 こういった形で最も古い日というのが、ピンポイントで日にちということでわかればいい
のですが(イメージ図)の下の※の下に、例)ということで書いていますが、例えば6月分
の給与明細のときに、給与の支払の基礎となる日が5月16日~6月15日という形でその締
切日がはっきりしている場合については5月16日を最も古い日とすることが可能ですが、
基礎となる日がはっきりしていないような場合については、6月分の給与明細ということで、
根拠のある月の初日の6月1日を最も古い日としてみなそうということです。(2)の?@、?A
はいま申しましたような給与明細等の書類で明らかとなる日を最も古い日とするというこ
とであったり、?Aでは最も古い日が日にちとしてわからない場合には、最も古い月の初日を
最も古い日とみなすという部分です。?B、?Cについては4頁で、雇用保険の場合、雇用事業
主が変わった場合には、1年以内で変わっており、その前の離職にかかわる雇用についての
雇用保険を受給されていない場合については、被保険者であった期間を通算するという仕組
みになっていますが、そういったケースについてどう扱うかということです。
 具体的には雇用Bというものの前に雇用Aということがあった場合についての法改正に
よる遡及期間をどう定めるかということで、このケースについては給与明細等によって確認
される最も古い雇用の日のみでなく、被保険者でなくなった日がいつかということを、給与
明細等により控除された日が確認される直近の日の翌日ということで特定をしていこうと
いうことで、その期間内を法改正による遡及期間として通算していこうというものです。
 少し複雑になって恐縮ですが、下の?Aの※の事例のイメージ図の部分については、いま申
し上げました雇用A、雇用Bという形の雇用が重なっているようなケースについては、先
ほどの雇用Bのような部分の被保険者になった日の初日の最も古い日を、給与明細等の関
係で月初めとしたというケースに、その前の雇用Aの離職日と相前後してしまうというケ
ースがあった場合については、雇用Bの最も古い日については雇用Aの離職日の翌日を最
も古い日とするというようなことで、技術的になりますがそういった措置を講じていこうと
いうものです。
 資料1頁の(2)の?Bであったり、※については、いま申し上げました内容を定めようとし
ているところです。
 続いて2頁です。今回、法律の概要で説明したとおり、労働保険の納付についても一定の
納付勧奨をするというような仕組みを法律で定めるとされたところです。その関係で2.と
ころにある労働保険徴収法の施行規則の改正も行わさせていただきたいというものです。具
体的には納めていただくことを納付勧奨する保険料の額を定めることが1つ目の内容です。
(1)の四角の枠の下の(注)にありますが、その遡及期間のすべての月に係る賃金が明らか
である場合には、当該賃金の合計額をもって計算することが可能ですが、相当以前の話でも
あるし、いろいろ届出書類等も出てきていないというような案件ですので、そうしたものが
確定できない場合もあります。その場合については四角の中にあるように、遡及適用対象期
間の始点と終点の賃金を足して2で割り、出して得た額を平均的な賃金の額として、料率に
ついても遡及対象期間の直近の終点の雇用保険料率を掛ける。それで遡及対象期間の月数を
掛けることによって、特例的に納めていただきたいと納付勧奨する特例納付保険料の額を計
算しようということで、定めさせていただきたいというものです。
 続いて(2)ですが、これも法律で一定のそういった基本額に加算する額を定めるというこ
とです。これについては確定保険料が不足した場合に追徴金を徴収する仕組みが現行の仕組
みでもあり、そのときにも10%加算額という形になっているので、それに準じた形で、こ
の特例の保険料の額に10/100を乗じて得た額を加算するとさせていただきたいということ
です。
 (3)(4)はいろいろ納付勧奨等の流れでの手続きで、納付勧奨したことを受けて、納付の申
出をされる場合については、事業主の氏名、納付保険料の額等を記載した書面を提出してい
ただくとか、あるいはそういったものを受け、労働局では当該納付の申出があった場合には、
特例納付保険料の額と納付期限の通知をするという手続きをとっていこうということを、省
令の中で定めさせていただきたいということが内容です。
 以上が大きな内容で、3頁にあるように、施行期日については先ほど法律のところで申し
上げましたが、交付の日から9月を超えない範囲で、政令で定める日ということで、年末ま
でにできるだけ早くということで現在10月1日を定めるということで、政令制定の準備を
しています。施行期日については10月1日を予定したいという内容です。
 以上の概要に沿い、省令案の要綱にしたものが、資料??1-1になります。資料??1-1は簡
単にご確認だけですが、1枚めくっていただき、大臣からの諮問文、1頁からが省令案の要
綱で、第一が雇用保険法の施行規則の一部改正で、1頁から2頁、3頁にかけてが届出関係
の改正です。3頁の後ろから4行目の四からが、先ほど申し上げました厚生労働省令に定め
る日を、どの最も古い日と定めるかということを定めている部分です。5頁は具体的に厚生
労働省令で定める書類はどういうものかということを、五で定めさせていただいています。
 6頁からが第二で、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部改正で、保険
料の関係です。6頁の一の特例納付保険料の基本額の(一)が先ほどの四角枠で囲んだ計算
式を書いている部分です。7頁の二が加算額、三以降が先ほど申し上げましたような納付の
申し出等の手続きです。8頁で第三のその他ということで、一の施行期日で、10月1日を
予定している省令の施行期日は政令の定める日から施行するということで記載しています。
私からは以上です。部会長から部会の報告をお願いします。
○清家委員 それではご報告申し上げます。ただいま事務局より説明した件については、9
月3日の雇用保険部会において、あらかじめ検討しましたが、その結果、内容については妥
当であるとの結論を得ましたので、ご報告いたします。
○大橋分科会長 それでは「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」について、
ご質問、ご意見がありましたらご発言願います。いかがでしょうか。
○新谷委員 雇用保険部会でも申し上げたのですが、今回の省令の整備は、今回の法改正の
中で事業主の故意または過失によって、労働者が事業主から雇用保険料を控除されているに
もかかわらず、保険関係が成立していなかった者について、徴収時効の2年の壁を超えて救
済の道を開くということに対しては、非常にいいことだなと思います。
 ただ、我々労働者にとっては、うっかり忘れたのかもしれませんが、雇用保険の届出を行
わなかった悪質な事業主がいるということに対して、給料から引かれた保険料なるものはま
さしく不当利得として残っているわけですので、非常に憤りを感じるわけです。そのような
事業主に対して、徴収時効にかかった2年を超える分については、納付の勧奨という手続き
しかできないわけで、こういう悪質な事業主に対しては、いわゆる「やり得」にならないよ
うに、是非職業安定行政だけではなくて、労働基準監督行政も含めて、こういうモラルハザ
ードを起こさないように、是非行政としてもきちんとした監視、指導をお願いしたいと申し
上げておきたいと思います。
○雇用保険課長 いまの点はご意見かと思いますが、一言申し上げさせていただきます。 
今回の法改正を受けての省令ですが、まずもってこういうケースが発生しないことにすると
いうことがいちばん肝要かと思っておりますので、私どものハローワーク、あるいは基準行
政も含めまして事業所を立上げ、人を雇われたというケースであれば、保険関係の成立届を
提出していただいたり、ハローワークにも被保険者の資格取得届出を出していただくという
ことが、行われるように行政としても周知徹底ということをしっかり行いたいと思います。
 また、労使双方にもご協力をいただければと思っておりますが、不幸にしてもこういうこ
とが起きた場合には、またこういったことが繰り返されないようにということをしっかり取
り組まさせていただきたいと思っております。
○大橋分科会長 よろしいですか。その他ございませんでしょうか。特にないようでしたら、
当分科会としては厚生労働省案を妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会長にご報告申
し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○大橋分科会長 それでは報告文案の配付をお願いいたします。お手元に配付していただき
ました報告文案により、労働政策審議会長宛、ご報告することとしてよろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○大橋分科会長 それではそのように報告させていただきます。これをもって、厚生労働大
臣に対する答申となりますので、ご了解ください。引き続きまして議題の「その他」として、
雇用保険関係の参考資料が配付されているので、事務局より説明をお願いいたします。
○雇用保険課長 それでは引き続き、私から参考資料の説明をさせていただきます。1枚め
くっていただき、今日ご紹介させていただきますのが、雇用保険関係についての収支状況で
す。最初が失業等給付関係の収支状況です。平成21年度の決算がほぼ固まっています。(見
込)と書いてありますが、数字はこのとおりです。21年度、収入が20,508億円ということ
ですが、リーマン・ショック以降の雇用情勢の悪化ということもあり、支出が22,481億円
となりました。結果、差引き剰余が7年振りに赤字で、1,973億円の赤字となっています。
結果として、21年度末の積立金残高は53,870億円となっているのでご報告させていただき
ます。
 なお、昨年もいろいろ料率の関係についてもお諮りをしたところですが、22年度の予算
の額については、そこにありますとおり、収入、支出、支出については引き続き雇用情勢は
厳しいということで予算化させていただいていますので、差引き剰余後の積立金残高が
42,000億円強となっています。8月末に23年度の概算要求を当省として財務省にした内容
が、いちばん右の23年度の要求ということです。
 収入については21,351億円ということです。これについてはまた本年と同じく改めて、
雇用保険部会でもご議論いただき、分科会にもお諮りをさせていただきます、雇用保険料率
についての弾力の発動については、また改めてお諮りさせていただきますが、21年度の決
算状況から見てということで、事務局において23年度の要求については、要求の姿として
料率を16/1000から12/1000に引き下げた形の12/1000という保険料率で要求しています。
 国庫負担についても先の国会でご議論いただいた法案で、22年度中に安定財源を確保し
た上で、23年度に1/4に復帰するという形になっているので、まだ23年度についてはそう
いった形での政府内等での安定財源についての検討も含めて行った上でとなっていますの
で、23年度のこの要求の時点については、1/4ではなくて、13.75%の国庫負担率で、収入
については要求しているというものです。
 支出については雇用情勢はまだまだ厳しいですが、本年度の要求額よりは少し落ちるだろ
うということで、24,820億円を要求させていただいています。ただ、結果としては差引き
剰余は引続き赤字ということで、23年度の要求ベースでは、積立金残高は約38,000億円と
いう状況になることを見込んでいます。ただ、この積立金の中身については、これからまた
ご説明申し上げますが、22年度の予算、23年度の要求については、こちらのほうの積立金
から二事業のほうが財源が枯渇しているということで、それぞれ下の(注)の欄外の3.に
も書いてありますが、22年度予算について4,400億円、23年度要求内容については1,000
億円を二事業に貸出しするということで、減額してこの欄に計上しているものです。
 2頁はいま申し上げました積立金の残高等について、平成5年以降、当時も積立金は5兆
円近くあったわけですが、相当山谷が激しく変動するという形でのイメージをいただくため
の資料としてお出ししているものです。
3頁、雇用保険二事業関係の収支状況です。こちらも19年度からの予算、決算等の状況に
ついてお示しております。失業等給付費と同じく21年度についての決算がほぼ見込みで固
まっているのでご報告させていただきます。収入が5,022億円で、支出が10,235億円とい
うことで、これまたリーマン・ショック以降の雇用調整助成金等、雇用対策経費ということ
で、支出がそれまでの19年、20年と比べていただきますと、一目瞭然ですが、相当多額の
支出になったということです。結果として、差引き剰余が5,212億円の赤字ということで、
雇用安定資金残高が5,048億円というのが決算ベースの状況です。
 続いて22年度の予算、23年度の要求の状況ですが、22年度についても雇用調整助成金
等の支出が大きく見込まれるということで、欄外にも雇用調整助成金の予算額を書かせてい
ただいていますが、22年度で7,257億円となっており、収入の10,039億円のうち、先ほど
申し上げました4,400億円を労使の保険料の積立金から借入れをするという形を前提にし
た予算をとっているということです。
 この点については先ほどの遡及適用の関係での法律の冒頭ご説明申し上げましたが、当初
予算関連の法律のところで、22年度及び23年度については、こういう形での積立金の積立
金からの借入れを暫定的にお認めいただく法律の改正をしたということに基づいて、かよう
な措置を講じているというものです。
 結果として22年度の予算ベースでの雇用安定資金の残高が、2,736億円です。このよう
な22年度の予算の姿を受けつつ、足元の雇用情勢等を勘案しながらの23年度の雇用対策
経費としての要求ですが、収入が6,627億円で支出が8,849億円です。いろいろ労使の積立
金からの借入れをするということで、二事業の予算についても、他の事業を精査させていた
だいたところですが、やはり依然として雇用情勢は厳しいということで、欄外にありますよ
うに支出のうちの雇用調整助成金予算額ですが、23年度についても22年度よりは足元の利
用状況等を勘案してということで、4,220億円の雇用調整助成金の予算を要求内容として計
上していますが、22年度の雇用安定資金残高から勘案して、やはり不足するということで、
収入の6,627億円のうち積立金から先ほど申し上げましたように1,000億円の借入れを前
提とした予算要求の内容となっています。結果的に引続き差引き剰余は赤字ですが、雇用安
定資金残高は、23年度の要求ベースで514億円になるということを予定した要求内容とな
っています。
 今後とも雇用情勢等を見ながら、年内の予算編成過程での動きはありますが、8月末での
概算要求内容についての内容も含めた現在の雇用保険関係の収支状況について、資料をお配
りしてご紹介させていただきました。
○大橋分科会長 ご説明ありがとうございました。それでは参考資料の雇用保険関係資料に
ついて、ご質問、ご意見がありましたらご発言ください。いかがでしょうか。これは安心し
ていいのですか。
○雇用保険課長 これはなかなか安心できる状況ではないということかと思います。失業等
給付の収支状況も、21年度決算の状況では、5兆円を超える積立金ということですが、引
続き大きな赤字傾向にあるということですし、次頁にもありましたように、これまでも4
兆、5兆あった積立金が一気に4,000億円規模ということになって、いろいろその時点での
保険料の引上げであったり、あるいは給付内容の見直し等を行っていただいた結果からいき
ますと、雇用情勢は引続き厳しい状況が続いていますので、こちらのほうも非常に厳しいと
いうことかと思います。二事業のほうは一目瞭然の状況で、いろいろ労使の皆さんからの保
険料をどういう形で活用していくかということについては、引続きしっかりやっていきたい
と思っております。
○清家委員 1点だけ付け加えます。雇用保険部会でも、労使の委員は今日直接は触れられ
ませんでしたが、やはりご要望があるのはしっかりと国庫負担の率を、原則どおりにしてい
ただきたいということは、労使双方の委員からもありますので、この辺も分科会でもご留意
いただきたいと思います。
○大橋分科会長 よろしいですか。それではご質問・ご意見等がないようですので、参考資
料雇用保険関係資料についての質疑応答は終了いたします。その他、全体にはございません
でしょうか。ないようですので、本日の分科会はこれで終了したいと思います。分科会の今
後の日程については、また追って事務局よりご連絡させていただきます。本日の会議に関す
る議事録については、労働政策審議会運営規定第6条により、会長のほか2名の委員に署名
をいただくことになっています。つきましては、労働者代表の古市委員、使用者代表の高橋
委員にお願いいたします。本日はお忙しい中をどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

職業安定局総務課総務係

(TEL)03-5253-1111(内線5711)

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